枠組壁工法床遮音工法
ハンドブック
2×4
1.はじめに ・・・ 2
2.枠組壁工法の遮音について ・・・ 4
2-1 遮音の現状について
2-2 床構造・天井の標準的な工法
3.音の基礎知識 ・・・ 8
4.音の測定と評価方法について ・・・ 12
4-1 床衝撃音の測定方法と評価値
4-2 床衝撃音遮断性能に関する基準
5.床衝撃音対策の基礎知識 ・・・ 18
5-1 軽量床衝撃音の低減手法
5-2 重量床衝撃音の低減手法
6.床衝撃音対策工法について ・・・ 22
7.音に対する人の感覚と床衝撃音の物理評価 ・・・ 30
8. 遮音性を考慮したプランニング ・・・ 34
8-1 上階から伝わる生活音
8-2 居室の配置と空気伝搬音の特性
8-3 上階からの生活音を低減させるには
目 次
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1 㺃㺃㺃
2×4
日本ツーバイフォー建築協会では、平成20年度から2年間、「実需型高性能床遮音工法研究開発委員会及び 作業部会」を設置し、ツーバイフォー工法住宅の遮音性能を向上するための工法検討を行ってきました。 本委員会および作業部会は日本のビルダー及び試験研究機関とカナダの研究機関で構成されたもので、それ ぞれの機関で役割分担をし、ツーバイフォー工法住宅の遮音性能の現状調査から主観評価を用いた評価、ツー バイフォー工法住宅に適した具体的な遮音工法の提案を示した総合的な研究を実施しました。 本ハンドブックでは、この研究成果を広く普及することを目的に、遮音に関する基礎的な情報を加えわかり やすく解説したものです。 協会会員のみならず、ツーバイフォー工法住宅を建設するすべての方々にご使用いただき、より居住性の高 いツーバイフォー工法住宅の建設、普及に活用していただければと思います。1.
■委員会構成
( 組織名称及び構成委員は平成 20 年度と同様 )
○高性能床遮音工法研究開発作業部会
主 査 廣田 誠一 北海道立北方建築総合研究所 委 員 平光 厚雄 独立行政法人建築研究所 佐藤 洋 独立行政法人産業技術総合研究所 田中 学 財団法人日本建築総合試験所 麓 英彦 カナダ林産業審議会 清野 明 社団法人日本ツーバイフォー建築協会 泉 潤一 三井ホーム株式会社 小渕 克己 株式会社東急ホームズ 中越 隆道 大東建託株式会社 中村 孝 西武建設株式会社 廣川 敦士 株式会社東栄住宅 村上 剛志 三菱地所ホーム株式会社 事務局 芳野 裕次 社団法人日本ツーバイフォー建築協会 辻村 行雄 社団法人日本ツーバイフォー建築協会 委員長 鈴木 大隆 北海道立北方建築総合研究所委 員 Trevor Nightingale National Research Council Canada 平光 厚雄 独立行政法人建築研究所 廣田 誠一 北海道立北方建築総合研究所 佐藤 洋 独立行政法人産業技術総合研究所 田中 学 財団法人日本建築総合試験所 Shawn Lawlor カナダ林産業審議会 池田 富士郎 社団法人日本ツーバイフォー建築協会 河合 誠 社団法人日本ツーバイフォー建築協会 清野 明 社団法人日本ツーバイフォー建築協会 事務局 芳野 裕次 社団法人日本ツーバイフォー建築協会 辻村 行雄 社団法人日本ツーバイフォー建築協会
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2 㺃㺃㺃
はじめに
○高性能床遮音工法研究開発委員会
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■執筆体制
執筆は当協会内に小委員会を設置して行った。 枠組壁工法床遮音工法ハンドブック作成編集小委員会 主 査 廣田 誠一 地方独立行政法人北海道立総合研究機構北方建築総合研究所 委 員 佐藤 洋 独立行政法人産業技術総合研究所 清野 明 社団法人日本ツーバイフォー建築協会 田中 学 財団法人日本建築総合試験所Trevor Nightingale National Research Council Canada 平光 厚雄 独立行政法人建築研究所 麓 英彦 カナダ林産業審議会 事務局 辻村 行雄 社団法人日本ツーバイフォー建築協会
■協力機関
カナダ林産業審議会 カナダウッドForestry Innovation Investment 日本乾式遮音二重床工業会 社団法人石膏ボード工業会 枠組壁工法住宅は、コンクリートと比較して軟らかく軽量な木材を床に使用しているため、床のクッ ション性が高く、身体にはやさしい反面、振動しやすく音が伝わりやすい傾向があります。コンクリー トなどの硬く重いもので床を構成することにより振動をおさえることはできますが、前述の木材を使 用した床の良さが失われてしまいます。 本ハンドブックでは、従来の枠組壁工法住宅の構成を大きく変えない範囲で、床衝撃音遮断性能の 向上技術を検討したもので、騒音が聞こえなくなるものではないことをご理解ください。 居室における音の伝わり方は、居室プラン、内装ドア、上階の床表面仕上げ材等により影響される ものです。開放型の居室プランで「生活の気配を楽しむ」ことも家族が若く、子供が低年齢の際には 大切なことと思います。 いずれにしても、ビルダーの方々は、施主の方へ音に関して十分な事前説明を行ったうえで、施工 されるようにお願いいたします。 なお、本ハンドブックは、枠組壁工法住宅の遮音性能を保証するものではありません。
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枠組壁工法は 1974 年にわが国に導入され、近年では年間約 10 万戸の住宅が建設されている。この間、入居 者の要求居住性能の高性能化、住まい方の多様化、高断熱・高気密化などを背景に、遮音に対する居住者の満足 度が比較的低い状況にあるといわれている。 そこで、(社)日本ツーバイフォー建築協会では 2008 年に会員企業約 500 社に対し、床を中心に騒音に関す るアンケート調査を実施したところ 121 社から回答を得た。回答企業の営業地域は全国で、そのうち 65% は 関東・中部・近畿の大都市圏周辺であった。本章ではアンケート調査結果概要から枠組壁工法住宅の遮音の現状 を述べる。2.
