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抗うつ薬の使用と2型糖尿病の発症リスク: 日本の大規模データベースを用いたコホート研究 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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氏 名 村岡 優 博士の専攻分野の名称 博 士 ( 医 学 ) 学 位 記 番 号 医工博4甲 第 269 号 学 位 授 与 年 月 日 平成 31 年 3 月 20 日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 専 攻 名 先進医療科学専攻

学 位 論 文 題 名 Cancer-related genetic changes in multistep hepatocarcinogenesis and its correlation with image and histopathological findings

多段階肝癌発生における癌関連遺伝子の変化とその画像所見、病理 組織学的所見との相関 論 文 審 査 委 員 委員長 教 授 森石 恆司 委 員 准教授 河野 寛 委 員 准教授 本杉 宇太郎

学位論文内容の要旨

(研究の目的) 肝細胞癌(HCC)は、世界で 6 番目に多い悪性腫瘍であり、癌関連死の最も一般的な原因の 1 つで、 主要な原因は B 型肝炎(HBV)または C 型肝炎(HCV)、アルコール性肝障害や非アルコール性脂肪性肝炎 である。HCC は前癌病変である異形成性結節 (dysplastic nodule: DN)から早期肝細胞癌を経て古典 的肝癌に多段階的に進展する。近年画像検査法の進歩により、生物学的悪性度評価において組織学的 診断と対比した画像所見が報告されている。また、近年の次世代シークエンス技術の進歩によりこれ までに hTERT、TP53 を代表とする p53/Rb1 細胞周期経路、CTNNB1 や AXIN1 を代表とする Wnt/βカテ ニンシグナル経路をはじめ複数の遺伝子異常が報告されている。しかしながら、HCC 進展の各段階を 評価する体系的な画像所見は確立されていない。本研究は肝癌組織の多段階発生における画像所見と 癌関連遺伝的変化の相互関係を明らかにする目的で実施した。 (方法) 2008 年以降に HCC に対して手術を行い臨床背景因子、画像検査所見、術後の経過が明らかである 68 例 117 結節を対象とした。平均年齢 69.2 歳、男/女=50/18 例、HBV/HCV /その他=13/38/17 例、 平均腫瘍径 20.1mm、DN/早期/高分化/中分化/低分化=8/19/21/54/15 結節。腫瘍部と対応する非腫瘍 部から得られた DNA サンプルから癌関連 50 遺伝子の 2790 箇所の Hotspot をターゲットとした Ion AmpliSeq Cancer Panel Kit v2 を用い、polymerase chain reaction 増幅後に Ion Chef System、Ion

(2)

Proton Sequencer により腫瘍にみられる遺伝子変化を検出した。hTERT 遺伝子のプロモーター領域に みられる 2 箇所の Hotspot 変異(C228T/C250T)は QuantStudio 3D Digital PCR system を用いて腫 瘍部と非腫瘍部それぞれにおいて検索した。画像検査は Gd-EOB-DTPA 造影 MRI(EOB-MRI)の hepatobiliary phase(HBP)における低信号、ソナゾイド造影エコーの Kupffer imaging における defect、造影 CT、肝動脈造影下 CT(CTHA)における腫瘍多血性、MRI diffusion-weighted imaging (DWI)における高信号の各所見を組み合わせ、HCC の段階的進行時における画像所見と病理学的分 類による遺伝子変化を対比した。

(結果)

