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プレートリフオーマーにおける水素の触媒燃焼 学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 平 田 哲 也

学 位 論 文 題 名

     溶融炭酸塩型燃料電池用

プレートリフオーマーにおける水素の触媒燃焼 学位論文内容の要旨

  地球環 境問題 への世 界的関 心が高 まり、 温暖化ガ スであ る二酸 化炭素 の排出抑制が叫ぱれて いる。そのような情勢の中、発電効率が高く、しかも排ガスがクリーンである発電システムの登場が 期待さ れてい る。そ の有カな手段として、近年実用化が近づぃた燃料電池が注目されている。燃 料電池 は電気 化学反 応により化学エネルギーを直接電気に変換するため、発電効率が高く、しか も高温で作動する機器がないため、NOxの排出も少なく排ガスがクリーンであるなど優れた特長を 持つ 。 な か でも 溶 融 炭 酸塩 型 燃料電 池(MCFC)は多 様な燃 料に対 応可能 である こと、 高温の 排 熱での複合発電が可能であることから大型の火カ発電所代替として期待されている。そして、化石 燃料 の 中 で もカ ー ボ ン 量の 少 ない天 然ガス を利用す る天然 ガス改 質MCFC発 電システ ムの開 発 が推進されている。電池本体のみならず、燃料電池システムの重要な構成機器である天然ガス(都 市ガス )を水 素に改 質するりフオーマーは、高負荷応答性、低発熱量ガス燃焼など高度な機能が 要求されるため、開発課題も多い。

  プレートリフオーマーはコンパクトで負荷追従性に優れる、単位容積あたりの伝熱面積が大きい ため最 高温度 を低く し長寿 命化が図 れるな どの特 長により天然ガス改質NICFC用のりフオーマー として採用されている。

  MCFC用 リ フ オ ーマ ー で は 加熱用 燃料とな るアノ ード排 ガスはMCFCの特性 から二 酸化炭 素と 水 蒸 気 で 希 釈 さ れ た 低 発 熱 量 燃 料 を 燃 焼 さ せ る た め 触 媒 燃 焼 方 式 が 採 用 さ れ て い る 。   触媒燃 焼は低 公害燃 焼法として、脱臭装置やガスタービンに利用されつっある。通常の触媒燃 焼技術 は空気 過剰率 が10以上 の条件 で使用 され、ま た、触 媒出口 温度に よルガス濃度を制御す れぱよく、性能はSV値(Space Velocity)で決定される。一方、プレートリフオーマーでは低発熱量 アノード排ガスを使用するため、空気過剰率は2以下の条件で使用される。また、内部で吸熱・発 熱反 応が 複雑に 影響Lあ ってい るため 、触媒 燃焼の基 礎的知 見を明 らかに する必 要性が ある。

  本研究では、プレートリフオーマーの性能予測を行い、プロセス設計に寄与するため、プレートリ フオーマーの解析技術を構築することを目的ど尹る。そのために、まず、白金細線触媒を対象とし 二酸化 炭素で 希釈さ れた水 素の触媒 燃焼に おいて 熱伝達 と物質 伝達の アナロジーが成立するこ とを明 らかに した。 また、その触媒燃焼の基礎的特性を流れの明らかな平板触媒燃焼器で確認す ると共 に、充 填層触 媒反応 器である 溶融炭 酸塩型 燃料電 池用リ フオー マーの熱的設計技術開発 に必要な反応、熱およぴ物質移動に関する研究を行った。

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  その知見を利用してりフオーマーの解析技術を構築し、性能予測を実施し、実験と比較すること で、 解析技 術の妥 当性を 実証した 。そして、実際に60kW級プレートリフオーマーの性能予測を行 い、また、プロセスシミュレーターと連携させ、大型の燃料電池プラントの運転条件を決定し、40k Wプラント、250kWプラントの設計、製作に適用した。

  本 論 文 は 全 7章 で 構 成 さ れ て お り 、 各 章 の 概 要 は 以 下 の と お り で あ る 。   第1章の 緒 言にお いて、本 研究の 目的お よび対 象とな る溶融 炭酸塩 型燃料 電池発電 システ ム およ びりフ オーマ ーの概 要につい て述べると共に、燃料電池に要求される特性を示し、本研究の 課題を明示した。

