• 検索結果がありません。

序文(pdf)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "序文(pdf)"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

ii

序 文

序 文

自分がいつ健康であるかわかるとは思わない.病気かどうかしかわからない. 28 歳の事務職員,英国(Blaxter 1990 より) 健康とは,魂がより楽観的な状態にあり,いかなる困難にも屈服せず,何らか の妥協案を見いだそうとし・・・,またおそらくは,どんなに年をとっていても 社会から必要とされることです.

52 歳の看護師,モスクワ(Manning and Tikhonova 2009 より) ある日,私が目覚めると〔いつのまにか〕70 歳になっている,というふうに生 きてきたとするならば,それが健康・・・つまり,何事もない人生を送ってきた, ということなのでしょう. 女性,フランス(Herzlich 1973 より) 健康とは,何をするべきか,またそれをどのように行い,それにどう対処する べきかがわかる心の状態です. 54 歳の男性事務員,英国(Blaxter 2004 より) 私の健康は私のライフスタイルの反映です─ 真に健康であるためには,私は, 霊的,心的,感情的,そして身体的に健全でなければなりません.私は,完全な 健全さは神との調和によってのみ獲得できる,と考えます. 薬草療法家(Stainton Rogers 1991 より ) 健康とは何かだって.それはばかげた質問だ. 39 歳の運転手 (Blaxter 1990 より ) 健康とは何か.多くの研究で,この問いが普通の人たちになされてきた.彼ら の答えは,さまざまな国における調査研究から採られた上記の簡単な実例が示す ように,思慮深いものからそっけないものにまで及んでいる.常に健康について 考えている人たちはほとんどいないが,たいていの人にとって,健康は,少なく とも時々現れる,重要な主題である.「お元気ですか」という通常の挨拶は,医 学用語による答えを実際には期待していないかもしれないが,健康は日常生活で

(2)

iii

序 文 の会話において最もよく現れる主題のうちの1つである.同時に,健康と医療は, どんな社会においてもその社会組織の大きな部門であり,また,多くの資源と人 的労働力が,健康を増進し疾病を管理するためのシステムに使われている. われわれは「健康」とは何かについて知っていなければならない,ということ は明らかに思われるかもしれない.しかし,健康とは,諸個人が非常に異なる見 解をもつ何かであるだけでなく,数世紀の間ずっと際限のない理論化と論争をも たらしてきた概念でもある. 本書は,われわれが健康に関する思考において,現在つまり21 世紀の初めにお いてどこにいるのか,をまとめようとしたものである.力点が置かれているのは, 現代的な諸々の考え,および先の数世紀間におけるそれらの展開である.〔本書に おける〕歴史的アプローチは出発点であり,最近の〔科学技術の〕発達に関する 考察と健康概念の変化に関する思索が大きな焦点である.ここでは「西洋の科学 的医学」として知られているものに力点が置かれている.なぜなら,これは大多 数の先進的な社会が同意する体系であり,また,大多数の発展途上の社会が採用 する傾向のある体系だからである.しかし,それに力点を置くことは,他の非西 洋的な信念の体系を中傷すること,あるいは,諸々の「代替的な」考えが健康に ついての現代的な考えに取り込まれる仕方を無視することではない. 本書での重要な学問分野は,医療社会学である.しかし,他の学問─ 心理学, 生物科学,臨床医学,社会疫学,哲学,人類学,医学史,政策学,および政治学 ─ も寄与する.このことは,再び,健康についての考えがどれほど深くそれら の学問に埋め込まれているか,また,健康に関してどれほど多くの観点が与えら れうるか,を示す. 本書は,医療社会学全体の教科書として,あるいは通常,社会医学と呼ばれる ものに関するすべての精確な情報に対する批評として提示されているわけではな い.教科書というよりはむしろ健康観の概論書であり,それらの分野を学ぶ学生 だけでなく,特に医学,看護,および他の医療専門職の学生に対しても,健康の 社会的側面に関する刺激的な考え方を提供するであろう.本書は,医学に対する 現代の社会科学の格別な寄与を証明しようとしたものであり,また,諸研究への 言及は最小限にとどめたが,当該の主題に関するいくつかの最良の著作と最重要 な学者についてはすべて紹介してある.諸概念は統計学に還元されにくいので, 大部分の資料は量的というよりはむしろ質的である.主題は,できるかぎり,病 気ではなく健康に,また〔健康とはいっても〕ヘルスケア・システムではなく健康〔そ れ自体〕にした. この改訂版では,内容を最新のものにしただけでなく,身体に関するわれわれ の理解を根本的に変え,健康に再定義をもたらしている現在の科学技術の発達に

(3)

iv

序 文

iv

特に関連する新しい題材を採り入れた. 本書は,医療システムと,ヘルスケア専門職を研究するかその専門職として働 く人々とに対して,知的な関心の対象を提供するばかりでなく,実際的なかかわ りももつであろう.後ほど明らかになるように,健康を定義する仕方は,治療者 の業務と医療の組織化に常に影響を与え,また,国家の社会政策を決定する役割 を果たし続けている.健康の意味は,単純でもないし不変でもない.

参照

関連したドキュメント

「文字詞」の定義というわけにはゆかないとこ ろがあるわけである。いま,仮りに上記の如く

うのも、それは現物を直接に示すことによってしか説明できないタイプの概念である上に、その現物というのが、

大きな要因として働いていることが見えてくるように思われるので 1はじめに 大江健三郎とテクノロジー

  「教育とは,発達しつつある個人のなかに  主観的な文化を展開させようとする文化活動

「他の条文における骨折・脱臼の回復についてもこれに準ずる」とある

つの表が報告されているが︑その表題を示すと次のとおりである︒ 森秀雄 ︵北海道大学 ・当時︶によって発表されている ︒そこでは ︑五

本論文での分析は、叙述関係の Subject であれば、 Predicate に対して分配される ことが可能というものである。そして o

ぎり︑第三文の効力について疑問を唱えるものは見当たらないのは︑実質的には右のような理由によるものと思われ