保育園児の生活リズム
一睡眠と発育一(1)※
原 田 壽 子※※
1 はじめに
保育園に初めて入園してきた子どもは,いままでの家庭での生活とは大きな変化があり,緊 張した状態で,こころとからだの両面で大きな不安を感じている。新入園児に対し,保育園側 では家庭でどのような生活を送ってきているか成育歴,家庭環境,生活スタイルを大まかにと らえて,それぞれのこどもに相応しい対応をするが,園生活に慣れるまでにはしばらくの時間 が必要であろう。家庭の生活と保育園での生活の連携のなかで,生活のリズムを確立し,快い 毎日をスムースに送ることにより成長し,年齢とともに自立していくことができる。生活リズ ムのなかでも睡眠の取り方は発育,発達に深く関与し,成長や活動の基本となる。最近,はっ きりした原因は分からないが,保育園に在籍している子どもの様子が少しずつ変化してきてい る。たとえば,朝からあくびをして眠むそうな子ども,昼寝の時,ぐっすり眠らない子どもが いる,指示しなければ次の行動に移れない子どもがいるなどと,現場の保母さんは感じてい る。そのような子どもが目につくようになったのはとくにこの4,5年である。本研究ではこ の何か分からない子どもの変化の要因として,睡眠や朝食が関与しているのではないかと考 え,保育園に在籍する子ども達の生活の中で,睡眠時間がどんな状態であるか,また朝食の有 無を調査し,発育,発達にどのように影響しているかを日常生活との関係から分析,検討し,
それを第一報としてまとめてみた。
2 研究方法
調査期間 1996年8月下旬一9月上旬
調査内容 保護者を対象に質問調査
※The rythmu of the lives of Nursery School chndren−Sleeping and growth一(1)
※※Toshiko Harada 立正大学社会福祉学部人間福祉学科 キーワード;保育園児の生活リズム,睡眠習慣,朝食と睡眠と発育
一201一
① 睡眠時間調査(起床時間,就寝時間)
② 朝食の有無と量 保育者に質問調査
保育園における生活調査(遊びの状況,昼寝など)
対象となる園児 A保育園児 0歳から4歳まで156名
(O !歳 9名,1−2歳26名,2−3歳 41名,3−4歳 80
名) (男児92名,女児64名)
3 考 察
睡眠のもつ意味は疲労回復であり,心身の休息が目的であるが,乳幼児の場合には,発育,
発達のために必要な時間でもある。心身の発育に必要な成長ホルモンは深い眠りのなかで分泌 されて発育を促している。良質のものを十分に食べ,睡眠が充足しているとき,成長は順調に 進むのである。発育の急激な5歳ごろまではとくに睡眠時間は重要な意味をもつことになる。
ことに脳細胞の構造は他の臓器に比べ,発育の速度が速く,5歳ころまで急激に発育し,脳重 量は7,8歳ころまでに成人の約90%にまで増加する。同時に神経系の発育も急速に進む。こ の発育にともない人間関係が親や兄弟などの家族以外にも発展し,遊びなどの活動範囲が広が り,動作が活発になる。また,身長や体重など形態的発育も5歳ころまで急速で,身長,体重 が増加し,身体全体が大きくなり,成長の様子が見られるようになる。このとき成長に必要な 栄養と睡眠時間の確保が問題となる。最近の子どもの日常の行動について,目につくように なった変化の原因が睡眠時間にあると推定し,今回は調査対象の保育園児の睡眠の状態がどの ように確保されているかを見るために,10日間にわたり保護i者により記録された,園児の起床 時間と就寝時間を,分析,検討してみた。夜の睡眠時間を年齢別に見ると,次のようになる。
睡眠時間について
表1 年齢別平均睡眠時間
全 体 0−1歳 1−2歳 2−3歳 3−4歳 男児 9時12分
@平均時間に対する割合 落凵@ 9時38分
@平均時間に対する割合
9時19分
i58.2%)
X時29分
i59。2%)
8時48分
i62.8%)
X時53分
i70.5%)
9時22分
i72.0%)
X時31分
i73.2%)
9時32分
i79.4%)
X時40分
i80.5%)
