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Microsoft Word - 04国際論集_学部留学生のためのチューター制度はどうあるべきか.doc

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学部留学生のためのチューター制度はどうあるべきか

水本光美・池田隆介

(国際環境工学部 情報メディア工学科)

キーワード 学部留学生、チューター、業務内容、チューターの選考、指導方針 要旨 先行研究(水本・池田 2002, 2003a)において、日本語能力が従来よりも低いレベルの学部留学生は 専門課程の学習にあたっても困難な状況に直面すると述べた。今後、アカデミックな課題を達成するため の日本語能力が不足している学部留学生が、「日本留学試験」の本格的導入を契機に増加していくであろう と予想される。このような学部留学生の学習支援を行い、学部教育のレベル向上を図る重要な施策の一つ として、チューター制度を機能的に運営していくことが望まれる。本研究は、そのための基本的な指針の 考案を目指して行われた。 2002 年度に北九州市立大学国際環境工学部の特別研究として行われたチューター・プロジェクトをもと に、学部留学生のためのチューター制度がどうあるべきかを検討した。その結果「(1)チューターの業務を「学 習指導」に限定する」「(2)チューターには学部日本人学生の上級生を採用する」「(3)担当となる教職員がチュ ートリアルの管理を行う」の3点を主な指針とし、制度を運営すべきであるとの示唆が得られた。 1.はじめに 本研究は、学部留学生の学習支援のための重要な方策であるチューター制度を機能的に運営 していくためのチュートリアル技法を開発することを目指すものである。 水本・池田(2002, 2003a)において、学部留学生の日本語能力と専門課程の学力レベルの問 題を論じ、入学時に日本語能力の低いレベル*1の学生が専門課程においても学習困難な状況に 直面していることを報告した。近い将来、留学生の全体的な傾向として、アカデミックな課題 を達成するための日本語能力が十分でないと思われる者の割合が増えていくであろうと予想さ

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れる。その要因は「日本留学試験」の導入にある。 従来、留学生の日本語能力の判定に用いられていたのは「日本語能力試験」の1級という水 準であった。「日本語能力試験」は、日本語非母語話者の日本語能力の測定を目的とするもので あったが、大学の入学専攻にあたって必要なアカデミック・ジャパニーズの測定を適切に行う ことができていないとの批判*2を受け、2001 年度より「日本留学試験」に取って代わられるこ ととなった。「日本留学試験」は、大学教育を受けるための能力という目的を明確に定義した点 で、一般的な日本語能力とアカデミック・ジャパニーズが混在していた状態の「日本語能力試 験」よりも理念的な前進が認められる(因 印刷中)。しかし、堀井(2003)、門倉(2003)で 述べられているように、試験の内容を見ると「大学教育を受けるための能力」の測定にあたっ て妥当性を欠くものが多く、アカデミック・ジャパニーズを測定し優秀な留学生を引き入れる という理念を体現しきれていないという問題点があり、留学生の「日本語習熟度の敷居を下げ ただけで学習適性の判定につながっていないとしたら、入学後にこれまで以上の困難を抱える 留学生を増やす結果を招く恐れもある」(因 印刷中)と懸念されている。 この懸念は既に、あるいは、潜在的に現実のものとなっており、大学学部は留学生の学力支 援のための組織的な対処を求められている。対処の方法は二つに大別される。カリキュラムの 変更やシェルター・モデル・コース*3の実施など、制度的な変更を伴う改革がその一つである。 もう一つは、学部内の人的資源を活用しながら、現行のカリキュラムに留学生が適応できるよ うに制度の枠外で支援を行う方法である。この後者の重要な柱として重視されているのが、チ ューターの存在である。 チューター制度は留学生を受け入れている全ての国立大学で実施されている。しかし、チュ ーターは、制度的に存在していれば機能するというものではない。「九州大学留学生教育・研究 環境調査委員会」(以下、九大調査委員会とする)の報告においては、留学生の学習支援をする にあたって、チューター業務が明確化されていないことや、指導に不適切なチューターが選考 されるケースなど*4、チューター制度が抱える不備が指摘されている(九大調査委員会 2003)。 適切な人材をチューターとして選考し、チューターの業務内容や指導形態を明確化することは、 学部教育のレベル向上のために必須の課題であるが、現状においてはその指針が提供されてい ない。 2.指針考案のための事例研究 本研究は、学部留学生用のチューター制度がどうあるべきかを論じ、制度を機能的に運用す るための指針考案を展望する。本章では、2002 年度に北九州市立大学国際環境工学部(以下、

