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複雑な立体形状を捉える [3 次元計測 ] カラーカメラでの画像処理では 侵入者を抽出するために 画像の変化を検出する差分処理 ( 背景差分 フレーム間差分 ) を行う しかし 侵入者が 背景と類似した服を着用していると 輝度の違い ( コントラスト ) がなくなり 分離が難しくなる 3 次元情報が

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Academic year: 2021

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  2009 年、画像処理による屋外用防犯センサの実 証実験をイギリスで行ったが、車のヘッドライト や、照明環境の違いにより、安定した検知と誤報 低減を達成できずにいた。一方で、当時、TOF の 距離画像技術を今後の技術として検討しており、 距離画像カメラの優位性に可能性を感じていた。  同年、オプテックスは、距離画像カメラのプロ トタイプの提供を開始し、2010 年から量産機の販 売を始めた(図1)(表1)。現在では、高出力タイ プ、LANタイプ、カラーカメラを追加したRGB-Z など、ユーザの要望に応じていくつかの仕様を提 供している。

TOF方式距離画像カメラの優位点

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仕様項目 ZC-1070U(標準タイプ) ZC-1050U(狭角タイプ) 視野角(水平/垂直/対角) 70 / 55 / 90 (*1) 50 / 37 / 59 (*1) 電源入力 消費電力 動作温度/湿度 有効画素(出力画素) 光源 測定距離 距離精度 距離繰り返し誤差 使用周囲照度 変調周波数 フレームレート サイズ 質量 固定方法 PC側対応OS 対応開発環境 インタフェイス 画像データの出力フォーマット エミッション *1 視野角の数値は目安となる. *2 使用環境、設定モードにより数値は異なる. DC12V(付属のACアダプタで供給) 15-20W(Typ.) 、 30W(最大) 0~50℃ / 85%RH以下 60FPS(最大) (*2) 160mm(幅)×65mm(高さ)×55mm(奥行き) 600g以下 160×120 ピクセル (176×132 ピクセル) 近赤外線LED(850nm) 0.5 ~ 4.0m (*2) 10万Lx以下 (*2) FCC クラス A準拠 、 CE クラス A準拠 Visual C++対応 X,Y方向 : ±5% (*2) 、 Z方向 : ±2% (*2) 20MHz(20/30MHz:ロングレンジモード時) カメラマウント 上下2箇所 1/4インチネジ止め Windows-XP(SP2以降) 、 Windows 7 (32bit) Z方向 : σ =±2% (*2) B,Z,X,Y(各16ビット)又は B,Z(各16ビット)を選択可 USB 2.0 図 1 ZC-1000 シリーズ 表 1 ZC-1000 シリーズ仕様書 最近、ゲーム用に低価格の距離画像を取得できるカメラが市販されている。これにより、距離画像、 あるいは3Dの動画距離映像を利用した研究や、開発が進んでいる。また、距離画像技術を利用し た研究や論文は増加傾向にある。 本稿では、外乱光の影響が少なく10万Lxの太陽光下でも距離画像を取得できる距離画像カメラ 「ZC-1000シリーズ」を紹介する。これはTOF方式の距離画像カメラであるが、競合するその他の 距離画像技術との違いを示し、それぞれのアプリケーションに対して、TOF方式の距離画像技 術の利点、欠点を解説する。市場背景など、実際の応用例や、そこに利用されているソフトウェアな ども紹介しながら、距離画像市場を概観する。最後に、距離画像技術の今後の方向性やトレンド を紹介する。

距離画像カメラ

~カメラからセンサへZC-1000シリーズ

オプテックス株式会社 要素技術部/部長 村田記一

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 カラーカメラでの画像処理では、侵入者を抽出 するために、画像の変化を検出する差分処理(背 景差分、フレーム間差分)を行う。しかし、侵入者 が、背景と類似した服を着用していると、輝度の 違い(コントラスト)がなくなり、分離が難しくな る。3 次元情報があれば、侵入者の距離と背景と の距離の違いにより、侵入者を抽出することがで きる。距離コントラストとして抽出することがで きるため画像処理プロセッサの負担も少なくする ことができ、侵入者の身長、形状などの特徴抽出 や、形状認識による誤報低減処理に集中すること ができる。  また、1 秒間に 60 フレームの撮像を行うことが できるため、距離画像を動画のように録画、再生 することができる。人間の一般的な動きであれば、 このフレームレートで、動きぶれ(Motion Blur)の 影響を受けずに画像取得することができる(図2)。  各ピクセルには、3 次元の距離情報(x、y、z)を 有するため、それを立体空間で再構成し、視点を 変えれば、上空からの位置関係や、横から見た距 離を解析することができる。一方向から撮影した だけで、物体の立体的構成、空間の物体配置をす ることもできる(図3)。  カラーカメラを使った距離画像の取得方法には、 カメラを 2 台以上使うステレオカメラの手法があ る。基本原理は、画像処理の世界では古典的と言 われるほど確立しているが、カメラの価格低下や 処理チップの進化により、その応用範囲は広い。 ただし、屋外の侵入者の検出に対しては、背景と 同じ色の服を着ていると分離が難しく、夜間の警 戒時には照明が必要など現実的には実用的ではな い。また、ステレオ法は、2 つのカメラに写って いるパターンを照合する必要があり、画像処理プ ロセッサの負担は重く、また、パターンマッチン グ処理が必要である。したがって、白い壁などテ クスチャのない物体の距離計測ができない。アク ティブ型の TOF 法にはテクスチャや、背景との色 の違いは必要ない。最近、ステレオ法でも、ラン 図 2 ジャンプ 60fps 図 3  3 次元による距離解析