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4 㺃㺃㺃
枠組壁工法の遮音について
問 1 回答会社の属性、営業地域、施工棟数など 問 2∼3 床、壁、天井、サッシ、内装ドアの仕様 問 4 遮音性能調査の実施状況 問 5∼8 施主の遮音性能への関心度と満足度 問 9 遮音対策のオプション仕様2-1 遮音の現状について
共同・戸建住宅の竣工後、入居後に施主から不満を言われる頻度を尋ねた。結果の概要は図 2-1 に示すとお りである。68%
23%
54%
46%
24%
57%
36%
31%
7%
17%
8%
15%
1%
3%
8%
1%
2%
0% 20% 40% 60% 80% 100% 不満を言われ たことはない たまに不満 を言われる 時々不満を言 われる 不満なこと が多い ほぼ常に不満 を言われる 界床の歩行音 界壁の遮音性 2階床の歩行音 住戸内の隣室 の遮音性 共 同 住 宅 戸 建 住 宅 図 2-1 建物竣工後、入居後の施主の満足度 表 2-1 アンケート調査項目の概要2×4
㺃㺃㺃 5 㺃㺃㺃
界床や 2 階床の歩行音に対しての施主の満足度は、共同住宅では「不満を言われたことはない」が 46% と多 かった、対して「不満なことが多い」も 8% と他の項目と比べて多く、不満の頻度は「多い」と「ない」の両 極端に分かれている傾向がみられた。一方で、戸建住宅では「不満を言われたことはない」は 23% と少なく、 「時々」や「たまに」を含めて不満を言われる頻度が最も高いことがわかる。 界壁や間仕切壁については、共同住宅は「不満を言われたことはない」が 54%、戸建住宅では 68% であり、 床に比べて不満度は低かった。 また、計画時に設計者が床遮音に対し説明を求められるかとの質問をしたところ、共同住宅については界床 や界壁への計画時の質問は多いが、入居後はあまり不満をいわれることが少ない傾向がみられた。一方で、戸 建住宅については逆に計画時に質問を受けることは少ないが、入居後は不満を漏らす人が多い傾向にあること がわかった。共同住宅では界壁や界床に何らかの遮音対策を講じるのに対し、戸建住宅では遮音対策が標準で は行われていないことが影響していると考えられる。 なお、同時に調査を行った外部騒音への遮音性に関しては「不満をいわれたことはない」が共同住宅では 77%、戸建住宅では 79% であり、外部騒音に対する入居後の不満度は低いと考えられる。 次に、アンケートではひろく音に対する不満を自由記述で確認した。全部で 81 件の記述があり、記述の多い ものを以下に示す。 1)2 階床の歩行音が気になる 2)2 階の音が聞こえる(子供の飛び跳ね、椅子の引きずり他) 3)音が響く 4)2 階の排水音が気になる 今回のアンケート調査からは床衝撃音に対し、入居者 の不満が大きいことが読み取れ、特に歩行音について指 摘されることが多いようである。枠組壁工法建築物に限 らず、近年の住宅は高断熱・高気密住宅で、床の仕上げ が木質フローリングであることから、建物内部で音が反 響しやすいこと、換気のためにドア下にアンダーカット があるなど、単に床の遮音性能を向上させるだけではな く、複合的な要因も考慮されなければならない状況となっ ている。 さらに、近年の傾向としてオープンリビングの計画が 多く、この場合に、遮音についての入居者への事前説明 がないため、アンケートでは「戸建住宅で工事着手前に は質問が少ないが入居後に不満が増加する」ことの一因 といえるだろう。 写真 2-1 開放的な室内の事例2×4
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6 㨯㨯㨯
2 階床構造及び 1 階天井の標準的な工法に関する調査結果の概要は図 2-2 に示すとおりである。 2 階床根太の種類は 210 材が 89% の使用で、そのほかでは I 型ジョイストが 10% であった。床根太の間隔は 455 ㎜が 68% であった。床仕上げ材は木質フローリングが 93%、カーペットは 6% であった。 床合板は 15 ㎜が 83% を占めていた。この他、床根太と仕上げ材の間に挿入している部材の有無を聞いたと ころ、34% で何らかの材料を入れているとの回答で、せっこうボードや遮音マットが多かった。 天井の構造形式は直張天井が 27%、独立天井が 67% であった。独立天井の下地は天井根太形式が 29%、防 振吊木が 21%、吊木が 17% であった。天井懐の吸音材の種類については、ロックウール(RW)とグラスウー ル(GW)が同程度の割合で使用されていた。吸音材の厚さは 55 ㎜以下が 33%、75 ∼ 100 ㎜が 12% であった。2-2 床構造・天井の標準的な工法
根太の間隔 セルローズ, 1% 天井内吸音材 吸音材厚さ 床仕上げ材 0% 20% 40% 60% 80% 100% 天井の構造 根太の種類 GW, 22% I 型ジョイスト , 10% 212 材 , 1% 不明 , 25% ブローイング , 2% なし・不明 , 46% 101mm ∼ , 2% ∼ 100mm 12% 遮音 FL, 1% カーペット , 6% 無垢 FL, 3% Resilient Channel, 2% 3 重 , 4% 吊天 , 17% 防振吊 , 21% 独立天 , 29% 直張天 , 27% 木質 FL, 90% 55mm, 33% ∼ 75mm, 4% RW, 29% <455mm, 5% 455mm, 68% 210 材 , 89% 不明 , 49% 遮音 FL, 1% >455mm, 2% また、自由記述でオプションとして行う床遮音対策工法を聞いたところ、床根太上へのせっこうボードの追加、 天井懐への吸音材の挿入、天井の独立化、天井へのせっこうボードの増し貼りといった比較的容易に行える工 法が多かった。 他に、サッシの構成については、1 重サッシが大半で、枠はPVC及びPVCとアルミの複合が約半数を占 めていた。居室の内装ドアは 95% 以上がアンダーカットやガラリなどの換気経路を確保するものであった。 アンケート調査結果から枠組壁工法で一般的・標準的に採用されている 2 階床工法は、住宅金融支援機構が 監修している「枠組壁工法住宅工事共通仕様書」(図 2-3)に記載されている独立天井仕様がひろく普及してい ると推察される。一方で、床根太と天井が振動的に切り離されない「直張天井」(図 2-4)が 27% と、事前の予 想以上に使用されている現状も明らかになった。( 社 ) 日本ツーバイフォー建築協会では 1984 年に「直張天井」 は「独立天井」に対し床衝撃音遮断性能が劣ることを示し、その後テキストの作成と講習会の実施を行ってき たところであるが、充分に周知されていないことは残念であり、入居後の満足度が低い要因のひとつになって いると考えられる。 図 2-2 床構造・天井の標準的な工法2×4
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(A) 断熱材で天井を区画する場合 (B) せっこうボード2枚張りの場合 (C) 強化せっこうボード1枚張りの場合 (1) 界床以外の床仕様例(吊り木と野縁を用いた吊り天井とする場合) (A) 断熱材で天井を区画する場合 (B) せっこうボード2枚張りの場合 (C) 強化せっこうボード1枚張りの場合 (2) 界床以外の床仕様例(天井根太を用いた吊り天井とする場合) 図 2-3 独立天井の例(枠組壁工法住宅工事仕様書 独立行政法人住宅金融支援機構監修) 図 2-4 直張天井の例(枠組壁工法住宅工事仕様書 独立行政法人住宅金融支援機構監修) ロックウール厚さ 50mm(かさ比重 0.024 以上) 又はグラスウール厚さ 50mm(かさ比重 0.024 以上) せっこうボード厚さ 12mm 以上 吊り木 吊り木受け 野縁 吊り木 吊り木受け 野縁 吊り木 野縁 吊り木受け ロックウール厚さ 50mm(かさ比重 0.024 以上) 又はグラスウール厚さ 50mm(かさ比重 0.024 以上) せっこうボード厚さ 12mm 以上 せっこうボード厚さ 9mm 以上 + せっこうボード厚さ 9mm 以上 ロックウール厚さ 50mm(かさ比重 0.024 以上) 又はグラスウール厚さ 50mm(かさ比重 0.024 以上) せっこうボード厚さ 12mm 以上 ロックウール厚さ 50mm(かさ比重 0.024 以上) 又はグラスウール厚さ 50mm(かさ比重 0.024 以上) 強化せっこうボード厚さ 12mm 以上 せっこうボード厚さ 9mm 以上 + せっこうボード厚さ 9mm 以上 天井根太 天井根太 天井根太2×4
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8 㺃㺃㺃
音とは、空気、固体、水などがふるえて、耳に伝わる波動現象の一種である。騒音とは、好ましくない音の ことをいい、特に住宅では騒音を小さくすることが要求されることが多い。また、波動は、反射、屈折、回折、 透過、干渉などの特性をもち、これらを十分に把握することが必要である。 室内で聞こえる騒音には騒音源の場所が建物の外部からか内部からかによって大きく二つに分かれる。建物 外部からの騒音としては、自動車、鉄道、地下鉄、飛行機などの交通騒音や工場、建設騒音などがある。建物 内部からの騒音としては、床衝撃音、隣戸の界壁から聞こえる音、ポンプ室や給排水騒音、換気扇などの住宅 設備の騒音が挙げられる。本章では、これらの騒音対策を理解するための一助となるよう、音の基礎知識につ いて概説する。○音速
音の伝わる速度である空気中の音速は式 3-1 で表される。温度 t が高くなるほど音速は上昇することがわかる。 温度が 15℃のときに音速はおよそ 340m/s となる。 ここで、 c:音速(m/s) t:温度(℃)○周波数、波長
音波は進行方向と振動方向が同一である縦波(疎密波)である。音の高さ(周波数)と波長の関係は式 3-2 で表される。人の可聴域は 20 ∼ 20,000Hz といわれている。音速 c が一定とすると、波長は 20Hz のときは 17m、1,000Hz のときは 0.34m、20,000Hz のときは 0.017m となり、周波数が低いほど波長が長く、周波数が 高いほど波長が短くなることがわかる。図 3-1 に波長と音速の概念図を、図 3-2 に周波数による聞こえ方につ いて示す。 ここで、 f:周波数(Hz) λ:波長(m)3.