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国際環境工学部)において内部特別研究課題として試行されたチューター・プロジェクトの実 践を分析・検討するとともに、適切な指針を考案するための基盤づくりを行う。 2-1 2002 年度チューター・プロジェクトの概要 2001 年度に開設された国際環境工学部には毎年 30 名程度の学部留学生を受け入れている。 その留学生の大半が日本語能力試験1級未満とみなされる日本語能力にとどまっており、学部 教育の内容を十分に理解することが困難な状況に置かれている。その困難状況を解決するため の一案として、チューター制度の実施が提案され、2002 年度内部特別研究課題(以下、チュー ター・プロジェクト)として試みられることとなった。 チューター・プロジェクトは、2002 年度、国際環境工学部1年の留学生 10 名の学習支援を 目的として行われた。まず、学部教育の理解において問題があると思われる留学生の中から、 チューターからの指導を受けたいと申し出た10 名(全員中国人)を選抜した。そして、専門教 官に依頼し、その10 名の所属する学科と専門が同一となる優秀な人材をチューターとして推薦 してもらった。 チューターとして推薦されたのは、「日本人学部学生の1 年生(同級生)」「日 本人学部学生の2年生(上級生)」「日本人の大学院生」「中国人学部学生の2年生(上級生)」 「中国人の大学院生」が各2名ずつとなっている。 チューター・プロジェクトにおいては、チューターの業務内容は「留学生の学部教育におけ る理解を促進するための学習支援」と限定されている。また、指導時間は週に2回(1回あた り90 分)と固定し、継続的なチュートリアルが行われるように毎回報告書の提出がチューター、 留学生の両者に義務付けられている。 2-2 業務内容についての考察 チューターの業務内容は、留学生の学習支援を目的としたものとして明確に定義されるべき である。この点が不明確な場合、チューターの負担が不当に増加し、また、効率のいい学習支 援ができず、学力レベルを向上させるという観点から、チューター制度が機能しなくなると考 えられる。 九大調査委員会(2003)においては、この業務内容が不明確なためにチューターに過大な負 担がかかり、効果的な学習支援が行えないというケースも紹介されている。例えば、「住居探し」 や「在留手続き」の助けを留学生から求められてチューターが困惑することがある。このよう な生活上の支援も留学生にとっては不可欠のものであるが、多くの場合、チューターはそれに 対する十分な経験を持ち合わせていない。したがって、その手助けをするためにかなりの労力 を割かなければならないことになるのである。チューターにとっては大きな負担であり、同時

