477 - - 一般演題 ポスター(日本語)
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(2) 臨床神経学. Pj-01-7 ○水谷 湯浅. 第 60 巻別冊(2020)60:S372. Trousseau症候群における第Xa因子阻害薬を用いた 脳梗塞予防についての検討. 佳祐、斎藤祐太郎、荒川いつみ、小栗 浩之. 卓也、加藤. 秀紀、. ○佐藤. 公立陶生病院 神経内科. Pj-01-9. 愛徒、安田. 勉、新井. 国立国際医療研究センター病院 神経内科. 憲俊、竹内. 【目的】D-dimerはフィブリンの代謝産物で,その上昇は血栓形成に伴う線溶系の 亢進を反映する.脳梗塞において,D-dimer < 0.96 µg/mLをカットオフポイント と設定した場合に,オッズ比 2.2 で心原性脳塞栓症の診断に寄与することから, D-dimerは機序分類に有用とされる.一方で,脊髄梗塞におけるD-dimerの位置付 けは明らかではなく,本研究ではその検討を目的とした. 【方法】 2011年~2019年 に当院で急性期脊髄梗塞と診断した症例につき,発症機序,検査所見を後方視的 に検討した. 【結果】急性期脊髄梗塞は19例であり,血管外科的手術後に発症した9 例を除外した.検討した10例の平均年齢は71.3±7.8歳であり,男女比は6:4であっ た.このうち,大動脈解離と同時に発症したのは4例であり,平均年齢は64.0±6.1 歳と有意に若く,全て男性であった.4例全てで発症時のD-dimerは高値(2.6, 4.9, 18.3, 93.5 µg/mL)であった.そのほかに,1例で心房細動を認め,D-dimerは 2.7 µg/mL と高値であった.残り5例では,明らかな原因を特定できず,D-dimerは2 例で正常(< 1.0 µg/mL),残りは各々 1.2, 3.3, 4.0 µg/mL であった. 【考察】 大動脈 解離または心房細動が原因と考えられる症例では,全例でD-dimerが上昇してい た.大動脈解離や心房細動を見出すことは,脊髄梗塞の治療方針を決定する上で 重要である.D-dimerが高値の場合には,これらの原因を積極的に精査すべきと 考えられる.. 一般 演 題. Pj-02-1 1. ポスター( 日 本 語 ). 3. 昌弥、成川. 孝一、及川. 崇紀. 【目的】DWI-FLAIR mismatchは脳梗塞発症時刻の推定に用いられ, mismatchが ある場合は発症時刻不明での超急性期梗塞患者におけるt-PA治療の適応が考慮 されるようになった. DWI-FLAIR mismatchの詳細な画像的検討・解析を行っ た報告は少なく, 当院の急性期脳梗塞症例を用いて定量的画像評価も含め検討を 行った. 【方法】 当院での2016年4月から2019年10月までの期間で当院に搬送された 急性期脳梗塞患者のうち, 最終健常確認時刻もしくは発症時刻から12時間以内に MRI撮像を行った前方循環の主幹動脈閉塞を伴う患者35名を後方視的に解析し た.目視でDWI-FLAIR mismatchをあり, なしで分類した. 更にFLAIR高信号を 認める群では軽度高信号と明らかな高信号を認める群で分類し, 梗塞巣に対し関 心領域(ROI)をおいて定量的評価を行った. 【結果】DWI-FLAIR mismatchを認め た群は15名, 認めない群は20名であった. FLAIR高信号を呈した群のうち, 軽度 高信号であった群が14名, 明らかな高信号が認められた群が6名であった. 病側 /正常側のROI比を測定し, FLAIR高信号なしの群では平均1.05(0.67-1.14) , 軽度 高信号の群では1.19(1.11-1.38), 高信号明らかの群では1.27(1.05-1.44)の結果が得 られた. Mismatchあり(FLAIR高信号なし)の患者群では事前に撮影したCTでの ASPECTS 6点以下が9人認められた.【結論】DWI-FLAIR mismatchは目視での定 性的評価を臨床上要するが, 軽度高信号である場合は主観的な判断が困難になり, 個人での読影能力に左右されうる. 定性的にROI比での評価を行い, 臨床での参考 となりうるかを判断したところ有用であることが示唆された.. ○安田 千春1、大崎 正登1、賣豆紀智美1、多々良 幸1、横井 新田 朋彦1、春山 裕典2、山口 慎也2、佐山 徹郎2、荒川. 壯介. 1 2. 製鉄記念八幡病院 脳血管内科・神経内科、 製鉄記念八幡病院 脳血管内科・神経内科. 彩乃3、. 2. 亀田総合病院 脳神経内科、 安房地域医療センター 脳神経内科、 安房地域医療センター 総合診療科、4 安房地域医療センター 救急科. 【目的】 千葉県安房医療圏の脳血管障害について調査した.【方法】 2019年4月1日か ら9月30日の6カ月間に当院に入院した脳血管障害連続症例を対象とした. NINDSⅢの局所性脳機能障害に基づいて臨床分類し, 分類群ごとの年齢, 性別, 危険因子 (心房細動, 高血圧症, 高脂血症, および糖尿病)の有無, 発症から来院までの時間, 病院までの距離, 入院時の症状, 画像所見, 治療法, および転帰などを後方視的に 調査し, 分類群間で比較検討した.【結果】 登録症例は80例であった. 女性41例, 男 性39例, 年齢中央値は79歳(45-98歳)であった. 臨床分類の内訳は, 一過性脳虚血発 作(TIA)2例, 脳出血(CH)5例, くも膜下出血(SAH)3例, および脳梗塞(CI)70例 であった. 脳梗塞の臨床病型は, アテローム血栓性脳梗塞22例, 心原性脳塞栓症18 例, ラクナ梗塞19例, およびその他の脳梗塞11例であった. 危険因子は, 心房細動21 例, 高血圧症56例, 高脂血症19例, および糖尿病19例で認められた. 発症から来院ま での時間は平均35時間(0-244時間),病院までの距離は平均9.0km(0-21km) , 死亡率 は11.2%であった. 院内発症例を除外した77例での救急車利用率は62%であった. 各 分類群の年齢中央値/退院時Barthel Index平均値は, TIA 70歳/100, CH 84歳/26, SAH 59歳/0, CI 79歳/55(アテローム血栓性脳梗塞78歳/55, 心原性脳塞栓症87 歳/36, ラクナ梗塞72歳/73, およびその他の脳梗塞77歳/55)であった.【結論】 病院 までの距離が遠いが, それ以上に来院までの時間が非常に長いことも特徴であっ た. 分類群間の比較では, 年齢は有意にSAHが若年であり, 心原性脳塞栓症が高齢 であった. 機能予後に関しては, ラクナ梗塞が有意に良好な傾向を示した. 地域の 特性を理解した上で, 住民に脳血管障害に関する啓発を行っていくことが重要と 考えた. 今後も症例の集積し, 地域の脳血管障害医療に貢献したい.. 美央1、 修治1. 【背景・目的】 塞栓源不明脳塞栓症(ESUS)では、二次予防の選択に悩むことが少な い。今回、当院における塞栓性脳梗塞患者において、梗塞パターンと塞栓源や抗 血栓薬との関連を調べた。 【方法】2015年1月から2019年1月までの4年間に当院に 入院した急性期脳梗塞患者連続645例のうち、中大脳動脈(MCA)領域の塞栓性脳 梗塞患者285例を対象とした。梗塞パターンをⅠ群:MCA全域、Ⅱ群:M2領域、 Ⅲ群:MCA分枝領域、Ⅳ群:皮質下に分類し、塞栓源(心原性[CE] 、アテローム 血栓性塞栓[A to A] 、ESUS、その他[複数原因等] )および抗血栓療法との関連を 検討した。 【結果】 285例(年齢78±11歳、男性53%)の梗塞パターンは、Ⅰ群36例、 Ⅱ群25例、Ⅲ群85例、Ⅳ群139例であった。CEの頻度はⅠ群→Ⅳ群ほど低下し (88, 72, 47, 19 %) 、A to A(0, 4, 15, 19 %)とESUS(8, 20, 31, 44 %)の頻度は上昇した。 CEの25%に大動脈弓部複合粥腫病変が合併していたが、二次予防では梗塞巣パ ターンに関係なくCEの大半に抗凝固薬が選択されていた。ESUSの約4割に大動 脈弓部複合粥腫病変を認め、その約7割が抗血小板剤単剤であった。 