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卒業論文

『起業する NGO

~社会的責任と持続可能な支援のために~』

桜美林大学 4 年 学籍番号 20427091

工藤 茜

2008/01/15

(2)

目次

序章 p.1~

第 1 章 NGO の起業 p.1~

第 1 節 NGO に事業性が求められるようになった背景 p.1~

第 2 節 事業型 NGO とは p.3~

第 2 章 先進国における事業と社会背景 p.6~

第 1 節 イギリスにおける事業 p.6~

第 2 節 アメリカにおける事業 p.8~

第 3 節 日本における事業 p.9~

第 3 章 途上国における事業 ~バングラデシュ BRAC のマネジメントから~ p.10~

第 1 節 BRAC について p.10~

第 2 節 BRAC が経営する事業 p.11~

第 3 節 BRAC のマイクロ・ファイナンスプログラム p.13~

第 4 節 BRAC のビジネスが成功する要因 p.14~

終章 p.16~

参考文献 p.18

(3)

序章

はじめに、本論文のテーマを設定するに至ったいきさつに関してだが、筆者が 2006 年 8 月に NGO 研修でカンボジアを訪れたことが大きく影響している。現地では、ノンフォーマルエデュケー ションやコミュニティ支援を行うNGO、ストリートチルドレンや売春婦(夫)を支援するNGO、地雷撤 去 NGO など様々な団体を訪問したが、それぞれの団体の支援の規模や質が運営資金に比例し ていることを実感した。運営資金が多ければ多いほど、支援の対象者を保護するシェルターの維 持や子供たちに教育を施す教室の設置、また、NGO 職員の質をあげることができるなど改善の可 能性は広がっていく。しかし、それは一時的な支援ではなく、継続可能なものでなくてはならない。

従来、NGO の運営資金を大きく分類すると、会員の寄付、国や民間からの助成金で成り立って いた。しかし、そのような状況下ではなんらかのプロジェクトを行うにあたり、ドナーの希望や意見を 反映させることが重要になってきてしまい、そのNGO 自身の理念やポリシーを維持することや、被 支援者の声を拾い上げ、応えていくということが難しくなってくるのではないかと筆者は考える。これ では、NGO の活動に制限がかかり、本来目的とする支援活動よりも、その団体をいかに存続させ るかに重点が置き換えられてしまう。なんとか NGO 自ら資金を生み出す必要があるのである。こう して、本文のテーマに大きく関連しているNGOの資金面に対する問題意識が浮かびあがった。

上記の問題を解決するには、NGO が自ら収入を得る手段が必要であるが、その一つとして、

NGO の起業という新たな道があることに筆者は注目する。資本主義が世界経済の主流となりつつ ある現在、NGO がビジネスの世界に飛び込んでいき、事業を立ち上げることで、自己の営利を目 的とするのではなく、社会的責任や社会的利益を追求することができるのではないだろうか。また、

ビジネスを通して、より多くの人々にそれぞれのNGOが特化している問題や改善策を知ってもらう ことができる。そして、これまでの「利益をいかにして上げるか」という画一的な資本主義社会の考え 方に、NGO が新たなインパクトや価値観を与える存在になりうるということも魅力である。いずれに しても、このNGO の起業という手段は新しく、常にリスクをともなっているということも事実である。し かし、ドナーに左右されずにNGO自身が自立し、決定権を持つことができれば、本来の目的に沿 った支援を発展させていける。この点に着目して、NGO の起業にこれからの可能性を見出してい きたい。

各章の構想については、第1章でNGOのマネジメントや現代社会において自ら起業するNGO の意義、また社会的役割など理論的なことについて論じていくと同時に、NGO が事業を興すにあ たっての企業との比較も行っていこうと思う。また、第2章では世界のNGOが現在行っている事業 やそれらの内容を取り上げながら、先進国において地域に焦点をあてて事業を行っている団体に も注目し、そこに点在する問題や課題も取り上げていきたい。第 3 章では、途上国で起業する NGOについて取り上げ、第2章で取り上げたNGOとの相違点や、途上国におけるNGOの起業 の意義や、効果について述べていきたいと考えている。また、全体的に事例を多く取り上げていく ことになるが、その際には成功例だけでなく、失敗例やリスクなども含めながら本文を進めていく。

第1章 NGOの起業

1. NGOに事業性が求められるようになった背景

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今日の国際社会では、文明の発達とともに資本主義の波が大きくなり、先進国の一部の富裕層 や大企業にさらなる富をもたらす一方で、途上国の貧しい人たちは彼らの搾取によって、さらに貧 しくなるという構造ができてしまっている。また、そのような構造は貧困の格差を広げるだけでなく、

絶え間なくモノを作り出すことで世界的な環境破壊を広めたり、競争を強いる社会における地域単 位の失業者や、国家の福祉サービスでは手に負えないような高齢者問題を生んでしまったりしてい る。しかし、筆者は、そういった資本主義体制を拒否したり、非難したりするのではなく、そこから出 てしまった負の部分を修正していくことが必要であると考える。本章では、NGO が資本主義を修正 する社会的役割を担う一つの市民組織であるとして論じていく。それでは、まずNGOがビジネスを 始めるに至った背景から述べていくことにする。

NGOに事業性が求められるようになった理由は、大きく分けると4つある。

第1の理由は、大規模な国民の福祉を抱える政府の改革である。

1979年から始まったイギリスにおけるサッチャー政権の行政改革は、1970年代の2回のオイル ショック以後、経済の不況を被った福祉国家の財政赤字を回復させるための行政のスリム化、公共 事業の民営化の実施というものであった。そして、政府はこの政策のために溢れ出てしまった、高 齢者の問題や医療分野のサービスを扱う非営利・営利の民間組織を補助するとしたため、この時 期に多くの社会起業家が現れたのである。また、アメリカでは、レーガン政権が「小さな政府」として、

貧困者などを対象にした社会福祉支出の予算カットを行ったために、非営利セクター1が活躍する 結果となった[斉藤 2005:70-72]。なお、非営利セクターはこの時期に作られたわけではなく、国 家ができる前から存在しており、地域における相互協力を生み出してきた。また、欧米では各地の 非営利セクターの役割は国家ができてからも引き継がれ、80年代に上記の政府の改革によってそ れらの活動がさらに盛んになったのである[町田 2000:119-122]。

第2の理由は、NGOの自立化という問題である。

従来は、政府や自治体からの補助金や民間からの寄付が NGO の活動資金となっていたのだ が、その資金を集めるのにも大変な苦労を要する。米国の非営利組織のトップにいる赤十字や YMCAでさえも、現在の地位を獲得するまでに50年以上かかっているのである。組織を拡大して いくには、効率性が重視されるとともに、ある程度の活動資金も必要になってくる。そのためには、