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に、留学生にとっても支援の効率が悪いものと感じられるであろう。 生活上の基盤を固めることが留学生活の充実のための前提であるが、「生活支援」にあたって は、地域のボランティア・ネットワークや大学学部の留学生担当の部署など、適切な人材に委 ねられるべきであろう。一方で、そういった人材が、研究や学習の支援に関して十分な助けと なることができるケースは少ない。チューターの役割は、留学生の学習支援に特化されたほう が、学部全体の学力レベルの向上にあたっては効率的であると言える。 2-3 チューターの選考に関する考察 チューター・プロジェクトにおいては上述したように5種類のチューターが学部留学生の指 導を行ったが、中でも「日本人学部学生の上級生」が適切な人材であるという示唆が得られた。 「日本人の大学院生」「中国人学部学生の2年生」「中国人の大学院生」がチューターとなっ た組み合わせにおいては、留学生がチューターの変更を申し出たり、留学生が途中でチュート リアルに来なくなったりと、チュートリアルの継続が非常に困難になるケースが出てきた。そ の要因は「指導内容」「スケジュール」「動機付け」の3点にあると考えられる。 指導内容 学部留学生の学習指 導を行うにあたって、 当然、指導する側のチ ューターにはその知識 を有していることが求 められる。学部1年の 留学生に対しても専門 的な内容に対処することは必要で、例えば、水本・池田(2003b)は専門教育への導入過程に おいても学科(専門分野)ごとに出現する語彙の偏りがあることを示している。国際環境工学 部においては表1に示された項目がチュートリアルの主な指導内容となったが、日本語以外の 項目は専門に特化した部分が大きく、留学生とチューターの専門分野が同一であり、なおかつ、 チューターはその分野において豊富な知識を持ち合わせていなければならない。したがって、 「日本人学部学生の同級生」がチューターとして登用されるケースは指導困難に陥りやすいと 考えられる。指導を担当している留学生と同時期に同じ項目の学習を進めている「同級生」は、 知識的な不安を抱えている。 しかし、知識的には最も優秀であるはずの「大学院生」であれば、うまく指導できるという 表1 チュートリアルの主な内容 留学生の所属学科 チューターに指導を受けた主な内容 環境化学プロセス工学科 有機化学、生物化学、力学基礎、数学(微 分積分など)、日本語・日本事情 環境機械システム工学科 材料強度学、流体力学、工学理論、数学 (微分積分など)、日本語・日本事情 環境空間デザイン学科 構造力学、設計、製図、工学基礎、数学 (微分積分など)、日本語・日本事情

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ものではない。チューター・プロジェクトの事例では、「私が大学で習っていないことは教えら れなかった」「自分自身も忘れていたもの(内容)が多かった」と、大学院生のチューターがコ メントしている。大学院生でも、大学間のシラバスの差異などで習っていない項目が出てくる こともあり、忘れてしまったり、覚えてはいても適切な教え方ができなかったりすることが多 い。逆に、大学院生でなければ指導できないような複雑な内容を学部留学生が持ちかけること はない。したがって、指導を担当する留学生と同じシラバスを経験したばかりで、適切な学習 ストラテジーを身に付けている「学部の上級生」がチューターとして適切であると考えられる。 スケジュール 国際環境工学部の学部留学生は、学部の1年次、2年次にはかなり多くの授業を履修しなけ ればならず多忙を極めている。他の機関においても、一般的に、学年が下がるほど履修する授 業数は多くなる傾向にあるであろう。留学生を学部のカリキュラムに適応させるためには、な るべく低学年で学習支援を受けることが必要であるが、授業数が多いためにチュートリアルの 時間を割くことが困難な状況に置かれている。 大学院生の場合には、実験や学会参加などの研究活動により、チュートリアルの時間の変更 を余儀なくされるケースが多々ある。その際、指導している学部留学生との時間の調整がうま くいかず、そのまましばらくチュートリアル活動を停止することになってしまうことさえある。 その点で、時間の調整が比較的簡単な学部留学生のほうが、チュートリアルの継続のためには 適していると考えられる。 動機付け 学部留学生の多くは日本人学生との交流の機会が増えることを願 っている。大学院への留学生の場合は、研究室という閉じた空間で 同僚の日本人学生と密接な交流をする機会があり、また、その必然 性もある。しかし学部留学生の場合は、周囲に多くの日本人学生が いても、日常的に何らかの活動を共同で行う機会がほとんどなく、 有機的な人間関係の構築が難しい状態に置かれている。留学生と日 本人学生の比が1:2という割合の教育機関においても交流が促進していないという報告(梶 原 2002)もあり、同学部に所属しているというだけで人間関係を構築することは困難である。 日本人学生をチューターとすることは、留学生の学習意欲を向上させ、その結果として学力 レベルの向上が見込まれる。学習内容の指導のみであれば、同国人のチューターから自分の母 語で施されたほうが理解しやすいはずである。しかし、学習への動機付けが低ければ、継続的 表2 学部留学生が希望 するチューター像 (学年) 大学院生 0 大学生の先輩 9 大学生の同級生 1 (国籍) 日本 10 自分と同じ国籍 0

