児童の合唱活動における個と集団の関係について : 指導者のリーダーシップと児童の満足調査をもとに
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(2) 目次. はじめに・…. ● ●. ● ●. ・・。・. 第1章児童期の集団と個性の形成 第1節 児童の集団形成について・・・・・・・・・・… 3 1.集団の形成. 2.児童期の発達段階と集団形成について. ・発達段階と準拠集団. ・家族集団における特徴 ・友人集団における特徴 ・学校での集団における特徴. 3.学習集団の性格. 第2節 児童期の個性形成について・・・・・・・・・・… 17. 第2章集団におけるリーダーシップ 第1節 リーダーシップ・・・・・・・・・・・・・・・… 20 第2節 学校教育におけるリーダーシップの研究・・・・… 23 第3節 合唱指導におけるり一ダーシップの研究・・・・… 25. 第3章児童合唱団における指導者のリーダーシップ行動の評定と児 童の満足度に関する調査 第1節 調査方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 29. 1.実施期日. 2.調査対象 3.実施の手続き ・指導者のリーダーシップ行動の評定についての調査 (1)質問項目の作成. (2)実施方法 ・児童の満足度に関する調査 (1)質問項目の作成. (2)実施方法.
(3) 第2節 分析結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 33 1.指導者のリーダーシップ行動評定について. 2.児童の満足度に関する調査について. 第4章 分析と考察 第1節 指導者のリーダーシップ行動評定について・・・・… 40 第2節 児童の満足度について・・・・・・・・・・・・・… 43 1.合唱団に対する満足度. 2.集団に対する同一化 3.児童の習熟度. 4.児童の意欲 5.集団からの圧力 6.各合唱団の性格のまとめ 第3節 各合唱団の指導者の性格・・・・・・・・・・・… 47. 第4節 合唱団における特徴・・・・・・・・・・・・・… 48. 1.A合唱団の特徴について 2.A合唱団とB合唱団の違いについて 3.A合唱団とC合唱団の違いについて. 4.A・B・C合唱団とD合唱団との違いについて. まとめ5・6・・・・・… 9・巳6・… 6・・・… 56 謝辞. 参考文献. 巻末資料.
(4) はじめに. 本論文は、合唱活動において指導者のリーダーシップが、個人の尊重と活動成果にどの ような影響を及ぽすかについての研究である。. 筆者はこれまで、個人を尊重し成長させることが、合唱団全体の成長にもつながり良い 合唱を作ると考えてきた。これは、多くの合唱団において、個人を尊重することよりも集 団を尊重する傾向が強いため、パートの音色を統一するために個人の声や表現が制約され たり、全体の音からはみだすことを恐れるあまり消極的な歌い方になったりするなど合唱 の短所ともいうべき悪い事例が見られたからである。このような場合、個人を尊重するこ とで、児童の主体的な音楽への取り組みや創造性の発揮・拡張などを生み、一人ひとりの. よさ・可能性の発見にもつながり、より豊かな合唱活動をおこなうことができるのではな いだろうかと考えてきた。. だが一方、個人を尊重するだけでは達成できないことも多い。例えば、個性を尊重する ことが無秩序につながってしまった場合、合唱における最大の特権であるハーモニーの美 しさを体感させることは難しくなる。また、集団として目標達成に向かおうとする態度・. 意欲は低くなり、みんなで歌う楽しささえも感じることができなくなるだろう。ただ単に 個性を尊重することがより豊かな合唱につながるわけではなく、何か目標を達成させたり、 成果を得ようとしたりするためには、ある種の規制やコントロールも必要である。. 合唱活動においては、目標や活動方針を明確にすること、団員の意識を高めること、よ りよい環境づくり(集中できる環境)、雰囲気作り、仲間意識づくりなどたくさんの配慮. を必要としている。指導者は、それらの点に配慮しつつ、一人ひとりの個性を生かしなが ら、他者と協調することの重要性についても適切な指導を行わなけれぱならない。このよ. うに、合唱活動において指導者の役割はとても大きいし、その指導力とあり方は重要な意 味を持つと言える。. 教育の場においても、しばしば、個性の尊重ということが言われてきたが、集団で一つ の音楽を形成する合唱という活動においては、どのような指導が個人・個性の尊重につな がり、集団に効果的な影響を与えるのかということについては十分研究されているとはい い難い。. そこで、「合唱における指揮者・指導者」を社会心理学で言うところの「リーダー」と して捉え、「その人が集団の目標達成に向けて他の人に及ぽす過程、またその集団のさま. ざまな活動に影響を与える過程」(リーダーシップ)が合唱活動における集団と個人の関. 係にどのような影響を及ばすのかということを考察し、望ましい合唱指導のあり方、豊か. 1.
(5) な合唱活動を生む指導者の理想像を探っていきたい。. 2.
(6) 第1章 児童期の集団と個性の形成 第1節 児童の集団形成について. 1.集団の形成. r集団」を心理学的な見地から言うと、r互いにク を与えAう 魯けA 盈2人以上の人間の集まり」ということになる。この「互いに影響を与え 合う(受け合う)」ということが、集団を定義づける際の大きな要因になる。. 互いに影響を受け合わない関係ならば「集合」といわれる。この他にも、集 団を形成する際に、関係が一定期間継続すること、いくつかの目標を共有し ていること、地位や役割がはっきりしていること、集団に所属していること. を自覚していること、などの条件が重なってくる。これらの条件の重なりが 多いほど、集団らしい集団になると考えられている。. 集団の作られ方としては、計画的形成、外部的規定での形成、自発的形成. (社会心理学 井上隆二・山下富美代 2001 ナツメ社)があり、次のよ うな性質がある。. 表1−1 集団形成の性質 計画的形成. ある目標を達成するため、意図的につくられる。集団 目標を最も効率よく追及し、そしてその集団を効率よ 運営していくために、組織の形態や制度・規則などを め決め、そこに具体的な個人を配属していく。 例:企業集団. 外部的規定での 成. 自発的形成. 周囲の人々に同じ一団として扱われるうちに集団とな 。 例:皮膚の色、言語、職業など. 一緒にいることで満足感が得られることを期待して集 となる。その集団の発展は、各人の特徴に依存する。 例:友人たち、趣味の仲間など. 3.
(7) 合唱活動を行う集団は、計画的形成・自発的形成にあてはまる。. 人々が集団に継続的に所属する理由として考えられているのは、注目され たい、好意を得たいなど「心的要求を満足させるため」、「目標達成を援助し てくれるため」、「個人では入手できない知識や情報を入手できるため」、「身. の安全を守るため」、「肯定的な社会的アイデンティティを得るため」などが. ある。どの点にも共通していることは、その集団に何らかの魅力があるとい うことである。. さまざまな理由によって形成された集団は、分化①が起こり、集団内での 各メンバーの位置関係が同等ではなくなる。これを、r集団の構造化」とい い、その関係を「集団構造」と呼ぶ。これは、高い集団効果を上げるのに都 合の良い活動ができる組織をつくること、能力や意欲の高いメンバーたちが、. 集団内で重要な位置を占めること、または、集団内の状況によることのため に生じる。その初期段階として、リーダーとリーダーに従う人々(フォロア. ー)の関係が生じる。この関係構造は、集団をより集団らしく形成する重要 な条件である。その段階が進むにつれ、集団内での各人の役割ができていく。. この「役割」は、集団目標を最も効率的に達成できる反面、集団内での個人 の行動などを限定する傾向がある。. 人々が集団に継続的に所属する理由について、集団の持つ魅力であると上 記したが、心理学では、その集団が持つ魅力のことを「集団凝集性(単に、. 凝集性ともいう)」と呼ぶ。この集団凝集性には、2つの面がある。. ①集団内で生じる、メンバー間での存在等の違い. 4.