資金を外部に依存しているのではなく、経済的自立をし、専門性を持つことが重要になってくる[斉 藤 2005:74-75]。

また、第3の理由として、ベンチャー・フィランソロピーの登場があげられる。

現在、こうした NGO の大きな資金力となっているのが、マイクロ・ソフトのビル・ゲイツとその妻に よって設立された財団や、その他のアメリカのシリコンバレーやシアトルなどで成功を収めた実業家 によるフィランソロピー(慈善)団体である。これらの富裕層は、福祉や教育、学芸活動といった 様々な分野において、巨額の寄付を提供し、その効果が社会的貢献というかたちで表れているか どうかを、アカウンタビリティとして寄付先の組織に求めてくるのである。それは、彼らにとって寄付 は投資と同じ効果を生み出すものだからである。また、資金だけでなく、その状況によって、必要な 労働力やマネジメント能力、技術の提供もする。つまり、これらの団体は、サービスを受ける側に直

1 ボランタリー・セクターとは、公共セクターと資本主義セクターを除外した組織で、第3セクター、社会的経済(social economy)セクターと理解されている。組織形態としては、チャリティー、協同組合、共済組合、相互扶助組織などがあ る。その要件は、1)正式に設立されていること、2)自治的であること、3)私的であること、4)本来的には事業を好ま ないしまた管理権を有する人たちに利益を再分配しないこと、5)ボランティアリズムによって恩恵を受けていること、

6)政党でも宗教でもないことである(Defourny et al, 1991)

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接寄付金が使われることを望んでいた従来のドナーと異なり、そのプロセスにおいて、必要な知識 や人材、研修、ネットワークまでに関して協力するのである。1979 年にシアトルで設立されたベン チャー・フィランソロピー団体の先駆けとなったソーシャル・ベンチャーパートナーズ(SVP)の報告 書によると、上記で述べたような広範囲において寄付先の組織に影響を及ぼすフィランソロピー団 体が2000年までに全米27都市で作られた。これらのフィランソロピー団体によって、NGOは自分 たちだけでは補えない効率性や高いマネジメント能力を手に入れることとなる。というよりむしろ、そ の巨大な資金源によってビジネス化せざるを得ないともいえる[斉藤 2005:75-80]。

最後の理由は、NGOに求められる持続可能な支援の必要性である。

今日起こっている様々な社会問題は複雑で長期的な支援が必要であり、NGO もそれらの問題 の改善や解決を図るのに、自身の成長・存続が不可欠になってくる。実例を挙げると、序章で触れ た筆者がカンボジアで訪問したプノンペンのローカル NGO の中には、Cambodian Children Against Starvation and Violence Association(CCASVA)という団体があった。CCASVAはプ ノンペンの路上で生活している子どもを独自のシェルターで保護し、医療や食事、識字教育などを 提供し、子どもたちが人間らしい生活環境の中で地域に適応できる状態になった後、親元やそれ ぞれが住んでいたコミュニティに子どもたちを返すという長期的なプログラムを実行していた。

CCASVA は、このようなプログラムの内容を今後も維持するために長期的な資金提供者を求めて

いた。

しかし、さきほど述べたように、活動資金を外部に依存しているだけでは、そのファンドレイジング に時間も労働力も費やすことになり、やはり一番重要な支援やサービスの内容が非効率的、もしく は手薄になってきてしまう。そして、資金の外部依存は、時にそのNGO 独自のミッションや理念に 沿わないプロジェクトやサービス内容を実施することを強いる。第3の理由で挙げた巨大なフィラン ソロピー団体の場合、巨額の寄付の提供とともに、彼らの理想とする効果を NGO に期待すること はもちろん、成果の報告も求めてくる。しかし、その内容に対する見解がいつも NGO と寄付提供 者とで互いにかみ合うとは限らない。それゆえ、NGO 独自で活動資金を生み出し、自分たちで自 由に使える資金を獲得することが重要になってくるのではないだろうか。

2. 事業型NGOとは

次に、人権、開発、環境、地球規模問題など、今日さまざまな問題をとり扱うNGOが存在するが、

ここで、上記の事柄を背景として社会事業を行うNGOについて説明したいと思う。何か事業を行う 際、社会の問題を扱っているからといって優遇されるとは限らない。そのため、NGOは独自の使命 感を持ちながら、競争の厳しい市場で戦えるビジネスマネジメント能力も持ち合わせていなければ いけないのである。そして、両者を持ち合わせたNGO を本章では「事業型NGO」と位置づけるこ とにする。

現在、アメリカ、ロサンゼルスにて、コンサルティング会社ASU Internationalの代表・社会責任 コンサルタントを務めている斉藤氏は、『ハーバード・ビジネスレビュー』誌の1998年1~2月号で、

デューク大学およびスタンフォード大学の経営大学院のグレゴリー・ディーズ教授が寄稿した記事 に連載されていた社会的事業の中間性を表した表を、次のように日本語に訳した。表1から見て取 れるように、今現在行われている何らかの事業を動機・手法・目標、受益者、資金、労働力、サプラ イヤ(供給者)の項目別に分類してみると、「純粋な社会貢献」と「純粋な商業主義」に分かれる。そ

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して、社会事業はこの両者の中間にあり、どちらの要素も含んでいると考えられる。また、組織の面 では、ビジネスによる利益を求めながら「純粋な商業主義」による事業を行うのが企業であり、定期 的な事業収入が見込めないためボランティアや寄付を運営の柱として、サービスを無償で供給す るのが従来のNGOである。そして、事業型NGOとは企業と従来のNGOとの長所を併せている ために、両者の短所をカバーしていくという、表1の真ん中に書かれているようなかたちで事業を行 う[斉藤 2005:29-32]。しかし、この区分はあくまでも、それぞれの事業体系の基本的な特徴を示 しており、すべての組織がこのどれかにあてはまるとは限らない。それぞれの境界に位置する組織 も存在する[谷本 2006:9]。

表 1 社会事業の定義

純粋な社会貢献← →純粋な商業主義 動機・手法

・目標

善意に訴求 使命感が先行 社会的価値

両方の動機 使命感と市場理 論の両方を考 慮

社会的かつ経 済的価値

自己利益に訴求 市場理論が先行 経済的価値

受益者 無償 割安価格、また は市場価格を 払う人とまったく 払わない人の混 在

市場価格

資金 寄付と助成金 市場価格よりは 安い資金調達、

または寄付と市 場原理に基づ いた司法の混 在

市場原理に基づ いた資本

労働力 ボランティア 市場価格よりは 安い賃金、また はボランティアと 市場原理に基 づいた賃金を受 け取る人の混在

市場原理に基づ いた賃金

サプライヤ (供給者)

現物寄付 特別割引、また は現物寄付と市 場価格で買い 取るケースの混 在

市場価格

([斉藤 2005:31]より<筆者作成>)

そして、表1にあるように、この事業型NGOが、時には非営利、または営利活動として行う事業 形態はさまざまである。しかし、表1には3つの区分しかないため、それらの事業のイメージが掴み にくく曖昧である。そこで、多様な事業形態が存在するイギリスにおいて、いくつかの事例をあげて みることにする。

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社会的経済という考え方が昔から強いイギリスでは、「社会的」という意に所有・管理の協同的構 造が前提にあることとしている。そして、それらの主な形態は、協同組合、ソーシャル・ファーム、従 業員所有会社、クレジット・ユニオン、開発トラスト、媒介的労働市場会社、コミュニティ・ビジネス、ソ ーシャルビジネスの8つがあげられる[谷本 2006:195-196]。

