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ドラゴンボートにおける競技力向上についての基礎的研究 : レースにおける速度変化の実態と漕法について

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Academic year: 2021

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(1)学位論文. ドラゴンボート競技における競技力向上のための基礎的研究    一レースにおける速度変化の実態と漕法について一.

(2) 目次.  文献.  1.目的  H.方法  皿.結果ならびに考察   1. 目本選手権におけるレース経過の実態    (1)オープン    (2)混合    (3)女子.   2.各地点通過タイムとゴールタイムの関係.   3.ピッチとストローク長の関係  IV.要約.  文献 第皿章世界選手権におけるドラゴンボートのレース経過について.  1.目的  H.方法  皿.結果ならびに考察.   L第5回世界選手権大会の結果   2.500mレース経過の実態    (1)オープンについて    (2)女子について    (3)混合について.   3.200mレース経過の実態    (1)オープンについて    (2)女子について    (3)混合について.   4.1000mレース経過の実態    (1)オープンについて    (2)女子について.   5.200mと500mのレース比較    (1)オープン    (2)女子.   6.200m,500m,ならびに1000mレースにおけるゴールタイムと各地点通過タイムの関係    (1)200mレースの場合    (2)500mレースの場合.           11. 第H章日本選手権におけるドラゴンボートレースの速度経過ならびにピッチ・ストローク長について. −∩∠. 第1章緒言. ぺ  一 ジ.

(3)   7.ピッチ数とストローク長について.  IV.要約.  文献 第IV章漕法について.  1.目的  H.方法  皿.結果ならびに考察.  1.オープン   (1)プロペリング期について.   (2)リカバーリング期について.  2.女子   (1)プロペリング期について.   (2)リカバーリング期について.  lV.要約. 第V章総括 第V【章今後の課題.  文献 謝辞. 22 32 42 5   2 62 62 62 62 62 62 72 92 92 92 9   3 1   3 33 3 2.    (3)1000mレースの場合.

(4) 第1章緒言        は,オープン500mレースで銅メダルを獲得した。                我国では,1988年に,大阪で目本国際龍舟選手権 ドラゴンボートとは,明確に規定された障害のないコ 大会として開催されたのが,本格的な競技スポーツとし. 一スを,最短時間で漕ぎ,着順を競う競技である。   てのスタートであった。爾来,日本選手権大会として位. 左漕ぎ10人,右漕ぎ10人の計20名の漕ぎ手と,1置づけられ,毎年大阪で開催されている4)。 名の舵取り,それに1名の太鼓手の計22名が龍頭,龍  我国は,第4回アジア選手権大会(2000)において初 尾のついた約15mの艇に乗り込むラージボートと,漕ぎ めてメダル(銀:男女混合)を獲得した。第5回アジア選. 手が10人で12人のクルーで構成されるスモールボート 手権大会は,男女混合と女子の250,500mの計4部門 がある。                    で銅メダルを獲得した。しかし,我国の競技力の現状は, オープン,女子,ミックスのカテゴリーで競われ,その 第5回世界龍舟選手権大会(2004)のオープン500mレ. 基準は性別で区分され,主に男子で構成されるが,漕一スのタイムでみると,優勝したロシア(タイム1111.68. ぎ手に性を問わないオープン,クルーが女子のみの女 秒〉の90%の速度レベルで,出場16チームの最下位で 子,20人の漕ぎ手に対して男女いずれかが8人以上 あった。また,目本オープンの記録(123.65秒)は,女子 必要となるミックスがある。            の優勝国(イギリス:123.96秒)とほぼ同じレベルである。. ボートは,通常「オールが艇に固定されている」,「進  一般に,競技力は技術と体力の積で示される。女子. 行方向と反対を向いて漕ぐ」ものを言うが,ドラゴンボー と同等の速度であるという事は,我国のオープンは体 トは,カナディアンカヌーのように,片側のみにブレード カレベルだけでなく,技術レベルも低いことを推察させ. のあるパドルを使用し,進行方向を向いて漕ぎ,歴史 る。. 的にも,カヌーとも,ボート競技等とも異なる競技であ  著者は,目本代表選手として国際大会に参加注1)し. る。                      た経験や,上述の第5回世界選手権大会での大敗から, その起源は,紀元前3世紀ごろと言われ,中国の春 我国のドラゴンボートの競技力を向上させたいと思った 秋戦国時代に,時の政治を嘆いて入水自殺をした屈 ことが本研究の動機である。 原の人徳を慕う人々が先を競って舟を出し,救出に向  そこで,ドラゴンボートについての先行研究を検索し かったことから始まったと伝えられている龍舟(民族スポ たが,皆無であった。したがって,ドラゴンボートの競技. 一ツのぺ一ロン)が競技スポーツとなったものである。 カを向上させるために研究を行うことにした。. 以来,その霊を慰める手漕ぎ舟競漕が2300年という時  競技力を向上させるためには,ドラゴンボート選手に の流れの中で,ぺ一ロンとドラゴンボートとして世界中 必要な筋力要因を明確にすることも重要課題になるが,. に広められた12)。                本研究では,技術的要因の解明から取り組むことにす ドラゴンボートが競技として国際的に注目されるよう る。それは,体カトレーニングについては,他の分野で. になったのは1976年,香港で「香港国際龍舟祭」が開 開発された方法を援用できる可能性が高いが,技術は かれ,国際ドラゴンボート連盟(IDBF)が結成された時 種目固有の問題となるからである。. に始まり,現在では世界38力国が加盟し,1000万人以  そこで,本研究では,まず,運動成果としての記録 上の競技人口がいる。近年その人口は爆発的に増加 (ゴールタイム)だけではなく,どのような速度経過によっ し,アジア選手権,ヨーロッパ選手権などの大陸別大会 てそれが生み出されているかを明らかにしようとした。. も開催されている。               すなわち,ドラゴンボートレースにおける速度経過の実. 第5回アジア選手権大会は2002年に地元の兵庫県 態を把握するための速度曲線を記録し,レース経過の 相生市で開催された。世界選手権も既に6回開催(隔 特徴のある地点を明らかにするとともに,ピッチ・ストロ. 年)されている3)。                一ク長との関係,さらには,その際の漕フォームを分析 またドラゴンボートは2005年に,マカオ東アジア大会 し,競技力向上のための基礎的資料を得ようとした。. において,正式種目として開催され,日本代表チーム. 1.

(5) (注〉.  注1)著者は,アジア選手権プレ大会(1999)オープ ン,第4回アジア選手権大会(2000)男女混合に,目本 代表選手として参加し,アジア選手権では日本勢初の. 銀メダルを獲得した。さらに,第5回世界龍舟選手権大 会(2004),第6回アジア選手権大会(2004)に,目本代. 表選手団のコーチとして参加した。. 文献 1)越智祐光・横山直子・小田慶喜・後藤幸弘(2005):伝. 統文化の積極的継承が地方財政に与える影響,姫路 体育学研究 2)寒川恒夫(2003):遊びの歴史民俗学,水稲耕作文 化層と綱引,ボートレース,131−140. 3)日本流舟協会ホームページ ht tp://www.j(iba一(iragonboat.com/. 4)目本国際龍舟選手権大会公式ガイドブック(1988): 日本ドラゴンボート・クラブ. 2.