(8) 表1−2 集団凝集性 対人的凝集性. メンバー間で互いに好意を持つことにより生じる集団 魅力. 課題達成的凝集性. その集団に所属することで自分の重要な目標を達成で ることにより生じる集団の魅力. (社会心理学 井上隆二・山下富美代 2001 ナツメ社). この集団凝集性は、集団の成果と密接に関係している。一般的に、集団凝 集性が高いほど集団の成果は優れていると考えられている。. 以上のように集団が形成される際の様々な性質について述べてきたが、集 団を考える際には、(1)集団での個人の行動について考えられる問題と(2). 個人の行動に及ぼす集団の効果の問題がある。一個人で行動する場合と集団 において行動する場合では、個人の行動に、大きな違いが見られる。個人の. 行動が、その環境によって影響を受けるということは、集団の効果を期待で きるということである。. 2.児童期の発達段階と集団形成について. 上記した集団の形成にっいては、児童においても同様のことが言えるが、 集団というものが、個人に対してプラスにもまたマイナスにも影響を与える からこそ、児童期ならではの集団の特徴を理解する必要がある。. 5.
(9) まず、児童期の集団形成を、成長段階と準拠集団①の変化とを照らし合わ せながら述べていきたい。. ・発達段階と準拠集団. 準拠集団は、発達段階につれて変化する。. 幼児期までは、多くの子どもの準拠集団は家族である。それがしだいに友 人集団に移行していく。. 児童期では、生活の一部は依然として家族に準拠し、一部は友人集団に準 拠することになる。例えば、食習慣・日常の決まりきった行動様式などは、. 家族の規範にしたがうが、ことば遣い、遊び方、持ち物などになると、友人. 集団が標準となる。そして、その友人集団も男女で別のものとなる。幼児期 では、男児も女児も一緒に遊んでいるが、それが児童期に入るころから両性 間で少しずつ遊びの好みに差が生じてくる。それからは、男児は男児の集団 を、女児は女児の集団を選ぶようになる。したがって、男児の準拠集団は男. 児の集団、女児の準拠集団は女児の集団となるのである。こうして、同じ学 級の中でも、しばしば男女間の抗争が引き起こされる。. 子どもたちが、自分たちの仲間を準拠集団にして、その態度や行動を変化 させていくことは、それだけ、両親などの成人に対する依存を離れて自立し. 始めたと解釈できる。また、児童期になっても、仲間を持たず孤立している ①個人がその成員となることを、もしくは、心理的に関係することをのぞんで いるような集団. 6.
(10) 子どもは、社会的発達が未熟であると考えられている。 子どもは、発達段階に応じて、それぞれに、その自我①を確立し、同時に、. それが社会化(所属する社会集団の成員となり、その文化を学習する過程). されていく。その過程では、競争やけんかがあるとしても、しだいに、相互. 協力的な態度や行動をとるための学習が進むと考えられている。まず、他人 からの愛情、承認などを求め、排斥、非難などを回避する願望が働き、次に、. 他人の行為を模倣し、学習するというメカニズムが働く。このようなメカニ ズムは、家族集団、友人集団など、特徴の異なるさまざまな集団の形成で見 られるメカニズムである。. ・家族集団における特徴. まず、家族集団においては次のような特徴がみられる。子どものパーソナ リティの基礎形成に重大な関連があるといわれている家族集団においては、. 心理学的な関係構造が重要である。一般に、子どもは、成長が進むにつれ、 家族集団の中の自池の位置や役割を理解し始め、むやみに拒否や反抗を繰り. 返すことをやめて、両親に従属するようになる。もちろん、従属するといっ ても、従順に服従するというのではなく、ある程度の拒否や反感は試みるが、. それらに固執しなくなって、家族集団内での生活が安定することを意味する。. それによって、家族集団への同一化(緊張や警戒心を解き、安心感を求める ①ある個人の認知や行動の主体者を自己といい、その自己が、他人との関係で 強調されるときに自我という. 7.
(11) 場となる)が成立する。. ・友人集団における特徴. 友人関係においては、田中(1975)は、発達段階と交友関係に着眼し、つぎ. の5つの段階に分けている。以下に要約する。. 表1−3 発達段階と交友関係 第1段階. 《誕生してから2歳ころまで》. 第2段階. 《2∼6歳頃まで(いわゆる就学前の幼児期)》. 第3段階. し、遊ぶ時間も長くなる。 《6∼12歳頃まで(いわゆる学童期)》. 人と物を弁別することを学び、顔色や表情に反応し、身近の親しい びとを認知し始める。やがて、コミュニケーションの手段としてコ バを獲得し、家族外の子どもと遊び始めるころ(平均18ヶ月ころ) なると、同年輩の子どもと関わることに関心を示すようになる。. 満2年の頃から、子どもたちの間に、友情らしきものの芽が見られ くる。3歳を過ぎると、他の子どもに同情的な反応さえ示し始める。 人差もあるが4∼5歳と、急速に社会化が進み、友達の人数も増え 前ギャング時代(pre・gangage)、ギャング時代(gangage)①とよ れる時期に入ると、家庭生活の興味から、集団生活の興味へと、そ 焦点が移行する。友達との集団行動が、子どもの一日の生活の大半 占め、彼らの感じ方・考え方を大きく左右し始める。10∼11歳頃は、 わゆる「仲問」が発生する。男児も女児も、この「仲間」に加わろ とする願望が、いよいよ強くなり、それだけに、その影響は、家庭 学校の力をしのぐほどであるといってよい。彼等は、自己の所属す グループに忠実につくすことを重要視し、仲間を本位とした正義感 ようなものをもつようになる。この時期の後期になると、集団の承 ・不承認が、彼らの行為の規範となり、これを理解しない成人の支 には、かえって反抗を示すようにさえなる。また、性的相反が目立 、男児群と女児群との対立も起こる。. 第4段階. 《青春期(女児では12、13歳から13、14歳、男児では13、14歳か 14、15歳。)》. 交友生活が一時後退して、非社会的、反社会的となる傾向が示され 。すなわち、家庭・学校・友人などに対して疑惑と批判が発生し始 、今までのように明るくなくなり、それまでの仲問の生活から身を くようになる。そして、孤独に沈んだり、感傷的になったりする。 ①普通、9歳頃までを前ギャング時代(pre・gangage)とよび、10歳頃から をギャング時代(gangage)とよぶ。. 8.