睡眠時間が一般的に必要といわれる時間に比べ,どの年齢においても不足している。0−1 歳の場合,一般的には夜の睡眠時間と昼寝時間を合わせて15−16時間必要とされるが,この調 査では夜の睡眠時間は男児で9時間19分,必要な時間の58.2%,女児では9時間29分,59.2%
一202一
であった。同様に見ていくと,1−2歳では,男児が62.8%,女児では70.5%,2−3歳で は,男児72.0%,女児73.2%,3−4歳では,男児79.4%,女児80.5%であり,どの年齢でも 必要な時間より20−40%前後不足している。この不足量を時間に換算すると,2−5時間にな
る。夜の睡眠時間がこれだけ少ないということは,昼寝により充足する必要があり,昼寝は1 日の睡眠時間の一部として重要な意味をもつことになる。実際にこの夜の睡眠の不足分を保育 園での昼寝等で補い,1日の必要量が充足されているのであろうか。5歳未満の乳幼児期は睡 眠時間を十分に確保しなければならないのに,保育園に通う子どもにはそれが難しいのが現実 なのであろうか。女性の社会進出が進み,乳児期から子どもを自分の手で育てることが難しい 状況である。自分の家にいる朝,晩の短い時間も精神的にも物理的にも忙しい母親との生活の 中で,子どもの睡眠時間に対する配慮が十分にできるかどうかということである。
保育園での昼寝の時間をみると,0−1歳では平均2時間,昼食が済むとお腹がいっぱいに なり,いい気分で昼寝を始める。この年齢の場合には,子どもによっては午前も午後も昼寝を
して4−5時間も寝る子もいれば,30分前後しか寝ない子もおり,個人差が大きい.2−3歳 は平均2時間,3−4歳は平均1時間30分,もちろん個人差は大きい。4歳以上では昼寝はせ ず,昼食後は自由遊びの時間となっている。昼寝は1つの習慣であるから,家庭でその習慣の ない生活をしていた子どもが中途で入園すると,その習慣づくりにしばらくの時間を要するこ
とになる。ぐずぐず寝る子や,午前中気持よく寝る習慣がくずれているのが目立つこの頃で,
乳児の5割にその傾向が見られると保母さんは言う.これは本来大抵の子どもは習慣として早 くから作られるが,しかし,今は保育園での生活に慣れるに従い,また月齢とともにリズムが でき,昼寝の習慣が作られていくが,習慣形成に以前より時間がかかるという。
どの年齢においても,夜の睡眠時間と園での昼寝の時間を合わせても,1日の睡眠時間を充 足する状態ではない。これは保育時間が長く,朝ゆっくり寝ていられないこと,夕食後早い時 間に就寝できないことなど,保護者の生活時間に左右され,在宅時間中で十分な時間を睡眠の ためにとることができないのが現状であると考えられる。今後の問題として,単に睡眠時間調 査だけではなく,保護者の生活,多忙さの内容と,帰宅してからの子どもとの過ごし方など,
子どもとの関わりについては,次回には詳しく調査し,考察していかなければならない。今,
世の中は夜型の生活様式に変化しつつあり,大人ばかりでなく子どももその波に流されてい る。この状況の中で十分に必要な時間を確保するには,保護老と保育者が現状を正確に把握 し,どんな意識をもち,これ対応するかということになる。両者が密接に連絡をとり,協力し
合う以外に方法はない。
睡眠時間が短いと思われる中で,保育園での子どもの生活にどんな変化が日常的に表れてい るかを調査してみた。保母さんの観察では,最近の傾向として,子どもの活動傾向に変化がみ られ,とくに,朝から眠そうで,なんとなくはっきりぜず,ぽ一つとしている状態で子どもの 活動性が低く,動きの鈍さなど無気力な状態が目につくという.はっきり返事をせず,動作も 鈍く,少しの活動でもすぐに疲れた一と言い,主体的行動が見られないというのである。保母 一203一
が声を掛けなけれぽ次の行動に移れないというわけである。その状態が大抵,午前中続き,活 発な動作が見え始めるのは早い子で昼食後,さらに遅い子は昼寝の後ということになる。この 傾向は小学校や中学校でも同様な兆候があると正木氏ωが述べている。今回の調査で実際に午 前中動作の鈍いそのタイプの子どもがどのくらいいるか,年齢別にその割合を調べてみると,
次のようになる。
男 児