(6) 第H章 目本選手権におけるドラゴンボー.  すなわち,500mの距離で争われる目本選手権で. トレースの速度経過,ならびにピッチ・ス トローク長について. は,9地点の通過タイムを測定し,速度曲線を求める. とともに,漕フォームをVTRに撮影した。.  また,日本選手権と同距離で行われる兵庫カップ 1. 目 的. では,250,500m地点でタイムと総ストローク数を実測.  ドラゴンボートは,20人の漕手が進行方向を向い. した。さらに,250mの距離で行われる東京ボンドカッ. てシッティングポジションでパドルを使って漕ぎ,明確. プでは,ゴールタイムと総ストローク数を測定した。. に規定された障害のないコースで,着順・タイムを競.  これらの結果は,今後漕法の動作分析を行う地点. う競技である(写真H−1参照)。左漕ぎ10人,右漕ぎ. の選定や,チーム選択の基礎資料にもなると考えら. 10人の計20名の漕手と,1名の舵取り,1名の太鼓. れる。. 手(ドラマー)の計22名が龍頭,龍尾のついた約15m. の艇に乗り込むラージボートと,漕ぎ手が10人で12. H.方 法. 人のクルーで編成されるスモールボートがある。国際.  2003年7月20目,図H−1に示す大阪市の大川. ルールでは,オープン(クルーの性に制約のない〉,. 特設コースで行われた目本選手権の全28レースに. 男女混合(20人の漕ぎ手の内,男女いずれかが8人. ついて,25,50,100,200,250,300,400,450,500mの9. 必要),女子(ドラマー,舵取りを含むクルー全員が女. 地点における通過タイムをストップウォッチで実測し. 子でなければならない)の,各カテゴリーにおいて,. た。計測結果から各区間の平均速度を求め,レース. 250,500,1000mの距離で競技が競われる。. 経過に伴う速度変化の実態を明らかにした。.  ドラゴンボートの競技力を向上させるためには,パ.  また,兵庫カップについては,250m地点通過タイ. フォーマンスとしてのタイムを測定するだけでなく,レ. ムと500mゴールタイムを,ストップウォッチを用いて測. ース経過に伴う速度変化の実態や,速度とピッチ・ス. 定するとともに,スタートから250m,スタートから500m. トローク長の関係を知ることは重要であるが,これらの. 地点の,総ストローク数をカウンターを用いて実測し. 実態を明らかにした報告は見られない。. た。.  そこで本章では,日本代表選考会である第16回. 25mvm. 屠 スタート. 日本国際龍舟選手権大会(2003:以下,日本選手権),. 50mVTR. 東京ボンドカップ(2005),兵庫カップ(2005)の3大会. 100m▽TR. についてレースの実態分析を試みた。. 200m 身臼こ、窩L蜜嫡喀. 250mVTR. 300m 400m ,【」㌧瀞. 盧卜. 500m     剛. 黛.     蹴.   .     、ヘノ. .響. 蠕赴. 郵謝駄盤.     ン    嫡. レ 尉 ﹂   憾 ﹂   ﹃ 尉     構. 一      密 コ      網. 課轡. 450mVTR. 写真H−Lドラゴンボートのレース風景(Oはスリットラ インを構成する,計測地点対岸に設置したマーク). 図H−L大川特設コースの概要とタイム測定地点. 3.

(7)  250mの距離で行われた東京ボンドカップでは,ゴ. (m/s). 6. ールタイムと総ストローク数を,ストップウォッチとカウ. ンターを用いて実測した。. 5.  ストローク長は,漕距離を総ストローク数で除すこと. 4. によって求めた。また,ピッチは,前半250m,後半. 250m,500m全体の総ストローク数を通過タイムで除. 3. すことによって求めた。.  その際,いずれの大会においても計測地点の対岸. 2. にマーカーを設置し(写真1参照),計測地点側に糸. 1. を張り,仮想のスリットラインを作成し,それぞれの地. 点通過の瞬問が判定出来るようにした。. 一◆一舞浜F  +舞浜SF +坊勢F  →←・坊勢SF →←サーフF 一●一サーフSF. 一←一磯風F  一一磯風SF. 0   0  25  50  100 200 250 300 400 450 500. 皿.結果ならびに考察.               通過地点(m). 1.日本選手権におけるレース経過の実態. 図H−3.決勝進出6チームの準決勝(SF)・決勝時(F). (1)オープン. の速度曲線.  図H−2は,目本選手権オープンの準決勝進出12 チームにおける各地点通過平均タイムから求めた速. いるという傾向が見られた。なお,300m地点での極. 度曲線である。. 端な速度の落ち込みは,250∼300m地点付近に川.  速度は25m地点で最高速度の57%に,50m地点で. が流れ込んでいる影響によるものと推察される。この. は95%に達し,100m地点で最高速度(4.42m/s)を示. ことは,本コースで練習しているチームが練習時にも. した。また,200m地点までほぼ最高速度(98%)を維持. 実感している。. していた。しかし,250m地点で最高速度の91%に低.  図■一3は,図H−2で対象とした!2チームの中で. 下し,300m地点で最高の落ち込み(81%:3。59m/s). 決勝に進出した6チームの準決勝時と決勝時の速度. を示した。その後わずかに速度を回復し,400m以降. 曲線を示したものである。. は最高速度のほぼ87%の速度を維持してゴールして.  6チームの2レースにおける速度曲線パターンに. (m/s). (m/s). 6. 6. 5. +平均.   目古 ▲ 取同. ■最低. ▲. 5 ▲. 4. 4. 3. 3. 2. 2. 1. 1. 0. 0. 十1サーフSF. +2酔龍会SF. +3舞浜F.   0   25  50  100 200 250 300 400 450 500.   0   25  50  100 200 250 300 400 450 500.               通過地点(m).               通過地点(m). 図H−2,上位12チームの平均タイムから見た速度曲. 図H−4.特徴ある上位3チームの速度曲線. 線. 4.

(8) 表H−1.最高速度出現地点の分布状況. それは50m地点であった。.  準決勝,決勝進出12チームの最高速度出現地点.   堰愚岨点 1〔泊m. ヨ]m. a〕〔㎞ユ. は,50mで5チーム(28%),100皿で7チーム(39%),. 25〔㎞. テゴリ』. 200mで5チーム(28%),250mで1チーム(5%)であっ. ) ︵ア︶. 1〔工腸. 状況を表H−1に示した。 o%. ①.  坊勢の最高速度出現地点は遅かったが,300m地 点以降の速度維持が他のチームより高いという特徴 を有しており,いわゆる追い込み型のチームといえ. 脳lo︶. 瓢︵22︺. 脳︵11︶. 1噺. 退合. た。なお,出場全チームの最高速度出現地点の分布. 脳10︶. 嘱㊨︶. 立子. 脇︵1︶. 脇︵1︶. 61鮎. 2聯. オーフン. る。.  サーフと坊勢のレース前半250m,後半250mの平 注){()内はチーム数を示している。}. 均速度を比べると,サーフが前半:4.26m/s,後半: 4.13m/sであったのに対し,坊勢のそれは4,14m/s,. 大きな相違は見られなかった。すなわち,予選レース. 4.20m/sであった。もし坊勢がトレーニングを積み前. とは異なり,全力を発揮しなければならないレースに. 半の250mをサーフと同様に漕げれば,坊勢のタイム. おいては,各チームの特徴が速度曲線に反映されて. は118.21秒となり,持タイムを1.6秒向上させ得ること. いるとみてよいと考えられた. になる。このことは,サーフにも同様にあてはまり,持.  そこで,決勝進出6チームの中から特徴ある上位3. タイムを0.95秒向上させることができる。. チームを抜粋し,図H−4に示した。準決勝時に最高. (2)混合. タイムを記録した横浜サーフベイザーズ(決勝3位;.  図H−5は,日本選手権混合の部で決勝に進出し. 以下,サーフ)の速度経過パターンは,図H−2に示. た6チームの速度曲線を示したものである。. す18チームの平均速度曲線パターンと近似しており,.  各チームともに,図H−2に示すオープンの平均速. 最高速度は!00m地点で出現していた。しかし,坊勢. 度曲線パターンと同様の傾向を示す事が認められた。. 酔龍会(準優勝1以下,坊勢)の最高速度出現地点は. 最高速度出現地点は,3チームが100mで,残りの3. 250m地点で,舞浜河探検隊(優勝;以下,舞浜)の. チームは200m地点であった。. 速度(m/s). 速度(m/s). 6. 6. 5. 5. 4. 4. 2 1. 諺 ナ. +陸ぺ一ロンチーム. +東京龍舟. +関西龍舟. →←TOKYODORAGON →←瀬田川 →一かぶとむしくん. 0.                     I. FFFFFF. 3. 3. 2 1 0.   0 25 50100200250300400450500. 0 25 50100200250300400450500.               通過地点(m).             通過地点(m). 図H−5.混合決勝進出各6チームの速度曲線. 図■一6.陸(くが)の速度曲線. 5.

