長 崎 大学教 育学 部 社 会科学 論 叢 第59号 1‑16(2000)
住民参加型在宅福祉サービス活動の現状 と課題
‑ 自主的 な会員組織 に関す る調査研究 ‑ 秋 山 晴子 *・藤 田 昌子 **
TheAc t ua lSt a t ea ndPr o bl e mso fHomeHe l pSe r vi c e byCi t i z e nPa r t i c i pa t i o n:Ba s e donSur ve y
o fVo l unt a r yGr o ups
AkiyamaHarukoandFujitaAtsuko
Abstract
Thepurposeofthisstudyistocleartheactualstateandproblemsofhomehelp servicebycitizenparticipationthroughsurveyofvoluntarygroups.
Thefindingsofthisstudyareasfollows:
1)A lotofhomehelpersbycitizenparticipationcometoknow theactivitiesthrough
"member,""massmedia,''̀̀acquaintance"andparticipateintheactivitiesfrom their motives;"interestinwelfare,"̀̀self‑realization"and"securityoflife."
2)Mostofthem thinktheiractivitiesconnectwiththemakingcommunitytolivein comfortandtheiractivitiessupplementservicewhichadministrationcannotdealwith.
3)Theyregardtheactivitiesinitselfassubsistenceresourceforprotection,notintend todealwithneedsandriskthroughsubsistenceresourceformedbydepositinghoursin offeringserviceinthegroup.
4)Theyusetheservicebecausetheycanalwaysuseserviceandtheycanbecloseto eachotherandtheycanbehelpedkindly.
5)Someofthem considerthatserviceofferersareonanequalfootingwithserviceuser. 6)Itispossiblethattheactivitiesextendthroughfriendsparticipatingtheactivitiesfor
acertaintimeaftertheactivitiesbecomeoperation,butatnexttimethereareinstances wheretheactivitiesdonotextend. So,itisanimportantproblemhowtheydevelopthe activitiesatnexttime.
荏
*
長 崎大学 教 育学 部家庭 科 FacultyofEducation,NagasakiUniv.* * 奈 良女子 大学 大学 院生 GraduateStudent,NaraWomen'sUniv.
1.は じめ に
相互扶助体系は,少子化 ・核家族化 に よる経営単位 の変化,長寿化,地域社会 内結合の 弱体化 ,高齢社会の進展,家族観 の変化等 に よ り大 き く変化 してい る。 さ らに人 々のニー ズが多様化す る中で,多元的なサービスが必要 とな ってい る。 この ような背景の もと,住 民参加型在宅福祉サー ビス活動団体は急速 に増加 し,サー ビス内容やサー ビス提供量 は年 年拡大 してお り,公的サー ビスではカバーで きない生活者 の さまざまなニーズ を解決 す る ための活動 を展開 している。社会的 に も住民参加型在宅福祉サー ビス活動の重要性 は認め られ るようになって きてお り, この住民参加型在宅福祉サー ビス活動 について考察す る こ とは,今まで以上 に重要 な意味 を もってい る。
そ こで,本稿では,文献考察 と実態調査 に も とづ き,福 岡県下の住民参加型在宅福祉サー ビス活動 の現状 を把握 した うえで,今後 の課題 について探 るこ とを 目的 としてい る。
2.住民参加型在宅福祉 サー ビスに関する考察
住民参加型在宅福祉サービスの特徴,及び組織上 ,活動上の問題 について考察 を行 う。
1)住民参加型在宅福祉 サー ビス
住民参加型在宅福祉サー ビスは,昭和50年代後半 ごろか ら,東京や阪神地域な どの大都 市の近郊地域 を中心 に,利用者 ・提供者 が ともに会員 とな る会員制 を とり,低額のお金 を 介在 させ るシステムに よ り,その地域 の生活支援 を必要 とす る人へ,在宅福祉サー ビスを 提供 してい くとい う新 しいタイプの住民活動 として始 まった。 この活動 は,活動者 が援助 を必要 とす る利用者 へ在宅福祉 サー ビスを提供 し,双方 が地域 の課題 を共有 し解決 してい
くとい う意味 か ら 「住民参加型在宅福祉サー ビス」 と呼ばれ るようにな った。
「住民参加型在 宅福祉サー ビス (以下 「サー ビス」 とす る)」 とは,全国社会福祉協議 会の定義 に よる と(1)「地域住民の参 加 を基本 として,住民 自主組織 や市 区町村社 会福祉 協議会,生活協 同組 合,農業協 同組合,福祉 公社 ,社会福祉施設等が行 うサービスで,営 利 を 目的 とせず,住民相互の助 け合いを基調 として,有償 ・有料制 に よって行 う家事援助 , 介護 サー ビス (ホームヘルプサー ビス)を中心 とした在宅福祉サー ビス」であ るOそ して, この ようなサー ビス (活動) を行 う団体 を 「住民参加型在宅福祉サー ビス団体 (以下 「団 体」 とす る)」 とい う。 このサー ビスの特徴 は,第一 に,非営利性 を貫 いてい るこ と,第 二 に,サー ビスの利用者 が低額 な利用料 を払 い,活動者 は報酬 を受 け とる とい う形で金銭 を介在 させ る有償制 ・有料制 を とること (ただ し,活動時間を点数 として,預託 がで きる 場合 もあ る),第三 に,サー ビスの利用者 ・活動者 とも組織 の会員 とな る会員制度 を とる 場合が多 く,利用者 に も活動者 に もな りうる とい う双方 向性 を もつ ことであ る。会員制 を とるこ とによって,活動 の継続性 を確保 し,非営利組織 の欠点 をカバ ーす る とともに,双 方の立場 を共有 で きるので,活動 を住民相互の助 け合 い活動 として深化 させてゆ くこ とが で きる。
