.
プリント中の
¤
£
¡
佐本
¢はテキスト,“佐川,本間, 「力学」(シュプリンがー)”を示します。
¤
£
¡
¢
高木
Iは参考文献,“高木隆司, 「力学
(I)」(裳華房)”を示します。¤
£
¡
高木
II ¢は参考文献,“高木隆司, 「力学
(II)」(裳華房)”を示します。¤
£
¡
戸田
¢は参考文献,“戸田盛和, 「力学」(岩波)”を示します。
オフィスアワー: 金曜
3講時
(3-206)と金曜
6講時
(1-513) url: http://www.math.ryukoku.ac.jp/ iida/lecture/lecture.html力学.1
1 仕事とエネルギー (1 次元 )
¤
£
¡
佐本
Lec. 5¢ ¤£
¡
戸田
3-4¢¨§
¥
高木
I p.92¦ここでは
x軸上を動く質点の運動を考える。質点の質量を
m,時刻tでの質点の位置を
x(t),時刻tで質点に 働く力
(のx成分) を
Fx(t)とする。運動方程式
(の x成分) は
md2x(t)
dt2 =Fx(t) (1.1)
となる。
【注】物体の運動を記述するとき,その大きさが無視できる場合,その物体を 質点
¤ (質量を持った点)と呼ぶ。
£
¡
¢
佐本
3.1.1¨
§
¥
戸田
p.25¦¨
§
¥
高木
I p.2¦【注】運動方程式
md2 dt2
x(t) y(t) z(t)
=
Fx(t) Fy(t) Fz(t)
(1.2)
で,y(t) = 0
, z(t) = 0,Fy(t) = 0, Fz(t) = 0の場合を考えている。
簡単な力に対しては,運動方程式の解を式で表すことができる。
・ 調和振動
(単振動):フックの法則に従う復元力がはたらく質点の運動
¤
£
¡
¢
佐本 図
4.5¤
£
¡
¢
戸田 図
3.4x
は,ばねの自然長からの伸び
(x >0の場合),
または縮み
(x <0の場合) を表す。
ばねの一端を固定し,他端に質量
mの物体をつないで摩擦のない水 平な面上に置く。ばねの伸び
(縮み)が小さい時は,ばねによる力の 大きさはばねの伸び
(縮み)に比例する
(フック(Hooke)の法則)。
ばねの力がちょうど
0になるときの物体の位置
(つりあいの位置)を 原点とし,ばねの伸びる向きを
x軸の正の向きにとる。ばねの力
F~は
x軸に平行であり
(F~ = (Fx, 0,0))Fx(t) =−kx(t) ¨
§
¥
佐本
(4.33)¦¨
§
¥
戸田
(3.25)¦¨
§
¥
高木
I (4.1)¦ (1.3)となる。k は ばね定数 と呼ばれるばねに固有の正の定数である。
ばねの力のように,物体をつりあいの位置
(x= 0)に引き戻そうと する力を 復元力 と呼ぶ。運動方程式
(1.1)は
d2x(t)
dt2 =−ω2x(t), ω=
√k m
¨
§
¥
佐本
(4.35)¦¨
§
¥
戸田
(3.26)¦(1.4)となる。ω を 角振動数 と呼ぶ。
.
【問】t
= 0での初期条件
x(0) =x0, dx(t) dt
¯¯¯¯
t=0
=v0 (2.1)
を満たす運動方程式
(1.4)の解を求めなさい。(
dx(t) dt¯¯¯¯
t=0
は
dx(t)dt
に
t= 0を代入するという意味。)
【答】
x(t) =x0cos(ωt) +v0
ω sin(ωt). ¨
§
¥
佐本
(4.39)¦¨§
¥
戸田
(3.39)¦¨§
¥
高木
I (4.7)¦ (2.2)【問】調和振動で次の量
E= m 2
(dx(t) dt
)2
+k
2x(t)2 ¨
§
¥
戸田
(3.73)¦ (2.3)が 保存する
(時間によらず一定になる)ことを示しなさい。ここで,
K(t) =m
2vx(t)2, vx(t) =dx(t) dt
¨
§
¥
佐本
p.77¦¨
§
¥
戸田
(3.62)¦¨
§
¥
高木
I (5.24)¦ (2.4)は時刻
tの, 運動エネルギー ,
U(t) =k2x(t)2 ¨
§
¥
佐本
(5.17)¦¨
§
¥
戸田
(3.71)¦¨
§
¥
高木
I (5.15)¦ (2.5)は,時刻
tの,ばねの力による 位置エネルギー または ポテンシャルエネルギー と呼ばれる。
また, ,E
=K+Uは 力学的エネルギー と呼ばれる。力学的エネルギーが運動の過程で一定になることを,
力学的エネルギーが保存する という。
【答】
(2.3)
に
(2.2)を代入すると
E= m2
(−x0ωsin(ωt) +v0cos(ωt) )2
+k 2
(
x0cos(ωt) +v0 ω sin(ωt)
)2
= m 2 v20+k
2x20 (2.6)
となり,E
=一定 であることがわかる。
実は,力学的エネルギーが保存することは,運動方程式の解
(2.2)を使わなくても,運動方程式
(1.4)だけから 示すことができる:運動エネルギーの時間変化は
dK(t) dt = m
2 d
dtvx(t)2=mvx(t)dvx(t)
dt =−kvx(t)x(t) (2.7)
となる。最後の等式で運動方程式
(1.4)を用いた。一方,位置エネルギーの時間変化は
dU(t)dt = k 2
d
dtx(t)2=kx(t)dx(t)
dt =kx(t)vx(t) (2.8)
なので,
dK(t)dt =−dU(t) dt
より
d dt
(
K(t) +U(t) )
= 0 (2.9)
が得られる。この式は
K(t) +U(t)の
tに対する変化率が常に
0,つまりK(t) +U(t)が一定であることを意味
する。
力学.3
.