(9)  図H−6は,最高タイム(122.94秒)で優勝した陸ぺ.  図■一7は,この2チームと,両チームの各地点の. 一ロンチーム(以下,陸〉の速度曲線を示したものであ. 優れている方のタイムから求めた速度曲線を示したも. る。. のである。.  オープンで記録された最高速度(4.81m/s)を基準.  両チームの優れている方のタイムから求めた速度. に,陸の速度曲線を見ていくと,陸の最高速度に達. 曲線の速度は,25m地点で最高速度の58%に,50m. するまでの速度は,オープンに比して若干劣る(25m. 地点では91%に達し,100m地点で最高速度(3.. 地点でオープンの86%,50m地点96%)が,100m地点. 76m/s)を示した。しかし,速度は200m地点(93%),. の最高速度は4.74m/s(99%)を示し,200m地点(99%). 250m地点(90%)にかけて徐々に低下し,300m地点で. においてもオープンと遜色は見られない。しかし,. 最高の落ち込み(79%:2.97m/s)を示した。その後,. 250m地点(96%)以降の速度維持は,オープンに比し. 400m(86%),450m(93%)にかけて速度は回復するもの. て低く,300m地点での落ち込みは特に大きかった。. の,80%の速度に再び低下してゴールしているという. その後,速度は回復(400m地点191%)し,ゴール直前. オープン・混合には見られない傾向を示した。もし,. の速度は,最高速度の88%を維持していた。. ▲印で示す,優れている方のタイムから求めた速度.  もし,陸が250m以降の速度を最高速度の90%を維. 曲線で500mを漕破できたとすれば,タイムは,優勝. 持して漕ぎ切る事ができれば,レースタイムは117.69. チーム(ドルフィン,137.92秒)よりもL51秒短縮される. 秒となる。環境条件が異なるので直接比較できない. ことになる。しかし,第5回世界選手権の500mの優. が,第5回世界選手権(2004〉の成績にあてはめると2. 勝チーム(イギリス:123.96秒)との問には,依然14秒. 位に位置することになる(優勝タイムは117.67秒1中. という大きな差が存在する。. 国)。.  500mの平均速度で比較するとドルフィン(3.63m/s).  これらのことから,陸チームの最大の課題は,速度. は,イギリス(4.03m/s)の9割にしかすぎず,女子が世. 逓減率を低く抑えることにあるといえる。. 界選手権を獲得するためには,500mの平均速度を. (3)女子. 10%上げる必要がある。.  我国の女子では,スーパードルフィン(優勝;以下,.  イギリス女子チームのタイムは,目本選手権で優勝. ドルフィン)とチーム河童(準優勝;以下,河童)の2チ. した混合の陸のタイムと近似しており,世界を目指す. ームが傑出しているのが現状である。. 女子は,これを目標に強化する必要がある。. (m/s). 6. 2.各地点通過タイムとゴールタイムの相関.  図■一8のA∼Dは,これまで述ぺてきた目本選手. 5. 権におけるオープン,同じく図H−9のA∼Dは混合,. 4. 図H−10のA∼Dは女子の,それぞれについて,ゴー ルタイムと各地点(50,100,250,450m)通過タイムの. 3. 関係を見たものである。.  1例をオープンでみると,両者の相関係数は,50m. 2 1. 0. 一←一スーパードルフィン. 地点で0。858,!00m地点で0.896,250m地点で0,. +河童. 973,450m地点で0.999が得られた。. rト優れている方.  すなわち,ゴールタイムと各地点通過タイムの間に.   0   25  50  100 200 250 300 400 450 500. は,いずれも有意な高い相関関係があり,その関係.              Passing Point(m). はゴールに近づくにつれて高くなる傾向が見られた。. 図Hマ,ドルフィンと河童と両チームの優れているほ.  この傾向は,図H−9の混合・図11−10女子につい. うのタイムから求めた速度曲線. ても同様に見られた。なお,250m地点における決定. 6.

(10)  500m.  500m. (A). 170. 170 yニ6.654x+23.528   R2=0.737. 160. ◆. y=6.107x+33.646    2.   rニ0,858   pく0.01. 140. 160. ◆ ◆. ◆. 130.   Rニ0.719   r=0.848   P〈0.01. 150 140. ◆. ◆ ◆ ◆ ◆. 130.  ◆ ⇔. 120. ◆◆  ◆. 14. 13. 110. 16. 15.  500m. ◆ ◆. ◆. ◆  ◆. 120. 110. ◆一◆. 150. 17   18   19    50mタイム(秒). 13. 14. 16. 15.  500m. (B). タイム(秒). 17   18   19    50mタイム(秒). (B). タイム(秒). 170. 170. 160. y=4.701x+1,285   R2=0.802. 150.   r二〇,896. ◆. 160. y=4.307x+12.067.   R2ニ0.926. 150. ◆.   P〈0.01. 140. ◆.   r=0,962   p<0.01. 140. ◆. ◆. 130. ◆ ◆. 130. 蓼. 120. ◆. 120 110. 110 24. 26. 28.  500m. 24. 30    32    34     100mタイム(秒). (C). 26. 30. 28.  500m. タイム(秒).  32    34 100mタイム(秒). (C). タイム(秒). 170. 170. y=2.501x−27.802. 160. ◆.    2.   R=0,946   r=0.973   P〈0.01. 150 140. y=2.171x−7,364. 160.   R2=0.966. 150. ◆.   r=0.980   p〈0,01. 140. ◆. 130. 130. 120. 120. 110. ◆. 110. 60. 55. 65.  500m. 55. 70     75 250mタイム(秒). 60. 65.  500m. (D). タイム(秒). 70      75 250mタイム(秒). (D). タイム(秒). 170. 170. 150.  ΩU91. 二﹁︿. y ⇒ 86. 十990 x0 90 9α  . Oがrp. 160. (A). タイム(秒). タイム(秒). 3 50. yニ1,127x−1.570. 160.   R2=0.991. 150. 140. 140. 130. 130. 120. 120. 110.   r=0.995   p<0,01. 110 100. 110. 120. 100. 130      140      150.     450mタイム(秒). 図H−8,各地点通過タイムとゴールタイムの関係(オープン). 110. 120. 130.  140   150 450mタイム(秒). 図H−9,各地点通過タイムとゴールタイムの関係(混合). 7.

(11) 係数は,オープンで0.95,混合:0.97,女子:0,98を. 500m. (A). 示した。このことは,いずれのカテゴリーにおいても,. タイム(秒). 190. 250m地点通過タイムで,500mゴールタイムの95%が. 180. ◆. 説明できることを示唆している。. 170. ◆. すなわち,目本チームの現状は,前半の250mに強. 160. い,また,後半の250mに強いという顕著な特徴を持. y;7,369x+15.76. 150.  R2=0,880. 140. つチームが存在しないことを示唆している。.   r=0.938   P〈0.01. ◆.  これらのことから,目本代表第1次選考レースとし. 130.  16. 18. 17. て,兵庫カップと東京ボンドカップが位置づけられ,. 19    20    21    22.      50mタイム(秒). 500m. 前者は500m,後者は250mの距離で実施されている が,両レースの成績を同等に扱っている目本ドラゴン. (B). タイム(秒). ボート協会の選考規準は一応妥当であるといえる。. 190 180.  また,450m地点での決定係数は,オープン:0.. ◆. 170. 998,混合:0.991,女子:0.998を示した。このことは,. ◆ ◆. 160. 450m以降に追い込んで勝利する可能性は1%以下で, y=4,342x+14,911. 150. 非常に低いことを示唆している。.  R2ニ0.936   r=0.967   Pく0.01. 140 130.  28. 30. 32. 34. 3.ピッチとストローク長の関係. 輻mタイム湯).  図H−11∼14,は兵庫カップにおける500mレース のピッチ(回/分)とストローク長(m〉が,速度とどのよう. 500m. (C). な関係にあるのかをオープン,混合について示したも. タイム(秒). 190. のである。 180. ◆.  オープン・混合のいずれにおいても,500mの平均. 170. 速度と1分間のピッチ数との間には有意ではないが,. 160. 予想と異なり,負の関係が示された。すなわち,単位. yニ1,995x+3.880. 150.  R2ニ0.981. 時問当りのピッチ数が多いチームほど,速度は遅くな.  r=0,990   P<0.01. 140. るという傾向が見られた。速度は,ストローク長と単位. 130.  65. 70. 75. 80. 時間当りのピッチ数の関数である。また,速度とストロ. 85    90 250mタイム(秒). ーク長との間には正の相関関係が見られている。.  これらのことから,兵庫カップの出場チームはピッ. 500m. (D). タイム(秒). チ数を上げて漕いでいるが,ひと漕ぎひと漕ぎが,推. 190. 進力を生み出すことに有効に機能していないチーム. 180. の多いことを推察させた。一方,平均速度とストローク. 170. 長の間には,オープン(r二〇.520〉,混合(r=0.815)共に, 160. 正の相関関係のあることが認められた。. y=1.125x−0,501. 150.  R2ニ0.998 140.  これらの関係を,加速区間の含まれるレース前半.  r=0.999   Pく0.01. の0−250mと,最高速度がほぼ維持される250−500m. 130 120. 130. 140. 150. に分けて検討した。. 160    170 450mタイム(秒).  オープンの前半250mまでの速度とピッチの関係 (図H−11−B)は,500m全体(図H11−A)で見るよりもさ. 図H−10.各地点通過タイムとゴールタイムの関係(女子). 8.