活動の運営形態 は,全国社会福祉協議会 に よる と,住民の 自主的 な会員組織 ,市区町村 社会福祉協議会,生活協 同組合,ワー カーズ コレクテ ィブ (サー ビス生産協 同組合 を含む), 農業協 同組合,福祉公社 ・事業団等 の行政関与型 ,社会福祉施設 ,フ ァミリーサー ビス ク
ラブ,その他(2)に分煩 されてい る.活動 団体数 (表 1)は,全 国社会福祉協議会 の調査 に よれば昭和62年 の調査 開始時点 か ら5年 間 で約3.3倍 に,10年 間 で約8.6倍 と急速 に増 加
住民参加型在宅福祉サービス活動の現状と課題 3 してい る。なかで も,住民の 自主的 な会員組織 と市 区町村社会福祉協議 会 の増 加 が著 しい。
また,住民 の福祉 にかかわ る施策 は,新 ゴール ドプ ラン,ボ ラン テ ィア活動 への社会的 施策 ,公 的 介護保 険制 度 ,特 定非 営利 活動 促進法等 さまざ まな動 きをみせ て い る。 「国民 の社 会福祉 に関 す る活動 へ の参 加 の促進 を図 るための措 置 に関 す る基 本 的 な指針」 (3)で は住民参加型在宅福祉 サー ビス活動 (以下 「活動」 とす る) を 「国民 が福祉 活動 に参 加す る多様 な選択肢 を提供 す る ものであ り,皆参加の福祉社会づ くりに欠 かせ ない もの として」
位置 づ けて い る。 また 「ボ ラン テ ィア活動 の中長期 的 な振興万策 について」 (4)において, 活動 は 「従来 のボ ランテ ィア と異 な り,ボ ラン テ ィア意識 を基盤 としつつ,会 員制 ,互酬 性 ,有償制 を特 色 とす る組 織 的 ・シ ステム的 な活動 」 として評価 され
,
「福祉 コ ミュニ テ ィを育 む もの」 として, また 「住民 の福祉 ニー ズを受 け止 め る供給組織 として」振興 の対 象 とされ るな ど,住民参 加型在 宅福 祉 サー ビス活動 は一層 の発展 が期待 されて い る。2000 年 4月 か ら実施 され る介護保 険 では, この団体 はサー ビスの担 い手 として組 み込 まれて おり,今後 ます ます大 きな役割 が求め られ る。
表 1 住民参加型在宅福祉サービスの運営形態別団体数の推移
昭 和62 平成 元 平成3 平成5 平成7 平成9 住民 の 自主 的 な会員組織 41 75 107 175 346 549 市 区町村 社 会福祉 協議会 29 90 126 173 249 281 生 活協 同組 合
農業 協 同組 合
ワーカーズコレクティブ(1トビス生産甘組合) 福祉 公社等 の行政 関与 型 社 会福祉 施 設
フ ァ ミリーサ ー ビスクラブ その他
600日‖
32 47 77 94
34 2 2 27 37
25 45 72 116 18 27 36 42 51
13 3 4 6 13
38 38
31 41 37 38 4 4
138 271 359 520 861 1183 出典 :全国社会福祉協議会 「各年度住民参加型在宅福祉サービス同体柄動実患調査」各年 2)住民参 加型在 宅福祉 サー ビス団体 の組織上 の問題
住民 の 自主的 な会 員組織 は,団体 の 中で46.4%と最 も大 きな割合 を示 して い るが,平均 活動 者 数 は平 均 の113.1人 を下 回 る64.6人 と
少 な い (表 2)。 住 民 の 自主 的 な組 織 は ,既 存 の組織 (地方 公共 団体 ,社協 ,生協 等 ) を 基盤 としない任意 団体 であ る こ とに特 色 があ るが, これ らに比 べて小規模 であ る。特 に こ の ような小規模 の団体 においては,活動 者の 確保 , つ ま り継続性 が問題 であ り,活動者 が 交代 して も円滑 に進 め られ る ような,組織的 な団体 の確立 が必要 にな る。そ して,今後 サー ビスの利用者 ・活動者 の数 が増 加 し,事業収 支 の規模 が大 き くな るに従 って,経営状 況 の 透 明性 ,責任体制 の 明確化等 も求 め られ る。
表2 運営形態別住民参加型在宅福祉 サービス団体の平均活動者数
(平成10年3月末 日現在 ) 住民の自主的な会員組織 64.6(人) 市区町村社会福祉協議会 127.0 生活協同組合 186.4 農業協同組合 85.6 ワー舟一加レクティプ(jトビス生長甘報告) 51.5 福祉公社等の行政関与型 528.9 社会福祉施設 22.5 ファミリーサービスクラブ 59.0
その他 54.0
出典 :全国社会福祉協議会 「平成10年度住民参加型 在宅福祉サービス団体活動実態調査 報告書」 1999
3)住民参加型在宅福祉 サー ビス団体の活動上 の問題
団体 の活動 は,当初 ,家事援助 サー ビス,軽 易な介護 ・介助 サー ビス,相談 ・助言 サー ビスな ど家事援助 サー ビス的な ものが中心 であ ったが,近年 では重 介護 サー ビス,看護 サ‑
ビス,財産管理 ・資産活用 サー ビスな ど専門的知識 を要 す る もの に も及 ぶ ようにな り, ま た,サー ビスが利用者 の個人的 な領域 に深 くかかわ るよ うにな るに従 って,次の ような問 題 が発生 して きてい る。 さ らには,制度的 な摩擦 も引 き起 こして い る(5)0
まず,活動者 と利用者のサー ビスの とらえ方 の相違 に よる問題 が挙 げ られ る。例 えば, 看護 ・医療 の専 門的 なサー ビスを積極的 に提供 してい る団体 において,活動者 が手袋 を着 けて利用者 を介助 ・看護 した ところ,ハ ンデ ィキ ャ ップの あ る利用者 か ら 「素手 で さわ る のはいや なの か」 とい うクレームがあ り,利 用者 の感情的 な反応 か らサー ビス提供 を中止 せ ざ るをえな くな った とい うケースがあ った。 この問題 の背景 には,団体 が専 門的 なサー ビスを提供 す るようにな るに従 って,サー ビス提供 にかかわ る活動者 と利用者 との間の関 係 が,市民間の単純 な好意的 ・互助的 な関係 か ら,専門家 と一般市民 とい う関係 に変化 し て きてい る と考 え られ る. すなわち,専 門的サー ビスを提供 す る能 力のあ る活動者 が専 門 的知識 に基づ き,いわば 「理」 に基づ いてサー ビスを提供 しよう とす るの に対 して,利用 者側 は住民間の 「情」 に基 づ く互助 に よるサー ビスの提供 を期待 して い る こ とが,活動者
・利用者 間の行 き違 いを生 み 出す結果 とな ってい る とい える。 この ような問題 は,専 門的 サー ビスの提供 が増 え る とともに,形 を変 えて多発 す る こ とが予 想 され る。