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な指導を行うことができず、理解を促進させることはできない。表2に示したとおり、チュー ター・プロジェクトに参加した留学生の全員が、日本人のチューターから指導を受けたいと希 望していた。また、学年別に見ると、大学院生よりも、学部学生の上級生を希望していること が分かる。チューター・プロジェクトの事例では、「同国人の大学院生」からの指導を受けてい た学部留学生は、途中でチュートリアルの継続を取りやめたいと申し出て、予定よりも短い期 間しか指導を受けることをしなかった者もいた。また、「同国人の上級生」をチューターとして 指名された学部留学生の中には、日本人のチューターを選択できないと知ると、指導を辞退し たというケースもあった。 学力レベルの向上に貢献するためには、チュートリアルを成立させ、継続させなければなら ない。そのためには、留学生にチュートリアルへの動機付けを与える必要がある。したがって、 日本語能力の程度にもよるが、できるだけチューターには日本人学生を選考したほうがチュー トリアルの成功につながると考えられる。 2-4 指導時間に関する考察 国際環境工学部の事例においては、1回90 分 のチュートリアルを週に2回定期的に行うよう に義務付けた。この指導時間については、留学 生、チューターともに適切であると感じられて いると述べている(表3)。多くのチューターが、 週に2回ある指導の機会を「最初の回でわから ないところを聞いて、次の回で答えた」「1回目に宿題を出して、2回目にチェックした」など、 有効に活用していた。とりわけ、授業は毎週定期的に行われるため、毎回の課題に対応するに は、週に複数回のチュートリアルが設けられていたほうが便利であるということが分かった。 2-5 チューター指導・管理についての考察 チューター・プロジェクトにおいては、毎回の指導後の報告書の提出を、チューター、留学 生の両者に義務付けていた。A4用紙1枚に収まるように日時・場所・指導項目・達成度・問 題点・次回の予定などを5分程度で記入できる様式を作成し、それを報告書として用いた。 簡易な書類であるが、これによってチューターと留学生の双方にチュートリアルを成立させ る責任感を持たせることができたのではないかと考えられる。週2回のチュートリアルが正し く行われているかどうかは、報告書の提出状況により、即座に把握することができる。チュー トリアルが一旦中断すると、留学生もチューターも双方ともに連絡を取り合わずに、そのまま 表3 指導時間について (留学生の答え) 過多 適切 過小 週に 3 時間 1 8 1 週に 2 回 2 6 2 1 回 90 分 1 8 1 (チューターの答え) 過多 適切 過小 週に 3 時間 2 8 0 週に 2 回 2 7 1 1 回 90 分 4 5 1

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事実上指導が行われなくなってしまうようなケースがあると考えられる。しかし、報告書によ り、指導状況が確認できれば、問題解決のための処置を早期に行うことができるようになるの で、指導が継続する可能性が格段に上がる。 指導時間が増えてしまったり、指導内容が学習以外のことに及んでしまったりと、チュータ ーの負担が過剰になってしまうことを防止する効果もあり、また、全く指導を行ってもらえず に困っている留学生を救うこともできる。チュートリアルの問題は、当事者(指導する側とさ れる側)同士では解決が、担当となる教員や職員が、ある程度介入することが必要であろうと 考えられる。 3.まとめと今後の課題 学部留学生の学力レベルを向上させるために、チューター制度の運営に必要な事項を、以下 にまとめる: (1)チューターの業務を「学習指導」に限定する。 (2)チューターには学部日本人学生の上級生を採用し、各学部学科の重要科目において優秀な 成績を収めている者を選考する。 (3)報告書の提出を義務付けるなど、担当となる教職員がチュートリアルの管理を行う。 国際環境工学部においては、チューターに対する留学生側のニーズは大きいと思われるが、 適切なチューターを相当数確保することは容易ではない。コスト面の課題が大きな要因である が、日本人学生がチューターを引き受ける動機付けを確保することも大きな課題である。2002 年度チューター・プロジェクト終了時にアンケートを行ったところ、「来年もこの制度に参加し たいか」との問いに、参加した全てのチューターが、可能であれば参加したいと回答している。 自由回答式のチューターのコメントには、「チューター制度を通じて初めて留学生とコミュニケ ーションを取れた」「言葉・文化・考え方に大きな違いがありカルチャーショックをうけた」「分 かってもらう嬉しさがあった」「異文化に触れることもでき、いい経験になった」「私にとって いい勉強になった」というような意見があり、チューターとなったことによって得られるもの も大きいと分かった。チューターを引き受けることに対するメリットを、更にアピールし、優 秀な日本人学生に対して積極的に「留学生の学習指導を行おう」という動機を与えることが今 後の重要な課題である。 【参考資料】 1)水本光美・池田隆介(2002)「日本語能力2級レベルの学部留学生が抱える問題点―理工系学