(12) 500mオープン(A). 速度(m/s). 速度. 500m混合(A). (m/s) 5.0 4.5 4.0. 、◆編u◆◆. 3.5 3.0 2.5 2.0.  50. 60. 70. 速度. 80. 90ピツチ1鋳). 0−250mオープン(B). (m/s). 速度.   0−250m混合(B). 堅ツチ(鵬). 2.5 2.0. 90 ツチ毒%). 50. 250−500mオープン(C). 60. 70. 80. 速度. (m/s). =.   +1 51 0﹂  ∩∠︻UO∩∠. 3.0. 80. y O. X . ・ 1   0  0 <一一 1   2一一= n O■rp. 3.5. 70.     ◆     ◆        ◆. 4.0. 60.         ◆. 4。5. ハUFDOFDO50. 5.0. 速度. 60  70   80. (m/s). ㌔◆.  50.   50. 1940. 9色鎚鬼). 250−500m混合(C). (m/s).  ◆ ◆ ◆.  ◆    ◆. ◆. ◆◆∼. ︵UFDO﹃︾050. 駕◆◆● ◆.    50 60 70 80 檜ツチ(星9♀).    50 60 70 80 曽ツチ(鼎). 図H−1L兵庫カップにおける速度とピッチの関係(オープン). 図H−12.兵庫カップにおける速度とピッチの関係(混合). 9.

(13) y=0.300x+2.676   R2=0.270.   rニ0.520   pく0.1    n=13.      ◆    ◆.          ◆. 2・5. 30. 3外。_ク銘).  2.0. 速度. 0−250mオープン(B). 速度. FD4433∩∠︽∠. 0 り4 03 530 ﹃︻ U4 ハ5 ∠0 2 速度. y=0.701x+1.209.   R=0.664   2   r=0.815   P<0.01    n=12.     ◆.         ◆        ◆      ◆. 2・5. 3。. 蝉。_ク鮎).  0−250m混合(B). (m/s). (m/s).  2.0. 500m混合(A). (m/s). F D 4433ハ∠︵∠. 0 ﹃5 V0 4﹃ 4︾ 3O 3F 2D nO ∠  2.0. 速度. 500mオープン(A). 速度(m/s). y=0.531x・卜2.017.   R2ニ0.829.   rニ0.910   P〈0.01    n=13  ◆     ◆. 2・5. 3つ. 棄巨。_残&). yニ0.627x+1.466.   R=0.430   2   rニ0.656   p<0.05.    n=12     ◆.         ◆◆.     ◆3◆.  2.0. 250−500mオープン(C). 2・5. 速度. (m/s). 3つ. 蝉。_ク銘). 250−500m混合(C). FD4433︵∠∩∠. 0 F︻ DQ 4O 45 30 3︻ ︽り ∠O 2. (m/s). y=0.350x+2.494   R2=0.367.   rニ0.606   p<0、05     ◆    nニ13◆ φレ         ◆  ◆          ◆       ◆.   R=0.755   2   rニ0.869   P〈0.01    n=12. ◆.     ◆        ◆     ◆. 3.0. 2.5. 2.0. 3.0. 2.5. 2.0. 臭巨。_ク乱). yニ0.633x+1.352. 昊置。_ク銘). 図H−13.兵庫カップにおける速度とストローク長の関係. 図H−14,兵庫カップにおける速度とストローク長の関係. (オープン). (混合). 10.

(14) 250mオープン(A). 速度(m/s). 250m混合(A). 5.0. 5.0. 速度(m/s). 4.5. ★. 4.5. 4.0. 4.0. ●●. ★. 3.5. .%. 3、5. 3.0. 3,0. yニ0.033x+1.447 ●.  R=0.433   2. 2.5. 2.5.  r=0.658  P 〈0,1.   n=9 2.0. 2.0. 50. 70. 60. 80. 50. 9匙ツチ(訊91). 80. 70. 60. 90   100.  ピツチ(m/s). 250mオープン(B). 速度(m/s). 250m混合(B). 5.0. 5.0. 速度(m/s). 4.5. 4.5. ★. 4.0. 4.0. ●●●. ★ ◆. ● 3.5. 3.5. ●. ◆. ●●●.   3.0. 3.0. ◆  . ●. y=1.107x+0222.     R=0.616     2. 2,5. 2.5.     rニ0.785     p〈0.05      n=8. 2.0. 2,0. 3.0. 2.5. 2.0. 3.0. 2.5. 2.0. 3.5    4.0. 3.5    4.0. ストローク長(m). ストローク長(m). 図H−15.東京ボンドカップにおける速度とピッチ・ストローク. 図H−16.東京ボンドカップにおける速度とピッチ・ストローク. 長の関係(オープン). 長の関係(混合). 注)★は世界選手権(2004)の優勝チーム(カナダ)の成績. 注)★は世界選手権(2004)の優勝チーム(ロシア)の成績. らに強い逆相関を示した。これは,オープンの決勝に.  また,オープンのレース前半の速度とストローク長. 進出した6チームのうち,磯風漕友会(65.4回/分:優. の関係の決定係数(R2=0.829)は,レース全体で見た. 勝)南風(70.3回/分:準優勝)坊勢酔龍会(69.6回/. もの(R2二〇.270)より高くなる傾向を示した。. 分:3位)セピア倶楽部(68.5回/分:4位)等の上位チ.  速度とストローク長は,オープンと同様に,混合に. ームがピッチをおさえてストローク長を長くする漕法を. おいても正の相関を示したが,決定係数は500m全. 行っていたことが大きな要因であると考えられた。. 体でみたものよりも低くなるというオープンと異なる傾.  しかし,混合ではオープンと異なり,レース前半. 向が見られた。. 250m地点までのピッチと速度の関係(図H−12−B)は,.  オープンの速度とピッチの関係は,レース後半の. 500m全体で見たとき(図II12−A)と逆に,正の相関. 250−500mにおいても,レース前半に比して相関係数. 関係を示すようになった。. は低くなるが,依然負の関係を示した。すなわち,ピ. 11.