また,反対 に,利用者 が 「利用料 を払 う分 だけ使 わなければ損」 と考 えた り,利用料 を 払 う とい うこ とは,サー ビスを買 う とい う行為 以外 のな に もので もない,つま り 「お金 で かたがつ くものな ら,それで気 を使 わず に処理 を したい。 ボ ランテ ィア活動 だの,近隣住 民 の相互扶助 だの, ま してや社会福祉 問題 としての介護 とかやや こ しい こ とは勘弁 して は しい」 とい う気持 ちを抱 いた りす るな ど,「情」 に基 づ いて活動 してい る活動 者 に対 し, 利用者 の方 は 「理」 さえ満 た して くれればい い と考 えてい る とい う状 況 もみ られ る。
次 に,利用者 の個人的領域 に関与 す るサー ビス提供 の問題 が挙 げ られ る. 高齢者 にサー ビスを提供 す る過程 で,被害妄想 を抱 く利用者 が 「サー ビス提供者 が 自分の財産 を盗 んだ」
と主張 し,利用者 の誤解 を解 くのが難 しい事態 が多 く生 じてい る。 この ような誤解 に基 づ く問題 は,今後 ,財産管理 ・資産活用 サー ビスな ど利用者 の個 人的領域 に関与 した事務代 行サー ビスを実施 す る ようにな るに従 い,増 加す る こ とが予想 され る。
3.調 査 方 法
1)調査対 象者 :福 岡県在住の20歳以上 の男女
住民参加型在宅福祉 サー ビス活動 への かかわ り方 に着 目す るため,
(I) 福 岡県下 で住 民の 自主的 な会 員組織 (注1)で,時 間預 託制度 を採 用 して い る5 団体 (表 3)の活動 に参加 してい る人 (以下 「活動者」 とす る)
(四 日分 自身は活動 を していないが,友人 ・知人 に活動者 が お り,活動 内容 を知 っ て い る人 (以下 「関係者 がい る人」 とす る)
0
0 自分 自身 も友人 ・知 人 も活動 に参 加 してお らず,活動 内容 を知 らない人 (以下
「関係者 がいない人」 とす る) を調査対 象 とした。
住民参加型在宅福祉サービス活動の現状 と課題 5
2)調査方法 :質問紙調査
(Ⅰ) 活動 者‑・5団体 の会員 に対 して依頼 配布 ・郵送 回収 に よる質 問紙調査 を行 っ
た 。
(坤 関係者 がい る人 ‑(I)活動者 にス ノーボールサンプ リング (一段) を依頼 し,郵 送 回収 に よる質問紙調 査を行 った。
0
0
関係者 がいない人‑依頼配布 ・依頼 回収 に よる質問紙調査 を行 い,(Ⅰ)活動者 の 比較対照群 を作成す るため居住地 ・年齢層 ・性別で統制 し無作為抽 出を した。3)調査対象数 :配布数‑420 有効数‑265
(Ⅰ) 活動者 配布数‑110 有効 回収数‑93 有効 回収率‑84.5% OI) 関係者 がい る人 配布数・・・110 有効 回収数・・179 有効 回収率‑71,8%
恥 関係者 がいない人 配布数・・・200 比較対照群有効数‑93(有効 回収数‑182) 4)調査時期 :1997年10月
5)調査項 目 :以下の調査項 目を,属性 との関連や各項 目との相互関係で とらえる。
(Ⅰ) 活動者 を対象 :活動 を知 った きっかけ ・活動 への参加動機 ・活動 の意義 ・活動 時間の預託 の度合 ・サー ビスを利用す る理 由 ・相手 との関係 (印 関係者 がい る人を対 象 :時間 に余裕 がで きた場合の活動 への能動的参加意欲 QID 関係者 がい る人 ・00 関係者 がいない人を対象 :活動 への能動的参加意欲 ・受動
的参加意欲 表3 調査 対象住民参加型在宅 福祉 サー ビス団体 の概要
団 体 所在地 設 立 時 期 出資金 (円) 年会費 (円) サービス朋的 (円′時)
A 北九州市 平成 6年 8月 20,000 900
B 北九州市 平成3年10月 20,000 900
C 福 岡市 平成 7年 8月 20,000 600
D 久 留米市 平成 7年 5月 3,000 1.000
4.調査結果 と考察
1)住民参加型在 宅福祉 サー ビス活動 の現状 (D 活動者の属性
活動者 の属性 を表 4,5に示 す。性別 は,男性12.9%,女性87.1%であ り,年齢 分布 は 20歳 か ら87歳 までの範 囲を示 し,その中で40‑60歳代 が多か った。 つま り,活動者 は,特 に50歳代前後の子育てを終 えた ライフステー ジの女性 に偏 っていた。家族形態 は2世 代 が 56.5%と最 も多 く,3世代 ,夫婦のみ,一 人暮 らしが続 いていた。居住地 は,北九州,宿 岡,久留米 ,京築地域 であ り,平均居住年数 は18.5年 であ った。職業形態 は専業主婦 ・無 職 が56.5%を占め,非常勤 ・パー トタイム,常勤 はそれぞれ25.0% ,ll.9%であ った。
② 活動 を知 った きっかけ
活動 を知 った きっかけ (マルチアンサー)は 「会員 (であ る友人 ・知人)(39.5%)」
,
「マ ス メデ ィア (26.3%)」,「(
会員でない)友人 ・知 人 (18.4%)」が相対的 に多 く,
「行政関 係 (公的棟 関 に よる紹介や広報 な ど)」,
「看板 ,チ ラシ」,「身 内」 は,それぞれ10.5%,3.9%,3.9%と少 なか った (N‑76)。行政機 関 に よって知 る人 が少 ない こ とは,団体 と 行政 の タイア ップがあ ま りな されていない こ とも影響 してい るようであ る。 また,回答数 を情報源 の数 として とらえる と 「1つ」 が88.2%と圧倒 的 に多 く,「2つ」,「3つ」 とし た人 はそれぞれ7.9%,3.9%であ った。
表4 調査対象者の属性 (%) 活 動 者 帖 か いる人
12.9 13.9 87.1 84.8 0.0 1.3 属 性
性 男
別 女
N.A.
肘 掛 いない人 全体 12.9 13.2 87.1 86.4 0.0 0.4 20歳 代
30歳 代 年 40歳 代
50歳 代 齢 60歳 代
70歳 以 上 N.A.
5cc506119122
6.4 15.2 27.8 24.1
58506119122
6.4 12.8 23.4 27.5 21.5 19.0 21.5 20.8 9.7 6.3 9.7 8.7 0.0 1.3 0.0 0.4 平 均 年 齢(SD) 51.5(13.0) 50.2(13.9) 51.7(13.4) 51.2(13.4)
家族形態
一 人 暮 ら し 12.0 7.6 夫 婦 の み 13.0 20.3
2世 代 3世 代 そ の 他 N.A.
56.5 57.0 14.1 13.9 4.3 0.0
6.5 8.7 24.7 19.3 50.5 54,5 19.3 15.5 0.0 1.5 0.0 1.3 0.0 0.4
北 九 州 居 福 岡 住 久 留 米 地 京 集
札A.
41.9 41.8 23.7 22.8 24.7 22.8 9.7 12.7 0.0 0.0
41.9 41.9 23.7 23.4 24.7 24.2 9.7 10.6 0.0 0.0 1年 未 満
居 1‑5年 末 補 任 5‑10年 未 満 年 10‑19年 未 満 数 20‑30年 未 満
30年 以 上
N.A. 職 常 勤
業 井常勤・/トけイム 形 専真主ヰ・綿 態 そ の 他
N.A.