sin(α+β) = sin(α) cos(β) + cos(α) sin(β)
,
cos(α+β) = cos(α) cos(β)−sin(α) sin(β)【問】
初期条件
(2.1)を満たす物体が
x軸上のどの範囲を運動するかを求めなさい。
【答】力学的エネルギー保存則を書き換えると
E−k2x(t)2= m
2vx(t)2 (3.1)
となるが,この式の右辺は負にならないので,
E−k
2x(t)2≥0 (3.2)
より
−
√2E
k ≤x(t)≤
√2E
k (3.3)
という不等式が運動の過程で常に成り立っている。初期条件より
E= m 2v02+k2x20
なので,この物体は
−√
x20+ v02 ω2
から
√ x20+ v02
ω2
の範囲を運動することがわかる。
x 0 v =
x 0 v =
vx =
ᦨᄢ
a=
√ x20+ v20
ω2
¤
£
¡
佐本 図
5.2¢¤
£
¡
戸田 図
3.9¢解
(2.2)をは次の形,
x(t) = x0cos(ωt) +v0
ω sin(ωt) =asin(ωt+δ) (3.4)
a =
√
x20+v02/ω2, sin(δ) =x0
a , cos(δ) = v0
aω, (3.5)
に書き換えることができるので,確かに物体が
(3.3)の領域を全て運動することがわかる。
【注】一般には,力学的エネルギー保存則から得られる不等式
(3.3)を満たす領域の全てを物体が運動するとは限 らない:
(物体が運動する領域)⊂(力学的エネルギー保存則から得られる領域). (3.6)
しかし,この場合は
(3.4)からわかるように物体は領域
(3.3)を全て運動する。
力学的エネルギーは他の運動でも保存する。
・ 自由落下
¨§
¥
佐本
2,2¦¨§
¥
高木
I§2.3¦重力のみが働く落下運動を考える。x 軸を鉛直上向きにとると,運動方程式は
md2x(t)dt2 =−mg (4.1)
となる。g は重力加速度の大きさを表す。重力による位置エネルギーを
U =mgx ¨
§
¥
高木
I (5.13)¦¨
§
¥
戸田
(3.64)¦ (4.2)とすると,力学的エネルギー
E=K+U =m
2vx(t)2+mgx(t) (4.3)
が保存する。
【問】力学的エネルギー
(4.3)が保存することを,運動方程式
(4.1)から示しなさい。
【答】運動エネルギーの時間変化は
dK(t)dt =m 2
d
dtvx(t)2=mvx(t)dvx(t)
dt =−mgvx(t) (4.4)
となる。最後の等式で運動方程式
(4.1)を用いた。一方,位置エネルギーの時間変化は
dU(t)dt =mgd
dtx(t) =mgvx(t) (4.5)
なので,
dK(t)dt =−dU(t) dt
より
d dt
(
K(t) +U(t) )
= 0 (4.6)
が得られる。この式は
K(t) +U(t)が一定であることを意味する。
【問】位置
x= 0から,初速度の大きさ
v0で質量
mの物体を鉛直上向きに投げ上げた。物体の到達する最大 の高さを求めなさい。
【答】物体は
m
2 vx(t)2=E−mgx(t) (4.7)
が非負の範囲を運動する。初期条件より力学的エネルギーは
E= m2v20 (4.8)
なので,物体の運動する範囲は
m
2v02−mgx(t)≥0 (4.9)
となる。従って,物体の到達する最高点
xmは
xm= v20
2g (4.10)
となる。
力学.5
運動エネルギーの形は常に
m2v2x
だが,位置エネルギーの形は働く力によって異なる。
1
次元の運動における位置エネルギー
物体に働く力
(のx成分) が,物体の位置
(x)の関数である場合,つまり
Fx(t) =Fx(x(t)) (5.1)
である場合,位置エネルギー
U(x)を,等式
−dU(x)
dx =Fx(x) ¨
§
¥
佐本
(5.12)¦¨
§
¥
高木
I (5.35)¦¨
§
¥
戸田
(3.60)¦ (5.2)を満たす関数とする。このとき,力学的エネルギー
E=K+Uは保存する:
m
2vx(t)2+U(x(t)) =
時間に依らず一定
. ¨§
¥
佐本
(5.14)¦¨
§
¥
戸田
(3.64)¦ (5.3)U(x)
は 力のポテンシャル とも呼ばれる。
【問】
1次元の運動の力学的エネルギー保存則
(5.3)を,位置エネルギーの定義
(5.2)と運動方程式
(1.1)から示し なさい。
【答】運動エネルギーの時間変化は
dK(t)dt = m 2
d
dtvx(t)2=mvx(t)dvx(t)
dt =vx(t)Fx(x(t)) (5.4)
となる。最後の等式では,運動方程式
(1.1)と,力が
xを通して時刻
tに依存すること
(5.1),を用いた。一方,位置エネルギーの時間変化は
dU(x(t))
dt = dU(x) dx
¯¯¯¯
x=x(t)
dx(t)
dt =−Fx(x(t))vx(t) (5.5)