協同組合は(Co-operatives)、地域や社会の問題を協同組合形式という形態で取り組むもので ある。例えば、労働者協同組合は、失業者のための新しい仕事の提供や倒産事業の保護する組 織であり、社会的協同組合は福祉のサービスを提供するソーシャルケア協同組合や障害者やマイ ノリティを雇用する社会的雇用労働組合などである。また、ソーシャル・ファーム(Social Farm)は、

市場で排除されてしまった社会的弱者に雇用を提供することを目的とする。ただし、障害者等の労

働者を25%以上雇用すること、また、事業収益が 50%を超えてはいけないことなどの要件がある。

次に、従業員所有会社(Employee Ownership)は、企業で働く人々によって所有・管理されてい る。石炭産業の民営化に伴い設立されたTower Collieryは、労働者の知識を効果的に用いたこ とから、収入が2500万ポンド上昇したという。クレジット・ユニオン(Credit Union)はメンバーによっ て所有・管理されている金融協同組合として、金融機関の不採算店舗の閉鎖により、一部の金融 サービスを受けられなくなった人々のためにできたもので、政府や地方公共団体などから補助資 金や土地を得ている[谷本 2006:196-198]。

開発トラスト(Development Trust)は、地域における経済的、環境的な社会の再生を使命として いる。コミュニティによる形成・管理という形態をとっており、ボランティア、民間企業、地方自治体と の協力によって成立している組織であるが、多くの場合、他の事業型組合の子会社として設立され る。具体的な活動は、児童ケアセンターや、環境改善、スポーツやレクリエーション設備の提供など さまざまである。次に、媒介的労働市場会社(Intermediate Labour Market Companies)といっ て、長期間職を失っている人たちに対し、一時的雇用を提供し、持続的に働けるようするためのプ ログラムの支援によって設立された。地域経済と密接に結びつき、地域の自主的な活動となってい る。そして、コミュニティ・ビジネス(Community Business/Community Enterprise)は、長期失 業中の元工場労働者に新たなスキルやコミュニケーション能力を学ばせ、労働市場に復帰させる ことを目的とした、媒介市場労働プロセスの実施を担う非営利事業を指して使われた。要件として、

上にあげたいくつかの形態のように、コミュニティによる所有・管理がある。最後に、ソーシャル・ビジ ネス(Social Business)は、NGOが出資し、社会的問題の解決のために設立した有限会社や株式 会社である。当初、農村地域で広がり都心部まで伝わった。具体例として、Café DirectはOxfam2 などのNGOが設立し、特にコーヒーのフェアトレードを掲げている。また、多様な企業から専門家を 呼び、ビジネスのスキルをあげている。2004年には1,700 ポンド(約32億円)まで売り上げを伸ば し、イギリス国内のコーヒー小売企業の中で第 6 位の販売実績をあげるに至っている[谷本 2006:198-201]。

このように、イギリスでの社会的事業は、要件に所有・管理の協同的構造があげられ、地域住民 のための、地域住民による組織であることが明確になっている。また、社会問題としてはやはり、失 業者や金融サービスを受けられない人々、障害者などといった市場社会から排除された人々に対 するサービスを多様な形態で提供し、彼らを保護するだけでなく、市場に復帰させるというプログラ

2 Oxfam とは、1942 年にイギリスで設立された国際援助団体で、現在世界 100 ヶ国以上で活動してい る。

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ムをとっていたり、政府もしくは地方自治体との協力体制ができていたりすることから、筆者は、組織 としてサービスを受ける側のニーズをしっかり汲み取れていると感じた。また、最後の Café Direct のケースは大成功であり、これはやはり、NGO が企業と互角に渡り合えるビジネススキルのレベル を持つようになったということである。そして、この形態をモデルにした事業形態がさらに活発になる ことを筆者は期待している。

第2章 先進国における事業

ここでは、前章で述べた事業型 NGO、また、イギリス・アメリカ・日本という先進国の地域単位で 活動する団体に焦点をあてて、より具体的に社会事業を考察していきたい。

1.イギリスにおける事業

まず、前章の引き続きにはなってしまうが、イギリスでの社会事業に触れる際、人々の間に深く浸 透している協同組合というシステムは切っても切り離せないため、どういった経緯で協同組合がイギ リスのコミュニティの支えになってきたのかについて簡単に述べておくことにする。

1970 年代前半から始まったイギリス経済の不況は、失業者を増大させ、農村地域や離島の過 疎化を進ませた。その打撃を被った代表的な地域が、スコットランドの北西沖に位置するウェスタ ン・アイルズという離島であった。ウェスタン・アイルズでは、第1次産業の漁業と農業、またそれらの 原料を元にした加工業などが主な産業であったが、経済の不況がこの離島に若者の都市への流 出、高齢化、人口減少、失業という問題を一気に招いた結果、地域社会を支える機能が崩壊して しまったのである。そして、この現象はウェスタン・アイルズだけでなく、他の地方でも同じように起こ り、地域の再生を余儀なくされた住民たちは労働者として協同組合という手段を利用することにな った。住民たちが立ち上げたのは、政府の雇用省の管轄下で政府・労働者・使用者によって設置 された「マンパワー・サービス・コミッション」(MSC)という制度に基づいた「雇用創出プログラム」

(JBC)の中の地方プロジェクトであり、それを指導する地域開発委員会「ハイランド・アイランド開発 委員会」(HIDB)も発足した。後に、この手法はイギリス中に広がり、労働者協同組合やコミュニテ ィ・ビジネスの発展に大きく関与したのである。80 年代になると、サッチャー政権は自治体や協同 組合のこういった地方開発を快く思わず、開発を市場の中に取り込ませるようなアメリカ型モデルを 導入したが、HIDB は「ハイランド・アイランド・エンタープライズ」(HIE)となり、政府の政策遂行を サポートしていた「ローカル・エンタープライズ・カンパニー」(LEC)とパートナーシップを組むことに なったが、市場主義や文化に飲み込まれることはなかった。また、上記の HIE では、1996 年から 2001 年の 5 年間で、スコットランドにおけるコミュニティ協同組合などの非営利・協同組織数は 2,700から8,142に増えたという成果を出している [中川2005:68-80]。

このようなコミュニティ再生経験を持つイギリス社会では、労働組合・非営利組織といったかたち から、コミュニティを対象にした事業を起こす組織がどんどん増えてきている。そして、それらの組織 は地域の活性化、高齢者や女性のサポート、若者やホームレスの雇用支援の役割を担いながら発 展してきている。では、事業を行うにあたり、具体的にどのような活動をしてどこから資金を得ている のだろうか。

スカーネ・パークコミュニティ・エンタープライズ・アソシエーション(SPCEA)は、これらの地域再

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生に大きく関わる企業のひとつであるが、ここでは、その具体的な事業内容をとりあげることにする。

イングランド北東部に位置するダラム州ダーリントン市スカーネパーク地区における 10%に及ぶ高 い失業率や、頻発する犯罪(特に麻薬犯罪)や、若者の引きこもりという深刻な社会問題を解決し、