(12) そして、児童期の友人とは違った新しい友人がつくられる。また、こ のころの友人関係は、閉鎖的になりやすい。それは、たがいに共感し 共鳴し合う交わりである。また、ある場合には、反社会的な集団行動 に傾く。. 第5段階. 《青年中期。(女児は、17、18歳まで、男児は18、19歳まで。)》. このころになると、3つの世界にすむこととなる。第1は家庭であ る。まったく独立するまでには至らないので、前からの継続として家 庭に依存し、家庭につながる。第2は友達の仲間である。彼等は内的 に結合し、なぐさめあい励まし合う。持続的な親友関係は、このころ からできあがる。しかも、異性との接触が、新しい刺激となり、新し い世界を展開し始める。第3は成人の社会である。生活空間の拡大や マス・コミュニケーションの影響は、いや応なしに、成人社会の現実 を青年の前にさらけ出す。青年は、以上の3つの人間関係の矛盾やコ ンフリクトを経験することが多い。. (新訂児童集団心理学 田中熊次郎 1975 明治図書). 第1段階において、人形や玩具は、社会的共感が一方的な関係であるから、. のぞましい人問性を育てるためには不十分であるといってよい。相互に模倣 し、かつ、争いもするという人間関係の方が大切だということを考えさせる. 時期であるだろう。第2・3段階において、保育所・幼稚園、(保育所・幼稚 園とは異なった性質を持つ)小学校の集団生活は、よりよき社会化を助長す るといってよい。もちろん、競争も起こるし、けんかも多い。けれども、こ. うした集団の中で、色々な社会関係の認知・相互の立場や主張の理解・規範. や標準による判断などが育つのである。現実に反応しあう遊び友達との生活 で、どうすれば意地悪といわれ、どうすればけんかとなり、どういうことが. 親切になり、どんなことから相手は喜ぶようになるのか、実践行為によって 学習することが重要な時期となるのである。. 第2・3段階においては、集団がある期間持続されると、その成員たちの 行動や態度が類似してくる傾向が見られることがある。この傾向は、第1段. 9.
(13) 階では見られないのだが、例えば、ギャング遊びをする子どもたちは、その ことばづかいや服装が似てくる。それらのことから、幼児期・児童期におけ. る集団の重要な形成要因が見えてくる。まず、第1にr個人の認知や判断に ついての類似」である。たとえば、なわとび遊びをする子どもたちにとって、. その遊び方の認知や判断が、およそ一致している必要がある。個人は、他人 と同じ世界にいることを経験することで安定感がえられる。そして、あいま. いなことがらについては多数の意見に従う。そのような行為を繰り返すこと. により同一の集団内において、個人の認知や判断の結果が類似するようにな. る。第2は、r準拠関係と成員性関係①」である。これは、上記したが、児 童にとって、集団の中で個人の存在が不安定で、居心地のいい集団ではない と感じると、その集団を抜け出そうとするか、名前だけの成員にとどまろう. とする。第3は、信念・態度・価値および行動の斉一性をもとめるような圧. 力をおよぼすr集団圧力」である。集団がその成員に統制的な圧力を加える. のは、集団目標を達成し、しかも集団の崩壊を防ぎ、その上に現実社会にお いてさらに発展しようとするためである。しかし、各成員の事情と無関係な. 集団目標であれば、矛盾が生じるであろうし、また、その統率の方法が各成 員にとって、目標達成のための適当なものであると納得されなければならな い。集団圧力の条件に集団標準がある。そして、集団圧力も集団標準も凝集. 性に関連する。以上のように、個人における認知や判断の類似、成員性、準 拠集団、集団圧力は、個人にとって、そのことが自分の存在への安定感に繋. ①集団を形成する成員のその集団に対する関係構造. 10.
(14) がり、集団への同一化を助長させることとなる。. ・学校での集団における特徴. 学齢期に達すると、小学校に通うようになる。家族関係も友人関係も、小 学校に通うことで少しずつ変化していくことは上記したが、学校環境に適応. するか、しないかということが、個人の集団形成、または、人格形成に重要 な影響を与えるほど、学校教育における子どもの集団活動は、最も重要な問. 題である。学校に入学してからも、集団発達の段階を踏み、成長していく。. まず、さぐりの段階がある。入学当初からすぐにそのクラスの心理学的な. 集団の成員となるのではなく、外面的な集団を形成しているにすぎないので ある。最初は、この集団に内面的な関係を持ってよいのか迷う事態に直面す る。例えば、他の子どもたちにどのような態度をとるべきか。また、相手の. 態度にどのように対応していくか。多少の不安と恐怖を抱いたり、警戒心の ため緊張した構えを取ったりする子どももいる。個人差はあるが、この段階 では、教師が、寛容で親切な最初の段階のプランを立てることが重要である といわれている。特に、優劣の目立つ遊びや、競争を刺激する活動は避けた ほうがよいと考えられている。. さぐりの時期が、成功に終わると、子どもたちのダイアド①が作られ、仲 間が次第に拡大し、緊張を緩め、警戒心を解き、安定感を獲得するようにな. ①児童によって構成される集団の最小の二人集団。対(pair).とも言う。. 11.
(15) る。そのクラスが誉められれば、自分が誉められたような反応をする。これ. は、家族の段階でも述べたが、集団への同一化である。集団における安定感 の獲得には、その子どもの心理的な発達の程度、過去の生活史、自己評価な どが大いに影響し、個人差がある。この時期でも教師の児童に対する接し方. はとても重要で、すべての子どもに公平で、ひいきすることなく接さなけれ ばならない。その上特に、孤立する子どもの優しい援助者となる必要がある。. 関係が継続し、深まっていく過程において、相互に相手の性質を知り、集 団の中の相手の活動を認めるようになる。そして、集団活動で何が期待され るかを理解し、自分の考えを主張しようとする。また、一定の集団目標を設. 定すれば、相互作用の過程を通じて明確となり、その結果、ほぽすべての成 員が、同一の刺激を与えられることによって、互いに類似した反応を示すよ うになる。例えば、教師が小集団で、ある一つの問題について話し合いをさ. せたとき、その集団において一定の目標が作られるとする。その目標は、そ の集団の各人の反応を強化させる。そして、その目標が、コミュニケーショ. ンのための材料を提供し、相互作用をさかんにするのである。その中では、 個人的な目標は、制限を受けたり、変容したりすることもある。. 集団同一化が進むにしたがって、成員の行動を規定するいろいろな集団規. 範①が生まれてくる。それらの集団規範は、「われわれ感情(feelingof “we・ness”. 」を育て、同時に成員でないものを除外するようになる。この時. 期になると、教師のリーダーとしての役割が強調される。子どもの個人差を. ①集団圧力のもとに生じる集団の標準的なものの見方、感じ方、行動の様式。. 12.
(16) 理解しそれぞれに応じた導き方を考える必要がある。子どもの集団文化の水 準を商めることで、集団標準①を方向づけることが重要となってくる。その ためには、集団遊びの理解を怠らず、色々な集団活動を行うことが重要とな ってくる。. 上記したような内集団の態度が出来上がるとともに、外集団に対する態度 も形成されてくる。1つの集団生活における成員相互の独特な理解、書動の. 類似、相互的容認、共通経験を土台とするコミュニケーションなどは、他の. 集団の成員との間にはひろがってはいかない。集団同一化が進み、集団目標 が特殊化され、集団規範が確立され、集団生活の期間が長くつづけられると、. その成員たちは、外集団に対しては、排他的な態度を示すようになる。もし そのまま放任されれば、このような外集団に対する態度はますます烈しくな る傾向がある。外集団に対して、そのような強い態度を示すことは、閉鎖的. な集団が形成されるようになることである。それは、集団エゴイズムにほか. ならず、いくら凝集性が高くとも、望ましい集団とはいえない。児童期にお. いては、特に、このような集団の雰囲気に左右されやすい。したがって、教 師は、注意しなければならない。教師の態度や人格も児童期の集団における 性格形成に大きな影響を与えるものである。. これまでに述べてきたように、児童期における集団形成は、発達段階に応 じて、家族集団の時期、友人集団の時期、学校での集団の時期に大きく分け ①目標を遂行するために、集団成員の行動、思想、態度、判断などになんらか 影響を及ばす。その過程で集団成員の所属性に生じる一定の標準. 13.