音の基礎知識
進行方向 (音速: c) 音波 波長 : λ 図 3-1 波長と音速の概念図 c = 331.5 + 0.6 t ・・・式 3-1L
c
f
=
・・・式 3-22×4
(携帯電話、家電)㺃㺃㺃 9 㺃㺃㺃
ピアノの中央「ラ」音 (A= 440Hz ) 上階歩行音 (ドン・ドン) 人間の声 (男声・女声) 電子音 モスキート 音(蚊) グランドピアノの音域( 27.5 ∼ 4186Hz ) 人間が聴こえる範囲(可聴範囲:約 20 ∼ 20000Hz ) 16 32 63 125 250 500 1k 2k 4k 8k 16k 32k 建築音響測定の範囲 周波数 [Hz] (1kHz=1,000Hz) 図 3-2 周波数による聞こえ方○音響パワー、音響パワーレベル
ある面を単位時間に透過する音響エネルギーを音響パワー、音響パワーをレベル表示したものを音響 パワーレベルレベルといい、式 3-3 により表される。 ここで、 PWL:音響パワーレベル(dB) W 0:基準の音響パワー(10 -12 Watt) W:音響パワー(Watt)○音圧、音圧レベル
音波によって生じる媒質の圧力変動を音圧といい、音圧をレベル表示したものを音圧レベルという。 ここで、 SPL:音圧レベル(dB) p:音圧(Pa) p0:基準の音圧(20μPa) 深夜の郊外 静かな事務所 騒がしい事務所 電車の中 ガード下 ささやき声 電話のベル 大声の会話 車の警笛(2m) 耳がいたくなる 音圧レベル 140 130 120 110 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 20,000 ,000 2,000 ,000 200 ,000 20,000 2,000 200 20 音圧 (μPa) (dB) 図 3-3 音圧と音圧レベルの関係と音の聞こえ方 0 10log
10
W
W
PWL
=
・・・式 3-3 0 10 2 0 2 1020
log
log
10
p
p
p
p
SPL
=
=
・・・式 3-42×4
㺃㺃㺃
10 㺃㺃㺃
○拡散
あらゆる点において、音のエネルギーが一様に分布し、あらゆる方向に伝搬している状況を拡散という。通 常の部屋では、室形状や吸音の影響で拡散音場とならずに、測定点によって音の強さや大きさが異なっている。○音の合成
2 つ以上の騒音源があった場合、2 つの音圧レベルの合成は、エネルギー合成によって行う。式 3-5 に計算例 を示す。例えば、60dB と 60dB の 2 つ騒音源があった時は、約 63dB となる。ただし、ごく近い周波数の音が 合成されると「うねり」などの現象が発生し、式通りにはならない。 図 3-5 A 特性フィルタS
1L
1S
2L
2 2 0 2 1 10 0 1 10 110
log
10
log
p
p
I
I
L
=
=
2 0 2 2 10 0 2 10 210
log
10
log
p
p
I
I
L
=
=
⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜
⎝
⎛
+
=
⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜
⎝
⎛
+
=
+ 10 10 10 0 2 0 1 10 2 1 12 110
10
log
10
log
10
L LI
I
I
I
L
図 3-4 2 つの音の合成 ・・・式 3-5○A 特性音圧レベル
人の聴感は、低音域での感度が低くなっている。音圧レベルを人間の聴感に合わせた周波数補正したもの を A 特性音圧レベルという。A 特性フィルタを通した音圧レベルで、騒音レベルともいわれる。交通騒音の ような一般的な騒音は A 特性音圧レベルで測定されることが多い。 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 10 10 100 1000 10000 100000 R e sp o n se [d B ] Frequency [Hz]○残響時間
室内に定常状態で発生している音が停止してから、音響エネ ルギーが 10 万分の 1 まで減衰する時間を残響時間という。実 際の測定では、音圧レベルが 60dB 減衰する時間を測定するこ とが多い。コンサートホールの残響時間は約 2 秒が最適である といわれているが、一般の住居の部屋では 1 秒以下となってい ることが多い。 残響時間 60dB Stop 時 間 [sec] 音圧レベル [dB] 図 3-6 残響時間のイメージ2×4
㺃㺃㺃 11 㺃㺃㺃
・・・式 3-6○吸音
音のエネルギーが天井、壁、床などで吸収される現象を吸音という。吸音力が大きくなると、残響時間が短くなる。 室内を吸音することにより、けん騒感が少なくなり、静かになることがある。グラスウールなどの吸音材の他、カー ペット、カーテン、ベッドなどの家具によっても吸音することができる。 拡散音場において、パワーレベル PWL の騒音源がある場合、室内音圧レベルは式 3-6 で表される。この式にお いて、吸音力A
を大きくすると室内音圧レベルが下がることがわかる。 ここで、A
:室の吸音力(m2)○空気伝搬音、固体伝搬音
空気を伝搬する音波のことを空気伝搬音という。例えば、隣戸からの TV の音や、建物外部からの交通騒音など が挙げられる。空気伝搬音の対策の基本は、遮音性能の高い部材(壁、サッシ、ドアなど)を使用する、隙間を なくすことである。 固体中を振動が伝わり、壁面などから放射される音のことを固体伝搬音という。例えば、床衝撃音、地下鉄振 動などが挙げられる。固体伝搬音の対策の基本は、建物躯体の重量や剛性を増加させる、振動伝搬経路を確認す ることが挙げられる。 対象とする室内が静かな空間である場合は、空気伝搬音、固体伝搬音ともに回り込み音(「迂回音、フランキング」 ともいわれる)が問題となることある。回り込み音は、対策の基本となる空気音遮断性能の界壁や床衝撃音の床 面(天井面)など以外から音が回り込んで放射される音のこといい、予測や制御をすることが困難となることが 多い。A
PWL
SPL
=
+
10
log
104
2×4
㨯㨯㨯
12 㨯㨯㨯
4.