安全で活気のあるコミュニティを作りだすための事業を遂行している。SPCEA は、1998 年に政府 の「特別地域再生予算」(SRB)を得て設立した社会的企業であり、SRBが2002 年3月に終了し た後は、イギリス大手小売流通企業のモリソンズが設立した財団「ウィリアム・モリソン・エンタープラ イ ズ ・ ト ラ ス ト 」(MET) か ら 資 金 援 助 を 受 け て 引 き 続 き 事 業 を 行 っ て い る [中 川 :2005: 122-123] 。

第1の具体的な取り組みは、チャターボックス・カフェである。チャターボックス・カフェは、地域住 民が健全な食生活の習慣を促すための機会や、生活と労働に関する情報にアクセスできる機会を 設けながら、失業者やカフェに立ち寄った若者を雇用支援や実際の雇用も行い、積極的に彼らの 生活・労働の回復や自立を促している。しかし、当初は、カフェを作ったからといって、すぐに住民 が集まってくるというのは難しかったため、高齢者や若者などの対象を分けたメニューを考えたり、

イベントを企画したり、住民の組織している集会に積極的に関わっていったりと、いろいろな工夫を 凝らしながら、カフェの利用者を少しずつ増やした。そして、SPCEA はカフェを通じたケータリング

(配膳事業)ビジネスも行うようになり、その事業の幅を広げていっている。また、独自のボランティ ア・プログラムを作り、失業者に最新の職業教育を受けさせ、資格も取得できるしくみを設けている [中川:2005:128-130] 。

このようにして、トレーニングを受けたものは、社会に復帰できるまでの力をつけていくことも可能 になり、チャターボックス・カフェ自体も事業が成功すれば、その収益から、新しいプログラムを始め て地域に還元することができるのである。

次に、SPCEAが行う事業としてチャイルドケア・センターがあげられる。チャイルドケア・センター は、2001 年に開設されたが、保育士の資格を持ったスタッフを揃え、コミュニティでの育児支援の ための託児所や学童保育をリーズナブルな価格で提供し、玩具の貸し出しなどを利用して、子ども たちはもちろん、親同士の、または、スタッフと親のコミュニケーションを図る場として設けられた施 設である。また、子どもたちに積極的に朝食を与えるサービスを実施したり、休日に行うイベントを 通して質の高いケアを行っていたりすると評価され、BBC 放送などから資金援助も受けていた。最 後に、トゥール・ライブラリであるが、ここは、住民たちの日々の暮らしに必要な日曜大工の道具や、

芝刈り機などを無料で貸し出す施設・制度である。これらの道具を通じて、個人が外に出て他者や 地域社会に触れあう機会を作り、生活感覚を維持または、回復させようというものである [中川:

2005:131-136] 。

SPCEA のこれらの事業を踏まえた上で、第 1 章で述べた社会事業の定義(表1)を考えると、

METから資金援助を受けてはいるけれども、チャターボックス・カフェやチャイルドケア・センターな どのサービスを提供し、独自の収入を得ることができているため、完全に「純粋な社会貢献」とはな らない。労働力に関しては、正規スタッフのほかにボランティアも多く含んでいるため、商業主義的 な事業というよりは社会貢献という面が強い。このことから、商業主義よりはやや社会貢献に近い事 業であるということが分かるが、形態としては、地域の活性化や雇用の創出に力を注いでいることか ら、コミュニティ・ビジネスととることができる。

事業内容に着目すれば、SPCEA の取り組みは派手ではないけれども、細かい工夫を凝らしな

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がら、徐々に住民の間に浸透していることは確かで、組織と住民の間に信頼関係ができているので はないかと筆者は思う。それは、サービスの提供者と受益者の関係にとどまらず、SPCEAから新し い手法で提案されている地域社会や家族のあり方を、人々が受け入れているともいっても過言で はないからである。

次に取り上げるのは、前章でも触れたCafé Directである。

Café Directは、1991年にOxfam, Trade Craft, Equal Exchange, Twin Trainingの資金 提供受けて設立されたイギリスで最大のフェアトレード・カンパニーである。コーヒーや、紅茶、ココ アなどの商品を扱っているが、25 万人の生産者が相当な収入を受け取れることを確かめた上で、

11カ国の33の生産団体から商品を買い取っている。2004、2005年の自社の利益(£574,000)

の 86%を、テーラーメード・プロデューサーズ・プログラム(PPP)や市場情報、経営トレーニングに

還元し、経営手腕を向上させたりネットワークの拡大をしたりしている。また、Café directは市場主 義社会において、フェアトレードをオルタナティブなアプローチとして位置づけるという、組織として の主張もはっきりしている。現在では、イギリス全国の主要なスーパーマーケットで Café direct の 商品を購入することができる。このCafé Directの事業形態は、先述のソーシャルビジネス(Social Business)になるが、企業として商品を通し、消費者に新たな価値や提案を与えるなどの影響力が あることが魅力である。特に、Café Directの場合、全国の主要なスーパーマーケットで手に入ると いうことから、その経営力が大企業に並んでいるということが分かる。

SPCEAとCafé Directの例を見ても、イギリスでは地域に根付いたビジネスが成功していると言 える。どちらも派手ではないが、人々の生活の中にサービスや商品として溶け込み、生活の一部に あるものとなっている。また、政府の政策の中に、コミュニティ・ビジネスを支援するという体制ができ ているのも、イギリス社会の歴史と経済が背景にあるのだということが理解できる。

2.アメリカにおける事業

では、アメリカではどのような事業が行われているのだろうか。

アメリカでは、企業に対する市民運動、フェミニズム運動、平和運動、環境運動などから、1970 年 代以降に、政府や企業の取り組みを調査し、情報提供していくような社会事業や、環境ビジネス、

格差社会の結果に生まれたホームレス支援などの事業がさかんになっていった[谷本 2006:99]。

コモングラウンドは、NY のタイムズスクエア周辺のホームレス地獄といわれていた地域の再生プ ロジェクトを1990年から実施し、ホームレス向けの仮設住宅(シェルター)を建設してきたNPOで あるが、現在では福祉サービスも提供し、ホームレスの人々の自立を支援している。また、入居条 件として、年間所得が最低1万3000ドル(約143万)で、その30%を家賃として収めることを挙げ ている。2001年には、「ファースト・ステップ・ハウジング」という新しい事業を開始し、長期的ではな く、短期的に理容安価な宿を提供してきている。また、日本のカプセル技術提供を求めたり、日本 のホームレス支援にも関心を寄せたりしていて、今後コモングラウンドのモデルが国際的に普及し つつある[斉藤 2005:20-27]。コモングラウンドは、非営利組織であるが、民間の企業や銀行との ネットワークを作り、企業のように実績をあげ、自身の組織の活動の幅を広げていっているのであ る。

また、アメリカでは特に、サンフランシスコ・ベイエリア(以下SFベイエリア)という地域が、アメリカ における社会事業の先駆的な役割を果たしている。それは、SFベイエリアに、IT企業やアメリカで

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もトップに入る大学や研究機関、コミュニティを支援する中間ネットワークなどが集まっているため、