4.3 0.0
14.0 14.0 21.5 24.7 21.5 0.0
402823●●●●●69020111222
1.1 1.9 9.7 13.2 14.0 15.4 23.7 21.9 23.7 23.8 28.0 23.4 0.0 0.4 ll.9
25.0 56.5 6.5 0.0
324003●●55.4T31215
34.4 23.9 20.4 20.4 43.0 51.1 2.2 4.1 0.0 0.4
N 93 79 93 265
表5 活動者の属性 ・‑‑性別 ×年齢 (度数) 性 別 / 年 齢 20歳 代 30歳 代 40歳 代 50歳 代 60歳 代
男 2 0 2 0 5
女 4 11 18 27 15
計 6 11 20 27 20
幣⁝‑
(彰 活動 への参加動機
活動 への参加動機 (
2
つ以 内) は,「福祉活動 に関心 があ ったか ら (以下 「福祉 関心動住民参加型在宅福祉サービス活動の現状と課題 7 機 」 とす る
)
」,「生 きが いが欲 しか った か ら (以下 「自己実現的動機 」 とす る)」,
「将来困った ときに助 けて は しいか ら (以下 「生 活保 障動機 」 とす る)」が多 くな って お り 「活動 した時 間 を換 金 で きるか ら (以下 「経 済 的動機 」 とす る)」,「その とき助 けて は しい こ と があ った か ら (以下 「受動 的動棟」 とす る)」 は相対的 に小 さい もの であ った (図 1)。 そ
して,表6に示 す ように,参加動機 を2つ選択 した人 に対 してその組 み合わせ をみて も, ほ とん どの人 がいずれ かの動機 に 「福祉 関心動機 」 を選 択 して い る。 サー ビスの提供 には 貨幣 が媒 介 してはい るが,活動者 自身 は営利 を 目的 としてお らず,福祉意識 を基盤 とした
この活動 は,市場 サー ビス とはや は り本質的 に異 な るサー ビスであ る とい える。
属性 との関連 をみ る と,最 も大 きな参 加動機 は家族構 成 に よ り異 な って お り, x2検 定 の結果 ,一 人暮 らしの人 (注2)や子 どもがいな い人 の方 が 「生 活保 障動機 」 が強 くな って いた (表 7,8)。 一 人暮 らしの 人や子 ど もが いな い人 は, このサー ビスを生活保 障 資源 としてあてに して い るようであ った。年齢 との関連 は,最 も大 きな動機 に3点,次 に大 き な動機 に2点 ,選 択 されなか った動機 に1点 を与 え,各動機 と年齢 との スピアマ ンの順位
図1 参 加 動 機
0
102 0 3 0 4 0 5 0 6 0 (脂)
福祉関心動機 自己実現 的動横 生活保障動機 経済 的動機 受動的動機 その他
Eヨ 最 も大 きな動携(N=74) lヨ 次 に大 きな動機(N=49)
表6 参加動機の組み合わせ
パ タ ー ン 度 数 % 1‑3 18 36.8 1‑2 12 24.5 1‑4 5 10.2
1‑6 4 8.2
2‑3
3 6.1 N‑49〈 1‑福祉 関心動機 内 2‑ 自己実現的動機
3‑生活 保 障動 機 4・・・経 済 的動機 訳 5‑受動 的動機
〉 6‑ その他 (度 数 3以 上 )
表7 ‑人暮らLとそれ以外の人別最も大きな参加動機 (学生を除 く) 最 も大 きな参加動機
福祉 関心動機 自己実現 的動機 生活 保障動横 経 済 的動機 受 動 的動機
その他
一人暮 ら し(N=8) それ以外川=64) x 2 検 定
50.0(% ) 57.8 (% )
*
pく.05相 関係数 を求 めた ところ 「生活保 障動機」 と 「経 済的動機」 においてのみ有意 であ った。
年齢 が高 いほ ど 「生活保 障動機 」が強 く (Rs‑.294 p<.05),反対 に年齢 が低 いほ ど 「経 済的動機 」 が強 くな っていた (Rs‑・‑310 p<・01)0
表8 子 どもの有無別最 も大 きな参加動機 (学生 を除 く)
参 加 動 機 子 ど も x 2 検 定
い な い(Ⅳ=10) い る(Ⅳ=57)
福 祉 関 心 動 機 自 己 実 現 的 動 機 生 活 保 障 動 機 経 済 的 動 機 受 動 的 動 横 そ の 他
40.0(%) 57.9(タ6) 0.0
40.0 0.0 10.0 10.0
15.8 8.8 5.3 1.8 10.5
* *
* *
D<.Ol(彰 活動 の意義
活動 の最 も大 きな意義 としては,図2に示 す ように 「地域 での助 け合 いは,安心 して生 活 で きる地域 社会 づ くりにつな が るか ら (以下 「地域社 会 づ くり」 とす る)」が圧倒 的 に 多 く,次 に大 きな意義 としては 「行政 では対応 で きない部分 を補 うこ とがで きるか ら (以 下 「行政 の補完」 とす る)」,「自分 の将来 のため に備 えがで きるか ら (以下 「自立 の手段」
とす る)」が多 くな っていた。国民 の社会福祉 に関す る活動 への参加の促進 にあた って 「地 域社会 の様 々な構成員 が互 いに助 け合 い交流 す る とい う広 い意味 での福祉 マ イン ドに基 づ くコ ミュニ テ ィー づ くり」 (6)を 目指 してい るな かで, この活動 は コ ミ ュニ テ ィーづ くり の実践主体 として期待 で きそ うであ る。 また 「時間預 託 に よって,世代 を超 えた助 け合 い がで きるか ら (以下 「超 時 間的助 け合 い」 とす る)」 については,最 も大 きな意 義 ,次 に 大 きな意義 の いずれ において も10%強 ほ どであ った。
属性 との関連 をみ る と,子 ど もの有無 の み が最 も大 きな活動 の意 義 に も影響 して いた (表9). x2検定 の結果 ,子 どもの有無 は 「自立 の手段 」 と有意 な関連 がみ られ,子 ども がいな い人 の方 が活動 が必要 な理 由 として 「自立の手段」 をあげていた。
図2 活 動 の 意 義
0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0 (%)
地域社会づ くり 超時間的助 け合
自立の手段 行政の補完
母 与 や 誹H: ぢ母笹 訪: 榔 x { : 草g F> ; > ' 3 . 3; ; < 附 や草 仲 : ; ; 埠蔓 草く 詫; = { : ; 草: 等蔓 草学割
い Nゞ
卓立\ ト 二 王 視 Ⅵ
W ヾ\
W トH
トこ汚珊\トト二㌧\W ÷く\こ\さこヾヾl I̲脚 ㌔恭凸汚惣xLXI'3{7
5 , 潤
卓二ヾ、さこ.こて1..>こく、:㌔.Jl:ヾ、立トト
二 \ : T 、 こ ヾ ヾ\ \