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ダムパターンを照射することで、物体にはテクス チャがなくても距離計測ができるアクティブ型が 研究されている。  光切断法は、精度の高い立体データの取得方法 として知られている。レーザーなどで立体を切断 するように光を照射し、カメラから見た位置から 立体を計算する手法である。切断面をスキャンす るために時間が必要であり、動画には適さない。  スキャン速度を高速化する手法として、光パター ン法、あるいは光コード法と呼ばれるものがある。 切断面を複数作成することでスキャン時間を短縮 し、高速化を図る。このような方法でスキャン速 度を 1 秒以内にしたと言う報告もあるが、リアル タイムの反応には、計算速度の高速化も同時に必 要である。  ランダムパターンを画面全体に投射し、その位 置から立体を計算する手法もあり、計算速度さえ 高速化されれば、リアルタイムで距離画像を取得 することができる。Microsoft社のKinectはこの原 理で動作している。専用チップにより計算の高速化 を図っているが、計算量は多く、XBOXのCPUも 距離演算に使用されているといわれている。  TOF の手法は、投光して物体から反射した光の 時間を何らかのアナログ量で計測する手法で、距 離演算は、計測値と実測値の補正計算が主なもの となり、計算量は少ない。レーザー測距計は、特 定の一点の距離を計測する手段であるが、これを 回転させたものがレーザースキャンで、線上のエ リアの距離計測をすることができる。これを全体 で上下にモータで動かすことにより距離画像を得 る手法があり、スキャンレートは高くないが障害 物認識などの一般的な手法である。  TOF 方式の距離画像カメラは、距離計測用の受 光素子が 2 万点以上あり、同時に距離計測を行う ためモータなどの可動部が不要で、移動体などの 振動・衝撃の耐性が要求される用途には、安心し て利用することができる。使用する技術は、投光 では、LED やレーザー、受光では CMOS、画像処 理チップであり、それぞれが進化の著しいトレン ド技術である。性能や価格面で、急速な変化が期 待される所以である。  現在、距離画像がポピュラーな技術になったの は、2010年11月発売になったMicrosoft社のKinect の影響が大きい。低価格で距離画像を取得できる 機器として、研究にも利用されている。  上記の理由もあり、距離画像の応用はゲーム用 途が多い。エンターテインメントとしてのゲーム にも人気があるが、シリアスゲームとしても研究 されている。シリアスゲームとは、教育や、訓練 のためのゲームで、距離画像を利用することによ りプレーヤーが動作を立体的に確認しながら作業 を習得することができる。運動不足の学生の興味 を引くための手段として学校で使われる例もある が、軍事訓練や、リハビリなど、必然性の高い用 途もある(図4)。このような用途には、骨格認識 のソフトウェアが活用されている(図5)。  人体の特殊な動作や、ポーズをジェスチャー入 力として利用することができる。2011 年から Kinect を利用した論文がロボット学会などから発 表されており、2012 年の秋には、累積数十件を超 えるものとなっている。その中には、ロボットへ の命令手段として、ジェスチャーや、手指の動き を認識する研究もされている。手話の自動読み取 りも研究テーマの 1 つである。手話は言語により 異なり、手話通訳は、英語の知識だけではなく、 日本語と英語の手話の両方を知る必要がある。し たがって、手話通訳者の数は少なく、自動翻訳の 要求は高い。  ジェスチャー入力を店舗などで使用すると、広 告用途に使用することができる(図6)。距離画像 カメラをショッピング・ウィンドウの中に設置し、 ウィンドウショッピングする顧客の動きに合わせ て、ディスプレイを変化させることでアイキャッ

距離画像の応用

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チとして利用できる。ZC-1000 は、太陽光の影響 を低減できる機能があり、ショッピング・ウィン ドウの中に設置し、屋外の人の動きに反応するシ ステムを作成することもできる。案内板にはタッ チパッドが使われているが、非接触の案内板は動 作が面白く、楽しめる案内板としてイベント用途 に利用されている。このような用途のソフトウェ アとしては、人体トラッキングソフトや、ジェス チャー認識ソフトをベースに作成することができ、 コンテンツ(表示内容)を用意すれば、比較的容易 にアプリケーションを提供することができる(図7)。  ロボットの用途としては、周囲の 3D マッピン グによる位置認識と、障害物認識がある。産業用 の無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)