社会事業が行いやすい環境が整っているからである[谷本 2006:102-104]。

また、イギリスのコミュニティ・ビジネスとは大きく異なるインターネットを媒介としたサービスの提供 なども行われている。Shop For Changeはオンライン・ショッピングを通して、商品の値段の5%が 寄付されるというシステムや、ネット上でのボランティア紹介やラジオ放送などもしている[岡部 2004:70-74]。このインターネットを使ったビジネスは、より多くの人にサービスを提供することがで きるし、運営資金も他のサービスに比べれば小額ですむというところにメリットがある。

次に、マイクロ・クレジットであるが、途上国で行われているマイクロ・クレジットの手法は近年有名 であるが、筆者は先進国でもマイクロ・クレジットの存在が大きくなっていることを次の例から感じ た。

1988 年に設立されたサンフランシスコの「自営のための女性運動」(WI)では、低所得の女性に 小額融資(マイクロ・ローン)のサービスを行い、女性たちが職業訓練を受けさまざまな分野で自立 する支援を行っている。それぞれの講座では料金が発生するが、入門講座が15ドルであったりと、

良心的である[岡部 2004:106-108]。

筆者は、SF ベイエリアを何度か訪れたことがあるが、やはり、環境問題に取り組む団体があった り、ホームレス支援をしている団体があったり、学生運動もさかんであり、人々の態度は、社会事業 が既に日常の中の一部にあることに慣れているように見受けられた。また、上記にあげた組織のよ うに、アメリカでは、非営利組織でも積極的に市場に入っていき、企業のようなアプローチで事業を 展開していかなければ、競争には打ち勝てないということなのだろう。

3.日本における事業

では、日本では、どういったかたちの社会事業あるのだろうか。

日本では高齢化という社会問題を解決するため 2000 年の介護保険の実施に伴った介護サー ビスを提供する NPO が多く出てきた。介護みどりは、在宅介護、施設への送迎、家事支援、育児 支援などを会員同士が行う互助組織「助け合い名古屋」として 1998 年に設立された。後に、介護 保険枠外になってしまった人のための活動を中心に行っている。また、グッドライフ兵庫は阪神大 震災後、仮設住宅や老人ホームでクラス高齢者や障害者を訪ね、理容ボランティアを続けてきた 理・美容師約70 人からなる組織である。現在は、介護福祉士なども参加したり、他の団体と協力し たりしながら金銭面で民間近業サービスを受けられない人や、保健適用外となった人々にNPOと してサービスを提供している[町田 2000:134-135]。

このように、日本では日本の社会問題を解決するための民間組織が存在し、福祉や地域の問題 に取り組んでいる。核家族や共働きの多い家庭の増加も、こういった介護の NPO を増やしている 原因の一つになっているのだろう。

また、2002年に設立されたNPO法人かものはしプロジェクトは、カンボジアにおいてビジネスと 融合させた支援を行っている。かものはしプロジェクトは、カンボジアの“児童買春 0(ゼロ)”にむけ、

子どもたちのためのパソコンスクールや農村支援、職業訓練センター事業、仕事の提供などを行っ ている。また、それらの子どもと家族が製作した商品やサービスを日本で販売、運営するという事業 も行っている。この事業は、フェアトレードという形でとれえれば、ソーシャル・ビジネスという分類に 入る。かものはしプロジェクトは、上で述べた日本のNPOとは異なる新しい方法で組織を運営させ

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ていることに筆者は着目した。

まず、かものはしプロジェクトは組織を運営させていく点で重要なキーワードをかかげている。そ れは、『ビジネスとNGOとの融合』・『人材への投資』である。彼らは自らのHPでも明確にポリシー として以下のようなことを述べている。

「私たちは資本主義の仕組みを活かしビジネスとNGO活動を融合させることにより持続的で 拡大的な事業をつくります。」

「私たちは使命を達成するためにアマチュアではなくプロフェッショナルとして活動します。そ して、人材への投資を惜しみません。活動している人が、人並みの生活をできるように給与 を支払います (かものはしHPより) 。」

このことからも、彼らは持続可能な支援を行うための事業をポジティブに取り入れ、独立した組織 として成立していこうという意思がみえる。また、日本国内ではなく、カンボジアという海外の問題に ついて取り組んでいる彼らの積極的な姿勢を日本社会は理解し、受け入れていくことが、今後日本 で社会事業が発展していく要素となるのではいだろうか。

本章では、先進国の社会事業に着目してきたが、先進国といっても、それぞれの国の歴史・経 済・社会問題の上に上で挙げてきたような事業が成り立っているのだということが、英・米・日を比較 することで、顕著になった。次章では、途上国で行われている事業をこれらの先進国の事業と比較 していく。次章は、前で述べたかものはしプロジェクトがかかげる『ビジネスと NGO との融合』・『人 材への投資』というキーワードを有効的に取り入れ途上国で成功している NGO について、筆者の フィールド調査も含めて考察していきたいと思う。

第3章 途上国における事業 ~バングラデシュBRACのマネジメントから~

1.BRACについて

本章では、発展途上国の中でも際立ってNGO の事業が盛んであるバングラデシュの現状につ いて触れることにする。筆者は、2007年2月に2週間ほど現地調査のためバングラデシュを訪れ た。バングラデシュでは、BRAC(Bangladesh Rural Advancement Committee、バングラデシ ュ農村振興委員会)という民間で設立された NGO が、人々の生活に欠くことのできない教育、保 健・医療、社会開発といった分野において、様々な側面から支援し、国内の基盤を根底から支えて いるような強い印象を受けた。BRACは1972年に設立されたが、BRACが誕生した背景について は、当時のバングラデシュの国内情勢と大きく関係しているものであり、第 2 章で触れた先進国 NGOが事業を起こすに至る契機とは異なるものである。

バングラデシュは、かつて英領インドであったパキスタンの一部として存在していた。英領インド は、1948 年に独立し、インド(ヒンドゥ教徒中心)とパキスタン(イスラム教徒中心)になったが、当時 のパキスタンは今日のパキスタンである西パキスタンと今日のバングラデシュである東パキスタンか ら成っていた。その後、西パキスタンに本拠を置く中央政府は国家統合政策を勧めようとするが、

東パキスタンはベンガル語を使用する一民族として自治権を要求し始め、1971年には第3次印パ

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戦争3にまで発展し、1971 年にバングラデシュとして独立するに至った。しかし、権力争いや横領 問題などにより独立政権は安定せず、1974 年には大洪水がバングラデシュを襲い、悪化していく 国内情勢に国民の不満は高まっていった [世界経済情報サービス2005: 5-8] 。

BRAC設立者のF.H.アベッド(Fazle Hasan Abed)氏は、イギリスの石油会社、Royal Dutch

Shell の公認会計士を務めていたが、帰国して、上記のような国内の状況を見ると、地方の家や家

畜・漁船・その他の生産手段を全て失った被災者の救済と復帰のために、バングラデシュ国内で 活動し始めた。当初は、スタッフ数15人の小規模な組織であったが、わずか30年余りで正規と非 正規職員、またその他のスタッフを含めた全雇用者数が 10 万人にも上る超巨大組織となった。現 在、BRAC には教育プログラム、保健・医療プログラム、人権・法律プログラム、社会開発プログラ ムなど、様々なプログラムがあり、国内だけでその支援は多岐に亘っている。活動実施地域は、バ ングラデシュの全ての県、99%の郡、60%の村(2001 年現在、BRAC 調べ)であり、全国各地に BRACのオフィスが点在する。そして、その支援に限界を見ることなく、新たに NGO として国内で 培ったノウハウを活かして、外国の支援に乗り出したのである。2002 年にはアフガニスタン、2005 年にはスリランカ、2006年にはアフリカのタンザニアやウガンダで活動を始めている。