となる。最後の等式で,(5.2) を用いた。
dK(t)dt =−dU(t)
dt
より
d dt
(
K(t) +U(t) )
= 0 (5.6)
が得られる。この式は
K(t) +U(t)が一定であることを意味する。
U(x)
は
(5.2)の積分
U(x) =−
∫ x x0
Fx(x0)dx0 ¨
§
¥
佐本
(5.14)¦¨§
¥
戸田
(3.64)¦ (5.7)によって得られる。ただし,(5.7) では
U(x0) = 0となるように位置エネルギーの基準点を選んだ。
【注】U
(x)に定数を加えても
(5.2)を満たすので,位置エネルギーには定数だけの不定性がある。
【問】位置
xの物体に働く力
(のx成分) が
Fx(x) =−4x3+ 4x (5.8)
となる場合の,力のポテンシャル
U(x)を求めなさい。ただし,x
= 1を位置エネルギーの基準点
U(1) = 0とする。
【答】(5.7) より
U(x) =
∫ x 1
(
4(x0)3−4x0 )
dx0 =[
(x0)4−2(x0)2]x0=x
x0=1 =x4−2x2+ 1. (6.1)
【問】
x
軸上を力
(5.8)を受けて運動する質量
mの物体を 考える。時刻
t= 0での初期条件が
x(0) = 1, vx(0) =v0 (6.2)
である場合,物体は
x軸上のどの範囲を運動する かを答えなさい。
-2 -1 1 2
1 2
1 E>
1 E<
x ( )
U x
A B
C D E F
【答】
力学的エネルギー
EE= m
2 v20+U(1) = m
2v02 (6.3)
が保存するので,任意の時刻
tで
m
2vx(t)2+U(x(t)) =E (6.4)
が成り立つ。
運動エネルギーは負にならないので,物体が運動できるのは,不等式
U(x)≤E (6.5)
を満たす領域となる。
(6.5)
で決まる領域の端点では運動エネルギーが
0,すなわち,物体の速度が0となり,物体は折り返す。この
位置は
U(x) =E (6.6)
より求めることができる;
x4−2x2+ 1 = (x2−1)2=E (6.7)
より,E >
1の場合は
x=±
√ 1 +√
E (6.8)
となる
(図の点A,B)。また,0≤E <1の場合は
x=±√ 1 +√
E , ±
√ 1−√
E (6.9)
となる
(図の点C,D,E,F)。従って,物体の運動する範囲はE= m
2v20>1
の場合
, −√ 1 +√
E≤x≤
√ 1 +√
E (6.10)
E= m
2v20<1
の場合
,√ 1−√
E≤x≤
√ 1 +√
E (6.11)
となる。
力学.7
【注】
E=m2v20<1
の場合に,点
Cと点
Dの間の領域は,不等式
(6.5)を満たし,エネルギー的には運動が可 能。しかし,出発点
x= 1から
CDの領域に到達するには点
Dと点
Eの間の領域を通らなければならな いので,実際にはこの領域には物体は到達できない。
【注】力は
U(x)が減少する向きにはたらく。
力学的エネルギーが保存しない場合の例
【問】力のポテンシャル
U(x)から導かれる力
Fx(x) = −dU(x)/dxに加えて,速度の大きさに比例する空気 抵抗
Fx0 =−bvx ¨
§
¥
佐本
(8.1))¦¨
§
¥
高木
I (3.12)¦¨
§
¥
戸田
p.55¦ (7.1)が働く場合に,力学的エネルギー
E= m2vx(t)2+U(x(t))
が減少することを示しなさい。b は物体の形によって 決まる正の定数である。
【答】運動方程式は
mdvx(t)
dt =Fx(x(t))−bvx(t) (7.2)
となる。力学的エネルギーの時間変化を計算する:
dE
dt = m
2 d
dtvx(t)2+dU(x(t))
dt =mvx(t)dvx(t)
dt + dU(x) dx
¯¯¯¯
x=x(t)
dx(t) dt
= vx(t) (
Fx(x(t))−bvx(t)
)−Fx(x(t))vx(t) =−bvx(t)2. (7.3)
従って,物体が運動している限り
(vx6= 0),力学的エネルギーは減少する。【問】x 軸上の位置
xを速度
(のx成分)
vxで運動している物体にはたらく力
(のx成分) が
Fx=−4x3+ 4x−bvx (7.4)
であるとする。時刻
t= 0での初期条件が
x(0) = 1, vx(0) =v0
ただし,
m2v02<1 (7.5)
である場合,時間か十分経過した後の物体の位置
xe= limt→∞x(t)
を求めなさい。
【答】時刻
tの力学的エネルギーを
E(t)とする。
E(t)−U(x(t)) = m
2vx(t)2≥0 (7.6)
より,時刻
tで物体は領域
U(x(t))≤E(t) (7.7)
の中に存在することがわかる。t とともに
E(t)は減少するので,物体の存在できる領域の範囲は狭まり,物体は
位置エネルギー