:ヾ章二.㌔.:ヾ.,千..二王..1二、..Iヾヾ予、I、.さL . こ ' J +. さ . さ コ
団 長 も大 きな意義
0 ( = 7 5 )
田 次 に大 きな意義( N = 5 9 )
住民参加型在宅福祉サービス活動の現状 と課題
表 9 子 ど もの有無別最 も大 きな活 動 の意義 (学 生 を除 く)
活 動 の 意 義 子 ど も x 2 検 定
い な い(N=8) い る(N=57)
地 域 社 会 づ く り 37.5(%) 57.9(% ) 超時 間的助 け合 い 0.0 12.3
自立 の手 段 25.0 3.5
行 政 の 補 完 37.5 26.3
書 *
9
*
t pく.01(9 活動時 間の預 託 の度合
いずれの団体 も活動 した時間 を登録 して お き,必要 にな った とき,その時間分利 用 で き る とい う時 間預 託制度 を採 用 してい る。 活動 した時 間の うち時 間預託 して い る度 合 を5段 階評価 に よってみ る と,時 間預託 す る人 よ り換金 して い る人の方 が圧倒 的 に多 くな ってい た (表10)。 時 間預託 は本来互 い に困 った ときは助 け合 お う とい う精 神 的 な支柱 の シンボ ル とされて きたが , この よ うな状 況下 では現実 的 には労働 の対価 的な要素 が混 入す る可能 性 も考 え られ る。 また,住民の 自主 的 な会 員組織 は行政 や生協 な どのバ ックア ップ組織 を もたないため,管理事務等 の経 費 が一部 の人の重 い負担 とな って い る団体 もあ ったので, 時間預託 をす る人 が増 え る こ とは,一時的 にで も負担 の軽減 につなが る こ とにな る。
時間預託 の度合 と年齢 や家族構 成 な どの属性 の間 には有意 な関連 はな か った。 また,時 間預託 した時間 は生活保 障資源 とな るので,時 間預託 の度合は参 加動機 や活動 の意義 が関 連 す るか と思 われたが 「生活保 障動機 」や 「自立 の手段」 とも有意 な関連 はみ られなか っ た。 つま り,時 間預託 に よ り形 成 した生活保 障資源 に よって将来 のニー ズや リスクに対応 しよ う と必 ず し も考 えて い な い こ とが わ か った。 唯 一 ,活動 の意 義 として 「超 時 間的助 け合 い」 をあ げ て い る こ とが時 間預 託 とい う行 動 に結 び つ い て い た
( T‑2・ 2
1,s i g・ T
p<・05)
0
表10 時 間 預 託 の 度 合
項 目 %
す べて換金 して い る
6 0 . 9
時 間預 託 よ り、換金 す るほ うが 多 い 11.6 ほぼ 同 じくらい換金 と時 間預託 を して いる
8 . 7
換金 よ り、時 間預託 の ほ うが 多 い 7.2
すべて時 間預託 して い る(最上 限 まで時 間預 託 した ) ll
. 6 N‑6 9
(む サー ビスを利 用 す る理 由
サー ビスを利用 す る理 由は 「いつで も利用 で きるか ら (以下 「弾 力的対応性 」とす る)」,
「心 のふ れあ いが期 待 で きるか ら (以下 「心 の ふれ あ い」 とす る)」,「親切 な手助 けが期 待 で きるか ら (以下 「親切 な手助 け」 とす る)」が主 な もの であ り (図3),最 も大 きな理 由 と次 に大 きな理 由 との組 み合 わせ をみ て も (義 ll),上記 の組 み合 わせ が ほ とん どで あ った。 これ は このサー ビスの特性 とみ る こ とがで きる項 目であ る。 それ に対 し,「専 門性 があ るか ら (以下 「専 門性 」 とす る)
」 ,
「価格 が適 当だ か ら (以下 「価格」 とす る) 」
は こ のサー ビスを選 択 す る際 の理 由 としては小 さい ものであ った。価格 に関 しては,1時 間 当た り600円が2団体,900円が2団体,1000円が 1団体 とな って お り (表 3),市場 サー ビ スの価格 と比 べれば安 い ものの, このサー ビスを利用 す る主 な理 由 とはな っていない. ま た,活動 す る側 もサー ビスを利用 す る側 も貨幣 を媒 介 した方 が活動 ・利用 しや す く,対等 な福祉 をつ くるため,あ る程度 の金銭授受 を行 うこ とにな った とい う経緯 を もつが,現在 では料金 の 1割 ない し2割 が活動 の運営費 として割 り当て られて い るこ とが多 い こ とを考 え る と,あ る程度 の価格 に設定 す る こ とが必要 であ る と思 われ る。
図3 サー ビスを利用 す る理 由
0 1 0 2 0 3 0 40 5 0 (形)
専門性 弾力的対応性 親切 な手助 け 心のふれあい 価格 その他
I:i‑:=<'x''>:hT::‑::‑i̲:<'‑i.i‑Y■lY‑‑>r1
:i"X̲メ.大きこ7,I̲3<̲:xl̲:<XXXX X XX j<̲XXXX̲:rt 二;x:̲XJ
ヽ一.、■、一. I‑./1
I.J'.㌔.、、 一、、̲\、̲■、./\、...̲㌔̲\.̲■、一、㌧'■.(、.∴\ー●、、、、L‑../しl‑‑.l㌧、 ㌔( ㌔̲一、./‑1̲,l\ ‑1
団 長 も大 きな理 由
仰= 3 5 )
田 次 に大 きな理 由( N = 2 6 )
表11サ ー ビスを利 用 す る理 由の組み合 わせ (最 も大 きな理 由 ‑ 次 に大 きな理 由) パ タ ー ン 度 数 %
213 5 19.2 2‑4 4 15.4 4‑3
4 1 5 . 4
3‑4 3 11.5 N‑26 (度数3以 上 )
〈 1・・・専 門性 内 2‑弾 力的対応性
3‑親切 な手助 け
4
・・・心 のふれ あ い 訳 5‑価 格〉 6‑その他
(∋ 相手 との関係
ボ ランテ ィアは,第一 に,価値観 として,奉仕 ・慈善 を基本 とす る伝統的 なボ ラン テ ィ ア思想 か ら,相互扶 助 ・互恵的な考 えに も とづ く市 民 としてあた り前 の行為 であ る とす る ボ ラン テ ィア観 へ,第二 に,関係性 としては,保護 ・援助 す る人 とそれを受 け る一方 的 な 固定的関係 か ら,両者 は対等 な立場 にあ る とい う双方 向的 な相対 的関係 へ,第三 に,機能 論 としては,救貧 ・不幸 な状態 にあ る個人 ・家族の救済 か ら,地域 の課題 を ともににな う 福祉 コ ミュニ テ ィーの形成 ‑ と意 味の転換 がお こなわれてい る(7)といわれて い る。
