1 臨床心理学研究報告第 11 集が刊行されることになりました。この第 11 集は、「平成最後」 の臨床心理学部の研究報告です。 この「平成最後」という言葉は、昨年末からありとあらゆるところで繰り返されている ように思います。今年はやはり、一つの時代の「節目」なのでしょう。そして、私たちの 臨床心理学の世界も、大きな「節目」を迎えつつあります。昨年度の巻頭言でも濱野前学 部長が書いておられたように、心理職の国家資格「公認心理師」が誕生する日が目の前に 迫っているのです。思えば、平成が始まった 1989 年は、臨床心理士の資格認定がスター トした翌年にあたります。平成の最初と最後に心理職の二つの資格が誕生したということ になります。 平成の 30 年の間に、私たちの社会では、いろいろなことが変化して来ました。平成の 初めには、「成長」というトレンドは暗黙の前提でした。しかし、平成が終わろうとして いる現在、今後の 30 年を見通した場合に、人口を始め様々な数値的な指標が減少し、「成長」 とは逆の方向の変化が起きていくでしょう。 この新しい時代の中で、臨床心理学はどのように援助的な関わりを構築していけばよい のか。また、その教育はどのような形を目指せばよいのか。単に、国家資格「公認心理師」 の養成に乗り出すだけでなく、「臨床心理士」が目指してきたものを新しい時代の中でど のように継承し、さらに鍛えていくのかが問われているのでしょう。 人を支え育てる多様な専門職の営みとも手を携えながら、今後とも一歩一歩進んでいく ことを願っています。
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