音の測定と評価方法について
床衝撃音の測定では、上階の床面に衝撃を加え、床断面を通じて下階の 居室に伝わる音の大きさを騒音計などで測定する。測定の概要を図4-1に 示す。そして、音の大きさにより床の床衝撃音遮断性能の高低を評価する。 床の床衝撃音遮断性能を評価する時には通常、衝撃に伴い床面・床構造で 発生する振動音(固体音)を評価の対象とし、衝撃時に上階の床面で発生 する衝突音が迂回して下階に伝わる音は対象に含めない。 ここでは、床衝撃音の測定方法と評価方法について、概説する。(1)床衝撃音測定の基礎知識
床衝撃音の測定に用いる基本的な用語を解説する。○床衝撃音
床面に物がぶつかった時など衝撃に伴い下階へ伝わる音。床の遮音性能の評価では、以下の軽量床衝 撃音と重量床衝撃音に分けて、それぞれ測定と評価が行われる。○回り込み音(迂回音)
床断面を伝わる床衝撃音以外の、上階で発生して階段室などから下階へ伝わる音。○騒音計
床衝撃音など騒音の大きさを計測するための機器。対象音の周波数(音の高低,単位:Hz)ごとに、音の 大きさ(音圧レベル,単位:dB)を数値で表示する。○空間分布
受音室に伝わった音は、音が放射される場所(天井・壁)や音 の反射の繰り返しなどにより、受音室内での音の測定位置により 音の大小が異なる。これを音の空間分布と呼ぶ。床衝撃音の測定 では、受音室の平均的な音圧レベルを求めるため、平面的に均 等に配置され高さを変えた受音点に騒音計を配置する。騒音計の 配置例を図4-2に示す。4-1 床衝撃音の測定方法と評価値
音源室 (上階) 受音室 床衝撃音の発生 (下階) マイクロホン 騒音計 標準衝撃源による加振 測定項目 軽量床衝撃音 重量床衝撃音 軽くて硬い物の落下により生じ る音 スプーンの落下、スリッパ歩行時のパ タパタ音 重くて柔らかい物の落下により 生じる音 子どもの跳びはね・飛び降り 素足歩行時のドンドン音 音の性質の概要 生活音での例 1 2 4 5 3 受音点高さ ① 1,500mm ② 1,200mm ③ 600mm ④ 1,800mm ⑤ 900mm 図 4-1 床衝撃音測定の概要 図 4-2 受音室の騒音計配置例 表 4-1 床衝撃音の音の性質と生活音の例2×4
㨯㨯㨯 13 㨯㨯㨯
○周波数特性
床衝撃音の測定では、各周波数帯域の音圧レベルを騒音計で計測する。この場合、各帯域の音圧レベル を求めるため、周波数フィルター(A特性)は用いず、測定対象周波数範囲のなかで平坦な周波数特性(Z 特性またはC特性)を用いる。 一方、床衝撃音の「音の大きさの感覚」を1つの数字で表す場合には、周波数特性Aのフィルターを用 いることがある。詳しくは3章「A特性音圧レベル」を参照のこと。○オクターブ帯域
床衝撃音の測定では、ある程度の周波数の幅(範囲)ごとの音圧レベルを分析する。この幅として良く 用いられるのが、1オクターブ(octave)である。音楽の「ド」と「高いド」の関係になり、音の周波数で は2倍の関係になる。床衝撃音では表4-2に示す音の高さを測定の対象としている。 表 4-2 床衝撃音において測定対象となる周波数範囲 オクターブ帯域中心周波数(Hz) 31.5 63 125 250 500 1k 2k 4k ▲ ● ● ● ● ● ▲ ▲ ● ● ● ● 軽量床衝撃音 重量床衝撃音 [凡例] ●:測定対象範囲(必須) ▲:任意の測定範囲 音の高さ ← 低い音 → 中音域 ← 高い音 → 写真4-1 床衝撃音の測定に用いる標準衝撃源 (左より)タイヤ衝撃源(バングマシン)、 ボール衝撃源、タッピングマシン○実験室測定と現場測定
建築物或いは建築部材に関する床衝撃音の測定には、実験室で行われる実験室測定と、実際の建物で行わ れる現場測定とがある。 一般に、実験室測定の場合には、床構造や床仕上げ材など特定の部位だけを取り出した試験体を測定対象 とし、大きさや受音空間の条件などが標準化された状態で評価される。一方、現場測定の場合には、床断面 が評価対象であっても、壁や窓などからの放射や透過、また受音室空間の吸音条件など、その他の様々な要 因の複合的な影響を受ける。このため、同じ床断面であっても、建物毎のこれら条件の違いにより測定結果 にばらつきが生じる(2)床衝撃音の標準衝撃源
床衝撃音の測定には、JIS に 規程される標準衝撃源を用いる。これは、様々な生活音を個別に評価するので はなく、標準化した代表的な衝撃源で、床の遮音性能を同じ方法で評価するためである。 標準衝撃源には、標準軽量衝撃源(タッピングマシン)、標準重量衝撃源(タイヤ衝撃源/バングマシン、 ボール衝撃源)がある。各衝撃源の外観を写真4-1に示す。2×4
㨯㨯㨯
14 㨯㨯㨯
(3) 床衝撃音レベルの測定方法
上階の床面上で標準衝撃源を作動させ、下階の受音室における床衝撃音の大きさを騒音計で計測する。 軽量床衝撃音レベルの測定では、時間的に平均化した等価音圧レベルを計測する。重量床衝撃音レベルの測 定では、衝撃時に発生する床衝撃音の音圧レベルの瞬時最大値を計測する。受音室での床衝撃音レベルの計 測の様子を写真4-2に示す。音源室の加振点は通常5点(または3点)設置しそれぞれの加振点(S1∼S5)ご とに標準衝撃源を作動させて測定を行う。この時に下階に設置した受音点5点(P1∼P5)での音圧レベルの エネルギー平均を周波数帯域ごとに次式により求める。この値は「加振点( k 点)を加振した時の室内平均音 圧レベル:Lkޓ」と呼ぶ。∑
==
n jL
jn
L
11
ここに、 Lj :j 番目の受音点における音圧レベルの測定値(dB) m :受音点の数(通常は5点) さらに、上式で求まった加振点毎の室内平均音圧レベルを加 振点5点について算術平均すると、測定室としての床衝撃音レ ベル L が周波数帯域毎に求められる。(4)Lr 等級(L 値)
各周波数帯域ごとに計測された床衝撃音レベルをもとに、建 物床構造の床衝撃音の遮断性能を評価する方法としてLr 等級(L 値)がある。すなわち、図4-3に示す、JIS A 1419-2に規定された 評価基準曲線を用い、すべての周波数帯域の床衝撃音レベルが、 ある等級曲線(Lr ○○等級線)の数値をすべて上回る時、その 遮断性能はLr ○○等級となる。 なお、Lr 等級を判断する際には、JIS の規定により評価曲線を 2dB まで上回ることが許容されている(2dB 緩和)。 また、Lr 等級線を 1dB ステップで平行移動させた評価曲線を 用いて同様(ただし 2dB 緩和は適用しない)評価された結果を 「Lr 数」と呼ぶ。(5)A特性床衝撃音レベル:L
A 騒音計の周波数重み特性Aを通して測定される床衝撃音レベ ル。単位はdB(デシベル) ここに、n:加振点の数(通常は5点) ・・・式 4-2 103 93 86 80 77 76 98 88 81 75 72 71 93 83 76 70 67 66 88 78 71 65 62 61 83 73 66 60 57 56 78 68 61 55 52 51 73 63 56 50 47 46 68 58 51 45 42 41 63 53 46 40 37 36 58 48 41 35 32 31 53 43 36 30 27 26 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 63 125 250 500 1k 2k 4k オクターブバンド中心周波数(Hz) Lr-80 Lr-75 Lr-70 Lr-65 Lr-60 Lr-55 Lr-50 Lr-45 Lr-40 Lr-35 Lr-30 床衝撃音レベル (dB) 図 4-3 Lr 等級線 写真 4-2 床衝撃音レベルの計測の様子=
∑
= m j Ljm
L
1 10 k10
1
log
10
10 ・・・式 4-12×4
㺃㺃㺃 15 㺃㺃㺃
4-2 床衝撃音遮断性能に関する基準
床衝撃音遮断性能に関する基準は、共同住宅を対象としたものがほとんどであり、本章で紹介する基準類 についても共同住宅を対象としたものである。(1)日本建築学会遮音性能基準
※ 日本建築学会の遮音性能基準は、日本建築学会編:建築物の遮音性能基準と設計指針[第二版](技報堂 出版、1997年発行)に示されている。室間音圧レベル差、床衝撃音レベル、室内騒音について、建物、室用 途別に適用等級が規定されている。適用等級の意味づけは、表4-3のようになっている。また、Dr値やLr値 、騒音レベル等の表示尺度と生活実感との対応例も示されている。なお、日本建築学会では現在新たな音環 境規準の策定を行っている。現状の日本建築学会遮音基準とは適用等級などが変わることが予想される。(2) 日本住宅性能評価基準