(15) ッチ数の多いチームの方が,速度が高くなるという傾. 度を得るためには,現状のストローク長(磯風漕友会:. 向は見られなかった。また,混合においても,速度と. 3.8m)を維持したとして,ピッチ数を72.6回/分にまで. ピッチの関係はレース前半と異なり,負の相関関係を. 高めなければならないことになる。同様に,ピッチを. 示した。. 100回/分にするとすれば,ストローク長は2.8mで,.  一方,ストローク長と速度の関係は,オープンでは. 秒速4.6m/sの速度が得られることになる。. レース前半(R2=0.829)と比べると,後半(R2=0.367)の. 方が決定係数は低くなった。しかし,混合では逆に,. IV.要約. レース前半よりもレース後半の方が,決定係数が高く.  国内における目本代表選考の対象となる3大会に. なる(R2=0.755)傾向を示した。. ついてレースの実態分析を試みた。.  兵庫カップのオープンと混合の速度と平均ピッチ,.  すなわち,日本国際選手権大会(2003)については,. 速度とストローク長の相関を調べた結果,ピッチをお. 9地点の通過タイムから,速度経過の実態を明らかに. さえてひと漕ぎひと漕ぎを大切に漕いでいるチーム. した。また,目本選手権と同距離で行われた兵庫カッ. がある一方,ピッチを上げても推進力に有効に変換. プについては,250と500m地点で,250mの距離で. できていないチームの多いことが伺われた。. 行われる東京ボンドカップについては,ゴール地点.  図H−15・16は,東京ボンドカップにおける250mレ. でタイムと総ストローク数を実測し,速度(m/s)・ピッチ. ースのピッチ(回/分)とストローク長(m)が,速度とどの. (回/分)・ストローク長(m)の関係を検討した。. ような関係にあるのかをオープン,混合について示し.  1)日本選手権のオープン・で,準決勝・決勝に進出. たものである。. した18チームの各地点通過平均タイムから見た速度.  平均速度と平均ピッチ,平均速度と平均ストローク. 変化は,25m地点で最高速度の57%に,50m地点では. 長の関係は,オープン・混合のいずれにおいても正. 95%に達し,100m地点で最高速度(4.42m/s)を示し. の相関関係を示した。すなわち,オープンでは,速度. た。また,200m地点までほぼ最高速度(98%)を維持し. と平均ピッチの間に{V二〇.033p+1.447(FO.658〉}の回. ていた。しかし,250m地点で,最高速度の91%に低下. 帰式が得られ,速度と平均ストローク長よりも高い相. し,300m地点(3.59m/s)で最高の落ち込みを示した。. 関関係のあることが認められた。. その後わずかに速度を回復し,400m以降は最高速.  このことは,ピッチを1分当り10回上げると,平均. 度の87%の速度を維持してゴールしているという速度. 速度は0.33m/s上昇でき得ることを示している。混合. 経過を示した。. では,オープンと異なり,平均ピッチよりも平均ストロ.  この速度経過パターンは,混合・女子についても. ーク長の方が,速度と高い相関関係のあることが認. ほぼ同様に認められた. められた。.  2)最高速度出現地点は,オープンの準決勝・決.  すなわち,兵庫カップのオープンレース全体で見. 勝に進出した18チームで見ると,50mで5チーム(2. ても,レース前半の250mまでで見ても,平均速度と. 8%),100mで7チーム(39%〉,200mで5チーム(28%),. ピッチの関係は,東京ボンドカップとは異なる傾向を. 250mで1チーム(5%)であった。また,混合の決勝で. 示した。しかし,世界の強豪チームのピッチは,80回. は100mで3チーム(50%〉,200mで3チーム(50%)が,. /分を超えていたこと,また,速度はストローク長と単. 女子の決勝進出チームは,全て100m地点で最高速. 位時間当りのピッチの関数であることから,兵庫カッ. 度を記録していた。. プのオープンに見られる速度とピッチの間の負の相.  3)ゴールタイムと各地点通過タイムの間には,い. 関関係は,例外的な現象と考えられる。. ずれも有意な相関関係が見られ,相関関係は,ゴー.  世界を目指すためには,ピッチ数を上げても推進. ルに近づくにつれて高くなることが認められた。そし. 力を落とさずに漕げるようになる必要がある。. て,レース中盤の250m地点通過タイムとゴールタイム.  ちなみに,世界に互して闘える,秒速4.6m/sの速. の決定係数は,オープンで(R2;0.95),混合で(R2. 12.

(16) 二〇。95),女子で(R2=0。98)が得られた。このことは,. 250m地点でレースの95%が決していることを示唆して いる。.  4)東京ボンドカップにおける平均速度と平均ピッ チの間には,オープンではV=0.033p+1.447(r=0.658). の直線回帰式と有意な相関関係のあることが認めら れた。また,混合の平均速度と平均ストローク長の問 には,V二1.108s+0.222(r=0.785)の関係式が得られ た。. 文献 1)IDBF(2004):EXTRACTS COMPETITION. REGULATIONS RULES OF RACING:1−43 2)上屋清見(1988):ボート(エイト)競技のレースに関. するバイオメカニクス的分析,第9回目本バイオメカ. ニクス学会大会論集88’. 13.

(17) 第皿章世界選手権におけるドラゴンボートの. 地点で,500mレースについては先行研究2)の結果を. レース経過について. 参考に,50,100,200,500mの4地点(混合について は,50,250,450,500m)で,200mレースについては50,. 100,200mの3地点で,通過タイムをストップウォッチ. 1.目 的. で実測した。. ドラゴンボートは,国際ルールでは,オープン,混. 測定に際して,対岸に設置したマーカーと計測地. 合,女子の3つのカテゴリーで,200または250,500,. 1000mの距離で競われるD。. 点側に張った糸でスリットラインを構成し,それぞれの. 第H章では日本代表選考レースである目本選手. 地点通過の瞬間が判定出来るようにした。. また,オープン・女子の500mと200mレースについ. 権を対象に,速度経過の実態を中心に報告した。. 本報では,世界選手権の実態調査を行い,目本. ては,スタートから200m通過地点までの総ストローク. 代表と世界との相違を見いだし,その差を埋める方. 数をカウンターを用いて実測した。すなわち,平均ピ. 策を検討するための基礎資料を得ようとした。すなわ. ッチ数を総ストローク数を測定地点通過タイムで除す. ち,中国,上海青浦区の淀山湖水上運動公園(図皿. ことによって,また,平均ストローク長を漕距離に要し. 一1参照)で開催された第5回世界龍舟選手権大会. たストローク数で除すことによって求めた。. (2004)について,速度曲線,ストローク長・ピッチ数等. 皿.結果ならびに考察. のレースの実態分析を試みた。. 1.第5回世界選手権大会の結果 表皿一1は,決勝の結果と,決勝に進出したチーム. H.方法  日本代表チームの出場したレースと,準決勝・決. の平均タイム・平均速度,ならびに目本の成績を合わ. 勝レースを中心に分析を行った。. せて示したものである。. オープンの各種目で決勝に進出した6チームの平. なお,1000mレースのオープン・女子(混合は開催. 均速度を距離別に比較すると,1000mレースでは. されなかった)については,250,500,950,1000mの4. 4.29±0.03m/sで,200mの4.43±0.16m/s,500mの 【測定地点】. 4.43±0.04m/sに劣るが,200mと500mレースの平均 速度は近似していた。. 一方,女子では,500mの平均速度が4.00± 0,04m/sで最も速く,次いで,1000mレースの3.93± 0.06m/sで,200mが3.85±0.05m/sで最も遅いという. 結果が得られた。すなわち,500mレースの方が200m レースよりも,平均速度が高くなるという,陸上競技注1). では考えられない傾向が見られた。この傾向は,チ 200m. ーム別に見た場合にも同様に認められた。. ピッチ.  目本チームは,オープンでは,200mレースよりも. 500mの方が,女子では200mの方が平均速度は,僅 かではあるが高かった。. 特に,女子において距離の短いレースでの平均速. 図HH.淀山湖水上運動公園の概要と500mレース. 度が遅かったことには,本大会で使用された艇の重. におけるタイム測定地点. 量が大きかったこと注2)による慣性の影響が1つの要. 注)200mレース,1000mレースについては,スタート位置を移. 因として推察された。. 動して実施された。. 14.