(17) られる。子どもたちは、その段階ごとに社会化され、無意識的に集団の成員 としての性格を得、成長していくのである。時が推移し、条件が変化すると、. 集団現象も変化する。ゆえに、その時々の対応が異なるということがいえる。. 特に学齢期以降では、それぞれの段階に応じて、教師のリーダーとしての役 割が重要な意味を持っているのである。. 3.学習集団の性格. 次に学習集団の特徴と指導者の働きかけについて述べていきたい。. 学習集団とは、学習を目的とした全ての集団をいう。集団または指導者の 意図的な指導があり、それによる、従属者側の意図的な学習そのものが、少 なくとも一つの目的であるような集団をいう。. 片岡(1979)は教育者と学習者の相互作用をr一つの役割分化の社会体系」 であると述べている。つまり、学習者が期待する役割を果たす教育者と、教 育者が期待する役割を果たす学習者との互いの期待と期待、互いの役割関係 の中に、学習=教育の相互作用が成立するという。集団形成の一つの段階で ある「役割体系」から考えれば、教育者と学習者の原型は、全ての集団にお. いて教育者と学習者=り一ダーとフォロワーの関係であるということがで きるだろう。このような点から、集団における指導者とは、集団において分. 化した一つの役割である、と考える必要があるだろう。指導者とは、集団の. 特定の目的に関する規範を熟知しており、その指導者への依存が他の成員. 14.
(18) (メンバー)から共通に認識されているような、集団において特に分化した. 役割となる。特に、学習者(フォロワー)の指導者(リーダー)に対する依 存が、指導者(リーダー)の学習者(フォロワー)に対する依存の度合いよ りも大きいことが、共通のものとして、多数の成員によって認められること は、重要である。. ここで、学校の教室における集団活動の例から、よりよい指導者と学習者 の関係の形を模索していきたい。. 田中(1975)は、教室における集団活動の型について次のようにあげて いる。①教師支配・児童服従型、②無計画な放任型、③教師が個々の子ども. に対応する型、④教師の指導による集団活動の型、⑤小集団の自発的創造的 な活動を促す型である。特徴を次にあげる。. 表1−4 教室における集団活動の型 ①教師支配・児童服 従型. ②無計画な放任型. ③教師が個々の子 どもに対応する型. 教師が絶対的な権力をふるい、子どもたちは、それに服従 しながら言われた通りの行動をする。従順を強要されるクラ スは、間もなく、静かに勉強するクラスとなる。しかし、そ れがつねに、教師の権威に依存しているところに問題がある。 このようにしつけられると、自主独立の態度や責任分担のス キルが学習される機会がない。そこで、教師が変わったり、 不在であったりすると、たちまちにくずれてしまう。また時 によっては、自発的な学習ではないために、ある子どもたち は、反抗したり、破壊行動に陥ったりしやすい。 教師が、誤まった自由教育、偏った児童中心主義で無計画 に放任をすると、子どもたちは、いつも不安定であり、動揺 しやすく、時には、相互に烈しい競争をしたり、けんかにな ったりして問題が連続する。特に、下位集団と下位集団、も しくは、教師との間にコンフリクトが発生しつづける。 教師は、集団活動を、個々の子どもと教師の相互作用の過 程として計画する。そこでは、子どもたちは、教師と共に、 順番に活動のコースを計画する機会に恵まれるが、一人ひと りの子どもの能力や進度が異なるので、これをそろえようと して、かえって教師支配の様式に傾きやすい。この型におけ る教師と児童との話し合いは、教師と一部少数の子どもたち との対応に終わってしまう傾向がある。個人的創意を十分生. 15.
(19) かそうとすると、きわめて時問がかかり、活動の順序や型を 強く押し付けることになったり、集団相互作用を軽視するこ とになったりしがちである。. ④教師の指導によ る集団活動の型. 集団の相互作用を考慮し、教師があらかじめ設定したプラ ンによって集団活動をみちびこうとする。この場合、問題の 領域によっては成功することもあるが、スムーズに進まない 問題もある。ここでは、教師のプランが、子どもたちの発達 水準に適合することが必要となる。そうしないと、低学年で は、特に失敗しがちである。. 教師と子どもたちの話し合いは、教師が個々の子どもに対 応する型と同様に、一部の子どもの発言や活動にかたよるこ とが多い。. ⑤小集団の自発的 創造的な活動を 促す型. 学級がいくつかの小集団にわかれ、各小集団が、適当なプ ロジェクトを選び、活動の目標を話し合い、協力して活動す ることができる。この小集団の編成は、いろいろな基準によ って行われよう。しかし、小集団の編成がうまくいかなかっ たり、プロジェクトの選定が適当でなかったりすると失敗す るかも知れない。また、小集団の人数が多すぎるとまとまら なくなる。学級の事情に応じて、どの子どもも、安定した位 置をしめることができるように、集団構成を工夫する必要が ある。それには、排斥しあう子どもが同じ集団にいないこと、 できる限り選択し合う子どもたちの集団であること、リーダ 一などの役割関係に偏りがないことなどが、重要な条件であ る。. (新訂児童集団心理学 田中熊次郎 1975 明治図書). どの型においても、指導者(教師)のリーダーとしての役割は大きく、児 童の成長は教師の手の中にあるといっても過書ではないだろう。そこで、手 中で、子どもを握りつぶさずに成長させるような指導が必要である。特に、. 個性を伸長させるためには、個別学習も有効な機会となるが、小集団学習も. 十分有効であることを理解し、指導することが大切である。また、専制的支. 配集団ではなく、民主的集団を築くことにより、一層望ましい人問関係が形 成され、よりこのましい人間性を育てることになるだろう。. 畠山(1984)は、学習集団づくりを次のようにまとめている。. 16.
(20) 学習集団づくりとは、 子どもたち自らがrやる気」をおこし、 「わかりたい」と学習にいどみかかり、. rわからない」ことは「わからない」とはっきり言い、 わからないなかまの存在を大切にし、 みんなでわかり合う喜びを体験し、 次の学習過程への意欲を燃やす、. 子どもをつくり上げていく ことである。 (学習集団の指導技術入門小学校低学年 畠山満枝 1984 明治図書). 第2節 児童期の個性形成について. 児童に関する個性の問題は、現在でも、教育現場などにおいては、“個 性の尊重”“個性の育成”といった形でとりあげられている。当然、集団の 中での個人を考えた時には、個性という問題は大きく関係する。. 「個性」とは. L個人に備わり、他の人とは違う、その個人にしかない性格・性質 2.個物または個体に特有な特徴あるいは性格(広辞苑 1999年第五版) についてのことをいう。. 17.