(平成18年国土交通省告示第1129号) 住宅の品質確保の促進等に関する法律における住宅性能表示制度では、日本住宅性能表示基準により表示 すべき事項と表示方法が定められている。音環境については、重量床衝撃音対策、軽量床衝撃音対策、透過 損失等級(界壁)、透過損失等級(外壁開口部)の4種類が表示すべき事項として定められている。 重量床衝撃音対策は、「重量床衝撃音対策等級」(居室に係る上下階との界床の重量床衝撃音を遮断する ため必要な対策の程度)、または「相当スラブ厚(重量床衝撃音)」(居室に係る上下階との界床の重量床 衝撃音の遮断の程度をコンクリート単板スラブの厚さに換算した場合のその厚さ)のいずれかで評価する。 重量床衝撃音対策の等級の概要について表4-4に、相当スラブ厚(重量床衝撃音)の概要について表4-5に示 す。また枠組壁工法における、相当スラブ厚(重量床衝撃音)が11cm以上となる断面例を図4-4に示す。 軽量床衝撃音対策は、「軽量床衝撃音対策等級」(居室に係る上下階との界床の軽量床衝撃音を遮断す るため必要な対策の程度)、または「軽量床衝撃音レベル低減量(床仕上げ構造)」(居室に係る上下階と の界床の仕上げ構造に関する軽量床衝撃音の低減の程度)のいずれかで評価する。軽量床衝撃音対策の等級 の概要について表4-6に、軽量床衝撃音レベル低減量(床仕上げ構造)の概略について表4-7に示す。 適用等級 遮音性能の水準 性能水準の説明 特 級 遮音性能上とくにすぐれている 特別に高い性能が要求された場合の性能水準 1 級 遮音性能上すぐれている 建築学会が推奨する性能水準 2 級 遮音性能上標準的である 一般的な性能水準 3 級 遮音性能上やや劣る やむ得ない場合に許容される性能水準 表 4-3 適用等級の意味 特に優れた重量床衝撃音の遮断性能(特定の条件下でおおむね日本工業規格のLi,r,H - 50 等級相 当以上)を確保するため必要な対策が講じられている 優れた重量床衝撃音の遮断性能(特定の条件下でおおむね日本工業規格のLi,r,H - 55 等級相当以上 )を確保するため必要な対策が講じられている 基本的な重量床衝撃音の遮断性能(特定の条件下でおおむね日本工業規格のLi,r,H - 60 等級相当以 上)を確保するため必要な対策が講じられている やや低い重量床衝撃音の遮断性能(特定の条件下でおおむね日本工業規格のLi,r,H - 65 等級相当 以上)を確保するため必要な対策が講じられている その他 等級5 等級4 等級3 等級2 等級1 表 4-4 重量床衝撃音対策等級の概要2×4
㺃㺃㺃
16 㺃㺃㺃
床仕上げ材* 重量材* 床下張材* 床根太 210又は212 ロックウール又はグラスウール* 天井材* 天井根太 相当スラブ厚(重量床衝撃音) a 27cm以上 b 20cm以上 c 15cm以上 d 11cm以上 e その他 表4-5 相当スラブ厚(重量床衝撃音)の概要 床仕上げ材* 床根太 210又は212 吊木 吊木受け208程度 重量材* 床下張材* ロックウール又はグラスウール* 天井材* 野縁30mm×40mm程度 図 4-4 相当スラブ厚(重量床衝撃音)が 11cm 以上と評価される枠組壁工法の断面例(* 部材の寸法は告示参照) 特に優れた軽量床衝撃音の遮断性能(特定の条件下でおおむね日本工業規格のLi,r,L-45 等級相 当以上)を確保するため必要な対策が講じられている 優れた軽量床衝撃音の遮断性能(特定の条件下でおおむね日本工業規格のLi,r,L-50 等級相当以 上)を確保するため必要な対策が講じられている 基本的な軽量床衝撃音の遮断性能(特定の条件下でおおむね日本工業規格のLi,r,L-55 等級相当 以上)を確保するため必要な対策が講じられている やや低い軽量床衝撃音の遮断性能(特定の条件下でおおむね日本工業規格のLi,r,L-60 等級相当 以上)を確保するため必要な対策が講じられている その他 表4-6 軽量床衝撃音対策等級の概要 等級5 等級4 等級3 等級2 等級1 軽量床衝撃音レベル低減量(床仕上げ構造) ① 30dB以上 ② 25dB以上 ③ 20dB以上 ④ 15dB以上 ⑤ その他 表4-7 軽量床衝撃音レベル低減量(床仕上げ構造)の概要(3)建築物総合環境性能評価システム(CASBEE)
建築物総環境評価システム(CASBEE:Comprehensive Assessment System for Building Environmental Efficiency)は、建築物を環境性能で評価し格付けする手法として、財団法人建築環境・省エネルギー機構によ り提案された。本評価システムで音環境に関係する部分としては、建築物の環境品質・性能の室内環境での評 価と環境負荷の低減性における敷地外環境の評価の 2 箇所である。室内環境の評価に関しては、室内騒音の評 価、外壁開口部の遮音性能評価、界壁の遮音性能、界床の軽量床衝撃音遮断性能、界床の重量床衝撃音遮断性 能、室内の吸音処理の程度が規定されている。
2×4
㨯㨯㨯 17 㨯㨯㨯
用 途 レベル2 レベル1 レベル3 レベル5 レベル4 表4-8 CASBEEの軽量床衝撃音遮断性能の評価 集合住宅 Lr - 55 以下 Lr - 55 Lr - 50 Lr - 45 Lr - 40 以上 用 途 レベル2 レベル1 レベル3 レベル5 レベル4 表4-9 CASBEEの重量床衝撃音遮断性能の評価 集合住宅 Lr - 60 以下 Lr - 60 Lr - 55 Lr - 50 Lr - 45 以上 各種基準と遮音等級L値との関係を対応付けて表し、表4-10(重量床衝撃音)、表4-11(軽量床衝撃音)に参考 として示す。 表4-10 各種基準と遮音等級との関係(重量床衝撃音) LH-35 LH-40 人の走り回り、 飛び跳ねなど ・かすかに聞 えるが、遠 くから聞え る感じ ・聞えるが、 意識するこ とはあまり ない うるさい 生活実感、プ ライバシーの 確保 ・上階の気配 を感じるこ とがある ・上階の音が かすかにす る程度 ・気配は感じ るが気には ならない ・上階の生活 が多少意識 される状態 ・大きな動き はわかる ・上階の生活 状態が意識 される ・歩行などが わかる ・上階の生活 行為がある 程度わかる ・スリッパ歩 行音が聞え る ・上階住戸の 生活行為が わかる ・スリッパ歩 行音がよく 聞こえる ・上階住戸の 生活行為が よくわかる ・たいていの 落下音はは っきり聞こ える ・素足でも聞 える ※ 木造、軽量鉄骨造またはこれに類する構造の集合住宅に適用する。 フラット35証券化技術基準、公庫融資基礎基準 公庫融資高規格住宅 公庫融資基準金利共通基準 レベル5 住宅金融公庫 CASBEE −集合集宅− 等級1 等級5 日本住宅性能表示基準 等級3 レベル3 レベル2 レベル4 等級2 等級4 重量床衝撃音対策等級 3級※ 2級 1級 3級 遮音等級(JIS A 1419-2) 日本建築学会 適用等級 重量床衝撃 音に関する 生活実感 (建築学会) 特級 −集合集宅 居室− 表4-11 各種基準と遮音等級との関係(軽量床衝撃音) 椅子の移動音、 物の落下音など ・通常ではま ず聞こえな い ・ほとんど聞 えない ・小さく聞え る ・聞える ・発生音が気 になる ・うるさい 住宅金融公庫 公庫融資高規格住宅 レベル5 等級2 等級4 等級1 等級5 軽量床衝撃音対策等級 CASBEE レベル1 −集合集宅− 2級 レベル4 レベル3 レベル2 3級 等級3 遮音等級(JIS A 1419-2) 特級 1級 日本建築学会 適用等級 −集合集宅 居室− 日本住宅性能表示基準 LH-45 LH-50 LH-55 LH-60 LH-65 LH-70 LL-35 LL-40 LL-45 LL-50 LL-55 LL-60 LL-65 LL-70 重量床衝撃 音に関する 生活実感 (建築学会) 生活実感、プ ライバシーの 確保 ・上階の気配 を感じるこ とがある ・発生音がか なり気にな る ・かなりうる さい ・上階の音が かすかにす る程度 ・上階の生活 が多少意識 される状態 ・スプーンを 落とすとか すかに聞え る ・上階の生活 状態が意識 される ・椅子を引き ずる音は聞 こえる ・上階の生活 行為がある 程度わかる ・椅子を引き ずる音はう るさく感じ る ・スリッパ歩 行音が聞え る ・上階住戸の 生活行為が わかる ・スリッパ歩 行音がよく 聞こえる ・上階住戸の 生活行為が よくわかる ・たいていの 落下音はは っきり聞こ える ・ほとんど聞 えない ・小さく聞え る ・聞える ・よく聞える ・発生音がか なりうるさ い レベル12×4
㺃㺃㺃
18 㺃㺃㺃
5.