このなかの第二 の関係性 に着 目して,サー ビス活動 をす る際 に 「してあげ る」 とい う上 下関係的 な奉仕意識 と,サー ビスを利用 す る際 の負 い 目意識 を感 じる程 度 をそれぞれ表12, 表13に示 す。上下 関係 的 な奉仕意識 に関 して は,「全 く感 じない」,「あ ま り感 じな い」 と す る人 がかな り多 か った。一方負 い 目意識 に関 しては 「強 く感 じる」 とい う人 はあ ま りみ
られ ないが,「全 く感 じな い」, 「あ ま り感 じない」,「少 し感 じる」 とい う人 は ほぼ 同数 を 占め感 じ方 に違 いがみ られた。 この結 果 か らみた限 りでは,活動 す る側 と利用 す る側 が相 手 と対等 な立場 であ る と考 えてい る とは必 ず しもい えない状 況であ った。
TT Ji‑
住民参加型在宅福祉サービス活動の現状と課題 ll また , これ らには年齢 や性 別 は影 響 して お らず ,奉仕意 識 と負 い 目意 識 を感 じる程 度 が相 互 に関連 して いた。 従来 の ボ ラン テ ィア活動 で み られ る よ うな上下 関 係的 な奉 仕意 識 を感 じな い人 は , 自分 が利 用 す る ときで も負 い 目意識 を感 じて い な か った (rs‑.797 p<・001)。 これ には,住 民参 加型 在 宅福 祉 サー ビ ス活動 では役 割 が流動 的 で あ り, 困 っ た ときはお互 い様 とい う精神 を もって活動 してい るこ とも影響 して い る と考 え られ る。
表12 活動をする際の上下関係的な奉仕意識 を感 じる度合
項 目 % %
全 く感 じない 38.2 40.3 あまり感 じない 35.5 37.5 少 し感 じる 18.4 19.4 強 く感 じる 2.6 2.8 活動 したことがない 5.3 血issing
N 76 72
表13 サービスを利用する際の負い目意識を 感 じる度合
項 目 % %
全 く感 じない 12.7 30.0 あまり感 じない 14.1 33.3 少 し感 じる 14.1 33.3 強 く感 じる 1.4 3.3 利用 したことが ない 57.7 missing
N 71 30
2)住民参加型在 宅福祉 サー ビス活動 の発展性 (手 活動 への参加意欲
活動 への能動 的参加 (サー ビスを提供 し,必要 にな った ら利用 す る)意欲 をみ る と
,
「ぜ ひ活動 したい」 とい う積極 的 に活動 しよう とす る人は6.1%と少 ない ものの 「活動 したい」とす る人 を加 え る と,全 体の41.1%の人が活動 したい と考 えてお り「活動 した くな
い
」(「余 り活動 した くない」 +
「活動 した くない」 )
とい う消極的 な人 は8.0%と少 な か った (N‑163)。 そ こで,活動 を始 めた きっかけ ((1)‑(令) として,友人 ・知 人 に活動者 がい る とい うこ とが上位 を 占めて いたの で,活動 を してい る友 人 ・知 人がい る こ とが影響 す るか どう かみ るため にT検定 を行 った が,関係者 のい る人 と関係者 の いない人 の能動 的 な参 加意欲 には有意 な差 はみ られ な か った (表14)。ただ ,サ ー ビ スを利 用 す る とい う受動 的参 加意 欲 に関 して は,緊急 時 の場 合 (注3)にの み関係者 が い る人の万 が高 か った が (表15),覗 在 活動 してい る人の参加動機 (図1) か らみ る と受動 的参加 か ら能動的参 加 につなが る こ とは余 り期待 で きない。 そ して,活動 への能動 的参加意 欲 を外的基準 とし林 の数量 化 Ⅰ類 を行 った結果 ,活動 への能動 的 参加意欲 には,関係者 の有無 よ りも年齢 や共助意識 (注4㌦ 地 域互助 意 識 (注5)が影 響 して い る こ とがわ か った (表16)020代,50代,40代 の 人 の能 動 的参 加意 欲 が強 いの に対 し60歳以上 では弱 く, また共助意識 ,地域互助意識 の いずれ も 高 い方 が能動的参加意欲 は高 くな っていた。
② 時 間 に余裕 がで きた場 合の活動 への参加意欲
関係者 の い る人 についてのみ時間 に余裕 がで きた場 合の活動 への能動的参 加意欲 をみ る と 「参 加す る」17.5%,「おそ ら く参 加 す る」38.1%,「どち ら ともい えない」25.4%,「お そ ら く参 加 しない」12.7%,「参 加 しな
い
」6.3%とな ってお り,散 らば りがみ られた (N‑63)。そ こで ,時 間 に余裕 がで きた場 合の活動 への能 動的参 加意欲 を外 的基 準 に して柿 の数量化 Ⅰ類 を行 った ところ,友 人 ・知 人が活動 して い る団体の設立時期 ,年齢 ,共助意 識 の順 に影響 して い る こ とがわか った (表17)。 友 人 ・知 人が活動 して い る団体 の設 立 時 期 が早 い人 は参加意欲 が弱 く,設立時期 が遅 い人は参加意欲 は強 か った。設 立後 あ る時期
表14 活動への能動的参加意欲 (4段階評価)
度数 平 均値 関係者が い る人 74 3.49 関係者が いない人 89 3.24 全体 163 3.35 T=1.94 p=n.S.
表15 活動への受動的参加意欲
度数 平均 値 関係者 が い る人 73 .384 関係者 が いない人 89 .225 全体 162 .297 T=2.19 pく.05
叢平均値 はサ ー ビスを選択 した人 の割合 に等 しい
表16数量化 Ⅰ類の結果 (外的基準 :活動への能動的参加意欲) ア イ テ ム カ テ ゴ リー カテゴリー・ウェイト レ ン ジ 偏 相 関 係 数 情 報 ・関 係 者
* ‑0.078
有 0.097
0.175 0.115
0.445 0.228 20歳 代 0.139
30歳 代 0.060 40歳 代 0.114 50歳 代 0.127 60歳 以 上 ‑0.306
共 助 意 識 0.525 0.254
低 ‑0.205
高 0.219
地 域 互 助 意 識
低 ‑0.182
高 0.189
0.371 0.211
重 相 関 係 数 0.440
決 定 係 数 0.194
表f7数量化 Ⅰ類の結果 (外的基準 :時間に余裕ができた場合の活動への能動的参加意欲) レ ンジ 偏 相 関 係 数
i.074 0.249 ア イ テ ム カ テ ゴ リー カテゴリー・ウェイト
設 立 時 期
平 成3年 ‑0.447 平 成 6〜7年 0.034 平 成 9年 0.627 年 代
20歳 代 0.608 30歳 代 ‑0.226 40歳 代 0.085 50歳 代 0.153 60歳 以 上 ‑0.287
0.895 0.221
共 助 意 識 0.370 0.167
低 ‑0.185
高 0.185
地 域 互 助 意 識
