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がん DDS 製剤の臨床応用 T DM1 の臨床開発 * JCHO 九州病院血液 腫瘍内科 * 牧山明資 Clinical development of T-DM1 T - DM1 is an antibody-drug conjugate in which an anti - HER2 monoc

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Department of Hematology/Oncology

Japan Community Healthcare Organization Kyushu Hospital

S

D

D

JCHO 九州病院 血液・腫瘍内科*

牧山明資

T―DM1の臨床開発

Clinical development of T-DM1

T - DM1 is an antibody-drug conjugate in which an anti - HER2 monoclonal antibody, trastuzumab, is linked to a tubulin polymerization inhibitor, DM1. T - DM1 is taken up by HER2 - positive cells (internalization) and then cytotoxic DM -1 is released, inducing cell death. National health insurance was extended to cover the use of T - DM1 to treat HER2 - positive breast cancer that had previously been treated with trastuzumab, but its subsequent clinical development was not an easy process but instead a series of failures. This is because T - DM1 is only effective against cells to which trastuzumab is bound, representing a glaring flaw in this groundbreaking drug delivery system. In other words, the development of T - DM1 failed while HER2 loss was not taken into account. HER2 loss is a phenomenon whereby modification, i.e. anti - HER2 therapy, causes a change in HER2 status in a heterogeneous tumor consisting of some cells that are HER2 - positive and some that are HER2 - negative. New antibody - drug conjugates should be developed in the future with this point in mind.

 T―DM1 は、トラスツズマブにリンカーでチューブリン重合阻害剤の DM1 を結合させた抗体薬物 複合体である。HER2 陽性細胞に internalization を介して取り込まれたのちに、細胞傷害作用を もった DM―1 を放出し細胞死を引き起こす。これまでにトラスツズマブ既治療の HER2 陽性乳がん を対象として保険適応を取得したが、その後の臨床開発は容易な道のりではなく失敗の連続である。 その主な原因の1 つは、T―DM1 がトラスツズマブ結合可能ながん細胞以外には効果を発揮できない ことにあり、この画期的な薬剤送達システムがある意味で災いしたといえよう。すなわち、がん細 胞の HER2 status が一様ではない heterogeneity な腫瘍や、抗 HER2 治療といった修飾により HER2 status に変化を生じる HER2 loss 現象を考慮せぬままでの開発が行われ、T―DM1 は十分 な効果を示せなかった。今後はこの点に留意したうえでの新たな抗体薬物複合体の開発が望まれる。

Akitaka Makiyama*

Keywords: T-DM1, Antibody-Drug Conjugate, HER2, Trastuzumab

がん DDS 製剤の臨床応用

1.T―DM1

 T―DM 1( ト ラ ス ツ ズ マ ブ エ ム タ ン シ ン )は、 HER2(Human Epidermal Growth Factor Receptor Type 2)を標的とするヒト化モノクローナル抗体で あるトラスツズマブと、細胞傷害性を有するチュー ブリン重合阻害剤の DM1(メイタンシン誘導体)を 安定性の高いチオエーテルリンカーで結合させた抗 体薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate:ADC)で ある1)。このため腫瘍選択的に HER2シグナル伝達 を阻害し、さらに DM1を直接HER2陽性の腫瘍細 胞内部に送達することが可能である(図1A)。トラ スツズマブの腫瘍増殖抑制作用および抗体依存性 細胞傷害作用に加え、DM1に起因する有害反応を 最小限に抑えながら抗腫瘍効果を発揮する。具体 的には T―DM1が HER2細胞外ドメインと結合後に internalization で細胞内に取り込まれ、活性型DM1 はライソゾームから細胞質に放出されて、微小管重 合阻害作用によりがん細胞を細胞死に至らせる仕組 みである(図1B)。本稿では T―DM1の臨床開発と