【結論】 塞栓 性脳梗塞では梗塞巣パターンにより塞栓源の特徴がみられた。梗塞サイズが小さ くなるについれてCEの割合は減少するものの、Ⅲ群のパターンでもその割合はA to Aの3倍である。一方で3群のESUSに対しては、その多くに大動脈病変を認 めることから抗血小板剤単剤が選択されていることが多かった。しかし、CEにも 大動脈病変を認めることがあるため、特に3群のESUSの症例においては、大動 脈病変の有無だけで二次予防を決定するのは注意が必要でると思われた。. Pj-02-2. 安房医療圏における脳血管障害について. ○新垣 慶人1,3、中嶋 秀樹2、難波 雄亮3、藤江 聡4、濱井 相田 雅司3、曾木 美佐3、福武 敏夫1、平田 秀爾2. 遼佑、豊嶋. Pj-01-10 塞栓性脳梗塞における病巣パターンの特徴. 脊髄梗塞の機序分類におけるD-dimer値の有用性. 一登、原. 当院における急性期脳梗塞患者のDWI-FLAIR mismatchの解析. 石巻赤十字病院 神経内科. 【目的】Trousseau症候群において、第Xa因子阻害薬による脳梗塞再発予防の効 果に関しては一定した見解は出ていない。今回我々は第Xa因子阻害薬を用いた Trousseau症候群における脳梗塞の再発予防に関する検討を行った。 【方法】 2018 年~2020年の間に当院で入院加療を行ったTrousseau症候群による脳梗塞のうち、 深部静脈血栓症を合併していた3症例を対象に検討を行った。いずれも心房細動 は指摘されず、再発予防にはエドキサバンを使用した。 【結果】 【症例1】 60代男性、 stageⅣの膵臓癌に対し、X年11月から化学療法を施行。X+1年5月から腫瘍マー カーが上昇し、9月からADLの低下に伴い化学療法を中止。同年12月にめまいを 主訴に多発梗塞で入院。 【症例2】60代女性、stageⅢの肺癌に対してY年4月から化 学療法を施行。腫瘍は縮小傾向だったがY年5月に多発梗塞による意識障害で入院。 【症例3】 60代男性、右上下肢の麻痺を主訴とする脳梗塞のため入院。入院後の精 査でstageⅣの胃癌が発覚したため化学療法などの治療は施行されず。いずれの症 例も入院時のD-dimerは20μg/ml以上の高値を示していた。症例1・症例3はエド キサバン内服開始後7日程度までD-dimerは低下傾向となり内服2時間後の血中の 抗Xa活性も上昇を認めたが、その後は内服2時間後の血中の抗Xa活性は上昇せず、 同時にD-dimerも上昇傾向に転じた。症例2においてはエドキサバン内服後に抗Xa 活性は上昇せず、D-dimerは常に上昇傾向であった。症例3については、フォロー の撮像において脳梗塞の再発を認めていた。 【結論】Trousseau症候群に伴う脳梗塞 の症例において、第Xa因子阻害薬は凝固異常を抑制できる可能性がある。また悪 性腫瘍による全身状態の悪化に伴い脳梗塞発症予防は困難となるが血中の抗Xa活 性は過延長せず、第Xa因子阻害薬の使用に伴う出血のリスクは従来考えられてい たより低い可能性があると考えられた。. ○勝瀬. Pj-01-8. 新宮医療圏を中心とした急性期脳梗塞症例の現状. ○丹羽麻也子、樽谷. 潤子、檜皮谷泰寛. 新宮市立医療センター 脳神経内科. 【目的】 当病院は紀南地域の拠点病院として、新宮医療圏だけでなく隣接する他医 療圏の脳卒中患者を受け入れており、広範な医療圏に加え地方の高齢化問題によ る患者増加が懸念される。また2018年に血栓回収療法の適応期間が延長され 適応患者の増加も見込まれるが、当院では血栓回収療法は施行できず適応例は他 院に搬送している。より適切な急性期脳梗塞治療の実践のため、当科での急性期 脳梗塞症例の現状と特徴を把握する必要があると考え、最近1年間の入院患者につ いて検討した。 【方法】2018年10月1日から2019年9月30日まで当科 に入院した脳梗塞症例のうち非典型例2例を除いた120例について、発生場所 や居住条件、既往歴を調べ、発生場所から当院までの到着時間(以下到着時間と 表記) やNIHSS、入院期間や退院時mRSへの関連性を後方視的に検討した。 【結果】 患者背景は男性61名、女性59名で、新宮医療圏内患者91名、圏外患者29名、 居住条件は独居31名、同居78名、施設入所10名、その他1名だった。病型 はアテローム血栓性66例、心原性23例、ラクナ梗塞20例、TIA 11例だった。 tPA施行は6例であったが、ICAやM 1閉塞はなく血栓回収療法の適応はなかっ た。到着時間は医療圏内より外で有意に短く、居住条件や既往歴では有意差はな かった。NIHSSは医療圏内・外では有意差はなく、居住条件では施設>独居>同居 と有意差を認め、心房細動の既往歴では有>無と有意差を認めた。入院期間や退 院時mRSは心原性で有意に上昇を認めた。 【結論】 到着時間は医療圏内>外と有意 差を認めたが、圏外からの救急搬送は超急性期の判別がある程度されているが圏 内では脳梗塞を疑う症例はほぼすべて受け入れているためと考える。居住条件は 到着時間に影響しなかったが、同居に比べ独居でNIHSSが高く今後高齢化進行で 独居老人が増加しNIHSSがさらに上昇する可能性がある。. - 478 -.
(3) 臨床神経学. Pj-02-3 ○岸谷 福永. 第 60 巻別冊(2020)60:S373. 京都市内の脳卒中一基幹病院における,脳梗塞発症時 住居別の疫学的特徴. 融、濱中 大幹、西井. 正嗣、山田 陽亮、永金. 京都第二赤十字病院 脳神経内科. 丈弘、田中瑛次郎、沼 義成. 宗一郎、. ○久保. Pj-02-5. 一過性全健忘症の臨床像の特徴:自験 79 例の検討から 邦尚、新美 芳樹、林 洸一、長尾龍之介、前田 泰彰、島 さゆり、植田 宏久. 和孝、坂野 文彦、 利樹、村手健一郎、 晃広、伊藤 信二、. 【目的】一過性全健忘(TGA: Transient Global Amnesia)は突然に発症する前向性健 忘と逆行性健忘を呈する症候群で、中年以降で発症率が高いとされており、救急の現 場でよくみられる疾患である。その病態は未だ解明されていないが、季節性や発生し やすい時間帯があるとされているほか、その発症に、片頭痛、てんかん、脳血管障害 といった病態の関与が考えられている。今回我々は当院における連続症例の横断的評 価を行い、TGAの症候について多数例での検討を行った。 【方法】2008年1月から2019 年7月の期間において、当院に受診し、Hodgesの診断基準をみたしたTGAの連続79 例を対象に、その臨床的特徴について後方視的に検討した。 【結果】症例の平均年齢 は63.2±7.3歳、中央値は62歳であった。各世代別では40歳台2例、50歳台23例,60歳 台36例,70歳台17例,80歳台1例であった。男女比は38対41と差はなかった。発生時 期は、春夏秋冬それぞれ、16、20、22、21例で春には少ない傾向があったが季節間 に有意差は認められなかった。発生時間は特定できなかった16例を除き、未明~明け 方(0~6時)2例、朝~昼前(6~12時)24例、昼過ぎ~夕方(12~18時)21例、夜(18~24時) 16 例と日中の発生が多かった。危険因子として、高血圧、脂質異常、糖尿病、喫煙 歴のいずれかを64例で認め、心理的負荷の先行は19例で認められた。片頭痛の既往は 2例のみであった。嘔気、咳、発汗、動機などの体制感覚や自律神経に関する誘因を 24例で認めた。また、14例では意識障害や記憶障害の既往、またはTGAの再発が認 められた。 【結論】TGAは、60歳代をピークとし、若年と高齢は減少するという脳梗 塞とは異なる年齢分布を認めた。性差はなく午前中の発症が多かった。発症に明確な 季節性はなかった。血管障害の危険因子をもつ例が多く、片頭痛の既往を持つ例は少 なかった。引き続き症例を蓄積し、TGAの病態のさらな理解が必要と考える。. 脳梗塞後てんかんにおける重積発症例の画像的特徴. 1. 剛典1、仁平. 敦子1、溝渕. 萌、藤井. 裕樹、北村. 健. 【目的】 branch atheromatous desease(BAD) は治療開始後も進行することがあり、 予後も不良であることが多い。特に高齢者では発症前に比べ著しいADLの低下を 余儀なくされることもある。本研究では高齢のBAD患者において症状進行と転帰 に関連する因子を検討した。 