低 ‑0.039
高 0.029
0.068 0.029
重 相 関 係 数 0.436
決 定 係 数 0.190
住民参加型在宅福祉サービス活動の現状 と課題 13 までは活動 してい る人 を中心 に活動 は広 が る可能性 があ るが,その次の段階 では難 しい場 合 もあ るこ とがわか った。
また,時間 に余裕 がで きた場 合に,活動 に 「おそ ら く参加 しない」,「参加 しない」あ る いは 「どち ら ともい えない」 と考 えてい る理 由は 「責任 を伴 う活動 だか ら
」4 4. 4 %
,「そ の他」3 3 . 3 %
,「興味 がない」1 4. 8 % ,
「必要性 を感 じない」7 . 4 %
であ った。 「その他」の 内容 としては 「高齢」,「公的ヘルパ ーを しているか ら」,
「健康 に 自信 がない」,「すで にボ ランテ ィア活動 を しているか ら」な どであ った。4.ま と め 1)組織上の問題
組織上 の問題 の1つ として,活動者 の確保 があ る。 介護役割の固定化 につなが らない よ うに, よ り幅広 い年齢層 が,性別 を超 えて活動 を展開 してい くための手立 てや,設立後 あ る一定 の時期 に きてい る団体のマンパ ワーの確保 のあ り方 を含めて,活動者 の確保 を検討 していかなければな らない。
活動 への参加は,活動 に関す る情報 の有無 に加 えて,個人の生活条件 (時間な ど)や市 民福祉意識 に関係 してい る。 そ こで,第一 に活動 に関す る情報提供のあ り方 について考 え る。活動者 の活動 の こ とを知 った きっかけ として 「マ スコ ミ」 が上位 を占めていた こ とか らも, メデ ィア機能 の質的 ・量的拡充 が必要 であ る。具体的 には,団体 が活動 に関 して さ らにPRす るのに加 えて,テ レビや ラジオ,新 聞 ・新聞広告 な どに よるマ ス ・レベル,行 政 の広報 や コ ミュニ テ ィ誌 な どに よるコ ミュニ テ ィ ・レベル, 口コ ミな どに よるパー ソナ ル ・レベルでの効果的 な情報 の提供 が考 え られ,今後 さ らな る充実が望 まれ る。第二 に市 民福祉意識 の形成 に関 しては,関心や必要性がない場合 に排 除 されやすい とい うメデ ィア の欠点や,市民福祉活動 に興味や関心 が薄 い人, ネ ッ トワー クが小 さい人へのフ ォロー を も含めて,学校教育 ,社会教育等の教育的施策 の面 で も展開 していかなければな らない。
2)活動上 の問題
活動 は,市場サー ビスや公的サー ビスでは対応 で きない 「弾 力的対応性」,「心のふれあ い」,「親切 な手助 け」 を特徴 としてお り,「専門性」 はあま り求め られていない。 しか し, 介護保険制度の導 入や さ らな るニー ズの多様化な どに よ り,活動者 は高度 な知識や技術 を 要 求 され る場面 が増 えて くる。 「専 門性」 を含めた活動者 の資質 の 向上への対応 は,団体 や活動者 自身の課題 であ る とともに,国や行政 な ど社会 か らの幅広 い理解やバ ックア ップ が必要 にな る。 また,サー ビスの とらえ万 の相違 に関す る問題 は,参加動機 として 「経済 的動機」 が若干ではあ るがみ られた り,利用者 ‑雇 い主であ る と考 えてい る人 もい る とい う状況 を重 くみて,活動者 ・利用者 に活動理念の再認識 を図 りなが ら,理念 を十分 に浸透 してい くための努 力が必要 にな る。
3)時間預託制度の問題
全国の団体 の うち,時間預託制度 を採 用 してい るの は
2 8. 4 %( 8 )
と少 ない上 に, この制 度 を採用 していて も選択者 が少 ない こ とが本調査 か らわか り,活動独 自のシステムであ る 時間預託制度 には次の ような課題 が挙 げ られ る。第一 に,将来 ,時間預託分のサー ビスの 確実性 を どう保証 す るか,第二 に,将来 サー ビスの単価 が上 が った場 合,換算 ・評価の公 平性 を どう確保 す るか,第三 に,時間預託 が交換価値 を もちは じめ,金券化 され,活動 の当事者以外 か らサ‑ ビスの要求が起 こる可能性 に どう対応す るかな どであ る。今後 は,全 国的 に団体 のネ ッ トワー ク化 をはか るな ど,新たな取 り組みが必要 にな る。
従来の介護認定 は措置制度 を前提 とし,要介護者 にはサー ビス選択 の余地 がなか ったが, 介護保険制度 においては 自己決定 が可能 になる。 そ して, この介護保 険制度 において,荏 宅サー ビスを提供 す る主体 は,都道府県の認可 による 「指定居宅サー ビス事業者」であ り, サー ビスの多 くを民間委託で実施す るため,非営利組織 であ る住民参加型在 宅福祉 サー ビ ス活動 団体 と民間企業 が競合す る ことにな る。 このなかで,いままでの理念 ,持 ち味 を崩 さずに,団体 が どう活動 を展 開 してい くかが重要 な課題 とな って くる。 また,介護サー ビ スの制度化 がすすめばすすむほ ど,そ こで吸収で きないさまざまなニーズ を受 け止め る住 民組織や検 閲が必要 にな るため,あえて居宅サー ビス事業者指定 を受 けず,住民の互助的 な活動 とい う範 囲で活動 を続 けてい くこ とも重要 な意味 を もって くる。いずれにおいて も, 住民参加型在宅福祉サー ビス活動 にはい くつかの課題 はあ るが,相互扶助体系が大 き く変 化 す る今 日,活動の理念の可能性 に着 目し, この住民参加 に よる助 け合 いの し くみ こそ期 待 で きる と考 える。
<謝辞 > 調査 に暖か く協 力 していただ きま した住民参加型在宅福祉サー ビス活動 団体代 表 の各氏,並 びに会員の皆様 に厚 くお礼 申 し上 げます。
引 用 文 献
(1)全国社会福祉協議会 :住民参加型在宅福祉サー ビスにおけ る時間貯蓄 ・点数預託制のあ り方 について 1993pp・5‑12
(2)全国社会福祉協議会 : 「住民参加型在宅福祉サー ビス団体の運営等のあ り方 に関す る調査研究」報告 書 1997p・11
(3)厚生 省告示第117号 :国民の社会福祉 に関す る活動 への参加の促進 を図 るための措置 に関す る基本的 な指針 厚生省社会 ・擁護局地域福祉課 参加型福祉社会をめざ して 1993p・95
(4)中央社会福祉審議会地域福祉専門分科会意見具 申 :ボランテ ィア活動 の中長期的な振興方策 について 厚生省社会 ・擁護局地域福祉課 参加型福祉社会 をめざ して 1993pp・98‑118
(5)同 (2)p・104 (6)同 (3)p・92