床衝撃音対策の基礎知識
図5-1 乾式遮音二重床構造のイメージ 【在来際根太】 【防振際根太】 在来際根太 スラブ 支持脚 防振ゴム 」合フローリング アスファルトシート パーティクルボード 幅木 スラブ 防振ゴム 防振際根太5-1 軽量床衝撃音の低減手法
軽量床衝撃音は、軽くて堅いものが床を衝撃したときに、直下の部屋で聞こえる音のことをいう。具体的には、 スプーンやフォークなどの落下、椅子の引きずり、スリッパの歩行、おもちゃによる遊びなどにより発生する音な どが挙げられる。 軽量床衝撃音対策は、床構造の面密度や剛性の増加、床構造の防振、床仕上げ材の表面を柔らかくすることが基 本となるが、床仕上げ材の表面を柔らかくすることで比較的容易に対策が可能である。具体的には、床仕上げ構造 が木質フローリングの場合は、じゅうたんやカーペットなどの表面が柔らかい床仕上げ材に変更する、裏面にウレ タンや不織布などの緩衝材を有するいわゆる「防音タイプ」の直張木質フローリング床を使用することなどが考え られる。 枠組壁工法の建物での軽量床衝撃音対策としては、上部面材(上階の床材)の重量、剛性を増加させることが基 本となる。面材を複合化し、アスファルト系の遮音シートやALC パネルやモルタルなどを挿入し面密度を向上さ せることが行われている。床衝撃音が放射される天井の対策としては、天井ボードを床根太に取り付けるいわゆる 「直張天井」よりも天井受け(天井根太)を新たに取り付け床根太から離して設置するいわゆる「独立天井」の方 が有効であるといわれている。いずれの天井構造においても天井ボードを増し張りにより複層化することは床衝撃 音対策に有効である。 また、防振ゴムを有する乾式遮音二重床構造(図5-1)でも軽量床衝撃音対策には有効である。ただし、乾式遮 音二重床構造の端部(室の周囲)を図5-2のように木材のみで構成される、いわゆる「在来際根太」の場合はその 効果がほとんど表れないこともあるので注意が必要である。乾式遮音二重床構造の端部にも防振ゴムを有する、い わゆる「防振際根太」を採用する。 以上、軽量床衝撃音の具体的対策をまとめたものを図5-3に示す。 図5-2 乾式遮音二重床構造の端部収まり例 (在来際根太、防振際根太)2×4
㺃㺃㺃 19㺃㺃㺃
図5-3 軽量床衝撃音の具体的対策5-2 重量床衝撃音の低減手法
重量床衝撃音は、重くて柔らかいものが床を衝撃したときに、直下で聞こえる音のことをいう。 具体的には、飛び跳ね、走り回り、歩行などにより発生する音が挙げられる。飛び跳ねや走り回りなどは、その ような行為をしないように生活をするような住まい方(対策)をすればよいが、歩行音のような、通常生活で想 定される行動による発生する音については、建物側で対策が必要となる。 重量床衝撃音の対策は、床構造の面密度や剛性の増加が基本となる。軽量床衝撃音対策で有効である床仕上げ 材の表面を柔らかくしても、重量床衝撃音にはほとんど効果がない。また、建物完成後の対策が困難であるため、 計画時から考慮する必要がある。 枠組壁工法の建物での重量床衝撃音対策としては軽量床衝撃音の場合と同様に、上部面材(上階の床材)の重 量、剛性を増加させることが基本となる。面材を複合化し、アスファルト系の遮音シートやALC パネルやモルタ ルなどを挿入し面密度を向上させることが行われている。床衝撃音遮断性能の変化は、床断面の駆動点インピー ダンスの変化によって推定することができる。駆動点インピーダンスは、床の振動しにくさを表し、次式で計算 することができる。8
㸻
ここで、Z
b㸸
駆動点インピーダンス(kg/s)B
㸸
床断面の曲げ剛性(kg/m2)m
㸸
床構造の面密度(kg/m2) また、曲げ剛性B
は、次式で計算することができる。B㸻∑(E㺃I)
E
:部材のヤング率(N/m2)I
:部材の断面二次モーメント(m4) ・上部面材の面密度、剛性を増す →ALCパネル、モルタルの挿入など ・床仕上げ材を変更する →カーペット、乾式二重床構造の採用など ・床根太の剛性を増す →根太のせいを大きくするなど ・吸音する →吸音材の挿入など ・天井を独立させる →独立天井の採用など ・天井の面密度を増す →天井ボードの増し張りなどB㺃m
Z
b 床断面の断面二次モーメント変化による性能変化(計算値)を図5-4に、根太間隔や下地合板の厚さを変化させ たときの、駆動点インピーダンス変化を図5-5、5-6に示す。 床衝撃音が放射される天井の対策としては、天井ボードを床根太に取り付けるいわゆる「直張天井」(図5-7(1) )よりも天井受け(天井根太)を新たに取り付け床根太から離して設置するいわゆる「独立天井」(図5-7(2))の 方が有効であるといわれている。ただし、実験室での測定結果では必ずしもその傾向が出ていない場合もある。い ずれの天井構造においても天井ボードを増し張りにより複層化することは床衝撃音対策に有効である。また、乾式 ・・・式 5-1 ・・・式 5-22×4
㺃㺃㺃
20 㺃㺃㺃
図5-7 直張天井と独立天井の断面例 図5-4 断面二次モーメント変化による性能変化(計算値) I= 231cm4 -12dB -16dB -19dB 接着 接着 2x4 2x10 2x10 2x10 I= 4,109cm4 I= 8,793cm4 I= 16,627cm4 (1)直張天井(2)独立天井 木質フローリング(t=12) 合板(t=15) 床根太(38x235@455) 天井ボード(t=12.5) 木質フローリング(t=12) 合板(t=15) 床根太(38x235@455) 天井根太(38x140@455) 天井ボード(t=12.5) 80 85 90 95 100 105 110 10 20 30 40 50 60 下地合板厚さ [mm] 駆動点インピーダンスレベル [dB] Lr-70 Lr-75 駆動点インピーダンスレベル [dB] 80 85 90 95 100 105 110 0 100 200 300 400 500 2×10 2×12 2×8 2×6 Lr-60 Lr-65 Lr-70 Lr-75 根太間隔 [mm] 図 5-5 根太間隔の変化による駆動点 インピーダンスの変化(計算値) 図 5-6 合板厚さの変化による駆動点 インピーダンスの変化(計算値) 接着 ビス止めのみ ビス止めのみ 合板など 合板など 合板など 合板など 合板など 遮音二重床構造でも重量床衝撃音対策には有効である。ただし、製品による性能差があるため、性能を予測する ためにはさらなる研究が必要であると考えられる。 以上、重量床衝撃音の具体的対策をまとめたものを図5-8に示す。
2×4
㺃㺃㺃
21㺃㺃㺃
・上部面材の面密度、剛性を増す →ALCパネル、モルタルの挿入など ・床仕上げ材を変更する →乾式二重床構造の採用など ・床根太の剛性を増す →根太のせいを大きくするなど ・天井を独立させる →独立天井の採用など ・天井の面密度を増す →天井ボードの増し張りなど 図5-8 重量床衝撃音の具体的対策2×4
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22 㺃㺃㺃
6.