BRAC の手法は他の各分野に特化したNGOと異なり、その組織力を活かし、全ての分野にお いてくまなく支援をしていくことで貧困からの脱出を目指している。確かに、教育や保健・衛生は国 民の安全で人間らしい生活には欠かせないものであり、各分野で国民の生活が大きく改善されて いることは確かである。しかし、そのような支援を継続していくだけの資金調達力が BRAC の活動 を支えているという現実も NGO を分析していくにあったって、重要な側面となるのではないだろう か。そこで、筆者は、BRACがNGOとして活動しながらも、ここまで短い年月の間に急成長を遂げ るこのできた要因を彼らの組織マネジメント力の中に探ることにした。

2.BRACが経営する事業

BRACはさまざまなプログラムを行って行く上で、どのようにして資金調達を行っているのだろう

か。BRAC では、表2のようにさまざまなビジネスを行っているが、これらはブラックの教育プログラ ムや保健・衛生プログラムなどを支える開発活動補助事業として企画されているものである。そして、

これらの事業により1999年には、BRACの年間予算の約44%が賄われたといわれている。

その他にも、1998年以降に創設されたBRACの関連企業は、以下の通りである。

・ BRAC産業(冷蔵倉庫)

・ BRACメールネットワーク(インターネット・プロバイダー)

・ BRACサービス(ホスピタリティ)

・ デルタBRAC住宅金融会社

・ BRAC大学

・ BRAC銀行

・ BRAC紅茶会社

・ ソフトウェア開発会社

3 東パキスタンの独立闘争に対し、パキスタン政府軍が市民を制圧し、東パキスタンで多くの難民が発生したことが契機となった 戦争。難民はインドに流れ込んだが、インド政府は大量の難民を受け入れることが不可能だったため、東パキスタンに介入し戦争 を行った。その後、東パキスタンはバングラデシュとして独立。

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これらの会社はBRACの関連会社として、利益の一部がBRACの活動資金となるのである。筆 者は、これらの事業を実際に見学させてもらった。アーロン・ショップは、BRAC や他のNGO が組 織した女性グループと地元の職人たちによって生産された高品質の手工芸品を取り扱う店舗であ り、海外にも輸出している。BRAC は、アーロン・ショップを通して権利や機会を奪われてしまった 女性を積極的に採用し、彼女たちに雇用の機会を与えながらも、民間企業のように、利益を求める ことを忘れてはいない。アーロンは、商品を作るにあたり、シーズンごとに異なるデザイナーを起用 し、バングラデシュの伝統的な柄を残しつつも、現代人の好むような色使いやデザインなどを用い て工夫を凝らしている。また、商品の品質向上のために、商品開発やスタッフのトレーニングにも力 を注いでいる点などがバングラデシュ国内外で成功している点などが大きな理由ではないかといわ れる。

表2 BRACの開発活動補助事

(BRAC At a Glance As of September 2006 より筆者作成)

また、食品や養鶏、飼育場などの事業は後 で述べるマイクロ・ファイナンスプログラムと絡 んでいて、女性たちの小規模融資事業によっ て生産された野菜や米、ミルクなどを BRAC が買い取り、市場で販売するという協力体制 ができている。これは、ただBRACが女性たち に融資を行うだけでなく、彼女たちが事業を起 こした後も長期的にサポートしていくことで、生 活の安定をはかろうとしているのである。

例えば、ある女性が BRAC の小規模融資 で牛を1頭の買ったとする。牛 1 頭で1日約 5~10リットルのミルクがとれるそうだが、BRAC はそのミルクを市場より少し安い価格で買い取 り、平均 1 割高の値をつけて市場で販売する のである。利益が商品の1割というのは少ない の で は な い か と い う 筆 者 の 質 問 に 対 し て 、 BRAC のスタッフからは、「利益はその時のミ ルクの脂肪含有量によって毎日変化する。利 益といってもあくまでも自分たちの活動を維持 していく分が出れば充分であり、全体的には 赤字ではない」という答えが返ってきた。また、

市場より安い価格で買われてしまって は牛を飼う女性が存するのではないか

と思えば、マーケットに行くよりは安定した商売ができることの方が大きいという。それは、マーケット まで足を運ぶとなれば長い道のりがあるし、売れるかどうかはマーケットに行ってからではないと分 からないという現実があるからからである。BRAC は、牛を飼っている人々が比較的短時間で足を 運べる場所にセンターを作り、そこでミルクを買い取っているのである。

アーロン・ショップ(手工芸品)

食品プロジェクト 印刷 養鶏場 飼育場 盆栽園 蝦の孵化場 鯉の孵化場 テラピア(魚)孵化場 海洋魚養殖センター

種子生産センター 種子加工センター

牛舎 ブロイラー鶏舎

冷蔵施設 トウモロコシ生産・販売

組織培養研究 鶏病診断研究

飼料分析 土壌分析 養蚕場

8(カ所)

1 1 6 3 17

8 4 1 1 23

2 1 1 57

3 1 1 1 1 (不明)

(15)

筆者は、この時まで、BRAC の事業が民間企業と変らないのではないかという考えを持っていた が、サポートする人々のニーズをいかに汲み取れるかというところに着目している BRAC の行って いる事業は、やはり社会的事業といえるのではないだろうか。

そして、これらの事業を継続させていくにあたって、もっとも重要なのは組織マネジメント力だが、

BRAC はその分野のプロの手法を取り入れ、どの事業においても赤字が出ないように技術面から も経理面でも常に改善を図っている。実際、利益のでない事業があれば潔く断念した過去もあると いう。このようなBRACの一般企業に劣らない、またはそれ以上のレベルでの仕事を追及する姿勢 が、各事業を成功させていく大きな理由であり、これらの事業が生んだ利益が教育や保健衛生の 開発活動をさらに向上させていくのではないだろうか。

3.BRACのマイクロ・ファイナンスプログラム

上で少し触れたマイクロ・ファイナンスプログラムは、貧困層の人々、あるいは低所得者に対する 小規模融資である。貧しい人々が一般の銀行や民間の高利子の融資に頼って、貧困から抜け出 せなくなるという悪循環を断ち切り、安定した生活を送ることを目的としている。

BRAC では、1974 年からこのプログラムを開始したが、対象者のほぼ全員が女性であり、その

返済率は99.4%と非常に高い。BRACは、融資をする人々=ターゲットをそれぞれの生活状況に

合わせて区分し、各グループによって融資金額も変える。大きな3つのターゲット・グループとして、

①最低所得者、②低所得者、③一般所得者に分かれている。①と②は、その中でさらに2つのグ ループに分かれており、全部で 5 段階のグループがある。所得が多ければ多いほど融資額も大き くなり、より規模の大きなビジネスを起こすことができるのである。利子はどのグループでも 15%とな っている。