  第2章 では白 金細線 触媒を 対象と し、触 媒燃焼 に関する 基礎的知見を得ることを目的に水素を 燃料 とし、 直径の 異なる 白金細線 を用いた実験的研究を行い、平行して熱伝達と物質伝達のアナ ロジーを仮定した理論的研究を行い、両者の比較を行った。これにより、温度とガス濃度の違いに より 触媒燃 焼は拡 散律遠 領域と反 応律遠 領域か らなり 、拡散 律遠領 域でも 触媒表面温度が空気 過剰 率に比 例する 酸素過 剰の領域 と温度 が空気 過剰率 にほと んど依 存しな い水素過剰の領域が 存在 するこ とを明 らかと した。触 媒表面が酸素過剰状態から水素過剰状態への遷移は濃度、触媒 径に よらず、水素と酸素の拡散係数の比から求めることができ、空気過剰率が2.4とほば一定であ ることを見出した。また、熱伝達と物質伝達のアナロジーを仮定した理論計算により白金細線触媒 の表面温度を非常に良く予測できることを明らかにした。

  第3章 では第2章で明 らかと なった 基礎的 特性を 流れの 明らかな 平板触 媒燃焼 器で確認した。

二次 元平行 吸熱面 間に触 媒平板を 置いた 燃焼器 を対象 とし、 水素、 二酸化 炭素を主成分とする 低発 熱量ガ スを触 媒燃焼 させた場 合の数 値計算 を行っ た。空気過剰率が2.4より小さぃ場合、触 媒平 板温度 分布に 酸素拡 散律遠か ら水素拡散律速への遷移に伴う折れ曲がり点(ニック)が現れ ることをはじめて明らかにした。

  第4章 ではプレートリフオーマーで使用される球触媒を充填した燃焼器を対象として、水素、二 酸化 炭素を 主成分 とする 低発熱量 ガスを 触媒燃 焼させ た場合 の数値 計算を 行い、触媒球温度、

水素 の燃焼 率につ いて検 討を行っ た。それにより、燃焼室内の触媒球表面上が水素過濃な領域と 酸素過濃な領域が存在すること、空気過剰率が大きくなると触媒球最高温度は高くなり、水素の燃 焼 が 完 結 す る 距 離 は 短 く な る こ と な ど 充 填 層 触 媒 燃 焼 器 の 特 性 を 明 ら か に し た 。   第5章 はプレートリフオーマーの性能を予測できる解析技術を構築するため、メタンを改質する 改質 室、ア ノード 排ガス を供給す る燃料 分散室 と燃焼 室の3室から構成される燃料電池用並行流 分散 燃焼式 プレー トリフ オーマー を対象とし、充填層での触媒反応と対流ふく射伝熱を組み合わ せ、 反応に は熱伝 達と物 質伝達の アナロジーを仮定した数値解析を行った。また、lOkW級リフオ ー マ ー 試 験 結 果 と 比 較 し 、 本 性 能 予 測 技 術 が 実 用 で き る こ と 証 明 さ れ た 。   第6章は 燃 料電池 システム の効率 向上の ため、 燃料電 池の燃 料利用 率を70% から85% に大き くし、リフオーマーで熱量不足を補うためカソード排ガスの熱量を使用できる対向流型リフオーマー を設計し、第5章で確認した性能予測技術によルリフオーマーの性能を予測し、プロセスシミュレー ター とを連 携させ 、各負 荷時の燃 料電池 発電シ ステム の運転条件を求め、250kWプラント用プレ ートリフオーマーの設計、製作に適用した。

  第7章は結論であり、本研究で得られた結果を総括した。

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学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

     溶融炭酸塩型燃料電池用

プレートリフオーマーにおける水素の触媒燃焼

  大型 の 火 力 発電 所 代 替 とし て 期 待 され て い る 天然 ガ ス 改 質溶 融 炭 酸 塩型 燃 料電池MCFC発 電シ ステム の開発 では電 池本体のみならず、リフオーマーにおける高負荷応答性、低発熱量ガス 燃焼 など高 度な機 能が要 求される。天然ガス改質MCFC用のりフオーマーとして採用されているプ レートリフオーマーでは、アノード排ガスは二酸化炭素と水蒸気で希釈された低発熱量燃料を燃焼 させ るため 触媒燃 焼方式 が採用 されてい る。し かし通 常の触 媒燃焼 技術は空気過剰率が10以上 の条件で使用されるが、プレートリフオーマーでは、空気過剰率は2以下の条件で使用され、また、

