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ニ方向繰り返し力を受けるRC柱の変形特性に関する実験的研究

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Academic year: 2021

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V-003 土木学会中部支部研究発表会 (2011.3)

ニ方向繰り返し力を受ける

RC

柱の変形特性に関する実験的研究

愛 知 工 業 大 学 学 生 会 員 O水野憲司 愛知工業大学 正会員 鈴木森晶 中 部 大 学 学 生 会 員 磯 部 友 哉 中部大学 正 会 員 水 野 英 二 1.はじめに 鉄筋コンクリート (RC) 柱の主鉄筋の座屈現象は,横拘束筋間隔,載荷履歴および、コンクリート強度で異 なるため,そのメカニズムは明確になっていない.これまで,筆者らは横拘束筋間隔の異なる RC柱を用いて 一方向繰り返し載荷実験を実施してきたが l),本研究では,一方向載荷実験結果と二方向載荷実験結果とを比 一宜軸カ 較することにより,載荷方向の違いが RC柱の変形性能に及ぼす影響について考察する. 繰り返し荷重

1

0 4・ 圃 圃 圃 圃 静 '

2

.

実験概要

2

.

1

供試体概要 本実験で使用した供試体の形状ならびに配筋の一例を図-1に示す.実験には,断面 寸 法 200x200lmn,柱有効高さ 10001mn,せん断スパン比 5を有する RC柱供試体を用 いた.供試体は曲げ破壊先行型となるように,主鉄筋には D1 0 (SD295A) を 8本,横 拘束筋には D6 (SD295A) を間隔 s= 65, 90, 105,120 lllillでそれぞれ配筋した‘なお, 打設コンクリートの設計基準強度fck=40孔1Paである.材料定数を表ー1に示す. 表-1 材料定数 横拘束 コンクリ ト設計 主鉄筋D10CSD295A) 筋間隔 基準・圧縮強度[MPa] 横拘束筋D6CSD295A) E 降伏強度 引張強度 降伏強度 [ 剛 ] 40 事│張強度 [ MPa ] [ MPa ] [ MPa ] [ MPa ] 65 90 52. 68 105 55.42 382. 8 550. 7 338.4 491“8 120 51.85 」ー 」

2

.

2

載荷装置および載荷履歴 本実験では,写真一1に示す載荷装置を用いて供試体を銅製冶具に挿入し3 高力ボ ルトにより完全固定の条件になるように供試体を固定した.載荷形態として,図一

2

に示すような一方向載荷および斜め方向載荷の二種類を採用した.すなわち, 1) 一方向載荷 くO→十80y→ -80y→+80 y→ -160 y→+168 y→“ 168 y > 2) 斜め方向載荷 <0→ 叫 ん →-48y→+88 y→・88y→ +88y→回168y > ここで,んは一方向載荷での引張側主鉄筋の初期降伏時における柱頭での水平変位 (すなわち,主鉄筋のひずみが 2,000μ に達した時の降伏変位)である.なお,斜め ・16 方向載荷はX方向および Y方向に対して同時に載荷した一方向載荷と比較して,斜 め方向載荷では柱基部の損傷進展が速く 386y以前で大きな損傷が生じることが予 測されたため, 48 yでの繰返し載荷も加えた. 3.実験結果および考察

3

.

1

荷重一変位曲線の比較 一方向載荷と斜め方向載荷による変形挙動を比較するため,一例として,横拘束筋 間隔 s= 65 Imnの場合の水平荷重一水平変位関係を図ー3に示す.この図より,斜め方 向載荷では次のような特徴が見られた.1)最大耐力後の耐力の低減が大きい, 2)載 荷方向が反転した後に生ずるピンチング挙動(およそ変位が 0付近でみられる)がよ り顕著にみられる, 3) 載荷方向が反転した後の徐荷曲線と再載荷曲線において,耐 力の増加幅に違いがみられる. -457-133

4

]

I

言 [ 単 位 同 ] 図ー1 供試体配筋図 置 壮 在 荷一 載 一 盲 R 写 、 グ a x ( 6 1 (a)一方向載荷 (b)斜め方向載荷 図

-

2

載荷履歴

(2)