U(x)が極小となる位置に近づいていく。E(0)
<1より,時刻
t= 0で物体の運動できる領域内
に
U(x)の極小は1つしかないので,x
e= 1であることがわかる。尚,E(0)
>1の場合は,時刻
t= 0で物体の
運動できる領域内に
U(x)の極小が2つ
(x=±1)あるので,時間の経過とともに物体がどちらの極小に近づくか
はエネルギーの考察だけからはわからない。
(参考)空気抵抗や摩擦力が働く場合には,力学的エネルギーは保存しないが,熱エネルギーまで含めて考えると
エネルギー保存則が成り立っている。
¨§
¥
佐本
p.96¦¨
§
¥
高木
I (5.33)¦【注】質量
mの質点が力
Fx(t)を受けて
x軸上を運動しているとする。運動エネルギー
K= m2vx(t)2
の時間 変化は
dK
dt =mvx(t)dvx(t)
dt =Fx(t)vx(t) (8.1)
なので,時刻
t=t1から
t=t2までの運動エネルギーの変化は
K(t2)−K(t1) =∫ t2
t1
Fx(t)vx(t)dt (8.2)
となる。(8.2) の右辺
W =
∫ t2 t1
Fx(t)vx(t)dt ¨
§
¥
佐本
(5.26)’¦ (8.3)を時刻
t=t1から
t=t2までの間に 質点に力
Fxがした 仕事 という。つまり,
K(t2)−K(t1) = W
(質点の運動エネルギーの変化) = (質点になされた仕事) ¨
§
¥
佐本
(5.31)¦ (8.4)が成り立つ。後に,(14.2) で説明するように,この関係式は
3次元の運動においても成り立つ。
力学.9
.
0
@ Ax
Ay
Az
1 A×
0
@ Bx
By
Bz
1 A=
0
@
AyBz−Az By
Az Bx−AxBz
AxBy−AyBx
1 A
2 仕事とエネルギー (3 次元 )
¨
§
¥
佐本
§6,7¦¤
£
¡
戸田
3-5¢¨
§
¥
高木
I p.92¦質量
mの質点の運動方程式は
md2 dt2
x(t) y(t) z(t)
=
Fx(t) Fy(t) Fz(t)
(9.1)
となる。
F(t) =~ (Fx(t), Fy(t), Fz(t) )
は時刻
tに物体にはたらく力を表す。
3
次元の運動における位置エネルギー
位置
~r= (x, y, z)にある物体にはたらく力が物体の位置の関数である場合,つまり
F(t) =~ F~(~r(t)) (9.2)
である場合を考える。3つの関数
Fx(~r),Fy(~r),Fz(~r)が1つの関数
U(~r)から次式
Fx(~r) =−∂U(~r)
∂x , Fy(~r) =−∂U(~r)
∂y , Fz(~r) =−∂U(~r)
∂z
¨
§
¥
佐本
(7.1)¦¨
§
¥
高木
I (5.38)¦¨
§
¥
戸田
(3.153)¦(9.3)によって導かれるとき,U
(~r)を位置エネルギーあるいは力のポテンシャルと呼び,力学的エネルギー
E=m
2|~v(t)|2+U(~r(t)) (9.4)
は保存する。(運動の過程で一定の値をとる。) 関係式
(9.3)を満たす
Uが存在するような力を 保存力 と呼ぶ。
【注】ベクトルの形をした微分演算子
(ナブラ演算子)∇~ = ( ∂∂x, ∂
∂y, ∂
∂z )
を用いると,(9.3) は次のように書ける:
F~(~r) =−∇~U(~r). (9.5)
∇~U(~r)
は
U(~r)の勾配
(gradient)と呼ばれ,grad
U(~r)とも書かれる。
【注】力
F~が位置
~rの関数であっても,いつでも保存力になるわけではない。
位置
~rの関数である力
F~(~r)が保存力である
(力のポテンシャルを持つ)ための必要十分条件は
∂Fx(~r)
∂y = ∂Fy(~r)
∂x , ∂Fy(~r)
∂z = ∂Fz(~r)
∂y , ∂Fz(~r)
∂x = ∂Fx(~r)
∂z
¨
§
¥
佐本
(7.25)¦ (9.6)である。
【注】
∇~を用いると,条件
(9.6)は
∇ ×~ F~(~r) =~0 (9.7)
と書ける。
∇ ×~ F~(~r)は
F~(~r)の回転
(rotation)と呼ばれ,rot
F~(~r)とも書かれる。
【問】位置の関数である力が
F(~~ r) = α
r3 ~r (9.8)
であるとき,力のポテンシャルを求めなさい。ただし,α は定数,r
=|~r|である。
【答】(9.3) を積分する。まず,
∂U∂x =−αx
r3
を
xについて積分する:
U =−α
∫ x
r3dx . (10.1)
積分変数を
xから
r=(x2+y2+z2)1/2
に変換しよう。
∂r
∂x = ∂
∂x
(x2+y2+z2)1/2
= ds1/2 ds
¯¯¯¯
s=x2+y2+z2
∂(x2+y2+z2)
∂x =
(1 2
) s−1/2¯¯
¯¯s=x2+y2+z2
2x= x
r (10.2)
より,
U =−α
∫ x r3
1
∂r
∂x