【方法】2017年10月から2019年9月までに当院脳神経内 科へ入院しbranch atheromatous deseaseと診断された75歳以上の急性期脳梗塞患 者を対象とした。入院後のNIHSS1点以上の増悪を症状悪化群とし、退院時独歩不 能(mRS4以上)の患者を転帰不良群として関連する因子について検討した。なお、 発症前より独歩不能である患者、tPA静注療法を施行した患者は除外した。 【結果】 対象患者は31例で平均年齢84±5.7歳、男性13例(41.9%)だった。テント上BAD患 者は23例で症状悪化群は4例(17.4%) 、転帰不良群は11例(47.8%)だった。テント 下BADは8例で症状悪化群は2例(25.0%) 、転帰良好群は4例(50.0%)だった。全例 でアルガトロバンと抗血小板薬が投与され、エダラボンも腎機能不良例を除いて 全例に投与されていた。単変量解析では、テント上BAD患者において症状悪化 と有意に関連する因子は認めなかった。転帰不良とは急性期スタチン内服(56.3% vs. 100% , p=0.036)と入院時NIHSS(中央値 6 vs. 3, p=0.009)が有意に関連して いた。しかし、多変量解析では急性期スタチン内服は有意な関連を認めず、入院 時NIHSSのみ有意な関連を認めた(オッズ比3.80、95%信頼区間1.07-13.40) 。テン ト下BADではいずれの因子も単変量解析で症状悪化や転帰不良と有意な関連を認 めなかった。 【結論】高齢者におけるBADの症状進行や転機と関連する因子は明ら かでなかった。高齢者では種々の身体疾患や認知症などによりリハビリを十分に 行えず進行した症状を回復させることが困難であることが多い。発症予防ととも に症状進行抑制も重要であり、今後もさらなる検討が必要である。. Pj-02-6. 心房細動アブレーション治療後に出現するembolic microbleedsの検討. 雅広1、. 中村記念病院 脳神経内科、2 中村記念病院 放射線科. 1. 三重大学大学院神経病態内科学、2 三重県基幹型認知症疾患医療センター、 三重大学認知症医療学講座、4 三重大学大学院循環器・腎臓内科学、 5 三重大学放射線診断科、6 三重大学先進画像診断学講座 3. 【目的】 頸動脈ステント留置術(CAS)後1-2割の患者で皮質小梗塞が認められ、そ の一部は微小出血に移行する(Ito AO, J Stroke Cerebrovasc Dis. 2019)。本研究 では心房細動アブレーション治療後に生じる皮質微小梗塞(Cortical microinfarct; CMI)の自然歴を調べ、微小出血への移行(embolic microbleeds; MBs)の割合と 分布を明らかにする。 【方法】当院循環器内科で平成29年8月~平成30年9月にアブ レーションを行った心房細動患者に対して、頭部MRIを術直後と6か月後に撮像 した。患者は72名(68.3±9.4歳;男性52名)である。撮像は3Tesla MRI、高感度 三重大プロトコールで行い、DWI、3D-FLAIR、3D-double inversion recovery (3D-DIR) 、3D-T1WI、susceptibility-weighted imaging(SWI)の各画像を比較し た。 【結果】 術直後、慢性期とも全例で神経学的異常は認めなかった。病変総数の 評価では、CMIは術直後DIRで284個認め、慢性期DIRで14個(5%)が遺残した。一 方、MBsは術直後SWIで573個を認めたが、慢性期にはこれらに加え97個が出現 し総数670個となった。新規97 MBsのうち63個(65%)の局在は、術直後DWIで微 小梗塞が観察された部位に正確に一致した。 【結論】 アブレーション後CMIの9割以 上は慢性期に消失する。一方、一部は術直後CMIの分布に対応しembolic MBsに 移行すると考えられる。. Pj-02-8 1. 伸昭1、黒田 康志2、和泉. 一駿1、宮本 唯信1. 健志2、島田. 健司2、. 徳島大学病院 神経内科、2 徳島大学病院 脳神経外科. 【目的】MRIのArterial spin labeling(ASL)法は頚部で磁化させた血液を内因性 のトレーサーとして脳還流画像を得る。血栓回収術後のASL Hyperperfusion (ASL-H)は術後出血と関連する報告もあるが, その評価は一定ではない。有効 再開通後のASL-Hがみられる症例について予後や関連因子の検討をおこなった。 【方法】 2014年から2018年にかけて当院で血栓回収術を施行し, TICI 2b以上の有 効再開通が得られた前方循環系の閉塞例のうち, 再開通後24時間以内にASL画像 を撮像した45症例を対象とした。臨床背景や治療内容, 予後についてASL-Hと非 ASL-Hの2群間で解析した。ASL-Hの定義は再還流域とその周囲のASL高信号と し, 判断に迷う場合は当該領域に円形の関心領域を設定し, 値が対側より30 %以上 上昇するものとした。 【結果】 ASL-Hは45例中26例(57.8 %)でみられた。ASL-H群 は年齢が若く(72.7 ± 11.1 vs. 80.1 ± 7.3) , 心房細動既往が少なかった(7/26, 31.3 % vs. 13/19, 86.7 %) 。診断時MRIでsusceptibility vessel sign(SVS)の頻度が少 なかった(9/26, 34.6 % vs. 13/19, 68.4 %) 。最終の脳梗塞病型や閉塞血管, 再開通 までの時間に有意差はなく, 3ヶ月後mRS 0-2の割合や出血性梗塞の頻度にも有意 差はなかった。 【結論】有効再開通例に限定した今回の研究では血栓回収術後の ASL-Hは予後や術後出血との関連はみられなかった。ASL-H群はより若年で, 心 房細動既往やSVS所見が少なかった。. - 479 -. ポスター( 日 本 語 ). 【目的】脳梗塞の後遺症としてのてんかんは3~12%にみられ、有病率から考えると まれな病態ではない。また、高齢発症のてんかん重積状態(Status Epilepticus: SE)の頻度は高く、SEの原因は脳卒中の頻度が高い。当院における脳梗塞後て んかん症例を調査しSE発症例の画像的特徴を検討した。 【方法】2012年1月1日から 2017年12月31日までの6年間に入院した脳梗塞後てんかん92例のうち当院で脳梗 塞急性期治療を行った45例(男性26例、女性19例、年齢31~96歳、平均74.7歳)を 対象とした。脳梗塞後初回のてんかん発作による入院時にSEと判断されたSE群 22例と非SE群23例について脳梗塞の画像所見(脳梗塞の局在、脳梗塞の大きさ、 出血性梗塞の有無、微小脳出血の有無、主要血管閉塞の有無)について後方視的 に検討を行った。 【結果】画像所見では、全体として44例(SE群21例、非SE群23例) が皮質病変を有していたが、SE群では側頭葉皮質病変が有意に少なかった(SE群 8例、非SE群19例、p<0.01)。梗塞の大きさは、全体として41例(SE群18例、非SE 群23例)に3㎝を超える梗塞巣が認められたが、両群で有意な差は認めなかった。 出血性梗塞は全体として33例(SE群15例、非SE群18例)に認められたが、両群で 有意な差を認めなかった。微小脳出血は全体として8例(SE群4例、非SE群4例)に 認められたが、両群で有意な差を認めなかった。主要血管閉塞は全体で7例に認 められたが、SE群で有意に少なかった(SE群0例、非SE群7例、p<0.01)。 【結論】 脳梗塞後てんかんにおけるSEの発症因子として、側頭葉皮質が保たれていること、 主要血管閉塞がないことが挙げられた。脳梗塞急性期における血管再開通が、SE の発症に関連していることが示唆された。. MRI-ASL法を用いた血栓回収術後過還流についての検討. ○山本 雄貴1、山本 兼松 康久2、髙木. 一般 演 題. Pj-02-7. 智司、竹中. ○平田 佳寛1、加藤奈津子1,3、村賀香奈子1、新堂 晃大1、松浦 慶太1、 伊井裕一郎1、志賀真理子2、田部井賢一3、佐藤 正之2,3、藤田 聡4、 香川 芳彦4、藤井英太郎4、伊藤 正明4、海野 真記5、前田 正幸5,6、 冨本 秀和1,2. 