内部で吸熱・発熱反応が複雑に影響しあっているため開発課題が多い。

  本論文は、プレートリフオーマーの反応、熱および物質移動に関する解析技術を構築することを 目的 として いる。 そのた めに、まず水素の触媒燃焼において熱伝達と物質伝達のアナロジーが成 立す ること を明ら かにし た上、その触媒燃焼の基礎的特性を流れの明らかな平板触媒燃焼器で確 認す ると共 に、触 媒反応 器であ る溶融炭 酸塩型 燃料電 池用リ フオー マーの熱的設計技術開発に 必要 な反応 、熱お よび物 質移動に関するアナロジーを仮定した数値解析技術を完成させている。

  これを利用して実機の性能予測を行い、プロセスシミュレーターと連携させ大型の燃料電池プラ ントの運転条件を決定し、プラントの設計、製作に適用したものである。本論文は以下のようにまと められる。

1.水素 を燃料 とし、 直径の 異なる 白金細線 を用い た実験的研究、および熱伝達と物質伝達のア   ナロジ ーを仮 定した 理論的 研究を行い、両者の比較を行った。これにより、触媒燃焼は拡散律   遠 領 域 と反 応 律 遠 領域 か ら な り、 拡散律 遠領域 でも触 媒表面 温度が 空気過 剰率に比 例する   水素過 剰の領 域と温 度が空 気過剰 率にほ とんど依 存しな い酸素 過剰の 領域が 存在することを   明らか にした 。触媒 表面が 酸素過剰状態から水素過剰状態への遷移は濃度、触媒径によらず、

  水素と 酸素の 拡散係 数の比 から求 めるこ とができ 、空気過剰率が2.4とほば一定であることを     見出している。また、熱伝達と物質伝達のアナロジーを仮定した理論計算により触媒の表面温     ‑ 188―

彦 登

獻 一

   

藤 藤

本 沼

工 宮

授 授

授 授

教 教

教 教

査 査

査 査

主 副

副 副

(4)

  度を精度よく予測できることを明らかにした。

2. 二 次元 平 行 吸 熱面間 に触媒 平板を 置いた燃 焼器を 対象と し、水 素、二 酸化炭 素を主 成分と     する 低発熱 量ガスを 触媒燃 焼させ た場合 の数値 計算を 行ない、空気過剰率が2.4より小さい     場 合、 触 媒 平 板温 度 分 布 に酸 素 拡 散 律遠か ら水素 拡散律 遠への 遷移に伴 う温度 勾配が 急     変する点(ニック)が現れることをはじめて明らかにした。

3.プレ ートリ フオーマーで使用される球触媒を充填した燃焼器を対象として、水素、二酸化炭素     を主 成分と する低発 熱量ガ スを触 媒燃焼 させた 場合の 数値計 算を行 い、触媒 球温度、水素     の燃 焼率に ついて検 討を行 った。 それにより、燃焼室内の触媒球表面上が水素過濃な領域と     酸素過濃な領域が存在すること、空気過剰率が大きくなると触媒球最高温度は高くなり、水素     の 燃焼 が 完 結 する 距 離 は 短く な る こ とな ど 充 填 層触 媒 燃 焼 器の 特 性 を 明ら か に し た。

4.プレートリフオーマーの性能を予測できる解析技術を構築するため、メタンを改質する改質室、

    アノ ード排 ガスを供 給する 燃料分 散室と 燃焼室 の3室か ら構成される燃料電池用分散燃焼式     プレートリフオーマーを対象とし、充填層での触媒反応と対流ふく射伝熱を組み合わせ、熱伝     達と 物質伝 達のアナ ロジー を仮定 した数値解析を行った。また、10kW級リフオーマー試験結     果と比較し、本性能予測技術の有用性を証明している。

5.燃料 電池シ ステム の効率 向上の ため、 燃料電 池の燃料 利用率 を70%から85%に大きくし、リ     フオーマーで熱量不足を補うためカソード排ガスの熱量を使用できる対向流型リフオーマーを     設計し、構築した性能予測技術によルリフオーマーの性能を予測し、プロセスシミュレーターと     連携 させ、 各負荷時 の燃料 電池発 電シス テムの 運転条 件を求め、250kWプラント用プレート     リフオーマーの設計、製作に適用した。

  こ れを要 するに 、著者は、天然ガス改質溶融炭酸塩型燃料電池のプレートリフオーマーにおい て 反応、 熱および 物質移動に関する解析技術を構築し、大型燃料電池プラント実機の設計技術に 関して新知見を得たものであり、熱エネルギー工学および燃焼工学に貢献するところ大なるものが あ る 。 よっ て 著 者 は、 北海道大 学博士 (工学 )の学 位を授 与され る資格 あるも のと認め る。

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参照

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