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部留学生のケーススタディ―」, 『専門日本語教育研究』, 第 4 号, pp.19-27, 専門日本語教 育研究会 2)水本光美・池田隆介(2003a)「工学部における学部留学生の日本語能力と GPA の関係」, 『北 九州大学国際論集』創刊号, pp.37-45, 北九州市立大学国際教育交流センター, 北九州市立大 学 3)因京子(印刷中)「「日本留学試験・聴読解問題」分析-アカデミック・ジャパニーズの輪郭を求 めて-」, 『韓日言語文化』, 第 4 集, 韓日言語文化研究会 4)堀井惠子(2003)「留学生が大学入学時に必要な日本語力は何か-「アカデミック・ジャパニー ズ」と「日本留学試験」の「日本語試験」を整理する」, 『日本留学試験とアカデミック・ ジャパニーズ』, 平成 14-16 年度科学研究費補助金基盤研究費(A)(1)課題番号 14208022(研究 代表者: 門倉正美), 研究成果中間報告書, pp.101-112 5)門倉正美(2003)「アカデミック・ジャパニーズとは何か」, 『日本留学試験とアカデミック・ ジャパニーズ』, 平成 14-16 年度科学研究費補助金基盤研究費(A)(1)課題番号 14208022(研究 代表者: 門倉正美), 研究成果中間報告書, pp.123-132 6)九州大学留学生教育・研究環境調査委員会(2003)『外国人留学生(大学院生および研究生)の教 育・研究環境改善のための基礎的調査報告書』, 九州大学留学生教育・研究環境調査委員会, 九 州大学 7)水本光美・池田隆介(2003b)「導入教育における『基礎専門語』の重要性―環境工学系留学生 のための語彙調査と分析から―」, 『専門日本語教育研究』, 第 5 号, 専門日本語教育研究会 8)梶原綾乃(2003), 「留学生と日本人学生の交流促進を目的としたコミュニケーション教育の実 践」, 『日本語教育』, 117 号, pp.93-102, 日本語教育学会 9)山本富美子(2003)「留学生に求められる日本語能力と大学学部教学体制の国際化」, 『日本 留学試験とアカデミック・ジャパニーズ』, 平成 14-16 年度科学研究費補助金基盤研究費(A)(1) 課題番号14208022(研究代表者: 門倉正美), 研究成果中間報告書, pp.73-88 *1 水本・池田(2002, 2003a)においては、入学時に日本語能力試験1級未満の留学生の問題 を論じた。 *2 日本語能力試験の問題点は、他にも指摘されている。年1回という実施回数の少なさ、「私費 外国人留学生統一試験」との併用による手続きの煩雑さなどが大きな批判店となった。 *3 一般の専門講義への導入段階として専門教員が非母語話者を対象に分かりやすくした講義を 提供するコース。(山本 2003) *4 九大調査委員会(2003)は、「チューターのサポートネットワーク化」「住居サポート体制の 充実」なども課題とする。本研究は留学生の学習支援に直結する部分のみを取り上げた。

参照

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