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図1 T―DM1 の作用機序 A) HER2とその下流シグナル トラスツズマブにチューブリン重合阻害剤DM1(derivative of maytansine 1:メイタンシン誘導体1)を、チオエーテルリンカーを介して安定に結合。 B)T―DM1が効果を発揮するまでの概略 その問題点、今後の展望について述べたい。 2.乳がんにおける T―DM1  T―DM1の開発は、乳がん領域において先行して 行われた。前治療としてトラスツズマブに不応と なった HER2陽性進行・再発乳がんを対象に第Ⅱ 相試験が実施され、奏効割合が25 .9 %、無増悪生 存期間中央値が4 .6カ月、忍容性についても問題 なしと報告されている2)。この結果を受けて行われ たトラスツズマブおよびタキサン系薬剤既治療の HER2陽性進行・再発乳がんを対象とした第Ⅲ相試 験(EMILIA試験)において、T―DM1は対照群であ るラパチニブ + カペシタビンに対し、主要評価項 目である PFS と OS を有意に延長しており、T―DM1 と対照群の mPFS はそれぞれ9 .6カ月対6 .4カ月 (HR= 0 . 65、95 % CI:0 . 55~0 . 77、p< 0 . 001)、 mOS は そ れ ぞ れ30 . 9カ 月 対25 . 1カ 月 で あ っ た (HR= 0 . 68、95 % CI:0 . 55~0 . 85、p< 0 . 001)3) さらに、副次評価項目である独立判定委員会評価に よる奏効率は、T―DM1群43 .6%、カペシタビン+ ラパチニブ群30 .8%であった。国内では、国内治 験と EMILIA試験を含む海外臨床試験データに基 づき、2013年9月20日に HER2陽性の手術不能ま たは再発乳がんに対し承認されている。T―DM1の 乳がんにおける初期の開発で注目すべき点は、単純 ではあるがトラスツズマブ不応例に対して効果を示 したことである。すなわち DM―1を効率よくがん細 胞内に送達する手段として HER2タンパク質とト ラスツズマブの結合が用いられていることである。 A B トラスツズマブ T-DM1 HER2 PI3K AKT mTOR PTEN RAS RAF MEK ERK cell survival/proliferation 細胞外 細胞質内 細胞外 細胞質内 T-DM1 HER2 細胞内への取り込み DM-1 の放出 微小管重合阻害 ライソゾーム

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T―DM1が効果を十二分に発揮するためには HER2 発現の homogeneity や、トラスツズマブ不応時に HER2発現の loss が起こっていないことが条件とな る。  一方でトラスツズマブおよびタキサン系薬剤未 治療の HER2陽性進行・再発乳がんを対象とした MARIANNE試験においては、主要評価項目である PFS の延長を示すことができなかった4)。本試験で はトラスツズマブとタキサン系抗がん剤の併用療 法を対照群として、T―DM1の単剤療法、T―DM1 とペルツズマブ併用療法を試験治療群とした3群 で の 国 際 共 同 ラ ン ダ ム 化 第 Ⅲ 相 試 験 で あ っ た。 mPFS はそれぞれ13 .7カ月、14 .1カ月(HR=0 .91、 97 . 5 % C I:0 . 73~1 . 13、p = 0 . 31)、15 . 2カ 月 (H R = 0 . 87、97 . 5 % C I:0 . 69~1 . 08、p = 0 . 14) であり、事前に規定された HR の非劣性マージン 1 . 18を 下 回 り、 対 照 群 に 対 す る T―DM 1お よ び T―DM1+ペルツズマブ療法の非劣性は証明され た。しかしながら優越性は証明されず、T―DM1は この line における標準治療として名乗りを上げるこ とはできず、現在ではペルツズマブ+トラスツズマ ブ+タキサン療法に不応となった後の2次治療とし て使用されている。また本報告では全生存期間中央 値は未達であり、奏効割合はトラスツズマブ+タキ サン群で67 .9 %、T―DM1群で59 .7 %、T―DM1+ ペルツズマブ併用療法群で64 .2 % であった。本報 告から読み取れることは、T―DM1療法は初回治療 においても臨床的に薬剤活性を示しているが、タ キサン系抗がん剤の薬効に対して DM1の有意性 を示せなかったということに尽きる。このことは T―DM1がトラスツズマブと同程度の HER2結合活 性を示し、PIK3 /AKT経路のシグナル伝達を阻害 することや、トラスツズマブと同程度の ADCC活 性を有することからも裏打ちされる5)。すなわち併 用した抗がん剤の薬効差(この場合タキサン系抗が ん剤と DM―1の効果差)が見出せなかったことによ り、試験としてはネガティブな結果に終わったと解 釈可能である。  ここで、改めて治癒切除不能HER2陽性進行・再 発乳がんにおける抗HER2療法に関する臨床試験結 果をご覧いただきたい。MARIANNE試験をはじめ とした一次化学療法4 ,6~11)を表1に、EMILIA試験 をはじめとしたトラスツズマブ不応後の二次化学療 法3 ,12~17)を表2にまとめた。異なる試験の成績を直 接比較することは困難ではあるものの、傾向として 一次化学療法においてはトラスツズマブ単剤と比較 して T―DM1は明らかに奏効割合が高い一方で、タ キサンとトラスツズマブ併用療法と比較すると明確 な差があるとは言い難い。T―DM1はいわばトラス ツズマブ+DM1療法であるため、DM1とタキサン 表1 HER2 陽性乳がんに対する抗 HER2 療法の臨床試験(一次治療)(文献4 ,6 ~1 1 より) n RR(%) mPFS(month) mOS(month) トラスツズマブ 4 6 3 4 .0 3 .9 1 9 .7 トラスツズマブ+ドセタキセル 5 3 7 9 .0 9 .4 3 0 .5 トラスツズマブ 5 4 1 4 .8 3 .7 NR トラスツズマブ+ドセタキセル 5 3 6 7 .9 1 4 .6 NR トラスツズマブ+パクリタキセル 9 2 3 8 .0 6 .9 2 2 .1 パクリタキセル 9 6 1 6 .0 3 .0 1 8 .4 トラスツズマブ+ビノレルビン 1 4 1 5 9 .3 *1 5 .3 3 8 .8 トラスツズマブ+ドセタキセル 1 4 3 5 9 .3 *1 2 .4 3 5 .7 トラスツズマブ+ドセタキセル+プラセボ 4 0 6 6 9 .3 1 2 .4 3 7 .6 トラスツズマブ+ドセタキセル+ペルツズマブ 4 0 2 8 0 .2 1 8 .5 NR トラスツズマブ+タキサン 3 6 5 6 7 .9 1 3 .7 NR T―DM1 3 6 7 5 9 .7 1 4 .1 NR T―DM1 +ペルツズマブ 3 6 3 6 4 .2 1 5 .2 NR