EOB-MRI の HBP、腫瘍の多血性、Kupffer imaging、DWI の所見により6つのグループに分類され、病 理所見と良好な相関関係が得られた。117 結節のうち、hTERT promoter 変異を最も高頻度に認め (61.5%)、続いて TP53(42.3%)、RB1(24.8%)、CTNNB1(18.8%)に異常を認めた。上位2つの遺 伝子に注目すると、画像と組織学的分類の進行時に hTERT promoter 変異は高頻度であったが、腫瘍 における変異遺伝子の割合(variant allele frequency: VF)は上昇せず、対照的に TP53 変異例の VF は画像分類(p=0.004)、病理所見(p<0.001)において有意に上昇する結果が得られた。HBP で高 信号となる腫瘍は CTNNB1 変異を 44.4%認めた。初発肝癌において、stage III or IV (HR 3.64, 95% CI 1.56–8.50, P=0.0028)、TP53 VF≥50% (HR 3.79, 95%CI 1.23–11.65, P=0.020)が術後再発に関連 する因子として同定された。 (考察) hTERT promoter 変異は DN を含む前癌病変では低頻度にみられ、古典的肝癌に進行すると高頻度に観 察されると報告されており、gatekeeper 遺伝子としての役割が示唆されている。しかしながら本研 究では腫瘍毎の変異型 allele の割合は 30%未満に限られており、HCC の進展時には TERT 以外の遺伝 子異常が混在し不均一な腫瘍となることを示唆する。対照的に TP53 変異の VF の上昇は、腫瘍の選択 的な増殖を示し、TP53 変異の VF 上昇が予後規定因子となり得る可能性があるが、TP53 変異の頻度は 限られておりさらなる検討が必要である。 (結論) 複数の画像検査の体系的な所見の組み合わせは生物学的特徴を反映した遺伝子変化に関する情報を 間接的に評価することができる。本結果は、肝癌の生物学的悪性度を予測するための有用な情報を提 供し、個々の患者の治療前の診断および治療戦略に重要な臨床的意義を有する可能性がある。

(3)

論文審査結果の要旨

1. 学位論文の研究テーマの学術的背景と目的 多段階過程を通して進展する肝細胞癌は、異型性結節(DN)から早期肝細胞癌を経て古典的肝 癌に進展する。近年、画像検査法の開発が進み、生物学的悪性度評価において組織学的診断と対 比した画像所見の知見が蓄積されている。一方、次世代シークエンス技術によって、テロメラー ゼ、細胞周期経路やWnt/beta-Catenin 経路などに遺伝子異常が肝細胞癌の各段階で報告されて いる。癌関連遺伝子変異に相関した肝細胞癌進展の各段階を評価する体系的な画像所見診断法は 確立されたとは言えない。 本研究の目的:肝癌組織の多段階発生における画像所見と癌関連遺伝子変化の相互関係について 検討し、新規治療法および新規治療戦略の発展に繋げる。 2. 学位論文及び研究の問題点、争点、新しい視点など

画像所見によるグループ分け(Group 1〜6)を行い、病理所見(DN、early, well, moderately, poorly, 他)とそれぞれ相関していた。癌関連遺伝子の変異を検討したところ、hTERT promoter に最も高頻度に変異を認め、次に TP53、RB1、CTNNB1 の変異の順に高頻度に認められた。 更に、高頻度に認められたhTERT promoter C228T と TP53 の変異に関して解析した。hTERT promoter の変異は、画像解析と組織学的分類の進行時期に高頻度に見られ、VFに変化なかっ た。一方、TP53 の変異のVFは画像分類と病理所見に応じて有意に上昇した。

本研究の結果では、hTERT promoter の変異は腫瘍ごとの変異型 allele 率は低率と限定的で あり、更なる検討を加える必要がある。また、TP53 変異の VF 上昇は予後規程因子としての可 能性が示唆された。 本研究によって現行の画像診断結果と病理所見結果との相関性が示唆され、癌関連遺伝子変 異との相関性について検討を加えることで、肝細胞癌の生物学的悪性度の予測に新たな知見を加 えている。本研究成果は、個々の肝細胞癌に対する新規診断法および新規治療戦略の開発に貢献 するものと思われる。 3. 実験及びデータの信憑性 実験は適正に施行されており、実験及びデータの信頼性は高いと評価された。 4. 学位論文の改善点 提出された論文自体は、臨床応用を目指した研究であり、実用性が期待できる内容であり、特に 指摘された問題はなかった。該当領域内において高度な研究内容であるため、専門誌などへの掲 載が望まれる。 委員との討議の結果、村岡 優氏の博士論文は学位に値するという結論に達した。

参照

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