dr=−α
∫
r−2dr=αr−1+C1(y, z) (10.3)
が得られる。ここで,C
1(y, z)は
xの積分に対する積分定数なので,y や
zの関数である可能性がある。次に,上 式を
∂U∂y =−αy
r3
の左辺に代入する:
∂U
∂y =α∂r−1
∂y +∂C1(y, z)
∂y =−αr−2∂r
∂y+∂C1(y, z)
∂y =−αy
r3 +∂C1(y, z)
∂y . (10.4)
ここで,
∂r∂y = y
r
を用いた。これより,C
1(y, z)が満たすべき条件
∂C1(y, z)
∂y = 0 (10.5)
が得られる。この式を
yについて積分して
C1(y, z) =
∫
0dy=C2(z) (10.6)
が得られる。C
2(z)は
yの積分に対する積分定数なので,z の関数である可能性がある。さらに,得られた結果
U =αr−1+C2(z)を
∂U∂z =−αz
r3
の左辺に代入すると
∂U
∂z =α∂r−1
∂z +∂C2(z)
∂z =−αr−2∂r
∂z +∂C2(z)
∂z =−αz
r3 +∂C2(z)
∂z (10.7)
となる。ここで,
∂r∂z = z
r
を用いた。従って
∂C2(z)∂z = 0,つまりC2
は定数になることがわかる。以上より,力
のポテンシャルは
U(~r) =α
r +C (10.8)
となる.(C は定数。)
(参考) α=−Gm1m2
の場合,(9.8) は,原点に固定された質量
m2[kg]の物体が,位置
~rにある質量
m1[kg]の物体に及ぼす 重力
(万有引力
)を表す。G は 万有引力定数 で以下の値を持つ:
G= 6.67· · · ×10−11m3/(s2kg).
¨
§
¥
佐本
(10.2)¦¨
§
¥
高木
I (5.7)¦,¨
§
¥
戸田
(4.50)¦ (10.9)また,α
= q1q24πε0
の場合,(9.8) は,原点に固定された電荷
q2[C]を持つ物体が,位置
~rにある電荷
q1[C]を持つ物体に及ぼ す クーロン力 を表す。ε
0は 真空の誘電率 で以下の値を持つ:
ε0= 8.85· · · ×10−12C2kg−1m−3s2, (10.10)
C (クーロン)
は電荷の単位。
力学.11
【注】中心力
¨§
¥
佐本
p.136¦¨
§
¥
高木
I (6.1)¦¨
§
¥
戸田
(3.144)¦位置の関数である力が
F~(~r) =f(r) ~r
r, r=(
x2+y2+z2)1/2
(11.1)
で与えられるとき,力は常に原点
(中心)の方向を向いている。このような力を 中心力 と呼ぶ。力のポテ ンシャルは
U(r) =−g(r),
ただし
g(r)は
dg(r)dr =f(r)
を満たす関数
, (11.2)となる。
【問】
¨§
¥
佐本
p.103¦以下に与えられる力が保存力かどうかを判定しなさい。また,保存力の場合は力のポテンシャルを求めなさい。
(1) F~(~r) = (
ayz , azx , axy )
, a
は定数
(11.3)(2) F~(~r) = (
ky ,−kx ,0 )
, k
は定数
(11.4)【答】
(1)
∇ ×~ F(~~ r) =
(∂(axy)
∂y −∂(azx)
∂z , ∂(ayz)
∂z −∂(axy)
∂x , ∂(azx)
∂x −∂(ayz)
∂y )
= (ax−ax , ay−ay , az−az) =~0 (11.5)
となるので,この力は保存力である。
次に,力のポテンシャルを求める。まず,
∂U∂x =−ayz
を
xについて積分する:
U =−a
∫
yzdx=−axyz+C1(y, z) (11.6)
が得られる。ここで,C
1(y, z)は
xの積分に対する積分定数なので,y や
zの関数である可能性がある。次 に,上式を
∂U∂y =−azx
の左辺に代入する:
∂U
∂y =−axz+∂C1(y, z)
∂y . (11.7)
これより,C
1(y, z)が満たすべき条件
∂C1(y, z)
∂y = 0 (11.8)
が得られる。この式を
yについて積分して
C1(y, z) =∫
0 dy=C2(z) (11.9)
が得られる。C
2(z)は
yの積分に対する積分定数なので,z の関数である可能性がある。さらに,得られた 結果
U =axyz+C2(z)を
∂U∂z =−axy
の左辺に代入すると
∂U
∂z =−axy+∂C2(z)
∂z (12.1)
より,
∂C2(z)∂z = 0,つまりC2
は定数になることがわかる。以上より,力のポテンシャルは
U(~r) =−axyz+C (12.2)
となる.(C は定数。)
(2)∇ ×~ F~(~r) = (∂0
∂y −∂(−kx)
∂z , ∂(ky)
∂z −∂0
∂x, ∂(−kx)
∂x −∂(ky)
∂y )
= (0, 0, −2k)6=~0 (12.3)
となるので,この力は保存力ではない。