(21) 学習の主体者である個人には、さまざまな個性、個人差があり、同じ働き かけをしても同じ成果が得られるとはかぎらない。また、どの側面から子ど もたちを捉えるかによって、個性や個人差に対する認識も異なってくる。. 第1節でも述べたように、子どもの個性を伸長させるときに、個別指導と いうのは、とても有効な方法である。しかし、集団学習において子どもの個. 性を伸長させることは、学習に関わる個性、個人差が、知識の量や認知発達 のレベルだけでなく、性格や態度ともかかわってくることから、容易ではな い。. 子どもたちの個性を育てるには、まず、子ども一人ひとりをよく理解し、 その個性を正しく認識することから出発しなければならない。. 子どもたちの個性を正しく認識するためには、個人間差異と個人内差異の 両方から捉えることが必要となってくる。また、個性の発達には、親の遺伝 子的な要素と共に、生活の場(環境)が重要となってくることから、生得的 なものか、後天的に形成されたものであるかを考える必要がある。それらに よって、初めてその子どもの全体像(個性)を認識することができるのであ る。. 個人間差異には、量的に捉えられる個人差(例えば、身長・体重といった 計測可能な量的個人差)と、質的に捉えられる個人差(例えば、認知型とか 知的好奇心といった質的個人差)とがある。まず、他の子どもと比べて、そ の子の特徴がどこにあるかを把握する。また、個人内差異についても横断的. 側面(その子の長所・短所や得意・不得意)と継続的側面(その子の成績な. 18.
(22) どの継続的なフォローにより、進歩や後退を示すもの)とに分けて考えられ. る。これは、他の子どもとの比較ではなく、特定の個人の中で諸特性の間の 差異を捉えることである。つまり、その子どもを、「学習到達度」「学習速度 差」「学習スタイル」「認知型」「学習態度差」(学校教育と個性の伸長 古垣. 光一 1999 くらすなや書房)のなどの観点から統合して、一人ひとりの 全体像を認識する事が大切である。したがって、横断的側面からの個人内評. 価によって、その子の長所を認めてやったり、継続的側面からの個人内評価 によって、その子の頑張りや努力を承認してやったりすることが大切なので ある。子どもたちが集団においてどのように生きているか、一人ひとりの子 どもがどういう生き方をしているか、子どもの個性が生きる場づくりをする 必要がある。. しかし、どのように多様な活動を計画し、個性を生かす教育の工夫を凝ら しても、個性を生かすのはその子ども自身であり、子ども自身が己を生かそ うという意志を・態度を持たなければ、その成果を期待することはできない。. したがって、まず、児童のもっているさまざまな特徴を把握し、次に、そ の個性の上に指導者が働きかけ、よりよい成長発展を具現化していく過程で、. その子の独自性に着目し、そしてさらに、それらの上に子ども自身が自己発 達をとげたいという意志を持てるよう、さまざまな働きかけを継続的に行う ことが個性の伸長のために重要だといえるのである。. 19.
(23) 第2章 集団におけるリーダーシップ. 第1節 リーダーシップ. rリーダーシップ」とは、r集団がその目標を達成するようリーダーが集 団メンバーに影響を与える過程」(社会学事典 見田宗介 栗原彬 田中義 久 1994 弘文堂〉、r集団高地位ポジションを占めている人々、つまり、. リーダーといわれている人々と、その人々とそれ以外の集団の人々との相互 作用」(グループ・プロセス集団内行動と集団問行動 R.ブラウン 黒川正流. 橋口捷久 坂田桐子1993 北大路書房)のことである。田尾(1981)は、 その特徴を段階的に次の4点から説明している。. ①集団過程を理解するためのもっとも中核的な概念である。 ② リーダーとり一ダーシップは厳密に区別されるべきである。なぜな. らそれは、特定の個人の能力や素質に帰属しうるものではなく、手 段機能そのものであるからである。. ③リーダーシップとフォロワーシップは相補的であり、一方が欠けた ままで他方の機能を考えることはできない。 ④ パワー(特定のメンバーとの結びつき)を多く保持しているほど、. 他に大きな影響を与えリーダーシップを行使する機会が増大する。. 初期の研究者は、特性論として研究を進めていった。. ストッグディル・バス(M.Stogdill・B.M.Bass、1974)は、個人的な特性 こそが効果的なリーダーシップと関連するだろうと研究を進めていったが、. 20.
(24) 信頼できる相関関係を見出すことはできなかった。そのため、その後の研究 では、リーダーが誰なのかということではなく、そのリーダーが、どのよう. に行動するのかというリーダーシップスタイルの重要性に注目が集まって いった。. リッピット・ホワイト(Lippitt・White、1953,1960)は、放課後のクラブ. 活動に精進する少年たちを使った実験状況から、リーダーとしての望ましい 行動(スタイル)があること、又、その行動は、どのり一ダーにも共通して いることを導き出し、効果的なリーダーシップを検討していった。. 表1−1 リーダーシップスタイル. リーダーの行動. 仕事の. 仕事の. 集団の. メ ンバ. 質. 量. 雰囲気. 一の好 意度. 専制型. ・集団に関するすべて. ・ より攻撃的. のことを指示・決定す. ・ リーダーヘの依存度が. る. 高い. ・ より自己中心的志向性. よい. いじめ が多い. ・ 一般的に集団からの 距離を保ち、手近な課 題に集中. 民主型. ・集団の方針はメンバ. ・ 友好的. 一の話し合いで決定。. ・ 集団中心的. 求められた場合のみ. ・ 適度に課題中心的. 最もよ い. よい. 最もよ い. 20人中 19人が 好む. 指示を出す ・ 一般的に「集団の正規 メンバー」になろうと 努める. 放任型. ・集団がかかわるすべ. 10人中. てのことを、メンバー. 7 人が. に任せる. 好む. ・ 集団への介入を最小 限におさえる. また、三隅(1984)は、カートライト(D.Cartwright、1969)の集団 機能《「課題達成機能」(集団目標達成のための働き)、「維持機能」(集団の.
(25) 結束を促すための働き)》の考えをリーダーシップにあてはめ、リーダーシ ップ機能として、集団の目標達成機能(P機能)と集団の維持機能(M機能). を想定し、各種集団においてり一ダーシップのPM指導類型が業績やモラー ルなどに及ぽす効果についての実践的な検討を行った。その結果、リーダー. 行動には、その程度の相違はあっても、P行動とM行動が同時に含まれてい. ることがわかった。また、そのP行動とM行動の割合に応じて、以下の4 つの型に分類できるとした。. PM型… 目標達成を強調しながら人間関係にも気を配るリーダー. M型…・目標達成よりも集団内の人間関係に気を配るり一ダー P型・… 目標達成に重点を置き、人間関係にはあまり配慮しないリーダー. pm型・一目標達成にも人間関係にも消極的なリーダー 行動のタイプとリーダーシップ効果の関係は、作業量で見た場合では、P. M型が最も優れ、以下P型、M型、pm型の順となり、メンバーの満足度で. 見た場合では、PM型、M型、P型、pm型となり、したがって、PM理論 においては、PM型が最も優れ、pm型がもっとも劣っているという結果が 出された。. 表1−2 M型 作業量:まあよい メンバーの満足度:よい p血型(もっとも劣ってる) 作業量:劣っている メンバーの満足度:劣っている. PM型(もっとも望ましい) 作業量:もっともよい メンバーの満足度:もっともよい P型. 作業量:よい メンバーの満足度:まあよい. 三隅のPM理論を基にした研究は数多くあり、これまでにリーダーシップ が業績や部下のモラール、満足度等に及ぽす影響について明らかにされてい. 22.
