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高齢者安全運転支援相談員(仮称)創設のための基礎研究 平成25年度(中間報告)タカタ財団助成研究論文 ISSN 2185

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高齢者安全運転支援相談員(仮称)

創設のための基礎研究

― 平成 25 年度(中間報告) タカタ財団助成研究論文 ―

研究代表者

宮島 才一

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研究実施メンバー

研究代表者

特定非営利活動法人

高齢者安全運転支援研究会

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報告書概要

自動車教習所における「講習予備検査」は認知症スクリーニング検査だが,認知症の知 識を持たない検査員による実施には無理がある.検査員によって採点結果が変わる恐れが あれば,客観的評価とは言えない. また初期段階のアルツハイマー型であれば,運転技能の低下は少なく,家族が助手席で 補助することなどで運転を続けられる場合もあると思われる. 本研究は,認知症等の高齢者の運転継続可否を,客観的・合理的に判断するシステムと その運用に係る人的資源育成の研究を,より実践的なものとして行うものである. 認知症のスクリーニング検査で評価を得ている「物忘れ相談プログラム」の運転者向け システムの開発を通じ,高齢者の運転能力の判定基準策定の研究を行い,併せて加齢によ る視覚能力,判断速度,運動能力,認知能力等の衰えを客観的に測定する「運転適性判断 システム」の開発も企図する. さらに,運転継続の可否を助言できる人員(相談員)育成をシステム化する研究として, 相談員に必要となる技能・知識に関する要件の検討や相談員の資格制度化へ向けた研究を 行い,最終的には社会システムとしての採用を目指すものである. 現行制度の高齢者講習(講習予備検査)を実施する自動車教習所等における,高齢運転 者の実態調査などの根幹的研究を実施するとともに,認知症と運転の問題に関する社会的 啓発事業も平行して実施することにより,高齢者の認知症起因の交通事故防止に大きく寄 与することを目的とする.

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目 次

高齢者安全運転支援相談員(仮称)創設のための基礎研究 第1章 はじめに 1.1 研究背景 1.2 研究の目的 第2章 認知症と運転の問題 2.1 現場で起きていること 2.2 高齢者講習(講習予備検査)の問題点 2.3 法的課題 第3章 現状実態調査 3.1 運転適性判断システムとしての「物忘れ相談プログラム」概要 3.2 高齢者講習対象者への認知症スクリーニング 3.3 高齢者向け交通安全教室での認知症スクリーニング 3.5 高齢者の運転継続に関する意識実態調査 第4章 相談員育成プログラム構築 4.1 全日本指定教習所協会連合会へのアプローチ 4.2 高齢運転者支援士(補)との合流 第5章 必要性と有効性の社会啓発 5.1 日本認知症予防学会における研究発表 5.2 マスコミ報道対応 5.3 イベントを通じた啓発活動 5.4 モーターショー(東京,大阪)会場での「MSP」デモ実施 第6章 今年度研究のまとめと今後の課題 6.1 研究のまとめ(今年度分) 6.2 今後の課題 注・参考文献 付 録 3.3 高齢者向け交通安全教室での認知症スクリーニング 3.5 高齢者の運転継続に関する意識実態調査 5.1 日本認知症予防学会における研究発表 5.2 マスコミ報道対応

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第1章 はじめに

1.1 研究背景 我が国では急速な高齢化が進む中,65 歳以上の高齢運転者による交通事故の増加が社会 問題化している.高齢運転者の交通事故は年齢に伴う身体能力の衰えに加え,高速道路の 逆走,ブレーキとアクセルの踏み間違いなど,認知能力の減退に起因するものも多いと考 えられている. 平成 25 年 8 月に「長野県内で、60 歳代後半の女性が運転する乗用車が高速道路を逆走 して大型バイクと衝突、バイクの男性が死亡した。時刻は昼過ぎで、晴れていた。女性は、 自動車運転過失致死容疑で現行犯逮捕された。警察官に『現行犯逮捕しますよ』と言われ た女性は『はい』と答えたが、事情聴取では『わからない』と繰り返した。どのように高 速に入ったのか、なぜ逆走したのかも説明できない。県警の調べで、女性は認知症と分か った。地元の医療機関に通院し、薬を服用していた。2011 年に免許を更新、普段から運転 していたという。事故から 2 日後,『逃亡や証拠隠滅のおそれがない』として、女性は釈放 された。(平成 25 年 8 月 7 日付け読売新聞)」という事故が起きた。 運転者の認知能力減退への対策としては,免許更新時 75 歳以上の運転者に「講習予備検 査」が実施され,認知症の疑いが濃厚で事故や重大な違反があった場合には免許証を返納 する仕組みが運用されている.また一定の年齢以上の高齢運転者に免許証の自主返納を促 す取り組みが行われている地域などもある. しかし,記事の例は 75 歳以前にかなり重度 の認知症が原因で不幸な交通事故を引き起こした事例と言え,「認知症の人は車を運転して はならない」とする法令をくぐり抜けている.しかもそしてこの事例は氷山の一角に過ぎ ない. 免許証の返納等の施策で高齢者の車利用を制限することにも課題は多く,電車,バス, タクシーなどの交通インフラが綿密に整備されている都市部を例外として,郊外や地方で は日常生活での車の運転は不可欠で,高齢者ほど車移動の必要性が高いという側面も無視 できない.問題のある高齢運転者を一方的に排除するだけではなく,高齢運転者も安全に 運転を行うことができ,全ての人が道路を安心に利用できる社会の構築が期待される. 特定非営利活動法人高齢者安全運転支援研究会では,日本社会の高齢化に伴う身体能力 の衰えや認知能力の衰えを高齢者自らが正確に把握できる機会が提供され,高齢運転者 個々の特徴に則した注意喚起と指導が行われること,同時に高齢運転者が陥りやすい誤っ た判断や誤動作等の特徴を把握し,これらに対応した社会システムが構築されることが必 要と考える. そのために,医学,心理学,及び工学等の見地から,高齢化に伴って変容する運転者の 判断能力や身体能力に関する諸データ収集と分析等を行い,高齢運転者に即した安全対策 のためのプラットホームづくりに取り組んでいる.また,自動車技術,社会基盤,社会シ ステム等の道路交通に関係する各分野の組織,団体等と連携し高齢者が安全に運転するた

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- 4 - めの課題等を分析し,改善策等の検討提言に取り組みながら,「高齢者の安全な運転」「高 齢運転者の活性化」を目指し,高齢者の交通安全に向けた真に実践的な活動の実現を目指 している. 我が国の高齢の自動車運転免許保有者中,認知症罹患者は単純計算で 200 万人以上※1 と推定され,高齢者の事故の原因ともなっている. しかし、都市部を例外として郊外や地方の日常生活では高齢者ほど車移動の必要性が高 く,より多くの高齢者が運転を継続することを望んでいる. 現行制度下では家族など周囲が運転に問題が生じた高齢者の運転継続の危険性を認識し ても,その高齢者本人が運転能力の劣化を自覚したり,運転免許証の返納を決断したりす るための客観的な判断材料がないこと,また運転継続についての助言を受ける機会がない ことも大きな課題となっている. 運転免許更新時に満 70 歳以上に課せられる高齢者講習の実施時、自動車教習所に寄せら れる相談のうち,家族から寄せられるもので多いものは,「運転に不安があるが,運転を続 けさせても良いか」,「高齢なので運転をやめるように説得しても本人が聞いてくれない」 と言うものに加え,「免許を取り上げてほしい」との悲願にも似た声が毎日届いている.「自 動車教習所の指導員からも「明らかに高齢運転者の運転不適合を感じても,免許返納の指 示権限が無い」,「高齢者講習を受けに来た人の行動に明確に認知症等が疑われても,予備 検査に合格すれば事故・違反を起こすまで運転をとめる手立てがない」ことにより「どう か,事故を起こさないでください」と祈るしかないと言う. 公益財団法人認知症予防財団が実施する,認知症に関する相談窓口の「認知症110番」 にも週1~2件は家族からの自動車運転に関する相談が寄せられている.その内容は「物 忘れが多くなったが運転はやめさせるべきか」,「車がないと生活できないので運転を大目 にみてきたが,そろそろ危険ではないか」,「外出先で車をとめたら,その場所を本人が忘 れてしまった」など,教習所に寄せられる相談とほぼ同様の内容となっている. 車の運転に関しては認知症専門医にも教習所や認知症 110 番と同様の相談が寄せられて いるが,都市部で診療する医師と地方部で診療する医師では,相談内容,件数に大きな差 異があるのも事実である. 都市部では公共交通の充実により免許を返納した後の生活の足確保に困ることが少ない ためか,相談はさほど多くないと言う医師がいる一方,地方部ではこの問題を頻繁に相談 されるとのことである. また,認知症と診断された人に運転をやめるように伝えると,「そうなったらここ(病院) に通えなくなってしまう.先生は私に死ねと言うのか」と切実な反論もあると言う. 警察庁の「講習予備検査について」の解説では,「検査の結果,『記憶力・判断力が低く なっている』との結果であっても,運転免許証の更新はできます」とされている. これは医学的見地からしても大きな問題を孕んでいると言える.講習予備検査の結果が 第1分類の「記憶力・判断力が低くなっている」すなわち「認知症」であることの証左で あるにも関わらず,「運転免許証の更新はできる=運転を続けて良い」との,いわば運転免 許行政からの「お墨付き」と誤解する向きも多いのも問題となっている.