筆者が訪れた村では、ダヴィ(DAVI)という低所得者グループにあたる 30 人の女性が村落組織 (village organization)を作っていた。ダヴィに区分されるのは、「土地を所有していない、又は 1 エーカー以下の土地所有者」に当たる人々で、US$50~500 の融資を受けられる。女性たちは、5 人程の小グループを作り、その小グループで各自の融資の承認や利用、返済などをお互いに監 視していくシステムができていた。各村落組織では地域マネージャーとして BRAC のスタッフが女 性たちのミーティングに参加するが、借りた金を返すのも、集金するのも全て女性たちの間で行わ れる。また、女性たちはミーティングの際に毎回小さな金額を貯蓄していくことで、次の返済の不足 に当てたりもする。それらは、各々の持っているノートに毎回記録され、自分がどれだけ貯蓄やロー ンがあるのかがすぐ分かるようになっている。全員のノートには融資を受ける上での規約が記され ており、一つ一つの規約が、彼女たちの日々の生活の改善にもつながっているが、1999年時点で は以下の通りである。

(1) われわれは不正行為や不法行為をしない。

(2) われわれは一生懸命働き、生活を改善する。

(3) われわれは子どもたちを学校に通わせる。

(4) われわれは家族計画を実践し、家族のサイズを大きくしない。

(5) われわれは常に生活を心がけ、家とその周囲をきれいにする。

(6) われわれは常にきれいな水を飲料水とする。

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(7) われわれは食物を適正に保管し、食事の前には手と顔を洗う。

(8) われわれはトイレを設置し、それ以外の場所で排泄しない。

(9) われわれは家の周囲や庭で野菜を育てて、木を植える。

(10) われわれは他の人を助ける努力をする。

(11) われわれは一夫多妻制に反対し、女性の暴力と戦う。

(12) われわれは村落組織に従い、そのきまりや規則を遵守する。

(13) われわれは意味がしっかり理解できるまでは決してサインしてはならない。

(われわれは行動する前に注意深く見る)

(14) われわれは毎週および毎月行われる定例会議にいつも時間通り参加する。

(15) われわれは定例会議の議決事項に従う。

(16) われわれは毎週定期的に貯蓄を行う。

(17) われわれは融資を受けたら期限内に変換する。

(18) われわれは女の子にも男の子と平等の機会を与える。[Lovell 2001:138]

これらの規約は毎回ミーティングが始まるまえに、全メンバーによって唱えられ、融資に関する ことだけでなく、生活を根本から改善していくという意識を再確認できるものである。マイクロ・ファイ ナンスプログラムは全国の 46州、160,197の村落組織で行われているが、BRACはこのプログラ ムを通しても、弱い立場にある女性に権利と機会を与える場を提供している。そして、家庭でも発 言権のない女性たちに資本という実際的権力を握らせることで、女性のエンパワメントを促進する 役割も果たしているのである。

4.BRACのビジネスが成功する要因

以上で述べてきたように、BRACのビジネスはそれぞれ成功を収めているといえる。それは、第1 に、市場原理をできるだけ取り入れた手法を用いているからだと筆者は考える。例えば、マイクロ・

ファイナンスプログラムは、現在多くのNGOが実施している支援方法の一つであり、最近では先進 国の銀行や投資家なども着目しているプログラムであるけれども、BRACは融資を行うだけでなく、

融資を行った後、人々がビジネスを起こしていく過程においても、ビジネスが安定して継続してい けるような踏み台を作るという一歩先の支援も行っている。人々が家畜を飼ったり、野菜を育てたり してできた生産物をBRAC が買い取って販売する。一般の市場からは排除された人々を、BRAC は自ら仲介的役割となって再度市場へ戻すという、他ではない手法を用いることで持続的な支援 を可能にしているのである。

また、ビジネスの幅を広げることで、多くの失業者を雇用者へと転換させていることも社会的企業 といえる大きな理由である。第2章でも、アメリカやイギリスのNGOが失業者をサポートしたり、トレ ーニングしたりするという例はあったものの、実際に自らの組織で雇用して彼らに賃金を与えるとい うことはしていなかった。BRAC は自ら会社や事業を起こし、そこで人材を育てている。これは、組 織の規模の大きさが要因だと見られる。やはり、会社を起こすにも人を雇うにも資金は必要であり、

NGOの力だけでは無理だといえる。しかし、BRACはその組織の中で活動資金を生み出すという ことを可能にした。具体的な点では、ドナーへの依存度が年々低くなっていっていることが挙げら れる。

(17)

表3は、BRACの予算の中で寄付がどのくらいの割合を占めるかというものであるが、1980年に は100%寄付に頼っていたのが2000年以降は20%台と大幅に減っていることが分かる。これは、

ブラックのビジネスが発展してきたことも意味している。それは、本章の第 2 節でも述べたように、1 999 年には BRAC のビジネスで年間予算の半分を賄うことができたということでも明らになってい る。

そして、BRAC の大きな強みは民間企業と同レベルの経営ノウハウを持ち合わせていることである。

各事業に関するマーケティングから戦略、人材育成、商品開発、評価、組織管理能力、とどれをと っても民間企業と変らないように見える。全てのスタッフが直接支援に関わっているわけではなく、

研究部門や監査部門を会社のようにしっかりと設けているし、NGO だからといってボランティアや チャリティーという視点で活動せず、市場の原理に沿った企業と肩を並べるほどの経営力を持って いる。

表3 BRACの予算で寄付が閉める割合

(BRAC At a Glance As of September 2006より筆者作成) だからこそ、市場の価格にも敏感であり、人件費やコストとい

ったことにシビアな面も見られる。例えば、アーロン・ショップで 売っている商品を生産する人々の給料は彼・彼女らにとって 100%満足できるものではないが、どこかの地主の下で同じ時 間畑仕事をする約2倍の稼ぎにはなり、決して悪い給料というわ けではない。それを踏まえると、アーロン・ショップはフェアトレー ドと明確に断定できるものではないにせよ、より多くの人々に雇 用の機会を与えているという点で社会事

業といっても過言ではないだろう。人件費

を削るのは、NGOという立場であると同時に市場に近い感覚を兼ね備えているからである。

年 ドナーの寄付 1980年 100.0%

1985年 97.0%

1990年 68.2%

1995年 54.0%

2000年 21.0%

2005年 24.0%

これらに加え、BRAC の特徴は政府と対立するのではなく、協力関係にあるところである。教育 の分野では、BRACの教育方法が政府より優れているということで、政府もBRACの手法を取り入 れたり、公立の教師がBRAC にトレーニングを受けにきたりしていた。BRAC 側は、政府と協力す るメリットの方がデメリットより高いという見解である。

最後に、他のNGOとの差が明確になるのはスタッフの教育費である。プロジェクト予算の1割を 毎年スタッフ教育資金に費やし、質の高い人材を生み出している。その教育費はスタッフの海外留 学にも費やされ、スタッフを通じて毎年先進国の新しい手法を取り入れているのである。