(26) る。(山田1987、岩井1987など) 以下、本論文では、この三隅の研究を、基盤として研究を進めることとす る。. 第2節 学校教育におけるリーダーシップの研究. 教育(指導)は、指導者(リーダー)と被指導者(フォロワー)との相互関. 係で成立している。学校現場においても、教師と児童の関係は、リーダーと. フォロワーの関係にあてはめて考えることができる。つまり、学校教育にお. いても、集団の概念を反映させることが可能である。意図的な教育の優れた 成果は、優れた教育的リーダーシップの効果であると考えることができる。. 現在までに、教育の現場、すなわち学級における教師のリーダーシップ研 究は、数多くなされている。教育指導の効果は、その教育効果の価値規準が、. 複合的で、長期にわたるものが多いため、どの指導が優れ、いずれが劣るか. を明確にすることは、必ずしも容易ではない。しかし、1977年以前の研究 では、リーダーシップ行動の最も普遍的な基本体系は、学校現場であろうと、. 病院、官公庁、民間企業であろうとも、そこに共通したものが存在するはず であるという想定の下に、企業体や官公庁のリーダーシップ研究で実証した. 概念と方法で、教育の現場、すなわち学級における教師のリーダーシップ測. 定がなされていた。だが、三隅・吉崎・篠原らは1977年に発表した論文の 中で、それ以前になされた研究には、次の点で問題があると指摘している。. 23.
(27) ① 従来の諸研究は、教師のリーダーシップの類型化にととどまり、外的 基準との関連が十分検証されていない。 ② 因子分析の研究のみに基づく教師のリーダーシップ行動の範疇概念に. は、概念全体としての一貫性、体系性が欠如する場合が少なくない。 ③ 因子分析研究以外の諸研究には、二値法的で、かつ、概念の操作的定. 義があいまいなものが少なくない。. そこで、三隅らは、学級における教師のリーダーシップ行動を測定する尺 度を作成し、その測定尺度の妥当性を吟味した。. その結果、教師以外のリーダーシップ評定結果と比較するとき、効果の順. 位に関する限りでは、民問企業体や官公庁の管理・監督者等のPM4累計効 果の順位とまったく同一であることが見出された。学校教育現場においても、. 教師のり一ダーシップが児童・生徒の学校モラールに及ばす効果は、教師の. 指導行動がPM型の場合に最も高く、ついでM型、P型、pm型の順であっ たことが報告されている。(三隅・吉崎・篠原;1977、佐藤;1993、佐藤・ 服部;1993など). 三隅らが言うところの教師のり一ダーシップP行動とは、「集団における 目標達成ないし課題解決へ志向した行動」で、例えば、学習を促進させたり、. 生活指導に関して課題解決を促し、話し合いが有効に、効率的に行われるよ. うにしたりする行動であり、・また、リーダーシップM行動とは、r集団の 自己保存の傾性を促進し、強化する行動」で、例えば、児童に対して配慮を なし、学級で生じた対立抗争を和解に導き、激励と支持を与え、少数者の自. 24.
(28) 主性を刺激し、成員相互依存性を高めていく行動であると述べている。. 第3節 合唱指導におけるリーダーシップの研究. 合唱指導においても、PM理論をもとにした研究が行なわれている。. 稲田・吉田(1994)は、金城(1993)の研究結果から歌唱指導における リーダーシップのあり方について模索している。. まず、金城は、次の点からリーダーシップ評定を行う際には様々な要因に. よって影響する可能性があると、次の5つの項目を挙げている。. ①評定者の属性:観察者(作業の様子を外から眺めるもの)とフォロワ ー(実際に作業に参加した者)の評定. ②情報量の操作によるリーダーシップの評定の相違:実験途中と実験後. での評定の相違 ③ リーダーの行動類型による分類:P型、M型、PM型 ④ 作業成績による分類:高・低. ⑤ 集団成績の原因帰属:偶然・課題の難易度・集団成員の能力・集団成員. の努力・リーダーの支持の適切さ. これらのことから3つの実験を実施し、結果を考察している。. 表1−3. 実験1. リーダーの行動類型と集団成績が、観察者のリーダーシップ 評定にどのように影響するかを検討。. 被験者に、3種類のリーダー行動類型をそれぞれ提示し、ビ デオくリーダーのもとでフォロワーが鶴を折り最後に完成した. 数を(高生産グループは22羽、低生産は16羽)を提示する もの>を見せる。. 25.
(29) 実験2. 被験者に、ビデオ〈リーダーのもとでフォロワーが鶴を折り. 実験3. 羽)を提示するもの〉を見せる。実験1の反省をもとに、まず、 最初に提示するリーダー行動類型を各グループそれぞれに対し て1種類ずつとし、また、最後に観察者が実際フォロワーにな ったことを想定させて集団活動を評価することを追加した。 フォロワーによるリーダーシップ評定や集団成績の原因帰属. 最後に完成した数を(高生産グループは22羽、低生産は16. を検討. ランダムに選んでグループを作り、P、M、PM型リーダー(1 グループにつき1パターンのリーダー)のもとで鶴を折って、 その生産量に応じて高生産群と低生産群に分ける。そして作業 後にその原因帰属やリーダーシップ評定、所属した集団の活動 評価についてアンケート調査をした。 その主な結果しては、. ① 観察者は低生産の理由をP型行為の不適切さ、高生産の理由をPMや M型行為の適切さによるものと判断しがちであること ② フォロワーは低生産の理由をP型行為の不適切さ、高生産の理由をPM. やP型行為の適切さによるものと判断しがちであること. ③ 観察者はM型リーダーのもとでのみ、高生産時にM型行為を高くP 型行為を低く評定しフォロワーは提示された通りの評定を行う傾向に. あること ④ 観察者もフォロワーもM型リーダーは成績に関係なく好意的である が、PやPM型リーダーで低生産を招くと非好意的になる傾向がある. こと ⑤ 観察者もフォロワーもP型リーダーのもとでは、高生産の理由をリー. ダーの指示の適切さより集団成員の努力であるとする傾向があること ⑥ 観察者もフォロワーも高生産集団で活動を希望し、しかもP型リーダ. ーのもとでは活動を嫌う傾向がある. ⑦ フォロワーの成績はPM型リーダーのもとでもっとも高く、次いでP 型、M型で、これはフォロワーのリーダーシップ評定と一致する傾向 があること ⑧ フォロワーはP型以外のリーダーで低生産を招いたのはリーダーの指. 示の不適切さではなく、集団成員の能力や課題の難易度であるとする. 26.
(30) 傾向があること ⑨フォロワーが高生産を招いたのはり一ダーの指示の適切さではなく、 集団成員の努力や能力であるとする傾向があること. これらの結果から稲田らは、まず、歌唱指導におけるリーダーシップにつ いては、次のように分類している。P機能については、課題達成の努力で直 接演奏に関わること、音楽面全体の指導についてである。読譜作業や発声の 訓練など、大きな感動が得られるような立派な演奏を目指すためのリーダー. シップであると述べている。また、M機能は、人問関係の維持にむけての 努力で生徒相互の和を尊重し、しかも集団に埋没することとなく一人一人が 個性を伸ばし、学級全体の発展のために積極的な役割を果たして行けるよう. なリーダーシップであると述ぺている。具体的な能力として次の事柄を挙げ ている。. (表③)歌唱指導に必要なP的能力・M的能力. P的機能…歌唱づくりのための知識(発声、音楽史、歌詞の意味やその背 景、管弦楽、楽典、作曲、対位法、他)や技術(鍵盤楽器の演 奏、指揮、ソルフェージュ、統率力、他)があること。また、 広くネットワークを持ち活用できることも大切な能力といえよ う。. M的能カ…個人を尊重する、学級の雰囲気を快適に保つ、相談にのる、協 力する、時間を守る、平等、民主的、許容的、多様な情報の提 供、激励する、明るく接する、喜び悲しみを分かち合う、わか りやすく応答する、等。. そして、歌唱指導に望ましい教師像として次のように考察をまとめている。 (1). 歌唱指導において望ましいのはPM型の教師とフォロワー的な生 27.