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の薬効差は小さいと推測される。また、トラスツズ マブ既治療例においてカペシタビン+ラパチニブ療 法は標準治療の1つではあるが、奏効割合はさほど 高いものではなく T―DM1と比較しておおむね低い 数字を示している。この点が試験としてポジティ ブな結果であった EMILIA試験とネガティブな結 果であった MARIANNE試験の明暗を分けた可能 性がある。タキサンは HER2発現の有無に関わら ず毒性を発揮することができるのに対し、DM―1は HER2陽性細胞にのみ毒性を発揮するため、一部の heterogeneity な HER2 status を示す population に は不利に働くと考察される。そのため T―DM1は HER2 homogeneity を示す対象に絞った使用が理想 的といえる。 3.胃がんにおける T―DM1  さてここからは HER2陽性胃がん・食道胃接合 部がん領域に話題を移したい。乳がん領域と同様に HER2をターゲットとした薬剤開発がさかんに行わ れてきた。近年、HER2陽性進行・再発胃がん・食 道胃接合部がんを対象に、抗HER2抗体であるト ラスツズマブを含んだ化学療法の有効性が ToGA 試験によって示された18)。この試験では HER2陽 性症例のうち584例がランダム化され、290例が 5―FU またはカペシタビンにシスプラチンを併用す る化学療法のみを行う群に、294例が同じ化学療 法にトラスツズマブを上乗せする群に割り付けら れ、生存期間中央値は化学療法単独群で11 .1カ月、 トラスツズマブ併用群で13 .8カ月であり、トラス ツズマブ併用群で有意に優れていた(HR=0 .74、 p=0 .0046)。この試験によって、HER2陽性進行・ 再発胃がん・食道胃接合部がんに対しては、乳がん 領域と同様にトラスツズマブを化学療法に上乗せす ることによって生存期間の延長が得られることが明 らかとなった。  トラスツズマブの成功後、HER2 TKI であるラ パチニブも胃がん領域において開発が行われた。一 次治療を対象とした LOGiC試験は、カペシタビン+ オキサリプラチン療法に対するラパチニブの併用効 果を検証した国際共同第Ⅲ相試験として実施され た19)。主要評価項目の全生存期間は中央値がプラセ ボ群10 .5カ月、ラパチニブ群12 .2カ月(HR=0 .91、 p=0 .3492)という試験としてはネガティブな結果 であった。また、二次治療を対象とした TYTAN 試験では、フッ化ピリミジン系薬剤またはフッ化ピ リミジン系薬剤とプラチナ系薬剤併用療法に不応と なった HER2陽性(FISH陽性)胃がんを対象に、パ クリタキセルに対するパクリタキセル+ラパチニブ 併用療法の優越性を検証するデザインで実施され た20)。主要評価項目である全生存期間は中央値でラ パチニブ+パクリタキセル群で11 .0カ月、パクリ タキセル群で8 .9カ月(HR=0 .84、95 % CI:0 .64~ 1 .11、p=0 .2088)という結果であり、両群間に有 意な差を認めなかった。ラパチニブが胃がんにおい て結果を示せなかった理由としては、特に TYTAN 試験においては HER2の評価方法で HER2 IHC 0―1 かつ FISH陽性例が35 % も登録されていたことが あげられるが、胃がんにおける HER2発現が乳が んと比較してより heterogeneity であり異なってい 表2 HER2 陽性乳がんに対する抗 HER2 療法の臨床試験(二次治療)(文献3 ,1 2 ~1 7 より) n RR(%) mPFS(month) mOS(month) カペシタビン 2 0 1 1 4 .0 *4 .3 1 5 .3 カペシタビン+ラパチニブ 1 9 8 2 2 .0 *6 .2 1 5 .6 カペシタビン 7 8 2 7 .0 *5 .6 2 0 .6 カペシタビン+トラスツズマブ 7 8 4 8 .1 *8 .2 2 4 .9 ラパチニブ 1 4 8 6 .9 8 .1 9 .5 ラパチニブ+トラスツズマブ 1 4 8 1 0 .3 1 1 .1 1 4 .0 カペシタビン+ラパチニブ 4 9 6 3 0 .8 6 .4 2 5 .0 T―DM1 4 9 5 4 3 .6 9 .6 3 1 .0