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- 5 - どういうことかと言えば、認知症の中でも前頭側頭型認知症の症状はいわば「ゴーイン グマイウェイ」で,赤信号であろうと進みたいと思ったら突っ走ってしまうという非常に 危険な運転をする恐れがあるし,レビ-小体型認知症では,パーキンソニズムと言うパー キンソン病に似た運動障害によりペダル操作がうまく行かなくなることもある.同じ「認 知症」でもこの 2 種類はすぐにでも運転を諦めていただくべき病気と言える. また,認知症の 6~7 割※2を占めるとされるアルツハイマー型認知症であれば,初期の 段階では運転能力はさほど落ちるわけではない.アルツハイマー型の運転ミスは「物忘れ」 により曲がる道がどこだったかを忘れてしまう,あるいは景色や道路の状況が変わったり, 建物が新しくなったりすることで自分の居場所が分からなくなってしまうことが主体とな るため,家族が助手席に座ってアドバイスするなどすれば,運転は可能と言える. ただし,症状が進行し,空間認知機能が障害される段階になってくると自分の車と外部 との空間的感覚がつかめなくなり,車庫入れがうまく行かなくなったり,右左折時に障害 物とぶつかるようになったりするため,運転は難しくなると言える. 以上のように高齢者の運転と認知症の関係は,条件によって大きく異なるため一概に認 知症であるから運転をしてはいけないと言い切ることや,アルツハイマー型であれば運転 しても良いと言うことは不適切である.大いにグレーの部分が存在し,個人差など個々の 状況によって運転に及ぼす影響は大きく変化するため,運転継続の可否については運転適 性の正確な把握に基づいて判断されるべきである. 1.2 研究の目的 現在,道路交通法により 75 歳以上で運転免許証を更新する場合には「講習予備検査(認 知機能スクリーニング)」が課せられている.その検査結果において,「認知症の疑いが強 く一定期間内に特定の交通違反があった場合には医師の診察を受ける。そしてその診察に おいて認知症と診断された場合には免許証を返納する(警視庁資料より)」という仕組みと なっている. しかし,生活の足として車が不可欠である郊外や地方では,高齢者ほど車運転の必要性 が高く,そのため一方的に高齢運転者を排除するのではなく,高齢者が安全に車を運転し 安心して道路を利用できるための仕組みが必要であることは言を俟たない. 2011 年 4 月に設立された「日本認知症予防学会(理事長:鳥取大学医学部教授 浦上克 哉)」を始め,認知症に関係する医学界の学会では,認知症の予防法について多くの研究報 告がなされている.10年ほど前には「認知症は予防できる」と言うと「何を馬鹿なこと を」と言うのが,医学界の常識としてまかり通っていた(浦上教授)とのことだが,根本 治療薬の開発はまだ先になると言われている現段階においても,軽度認知障害(MCI) のレベル,あるいはさらに早い段階から,何らかの手段を講じることにより認知症の発症 自体を予防することが可能との報告が多くなされている. このことはつまり,認知症と診断される前段階から予防できれば,認知症にならずに運 転の継続ができることをも意味していることに他ならない. 一方,自身が認知症を患っていることに気がつかず車を運転し,高速道路を逆走したり

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- 6 - する事故や事例は後を絶たないどころか,今後益々増大することが懸念されている. さらには,認知症等で運転適性を欠くことになってしまった高齢運転者にとっては高齢 者講習および講習予備検査受講を経た免許更新を,運転適性に対する公的機関からの「保 証(お墨付き)」と誤解し,事故へ至る事態ともなっている. 以上のように早期に兆候をつかむことにより,認知症の発症自体を予防できる時代が訪 れているにも関わらず,認知症起因の交通事故が増加傾向にあると言うことは,関係者の 不作為と言われても致し方のないことである. 問題解決の第一歩としては,認知症による運転免許の継続可否を合理的・客観的に助言 可能にするための仕組づくりと運用に係わる人材の早急な育成が必要であり,本研究の究 極の目的もそこに設定している. 本研究は研究結果を導き出すことも重要と考えるが,それ以上に「今起こっていること」 と「次に起こること」への対処を実践的に実施することを重要視している.まさにタカタ 財団理事長のご挨拶にもあったように「実践的な活動を」の方向性に合致する研究目的で あると思うところである. このことから各分野の組織や団体と連携し,医学,心理学,及び工学等の見地から高齢 化に伴い減退する判断能力や身体能力に関するデータの収集や分析を行い,それらを踏ま えて安全な車社会の実現に向けての改善策を検討・提言し,早期の実現を目指す. 中でも,運転者自身に身体的な衰えや認知症の可能性があることを自覚してもらうため の啓発活動は重要な位置を占めると考えている. 現在 75 歳以上の運転免許保有者に対しては「講習予備検査」が行われているが,この「一 律 75 歳以上」という線引きが果たして適正なのかどうかという疑問がある. 厚労省が行った最近の調査※3によると,65 歳以上の 7 人に 1 人(15%)は認知症であ るとされた.しかし認知症の疑いがあっても,当人は自ら病院に行かないことがほとんど というのも実情である. 我々が実施する「高齢者向け交通安全教室」の中でアンケート調査を実施したことが あるが,「自分の運転に自信がありますか?」という問いに対しては,多くが「自信がある」 と回答している. また,「いつ免許を返納しますか?」という問いに対しては,「自分で危険だと感じるま で運転する」との答えがほとんどを占める. 言い換えるとほとんどの高齢ドライバーが運転に関して,「自分はまだ十分に運転が可能 な身体能力を有し」ており,「安全運転ができている」と思い込んでいることになる. それが事実であれば問題はないが,大多数が一時停止を守らない,車間距離が不十分, ブレーキのタイミングが遅れるなど,深刻な事故に結びつきかねない運転をしているのも 現実となっている. さらに,自身がもし認知症であった場合「危険と感じたことを記憶しておくことができ ない」という問題もある. 例えば認知症の人が危険な運転をしてしまった場合,運転者はそのときは「自分が危険 な運転をしてしまった」,「自分の身体能力を過信してはいけない」と自覚するかもしれな

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- 7 - いし,一時的には自身の運転能力についても省みる可能性はある.しかし認知症では時間 経過と共にそのこと自体を忘れてしまい,結果としてすべてが記憶に残らないこととなっ てしまう恐れもある.当然,運転者自身は運転中に危険な目に遭ったという記憶が抜け落 ちるわけだから,免許を返納するには至らない. 今や認知症は身近な存在となった.そして何より認知症の初期段階の「物忘れ」が病的 なものか,一般的なものかを自覚をすることが今や最も重要なこととなっている.物忘れ がひどくなる認知症の初期段階は「軽度認知障害(MCI)」=「認知症予備群」とされ,そ のまま放置すると翌年には 12%,3~4 年後には約半数の人が認知症になると言われている. この MCI の時点で積極的な予防対策を取ることにより,認知症に移行することを防いだり, 進行を遅らせたりすることができるのである. このことから認知症予備群を早期発見できる場所として,自動車教習所などとの連携に よる,主に 60 歳以上を対象とした安全運転講習会で物忘れの度合いをチェックし,運転能 力の客観的な評価や認知症予防のためのトレーニング等を行うことにより,運転者に認知 症の前兆の有無や,予防による運転継続の可能性を理解いただくとともに,より客観的に 高齢者の運転継続の可否を判断・相談できる仕組みと人員育成の仕組みを構築することが 目的となる.

第2章 認知症と運転の問題

2.1 現場で起きていること 介護施設での話だが,認知症で入所している高齢男性の中には,介護する女性職員に対 して性的関係を迫ることが往々にしてあると言う.若い職員であれば大きなショックを受 け離職につながることも少なくないと聞くが,熟練職員は「私は清潔な人がいいな。お風 呂に入ってきれいになってからね。」と言ったり、「みんながいるところではいや。誰も いないところへ行きましょう。」と言って散歩に誘い出したりするそうである.そうする と最初は勇んでいた認知症の男性は入浴したり,散歩するうちに最初の衝動を忘れ去って しまうのだそうだ.認知症の中核症状を逆手に取り,さらに入浴や散歩という運動に転換 させてしまうテクニックである. しかし,そのような手練れの職員さんを困惑させているのが「運転免許」の問題である. ある介護施設に入所する高齢男性は車の運転が好きで,ことある毎に自動車の話をする. 認知症で入所しているのだが,ある日「これから運転免許の更新に行ってくる。」と出か け,戻ってからは「認知症の検査(高齢者講習予備検査)があったが免許は更新できた。 お上からお墨付きをもらったのだから俺はだいじょうぶ、みんなも更新するべきだ。運転 はボケ防止にもいいからな。」と触れ回っているとのこと. さらには認知症と診断され,本人も納得して運転免許を返納したはずが,いつの間にか また運転をしていた.免許を返納したことを忘れてしまった結果である.