(18) 表皿一1.第5回世界ドラゴンボート選手権大会の決勝と日本チームの結果 カテゴり一. 国名. 決勝進出種目. CAN. 種目. 平均速度(m/sec). タイム(sec). オープン. 43.12. 1 4.64. 112.15. PHl. 200,1000m. 44.03. 116.39. CZE RUS. 全種目 全種目. 44.56. ② 454 ③ 449 ④ 4.43. GBR AUS GER. 200m. 46.63. ITA. USA. 200,500m 500,1000m. 500m 1000m. 6naIiSt aVera e. JPN. 女子. CAN GBR CHN GER AUS RUS. 全種目 種目 全種目 全種目 全種目 全種目 全種目. 6naliSt aVera e. 男女混合. JPN RUS GER. CHN CAN AUS SWI. USA. 全種目 種目 全種目 全種目 全種目 全種目. 200m 500m. inaliSt aVera e. JPN. 全種目. 45.12. 1000m. 500m. 200m タイム(sec). 47.40. 5 4.29 6 4.22. 48.22. 112.19. 111.68 117.23. 平均速度(m/sec〉. 2 4.46 4.30. ③ “6 ①4.48 4.27. タイム(sec〉 平均速度(m/sec). 232.21. 234.47. 236.34. 415. 5 4.39. 112.86. 233.57. 49.81. 4.02. 114.18. ④ 峨43 ⑥ 4.38. 48.35. 4.14. 115.78. 4.32. 231.50. 45.14. 4.43±0.16. 112.80. 4.43±0.04. 233.05. 49.77. 4.02. 123.65. 4.04. 4 4.00 ①4.03 ② 4.02 ③ 4.02 ⑤ 3.97 ⑥ 3.94. 1 3.93. 124.99. 51.40. ② 389 ③ 3.86 ④ 3.83 ⑤ 3£0 ⑥ 3.77. 123.96. 51.81. 52.24 52.62 53.02. 124.27. 124.52 125.87 126.77. ⑥ 生26 ③ 生31 ⑤ 生26 4.22. 236.77. 113.78. 50.94. 4.31. 231.84 234.71. 4.23. 4 4.28 4.24. 236.01. ①4.32 4.29±0.03. 不参加 252.32. 3 3.96. 251.98. ② 3.97 ①3.98 ④ 3、92 ⑥ 3.83 ⑤ 3.89. 250.98 255.26 261.09. 256.85. 52.00. 3.85±0.05. 125.06. 4.00±0,04. 254.75. 3.93=ヒ0.06. 57.90. 3.45. 148.08. 3.38. 311.58. 3.21. 44.83. 1 4.46. 119.79. 46.57. 119.09. 48.01. ② 生29 ③ 4.25 ④ 421 ⑤ 417. 48.44. 6 4.13. 47.09 47.49. 117.67 118.03. 118.34. 6 4.17. ⑤ 420 ①4.25 ② 生24 ③ 生22. 120.35. 4.15. ④ 4.21. 49.22. 4.06. 118.71. 47.07. 4.25±0.12. 118.60. 4.22±0.03. 51.01. 3.92. 125.78. 3.98. 未催. 2,500mレース経過の実態. タイムは45。92秒で決勝時の46.79秒を0.87秒上回.  図皿一2は,オープンの決勝に進出した6チームの. り,ゴールタイムも決勝時113。78秒で準決勝(115.29. 準決勝時と決勝時の速度曲線を示したものである。. 秒)よりも1,51秒早かった。.  タイム順に決勝進出チームが決定する準決勝,お. すなわち,この2チームは決勝時において,準決勝. よび決勝では,全力を発揮しなければならないレー. 時よりもレース前半のタイムは劣るが,レース後半の. スのため,各チームの特徴が速度曲線に反映されて. タイムが良くなり,500mのタイムも上昇していることが. いると見てよいと考えられた。. 認められた。.  チェコ(3位:△印)・オーストラリア(6位:○印)の2.  他の4チームの準決・決勝の2レースにおける速. チームは,100−200m地点で最高速度を示したのに. 度曲線パターンに大きな相違は見られなかった。. 対し,他の4チームのそれは50−100mであった。.  図HI−Aはオープン,同Bは女子の,同Cは混合.  チェコの,準決勝時の50−100mのタイムは24,22. の決勝進出6チームの各地点通過平均タイムから求. 秒で,決勝時のそれは25,80秒であった。しかし,決. めた平均速度曲線,ならびに優勝したチームと目本. 勝の200m通過地点タイムは,準決勝の46。55秒を. の速度曲線を示している。合わせて,優勝チームに. 0.34秒上回り,ゴールタイムも準決勝時(114.87秒)を. 対する目本の各地点毎の速度の割合を棒グラフで示. 2.68秒縮める112.19秒を記録した。. した。. オーストラリアは,準決勝時の0−200m地点までの. 15.

(19) (m/s). (m/s). 6. 6. OPEN. 5. 一一. 5. (A). 一Finalist.  ave「age. OPEN. 一俸一RUS     >だoo一〇>. 一唇一RUS F. 一1}一RUS SF. +CAN F. 一今一CAN SF. 2. 一』rCZE F. 一△一CZE SF. 1. 一●一AUS F. 一一一. ER F. 毒 1TA F. 4      3. 4      3    >だoo一Φ>. 乏. 一←一JPN. 2. −GER SF. 1. −0−AUS SF 、脂ITA SF. o.  0. 0.    0       50      100      200      500.              Passing Point(m) 図皿一2.オープン決勝進出6チームの準決勝時と決. 50. 100      200      500.    Passing Point(m). (m/s). 6. 勝時の速度曲線. (B). 5    ﹀だ8で>.  準決勝と決勝における,各チームの速度曲線は, チェコとオーストラリアを除き近似していた。. 4      3. (1)オープンについて.  すなわち,タイム順に決勝進出チームが決定する. 2. 準決勝,および決勝では,全力を発揮しなければな らないため,各チームの特徴が速度曲線に反映され. 1. ていると見てよいと考えられた。. 0.  決勝時において,チェコ(3位:△印)とオーストラリ. 0. ア(6位:O印)の2チームは,100−200m地点で最高 速度を示したのに対し,他の4チームのそれは50−10. 50. 100     200     500.    Passing Point(m). (m/s). 6. 0mであった。.  チェコの準決勝時の50−100mのタイムは24秒22. 5. 一〇一決勝平均. +中国. 一●一日本. (C). MIX. で,決勝時のそれは25秒80であった。しかし,決勝. 4. 秒34上回り,ゴールタイムも2秒68上回り,1分52.  3. さ8一〇>. の200m地点通過タイムは,準決勝の46秒55をO 秒19を記録した。また,オーストラリアの準決勝時の. 0−200m地点までのタイムは,45秒92で決勝時の46. 2. 秒79を0秒87上回っていたが,ゴールタイムは決勝 1. 時(!分53秒78)の方が準決勝(1分55秒29)よりも 早かった。. 0. すなわち,この2チームは,決勝時において,準決. 0. 50. 250    450   500m.    Passing Point(m). 勝時よりもレース前半のタイムは劣るが,レース後半. のタイムを向上させ,500mタイムを短縮させているこ. 図皿一3.オープン(A),女子(B),混合(C)の優勝チー. とが認められた。. ム,目本チームおよび,決勝進出チームの平均タイ.  (A)のオープン決勝進出6チームの平均速度曲線. ムから見た速度曲線(500m). 16.