藤田医科大学病院 脳神経内科学. ○中原 岩平1、瀬尾 祥1、阿部 佐光 一也1、尾野 英俊2. 高齢者におけるbranchatheromatousdeseaseの 症状進行と転帰に関連する因子の検討. 中国労災病院 脳神経内科. 【目的】超高齢社会,少子化に伴い独居や高齢2人暮らし世帯は増加しており,脳卒 中診療に与える影響も少なくない.住形態によって,脳梗塞患者の発症形態,臨 床経過に特徴がみられるかを明らかにすると共に,独居が同居世帯と比較し不利 であるかを検討する.【方法】対象は,2018年4月から2019年3月までに入院した発症7 日以内の脳梗塞338例(男性192例,女性146例).1年以内の再発例,旅行者例は除 外した.住形態は,独居,配偶者と2人,複数同居,親か子のどちらかと2人,施 設入所に分類し,各々を,発症時間帯,来院までの時間,初診時NIHSS,入院前 後のmRS(ΔmRS),退院場所,にて評価した.【結果】独居79例,年齢(中央値)77 (35-99)歳,配偶者101例,77(46-95),複数110例,77(46-94),親子23例,81(51101) ,施設25例,89(74-97)であった.全体では,発症時間は日勤帯42.0%,夜勤 帯48.8%,不明9.2%であり,来院時間は,発症4.5時間以内が36.1%,24時間以内 が43.2%,24時間以上が20.1%であった.退院場所は,自宅51.5%,回復期リハビ リ転院35.8%,施設・療養型9.2%,死去2.7%であった.住形態別では,発症時間 帯不明は,親子で17.4%と最も多かった.来院まで4.5時間以内は,親子で21.7% と最も少なく,24時間以上は独居が27.8%と最も多かった.初診時NIHSS(中央 値)は,独居が4,他の同居は全て2,施設が9であった.ΔmRSの平均は,独居1.69 ±1.53,配偶者1.39±1.52,複数1.51±1.57,親子1.05±1.59,施設0.96±1.31であっ た.自宅退院は独居が46.8%と最も少なかった.同居間では,配偶者との同居に比 べて(43.6%),複数・親子は超急性期治療を受けられる割合が少なかった(32.7%, 21.7%). 【結論】独居は,来院までの時間が長く,初診時の重症度が高く,自宅退 院も少ない傾向である点で不利と考えられる.また同居間では,配偶者との同居 が超急性期治療を受けやすい傾向にある.. ○廣田 政古、加藤 東 篤宏、菊池 石川 等真、水谷 武藤多津郎、渡辺. Pj-02-4.
(4) 臨床神経学. Pj-02-9. 第 60 巻別冊(2020)60:S374. Pj-02-10 可逆性脳血管攣縮症候群の診断に対するArterial. 頭蓋内大血管閉塞症例における,brightvessel appearanceの意義 1,2. 1. 1. 1. spinlabelingMRIの有用性の検討. 1. ○山本 良央 、大瀧 浩之 、菅原恵梨子 、奈良 典子 、天野 悠、 工藤 洋祐1、岸本 真雄2、甘利 和光2、中居 康展2、田中 章景1,3、 1 城倉 健 1. 横浜市立脳卒中・神経脊椎センター 脳神経内科、 2 横浜市立脳卒中・神経脊椎センター 脳神経血管内治療科、 3 横浜市立大学 脳神経内科. ○高吉. EmergentLargeVesselOcclusionScreenは神経 疾患のオンコール体制に使用できるか. 宏幸、田原. 奈生、岩佐. 島根県立中央病院 神経内科. 憲一、青山. 一般 演 題. Pj-03-3 1. ポスター( 日 本 語 ). 2. 後方循環系主幹動脈閉塞の緊急再開通治療における時間短縮. 悟1、尾原 未知1、幸原. 信行1、今村 伸夫1. 神戸市立医療センター中央市民病院 神戸市立医療センター中央市民病院. 博敏2、黒田. 健仁1、坂井. 1 2. 信幸2、. 【目的】可逆性脳血管攣縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome: RCVS)で特徴的な脳血管の攣縮所見は、90%の症例は頭痛が出現してから平均7.9日 後の初回のMRIで、10%の症例では平均13.6日後の2回目のMRIで指摘できたという 報告がある。早期からの治療介入が予後を左右することがあり、早期診断の重要性 は極めて大きい。経頭蓋エコーなど様々な方法で早期診断に向けた研究がある中、 Arterial spin labeling(ASL)MRIの使用についても報告がみられる。ASLは造影 剤を必要とせずに非侵襲的に脳血流を評価する方法で、様々な疾患で有用性が示さ れ広く使用されているが、RCVSに対する有用性についての検討は不十分である。 本研究では早期からASLの評価を行った5例のRCVS患者について、ASLのRCVS早 期診断への有用性について検討した。 【方法】2019年1月から2019年11月までの期間で 当院と関連施設へ入院したRCVS患者のうち、発症初期から経時的にASLを施行し 得た5症例について、ASLの血流低下所見とMR Angiographyの血管攣縮所見につ いて、その出現時期と経過を後方視的に検討した。 【結果】症例は全例女性で平均年 齢48歳(35-56歳)で、脳表のくも膜下出血を2例、可逆性後頭葉白質脳症を4例で認 めた。ASLについては、全症例で発症早期から血流低下所見を認め、特に2症例で は血管攣縮が明らかではない時期からASLでの血流低下を認めた。また経時的変化 としては、血管の拡張に伴いASLでの血流の低下所見は改善を認めた。ASLの問題 点としては、定量性が低いことや、カラースケールの不安定性などが挙がり、血流 低下の評価は左右間や頭葉間で相対的に行う必要があるという点が判明した。 【結 論】RCVSの早期診断において、ASLの血流低下所見は有用であることが示唆された。. Pj-03-2. 1. 塞栓源不明の脳塞栓症におけるDVTスクリーニング としての超音波検査の積極的導入 敦史1、. 京都第一赤十字病院、2 京都第二赤十字病院. Pj-03-4. 脳梗塞急性期における早期の栄養投与とその経過. ○茅本 道子1、中井 聖子1、金尾 安達 麻美3、中川 浩一4 2 3. 【背景・目的】後方循環領域の主幹動脈閉塞(posterior LVO, pLVO)における緊急再 開通治療の有効性はまだ示されていないが、今後適応拡大が期待される領域であ る。その場合前方循環LVO(aLVO)と同様に治療開始までの時間短縮の重要性が 高まるものと思われるが、現在用いられる搬送時スケールや時間短縮の方法は主 にaLVOを想定しており、pLVO診療における時間短縮に関するエビデンスは少な い。当院のpLVO症例を後方視的に調査し、現状と今後の課題について検討した。 【方法】 2015年4月から2019年3月に治療したpLVO症例の診療時間経過を調べ、時 間短縮のために必要になる因子について検討した。 【結果】 pLVO26例を抽出、う ち閉塞血管はBA 22例、VA 3例、PCA(P1)1例、病型ではCE 14例、ATBI 6例、 ESUS 6例。D2P timeの中央値は78分(IQR 50-100)でaLVO症例(43分, IQR 32-60) と比較して有意に長かった(p<0.01)。BA閉塞22例を検討すると18例は急性意識障 害で発見されたが、ホットラインを介して搬送され脳卒中医が初療から接触でき た症例は5例にとどまった。それ以外の13例は意識障害として搬送され脳卒中医接 触までに時間を要したが、後方視的にみると眼位異常(共同偏移、斜偏移、正中 固定) 、瞳孔異常所見(瞳孔不同、散瞳)、Babinski徴候のうちいずれかを呈してい た症例が11例であった。またpLVO症例19例では発症早期の来院であってもCTA に加えMRIを撮影し適応判断していたこともaLVOに比して時間が伸びた要因で あった。 【結語】pLVO症例の多くは意識障害で発症するが、眼位や瞳孔所見を詳細 に観察することで、現場でより迅速にpLVOを疑える可能性がある。またpLVOの 治療適応判断のための画像評価法の確立も今後の時間短縮に重要であると考えら れた。. 和眞1、山本. 