保存力ではないので,力のポテンシャルは存在しないが,無理に
(1)と同じように積分してみる。まず,
∂U
∂x =−ky
を
xについて積分する:
U =−k
∫
ydx=−kxy+C1(y, z) (12.4)
が得られる。次に,上式を
∂U∂y =kx
の左辺に代入する:
∂U
∂y =−kx+∂C1(y, z)
∂y . (12.5)
これより,C
1(y, z)が満たすべき条件は
∂C1(y, z)
∂y = 2kx (12.6)
となるが,C
1(y, z)は
yと
zの関数なので,この等式を満たすことはできない。従って,
F~(~r) =−∇~U(~r)となる
Uは確かに存在しない。
保存力のはたらく物体の力学的エネルギーが一定になることは
1次元の運動と同様に示すことができる:
dK(t)
dt = d
dt m
2|~v(t)|2=m~v(t)·d~v(t)
dt =~v(t)·F~(~r(t)) =−~v(t)·∇~U(~r)|~r=~r(t) (12.7) dU(~r(t))
dt = ∇~U(~r)|~r=~r(t)· d~r(t)
dt (12.8)
より,
d dtE= ddt (
K(t) +U(t) )
= 0
となることがわかる。
質点が保存力を受けて運動する場合,力学的エネルギー
E=m2|~v(t)|2+U(~r(t)) (12.9)
は保存する。(運動の過程で値が一定となる。)
力学.13
運動エネルギーは負にならないので,保存力のはたらく,質点が運動できるのは,不等式
U(~r)≤E (13.1)
を満たす領域の内部となる。ただし,E は質点の持つ力学的エネルギーである。
.
(1)∇~U(~r)
は
U(~r) =一定 の面
(等ポテンシャル面)に直交する。
(2)∇~U(~r)
は
U(~r)が最も急激に増加する向きを向いている。
つまり,
保存力は力のポテンシャル
(位置エネルギー)が一定の面に垂直で,ポテンシャルが最も急激に減少する向きに はたらく。
・仕事
¨§
¥
佐本
§6¦¤
£
¡
戸田
3-8¢¨
§
¥
高木
I§5.1, 5.2¦質量
mの質点が力
F~(t)を受けて運動しているとする。運動エネルギー
K=m2|~v|2
の時間変化は
dKdt =m~v(t)·d~v(t)
dt =F~(t)·~v(t) ¨
§
¥
佐本
(6.20)¦¨
§
¥
戸田
(3.139)¦ (14.1)なので,時刻
t=t1から
t=t2までの運動エネルギーの変化は
K(t2)−K(t1) =∫ t2 t1
F(t)~ ·~v(t)dt (14.2)
となる。(14.2) の右辺
W =∫ t2
t1
F~(t)·~v(t)dt ¨
§
¥
佐本
(6.22)¦¨§
¥
高木
I (5.4)¦¨§
¥
戸田
(3.130)¦ (14.3)を時刻
t=t1から
t=t2までの間に 質点に力
F~がした 仕事 という。つまり,
K(t2)−K(t1) = W
(質点の運動エネルギーの変化) = (質点になされた仕事) ¨
§
¥
佐本
(6.24)¦ (14.4)が成り立つ。
力学.15
・仕事の単位
(エネルギーの単位と同じ) [J] = [N·m] = [kg·m2/s2]・ 仕事率 :単位時間あたりになされる仕事のこと。 単位はワット
[W]=[J/s]dW
dt =F~ ·~v . ¨
§
¥
佐本
(5.33)¦¨§
¥
高木
I (5.9)¦ (15.1)・力
F~が一定の場合の仕事
W =F~ ·∫ t2
t1
d~r(t)
dt dt=F~·[
~ r(t)
]t=t2
t=t1
=F~ ·(
~
r(t2)−~r(t1) )
(15.2)
より
W =|F~||∆~r|cos(θ) ¨
§
¥
佐本
(6.1) ¦¨
§
¥
高木
I (5.2)¦¨
§
¥
戸田
(3.121)¦ (15.3)となる。ただし,∆~
r=~r(t2)−~r(t1)は 変位ベクトル である。つまり,この 場合の仕事は
(仕事) = (物体の移動方向の力の成分)×(物体の移動距離)
= (力の大きさ)×(力の方向の物体の移動距離) (15.4)
となる。
(参考)
力が位置の関数
F~(~r)である場合,
(14.3)は時刻
t1での質点の位置
~r1=~r(t1)から時刻
t2での質点の位置
~r2=~r(t2)までを質点の軌道に沿って結んだ経路についての
F~(~r)の線積分となる:
W = Z t2
t1
F~(~r(t))·~v(t)dt= Zt2
t1
F(~~ r(t))·d~r(t) dt dt=
Z ~r2
~ r1
F~(~r)·d~r . (15.5)
力が保存力の場合
(F~ =−∇~U),力が行う仕事は
~r1から
~r2を結ぶ経路によらず一定になる:
W = Z~r2
~ r1
F~(~r)·d~r=− Z~r2
~r1
∇~U(~r)·d~r=U(~r1)−U(~r2). (15.6) (14.2)