(20) は,50−100m地点で最高速度の76%に達し,100m地. 200m地点で78%,以降は77%の速度に相当した。ま. 点で最高速度(4.78m/s)を示した。その後,速度は. た,イギリスに対する各地点間の速度比(図中の棒グ. 徐々に低下し,200m地点で97%,以降は最高速度の. ラフ)では,50m地点で86%,100m地点で88%,200m. 94%の速度でゴールしていた。. 地点で81%,200m地点以降は82%に相当した。.  一方,優勝チームのロシアは,50−100m地点で最.  すなわち,目本女子の500m平均速度(3.30m/s)は,. 高速度の73%に達し,100m地点で最高速度(5.11m/. イギリス(4.03m/s)の82%にすぎず,世界選手権を獲. s)を示したが,200m地点以降若干低下し,1分51秒. 得するためには平均速度で20%弱,タイムで25秒引. 68のタイムでゴールしていた。. き上げる必要がある。また,目本女子は,加速区間に.  目本の速度曲線パターンは,決勝進出チームの. おける速度の高め方や最高速度を高めることも必要. 平均速度曲線と近似していた。目本の速度をロシア. であるが,レース後半の速度逓減を押さえる努力も課. の各地点問の速度比で見ると,50m地点で87%,100. 題として示唆された。. m地点で83%,200m地点で91%,250m地点以降は.  ちなみに,優勝したイギリスは,0−200m通過地点. 92%で,その差は前半で顕著に見られた。. までの平均速度(3,95m/s)を,ピッチ74。8p/mとストロ.  すなわち,目本と優勝チームの差は8秒76で,平. ーク長3.17mで出現させており,日本のそれは,77.5. 均速度(4.04m/s)は90%にすぎず,日本が優勝する. p/mと2.63mで,ストローク長で大きな差のあることが. ためには平均速度を10%以上高める必要がある。ま. 認められた。. た,日本は最高速度を高める必要のあることは言うま.  日本が現状のストローク長で,イギリスと同等の平. でもないが,加速区問における速度の高め方につい. 均速度を得るためには,ピッチ数を90.!p/mに高め. ても改善する必要がある。. なければならず,現状のピッチ数では,ストローク長.  なお,ロシアの0−200m通過地点までの平均速度. を3.06mにできなければならない。. (4。46m/s)は,84.3p/mのピッチと3.17mの平均ストロ. (3)混合について. ーク長で出現されており,目本のそれは,76.5p/mと.  (C)は,500mレースの決勝に進出した6チームに. 3.08mであった。したがって,ロシアと同等の平均速. おける各地点通過平均タイムから求めた平均速度曲. 度を得るためには,現状のストローク長ではピッチ数. 線と,優勝した中国ならびに目本チームの速度曲線. を86.9p/mにまで高めなければならないことになる。. を示している。. 同様に,現状のピッチでは,ストローク長を3.5mにし.  決勝進出6チームの平均速度は50m地点で最高. なければならない。. 速度の75%に達し,250m地点で最高速度(4.56m/s). (2)女子について. を示した。その後速度は低下し,250m地点以降は.  (B)の女子では,決勝進出6チームの平均速度は,. 92%の速度を維持し,ラストスパートをかけると見られ. 50m地点で最高速度の74%に達し,50−100m地点で. る450m地点以降は89%の速度でゴールしている傾. 最高速度(4.26m/s)を示し,その後,速度は96%に低. 向がみられた。. 下し,200m地点以降は最高速度の94%の速度を維.  優勝した中国(117。67秒)は,50m地点で最高速度. 持してゴールしているという,オープンと同様の傾向. の75%に達し,250m地点で最高速度(4.53m/秒)を. が見られた。. 示し,以降は速度が低下し,450m地点で92%,ラス.  優勝したイギリスは,50−100m地点で最高速度の. トの50mは86%の速度でゴールしていた。. 75%に達し,100m地点で最高速度(4.29m/s)を示し,.  中国の最高速度(4.53m/秒)を規準として日本の速. 200m地点で96%,以降は94%の速度でゴールし,タイ. 度曲線を見ていくと,50m地点で68%に達し,250m. ムは2分3秒96であった。. 地点で94%を示し,450m地点で87%,以降のラスト.  イギリスの最高速度(4.29m/s)を規準に目本の速度. スパートは82%でゴールしていた。. 曲線を見ると,50m地点で65%,100m地点で88%,.  このことは,日本チームはレース後半の速度維持. 17.

(21) に問題のあることを示している。. (m/s). 6.  もし目本チームが250m以降の速度を最高速度の 95%を維持して漕ぎ切る事ができれば,レースタイム. 5. ・一〇一FinaIist.  average ▲ best. OP N. (A). ■ low 4      3    >潔oo︻o>. は120.298秒となる。これは同大会の7位に相当する ことになる。. 一日一一CAN. ■ 一《』一JPN. 3.200mレース経過の実態. 2. (1)オープンについて. 80%.  図皿一3Aは200mレース・オープン,同Bは女子,. 1. 70髄. 同Cは混合について,決勝進出6チームの各地点通. 60雅. 0. 優勝チームと日本の成績を示したものである。.  (A)のオープンの平均速度曲線は,0−50m地点で. loo. 50. 0. 過平均タイムから求めた平均速度曲線とそれぞれの. 50. 200. 100     200.   Passlng Point(m). (m/s). 6. 最高速度の77%に達し,50−100m地点では82%を示. (B). した。その後,最高速度(5.03m/s)を示し,ゴールして. 5    ﹀ゼ8可>. 4     3. いるという,500mレースとは異なる傾向が見られた。.  すなわち,200皿レースの最高速度出現地点は,. 全チームとも100−200m地点の間にあると想定され た。. 2.  優勝したカナダと日本の速度曲線パターンも,平 均速度曲線パターンと近似していた。カナダは,0−50. 1. m地点で最高速度の74%に達し,100m地点で78%を 0. 示し,その後,最高速度(5。37m/s)を記録し,43秒12. 0. のタイムでゴールしていた。.  カナダに対する日本の各地点問の速度比は,50m. 50. 100     200.   Passing Point(m). (m/s). 6. 地点で83%,100m地点で84%,200m地点で91%に相 当した。すなわち,日本の200m平均速度(4.02m/s). 5. は,カナダ(4。64m/s)の87%で,世界選手権で優勝す. 十FinaIist  ave「age. MIX. (C). ▲ best ■ 10W. める必要があり,カナダとの差が大きい加速区間に. おける速度の高め方についても改善する必要のある. ﹄弓      3.    >ゼ020>. るためには,タイムで7秒弱,平均速度で10%以上高. 一目一RUS. 十JPN. 100覧 90%. 2. ことが示唆された。. 80覧.  カナダの200mの平均速度(4.64m/s)は,ヒ。ッチ. 70黒. 1. 9L8p/mとストローク長3.03mで出現され,目本のそ. 60%. 50. 200. 0. れは,82.O p/mと2.94mであった。したがって,目本. 0. が,現状のストローク長で,カナダと同等の速度を得. 50. 200 PassingPoint(m). るためには,ピッチ数を94.7p/mに高めなければなら ず,同様に,現状のピッチ数では,ストローク長を3.4m. 図皿一3.オープン(A),女子(B)の優勝チームと目本チ. に伸ばせなければならない。. ームおよび,決勝進出チームの平均タイムから見た 速度曲線(200m). 18.

(22) 4.1000mレース経過の実態. (2)女子について  (B)の女子の平均速度曲線も,オープンと同様の.  図皿一4Aは,オープン1000mレース準決勝時の12. 傾向が見られた。. チームの各地点通過平均タイムから求めた速度曲線.  50秒94のタイムで優勝したカナダの速度は,50m. 注3〉を,同Bは,女子の決勝進出6チームの平均速度. 地点で最高速度の72%に達し,100m地点で77%を示. 曲線,ならびに優勝した中国と日本の成績を示して. し,100−200m地点で最高速度(4,59m/s)を示した。. いる。.  目本の速度曲線をカナダの最高速度(4.59m/s)を. (1)オープンについて. 規準に見ると,50m地点で63%,100m地点で69%,そ.  速度は,0−250m地点で最高速度(4.36m/s)に達し,. の後,88%の速度(4.05m/s)で,57秒90のタイムでゴ. その後500mまで99%,500−950m地点までほぼ最高. ールしていた。また,カナダに対する各地点問の速. 速度の98%を維持していた。しかし,950−1000mで. 度比は,50m地点で87%,100m地点で89%,200m地. は93%に低下し,ゴールしている傾向が見られた。. 点で88%に相当し,目本女子の平均速度(3.45m/s)は,.  準決勝時に最高タイム3分47秒80を記録した,. カナダの88%で,500mレースよりも世界との差は小さ. チェコの250m以降500mまでの速度低下は小さく,. いが,優勝するためには平均速度を10%以上高める. (m/s). 6. 必要がある。. 一■. ■一. F average. ▲best  (A).  カナダの平均ピッチ数は85.2p/mで,平均ストロー. 5. と同等の速度を得るためには,ピッチ数を88.3p/mに 高めなければならず,同様に,現状のピッチ数では,.   省8可>. た。したがって,目本が現状のストローク長で,カナダ. 一 10W 一司一・CZE. 4    3    2. ク長は2.77m,目本のそれは,77.7p/mと2.67mであっ. OPEN. ストローク長を3.03mにできなければならない。 (3)混合. 1.  (C)は,200mレースの決勝に進出した6チームに. 0. おける各地点通過平均タイムから求めた平均速度曲. 0. 線と,優勝したロシアならびに日本チームの速度曲 線を示している。. 250     500     950     1000.        Pssing Point(m). (m/s). 6.  .■◆一Finalist.  速度は50m地点で最高速度の82%に達し,その 後,最高速度(4.42m/s)を示してゴールしていた。. (B). 5   蓄8で>. 4     3.  ロシアの速度は,50m地点で最高速度の82%に 達し,その後,最高速度(4、71m/s)を示し、ゴールして いた。.  ロシアの最高速度を規準として日本の速度曲線を. 2. 見ていくと,速度は50m地点でロシアの最高速度の 70%に達し,その後,最高速度(4.20m/s)を示しゴー. 1. ルしていた。  0.  決勝時に最高タイムを記録したロシア(優勝:44秒.    0       250      500      950     1000. 834〉の最高速度は50−200m地点で出現していた。.               Passing Point(m).  ロシアの速度経過パターンは,平均速度曲線とほ. 図皿一4.(A)オープン決勝進出チームと,(B)女子優. ぼ同様であった。また,目本の速度曲線パターンに. 勝チームと目本チームおよび,決勝進出チームの平. おいても平均速度曲線と近似していた。. 均タイムから見た速度曲線(1000m). 19.