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るといった点が指摘されていた。  このような状況の中で T―DM1の開発が、切除不 能進行・再発胃がんおよび食道胃接合部がんを対象 に国際共同臨床試験(GATSBY試験)として実施さ れた。本試験では対照群であるタキサン系薬剤によ る化学療法に対し、試験治療群である T―DM1治療 が OS を改善するかが検証された。本試験における HER2陽性の定義は IHC2+ かつ FISH陽性または IHC3+であり、ToGA試験において最も効果を示し た population が対象とされた。主要評価項目である 全生存期間の中央値は T―DM1群が7 .9カ月、タキ サン群が8 .6カ月(HR=1 .15、95% CI:0 .87~1 .51、 p=0 .8589)という結果であり、有意な差を認めな かった。副次評価項目である無増悪生存期間中央 値は T―DM1群が2 .7カ月、タキサン群が2 .9カ月 (HR= 1 . 13、95 % CI:0 . 89~1 . 43、p= 0 . 3080)、 奏効率は T―DM1群が20 .6%、タキサン群19 .6% (p=0 .8406)といずれも有意差を認めなかった。両 群間に2 %以上の差が見られた Grade3以上の有害 事象は、T―DM1群ではタキサン群に比較して、貧 血(26 .3 %)、血小板減少(11 .2 %)、出血(9 .8 %)が 多く見られた一方で、タキサン群では T―DM1群と 比較して、好中球減少(38 .7 %)、発熱性好中球減 少(9 .9 %)、食欲不振(4 .5 %)などが多く見られた。 治療中止に至った有害事象は T―DM1群が13 .8%、 タキサン群が13 .5%だった。  ここで胃がんの二次治療の臨床成績の一覧をご覧 いただきたい(表3)。これを見ると T―DM1は乳が んにおける二次治療の際の成績よりは劣るものの 臨床的に薬効を示していることが見て取れる。し かしながらパクリタキセル治療と比較してほぼ同 程度の奏効割合であり、対照群をパクリタキセル 治療とした場合に有意に臨床試験で勝ち切ること は困難であると考えられる。GATSBY試験の結果 が negative であった要因の1つとしては、乳がん と比較して HER2 status に heterogeneity が見られ ることから、トラスツズマブと HER2陽性胃がん 細胞に効率よく internalization されず DM―1がが ん細胞内に到達しにくいことが推測される。また2 点目に heterogeneity が強い分、一次治療でトラス ツズマブを使用した際に HER2陽性がん細胞のク ローンが減少して、いわゆる HER2 loss現象が起 きてしまうために T―DM1が無効となるといった点 や、そもそも DM―1自体がタキサン系と比較して 胃がんに対する効果が乏しいことなどが仮説として 考えうる。実際に Pietrantonio らは HER2陽性胃 がん・食道胃接合部がん22例の評価でトラスツズ マブ治療後に32 % で HER2の発現が失われたと報 告しており、発現の変化により T―DM1治療が影響 を受ける可能性がある25)。当院で経験した症例にお いても同様の現象が観察されている(図2)。このこ とは T―DM1治療に限らず、二次治療以降における トラスツズマブ beyond PD(TBP)といった治療戦 略を考える際にも重要な点である。現時点で TBP は標準治療ではなく、西日本がん研究機構におい て WJOG7112 G試験として検討されている。現在 表3 胃がんに対する抗 HER2 療法の臨床試験(二次治療)(文献2 0 ~2 4 より) n RR(%) mPFS(month) mOS(month) ドセタキセルまたはイリノテカン 1 3 3 1 3 .0 NE 5 .3 BSC 6 9 NE NE 3 .8 パクリタキセル 1 0 8 2 0 .9 3 .6 9 .5 イリノテカン 1 1 1 1 3 .6 2 .3 8 .4 パクリタキセル+プラセボ 3 3 5 1 6 .0 2 .9 7 .4 パクリタキセル+ラムシルマブ 3 3 0 2 8 .0 4 .4 9 .6 パクリタキセル 1 2 9 9 .0 4 .4 8 .9 パクリタキセル+ラパチニブ 1 3 2 2 7 .0 5 .5 1 1 .0 パクリタキセル 1 1 7 1 9 .6 2 .9 8 .6 T―DM1 2 2 8 2 0 .6 2 .7 7 .9 NE;Not evaluated