と
(15.6 )より,力学的エネルギー保存則
K(t1) +U(~r(t1)) =K(t2) +U(~r(t2)) (15.7)
が得られる。
また,
~r1を位置エネルギー
(力のポテンシャル
)の基準点,
~r2を任意の位置と考えて,
F~(~r)の線積分
(15.6)を用い て,
U(~r)を計算することができる。
例えば,
(9.8)の場合は
~r= (x, y, z)と無限遠を結ぶ直線
~r(s) = (sx, sy, sz); 1≤s <∞に沿った線積分より
U(~r) = −Z 1
∞
F~(~r(s))·d ~r(s) ds ds=
Z ∞
1
α
r3s2(x, y, z)·(x, y, z)ds=α r
Z ∞
1
1 s2ds
= α
r
»
−1 s
–s=∞
s=1
=α
r (15.8)
が得られる。また,
(11.3)の場合は原点と
~r= (x, y, z)を結ぶ直線
~r(s) = (sx, sy, sz); 0≤s≤1に沿った線積分より
U(~r)−U(~0) = −Z 10
F~(~r(s))·d ~r(s)
ds ds=−Z 1 0
“
ayzs2, azxs2, axys2
”·(x, y, z)ds=−Z 1 0
3axyzs2ds
= −axyzh s3
is=1
s=0=−axyz (15.9)
となる。
力学.16
.
Az Bz AxBy−AyBx dt dt
3 力のモーメントと角運動量
¨
§
¥
佐本
§11¦¨
§
¥
高木
I§6¦¨
§
¥
戸田
§5¦中心力
(11.1)がはたらく質点の運動では力学的エネルギーに加えて角運動量が保存する。
・質点の角運動量
質量
mの質点の基準点
Oに対する位置ベクトルを
~r(t)とする。
L(t) =~ ~r(t)×~p(t) =m~r(t)×d~r(t) dt
¨
§
¥
佐本
(11.25)¦¨§
¥
高木
I (6.14)¦¨§
¥
戸田
((5.26)¦ (16.1)を質点の 点
Oに関する 角運動量 という。~
p=m~v=md~rdt
は質点の 運動量 。 角運動量が質点が,点
Oのまわりにどのように回転しているかを表すベクトル。
Lの大きさ~ :
回転のはげしさを表す。
~Lの向き :
回転軸の向きを表す。
(16.2)【問】質量
mの質点が,x-y 平面内で,原点
Oを中心に半径
r,角速度ωで等速円運動をしている:
~r(t) = (
rcos(ωt), rsin(ωt),0 )
(16.3)
この質点の点
Oに関する角運動量を求めなさい。
【答】
~v(t) =d~r(t) dt =
(−rωsin(ωt), rωcos(ωt),0 )
(16.4)
なので,
~L(t) = (
0,0, mr2ω )
(16.5)
となる。
【問】質量
mの質点が,x-y 平面内で,x 軸の正の向きに速さ
(速度ベクトルの大きさ)
vで,x 軸から
`離れた
x軸に平行な直線上 を運動している。この質点の点
Oに関する角運動量を求めなさい。
【答】
~
v(t) = d~r(t) dt =
( v ,0,0
)
(16.6)
なので,
~L(t) = (
0,0,−m`v )
(16.7)
となる。
力学.17
・力のモーメント
角運動量の時間変化を考えよう:
d~L(t) dt = d
dt(~r(t)×~p(t)) = d~r(t)
dt ×~p(t) +~r(t)×d~p(t)
dt . (17.1)
ベクトルの外積
(ベクトル積)の性質より
d~r(t)dt ×~p(t) =md~r(t)
dt ×d~r(t)
dt =~0. (17.2)
また,質点にはたらく力を
F~(t)とすると,運動方程式は
d~p(t)dt =F~(t)
なので,角運動量の時間変化は
d~L(t)dt =N~(t) ¨
§
¥
佐本
(11.30)¦¨
§
¥
高木
I (6.16)¦¨
§
¥
戸田
(5.25)¦ (17.3)となる。ここで,
N(t) =~ ~r(t)×F(t)~ ¨
§
¥
佐本
(11.12)¦¨
§
¥
高木
I (6.13)¦¨
§
¥
戸田
(5.26)¦ (17.4)は時刻
tに質点にはたらく 点
Oに関する 力のモーメント ,または トルク と呼ばれる。つまり,
(角運動量の時間変化) = (力のモーメント) (17.5)
という関係が成り立つ。
力のモーメント
N~は,物体にはたらく力が物体をどう回転させようとするかを表すベクトルで,
|N~|が大きい ほど,物体にはたらく力が物体を点
Oのまわりに回転させようとする。回転させようとする向きは下図のように なる:
【問】質点にはたらく力の向きが常にある一点
Oを向いており,その大きさが点
Oと質点の間の距離のみによっ て決まる場合,その力を 中心力 ,点
Oを 力の中心 と呼ぶ
(¨§
¥
佐本
p.136¦,
¨§
¥
高木
I (6.1)¦,