【目的】当科では2017年7月より塞栓源不明の脳塞栓症(ESUS)例に対して,深部静脈 血栓症(DVT)のスクリーニング目的にて下肢静脈の超音波検査(下肢静脈エコー) を原則全例で実施する方針を導入した(USDVT方針).同時にDVTの診断時には肺 血栓塞栓症とESUS再発の予防目的にてエドキサバン(EDX)を開始することとし た.ESUS例に対するUSDVT方針の導入前後での実臨床における変化を明らかに する【方法】2015年4月から2019年10月までの当科入院ESUS連続例を対象.対象を USDVT方針導入前(Pre群)と導入後(Post群)の2群に分け,背景因子と検査結果, 治療,予後を比較した【結果】対象は250例であり,Pre群は128例(男性64例,年齢 中央値74歳,入院時NIHSS中央値3点),Post群は122例(男性68例,年齢中央値76 歳,入院時NIHSS中央値3点)であった.Pre群/Post群にて,下肢静脈エコーは68 例(53%)/95例(78%)で実施され,DVTは13例(10%)/17例(14%)で発見され,Post 群で下肢静脈エコー実施率とDVT発見率が上昇していた.悪性腫瘍併存25/23例, D-dimer中央値1.35/1.04μg/ml,BNP中央値57.9/51.1pg/ml,心臓エコー左房径中 央値36/36mmであり,両群に差はなかった.再開通治療40/35例,抗凝固薬30例 (23%)/26(21%)例,抗血小板薬89/90例,抗血栓薬なし9/5例で両群に差はなかった が,抗凝固薬の内訳はEDX7例(5%)/13例(11%),ワーファリン15例(12%)/4例(3%), ヘパリン皮下注(HEP)6例(5%)/9例(7%),その他2例(2%)/0例であり,Post群で EDX使用例が多かった.退院時NIHSS1/1点,退院後の脳梗塞再発20(16%)/12(10%) 例,頭蓋内出血0/2例であり,Post群で脳梗塞再発が少なかった【結論】ESUS例に対 するUSDVT方針導入後は下肢静脈エコー実施率とDVT発見率,EDX使用率が上昇 し,退院後の脳梗塞再発率が低下していた.ESUS例の再発予防法が未確立の現状 において,USDVT方針導入は再発率低減策の一つになりうる.. 1. 脳神経内科、 脳神経外科. 太郎1、三浦 敏靖1、 浩之4、山田健太郎1. 名古屋市立東部医療センター脳神経内科、 名古屋市立東部医療センター放射線科、3 帝京大学医学部放射線科学講座、 公立陶生病院脳神経内科. ○加藤 拓真1、今井 啓輔1、徳田 直輝1、傳 猪奥 徹也1、上田 凌大1、濱中 正嗣2. 淳夫. 【目的】 当院の神経内科及び脳神経外科はオンコール体制となっており、特に急性 期脳梗塞における診断から治療までに要する時間や専門医対応までの時短が課題 であった。救急隊及び当院の医師、看護師、検査科などに対してEmergent Large Vessel Occlusion(ELVO)screenを広く周知し、搬送前から来院まででELVO陽 性と判明した時点で神経内科及び脳神経外科をコールする約束とした。当院にお けるELVO screenの有用性について検討した。 【方法】 2019年3月1日から2019年9 月30日までに当院を受診したELVO陽性患者を対象に病名や画像検査までに要し た時間、閉塞血管や再開通療法の有無、退院時modified rankin scale(mRS)など について検討した。 【結果】ELVO screen陽性で搬送された方は73人、31.5%は市 外から搬送され全員が入院加療を必要とした。平均年齢78.1歳(38~98歳)、男性 45人(61.6%)、女性28人(38.4%)であった。脳梗塞が42人(57.5%)、脳出血が20人 (27.4%)、てんかんが7人(9.6%)、代謝性脳症が2人(2.7%)であった。来院から頭 部CT撮影までは全体で10分、脳梗塞で9分、来院から頭部MRI撮影までは全体で 26分、脳梗塞で24分であった。脳梗塞では主幹動脈閉塞が29人(69.0%)に見られ、 末梢の閉塞を含めると35人(83.3%)に認めた。血栓溶解療法は13人(31.0%) 、血栓 回収療法は16人(38.1%)、併用が8人(19.0%)で施行された。脳梗塞患者の退院時 mRS 0~2は31.0%、死亡は7.1%であった。 【結論】ELVO screen陽性の9割以上は 神経疾患でありt-PAや血栓回収療法可能な搬送先選定に役立ち、神経疾患のオン コール理由としても理に適うと考えられる。. ○藤原 川本. ○加納 裕也 、中村 宜隆1、谷口 葉子1、北村 武藤 昌裕2、櫻井 圭太3、戌亥 章平3、湯浅 4. 【目的】当院では急性期脳梗塞に対する血行再建の適応判定をMRIで行っているため, 超急性期からASL画像も撮像している.近年ASL画像において,閉塞血管が高信号を 呈する現象(bright vessel appearance:BVA)が報告されているが,超急性期患者に おけるBVAの出現機序や臨床的意義についてはまだ十分検討されていない.【方法】 2019年4月~10月の間に,発症から24時間以内に来院し,頭蓋内大血管閉塞の診断の 基に血行再建術が行われた連続18例の急性期脳梗塞を対象とした.来院時のMRIで, ASL画像のBVAと,同様に血管閉塞を示唆するT2*強調画像のsusceptibility vessel sign(SVS)およびFLAIR画像のintra-arterial sign(IAS)の出現率を比較した.さらに BVAの有無と患者背景や病型,治療経過との関連も評価した.【結果】BVAは18例中 11例(61.1%)に認められた.一方,SVSは55.6%,IASは83.3%に認められた.頭蓋内大 血管閉塞でBVA,SVS,IASが全て陰性であった例はなかった.BVA陽性群は陰性群 と比較し,年齢が高い傾向(80.8±9.6対72.3±6.2歳,P=0.06)を認めたが,性別,発症 前mRS,来院時NIHSS,脳血管リスク(高血圧,脂質異常症,糖尿病,心房細動,喫煙), 抗血栓薬服用率に差はなかった.病型はBVA陽性群の1例のみ血栓性で,他の17例は すべて塞栓症であった.BVAの有無と血栓回収デバイスのpass回数やTICI 2b以上の 有効再開通率,出血性合併症や塞栓性合併症発症率との関連は認めなかったが,ガイ ディング留置から再開通までの時間はBVA陽性群で短い傾向(31.7±32.5対33.4±12.6 分,P=0.07)があった.【結論】BVA出現率は高くはなく,単独では特定の臨床的意義 を持つには至らない可能性が高いため,SVSやIASと組み合わせた評価が必要である.. Pj-03-1. 1. 淳子1、田口. 誠子2、宗田. 史江3、. 脳神経センター大田記念病院 診療技術部 薬剤課、 脳神経センター大田記念病院 診療技術部 栄養課、 脳神経センター大田記念病院 看護部、4 脳神経センター大田記念病院. 外科. 【目的】 脳梗塞をはじめとする脳卒中発症後、意識障害や嚥下機能低下により絶食 となりがちである。しかし栄養の分野では早期の栄養療法開始が推奨されている。 そこで当院での絶食期間とそれに伴う結果について調査した。 【方法】 2016年4月 から2017年3月までの1年間に入院した脳卒中患者1230名のうち脳梗塞にて入院の 849名、入院後の絶食期間と重症度(NIHSS) 、入院期間などを調査した。 【結果】入 院後退院まで絶食していた患者と入院期間が短いTIAは除き、データ抽出できた 脳梗塞患者560例、NIHSS4点以下の軽症例(368例)では絶食期間が12時間以内は 307例 (83.4%) 、12~24時間以内は56例 (15.2%) 、24時間以降は5例 (1.4%) であった。 入院期間を比べると絶食期間が絶食期間が12時間以内のものは平均15.06日、12時 間以降では平均18.87日と有意差が見られた。一方NIHSS5以上の重症例(192例)で は絶食期間が12時間以内は99例(51.6%) 、12~24時間以内は72例(37.5%)、24時間 以降は21例(10.9%)であった。入院期間を比べると絶食期間が絶食期間が12時間 以内のものは平均18.62日、12時間以降では平均19.89日と有意差は見られなかった。 なお、入院時と退院時での栄養状態の変化は絶食期間での影響なかった。 【考察】 脳卒中患者の殆どは入院するまでは栄養が摂取出来、消化管も使える状態である。 絶食期間を短くすることで早期に栄養が充足され、入院期間の短縮に繋がったと 考えられる。栄養摂取にトラブルがある症例は全てNSTで介入していることから、 長期絶食であろうと栄養療法の介入体制が出来、退院時も入院とほぼ変わらない 栄養状態で退院・転院できていることが証明できたと思われる。. - 480 -.