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- 8 - また,家族が認知症の高齢男性の運転が心配になり本人に内緒で車を処分したところ, その男性は自動車ディーラーにひとりで出かけ,帰りには新車を運転してきたと言う話も 聞いた. このような話を介護関係者の集まる席で披露すると「うちでも同じ話があった」という こともかなりある.そして,認知症の人に運転をやめてもらうよう説得することの難しさ を口々に吐露するのである. 2.2 高齢者講習(講習予備検査)の問題点 自動車教習所はこれまで新規の運転免許取得者,すなわち若い世代しか相手にしてこな かった.今,高齢者講習を指定教習所で行うようになって初めて高齢者の方と出会うこと となった. 高齢者講習の目的は自身の身体的機能が衰えたことを知ってもらうことにあるので,コ ースで運転できなくても一定の検査等を受けてもらえれば講習は終了し,修了証を渡して しまう.ただ指導員たちの間にも,本当にこの人に運転を継続させていいのか,という疑 問が生じることは多々ある. 講習予備検査の結果から認知症の恐れが見て取れても,運転教習のプロである指導員からす れば,その人は本当に運転ができるのかという観点からもう一度見直さなければならないと感 じている.さらに,その中で認知症が病気のレベルまで達しているのか,それとも認知症予備 群のレベルなのかの判断ができるようになると,自動車教習所は社会にとってもう少し役立て る存在になれるのではないか. 現在,指導員が明確にできることは,例えば危険予知ができているかどうかの判断.例えば 教習所に設置されている各種の機械で安全確認がきちんとできるかどうかを見るよりも,その 安全確認と,その裏に潜んでいる危険をきちんと予見できているかどうかを見抜く眼力などが 指導員にはある.それに加えて医療関係者との協力により,対象者が安全に運転できる能力や 限界をさらにきめ細かく見いだし,将来的にははっきりとした基準づくりにつながれば良いと 思う. 高齢者講習の会場は,受講者のほとんどがお互いを知らない状況なので,堅くなってい る人が大変多い.また,ほとんどの人は他人に運転を評価される様な経験は何十年もして おらず,大変な緊張とともに参加している.緊張すると普段できることでも失敗しやすく なるし,本来の能力が発揮できないことも多く,高齢者講習は「70 歳を過ぎて車を運転す るなら合格しなければならないテスト」と誤解されている側面もある.そして,そのテス トに落ちたら免許証を取り上げられてしまうと思いながら受講する人も非常に多い.それ も緊張の大きな要因になっていると考えられる.人によっては開始時刻の1時間も前に会 場に到着する人もいるほどである. テストと誤解しているのは本人のみならず,その家族にも勘違いしている人も多い.講 習会の前に「今度祖父が講習会に参加するが,運転が心配なので落としてもらいたい」な ど,ご族からの電話をうけることがしばしばある.しかし,自動車教習所では落とすこと はできないことを説明し理解につなげている.

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- 9 - また,高齢者では自分の運転に不安を感じている人も意外と多い.しかし実際には意外 と多くの人がしっかりと安全運転ができている. 不安を感じている人の方が総じて安全運転をしていると言える.おそらく自分を客観的 に見ようとする気持ちがあるのでそのように表現するのだと思える.車の運転にもそれが 現れて,客観的な視線で自分の運転に気を配れるということになるのだろう. これまでの高齢女性の運転免許証保有者について言えば,当時はまだまだ女性で免許を 取る人は少なく,積極的で運動神経も良く活動的だったのだと思われる.実際に,これま で高齢者講習に参加した女性は活発な人が多く,概して女性高齢者の運転は優秀である. ただし,今後はどうかはわからない.女性の免許証保有者数は今後急速に増えるし,免許 を持っている今までの「おばあちゃん」と比較すると,「普通」の女性が増えることにな るのだと思う.今後運転環境での変化は出てくると思われる.(自動車教習所職員への聞 き取り調査から) 国内の法律では認知症の方は運転してはいけないとなっているが,海外の実情と比べる と大雑把過ぎる.医療の立場からすると,一律に認知症と診断されたら運転してはならな いと言うのはいかにも乱暴で,さらにきめ細かい法律をつくるべきと思う. また,認知症という病気に関して,運転して良いかどうかの判断を医者だけにお任せと いうのは,それは無理だと思う.運転能力がどうかという問題になると医師はその専門で はないので,そこは運転の専門家と一緒に判断していかないといけない.それからその方 の家庭での状況や生活状況も考えた上で判断しないといけないと思う.やはり,総合的に 考えないと免許を返納してもらう判断は難しい. さらに 75 歳での認知症スクリーニングというのは遅い.医学的には 65 歳以上から必要 と考える.特に前頭側頭型認知症というのは,どちらかというと若年性認知症に分類され るぐらい高齢者になる前の発症が多い病気だから,75 歳以上でのスクリーニングでは,そ のほとんどが見逃されてしまっていると考えても良い. (医療者Aへの聞き取り調査から) 平成 21 年から導入された講習予備検査は,その導入へ向けた検討時「50 歳代から導入 すべき」という意見も当然あった.しかし,当時の研究では 75 歳のあたりに急激に右肩上 がりに跳ね上がる認知症罹患率のグラフが示されていた.50 代,60 代での導入では数が多 すぎて対応ができかねないという声とも相俟って 75 歳というところに落ち着いた.(元警 察官僚への聞き取り調査から) 講習予備検査の問題作りに携わった.我々医療従事者の立場からすれば,75 歳からの認 知症スクリーニングは遅すぎると言うのは常識で,当時ももっと早い段階での実施を求め たが,はじめから「75 歳から」の結論ありきと感じた.(医療者Bへの聞き取り調査から)

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- 10 - 2.3 法的課題 道路交通法第103条では,「認知症であることが判明したとき,その人の所在地を管轄 する公安委員会が,免許の取り消し,または6か月を超えない範囲内で期間を定めて免許 の効力を停止することができる」としている.これは〝できる〟という表現だが,社会的 責任から考えると,認知症と診断されたら運転をしてはいけないと解釈すべきと言うのが, 社会的通念として一般的な考え方となっている. 現状では,認知症と診断されても,それを本人や家族は公安委員会に報告する義務はな い.診断した医師にも同様の「義務」は課せられていない. 先にも触れたが,警察庁の講習予備検査の解説では,「検査の結果,『記憶力・判断力が 低くなっている』との結果であっても,運転免許証の更新はできます」とされている. このようなことからも,運転しなければ病院にも行けないし,社会生活ができない,と 言った理由から,認知症にも関わらず運転を続けている人が多いのが現実と言えるだろう. いわば現状では認知症の人の運転は「黙認状態」に等しいとも言える. しかし,認知症の人が交通事故を起こすケースは後を絶たない状況となっている. 現実に平成24年には京都府で,運転手が認知症と知りながら運転を中止させなかった として,同乗していた運転手の実兄(68)とその妻(63)が書類送検された事故があ った.その後の調べで,事故の直接の原因が「認知症」ではなかったことで,不起訴とな ったが,警察が認知症の人の運転を止めずに事故を起こした際の責任を,周囲の家族など に求める動きが始まったと解釈すべき一件である. また,車の運転ではないが最近気になる事例が各方面に衝撃を与えた.認知症の男性が 鉄道の線路内に入り列車にはねられて死亡した事故で,裁判所が遺族に対し「注意義務を 怠った」として,鉄道会社に720万円を支払うよう命じたものだ. この判例はやがて自動車事故の当事者に弁済能力がないと判断された(認知症と診断さ れれば当然そうなる)際には,先の京都府の事例のように家族に責任を求める,すなわち 損害賠償請求も及ぶと言う,まさに明日は我が身の判例と言えるものである. 「そもそも刑法には〝認知症〟という言葉がなく、刑事罰を科せられるかは,そのつど 判断が分かれることになります。刑法では〝心身喪失〟あるいは〝心身耗弱〟という表現 で、精神の障害により事物の是非・善悪を弁識(=物事の道理を理解、判断すること)し たり、それに従って行動する能力がどの程度失われていたのかを判断します。事故を起こ した人が心身喪失と判断されれば、その行為は罰せられず、心身耗弱と判断されれば、刑 は軽減されます。アルコール濃度が判断基準の一つになっている飲酒運転と違い、認知症 にはさまざまなタイプがあって症状が異なり、その進行度合いによっても症状はさまざま です。 認知症になれば即、運転の能力を失うわけではありませんから、道路交通法では〝でき る〟という幅のある表現をしています。仮に、認知症と診断した医師に公安委員会への報 告義務を課し、一律で認知症の人の免許を取りあげるとするなら、医師の個人情報の守秘 義務も含めて大論争になるでしょう。 認知症の人すべてが運転できないとするのは乱暴と思います。一方で、運転が危険な認

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- 11 - 知症の人がいるのも事実で、その対応はどうしたらよいでしょうか。 考えられる対策の一つは、運転技能のスクリーニング(ふるい分け)検査を実施し、客 観的な共通認識を得ることです。その検査結果に従って、どのレベルであれば運転はやめ させ、どのレベルであれば許容するなどの、きめ細かな法体制の整備です。この検査結果 を医療や警察、法曹など各分野で共有できれば刑罰の判断基準も定まると思います」(「認 知症は怖くない2」及び宮島弁護士への聞き取り調査から) 以上のような動きからは,今後認知症の人の運転をやめさせることは,その家族に法的圧力 としても重くのしかかってくると想像される.