床衝撃音対策工法について
床衝撃音遮断性能を向上させるためには、前章で示したように面密度の増加や剛性の向上が有効である。しかし 現実的にはそれらを高めることには限界がある。例えば、計算では床構造の面密度を2倍にすると床衝撃音レベル は3dB 小さくなる。更に3dB 小さくするには面密度を更に2倍、つまり元の4倍にする必要がある。剛性につい ても同様である。現実的な施工性とコストを考慮すると、これら二つの要素の向上だけでは限界があるのは明らか であり、床上に緩衝層を設けること、天井面からの放射を抑えるために天井懐への吸音材の挿入や振動絶縁、せっ こうボードの増し張りなどを併用する必要がある。 本章では、これらのことを考慮し、面密度や剛性を向上させた現実的な工法と床上での緩衝工法を紹介する。 また、後半では、カナダ国立研究機構が日本及び韓国と共同で実施した研究の成果の一部を紹介する。6-1 床衝撃音対策工法
遮音対策は重量床衝撃音と軽量床衝撃音の両方の性能をバランスよく向上させなければならない。 軽量床衝撃音については、5章に示したように表面仕上げ材を柔軟なものとすることで改善する。しかし、日本 の木造住宅では、床仕上げ材を木質フローリングとすることが圧倒的に多いため、せっかく重量床衝撃音の対策を 行っても軽量床衝撃音の対策が行われなければ問題の生じる可能性がある。この場合は、防音フローリングを用い るか、後述する乾式遮音二重床工法をとするか、木質フローリングをやめてじゅうたんとすることが有効である。 次項から示す表中の値は、ベースとなる直張天井工法及び省令準耐火構造に適合する工法からの当該工法の L 数 及び LAの差を示している。絶対値ではなく相対値で示す理由は、試験が複数の試験施設で実施されていること、 受音室の容積や吸音力の値が実住宅と異なることなどのためである。あくまで参考であるが、これまでの実住宅に おける測定結果では、直張天井工法の場合はおよそ LH-80、省令準耐火構造適合工法の場合はおよそ LH-70 である ことを示しておく。(1)直張天井工法と省令準耐火構造適合工法
図 6-1 に直張天井工法を図 6-2 に省令準耐火構造適合工法を示す。 直張天井工法は床衝撃音遮断性能が低く、天井懐内に吸音材を入れたり、天井のせっこうボードを増し張りして も効果が小さいため、入居者の了承があるとき以外は採用しないようにしたい。最低レベルとして、図 6-2 に示す 省令準耐火構造適合工法を採用したい。 図 6-1 直張天井工法(TYPE-00) 図 6-2 省令準耐火構造適合工法(TYPE-11) 天井:せっこうボード 12.5mm 床根太へ直張り 床根太:2×10 材 @455 床:合板 15mm(さね付) + フローリング 12mm 床:合板 15mm(さね付) + フローリング 12mm 天井:せっこうボード 12.5mm 床根太:2×10 材 @455 天井根太:2×6 材 @455 GW※24K-50mm 等 ※GW : グラスウール2×4
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23㺃㺃㺃
(2)独立天井工法と吸音材の挿入
独立天井工法は直張天井工法に比べて中高音域の床衝撃音遮断性能が高くなる。また、天井懐内への吸音材の挿 入やせっこうボードの増し張りの効果が直張天井工法に比べて大きくなる。 吸音材を天井懐へ挿入した時の床衝撃音に対する効果は、密度を高めるよりも厚さを厚くする方が高い傾向を示 す。 なお、図中の L 数は、JIS A 1418 に定める遮音性能等級による単一評価指標を表し、LAは床衝撃音の A 特性レベ ルを表す。後述するが、L 数よりも LAの方が人のうるささとの相関が高いことが研究により示されている。 床:合板 15mm(さね付) + フローリング 12mm 天井:せっこうボード 12.5mm 床根太:2×10 材 @455 天井根太:2×6 材 @455 直張天井工法との差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング L 数差 LA差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング 省令準耐火構造適合仕様との差 +3 +1 +7 +3 +4 +7 -2 -1 -7 -1 -3 -6 7<3(⊂❧ኳᕤἲ 床:合板 15mm(さね付) + フローリング 12mm 天井:せっこうボード 12.5mm 床根太:2×10 材 @455 天井根太:2×6 材 @455 直張天井工法との差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング L 数差 LA差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング 省令準耐火構造適合仕様との差 GW16K-100mm +5 +3 +14 +5 +7 +13 0 +1 0 +1 0 +1 7<3(⊂❧ኳᕤἲ ྾㡢ᮦ PP 床:合板 15mm(さね付) + フローリング 12mm 天井:せっこうボード 12.5mm 床根太:2×10 材 @455 天井根太:2×6 材 @455 直張天井工法との差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング L 数差 LA差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング 省令準耐火構造適合仕様との差 GW16K-200mm +8 +5 +15 +5 +9 +15 +3 +3 +1 +1 +2 +2 7<3(⊂❧ኳᕤἲ ྾㡢ᮦ PP 直張天井工法との差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング L 数差 LA差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング 省令準耐火構造適合仕様との差 +3 +1 +7 +3 +4 +7 -2 -1 -7 -1 -3 -6 +2 +5 -2 -4○表の見方
この表は、各工法の直張天井工法及び省令準耐火構 造適合工法との床衝撃音遮断性能の差を示している。 タ イ ヤ :標準重量衝撃源のタイヤ衝撃源を使用し た場合 ボ ー ル 1 m :標準重量衝撃源のボール衝撃源(1mの 高さから落下)を使用した場合 ボール 10cm:ボール衝撃源を 10cm の高さから落下さ せた場合。JIS には規定されていないが、 大人の歩行に近い衝撃力であるため参考 値として掲載した。 タ ッ ピ ン グ :標準軽量衝撃源を使用した場合 L数差:L等級を5dB 単位ではなく 1dB 単位で表したもの LA差 :A特性床衝撃音レベルの差2×4
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24 㺃㺃㺃
図 6-3 Resilient channel の断面例 材質:スチール製(厚さ 0.5mm) 写真 6-1 Resilient channel の例(3)Resilient channel
Resilient channel はボードを止めつけるための金属製の下地材で、板状のばねが振動伝達を低減する効果を示す。 カナダではかなり普及しているが、日本ではあまり普及していない。 直張天井工法に用いた場合は、天井のせっこうボードが1枚の場合は重量床衝撃音に対する効果は得られないが、 増し張りすることで効果が表れてくる。軽量床衝撃音に対しては、せっこうボードが一枚でも効果が得られ、更に 天井懐に吸音材を入れることで独立天井工法と同様の効果が得られる(NRC の試験結果から)。 独立天井工法に Resilient channel を用いた場合は、直張天井工法に用いた場合と同様の効果が得られる。 +6 床:合板 15mm(さね付) + フローリング 12mm 天井:せっこうボード 12.5mm×3 床根太:2×10 材 @455 直張天井工法との差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング L 数差 LA差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング 省令準耐火構造適合仕様との差 Resilient channel @455TYPE-22 直張天井工法 +Resilient channel+PB×3
+5 +5 +7 +6 +5 +1 +3 -9 +3 -1 -8 +6 +6 +3 床:合板 15mm(さね付) + フローリング 12mm 天井:せっこうボード 12.5mm×2 床根太:2×10 材 @455 直張天井工法との差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング L 数差 LA差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング 省令準耐火構造適合仕様との差 Resilient channel @455
TYPE-21 直張天井工法 +Resilient channel+PB×2
