序 文
長崎大学公開講座叢書 ・第13集 「地域福祉の推進」を刊行す る運 びにな りま した。
福祉の考 え方 は種々ですが、時代や国 ・地域 の経済、社会状況 な どの背景 に よって変わ ります。先進国 においては、地域福祉 あるいは社会福祉 は措置す る 福祉か らサー ビスす る福祉 に変わ って きてい ます。すなわち、「みてや る」とい う感覚か らサー ビスを利用す るものが 自ら選ぶ福祉 に変わったのです。利用す るものの需要 は多様化 していますので、サー ビスの種類 も種々の観点か ら創 り 出 し、福祉 のシステムの中に組 み込んでい く必要があ ります。 とくに、近年 に おける人 口の高齢化の進行、国民意識の多様化 と個性化、家族形態の変化、所 得水準の向上 な ど社会 の変化 に対応す ることが肝要です。 この ような状況か ら、
福祉 は保健、医療 との連携 の必要性 は当然の ことですが、 さらに地域 の文化、
スポーツ活動 な ど生活 の質 の向上 にも配慮す る必要性が生 まれてい ます。人生 80年時代 にふさわ しい福祉のシステムを創造す る時期 にきてい ます。 そのシス テムには公的な ものだ けでな く、民間活動の参画が よ り求 め られ るのです。
長崎県 は、古い歴史 ・文化 を誇 り、美 しい風土が ある反面、多数の離島、風 水害 の多発、海洋汚染 の進行、多 くの斜面都市、人 口の少子高齢化、原爆被災 地の存在 な どわが国が抱 える課題 を凝縮 したユニークな地域特性 をもっていま す。 この ような観点か らも、長崎県 は地域 の福祉 を学び、創造 してい くには極 めて適切 な対象 と言 えます。
本集 は、先進国における成熟 した社会での福祉のあ り方 を求 めて、地域 か ら の具体的提言 をまとめた ものであ ります。提言の背景 には福祉 の発展 の歴史が 含まれていることも読 み とって頂 きたい と思 います。
終わ りにあた り本書 を企画 された生涯学習教育研究セ ンター運営委員会 と執 筆者各位 に敬意 を表 します とともに、刊行 にご尽力下 さった財務省印刷局 に深
く感謝致 します。
平成13年 3月
長崎大学長 池 田 高 良