図 4 Silverfit 社(蘭) リハビリソフトウェア

図 6 日本コントロールシステム(株) ジェスチャー認識ソフトウェア

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には、レーザースキャナが一般的に利用されてい るが、今後、荷物の搭載量が増加すると積み上げ た高さに対応する障害物認識が必要になってく る。当社では、障害物を空間ブロックの位置とし て表示するソフトウェアをカメラに搭載したもの を準備している。このようなものを利用すると、 カメラとしてではなく、障害物の位置センサとし ての運用をすることができる。  車載用途にも興味が集まっているが、前方・後 方の障害物検知用途以外にも、車室の搭乗者の位 置検知用にも期待されている。車内を個人のエン ターテインメント空間にしようとする動きもあり、 非接触の入力装置としての要望もある。これには、 ヘッドアップディスプレイなど、表示器とのコラ ボレーションも期待されている。距離画像の技術 は、3 次元表示技術とも相性がよく、表示空間に ジェスチャーを行うと表示が変わるなど、3 次元 ユーザインタフェイスのフィードバックとしても 考えられている。  また、距離画像カメラは、安全センサとして利 用することができる。安全用途には、安全規格へ の認証なども必要になるが、研究レベルでは検討 が始まっている。空間上に任意の危険領域を設定 し、その空間への侵入を検知するソフトウェアで ある。カメラに画像処理プロセッサを搭載した機 種も提案しており、既にカメラ本体にインストー ルされている。  公共の施設では混雑度合いにより、災害時の対 応が変化するため、現在の人数や人の流れの情報 の要求もある。天井から見た人の流れを距離画像 で計測することにより、公共の場所でプライバ シーを侵害せず情報を取得することができる。  データセンターや金融機関では、一部の施設の 入場に特定の ID を有している人だけを管理して 入場させる。正規入場者の後に付いて不正に入場 する人を検出することを共連れ検出と称する。ス テレオカメラなどの距離画像で、共連れを検出す るのが一般的であったが、TOF方式の距離画像を 利用することにより、誤動作を防ぎ実用的な性能 を確保することができた。 図 7 島根県産業技術センター、(株)日立ソリューションズ ジェスチャー認識ソフトウェア

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 寸法計測の分野でも、±数 mm 程度の精度を確 保することに成功している。光切断法やレーザー 測距器の方式に比べると距離精度は劣るが、縦横 高さの計測を同時に行うなど、不定形の物体の体 積を一度に計測する手法としては優れている。タ ンクの容量管理など、センチ単位の精度で充分な 分野では、凹凸のある物体の容積の計測で期待さ れており、一部では液体の計測としても研究され ている。  TOFを利用した距離画像の技術は、画角を広く、 長距離まで距離計測ができることが顧客要求であ り、そのためには感度向上が必須である。また、 現在の距離画像カメラは、2 万画素程度が一般的 である。長距離用途では解像度も要求され、数 十万画素の画素数が望まれる。画素数が多くなる と各画素の面積も小さくなり、感度低下となるた め、解像度の要求と、広角や長距離の要求は技術 的には相矛盾した要求事項となる。  距離画像カメラの受光素子は、CMOS 技術を 使って作られており、現在の汎用 CMOS カメラの 感度向上技術を流用することで、性能向上の可能 性は高い。  そのほかの要求事項は、距離画像にカラー情報 を付加したいというものである。距離情報の抽出 とともに、カラー画像が取得できると、立体ムー ビーとなる。立体 TV の方向性と合致することか ら、今後の市場トレンドである。  一般的にこのような光学センサは太陽光などの 強力な光には影響を受けるものであり、距離計測 が不能になるセンサも多い。ZC-1000 は 10 万 Lx の太陽光下での使用も可能であるが、より性能の 高い外光対策が求められている(図8)。  価格に対する要求も強いが、利用されているデ バイスは、技術トレンドの強いものばかりであり、 数量の増加とともに価格は低下する方向である が、システム全体の低価格化の手法として、カメ ラに、画像処理プロセッサを追加する手法を提案 している。これにより、距離画像カメラは、PC不 要となり、カメラからセンサとしての利用ができ るようになる。  距離画像カメラの技術は今後も、急速に進化を 遂げる。当社もユーザのご要望に応じて、より使 いやすい製品開発を続けていく所存である。 ☆オプテックス株式会社  TEL.077-579-8360 FAX.077-579-7030  info-ir@optex.co.jp  http://www.optex.co.jp/

距離画像カメラの今後

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図 8 ZC-1000 シリーズ 高出力仕様を用いた太陽光下 距離画像(10 万 Lx)

図 6 日本コントロールシステム(株) ジェスチャー認識ソフトウェア

参照

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