(31) 徒であり、この両者によって魅力的な集団を創造しなければなら ないこと. (2) そのために教師はその方法として、親和性や集団凝集性を高め許. 容的な雰囲気の中で活動できるように配慮することが大切である こと. (3) 教師は常に音楽的な素養の獲得に努力し、生徒にうたうことの喜 びや様々な醍醐味を体験させられるように研究すること。. 親和性を める. 集団凝集性を める. リーダーの行 類型の選択. PM型り一ダー 望ましい. 魅力的な学級(ク ス)を目指す. このことから、合唱活動においてもPM型が有効なリーダーシップであるこ とがわかる。だが、集団凝集性を高める際に、個人・個性を、どのように扱 かっていけばいいのかということについては、より検討していく余地がある。. 28.
(32) 第3章 児童合唱団における指導者のリーダーシップ行動の評定と児童の満 足度に関する調査. 第1節調査方法 1。実施期日. 2004年10月23日(土)∼2004年11月15日(火) 2.調査対象. 兵庫県で活動している合唱団の中から、「児童(小学生)を中心に活動している合唱. 団」を無作為に4団体選び、指導者と連絡を取り、アンケート、練習の見学等を行っ た。. A合唱団・・第4学年/40名(男児5名 女児35名)/回収率;100% B合唱団・・第1∼6学年/16名(女児16名)/回収率:64%. C合唱団・・第3∼6学年/22名(女児12名)/回収率:48% D合唱団・・第1∼6学年/13名(女児13名)/回収率:46% 以下に、各団体の性格についてまとめる。. ムロ. A. 団員数 対象学年. 唱 団. 40名(男児5名 女児35名) 入団1年目の団員である。. この合唱団は他にも、5学年クラス、6学年クラスの2クラスある。 しかし、それらのクラスには、中学生・高校生も参加しているため、様々 な影響が考えられる。そこで、児童のみの4学年クラスに絞った。. 練習日程 指導者 年問行事 (毎年の恒例行事 のみ). 団目標. 毎週土曜:1時半∼3時半 男性(67歳)一小学校教員経験がある。 合唱指導年数47年(A合唱団における指導年数40年) ・自団の定期演奏会(3月上旬) ・市民文化祭(合同演奏会) ・コーラス・キャンプ(7月上旬) この他にも、その年によって、さまざまな催しものに参加し、積極的に 発表の場を持っている。. ・いい顔・いい声・いい心 ・歌と心と友情と. 29.
(33) B合唱団. 団員数 対象学年. 25名(女児25名) 団員は、入団1年∼6年と様々である。児童のみの合唱団ということ 、対象は、所属団員全員とした。. 練習日程 指導者. 年間行事 毎年の恒例行事の ). 団目標. C合唱団. 団員数 対象学年. 練習日程. 第1・3週日曜:9時半∼11時半 女性(26歳)一現在、音楽教室に勤務(講師). 合唱指導年数6年(B合唱団における指導年数3年) ・公民館まつり(3月) 産業フェスティバル(8月) 市民音楽祭(11月) クリスマスコンサート(12月) 関西フィルハーモニー管弦楽団との共演(2月) ・合唱曲・クラシックに固定せず、4期別(バロック・古典・ロマン・ 近現代)の音楽のそれぞれのよさを知り、歌い表現するカをつける。. 45名(女児45名) 低学年クラス、中学年クラス、高学年クラスとそれ以上のクラスに分 れている。対象は、中学年、高学年クラスに絞った。. 毎週火曜:6時半∼8時半 週土曜:1時半∼5時(グループ別、学年別による練習). 指導者. 男性(65歳)一小学校(音楽専科)に勤務していた。. 合唱指導年数40年(C合唱団における指導年数16年) 年間行事 毎年の恒例行事の ). ・市町村の音楽祭・文化祭 兵庫県児童合唱祭 の他にも、その年によって、さまざまな催しものに参加し、積極的に 表の場を持っている。. D合唱団. 団目標. 特になし. 団員数 対象学年. 団員は、入団1年∼6年と様々である。児童のみの合唱団ということ. 28名(女児28名) 、対象は、所属団員全員とした。. 練習日程 指導者. 毎週土曜:9時半∼11時半 女性(70歳)一中学校(音楽科)に勤務していた。. 合唱指導年数47年(D合唱団における指導年数20年) 年間行事 毎年の恒例行事の ). ・市民音楽祭(3月) 兵庫県児童合唱祭(8月). 市の芸術祭(8月) 市民合唱団定期演奏会への賛助出演(11月) の他にも、その年によって、さまざまな催しものに参加し、積極的に 表の場を持っている。. 団目標. 特になし. 30.
(34) 3.実施の手続き. ・指導者のリーダーシップ行動の評定についての調査. (1)質問項目の作成. 本調査で使用された質問項目は、三隅・吉崎・篠原(1977)の研究結果にもと づいて制作したものである。 P項目(あなたの先生は). 1.がくふなどの忘れものをしたとき、注意されますか。 2.細かいことに、注意されますか。. きまりを守ることについてきびしく言われますか。. 家庭学習(家での練習)をきちんとするように厳しくいわれますか。 物を大切に使うように言われますか。. あなたたちのがくふの整理などを注意されますか。. わからないことを人にたずねたり、自分で調べたりするように言われますか。 クラブのみんなが仲よくするように言われますか。 自分の考えをはっきり言うように言われますか。 10.忘れものをしないように注意しますか.. M項目(あなたの先生は). 11.よくわかるように説明してくださいますか。. 12.みんなの周りを回って、ひとりひとりに教えてくださいますか。 13.みんなと遊んでくださいますか。. 14,『えこひいき』しないでみんなを同じようにあつかわれますか。. 15.練習のし方がよくわかるように教えてくださいますか。. 16.何か困ったことがあるとき、相談にのってくださいますか。 17.あなたが話したいことを聞いてくださいますか。. 18.あなたがまちがったことをしたとき、すぐしからないでなぜしたかを聞いてく ださいますか。. 19.あなたの気持ちをわかってくださいますか。. 31.
(35) 20.みんなと同じ気持ちになって、なんでもいっしょに考えてくださいますか。. (2)実施方法 指導者のリーダーシップ行動の評定は、児童による評定にもとづいて行われた。調 査は、無記名方式で合唱団ごとに行われた。すなわち、調査票を各児童に配布し、調 査者が一項目ずつ読みあげ、そのつど児童がチェックする形式をとった。回答は、す べて5段階評定(ひじょうにあてはまる・だいたいあてはまる・少しあてはまる・あ まりあてはまらない・まったくあてはまらない)を用いた。. ・児童の満足度に関する調査. (1)質問項目の作成. 本調査で使用された質問項目については、子どもたちの率直な意見などを参考に筆 者が作成したものである。. 1.あなたの合唱団は、楽しいですか。 2.あなたの合唱団は、明るいふんい気ですか。 3.あなたの合唱団はよくまとまっていて、他のクラブよりもよいですか。. 4.自分の合唱団がほめられると、うれしいか。 5.合唱団を休みたくなることはありますか。. 6.合唱団がいやになることはありますか。 7.練習していることがわからなくて、やる気がなくなることはありますか。 8.合唱団へ行くよりもほかで遊んでいるほうが楽しいですか。. 9.練習してもみんなについていけないような気がしますか。 10.合唱団へ行くのが楽しいですか。. 11。もっと努力して練習しようと思いますか。. 12.練習していることがよくわかるので、練習が面白いと思いますか。 13.家でも、練習しますか。. 14.あなたの合唱団は、みんなで決めた目標などを守りますか。. 15.あなたの合唱団では、みんなでする作業を一生懸命しますか。. 32.