(5) 臨床神経学. Pj-03-5 ○津田. 第 60 巻別冊(2020)60:S375. 増悪因子に着目した前大脳動脈解離による脳梗塞症例の検討. 幸元、津田麻友美、小阪. 国立病院機構熊本医療センター. 崇幸、天野. 【目的】本邦において、前大脳動脈解離は脳梗塞の比較的稀な原因とされてきたが、 近年、その報告数は増加傾向にある。しかしながら、椎骨脳底動脈解離と比較し て、その臨床的特徴や増悪因子などについては未だ不明な点が多い。当院で経験 した前大脳動脈解離による脳梗塞症例の特徴についてまとめ、増悪因子について 検討する。 【方法】2013年1月以降に当院脳神経内科で診断した前大脳動脈解離4例 について、患者背景、病歴、身体所見、入院後経過、画像所見をまとめ、症状増 悪例、症状非増悪例に分けて相違点を比較検討した。 【結果】症例数は4例 (男性2例、 女性2例)、年齢は41-62歳であった。発症時のエピソードとして、頭痛が先行した 症例が2例、頭痛を伴わなかった症例が2例であった。リスクとしては、高血圧症 3例、喫煙歴2例 (いずれも過去)、脂質異常症3例、糖尿病1例、脳梗塞の既往1例 (病 型未同定)であった。症状は下肢の単麻痺3例、片麻痺1例(中大脳動脈領域の梗塞 を合併)であり、入院時NIHSSは0-6点、退院時NIHSSは0-5点、退院時mRSは0-3 であった。4例中2例で入院後に神経巣症状の増悪を認めた。急性期の収縮期血圧 の変動は、症状の増悪を認めた2例でそれぞれ129-193mmHg(±64mmHg)、111162mmHg(±51mmHg)であったのに対して、症状の増悪を認めなかった2例でそ れぞれ130-162mmHg(±32mmHg)、111-155mmHg(±44mmHg)であった。 【結論】 当院で経験した前大脳動脈解離による脳梗塞の少数例の検討からは、経過中に神 経巣症状の増悪を認めた症例において、急性期の収縮期血圧の変動がより大きい 傾向を認めた。前大脳動脈解離の急性期の血圧管理に関しては、現時点で明確な 統一見解はないが、収縮期血圧の変動を抑えたコントロールが重要である可能性 がある。. Pj-03-7 ○松嶋 井上. 慢性腎臓病を有する脳梗塞患者における発作性心房細 動合併の予測因子. 茉莉、紺野 晋吾、木原 雅史、村田眞由美、杉本. 東邦大学医療センター大橋病院. 英雄、松本 英樹、藤岡. 美幸、今村 俊樹. Pj-03-6. 抗凝固療法中に発症した虚血性脳卒中症例の臨床的特徴. ○田中 聡人1、斎藤こずえ1、岩佐 山田 修一2、本山 靖2、中瀬. 朋子、幸崎弥之助. 1. 直毅1、泉 裕之2、杉江. 哲石1、高村 和馬1. 慶旭2、. 奈良県立医科大学 脳神経内科、2 奈良県立医科大学 脳神経外科. 【目的】 虚血性脳卒中に対する抗凝固療法として、直接経口抗凝固薬(DOAC)を選 択する機会が増える一方、DOAC内服下で虚血性脳卒中を発症する例にも遭遇す る。今回我々は、当院で抗凝固療法施行中に発症した虚血性脳卒中患者の特徴に ついて検討した。 【方法】2012年6月から2019年8月までに当院脳神経内科および脳 卒中センターへ入院した虚血性脳卒中症例で、退院時も含め経過中に経口抗凝固 薬を必要とした189例の背景や重症度を比較検討した。 【結果】全症例189例のうち、 発症前から抗凝固療法ありが71例(38%) 、発症前に抗凝固療法なし(非予防群)が 118例(62%)であった。抗凝固療法の内訳は、DOAC(DOAC群)が57例(80%) 、 ワルファリン(WF群)が14例(20%)であり、内服背景はDOAC群(心房細動49例、 下肢静脈血栓症5例、その他3例)で、WF群(心房細動13例、その他1例)であった。 投与量は、それぞれDOAC群(適正投与41例、不適正投与16例) 、WF群(INR適正 値3例、INR不適正値11例)であった。いずれの群においても発症年齢の中央値、 性別に有意差は見られなかった。一方で入院時NIHSSは、DOAC群が中央値3(040) 、WF群が12(0-23) 、非予防群が中央値8(0-35) であり、DOAC群では非予防群 に対してNIHSSが低かった。 【結論】抗凝固療法適応の虚血性脳卒中患者のうち、 約1/3が抗凝固療法中の患者であった。DOAC群では約1/4、WF群では約3/4が不 適正量投与下での発症であり適正な投与量が望まれる一方で、DOAC内服下であ れば軽症である可能性も示唆された。. Pj-03-8. 取り下げ演題. 友美、. 【背景】 我々は第60回本学会学術集会において、CKDステージ1及び2の脳梗塞患者 で入院後に発作性心房細動(Paf)が判明する予測因子として、NT-proBNPの上昇 を報告した。しかしNT-proBNPはその殆どが腎臓からの濾過排泄され代謝される ため腎機能の影響を受けることが知られている。 【目的】今回は、慢性腎臓病 (CKD) を有する脳梗塞患者でのPaf合併を予測する因子について検討した。 【方法】対象は 入院加療をした脳梗塞患者で、その後1年間以上の観察が可能であった連続285例。 診療録を基に後方視的に、入院時Afが無くCKDステージ3~5、かつ不整脈歴や抗 不整脈薬の内服歴の無い患者を非Paf群とPaf群に分け、背景因子、臨床検査、心 臓超音波検査所見を両群間で比較した。 【結果】非Paf群は63名、Paf群は10名。両 群間で年齢(77.0 vs. 75.0歳)、性別、CKDステージの分布(3:4:5) (80:4.8:14.3 vs.70:20:10%) 、eGFR(45.2 vs. 52.3 ml/分/1.73m2)、嗜好品、生活習慣病歴(高 血圧、高脂血症、糖尿病)、脳梗塞既往歴には差がなかった。血液検査データでは D-Dimer及びNT-proBNPにも差がなかった(1.10 vs. 2.00μg/mL, 693 vs.1182 pg/ mL)。心臓超音波検査では左房径が大きかった(37.0 vs. 42.5 cm、p=0.04) 。単変 量ロジステック回帰分析では左房径のみが有意であった(オッズ比1.11、95%CI 1.00-1.24、p=0.04) 。またPaf合併予測のカットオフ値は47.0 cmであり、ROC曲線 下面積 0.69、95%信頼区間 0.48 - 0.89であった。 【考察】CKDを有する脳梗塞患者で もPaf合併者はNT-proBNPが高値であったが、腎機能に依存した個人差が大きく 有意ではなかった。一方で心左房径の拡大はこれらの患者でもPaf合併の予測因子 となると考えられ、入院早期に心臓超音波検査を行うことが脳梗塞の病型の即し た急性期治療や二次予防薬選択に繋がると考えられた。. AdaptiveStatisticaliterativeReconstructionを使 用した脳梗塞の血栓評価. 1 4. 朋浩2、川端. 雄一3、齋藤. 拓也3、矢澤由加子3、. 伊那中央病院 脳神経内科、2 広南病院 放射線部、3 広南病院 脳血管内科、 岩手医科大学 内科学講座 神経内科・老年科分野 / 脳卒中センター. 【背景】Adaptive Statistical iterative Reconstruction(ASiR)は従来の再構成法に比 べノイズ低減、密度分解能向上、被ばく低減効果が得られる逐次近似再構成を使用し た、GE社のCTの画像再構法である。これにより元来、頭部CTでは脳実質の評価困 難であったMaximum intensity projection(MIP)の画質が向上した。 【目的】急性期脳 梗塞における頭部単純CTからASiRを使用してMIP画像を合成し(ASiR+MIP CT)閉 塞血管の血栓を評価する。 【対象】2018年4月から2019年9月の間に血栓回収を行った93 例中、心原性脳塞栓症と確定診断した57例のうち、ASiRが可能なデータが現存する のは19例であった。