第3章 現状実態調査

現在,実際に車を運転する人たちの認知機能検査は,高齢者講習の「講習予備検査」の みとなっている.しかし,それは 65 才以上の 7 人にひとりが認知症と言われる実態の中, 運転免許更新時に満 75 才以上の人にしか行われておらず、現実に則しているとは言い難い. 65 才から 75 才未満の高齢運転者の中に認知症及び認知症予備群と言われる軽度認知障 害(MCI)の人がどの程度存在するのかも,全く解明されていない. そこで,本研究の第一歩として,65 才以上の運転者に占める認知症の人やMCIの人の 割合を明確にする作業が必要となる.以下,その手法等について述べる. 3.1 運転適性判断システムとしての「物忘れ相談プログラム」概要 特定非営利活動法人高齢者安全運転支援研究会の設立前から,車の運転と認知症の関係 性を調べるための簡便なシステムを探していたところ,現在弊研究会の理事である鳥取大 学医学部教授の浦上克哉が開発した「物忘れ相談プログラム MSP-1000」に行き会った. 概要は以下となる. アルツハイマー型認知症をみつけるのに最も重要な質問を用いた,簡単なスクリーニン グテストプログラム.タッチパネルパソコンとの対話方式で,①ことばの即時再認,②日 時の見当識,③ことばの遅延再認,④図形認識 1,⑤図形認識 2 の 5 つのテストを行う. テストが終了すると,15 点満点中 12 点以下の場合「物忘れが始まっている可能性が疑 われます.早目に医師に相談してみましょう」というメッセージを得点とともにプリント アウトし,医師への相談を促す. 質問項目が少なく,非侵襲なため,相談者は低ストレス でテストを受けられ,テスト時間もプリントアウトを含め約5分となっている. 感度(認知症であることを捕捉する割合)96%,特異度(健常者を認知症と捕捉しない 割合)97%と高い信頼性を実現(鳥取大学医学部のデータによる)している. 結果の表示は「13 点以上」の場合,「現時点では物忘れは心配要りません」で,全問正 解で 15 点満点となる.健常者はほとんど全問正解で,日付の勘違いなどうっかり間違って も 2 問までが正常の範囲となっている. 「12 点以下」では「物忘れが始まっている可能性が疑われます。早めに医師に相談しま しょう。」との表示となる.アルツハイマー型認知症の人は 3 問以上間違え,進行の状況 によって一桁代の人もいる.

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- 12 - 本プログラムは各地の行政・医療機関等ですでに導入され,認知症患者の早期発見に実 績を上げていることから,本研究の認知症および軽度認知障害のスクリーニング機器とし て採用することとした.ただし,医療機関への設置を前提としているためインターフェー スの一部が「患者」対象となっている箇所に関して,本研究での使用シチュエーションを 考慮すると違和感が否めないことから,メーカーサイドと改修を検討,細部に渡って検証 を行い,新規開発を含めた対応を行った. その結果,「患者」に関する表記や表現を一般的なものに改め,さらに個人情報入力画 面に「自動車運転免許保有の有無」および「運転の頻度」を記入できる仕様とし,運転適 性判断システムとしての有用性を高めることができた.さらに機器をタブレット式として モバイル性も高まった. 本研究での指針として浦上教授と相談の上,14,15 点を正常,13 点をボーダーラインと し現時点では問題ないが将来的に注意が必要,12 点以下を問題あり(物忘れが始まってい る可能性あり)として調査にあたった. 以下に物忘れ相談プログラムのテスト内容,タブレット画面を紹介する.

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- 13 - 図 3.1.1 物忘れ相談プログラムのテスト内容 3.2 高齢者講習対象者への認知症スクリーニング 本研究会の発足前の準備段階での調査ではあるが,大阪府と鳥取県内の自動車教習所の 協力を得て,高齢者講習受講者を対象に「物忘れ相談プログラム」を使用し任意で調べた 結果がある.まさに驚愕すべき実態が明らかになっているので,今回の助成研究対象外で はあるがここに記載する. (実施概要) 平成 22 年 12 月~平成 23 年 2 月に大阪府と鳥取県内の 2 箇所の自動車教習所にて,高齢者 講習受講のために訪れた,運転免許更新時 70 歳以上の方を対象に実施. 大阪府内自動車教習所での実施人数 115 名 鳥取県内自動車教習所での実施人数 99 名 結果: 大阪府内自動車教習所 (全体:115 名) 12 点以下(物忘れが始まっている可能性)・・・・・・・・・・・34 名(29.6%) 【参考】物忘れ相談プログラム導入事例 ●熊本県,兵庫県,奈良県,大分市,名張市,臼杵市・・・ ●東京大学医学部,日本医科大学,慶応義塾大学医学部, 大阪市立大学医学部,大分大学医学部・・・ ●2003 年鳥取県琴浦町 認知症予防検診で同プログラムを用いたもの忘れの検査が始まり,認知症の早期 発見と介護予防教室への参加につなげることで高齢者医療費の削減にも寄与。 ●2012 年兵庫県豊岡,丹波両健康福祉事務所 「認知症を心配している人でも病院に行くのをためらう人が多く,発見が遅れて しまう。気軽に利用できるタッチパネルで早期発見・受診につなげてもらえたら」 (読売新聞より)

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- 14 - 13 点(現時点では問題ないものの,将来的に注意が必要)・・・・15 名(13.0%) 14 点以上(現時点では物忘れは心配なし)・・・・・・・・・・・66 名(57.4%) (69 才~74 才:74 名,64.3%) 12 点以下(物忘れが始まっている可能性)・・・・・・・・・・・20 名(27.0%) 13 点(現時点では問題ないものの,将来的に注意が必要)・・・・10 名(13.5%) 14 点以上(現時点では物忘れは心配なし)・・・・・・・・・・・44 名(59.5%) (75 才以上:41 名,35.7%) 12 点以下(物忘れが始まっている可能性)・・・・・・・・・・・14 名(34.1%) 13 点(現時点では問題ないものの,将来的に注意が必要)・・・・ 5 名(12.2%) 14 点以上(現時点では物忘れは心配なし)・・・・・・・・・・・22 名(53.7%) 鳥取県内自動車教習所 (全体:99 名) 12 点以下(物忘れが始まっている可能性)・・・・・・・・・・・29 名(29.3%) 13 点(現時点では問題ないものの,将来的に注意が必要)・・・・17 名(17.2%) 14 点以上(現時点では物忘れは心配なし)・・・・・・・・・・・53 名(53.5%) (69 才~74 才:55 名,55.6%) 12 点以下(物忘れが始まっている可能性)・・・・・・・・・・・13 名(23.6%) 13 点(現時点では問題ないものの,将来的に注意が必要)・・・・10 名(18.2%) 14 点以上(現時点では物忘れは心配なし)・・・・・・・・・・・33 名(60.0%) (75 才以上:44 名,44.4%) 12 点以下(物忘れが始まっている可能性)・・・・・・・・・・・16 名(36.4%) 13 点(現時点では問題ないものの,将来的に注意が必要)・・・・ 7 名(15.9%) 14 点以上(現時点では物忘れは心配なし)・・・・・・・・・・・21 名(47.7%) いずれも 12 点以下の「物忘れが始まっている可能性」ありの群が約 3 割,全く問題なし は 5 割強となっている.大阪府,鳥取県の自動車教習所ともにそれぞれの比率に大きな差 異はなく,そのまま全国の割合としても問題ないことが示唆される. 年代別に見ると,いずれも 75 歳未満では 12 点以下が 30%に満たないのに比し,75 歳以 上は双方とも 35%位置の近辺に位置し,年齢が上がるほど認知症の率が上昇することを端 的に示していると言える. しかし,ここで問題視されるべきは,70 歳以上で恒常的に運転している人の中に 3 割も の認知症が疑われる人が混在していることである.我々のこの調査のような検査が実施さ れなければ 75 歳未満の人々の認知症運転者の実情は全く明るみに出なかったと言える. 以下当時の調査結果を掲載するので,年齢に関わりなく,高齢運転者中の認知症リスク の高い人が分布する実情を確認していただきたい.