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追跡中であり、2018年に発表される予定である。 7112 G試験では二次治療前の血液検体を用いて治 療直前の HER2 amplification の有無を測定する予 定であり、付随したバイオマーカー研究の結果が HER2陽性胃がんの2次治療以降の治療開発の基礎 的data となることが期待されている。 4.今後の展望  このように HER2陽性胃がんに対しても有望と考 えられた T―DM1であるが、前述のような要因によ り胃がんでの開発は中止されている。しかしながら 有望な ADC製剤は現在も開発中であり、その1つ である DS―8201 a の第I相試験が昨年の ESMO で 報告された26)。DS―8201 a は、抗HER2抗体にトポ イソメラーゼ阻害剤である DXd を結合させた製剤 であり、T―DM1抵抗性の腫瘍にも効果を示すこと が明らかとなっている。今回、用量漸増コホートの 結果が発表された。投薬を受けた22名のうち、乳 がんが16名、胃がんが5名、食道胃接合部がんが1 名であった。前治療で抗HER2療法を受けていたの は18名(82%)であった。DS―8201 a は0 .8 mg/kg か ら 投 与 を 開 始 さ れ、1 . 6 mg/kg、3 . 2 mg/kg、 5 .4 mg/kg、6 .4 mg/kg、8 .0 mg/kg と増量された が、用量制限毒性は認められなかった。抗腫瘍効 果が評価可能だった20名中において7名で PR が得 られ、奏効率は35%であった。登録時IHC1+の症 例においても奏効を認め、HER2発現の弱い腫瘍に おいても効果が期待される。PR症例のほとんどは DS―8201 a の投与量が5 .4 mg/kg以上で認められ たため、現在は6 .4 mg/kg投与で拡大コホートが進 行中である。 5.最後に  T―DM1を起点として HER2陽性乳がんおよび 胃・食道胃接合部がんについて概説した。また試験 結果が一様に positive ではなく negative な試験も 混在する部分に焦点を当て、その要因について考察 を行った。今後も ADC製剤の開発が期待されるが、 HER2 status のがん種による違いや経時的な変化な どを考慮した視点からの治療開発が望まれる。 図2 治療前後での HER2 発現の変化 (JCHO 九州病院症例) <一次治療PD後生検組織> <治療前生検組織>

Group 5; Moderately differentiated tubular adenocarcinoma

HER2 IHC 3+ Group 5; Well differentiated tubular adenocarcinomaHER2 IHC 1+ ・73歳 男性 胃がん、肝・肺・リンパ節転移、腹膜播種

・初回治療:SOX + trastuzumab治療 治療効果PR 計23回trastuzumab投与 ・CTでリンパ節の明らかな増大を認めPDの判断

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文献

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参照

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