+4 +4 +5 +6 +4 -2 +2 -10 +1 -1 -9 +5 +5 0 床:合板 15mm(さね付) + フローリング 12mm 天井:せっこうボード 12.5mm 床根太:2×10 材 @455 Resilient channel @455 直張天井工法との差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング L 数差 LA差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング 省令準耐火構造適合仕様との差
TYPE-20 直張天井工法 +Resilient channel+PB×1
0 +2 +1 +2 +2 -5 -2 -12 -3 -5 -11 +2 +2 12 35 7 17
2×4
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+13 +10 床:合板 15mm(さね付)+ALC50mm + 合板 12mm+ フローリング 12mm 天井:せっこうボード 12.5mm 床根太:2×10 材 @455 天井根太:2×6 材 @455 直張天井工法との差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング L 数差 LA差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング 省令準耐火構造適合仕様との差 床:合板 15mm(さね付) + 硬質木片セメント板 50mm + 合板 12mm+ フローリング 12mm 天井:せっこうボード 12.5mm 床根太:2×10 材 @455 天井根太:2×6 材 @455 直張天井工法との差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング L 数差 LA差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング 省令準耐火構造適合仕様との差TYPE-40 質量付加工法(ALC50mm) TYPE-41 質量付加工法(硬質木片セメント板 50mm)
(4)質量付加
床上に質量を付加する工法は床を振動しにくくするため、特に重量床衝撃音に対しての効果が得られる。剛性を 高める工法よりも施工が簡単で効果を得やすい。しかし、単に質量のみを付加すると低い周波数で揺れが収束しに くくなるため、面材どうしを接着して一体化したり、根太をダブルにするなどにより剛性を高める工夫が必要であ る。 TYPE-42 は床面の高さを変えずに質量を付加する工法である。 いずれの工法も、天井懐に吸音材を入れることで更に重量床衝撃音の L 数が 2dB 程度、軽量床衝撃音の L 数が 6dB 程度向上する。 +6 +12 +12 +10 +12 +5 +4 +8 +3 +1 +9 +14 +14 +12 +13 +8 +7 +10 +5 0 +2 0 +11 床:合板 15mm(さね付) + フローリング 12mm 天井:せっこうボード 12.5mm 床根太:2×10 材 ×2 @455 天井根太:2×6 材 @455 直張天井工法との差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング L 数差 LA差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング 省令準耐火構造適合仕様との差 TYPE-42 質量付加工法(硬質木片セメント板 50mm) +6 +14 +12 +12 +16 +6 +4 +8 +5 +3 0 硬質木片セメント板 25mm×22×4
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直張天井工法との差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング L 数差 LA差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング 省令準耐火構造適合仕様との差 +6 直張天井工法との差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング L 数差 LA差 重量床衝撃音 軽 量床衝撃音 タイヤ ボール1m ボール10cm タッピング 省令準耐火構造適合仕様との差 +7 7<3(ᘧ㐽㡢㔜ᗋᕤἲ 7<3(ᘧ㐽㡢㔜ᗋᕤἲ 㐽㡢࣐ࢵࢺ PP 乾式遮音二重床 + 遮音マット 4mm 天井:せっこうボード 12.5mm 床根太:2×10 材 @455 天井根太:2×6 材 @455 床:合板 15mm(さね付) 乾式遮音二重床 天井:せっこうボード 12.5mm 床根太:2×10 材 @455 天井根太:2×6 材 @455 床:合板 15mm(さね付)(5)乾式遮音二重床
乾式遮音二重床は、RC 造マンションで普及している工法で、床上に空間ができるため、配管・配線ができると ともに、木質フローリングを使用しても、軽量床衝撃音の遮断性能を確保できるメリットがある。 重量床衝撃音の遮断に対しても効果があり、特にタイヤ衝撃源よりも衝撃力の小さいボール衝撃源の場合に効果 が高くなる傾向を持っている。 一般的な構成は、上から木質フローリング、パーティクルボード 20mm、脚(プラスチックもしくは鋼製で高さ のバリエーションが豊富)、ゴムである。パーティクルボードの寸法は 600mm×1820mm を用いる仕様が多い。 床衝撃音遮断性能を確保するために納まりの注意点がいくつかある。①パーティクルボード及びフローリングの 壁との取り合い部分は隙間を開ける、②幅木とフローリングの隙間は開けた方(2mm 程度)が性能が高い、③壁際 の根太は防振根太と防振しない木製根太があるが、防振根太の方が性能が高い。 より遮断性能を高めるためには、パーティクルボードの上に遮音マットや合板を加えることが効果的である。ま た、天井懐内に吸音材を入れることで更に性能向上が期待できる。 床上に質量を付加する工法や天井面や壁面へ Resilient channel を使用することなどを併用することで、これまで 難しかった高遮音な性能を比較的安価に確保することが期待できる。 +10 +24 +5 +11 +1 +8 +1 +4 +10 +8 +4 +12 +25 +8 +14 +2 +10 +4 +7 +11 +11 +6 写真 6-2 乾式遮音二重床の施工状況 写真 6-3 防振際根太の施工状況2×4
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(6)NRC での研究
カナダの NRC(National Research Council Canada) では、日本の枠組壁工法住宅の上下階間の、特に重量床衝撃音 に対する遮音性能を向上するための研究を3年間に渡り実施した。この研究は日本だけではなく韓国も参加し3か 国で情報交換を行いながら実施された。 NRC には RC 造の上下室間に床及び天井を取り付けて測定を行う試験室(M59:図 6-4 参照)の他に、側路伝搬 音を含めた測定を行うため壁床天井を備えた2階建の試験室(TH7:図 6-5 参照)の二つがある。 これらの二つの試験室を用いて試験を行い結果をまとめた。本項では、その概要を紹介する。 1)床及び天井の構成と重量床衝撃音(タイヤ衝撃源)の L 数 本研究で実施した工法検討の建設パラメータは次のとおりである。 ・フロアトッピング(合板 16mm とせっこうボード 21mm+15mm、合板 16mm の積層を床上に付加) ・独立天井(2×6 材による天井根太) ・天井のせっこうボード(せっこうボード 13mm、13mm+13mm、15mm+21mm) ・根太(2×10 材シングルとダブル) ・床合板(16mm、16mm+16mm) なお、これらの仕様は全て天井懐内にグラスウールが 100mm 挿入されている。 表 6-1 に測定結果(緑色部分)と測定結果から予測した値(青色部分)を示す。これらの結果は、170m3で周壁 がコンクリートでできた M59 試験室で測定した結果を 40m3で壁床天井が枠組壁工法でできた TH7 試験室の室状 態 ( 容積及び吸音力 ) に調整した値である。赤枠部分は TH7 試験室での測定結果である。 ※この値は LH の性能を保証するものではない。 2)側路伝搬の影響について 重量床衝撃音に対する下室側面からの放射音である側路伝搬音の影響を把握するため、図 6-5 に示す TH7 試験室 で実験を行った。 側路伝搬音の把握方法は、上下各4室のうちの上階1室を音源室とし、直下室の内側壁面をシールドすることに より、天井からの直接音を把握し、斜め下室の測定をすることにより斜め上室から伝搬してきた天井及び壁からの 放射音を把握。更に斜め下室の内側壁面をシールドすることにより天井からの放射音のみを把握し、これを差し引 くことにより壁面からのみの放射音を把握する方法とした。 この壁面からの放射音は、床及び天井の床衝撃音遮断性能が向上するほど大きくなる。言い換えれば、床及び天 井からの直接伝搬音が小さくなることにより壁面からの側路伝搬音の影響が相対的に大きくなる。下室壁の仕様が 2x6 スタッドに直接 13mm のせっこうボードを取り付けた構成の場合、LH-67 よりも性能が高くなるとその影響が 顕在化する。 側路伝搬音は根太方向の壁下部への伝達が比較的大きく、これを抑制するためには床上へのトッピング(表 6-1 に示す「付加層」)が効果的である。 また、LH-67 以上の性能を得るためには、下室の壁面にせっこうボードを追加するか、Resilient channel を使用 するか、あるいは両方を使用するなどが必要である。