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- 15 - 表 3.2-1 大阪府内自動車教習所における認知症スクリーニング結果 物忘れ相談プログラム実施結果(大阪府内自動車教習所:平成22年12月~23年2月) 12点以下 認知症が疑われる 13点 ボーダーライン 14点以上 問題なし 番号 性別 年齢 得点 言葉の 即時再認 日時の 見当識 言葉の 遅延再認 図形認識1 図形認識2 所要時間 1 M 69 15 3 4 6 1 1 2:58 2 M 69 15 3 4 6 1 1 2:38 3 M 69 13 3 4 6 0 0 3:18 4 M 69 13 3 3 6 0 1 2:58 5 F 69 14 3 4 6 1 0 3:21 6 M 69 12 3 4 4 1 0 2:40 7 M 69 11 2 4 4 1 0 3:42 8 M 69 14 3 4 6 0 1 3:03 9 M 69 14 3 4 6 1 0 3:33 10 M 69 14 3 4 6 1 0 2:43 11 M 69 14 3 4 6 1 0 3:23 12 M 69 14 3 4 6 1 0 2:54 13 M 69 12 3 4 4 1 0 3:13 14 F 69 14 3 4 6 1 0 2:30 15 M 69 14 3 4 6 1 0 2:45 16 M 70 14 3 4 6 1 0 2:48 17 M 70 11 1 4 6 0 0 3:02 18 M 70 14 3 4 6 1 0 2:37 19 M 70 14 3 4 6 1 0 2:56 20 F 70 13 3 4 6 0 0 3:37 21 M 70 15 3 4 6 1 1 2:36 22 M 70 12 3 3 6 0 0 3:07 23 F 70 13 3 4 6 0 0 2:54 24 M 70 15 3 4 6 1 1 2:45 25 M 70 15 3 4 6 1 1 2:32 26 M 70 14 3 4 6 1 0 2:34 27 M 70 9 1 4 2 1 1 4:07 28 F 70 11 3 4 4 0 0 3:07 29 M 70 12 3 4 4 1 0 3:13 30 M 70 11 2 3 4 1 1 3:03 31 F 70 14 3 4 6 1 0 3:00 32 M 71 12 3 4 4 1 0 2:51 33 M 71 8 1 4 2 1 0 4:23 34 M 71 12 3 2 6 1 0 2:36 35 M 71 14 3 3 6 1 1 3:22 36 M 71 15 3 4 6 1 1 3:10 37 F 71 15 3 4 6 1 1 2:44 38 M 71 13 3 4 4 1 1 3:18 39 F 71 14 3 4 6 0 1 2:55 40 M 71 14 3 4 6 1 0 3:01 41 M 72 14 3 4 6 1 0 3:09 42 M 72 14 3 4 6 1 0 2:13 43 M 72 15 3 4 6 1 1 3:55 44 F 72 10 2 3 4 1 0 2:28 45 M 72 14 3 4 6 1 0 3:10 46 M 72 10 2 4 4 0 0 3:19 47 M 72 14 3 4 6 1 0 2:35 48 M 72 13 3 3 6 1 0 3:19 49 M 72 14 3 4 6 1 0 2:41 50 F 73 14 3 4 6 1 0 3:11 51 M 73 15 3 4 6 1 1 2:37 52 M 73 11 2 4 4 1 0 2:50 53 M 73 15 3 4 6 1 1 3:12 54 M 73 14 3 4 6 1 0 3:02 55 M 73 14 3 3 6 1 1 2:31 56 M 73 11 3 4 4 0 0 3:19 57 M 74 12 3 3 6 0 0 3:09 58 M 74 12 3 4 4 1 0 3:18 59 M 74 14 3 3 6 1 1 2:47 60 M 74 15 3 4 6 1 1 3:02 61 F 74 14 3 4 6 1 0 3:06 62 M 74 14 3 4 6 1 0 2:53 63 M 74 14 3 4 6 1 0 3:07 64 M 74 9 1 4 2 1 1 2:39 65 M 74 13 3 4 6 0 0 3:30 66 M 74 13 3 4 6 0 0 3:04 67 M 74 14 3 4 6 1 0 2:52 68 M 74 12 3 4 4 1 0 3:28 69 M 74 14 3 4 6 1 0 2:51 70 M 74 14 3 3 6 1 1 2:52 71 M 74 13 3 4 6 0 0 2:43 72 M 74 15 3 4 6 1 1 2:42 73 M 74 14 3 3 6 1 1 2:56 74 F 74 13 3 3 6 1 0 2:46 高 齢 者 講 習 対 象 者

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- 16 - 75 M 75 14 3 4 6 1 0 3:25 76 F 75 15 3 4 6 1 1 2:51 77 M 75 12 3 4 4 1 0 3:05 78 M 75 15 3 4 6 1 1 3:17 79 F 75 11 2 4 4 1 0 2:29 80 M 75 11 2 4 4 1 0 3:25 81 M 75 14 3 4 6 1 0 2:54 82 M 75 14 3 4 6 1 0 3:02 83 F 75 14 3 4 6 1 0 2:59 84 M 76 14 3 3 6 1 1 2:56 85 M 76 9 2 3 4 0 0 3:54 86 M 76 14 3 4 6 1 0 2:42 87 M 77 15 3 4 6 1 1 2:56 88 M 77 15 3 4 6 1 1 2:49 89 M 77 14 3 4 6 1 0 3:01 90 F 77 9 3 1 4 1 0 3:31 91 M 77 14 3 4 6 1 0 2:52 92 M 77 14 3 4 6 1 0 2:57 93 M 77 12 3 3 6 0 0 2:54 94 M 78 14 3 4 6 1 0 2:36 95 M 78 14 3 4 6 1 0 3:13 96 M 78 13 3 3 6 1 0 3:34 97 M 79 13 3 3 6 1 0 3:22 98 M 79 11 3 3 4 1 0 2:44 99 M 79 14 3 4 6 1 0 3:07 100 M 80 14 3 3 6 1 1 2:43 101 M 80 11 3 3 4 1 0 3:27 102 M 80 7 1 4 2 0 0 3:38 103 F 80 14 3 4 6 1 0 2:59 104 M 80 15 3 4 6 1 1 2:46 105 F 81 13 3 4 6 0 0 3:05 106 M 81 11 3 1 6 1 0 2:53 107 M 81 9 2 3 4 0 0 3:48 108 M 81 13 3 3 6 1 0 3:20 109 M 81 15 3 4 6 1 1 3:06 110 M 82 6 1 4 0 1 0 5:44 111 M 83 14 3 4 6 1 0 3:22 112 M 83 14 3 4 6 1 0 3:08 113 M 84 11 3 3 4 1 0 3:21 114 M 84 11 2 4 4 1 0 2:51 115 M 86 13 3 3 6 1 0 3:04 12点以下 認知症の疑い有り 34名 29.6% 42.6% 13点 ボーダーライン 15名 13.0% 14点以上 現状問題なし 66名 57.4%     講 習 予 備 検 査 対 象 者

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- 17 - 表 3.2-2 鳥取県内自動車学校における認知症スクリーニング結果 物忘れ相談プログラム実施結果(鳥取県内自動車学校:平成22年12月~23年2月) 12点以下 認知症が疑われる 13点 ボーダーライン 14点以上 問題なし 番号 性別 年齢 得点 言葉の 即時再認 日時の 見当識 言葉の 遅延再認 図形認識1 図形認識2 所要時間 1 F 69 13 3 3 6 1 0 3:18 2 F 69 14 3 4 6 1 0 2:56 3 M 69 11 3 4 4 0 0 3:06 4 M 69 11 3 4 2 1 1 2:57 5 M 69 14 2 4 6 1 1 3:03 6 M 69 15 3 4 6 1 1 2:46 7 F 70 15 3 4 6 1 1 3:54 8 F 70 12 3 4 4 1 0 2:54 9 F 70 14 3 4 6 1 0 2:56 10 F 70 14 3 4 6 1 0 3:12 11 M 70 14 3 4 6 1 0 3:01 12 M 70 14 3 3 6 1 1 2:34 13 M 70 11 3 3 4 1 0 2:57 14 M 70 14 3 4 6 1 0 4:56 15 M 70 15 3 4 6 1 1 2:38 16 F 71 13 3 4 6 0 0 3:09 17 F 71 13 3 4 4 1 1 2:10 18 M 71 14 3 4 6 1 0 2:50 19 M 71 15 3 4 6 1 1 3:14 20 M 71 14 3 4 6 1 0 2:45 21 M 71 15 3 4 6 1 1 2:56 22 M 71 13 3 3 6 1 0 3:02 23 M 71 15 3 4 6 1 1 2:53 24 M 71 14 3 4 6 1 0 3:12 25 M 71 14 3 4 6 1 0 2:58 26 M 71 10 3 4 2 1 0 3:53 27 M 71 12 3 4 4 1 0 2:35 28 M 71 14 3 4 6 1 0 2:33 29 F 72 12 3 3 6 0 0 2:39 30 F 72 13 3 3 6 1 0 3:41 31 F 72 14 3 4 6 1 0 3:17 32 F 72 13 3 4 6 0 0 3:00 33 M 72 12 3 4 4 1 0 2:43 34 M 72 13 3 3 6 1 0 2:52 35 M 72 13 3 3 6 1 0 3:24 36 M 72 14 3 4 6 1 0 3:09 37 M 72 15 3 4 6 1 1 2:42 38 M 72 15 3 4 6 1 1 2:56 39 M 73 9 3 3 2 1 0 3:38 40 M 73 15 3 4 6 1 1 3:35 41 M 73 13 3 4 6 0 0 3:09 42 M 73 14 3 4 6 1 0 3:16 43 F 74 14 3 4 6 1 0 3:01 44 F 74 14 3 4 6 1 0 2:57 45 F 74 12 3 4 4 1 0 2:42 46 F 74 14 3 4 6 1 0 3:03 47 F 74 14 3 4 6 1 0 3:54 48 F 74 14 3 4 6 1 0 2:57 49 M 74 14 3 4 6 1 0 3:36 50 M 74 9 2 2 4 1 0 6:06 51 M 74 12 3 4 4 1 0 2:43 52 M 74 15 3 4 6 1 1 3:10 53 M 74 13 3 4 4 1 1 2:59 54 M 74 11 3 4 2 1 1 3:01 55 M 74 14 3 4 6 1 0 3:05 高 齢 者 講 習 対 象 者