女 児
0−1歳 P−2歳 Q−3歳 R−4歳
50.0%
Q5.0%
@0%
Q.6%
66.6%
R3.3%
@0%
X.3%
長い時間の睡眠時間をとくに必要とする0−1歳,1−2歳のグループに午前中の活動が鈍 い子どもが多くみられる。睡眠量が足りず,気持よく目覚めることができないことが,活動の 開始を遅滞させている原因の1つと考えることができるのではないだろうか。午前中自分の意 志で十分活動できず,行動が停滞しているのではないだろうか。睡眠時間が平均より少ない子
どもの朝の登園時の様子を調べてみると,0−1歳では顔色が冴えない,朝の挨拶の声が冴え ないなど,元気のない子どもは男女児とも50.5%である。1−2歳では,男児で66。3%に女児 で25%に,2−3歳では男児で25%,3−4歳では男児で6.25%,女児で12.5%に見られる。
朝,元気がない傾向の子どもが午前中の行動が無気力につながることが多い。しかし,このグ ループの全員が引き続き元気が出てこないのではなく,一部の子どもは朝の自由遊びの中でエ ンジンがかかり,1日の保育が始まることになる。登園時から約1時間の自由遊びは1日の始 まりであり,その大切さを保母さんは重視していると感じる。最も早く登園してくる7時30面 ころから,子ども達は園庭に出て保母さんらと各自それぞれ自由に遊んでおり,この動きの中 ですっきりと目覚めていくのである。朝の無気力な行動は睡眠時間が少ないことが原因と考え られると同時に,起床時間とも無関係ではないとみる。起床時間や就寝時間との関連について も検討してみるために,年齢別の平均起床時間と就寝時間は次のようになる。
表2 年齢別平均起床時間
全 体 0−1歳 1−2歳 2−3歳 3−4歳
男 児 浴@ 児
6時51分 U時59分
6時56分 U時32分
6時37分 U時46分
6時55分 V時35分
7時11分 V時04分
表3 年齢別平均就寝時間
全 体 0−1歳 1−2歳 2−3歳 3−4歳
男 児 浴@ 児
8時58分 X時10分
8時29分 W時42分
8時47分 X時02分
9時09分 X時45分
9時30分 X時24分
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保育園の午前の生活が非活動的である子どもが多く見られるのは,起床時間と関連するので はないかと推測し,年齢別に調査してみた。起床時間の全年齢の平均が6時台で,子どもは意 外に早く目覚めている。子ども自体が早く目覚めることもあるが,保護者は仕事のために早く から朝の準備がはじまり,子どももそれに伴い,早く起きなければならないのである。
朝の登園時間をみると,0−1歳,1−2歳では7時30分一8時30分,8時前後が最も多 い。2−3歳,3−4歳はほとんどが8時30分前後に登園している。年齢の低いほど早い登園 であることに注目しなければならない。起床してから登園するために家を出るまでの時間は30 分前後しかなく,起きてそのまま登園ということもしぼしばあり,当然,朝食もゆっくり,十 分とることができない忙しい時間である。起きてから家を出るまでの時間が短いということ は,しっかり目覚めるには十分ではない。起きてすぐにミルクを飲み,それだけで朝食を食べ ずに家を出ることもあり,またおにぎりを食べながら登園ということもある。起きてそのまま 園に来る子どもの中には,就寝中の濡れた,重いおしめをしたままであることもある。いかに 忙しい朝であるかということである。また,保育園に通園する方法は自転車か車を利用するこ とがほとんどであり,徒歩で通園はきわめて少ないことも,目覚めを促すことにはならないの ではないかと推測する。このように起床から登園までの時間が短いことは,十分目覚めないう ちに保育が始まるということである。次に降園時間をみると,0−1歳,1−2歳とも6時前 後,2−3歳,3−4歳は平均4時前後で5時にはほとんどの子どもが降直している。朝早く 登園する0−2歳の方が降誕時間が遅く,1日24時間のうち約10時間を保育園で過ごすことに なる。6時過ぎに帰宅するこれらの子どもの母親は忙:しい夕方の時間を過ごし,子どもの夕 食,入浴などを済ませなければならない。帰宅してから就寝するまでの時間は3時間以内であ り,とても忙しい時間であろう。夜の睡眠時間が平均的に短いこの子ども達が,園での昼寝を いかに活用するかにより,発育,発達の内容が変わると考える。寝る子は育つといわれるよう に,健康で元気な子はよく眠るのである。睡眠時間の少ない生活リズムのなかで発育状況をみ るために,形態の発育の中で,身長と体重を取上げて,検討してみることとした。