(23) 平均で見られた950m以降の速度逓減も小さい(98%). mレースの200m通過タイム(45秒38)よりも2秒26. という特徴が見られた。. タイムを短縮させていた。. (2)女子について.  また,カナダは,200mレースではピッチ87.5p/m,.  O−250m地点の平均速度(3.82m/s)が最も高く,500. ストローク長3.03mで4,64m/sの平均速度を,500m. m地点まで速度逓減は認められなかった。その後,5. レースの200m通過では,それぞれ87.5p/m,2.99m. 00−950m地点では最高速度の97%を維持していた. で,4.35m/sの速度を出現させていた。. が,950−1000mでは92%の速度に低下し,ゴールし.  すなわち,200mレースではストローク長を伸ばすこ. ているという傾向が,オープンと同様に認められた。. とによって速度を高めていることが認められた。.  優勝した中国は,0−250m地点で最高速度の99%.  一方,フィリピンは,200mレースでピッチ102.2p/. に,250−500mで最高速度(4。08m/s)を示した。その. m,ストローク長2。67mで速度4.54m/sを,500mレー. 後,950m地点までは速度が若干低下し,950−1000m. スの200m通過では,それぞれ,85,5p/m,3.03mで. では92%の速度に逓減し,4分!0秒98のタイムで. 4.32m/sの速度を出現させていた。. ゴールしていた。.  すなわち,カナダと異なり,ストローク長を短くして.  目本の中国に対する速度比は,250m地点で84%,. いるが,ピッチ数を大幅に高めることによって速度を. 500m地点で79%,950m地点で79%,以降は82%に相. (m/s).  6. 当し,5分11秒57のタイムでゴールしていた。. 5.  我が国では,1000mの直線コースの練習場は皆無.    >だ8一〇>. な要因であると考えられるが,世界選手権を獲得する ためには,平均速度を20%弱高める必要があり,また,. 最高速度を維持する持久力を高める必要のあること. 500−200ave. (A). 一目一200ave. OPEN. 4     3     n∠. で,1000mレースは開催されていない。このことも大き. ・■. が示唆された。. 1 5.200皿と500mのレース比較. 0. (1)オープン. 0.  図皿一5Aは,オープン200mと500mレースの200m 地点までの各地点通過平均タイム注4)から求めた速度. 50. 100    200m.   Passing Point(m). (m/s). 6. 曲線を示したものである。. 塵■. 』500−200ave . +200aVe    (B). 5.  両レースの速度曲線は,50−100m地点での平均    >だoo一〇>. の方が高いという,予想外の結果を示した。.  両レースの平均速度は,ほぼ同様であるが,200m. 4      3. 速度に大きな差が見られ,200mよりも,500mレース. WOMEN. レースの上位3チームは,200mレースの方が高かっ. 2. た(表皿一!)。すなわち,500mレースの200m平均通. 過タイムは46秒70で,200mレースの46秒72よりも. 1. 0秒02速かった。この傾向は,12チーム中7チーム で認められた。.  o     0        50        100       200.  200mレースで優勝したカナダも,100m地点での.              Passing Point(m). 速度は200mレースの方が低かったが,100m以降で. 図m−5.500mと200mレースにおける200m地点まで. 大きく再加速し,ゴールタイムは43秒!2を示し,500. の速度比較(A)オープン,(B)女子. 20.

(24) 高めていた。. 6.200m,500m,ならびに1000mレースにおけるゴ.  また,日本は,200mレースでは,ピッチ82.Op/mで,. ールタイムと各地点通過タイムの関係. 500mレースの200m通過時のピッチ76.5p/mよりも. (1)200mレースの場合. 高かった。.  図HI−6(A・B)は,200mレースにおけるオープン(◇.  しかし,500mレースの200m通過タイムの方が優れ. 印)と女子(◆印)のそれぞれにっいて,ゴールタイムと. ていたロシアは,200m通過地点(ピッチ84.3p/m,スト. 50ならびに100m地点通過タイムの相関関係を示し. ローク長3.17m)の方が,200mレース(ピッチ90,4p/. たものである。. m,ストローク長2.94m)よりも,ピッチ数は低いが,スト.  両者の決定係数は,オープンでは,50m地点で. ローク長を大きくすることで速度を高めていた。. 0.596,100m地点で0.706が得られた。また,女子で.  すなわち,200mレースの方が,一般にはピッチ数. はそれぞれ0,941,0.987が得られた。すなわち,ゴー. が高いという傾向を示したが,ピッチ数を高めることに. ルタイムと各地点通過タイムの間には,いずれも有意. よってストローク長を短くし,結果的に200mレースの. な相関関係があり,その関係は,ゴールに近づくにつ. タイムを,500mレースの200m通過タイムよりも,低下. れて高くなることが認められた。また,女子の場合,オ. させているチームの多い傾向がみられた。. ープンに比して,レースの前半でレース結果の決して. (2)女子. 200m(sec). 60. 65 45 25 04 8 2 64 05 85 65 45 25 04 84 644 2 5 40 4 4 6.  (B)の女子においても予想に反し,500mレースの. 58. 200m平均通過タイム(51秒55)の方が,200mレース の平均ゴールタイム(52秒00)より速かった。この傾. 向は6チーム中5チームで見られた。  しかし,200mレースで優勝したカナダ(50秒94)は,. 500mレースの200m通過時(51秒34)よりもタイムを. 0秒4短縮させていた。  オープン・女子ともに,両レースの実施日は異なっ. o. たが,気象条件はほぼ同様で,環境的要因の影響 は考え難かった。これらの両レースにおける速度曲.     (A)     .          も       零〆=2.479x+14,175      ,鯵     2.      蓄」  R=0.941          r=0.970      0          P〈0,01. 00             n=10. 曾二2,422x+14,375.    2   R =0.596    r=0.772.    P<0.01.    n=12. 12    13    14    15    16. 線の相違の要因は,現時点では不明であるが,200m レースの方がストローク長が短く,ピッチ数の多い傾. 17   18  50m(sec). 200m(sec). 向が認められた。.  したがって,重量の大きな艇注3)を加速させる場合,. 無理にピッチを上げることは,必ずしも推進力の向上 にっながらず,好ましい結果を生み出さないことが推 察された。.  ちなみに,200mレースの50−100mを500mの同区 間のタイムで漕げたとすれば,オープンの平均ゴー. ルタイムでは1秒22,優勝チームで0秒87,目本で は2秒17タイムが向上することになる。. (B).     願    彫.  評 yメ1・66フx+2・278 .躍R2=0.987 O  o O.   r=0.970 0   P〈0.01.   n=10.  y=1.273x+13.698 0    R2=0,706.    r=0,840.    P<0.01.    n=12.  20           25           30           35.                 100m(sec) 図皿一6.200mレースにおける各地点通過タイムとゴ ールタイムの関係(O印:オープン,●印1女子). 21.

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