(7)高萩盾 男 :高齢 化 とボ ラン タ リズ ム 高橋 勇悦 ・高萩 盾 男 高齢 化 とボ ラン テ ィア社 会 弘文 堂 1996pp・10‑ll
(8)全国社会福祉協議会 :平成7年度住民参加型在宅福祉サー ビス調査報告書 1995p・32 注
(注1)全国社会福祉協議会では,サー ビス生産協 同組合 はワーカーズ コレクテ ィブに分類 されているが, ヒア リング調査の結果,会員は出資金 を支払 い,利潤の追求 を活動の 目的 としていないが,全 メンバー に よる自主管理 は行われていなか ったので,本調査 では 「住民の 自主的な会員組.織」とみな している。
(注2) ここでの一人暮 らしとは,一時的な一人暮 らしで家族のい る可能性 があ る学生 を除いてい る。
(注3)万が一,A:急用 ,病気等で急 に人手 が必要,B:身体 の不 自由 ・高齢 の為 ,手助 けがな くては一人 での生活 が困難
,C:
寝 た き りな ど一人 では生活 がで きない状況 にな り,外部 のサー ビスを利用 しな ければ解決 で きない場合 , どのサー ビス (公的 ・市場 ・住民参加型在 宅福祉 サー ビス) を利用 した いかをそれぞれ回答 して もらった。住 民参 加型在 宅福 祉 サー ビス活動 の現状 と課 題 15
(注4) 共助 意識 は 「地域 外 で 災害 な どが起 きた場 合 ,面識 のな い人 に手 助 けを した い」
,
「地域 内で災害 な どが起 きた場 合 ,面 識 の な い人に手助 け を したい」,
「社会 の一 員 として何 か社 会 の ため に貢献 したい」そ れぞれ5段 階評価 の平 均値 で あ る。
(注5)地域 互助意識 は 「地 域 で何 かあ った ら,何 を さて お いて で も協 力 した い」
,
「地域 は互 い に助 け,坐 きてい く場 であ り,生 活の基 本単位 であ る」,
「地域 住民 として何 か地域 の ため に貢献 したい」,
「自分 の考 えを主張 す る よ りは,他の 人 との和 を大切 に したい」,
「近所 の 人 と心 の通 った つ きあ い を した い」それ ぞれ5段階評価 の平均値 であ る。
参 考 文 献 電通総 研編 :N POとは何 か 日本経 済新 聞 社 1996
江上 渉 :住 民参 加型 在宅福祉 サ ー ビス提 供 活動 へ の参加動機 分析 東 京都立 大学 総 合都 市 研究 セ ン ター 総 合都市研 究 第42号 1991
江上 渉 :住 民参 加型 在 宅福 祉 とコ ミュニ テ ィ 東 京都 立 大学 人文 学部 人文学 報224号 1990 藤村 正 之 :互酬 的 関係性 の形 成 とそ の内実 東京都 立大学 総 合都市 研究 セ ン ター 総 合都市 研究
第42号 1991
福 田幸夫 :これ か らの社 会福 祉 相津 譲 治 ・井村 圭壮 編 社会福祉 の基 本体系 勤 草書 房 1996 針 生誠 吉 ・小林 良二 :高齢社 会 と在 宅福祉 日本評論 社 1994
伊藤 周平 :公 的在 宅福 祉 サー ビスの現状 と政策的課 題 社 会保 障研 究所 季刊社 会保障 研究Vol.29 No.2 1993
岩 見太市 :高齢 期 を生 きる福祉 コ ミュニ テ ィ 中央 法規 出版 1997 女性労働 問題研 究所 :女性 労働研 究 No.36 1999
加釆和 典 :地域 福祉 におけ る 「組織 化 」 に ついて 山 口大学文 学 部 山 口大学文 学 会誌40巻 1989 加釆和 典 :社 会福 祉 と地域 集 団 社 会保障 研究所 季 刊社 会保 障研 究 Vol.30No.2 1994 金子 勇 :高齢 社 会 ・何 が どう変 わ るか 講 談社 1995
加藤博 史 ・杉 本敏 夫 :新 しい社 会福 祉 中央 法規 出版 1996 河合克 義編著 :これ か らの在 宅福祉 サ ・‑ビス あけび書房 1990
城 戸 喜 子 :多様 な サ ー ビス供 給 主 体 の特 質 と分担 関 係 社 会保 障研 究所 季 刊社 会保 障 研 究 Vol.32No.2 1996
小林 良二 :住 民参 加 型在 宅 福 祉 サ ー ビ スへの参 加 意識 社 会保 障研 究所 季 刊社 会保 障 研究 Vol.30No.2 1994
社会保 障研究所 編 :社 会福祉 におけ る市民 参加 東 京大学 出版 会 1996 小 山隆 ・谷 口明広 ・石 田易 司編著 :福祉 ボ ラン テ ィア 朱鷺 書房 1995 京極 高宣 :社 会福 祉学 とは何 か 全 国社 会福祉 協議 会 1995
松村 祥子 :社 会福 祉 と家庭科 教育 日本家 政学 会 日本家 政学 会誌 Vol.48No.1 1997
三上 芙美 子 :ボ ラン テ ィア活動 の経 済 分析 社 会保 障研究 所 季 刊社 会保 障研究 Vol.26No.4 1990 根本悦 子 :助 け 合いの地 域 づ くり 学 陽書房 1997
日本地域 開発 セ ン ター :地域 開発 '90 12日本地域 開発 セ ン ター 1990
西 田芳 正 :福 祉 コ ミュニ テ ィの可能性 右 田紀 久恵 編 地域福 祉総 合化 への途 ミネル ヴ ァ書房 1996 野上文 夫 :高齢者福祉 政策 と実践 の展 開 中央 法規 出版 1995
野 口定 久 :コ ミュニ テ ィ ・ソー シ ャル ワー クの実践 課題 に関す る予 備的 考察 日本福祉 大学 1992 小川全 夫 :地 域 の高齢 化 と福 祉 恒 星社厚 生 閣 1996
岡本栄 一他編 著 :誰 もが安心 して生 き られ る地 域福 祉 シ ステム を創造 す る ミネル ヴ ァ書房 1995 小野哲 郎 他編 著 :公的扶助 と社 会福 祉 サー ビス ミネル ヴ ァ書房 1997
大阪 ボ ランテ ィア協 会編 :ボ ランテ ィア ‑ 参 加 す る福祉 ミネルヴ ァ書房 1981 大阪 ボ ランテ ィア協 会 :月刊 ボ ランテ ィア5 1999
佐藤 守編 著 :福祉 コ ミュニ テ ィの研究 多賀 出版 1996
杉崎千洋 ・吉浦輪 :住民参加型在宅福祉サー ビスはホームヘルプサー ビスの中核 にな りうるか ? 日本福祉大学研究紀要 第85号 1991
田端光美 :福祉多元主義 と地域福祉政策 一番 ヶ瀬康子編 21世紀社会福祉学 有斐閣 1995 高野和 良 :在宅福祉サー ビスの存立構造 社会保障研究所 季刊社会保障研究 Vol.29No.21993 田中尚輝 :市民社会のボ ランテ ィア 丸善 1996
東京市政調査会 :特集NPO 都市問題第88巻第4号 1997
東京都 :行政 と民間非営利 団体 (NPO)‑ 東京のNPOをめ ぐって ‑ 1996 山岸秀雄 :市民がつ くる地域福祉 第一書林 1993
山下袈裟男編 :転換期の福祉政策 ミネルヴ ァ書房 1994