このように、BRACには他のNGOにはない特徴がいくつも見られるが、これらの特徴はBRAC を形成するほんの一部にすぎない。BRAC は進化し続ける組織であり、常に変化しているように筆 者は感じた。BRACのビジネスが成功している理由も、途上国の企業の力不足という視点から見れ ば複雑なものになってしまうが、BRAC の向上し続ける姿勢というのは称えるに値するのではない だろうか。NGO が企業と肩を並べるのは難しいことであり、多くの NGO が資金調達に悩み、ドナ ーの意見一つで理念やポリシーを曲げざるを得ない状況がある。そこで、重要なのはBRACのよう に自ら資金を生み出せる力なのである。

それにはやはり、まず企業とのパートナーシップを持ち、市場で負けない経営ノウハウを企業か ら学ぶべきではないだろうか。企業も従来のように利益ばかりを追求せず、社会的責任やアカウン タビリティを考慮しなければならない時代に突入しているため、NGO や NPO という人々のニーズ

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を上手く汲み取れる組織との協力が必要になってくるだろう。つまり、双方のパートナーシップがよ り求められるようになると筆者は考えている。

終章

終わりに、本論を通して社会的事業の実態や現状を述べてきたが、第3章で取りあげたBRAC の手法を全ての NGO に当てはめたからといって、成功するとは限らないという大きな問題点が浮 かび上がる。バングラデシュでの現地調査から考察すると、途上国に比べ、先進国では一般企業 と競争しなければいけないという厳しい現実が立ちはだかっている。先進国では、一般企業は経営 ノウハウから資金、人員までを全て兼ね備えている。そのような組織に対し、NGOやNPOは対等 に市場で活動していけるのだろうか。バングラデシュのような途上国では、一般企業の力とNGOの 力との大差はそれほどないように感じたが、先進国の状況は異なっている。一般企業の力を考える と、先進国では、社会事業を行っていく主体を今現在NGOだけに求めるのは難しいのかもしれな い。

では、実際に社会的事業を日本で推進していくためには、どのようなことが重要となってくるのだ ろうか。筆者は、社会的事業を進めるに当たって必要不可欠な「担い手」の点に着目する。日本に おいて、それは未だ確立していないような印象をうけるが、ここでいくつかのパターンを挙げてみる ことにする。

まず、1つ目のパターンとして考えられるのが、本論でも述べてきたNGOが社会的事業に参入 していくという方法である。そのためには、スタッフの経営トレーニングを行ったり、社会事業部門を 創り、経営ノウハウを持った人材を新しく雇用したりすることが必要である。

2 つ目のパターンは、企業が社会的事業に参入していくという方法である。これについては、人 材面では問題ない。しかし、企業そのものの営利活動の一環として社会的事業がカモフラージュに 利用されたり、ミッションの問題が危惧されたりすることもあるだろう。NPOの中には、営利目的で設 立されたダミー的な団体もあるので支援する側としては注意しなければならい。

3 つ目のパターンは、上でも述べた企業とNGO がパートナーシップを結んで共同経営を行うと いう方法である。これは、両者から人材とノウハウを出し合い、上手く協働できれば成功すると考え られるが、実例は少ない。

最後に 4 つ目のパターンだが、若者が社会的事業を起業するという方法である。第 2 章で取り 上げた NPO法人かものはしプロジェクトはこのパターンである。メリットは、若者が新しい発想や既 成概念に縛られないスタイルを持っているということである。デメリットは、全ての若者について言え るノウハウと経験不足という点である。

どの方法についても、鍵となるのは人材面で言えば起業家と経営者、そして、資金・経営ノウハ ウの出し手である。

第 3 章で論じたバングラデシュには、BRAC の創設者のアベッド氏や、マイクロ・ファイナンスを 国内で普及したムハマド・ユヌス氏というリーダーたちがいる。彼らのような社会的使命感と経営知 識を兼ね備え、かつリスクをも恐れないという強い信念を持った指導者たちが社会事業には必要な のである。しかし、日本ではそのような人材が出てくるのだろうか。事例としては取り上げていないが、

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日本各地で飲食店を経営しているワタミ株式会社は、現在農業や医療、介護サービスにも着手し ているという点で今後期待できる社会的起業となる可能性がある。代表取締役社長・CEO である 渡邉氏は企業としての誠実さや、高齢者や環境の問題などに配慮するという社会的な活動を推進 しているが、渡邉氏のような社会起業家が増えれば日本社会でも社会的事業が定着していくので はないかと考えられる。

資金については、バングラデシュの場合、欧米のNGOや援助機関が提供している。そのため、

ノーリスクの資金があったわけである。そして、第1章でも触れたが、イギリスでは政府が、アメリカで は、富裕層フィランソロピー団体が社会的事業の担い手となって活躍しているということであった。

しかし、日本ではどのシステム確率していない。そのような状況で、どのように起業資金を生み出し ていくかが今後の課題となるのではないだろうか。現在、日本の NGO の規模を考えると企業の方 が人材面でも、資金力においても優れているのは明確である。そのため、やはり、企業の力をどう にか社会的事業に活用していくことが近道と言えるのではないか。しかし、社会的事業の経営ノウ ハウについては、企業の手法を取り入れれば済むという話ではない。社会のニーズを汲み取り、市 民に問題提起やアドボカシーなどを積極的にしていく存在が必要となる。その部分で、NGO の活 動に価値が生まれるのではないだろうか。

つまり、経営ノウハウは、単純に企業のノウハウを適応させるということではなく、社会的事業に相 応しいやり方を工夫し、向上させていかなければいけないという点で、企業だけではなく、NGO に も求められるようになると筆者は考える。

これらのことから、日本における社会的事業の担い手は NGO だけではないということが顕著に なった。そして、NGOや企業、また政府の得意とする部分を活かし、互いに協力関係を築いていく ことが結果として日本社会の向上につながるのではないだろうか。NGO、企業、政府そして、市民 一人一人にとっても意識改革と、社会的責任の問われる時代がきているのである。そして、これが 実現されていけば、国内においても国外においても持続可能な支援が可能になるのではないだろ うか。

(20)

参考文献

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BRAC作成(2006)『BRAC annual Report As of September2006』

BRAC作成(2005)『Microfinance Programme!』

BRAC作成(2005)『BUILDING RESOURCES ACROSS COMMUNITIES』

BRAC作成(2005)『Annual Health Report』

ラヴェル、キャサリン・H・、久木田貴子・久木田純訳(2001) 『マネジメント・開発・NGO-「学習す る組織」BRACの貧困撲滅戦略』新評論

町田洋次(2000)『社会起業家―「よい社会」をつくるひとたち―』PAP新書

中川雄一朗(2005)『社会的企業とコミュニティの再生 イギリスでの試みに学ぶ』大月書店 岡部和夫(2000)『サンフランシスコ発・社会変革NPO』お茶の水書房

斉藤槙(2005)『社会起業家―社会責任ビジネスの新しい潮流―』岩波新書 世界経済情報サービス(ワイス)『ARCレポート2005 バングラデシュ』(2005)

Shinich Shigetomi(2002)『The States and NGOs perspective from Asia』Institute of Southeast Asia studies Singapore

谷本寛治(2006)『ソーシャル・エンタープライズ 社会的企業の台頭』中央経済社 田坂広志(2003)『これから働き方はどう変わるのか』ダイヤモンド社

参考HP

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http://www.documentabd.com/AboutUs.html (2007)

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参照

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