表4 年齢別身長と体重
年 齢 0−1歳 1−2歳 2−3歳 3−4歳
身長 男児(c皿) 73.32 82.73 92.22 98.64 平均に対する
п@ 合
(97.2%) (94.1%) (97.0%) (96.6%)
女児(㎝) 72.79 79.70 93.71 96.77 平均に対する
п@ 合
(99.5%) (96.1%) (99.6%) (95.5%)
体重 男児(㎏) 9.72 11.95 13.82 14.48 平均に対する
п@ 合 (101%)
(96.9%) (96.5%) (95.1%)
女児(㎏) 10.15 11.42 13.91 13.57 平均に対する
п@ 合 (122%)
(97.4%)
(100%)(85。4%)
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年齢毎に身長と体重をみると,身長はどの年齢においても標準よりわずかに不足している。
体重については1歳まで乳児は男女児とも標準を少々超えている.3−4歳については標準よ りやや不足している。睡眠時間が少ないことのほかに,運動量や栄養の摂取量も発育の条件と なるのではないかと考える。これはとくに乳児に見られる現象だが,朝,登園してしばらくす ると,機嫌が悪くび一び一と泣く子どもがいる。これは朝一番に飲むミルクのみか,朝食を食 べていないか,または食べても少量で空腹のためで,機嫌が悪いことが多く,おやつを食べる と満足し,うとうとと昼寝に入る子,または元気に遊び始める子といろいろである。この園で はこのような子どものために朝,9時頃におやつの時間を設定している。十分に食べて,深い 睡眠をとることが成長ホルモンの分泌を促すわけだから,食事の量が少量であれば,ぐっすり 眠れないのではないか。筆老が以前の調査②によると,保育園児の1日に摂取するカロリーの 大半は保育園から出る昼食とおやつで占められている結果がでている.きちんとカロリーが計 算され,必要量が確保されている保育園の食事には大変な意味があるということになる。朝 食,夕食で離乳食を必要とする乳児の場合,これが十分に摂取されないとき,子どもはいつも 空腹の状態にあり,これが登園してから無気力な状態にあるばかりでなく,発育にも関与して いると推測できる。朝食を摂つたか摂らないか,またその量について十分か少量かを調査した が,その結果は次の通りである。
表5 朝食摂取の状況
十 分 に 少 量 摂らない 0−1歳
P−2歳 Q−3歳 R−4歳
61.1%
U1.1%
T9.3%
T6.9%
13.2%
R8.9%
R3.6%
R4.0%
25.3%
@0%
V.1%
X.1%
保護者に依頼した10日間の調査では表5に示す通り,朝の短い時間の中で各年齢で60%前後 子どもが十分な量の朝食を摂っていることになる。この場合の十分というのは,保護者にとっ て十分ということで,1日の必要所要量のうち,朝食の量として必要かつ十分であるかどうか は不明であり,調査内容としては不十分である。少量しか食べない子どもを含めると,0−1 歳では74.3%が朝食を摂っているが,25.3%の子どもは食事をせずに登園していることにな
る。朝の顔色が悪いなど元気がないこと,午前中の行動が無気力と思われる子どもがこのグ ループに集中していることとも一致しており,朝食と無関係ではないと推測する。食事をして いないことははっきり目覚められないのではないだろうか。1−2歳ではこの調査では全員が 朝食を摂って登園している。しかし,このグループで午前中不活動な子どもが見られる。2−