前医での造影剤使用により血管内の造影効果があり判別が困難 でった3例、頭蓋骨により血栓のproximal端の判別が困難であった5例を除外し、最 終的に11例を対象とした。 【方法】通常撮像のCT、ASiR+MIP CT、治療前と治療経 過で得られたDSAから、それぞれの画像での血栓のproximal端、distal端、閉塞部位 遠位の血管の視認性、またそれぞれの画像での血栓の位置が一致するかを評価した。 脳卒中に関わる診療経験5年以上の脳神経内科医2名と脳神経外科医1名が評価を行 い、2名以上の一致した意見を採用した。 【結果】閉塞血管における血栓の存在有無判 定に関しては、通常撮像のCTで5/11例、ASiR+MIP CTで全例が確認できた。治療 経過で得られたDSAとASiR+MIP CTとの血栓の相同性の評価では一致が6例、ほぼ 一致しているが5例であった。治療前のDSAでは血栓のdistal端は2/11例で確認され るのみであったが、ASiR+MIP CTでは9/11例でdistal端を確認できた。また血栓以 遠の血管走行は、治療前のDSAでは5/11例、ASiR+MIP CTでは10/11例であった。 【結 論】ASiR+MIP CTは通常の単純CTと比較して閉塞血管における血栓有無をより高い 感度で検出し得る。また、ASiR+MIP CTでは遠位の血管走行も確認可能である。. 諒、森原. 隆太、山下. 岡山大学病院 神経内科. 徹、阿部. 康二. 【目的】 Sigma-1受容体(Sig-1R)は小胞体膜に局在する膜貫通型タンパク質である。 Sig-1Rは小胞体膜の中でもミトコンドリアとの接触領域に豊富に存在し、シャペ ロン活性を示すとともに小胞体ストレス、ミトコンドリアストレス、酸化ストレ スにも関与して細胞障害へのプロセスを抑制することで知られている。かねてか らSi g-1Rアゴニストは急性期脳梗塞治療薬として注目されており、様々な動物モ デルにおいてその効果が確認されているが、現時点においてヒトへの臨床効果が 認められた薬剤はない。今回我々は新規Sig-1Rアゴニスト(Comp-AD)を開発し、 急性期脳梗塞動物モデルに投与してその治療効果を検討した。 【方法】10-11週齢オ スC57BL/6Jマウ スに90分の一過性脳虚血を負荷し、vehicle群とComp-AD群に 分け、再灌流時に生食あるいはComp-ADを静注にて投与した。再灌流3時間後、1 日後、7日後に断頭し脳を摘出した。さらにSig-1RアンタゴニストであるNE-100 をComp-AD投与30分前に投与して再灌流1日後に評価を行った。 【結果】 Comp-AD 群は、運動機能評価のうちcorner test にて再灌流7日後に改善を認めるとともに、 脳梗塞体積も再灌流7日後に有意な減少を認めた。免疫組織学的検討ではCompAD群にてSig-1R発現が上昇しており、小胞体ストレスマーカーであるp-PERK とp-IRE1αの発現が低下していた。一方Comp-AD+NE-100投与群においては、 Comp-ADによる脳梗塞体積縮小傾向が認められなかった。 【結論】急性期脳梗塞モ デルマウスにおいて新規Sig-1Rアゴニスト投与による運動機能改善と脳梗塞体積 減少が認められ、その機序としてSig-1R発現上昇と小胞体ストレス低下が関与し ている可能性が示唆された。. - 481 -. ポスター( 日 本 語 ). ○小林 優也1、千葉 板橋 亮4. Pj-03-10 新規Sigma-1 受容体刺激薬による急性期脳梗塞治療効果 ○佐々木. 一般 演 題. Pj-03-9.
(6) 臨床神経学. Pj-04-1 1. 人工知能を用いた立方体模写によるアルツハイマー型 認知症の判別の試み 宏1,2、阪田麻友美1、伊東. ○石口. 第 60 巻別冊(2020)60:S376. 秀文1. 和歌山県立医科大学病院 脳神経内科、2 新宮市立医療センター 脳神経内科. 【目的】近年高齢化に伴い認知機能障害患者の増加が社会問題となっており効率的 な認知症診断が求められている。今回、認知症外来患者に対して施行した立方体 模写検査の画像を機械学習(人工知能)により解析しアルツハイマー型認知症患 者(AD)の判別分析を行い診断支援に役立つかを検討した。 【方法】対象は認知症 外来に2013年4月から2016年3月の間に受診した444名のうち、立方体模写画像が 利用可能であった138名(男 51名, 女 87名)。それぞれに詳細な問診、診察を行い MMSE、HDS-R、時計描画、立方体模写を行い必要に応じて血液検査や画像検 査を行い診断基準に従い98名(男 38名, 女 60名)のADおよび40名(男 13, 女 27)の 健常者(Control)と診断し機械学習の教師データおよびモデル評価用データとし て利用した。機械学習ではまず対象全例138例からランダムに110例を選び、立 方体模写検査の画像を用い教師付き訓練学習を行った。その学習結果を用いて残 りの28例を評価用としてADとControlの判別分析を行い実際の診断と比較検討し た。機械学習および判別分析にはNeural Network Console®を用い分析方法とし てはConvolutional Neural Network(CNN)法で検討した。 【結果】 機械学習を実 行しさらに分析モデルの最適化を行い最終的にはAD判別の感度は0.8、特異度は 0.875、正解率は0.821、精度は0.941、F値は0.865であった。 【結論】今回、ADおよ びControlの判別を実際に患者が描いた立方体模写検査の画像を機械学習で解析す ることにより試みた。機械学習の解析方法を最適化することにより感度、特異度、 正解率、精度、F値とも良好な結果が得られた。今後さらに症例数を増やすなど 改善、検討が必要であるが効率的な認知症診療において有効な手段になりうると 考えられた。. Pj-04-3 ○笠原. 認知症患者における、脳アミロイド蓄積と脳虚血性変 化との関連についての定量的解析. 浩生、池田. 将樹、池田. 群馬大学大学院医学系研究科. 佳生. 一般 演 題. ○津本. ○近藤. アルツハイマー型認知症におけるNameFluency Test改訂版の試用. 正樹、梅原. 睦美、水野. 京都府立医科大学大学院神経内科学. Pj-04-4. 当院での非健忘型アルツハイマー病と健忘型アルツハ イマー病の比較検討. 法道、上野亜佐子、井川. 福井大学医学部附属病院 脳神経内科. 記憶障害優位型と視空間認知障害優位型を示す初老期 発症アルツハイマー型認知症の比較. JCHO 東京高輪病院 脳神経内科. ポスター( 日 本 語 ). 【目的】 初老期発症アルツハイマー型認知症は高齢発症型に対して視空間認知障害 が目立つことが指摘されている.今回我々は記憶障害優位型と視空間認知障害優 位型の初老期発症アルツハイマー型認知症を比較し,その特徴を検討した. 【方 法】初老期発症アルツハイマー型認知症16例の検討を行った.視空間認知障害優 位型を3例(18%)認め,全例が初診時神経心理検査の模写でclosing-in現象を認め た. 【結果】記憶障害優位型13例の推定発症年齢60.5±5.5歳(女性 62%),初診時年 齢62.7±6.1歳,平均診療期間3.5±2.2年(転機で施設入所30%),神経心理検査は初 診時MMSE 24.2±2.5,HDS-R 22.3±4.4,MoCA-J 20.5±3.1.また頭部単純MRIで VSRAD advance VOI z score 2.01±1.34だった.一方,視空間認知障害型3例の 推定発症年齢56.7±0.6(女性0%),初診時年齢59.0±1.0で平均診療期間5.3±2.9年 (転 機で施設入所33%) .初診時MMSE 21.0±5.3,HDS-R 20.7±6.4,MoCA-J 15.0±4.4. VSRAD advance VOI z score 0.99±0.72だった.発症年齢と初診時年齢,初診時 MoCA-J,VSRAD advance VOI z scoreでp<0.05の統計的有意差を認めた. 