¨§
¥
戸田
(3.144)¦)。中心力が質点にはたらく場合,点
Oに関する質点の角運動量が保存する
(時間によらず一定となる)ことを示しなさい。
【答】力の中心
Oを座標系の原点とする。質点の位置ベクトルを
~rとすると,力
F~の向きは
~rr
となる
(r=|~r|)。力の大きさはrのみの 関数なので
f(r)と書くと
F~ =f(r)~r r
¨
§
¥
高木
I (6.1)¦ (17.6)となる。力のモーメントは
N~ =~r×F~ =f(r)
r ~r×~r=~0 (17.7)
なので,点
Oに関する角運動量は時間が経過しても変化せず一定の
値をとることがわかる。
原点
Oに関する角運動量
L~が保存する場合を考える。
L~は位置ベクトル
~r(t)にも速度ベクトル
~v(t)にも直交 するので,
点
Oに関する角運動量
~L6=~0が保存する場合,質点は点
Oを含む
~Lに直交する平面内を運動する。
【注】
~L=~0の場合,~
r(t)と
~v(t)は平行となるので,質点は直線上を運動する。
質点の運動する平面を
x-y平面とすると,z(t) = 0
, vz(t) = 0なので,
Lx
Ly Lz
=m
y vz−z vy
z vx−x vz x vy−y vx
=
0 0 m
(
x vy−y vx
)
(18.1)
となり,角運動量は
z軸方向を向く。z >
0の方から
x-y平面を見ると,
Lz>0
の場合
:質点は
z軸のまわりに反時計回りに運動する
, Lz<0の場合
:質点は
z軸のまわりに時計回りに運動する
. (18.2)ᤨ⸘࿁ࠅ
ᤨ⸘࿁ࠅ
x y
z
・極座標系での角運動量
2
次元の 極座標系
(円座標)では,質点の位置を原点からの距離
rと
x軸に 対する角度
θで表す
(¨
§
¥
佐本
§1.11.2¦,¨§
¥
高木
I p.131¦):x(t) =r(t) cos(θ(t)), y(t) =r(t) sin(θ(t)). (18.3)
x y
θ r
O
極座標での速度は
vx(t) = d
dt(r(t) cos(θ(t))) = dr(t)
dt cos(θ(t))−r(t) sin(θ(t))dθ(t)
dt , (18.4)
vy(t) = d
dt(r(t) sin(θ(t))) = dr(t)
dt sin(θ(t)) +r(t) cos(θ(t))dθ(t)
dt (18.5)
となるので,極座標で表した角運動量の
z成分は
Lz=m r(t)2 dθ(t)
dt (18.6)
となる。
(参考) ¨
§
¥
佐本
(10.18)¦,
¨§
¥
高木
I (6.19)¦|L~| 2m =1
2r(t)2 dθ(t)
dt (18.7)
は 面積速度 と呼ばれ,原点
Oと質点を結んだ 直線
(動径 と呼ばれる) が単位時間に覆う面積 を表す。
「物理
II」
(啓林館
)力学.19
・極座標系での運動エネルギー
極座標での速度の式
(18.5)より,極座標で表した運動エネルギー
Kは
K=m2
{(dr(t) dt
)2
+r(t)2 (dθ(t)
dt )2}
(19.1)
となる。
力のポテンシャル
U(r)から導かれる中心力
F(~~ r) =−dU(r) dr~ r
r
のはたらく質量
mの質点の運動では,力学的 エネルギー
Eと角運動量
~Lが保存する。式
(18.6)より,力学的エネルギー
Eは
E= m 2
(dr(t) dt
)2
+ |~L|2
2mr(t)2 +U(r) (19.2)
と書けるので,力の中心から質点までの距離
r(t)の動く範囲は,不等式
E≥ |L~|22mr(t)2+U(r(t)) (19.3)
を満たす領域の内部となる。
【問】
¨§
¥
佐本
p.106 [2]¦原点
Oに固定された質量
Mの物体からの万有引力を受けて運動する質量
mの物体の角運動量の大きさが
Lで あるとする。全力学的エネルギー
Eを変えたときの原点
Oから質点までの距離
r(t)の動く範囲はどうなるか?
また,r(t) が一定となるのは
Eがどの値のときか?
【答】この場合の位置エネルギーは
U(r) =−GmM
r (19.4)
となる。
E= m 2
(dr(t) dt
)2
+ |~L|2
2mr(t)2 −GmM r(t)
¨
§
¥
高木
I (6.23)’¦¨§
¥
戸田
(4.69)¦ (19.5)より,r(t) の動く領域は
E≥Ueff(r(t)) (19.6)
となる。ここで
Ueff(r) =−a r+ b
2r2, a=GmM , b=|L~|2
m (19.7)
とした。U
eff(r)の
1次の導関数
dUeff(r) dr = a
r2− b
r3 =ar−b
r3 (19.8)
の符号と
0となる点を表にまとめると
r 0 · · · b/a · · · ∞
dU(r)
dr − 0 +
U(r) ∞ & −a2
2b % 0
極小
(19.9)