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  の原因に関する犬および猫の赤血球膜タンパク分析

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68 麻布大学雑誌 第17・18巻 2008年

第28回麻布環境科学研究会 一般演題6

SDS−PAGEによる5%ブドウ糖液下での赤血球凝集反応

  の原因に関する犬および猫の赤血球膜タンパク分析

佐藤 祐未1,坂口 和子1,鈴木 潤1,並河 和彦2 1麻布大学生命・環境科学部食品生化学,2麻布大学獣医学部伝染病学

1.はじめに

 犬および猫の赤血球は通常であれば5%ブドウ糖 液中に浮遊させても,赤血球膜表面に存在する糖鎖 が荷電しているため,互いに反発しあい凝集するこ とはない。しかし,正常あるいは異常のいずれでも,

何らかの原因で凝集する場合があることを我々は見 い出した。このようなin vitroでの反応は生体内でも 同様の反応を起こす可能性が考えられ,生体への影 響が懸念される。本研究では犬および猫の赤血球膜 タンパクに着目し,SDSポリアクリルアミドゲル電 気泳動(SDS−PAGE)分析により赤血球が凝集する 原因を追究することを目的とした。

2.材料と方法

 用いた試料は,異常猫と正常猫の中から,5%ブ ドウ糖液下で赤血球凝集反応が陽性であったものと 陰性であったものそれぞれ3頭ずつの計12検体であ る。赤血球凝集反応は,検体の血液を遠心後,血漿 を取り除いた赤血球沈査10μLを5%グルコース 490μしの入った試験管に入れ混和後,凝集の有無を 観察し,凝集したものを陽性,非凝集のものを陰性 とした。次に,検体それぞれの赤血球から膜職分を 得て,それを試料としてSDS−PAGE分析(ゲル濃度 10%)を行い,CBB染色後のタンパクバンドを比較 した。また,上記の検体の血漿も同様にSDS−PAGE 分析し,タンパクバンドを比較した。

3.結果および考察

 正常猫では約36kDaと80 kDaの位置にあるバンド が,非凝集のものは明瞭であるのに対して,凝集す

るものはやや不明瞭であった。つまり,凝集するも のは36kDaと80 kDaの分子量を持つタンパクの存 在量が少ない傾向である。分子量36kDaのタンパク はGlycophorin Aで,膜形成脂質2重層構造タンパク 群の1つであり論意の基底部にあるタンパクである。

このタンパクが減少することによって,糖鎖の機能 が失われて膜安定性が低下し,赤血球の凝集が起こ ると考えられる。また,分子量80kDaのタンパクは Protein 4.1で,衰亡は持っていないが膜の裏打ち構i 造に相当する細胞骨格タンパク質群の1つである。

このタンパクの減少も,膜安定性に関与すると考え られる。次に,異常猫ではターゲットとする分子量 の位置めバンドが一様でなく多様性が認められた。

これは,それぞれの検体の病態の差異による影響と 推測される。一方,血漿タンパク分析では,凝集と 非凝集を比較すると泳動像の明確な差異はなかっ た。このことから,血漿タンパクは赤血球凝集には 関与しないことが示唆される。しかし,正常と異常 を比較すると,約38kDaの位置のバンドが異常では 共通して明らかに正常よりも濃染されている。つま り,病気の猫は38kDaの分子量を持つ血漿:タンパク が著しく増加している傾向が示された。

 今後は,質量分析やウエスタンプロット法などを 用いて,赤血球膜および血漿成分のターゲットとす るタンパクを同定する予定である。また,今回は猫 を検体として実験を行ったが同様に犬についても調 べていきたい。さらに,猫および犬の赤血球凝集と 病態の関連性についても調査する予定である。

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