(36) 16.あなたの合唱団は、自分勝手な人が多くて、ばらばらですか。 17.どこかほかの合唱団にかわりたいですか。 18.きゅうけい時間は、楽しいですか。. (2)実施方法 児童の満足度に関する評定は、児童による評定にもとづいて行われた。調査は、無 記名方式で合唱団ごとに行われた。すなわち、調査票を各児童に配布し、調査者が一 項目ずつ読みあげ、そのつど児童がチェックする形式をとった。回答は、すべて4件 法(すごくそう思う・だいたいそう思う・あまりそう思わない・まったくそう思わな い)を用いた。5段階評定の場合、「どちらともいえない」という中間項を選ぶ可能性. が高いと判断し、偶数(ここでは4)の段階数で回答を求めた(鎌原ら1998). 第2節分析結果 1.指導者のリーダーシップ行動評定について. まず、指導者のリーダーシップ行動の評定についての質問紙についてである。各項 目の回答は、「ひじょうにあてはまる」は5点、「だいたいあてはまる」は4点、「少し. あてはまる」は3点、「あまりあてはまらない」は2点、「まったくあてはまらない」. は1点と点数をつけ、その各項目の点数をデータとして入力した。そのようにして得 られたデータは巻末に添付する。. P行動得点、M行動得点については、以下の通りである。(P行動得点平均/M行動 得点平均)の順で明記する。. A合唱団は(30.7/33.02)、B合唱団は(24.93/30.13)、C 合唱団は(22.96/26.59)、D合唱団は(24.23/30)であった。 以上の結果に標準偏差を加え、表化したものを以下に示す。. 33.
(37) 表1 指導者のり一ダーシップ行動評定. M行動. P行動 平均値 A合唱団 B合唱団 C合唱団 D合唱団. 平均値. SD(標準偏差). 7.20 8.37 5.26 10.36. 33.02 30.13 26.59 30.00. 7.18 8.58 5.61 6.01. 30.70 24.93 22.96 24.23. SD(標準偏差). 試みに被験者全員(4つの合唱団の合計)のP行動得点平均値、M行動得点平均値. を求めてみたところ、P行動得点平均は25.71、M行動得点平均は29.94と なった。. 図1 指導者のリーダーシップ行動評定. 5 52 01 51 050 30 32. M行動得点 「. A合唱団 B合唱団 C合唱団 D合唱団. P行動平均値 M行動平均値 サンプル数が少ないため、断定的ではないが、A合唱団の指導者は、P行動得点、. M行動得点ともに平均点より高いので、どちらかというとPM型的であり、B・D合 唱団の指導者は、M行動得点のみが平均点を上回っているので、M型的であり、C合 唱団の指導者は、P行動得点、M行動得点とも平均点を下回っているので、p m型的 であると言うことができる。. 表1 P・M行動得点/リーダーシップ類型. M行動. P行動 平均値. 25.71) A合唱団 B合唱団 C合唱団 D合唱団. 30.70 24.93 22.96 24.23. 評定. P P P P. 平均値. 29.94). 33.02 30. 13. 26.59 30.00 34. リーダーシップ類型 評定. M M m. M. PM型的. M型的. pm型的. M型的.
(38) 以下のグラフは、各合唱団の団員の回答結果を散布図に示したものである。. P行動得点最小値・最大値 M行動得点最小値・最大値. _P行動・・M行動平均値 A合唱団. B合唱団. M行動. 0 ㈹衡30距20151050. 50. 50 45. ■◆. 壷. 40『. ◆○◆ ■. φ. ◆. 榊3.. ◆ ■. 隼. ◆ ◆. ε. ●. ◎. M. ◆◆. ◆. ◆. ●. 20. →. ○. 30. 行25 動. ◆■. ◆◆. ¢. ◆. 35. ○. 15. 曼 . 10. ←. 5. 0 10. ㈹. 20 30. 50. 10. 0. 20 30. 囁. ↑◆. 一 . ◆◆. ◆. φ. ◆. _』一. 10. 20 30. 40. 50. P行勇. ◆ . ○. ◆. 50. D合唱団. ﹄. 0 5 0 5 0505050 5 4 4 M行3 顛 32211. ○. ◆■. 5 0 5 005050 0 5 0 5 4 4 3 3行2 M 動21−. C合唱団. o. ㈹. P行動. 齢. ◆ ひ. ◆. 10. 20 30. 40. 50. P行動. 図1 指導者のり一ダーシップ行動評定. 2.児童の満足度に関する調査について. 次に、児童の満足度に関する調査についての質問紙についてである。各項目の回答. 35.
(39) は、満足を表す質問の場合には、「すごくそう思う」は4点、「だいたいそう思う」は 3点、「あまりそう思わない」は2点、「まったくそう思わない」は1点と点数をっけ、. 不満を表す質問の場合には、rすごくそう思う」は1点、rだいたいそう思う」は2点、 rあまりそう思わない」は3点、「まったくそう思わない』は4点と点数をつけ、その 各項目の点数をデータとして入力した。. r合唱団に対する満足度」について、r集団に対する同一化jについて、r児童の習 熟度」について、r児童の意欲」について、r集団からの圧力」についてという観点か ら分析した。. 「合唱団に対する満足度」について. まず、「合唱団に対する満足度」について(質問晦1,2,5,6,7,8,10,18ニ3 2点満点)は、以下のような結果が出た。. A合唱団は25.80、B合唱団は26.00、C合唱団21.89、D合唱団は2 5。15であった。 以上のことを、表化・グラフ化したものを以下に提示する。. 表2 満足度に関する調査結果 平均値 A合唱団 B合唱団 C合唱団 D合唱団. 25.80 26.00 21.89 25.15. SD(標準偏差). 4.47 4.66 3.93 4. 16. B合唱団 C合唱団 D合唱団 図2 満足度に関する調査結果. 36.
(40) 「集団に対する同一化」について. 次に、r集団に対する同一化」について(質問恥3,4=8点満点)は、次のような 結果となった。. A合唱団は6,60、B合唱団は6.00、C合唱団6.00、D合唱団は5.3 1であった。. 以上のことを、表化・グラフ化したものを以下に提示する。. 表3 集団に対する同一化に関する調査結果 平均値 A合唱団 B合唱団 C合唱団 D合唱団. SD(標準偏差). 6.60 6.00 6.00 5.31. 1.06 1.55 1.00 1.55. 図3 集団に対する同一化に関する調査結果 「児童の習熟度」について. 次に、r児童の習熟度」について(質間Nα9=4点満点)である。. A合唱団は3,25、B合唱団は3.38、C合唱団3.19、D合唱団は3。2 3という結果が出た。. 以上のことを、表化・グラフ化したものを以下に提示する。. 37.
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