3歳では92.9%が朝食を摂り,摂らない子どもが7.1%いる。3−4歳では90.9%が朝食を摂 り,9.1%が食事せず登園していることになる。この調査では摂るか,摂らないかという点だけ を取り上げており,必要量,食品の種類や質などの内容については次回に検討していかなけれ 一206一
ばならない。
最近の子どもは何かおかしいという保母さんの話をいろいろな面から調査し,考察してきた が,睡眠,朝食からみて子どもの様子に変化がみられるのも当然という状態であることが推測 できる。時間に追われている保護者の生活との関わりの中で,子どもは種々の影響を受け,生 活リズムは変わり,本来子どもがもつ日常的習慣の形成が遅滞している現状にある。この状況 の中で子どもが快適な生活を確保し,発育を順調に進あるために,保護者と保育者がお互いの 立場から協力し合い,意見を交換し,子どもの発育,発達を促進していかなければならないで
あろう。
4 おわりに
最近の保育園児の行動に様々な変化が見られるという現場の観察をもとに,どんなことが具 体的に子どもに現われているかをみることとした。保育園児の発育,発達を生活リズムからと らえようと,とくに睡眠を取上げ,睡眠時間を10日間にわたり調査し,その結果をもとに分析 し検討を試みた。その結果をみると睡眠時間はどの年齢のグループでも1日に必要な時間を充
足していない。0−1歳で58.7%,1−2歳66.6%,2−3歳72.6%,3−4歳
81.7%,(男女の平均)であり,時間にすると1日に2−5時間の不足となる。
睡眠時間が不足している原因としては,0−2歳では,1日の保育園での生活は10時間近い 長時間になり,起床時間が早いこと,夜型の生活傾向など保護者の生活時間の影響によること が考えられる。0−1歳のグループには午前中に活力がなく,無気力な状態の子どもが男児 50%,女児66%と他の年齢グループより多いが,これは睡眠時間と朝の目覚めの状況が影響し ているものと推測する。不足している睡眠時間を補う昼寝をみると,0−1歳では約2時間 で,それ以外の年齢では平均1時間30分である。この時間には個人差がみられ,少ない子は30 分くらいしか寝ていない。いずれも睡眠時間を補うには十分な時間ではない。0−1歳の乳児 には眠りの内容の変化がみられ,ぐっすり眠れない子が増加し,午前中の昼寝の習慣がくずれ ている傾向にある。この習慣形成にも時間を要する子どもが多い。
寝る子は育つと言われる通り,睡眠と成長は5歳ころまでは深い関係にあるが,その中でと くに身長と体重などの形態発育をみると,身長はどの年齢でも平均値よりわずかに少ない。体 重は0−1歳の男女児とも平均値よりやや多いがその他の年齢ではわずかに少ない状態に発育 している。これは睡眠時間だけの問題ではなく,1日に必要な運動遊びの量や摂取するカロ リー量の条件も合わせて深く関与し,総合的に判断しなけれぽならない。朝食の摂取について 調査したが,全体でみると十分な量を摂取しているのは57−61%であるが,少量か何も摂らな い子どもが各年齢にもあるのは成長と無関係ではないと推測する。朝食ばかりではなく,1日 に必要な栄養所要量が十分であるかどうかをあわせて調査することが必要である。
朝食を摂らないで登園する子どもは,0−1歳でとくに目立ち,それは25.3%に達してい 一207一
る。午前中の行動が無気力であると思われる子どもがこのグループに集中しているのは,これ と無関係とは考えられない。朝食を摂ることの重要性を保護老と協力し解決する方法を見い出
したい。
最近,保育者から見て何かおかしいという子どもの行動は睡眠時間,朝食の有無と摂取量,
運動遊びの量などが総合的に関連して表出されているものと推測する。子どもの行動をあらゆ る面からとらえて,発育を支援していかなければならないであろう。
引用文献
(1)正木健雄
(2)原田壽子
③ 杉原 隆
(4)時実利彦
1990「子どものからだは蝕まれている」柏樹社
1995「幼児の形態発育と食事について」立正大学短期大部紀要 34号 1993「保育内容 健康」 ミルネウ ア書房
1982「脳と発育」 雷鳥者
一208一