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- 18 - 56 F 75 12 3 3 6 0 0 3:16 57 F 75 9 2 4 2 1 0 2:59 58 F 75 5 0 4 0 1 0 3:26 59 M 75 12 3 4 4 1 0 2:37 60 M 75 12 3 4 4 1 0 2:46 61 M 75 14 3 4 6 1 0 3:28 62 M 75 14 3 4 6 1 0 3:20 63 M 75 13 3 2 6 1 1 2:50 64 M 76 14 3 4 6 0 1 3:43 65 M 76 14 3 4 6 0 1 2:47 66 M 76 15 3 4 6 1 1 2:40 67 M 76 13 3 3 6 1 0 3:01 68 M 76 15 3 4 6 1 1 2:39 69 M 76 14 3 4 6 1 0 2:53 70 M 77 15 3 4 6 1 1 3:29 71 M 77 11 3 2 6 0 0 3:02 72 M 77 8 0 4 2 1 1 3:06 73 M 77 14 3 4 6 1 0 3:27 74 M 77 13 3 3 6 1 0 2:58 75 M 77 14 3 4 6 1 0 3:40 76 M 77 13 3 3 6 1 0 2:53 77 M 78 14 3 4 6 1 0 3:05 78 M 78 14 3 4 6 1 0 2:34 79 M 78 14 3 4 6 1 0 3:42 80 M 79 12 3 3 4 1 1 3:23 81 M 79 11 3 3 4 1 0 3:17 82 F 80 12 3 3 6 0 0 4:02 83 F 80 14 3 4 6 1 0 3:09 84 F 80 15 3 4 6 1 1 2:48 85 F 80 10 2 4 2 1 1 3:00 86 M 80 7 2 4 0 1 0 4:03 87 M 80 15 3 4 6 1 1 3:10 88 M 81 15 3 4 6 1 1 2:55 89 M 81 12 3 4 4 1 0 4:02 90 M 82 13 3 3 6 1 0 3:14 91 M 82 15 3 4 6 1 1 2:47 92 M 82 15 3 4 6 1 1 3:31 93 F 83 13 3 3 6 1 0 3:05 94 M 83 14 3 4 6 1 0 2:33 95 M 85 13 3 4 6 0 0 3:35 96 M 86 10 3 3 2 1 1 3:45 97 F 87 14 3 3 6 1 1 2:55 98 M 87 6 1 4 0 1 0 4:37 99 M 87 12 3 3 6 0 0 3:32 12点以下 認知症の疑い有り 29名 29.3% 46.5% 13点 ボーダーライン 17名 17.2% 14点以上 現状問題なし 53名 53.5% 講 習 予 備 検 査 対 象 者

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- 19 - 3.3 高齢者向け交通安全教室での認知症スクリーニング 法定の高齢者講習以外に独自に高齢者向けの安全運転教室などを実施している教習所が 存在することから,高齢運転者における認知症の可能性の実態を見てみることとした. 教室に参加される高齢者に対する認知症の啓発と,意識の確認も併せて行った. これも以前から継続して調査を行っているので,その結果もあわせて掲載する. 本研究の実施メンバーでもある鳥取大学医学部浦上教授のお膝元であることから,鳥取 市内のある自動車学校における安全運転教室での実施を皮切りに,神奈川県内,大阪府内, 千葉県内の自動車学校(教習所)で逐次「物忘れ相談プログラム(MSP)」を使用して, 認知症スクリーニング調査を実施.前項の「高齢者講習」対象者ではなく,安全運転教室 に参加される「交通安全に対する意識の高い人」を対象とするのが本調査の意義となって いる. 鳥取市内の平成 23 年調査は,自動車学校と鳥取県警察本部との合同開催で実施されたも ので,安全運転に関する座学と自動車学校内のコースで実際に運転してもらい,安全確認 ができているかを見る実技を中心に展開,MSPでの認知症スクリーニングとドライバー ズビジョンを使用した反応速度の検査を行った. 認知症スクリーニング調査の結果は,交通安全に対する意識の高い人の集まりであるに も関わらず,かなりの高率で認知症が疑わしい人がいることが明らかになった.この人た ちも日常的に車を運転しているのだが,特段の問題意識もなく普通に運転できているよう だった.特に鳥取県内の自動車学校で実施した認知症スクリーニング検査の結果では,高 齢者の仲間入りをしたばかりの 66 歳女性のMSPの得点が 10 点で,浦上教授によると「言 葉の遅延再認」が低得点であることから間違いなく「認知症」であることが推測できると のことである.おそらくアルツハイマー型認知症で 10 年以上も前から,つまり 50 歳代あ たりで発症し,その後何の手当もないまま現在に至り認知症の症状が固定したものと考え られる.このように 70 歳以前でも明らかに認知症を発症しながら運転を続けている人が現 実として,それもかなりの割合でいると推察されるのである.本報告書冒頭に述べた女性 の事故の潜在的起因者が,毎日全国を走り回っていると言うことに他ならない. 神奈川県内の自動車教習所では近隣の警察署 3 署が合同開催するもので,平成 24 年,25 年と連続してMSPでのスクリーニングを行った.平成 24 年の調査では「物忘れが始まっ ている」とされる人が 46 名中 4 名,ボーダーライン上の人が 9 名となった.平成 25 年で は「物忘れが始まっている」とされる人が 20 名中 4 名,ボーダーライン上の人が 2 名とな っている.運転免許更新時 70 歳以上の「高齢者講習」対象者と比べた場合,自らの意思で 安全運転教室に参加されていること,年齢が低い人が存在することなどから,認知症の割 合は低くなっていると思われるが,自身も気づかないうちに認知症を罹患している人が存 在することを示している. 後ほど述べるが認知症にかかった場合運転を諦めるべきか,という質問に対して「そう するべき」と答える人が大多数を占めるにも関わらず,認知症の人が運転を続けている現 状をどのようにとらえるべきか.このあたりにも認知症と運転の問題の難しさがあるのだ と思う.なお,平成 25 年からはMSPの低得点者に対して,日本医科大学武蔵小杉病院に

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- 20 - 併設された「街ぐるみ認知症相談センター」を紹介し,より詳細な検査を受けられる仕組 みを構築して運用している. 今後は日本認知症予防学会と協同し,運転現場で見つけた認知症の人のケアができる仕 組みを構築していく. 表 3.3-1 平成 23 年鳥取市内自動車学校の高齢者安全教室でのMSP結果 平成23年11月18日 鳥取市内自動車学校 番号 性別 年齢 得点 言葉の 即時再認 日時の 見当識 言葉の 遅延再認 図形認識1 図形認識2 所要時間 1 F 63 14 3 4 6 1 0 2:53 2 M 66 10 3 4 2 1 0 2:44 3 M 66 15 3 4 6 1 1 3:01 4 M 67 15 3 4 6 1 1 2:29 5 M 68 14 3 4 6 1 0 2:50 6 F 69 14 3 4 6 1 0 2:59 7 F 70 15 3 4 6 1 1 2:39 8 M 71 12 3 4 4 1 0 3:05 9 M 72 15 3 4 6 1 1 3:14 10 M 72 13 3 4 6 0 0 3:08 11 F 72 14 3 4 6 0 1 2:32 12 M 73 14 3 4 6 1 0 2:40 13 M 74 14 3 4 6 1 0 2:46 14 F 74 15 3 4 6 1 1 2:14 15 M 75 13 3 3 6 1 0 2:55 16 M 75 14 3 4 6 1 0 2:24 17 M 75 14 3 4 6 1 0 3:06 18 M 75 14 3 3 6 1 1 3:58 19 M 76 14 3 4 6 1 0 2:59 20 M 76 15 3 4 6 1 1 3:31 21 M 76 13 3 4 6 0 0 2:42 22 M 76 13 3 4 6 0 0 3:10 23 M 76 12 3 2 6 1 0 3:09 24 M 79 14 3 4 6 1 0 3:23 25 M 80 13 2 4 6 1 0 2:43 26 M 80 12 3 4 4 1 0 2:27 27 M 80 15 3 4 6 1 1 3:21 28 M 80 15 3 4 6 1 1 3:22 29 M 81 14 3 4 6 1 0 3:07 30 F 82 12 3 4 4 1 0 2:43 31 M 82 14 3 4 6 1 0 2:23 32 M 83 14 3 4 6 1 0 3:12 33 M 86 10 2 3 4 1 0 3:26 34 M 86 12 3 4 4 1 0 2:34 35 M 89 14 3 4 6 1 0 2:46 12点以下 認知症の疑い有り 7名 20.0% ボーダーライン 5名 14.3% 14点以上 いまのところ問題なし 23名 65.7% 34.3% 13点

