木質フローリング(t=12)
㨯㨯㨯 37 㨯㨯㨯
最後に、上階からの生活音を低減させるための方策を、以下に示す。
(1)床構造と天井の遮音性能
上階からの生活音の内、振動として固体伝搬する音の対策としては、本書中に多数紹介されている床衝 撃音対策を実施することが重要となる。ただし、床仕上げ材〜床構造〜天井による床衝撃音の対策を高め れば高めるほど、迂回音によって伝わる上階からの音は相対的に大きくなり、床衝撃音対策だけでは限界 が生じることとなる。各住宅の入居者から「上階からの生活音」に対して不満が示された場合には、それ が「床衝撃音」に分類されるのか、迂回音による「空気伝搬音」に分類されるのかを冷静に分析する必要 がある。
まずは、音源の種類と発生場所を確認することである。また、どちらの対策が有効かを考えるための簡 単な方法としては、内装扉・内装窓の隙間を臨時に塞いで遮音性能を高めた状態をつくり、その状態で対 象の音の伝わりが減少するか否かを確かめる方法がある。
(2)上階での音の発生の低減
まず発生源となる音自体を小さくすることができれば対策としては最も効果的である。話し声やテレビ・
オーディオの音は意識的に小さくする努力が必要であるが、床からの発生音については床仕上げ材を軟 質の材料(カーペットやマットなど)に換えることで相当に低減でき、特にスリッパ歩行音や積木など 玩具の落下音に対しては効果的である。
(3)住戸内の内装窓(吹抜面)の遮音性能
リビング上部の吹抜けに面した上階居室には内装窓が取り付けられることが多い。これらの内装窓は 外装窓とは異なり気密性能が低いことから隙間からの漏音が大きく遮音性能はあまり高くない。この内 装窓の部分の気密性を改善することで、遮音性能の改善も期待できる。
(4)伝搬経路の途中での音の低減(吸音)
階段室などを経由する音の場合、上階居室から下階居までの経路を吸音性にすることで、音の減衰効 果が期待できる。例えば、上階の居室から階段までの廊下部分をカーペット仕上げにしたり、階段室の 側壁や床・天井面に吸音材を配置したり、といった対策が考えられる。特に、隙間からの漏音は高い周波数(1
〜 4kHz 帯域)で顕著であるため、カーペットやカーテン、ロックウール吸音板などの薄い材料でも、か なりの減衰効果が期待される。
(5)2階の排水音の低減
アンケート調査の結果(第2章)では、上階での排水音への指摘が多い様子が伺えた。下階の居室(特 に深夜に暗騒音が低くなる寝室など)の近くには出来るだけ排水経路を設けないほか、必要に応じて排 水管に防音・防振措置を講じることや排水管スペースのせっこうボードは厚くすることなど、計画上の 配慮が望ましい。