V-003 3断2コンクリートの破壊領域の比較 載 荷<+8d y→四16d y>中の-8d y時におけるコンクリートの破壊状 況を写真一

2

に示す開写真一

2

(a)および

(

b

)

を比較すると,コンクリート の剥落した基部からの高さはどちらも 130m m程度であった.同様の 傾向がs= 120 mmにも認められた.つまり,過去の研究 1)と同様に, 一方向載荷でも斜め方向載荷でも損傷が載荷方向に集中し,コンクリ ートの破壊領域に対しては3 載荷履歴や横拘束筋間隔 sの長さの影響 は少ないと考える.一方で3 写真一2(b)および(d)から分かるように, コアコンクリートの破壊に対しては横拘束筋間隔s=65mmの方がs= 120mmと比べて小さかった. 3. 3座屈形状の比較 16

d

y 時の主鉄筋の座屈状況(側面)を写真一

3

に示す.一方向載荷 では,載荷面の 3本とも同じ方向に同じ程度はらみ出している.座屈 が生じている範囲はs= 65 m mでは,約 130m m, s =120 mmでは約 120mmである(写真一3(a)および (c)参照).斜め方向載荷では,載荷 方向に沿った隅角部の主鉄筋とその両隣の2本の主鉄筋に座屈が生じ ているが,その方向およびはらみ出しの程度は均一ではない.ただし, 座屈が生じた範囲は一方向載荷と同程度であった(写真一3(b)お よ び (d) ) .これは,一方向載荷では 3本の主鉄筋に同程度の負荷が作用し, ほぼ同時に鹿屈が開始するが 斜め方向載荷では隅角部の 1本の主鉄 筋に極端に大きな負荷が作用するため,座屈の開始に差が生じる.結 果として,ピンチング挙動がより顕著に現れたと考えられる. 土木学会中部支部研究発表会 (2011.3) h ︻ 同 ¥ ︻ 同 ) 1圏I-lo f~ 住 ト キ4 一一一方向載荷 ゆ 水平変位 (a 1 a yl (a)一方向載荷 s = 65 mm ーーー斜め方向調;荷 hι¥ 内 同 ) 水平変位 (81a yl (b)斜め方向載荷 s

=

65 mm 図-3 水平荷重一水平変位 (a)一方向載荷 (b)斜め方向載荷 s

=

65 mm(文献1) s

=

65 mm

4

.

結 論 1)斜め方向載荷では,抵抗する主鉄筋およびコンクリートが少な いため,早期に座屈が生ずるとともに,損傷の進展が速い. 2)斜め方向載荷では,座屈の進展に時間差があると考えられ,そ のため損傷の進展が速いと思われる (c)一方向載荷 (d)斜め方向載荷 3)コンクリートの破壊領域の大きさは,主に横拘束筋間隔の違い s

=

120mm(文献1) s

=

120 mm による影響が大きく,載荷履歴の違いによる影響は小さいこと 写真一2載荷<+8oy→一16o y>一8o y時の状況 が確認できた. 4)主鉄筋の座屈範囲は,載荷方向によらずほぼ同じ長さであった が,個々の鉄筋のはらみ出し量やはらみ出す方向には違いがみ られた. 謝辞:本研究は科学研究費(基盤研究

(

C

)

22560488代表:水 野英二)ならびに愛知工業大学耐震実験センターの研究助成に より行った,ここに感謝の意を表する. 参考文献 1)鈴 木 森 品 , 水 野 英 二 繰 り 返 し 曲 げ を 受 け る RC柱の鉄筋座屈特 性に関する実験的ならびに解析的研究,応用力学論文集, Vo1.l3, pp.331-342, 2010. 8. -458 -134 (a)一方向載荷 s

=

65 mm(文献1) (b)斜め方向載荷s

=

65mm (c)一方向載荷 (d)斜め方向載荷 s

=

120 mm(文献1) s

=

120 mm 写真ー3 +16oy時の座屈状況(側面)

参照

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