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- 21 - 表 3.3-2 平成 24 年神奈川県内自動車教習所のシルバー安全講習会でのMSP結果 平成24年9月24日 神奈川県内動車教習所 番号 性別 年齢 得点 言葉の 即時再認 日時の 見当識 言葉の 遅延再認 図形認識1 図形認識2 所要時間 1 F 61 14 3 4 6 1 0 2:40 2 F 66 15 3 4 6 1 1 2:56 3 F 67 14 3 4 6 1 0 2:49 4 M 67 13 3 3 6 1 0 3:02 5 F 67 13 3 3 6 1 0 2:27 6 F 68 14 3 4 6 1 0 2:26 7 M 68 15 3 4 6 1 1 2:50 8 F 68 13 3 4 4 1 1 2:38 9 M 68 14 3 4 6 1 0 3:10 10 F 68 15 3 4 6 1 1 2:37 11 F 69 14 3 4 6 1 0 2:46 12 M 69 9 2 4 2 1 0 3:14 13 M 69 15 3 4 6 1 1 2:31 14 F 70 15 3 4 6 1 1 2:54 15 M 70 14 3 4 6 1 0 2:27 16 M 70 15 3 4 6 1 1 2:58 17 M 70 14 3 3 6 1 1 2:50 18 M 70 15 3 4 6 1 1 2:56 19 M 71 14 3 4 6 1 0 2:40 20 M 71 13 3 4 4 1 1 3:30 21 M 71 15 3 4 6 1 1 2:56 22 M 71 15 3 4 6 1 1 2:35 23 F 71 15 3 4 6 1 1 2:37 24 M 71 12 3 4 4 1 0 2:44 25 M 72 13 3 4 6 0 0 2:58 26 M 72 14 3 3 6 1 1 2:48 27 M 72 14 3 4 6 1 0 3:02 28 M 72 15 3 4 6 1 1 2:43 29 M 72 12 3 2 6 1 0 3:09 30 M 73 13 3 4 4 1 1 3:12 31 M 73 13 3 2 6 1 1 3:02 32 M 73 15 3 4 6 1 1 2:56 33 F 74 10 2 4 4 0 0 3:37 34 M 74 14 3 4 6 1 0 3:04 35 M 75 13 3 4 4 1 1 2:42 36 M 75 15 3 4 6 1 1 2:39 37 M 76 15 3 4 6 1 1 2:44 38 M 76 15 3 4 6 1 1 2:45 39 M 76 13 3 3 6 1 0 2:52 40 M 76 15 3 4 6 1 1 2:38 41 M 77 15 3 4 6 1 1 2:32 42 M 79 15 3 4 6 1 1 3:04 43 M 79 14 3 4 6 1 0 3:08 44 F 83 14 3 4 6 1 0 2:54 45 M 83 14 3 4 6 1 0 2:56 46 M 84 15 3 4 6 1 1 3:00 12点以下 認知症の疑い有り 4名 8.7% 28 3% 13点 ボーダーライン 9名 19.6% 14点以上 現状問題なし 33名 71.7%

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- 22 - 表 3.3-3 平成 25 年神奈川県内自動車教習所のシルバー安全講習会でのMSP結果 平成 25 年 3 月に実施した千葉県内の自動車学校でのスクリーニング調査では,これまで の調査と異なる興味深い結果となった. 日本自動車連盟の協力を得て,大多喜町の自動車学校に町から声をかけた高齢者に集ま っていただき,安全運転に関する座学と急制動の実技を行った.併せてドライバーズビジ ョンによる反応速度の検査と,MSPによる認知症スクリーニングを実施. 実技のために自車を持ち込んでもらい,学校内のコースで急ブレーキを踏む実技を行っ た. その際に我々の興味を引いたのが,1 台を除いてほとんどがマニュアルミッションの自 動車であったことと,スクリーニング結果が 80 代以上の方が多かったにも関わらず,「物 忘れが始まっている」とされた人が 1 名しかいなかったことである.また,80 歳代後半の 人たちの得点が満点であったことも特筆すべき結果であった. 1 カ所だけの結果であることと,参加された人の集め方に何らかのバイアスがかかった 可能性が否定できないことから,今後詳細な調査が必要であるが,マニュアル車を日常的 に運転することが認知症予防につながることを示唆される可能性もあるのではないだろう か. 平成25年9月12日 神奈川県内 自動車教習所 番号 性別 年齢 得点 言葉の 即時再認 日時の 見当識 言葉の 遅延再認 図形認識1 図形認識2 所要時間 1 F 43 15 3 4 6 1 1 2:23 2 M 57 15 3 4 6 1 1 2:09 3 F 68 14 3 3 6 1 1 2:37 4 F 69 13 3 2 6 1 1 3:18 5 M 70 12 3 4 4 1 0 3:15 6 M 70 14 3 4 6 1 0 3:17 7 M 70 15 3 4 6 1 1 2:35 8 F 71 10 3 4 2 1 0 2:42 9 F 71 14 3 4 6 1 0 3:02 10 M 71 13 3 3 6 1 0 3:12 11 F 72 14 3 4 6 1 0 3:00 12 F 73 9 2 4 2 1 0 2:30 13 F 75 12 3 4 4 1 0 2:32 14 M 75 15 3 4 6 1 1 3:05 15 F 76 14 3 4 6 1 0 3:28 16 M 76 14 3 4 6 1 0 2:27 17 M 77 15 3 4 6 1 1 2:19 18 M 77 15 3 4 6 1 1 2:26 19 F 77 15 3 4 6 1 1 2:35 20 M 79 14 3 4 6 1 0 3:51 12点以下 認知症の疑い有り 4名 20% 13点 ボーダーライン 2名 10% 14点以上 現状問題なし 14名 70%

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- 23 - 表 3.3-4 千葉県大多喜町における認知症スクリーニング結果 3.5 高齢者の運転継続に関する意識実態調査 全指連の資料によると平成 23 年中の講習予備検査受検者数は 1,194,263 名で,そのうち 第 1 分類の「記憶力・判断力が低くなっている者」とされた人は 16,857 名で 1.4%となっ ている.第 2 分類「記憶力・判断力が 少し低くなっている者」は 281,347 名で 23.6%. 残りの 896,059 名,75.0%は問題のない「記憶力・判断力に心配のない者」の第 3 分類に判 定されている. 講習予備検査及び高齢者講習に基づく取消し等処分件数のうち「特異者通報件数(高齢 者講習実施者から警察へ通報のあった件数.その後臨時適性検査を行い,主治医の診断書 の提出が必要となる)」は 571 件で,うち 32 件で運転免許の取り消し処分となっている. 講習予備検査を経た後,何らかの違反などで道路交通法第 102 条第 1 項から第 3 項まで のいずれかに基づく「必要的臨時適性検査」をうけた 409 件のうち,免許が取り消しとな ったのは 120 件であった. さらに,講習予備検査に関わらず,明らかに認知症で運転不可とされ運転免許の取消処 分となった件数は 442 件となっている. 医学的に見れば第 1 分類,第 2 分類とも認知症の疑いが濃厚であり,合計した 25%の数 値は,我々が平成 22 年 12 月~23 年 2 月にかけて大阪府と鳥取県で予備的に行った,高齢 者講習対象者の認知症スクリーニングの結果「物忘れが始まっている可能性(認知症の疑 い)」の約 29%にほぼ合致する数字となっている.高齢運転者のうち 3~4 人に 1 人は認 知症の疑いが濃厚にも関わらず,運転免許を更新し続けているのである. もちろん認知症の人の運転が即座に交通事故に結びつくわけではないが,中には運転し てはいけない認知症を罹患している人も多いはずで,何らかの対策を講じることが喫緊の 番号 性別 年齢 得点 即時再認 見当 遅延再認 認識1図形 認識2図形 時間 1 F 15 3 4 6 1 1 2:10 2 F 73 14 3 4 6 1 0 - 3 F 77 10 3 3 4 0 0 3:06 4 F 81 14 3 4 6 1 0 2:39 5 M 83 14 3 4 6 1 0 2:45 6 F 84 15 3 4 6 1 1 2:41 7 M 14 3 4 6 1 0 3:27 8 M 80 14 3 4 6 1 0 - 9 F 80 15 3 4 6 1 1 - 10 F 84 14 3 4 6 1 0 - 11 M 87 15 3 4 6 1 1 - 12 M 87 15 3 4 6 1 1 - 13 M 88 15 3 4 6 1 1 2:53 12点以下 認知症の疑い有り 1名 13点 ボーダーライン 0名 14点以上 現状問題なし 12名