【結論】 初老期発症アルツハイマー型認知症では視空間認知障害優位型が記憶障害型より も発症(または異常の指摘)が早く,早期受診につながり,頭部MRIで海馬傍回の 萎縮が目立たないものの,MoCA-Jで異常を指摘できる可能性があると考えた.. 正道、山村. 修、濱野. 忠則. 【目的】 Alzheimer病(AD)は,病理学的にタウ蛋白(Tau)からなる神経原線維変化 とアミロイドβ(Aβ)からなる老人斑の2つの変化を特徴とする.進行性の認知症 を呈する疾患であるADは大脳皮質,海馬,前脳底部で神経細胞死,シナプス減 少がおこる.ADの主要症状は緩徐進行性の記憶障害(健忘型AD)が典型的だが, 非典型例として言語障害,視空間機能障害,遂行機能障害が前景に立ち,ロゴぺニッ ク型失語 (Logopenic progressive aphasia:LPA),後部大脳皮質萎縮症(Posterior cortical atrophy:PCA)で発症する非健忘型ADも存在する.当院で臨床診断し た非健忘型AD患者の神経心理検査,髄液検査(total-Tau,phosphorylated-Tau,Aβ 40,Aβ42) ,ApoE蛋白(表現型) ,頭部MRI,脳血流(IMP) -SPECT,アミロイドPET検査 を行い,健忘型ADと比較検討を行った.【方法】 10人の健忘型AD患者(男性4人,女性 6人) ,3人の非健忘型AD患者(男性1人,女性2人)を対象とした.髄液中のTau,Aβは EIA法(INNOTEST)を用いて測定した.血清中のApoE蛋白はイムノブロッティン グ法を用いて測定した.発症時の平均年齢は67.3±12.1歳でした.LPA患者1人,PCA 患者2人でした.【結果】 非健忘型AD患者における髄液t-Tauは395~475 pg/mL(基 準値 <450) ,p-Tauは51.9~62.2 pg/mL(基準値 <50) ,Aβ42は366~522 pg/mL(基 準値 >500) ,Aβ42/Aβ40比は0.061~0.083(基準値 >0.07) ,t-Tau/Aβ42比は0.76~ 1.32,p-Tau/Aβ42比は0.12~0.14であった.LPA患者は脳血流(IMP) -SPECTで前頭 葉・後部帯状回の血流低下をみとめ,アミロイド沈着はとくに前頭葉にみとめられ た.PCA患者は脳血流(IMP) -SPECTで後頭葉・後部帯状回の血流低下をみとめ,ア ミロイド沈着は健忘型ADと差はなかった.【結論】非健忘型ADはアミロイドPET 陰性例が多いとの報告があるが,当院では少数例ではあるが全例陽性であった.また 髄液検査では健忘型と非健忘型の鑑別にt-Tau/Aβ42比,p-Tau/Aβ42比が役立つ 可能性があった.. Pj-04-6 ○佐藤 1. 学. 敏樹. 【目的】アルツハイマー型認知症 (AD) 患者では, 「人の名前が出て来ない」という訴 えが認められるが,その病的意義はまだ十分解明されていない。我々は,人名を カテゴリーとした語流暢性検査としてName Fluency Test(NFT)を新たに作成 し,その特徴について以前に報告した。今回,NFTの検査内容を近親者の名前の 想起を評価できるように改訂し (NFT-R) , AD患者で試用した結果を報告する。 【方 法】AD患者15名(男性3名,女性12名,年齢75-90歳,中央値85,MMSE 9-26,中央 値20) でWord Fluency Test(WFT) ,NFT-Rを行った。WFTは動物をカテゴリー とし,NFT-Rは自由想起の人名(NFT1)と被検者の二親等以内の人名(NFT2)を1 分間に想起する語数を記録した。NFT2を二親等以内の人数で補正したNFT2rも 算定した。MMSEの総得点,WFT,NFT1,NFT2の各語数およびNFT2rの関係 をSpearmanの順位相関係数で解析した。 【結果】WFTは2-15(中央値9) ,NFT1は 0-15(6) ,NFT2は0-10(4) , NFT2rは0-1(0.45)であった。MMSEはWFT, NFT1, NFT2, NFT2rと正相関し,WFTはNFT1, NFT2, NFT2rと正相関し,NFT1と NFT2, NFT2rも正相関を認めた。年齢,教育歴との相関は認めなかった。 【結論】 名前の想起は全般的認知機能や一般的なカテゴリーの語想起と相関していた。改 訂した近親者の名前想起でも同様の相関を認めた。. ○白藤. 脳神経内科学. 【目的】アルツハイマー病(Alzheimer's disease: AD)患者における脳虚血性変化の 影響を調査するため,当院でPiB PETを施行した認知症患者について,PiB PET 所見と頭部MRI所見との関連を検討した. 【方法】 2011年から2017年にPiB PET を施行した78例を対象とし,一部の例ではAPOE遺伝子型も解析を行った.頭 部MRI所見は大脳白質病変(white matter lesions: WML)および血管周囲腔拡大 (enlarged perivascular spaces: EPVS)について視診でGrade分類を行い,さらに ImageJを用いてWMLの半定量的評価も行った.PiB PETは視診で陽性・陰性を 判別し,対象の一部では各皮質領域のSUVR(standardized uptake value ratio) 値の平均からmean cortical SUVR(mcSUVR)値を算出し半定量的評価を行った. mcSUVR値は皮質領域別に算出し,皮質領域間のPiB集積の比較を行った. 【結 果】 APOEε3ホモ接合者においては,PiB陽性患者は陰性患者に比べてWMLお よびEPVSの重症度が高かった.脳血管障害のリスク因子(vascular risk factors: VRFs)とMRI所見の関係についても評価を行ったが,MRI所見が重度の患者ほど, VRFsを有する頻度が高かった.臨床的にADと診断したPiB陽性患者のmcSUVR 値を算出し,WMLおよびEPVSの重症度と比較したところ,mcSUVR値とWML およびEPVSの重症度には負の相関を認めた.脳血管障害の危険因子の調整を伴 う重回帰分析でもmcSUVR値とWMLの重症度に関連を認め,さらに両者の関連 性は前頭葉皮質の関心領域で顕著であった. 【結論】AD患者ではmcSUVR値とMRI 上の脳虚血性変化の重症度に負の相関があり,AD患者では脳Aβ蓄積が比較的軽 度であっても,脳虚血性変化が重度であれば,臨床的に認知機能低下を来す可能 性が示唆された.また前頭葉皮質における脳Aβ蓄積が脳虚血性変化と強く関連 していると考えられた.. Pj-04-5. Pj-04-2. アルツハイマー病剖検脳のマイクロRNAプロファイル解析. 武文1、八木. 洋輔1、伊藤. 嘉憲1,2、横田. 東京医科歯科大学病院 神経内科、2 浴風会病院. 隆徳1. 【目的】 アルツハイマー病においてはマイクロRNA(miRNA)がその病態に関与し ていることが報告されており、血液や髄液を用いたmiRNAバイオマーカーにつ いての報告も多数ある。本研究では、それらアルツハイマー病バイオマーカーの 基礎となる脳組織のmiRNAプロファイルの網羅的解析を行った。 【方法】アルツ ハイマー病患者、他の認知症疾患患者および非認知症患者の剖検脳(凍結保存さ れた後頭葉組織, n=42)のmiRNAプロファイル解析を行った。Braak stage(BS) Ⅰ~Ⅱを対照群(n=19) 、BS Ⅲを早期アルツハイマー病群(n=5)、BS Ⅳ-Ⅵを アルツハイマー病群(n=18)と定義し、RNA抽出後に3D-Gene® Human miRNA Oligo chipでmiRNA発現解析を行った。 【結果】3群間で一元配置分散分析を行っ たところ、miR-A、miR-B、miR-Cの3種類のmiRNAの発現に有意差を認めた(p <0.05) 。Post-hoc検定では、miR-Cについて対照群とアルツハイマー病群の間で発 現の有意差を認めた(p =0.011)。 【結論】アルツハイマー病患者、他の認知症疾患 患者および非認知症患者の剖検脳を用いたmiRNAプロファイル解析を行い、対照 群とアルツハイマー病群の間で発現の異なるmiRNAの候補を見出した。. - 482 -.
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