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- 24 - 課題となっていることは言を俟たない. それでは一般的に高齢者の運転,特に認知症になった場合の運転の継続の可否について どのように捉えられているのかを 2 つのアンケート調査から明らかにしてみることとした. まず,一つ目は一般社団法人日本自動車連盟(JAF)の会員誌の編集発行を行うJA Fメイト社の管理するホームページ「e-JAF MATE」を使用したアンケート調査である. 平成 25 年 8 月に実施し,有効回答数 750,回答者内訳「男性 89%」,「女性 11%」,年代 は「30 歳代以下 6%」,「40 歳代 23%」,「50 歳代 26%」,「60 歳代 29%」,「70 歳代以上 16%」と なっている.また,運転免許保有率は 99%,運転頻度は「ほぼ毎日運転 53%」,「週に数回 運転 35%」,「他 12%」であった. まず,「マイカーの運転ができないと,生活に支障がありますか?」との問いについては, 「生活できない 22%」,「大変不便 44%」,「不便 25%」とする人が全体の約 9 割を占め,車 の運転が日常生活に欠かせないものとなっていることが明示された. 次に「あなたの身近に認知症の方がいますか?」の質問には「世話をしている 7%」,「い るが,世話はしていない 18%」で計 25%,4 人に 1 人が身近に認知症患者を抱えているこ とがわかった. さらに「道路上を進行方向と逆向きに走る『逆走車』を見たことがありますか?」の質 問には「何度もある 9%」,「1~2 度ある 35%」となり,半数近い人が逆走車を見かけた経 験があることとなった.当然,認知症とは関係なく逆走したケースの方が多いとも思われ るが,これら逆走車の中には認知症が原因で進行方向と逆向きに走行したものも相当数含 まれると考えることは自然である. 「75 歳以上の免許更新時に認知機能検査(講習予備検査)があることをご存知ですか?」 の質問には「よく知っている 35%」,「聞いたことがある 46%」で約 8 割の人が認識していた. 一方「知らない」とした人も約 2 割(19%)存在した. 「認知症患者の運転は禁止するべきだと思いますか?」との問いには「すべての人を禁 止する 44%」との厳しい意見も多く,「症状や運転能力によって禁止する 40%」,「症状や運 転能力によって,制限をつけて認める 15%」など,症状や運転能力を確認してから制限を かけるべきとの意見が次いだ. 「もしあなたが,認知症のために免許返納を強制されたら,どう思いますか?」には, 「仕方ない」が 94%を占め,自身が認知症になった場合には運転免許を返納することに健 常者としては納得していることがうかがえた.「納得がいかない 6%」もわずかながら存在 し,認知症になっても運転継続の意思がある人もいることがわかった.これは運転ができ なくなると生活が不便になると答えた人が多かったことを反映しているものと推測される. 最後に「免許を返納するうえで,あなたが最も納得できる理由を次のなかからひとつ選 んでください.」への回答は大変示唆に富み,今後の課題として検討を加える必要がある. 「身体的に運転ができなくなった 21%」,「自分の運転が危ないと感じた 44%」,「家族な ど身近な人からの助言 10%」,「医師や看護婦など医療関係者からの助言 10%」,「警察や教習 所関係の人からの助言 1%」,「規則で強制的に返納になる 10%」との結果となった. 免許証の返納に至るには,自分自身で納得できる理由が必要で,家族や医療関係者など

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- 25 - から促されても理解にはつながらなず,さらには運転免許を管轄する警察や教習所の言う ことはほとんど聞かないということである. 次に自動車教習所における高齢者の安全運転教室開催時などに実施したアンケートを見 てみる. 平成 25 年 6 月と 11 月に大阪府内の自動車教習所が開催した安全運転教室に来場した高 齢者を中心とした人に回答いただいたもので,男性が 38 名,女性が 20 名,計 58 名,年代 内訳は「50 歳代 1 名(女性)」,「60 歳代 15 名(女性 5 名)」,「70 歳代 33 名(女性 10 名)」,「80 歳代 7 名(女性 3 名)」,「90 歳代 1 名(男性)」,「年齢不明(女性)」 となっている. 運転頻度は「毎日」が男性 18 名(47.4%),女性 7 名(35%),計 25 名(43.1%)「2~3 日に一度」が男性 9 名(23.7%),女性 8 名(40%),計 17 名(29.3%)で,かなり運転頻度 は高く,また自ら安全運転教室に参加していることから,交通安全に対する意識も高いと 考えられる. このグループに「運転に自信はありますか」と聞いたところ,「昔から自信がある」は 男性 10 名(26.3%),女性 1 名(5%),計 11 名(19%),「年の割には上手い方」は男性 11 名(28.9%),女性 7 名(35%),計 18 名(31%),「慣れているから大丈夫」は男性 9 名(23.7%),女性 7 名(35%),計 16 名(27.6%)と自分の運転にある程度の自身を持っ ていることがうかがえる.「あまり自信がない」は男性 7 名(18.4%),女性 3 名(15%), 計 10 名(17.2%),「できれば運転をやめたいほど自信がない」は該当なしであった. 教習所職員が実技運転に同乗したところ,一時停止や左右の安全確認がしっかりできて いる人はほとんどおらず,運転に対する自信がそのまま普段の安全運転につながっている とは言えない状況であることが判明した. 「いつまで運転を続けたいと思いますか」には「ずっと続ける」が男性 5 名(13.2%), 女性 1 名(5%),計 6 名(10.3%),「自分で危険を感じるまで」が男性 25 名(65.8%),女 性 16 名(80%),計 41 名(70.7%),「家族に止められるまで」が男性 6 名(15.8%),女性な し,「友人・知人から注意されるまで」が男性 1 名(2.6%),女性なし,「教習所や警察 に止められるまで」も男性 1 名,女性なし,「医師や弁護士に止められるまで」は該当な しとなった.やはりここでも自分で危険だと感じない限り運転を続けたいと思う人が多数 を占め,公権力や社会的権威者から助言を得ても免許の返納には至らないことがわかる. また,「『認知症』と診断されたら運転をやめるべき」かと言う設問には「そう思う」 男性 34 名(89.5%),女性 19 名(95%),計 53 名(91.4%),「どちらでもない」男性 3 名(7.9%), 女性 1 名(5%),計 4 名(6.9%),「やめなくても良い」男性 1 名,女性なしとなり,「e-JAF MATE」での「もしあなたが,認知症のために免許返納を強制されたら,どう思いますか?」 の設問への 94%を占めた「仕方ない」と呼応する結果となった. 一般的には認知症になったら運転をやめるべきと考えている人が大多数を占めるが,こ こに現実との乖離が存在することにも大きな課題が存在すると言える.

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第4章 相談員育成プログラム構築

4.1 全日本指定教習所協会連合会へのアプローチ 各地の公安委員会指定の運転実技(実地)試験が免除となる,いわゆる「指定教習所」 の都道府県毎の協会の全国組織として「全日本指定教習所協会連合会(全指連)」が存在 する. 傘下の約 1,300 校の自動車学校,自動車教習所においては,そのほとんどで「高齢者講 習」と「講習予備検査」を実施していることから,職員に認知症そのものや,予防,進行 抑止に関する知識を会得していただき,認知症高齢者への正確な対応をしていただくこと が,これからの自動車学校・教習所の重要な役割となってくる.まずは,高齢者の運転適 性判断システムとしての「物忘れ相談プログラム」を,「相談員」が活用できるプログラ ムとして採用されるべく,全指連へのアプローチを平成 25 年秋より開始した. 採用により,全指連をはじめ傘下の教習へのメリットを以下に設定し,全指連側の理解 を促し,全国的な仕組みとしての普及を目指したい. 本システム導入におけるメリット  認知症運転者問題への対応力強化 → 社会的要請への対処 自動車教習所職員の認知症の人への的確な対応 急増する講習予備検査への負担軽減 認知症早期発見機会提供による社会貢献 簡便な検査により短時間(2~3 分)で結果表示 PCによる客観的検査で緊張除去と信頼性確保 経年記録で認知機能の変化を即時に把握可能 病的物忘れの早期発見による認知症発症予防 認知症起因の交通事故予防 家族や周囲が客観的認知機能状況を把握可能 さらに,今後高齢免許保有者の急増により「高齢者講習」「講習予備検査」のキャパシテ ィーがオーバーフローすることも予見されるため,以下の施策提案も同時に行っている. 【施策の提案】 1. 「講習予備検査」の受検者,教習所,行政機関の三者の負担軽減をめざし,事前ス クリーニングの仕組みを導入 2. 本システムによる事前スクリーニングで,現行の講習予備検査の第3分類に該当す る被検者を問題なしとし,低得点者のみ「講習予備検査」受検の仕組を構築 3. 高齢運転者支援士(補)による検査運営と結果の伝達,運転可否等助言実施 4. 検査時間短縮等の合理化により,高齢者講習の一層の充実を目指す

図 5.4-1 東京モーターショー会場にて 図 5.4-2 大阪モーターショー会場にて
図  付録 -2 「高知新聞  平成25年10月5日付け」
図  付録 -4 「日本農業新聞  平成25年7月9日付け」
図  付録 -5 「朝日新聞  平成25年12月19日付け」
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参照

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