• 検索結果がありません。

中日のピアノ教育の比較研究 : 初歩指導教材とその指導法を中心に

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "中日のピアノ教育の比較研究 : 初歩指導教材とその指導法を中心に"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)   中目のピアノ教育の比較研究 一・. 鴛熾搖リ教材とその帽韓法を中心に一            教科・領業徴育学専攻            芸術系:1一ス(音業).                 M10199C.                  瑚 1.硯=完の動1機と目的. 材や指導法のよい部分を取り入れ、子供のやる気.  歴史書の記載によれば、中国清朝の康煕皇帝. を高め、子供の才能を伸ばすピアノ教育の在り方. (1662−m2)が古い鍵盤楽籍を学んだことがある. について研究することを目的とする。. とされている。その後、19世紀前半、西洋のピア ノ音楽が浪漫主義黄金時代に入った時、中国に西. 2.崎文の構成. 洋の現代ピアノが初めて入った。1840年のアヘン. はじめに. 第1軍ピアノ教育の歴史的考察. 戦争以降、外国人宣教師により教会学校でピアノ. が教えられた。1927年11月27肩上海にr国立音.   第1節 中国のピアノ教育の歴史. 楽院」が成立した。これは中国で初めての音楽学.   第2節 日本のピアノ教育の歴史 第2章 中日のピアノ導入教材の考察. 院であり、中国のピアノ芸術の発展の基礎を作り 上げたのである。改革開放政策(1979∼)が実施さ. 第1節. 中日共用教材「バイエル」の比較. れる以前、中国のピアノ初級教材はrバイエル」. 第2節. 中国でよく使われている教材「トン  プソン」の分析. や「チェルニー。p.599」などに限られていた。し. かし1980年代初期からマダーイの『ピアノの学. 第3節. 校』、日本で改編された『こどものハノン』など. 日本でよく使われている教材rメト ードローズ」の分析. 第4節. が大量出版されたのである。. 中国のピアノ初歩指導教材「几童鋼. 琴初歩教程」の分析.  近年中国の経済発展に伴い、各家庭にピアノが 普及し、多くの子供がピアノを習い始めるように. 第3章 中日のヒ7ノ能力等級試験の比較. なった。しかし、ピアノの学習内容が深くなるに.  第1節 中国のピアノ能力等級試験. したがって、途中で興味を失ってやめてしまう場.  第2節 日本のピアノ能力等級試験. 合が多い。また、ピアノの基本技術の習得が遅い. おわりに. 子供もよく見られる。中国では多くの親たちが子 供にピアノを学習させる目的は、ピアノの能力試. 3.研究の標喜. 験のためである。子供たちはこの能力試験に合格.  第1章では中国と日本のピアノ教育の変遷につ. するため、一年中試験に出る限られた曲だけを練. いて概説した。日本は明治維新後、1879年に音. 習するので、勉強する知識の範囲が縮小し、ピア. 楽取調掛ができ本格的な西洋音楽教育とピアノ. ノの基礎練習や様々な楽曲を習得することがで. 教育が始まった。一般家庭にもピアノが普及した. きなくなっている。. のは第2次世界大戦後の高度経済成長期である。.  そこで、筆者自身も将来ピアノを教える立場と. 一方中国も日本とほぼ同時期、阿片戦争後の清朝. して、中国と日本に使われている初歩教材やピア. 時代、1850年代から外国人によってピアノがも. ノ能力試撃の比較を通して、中国のピアノ初歩教. たらされ、1920年代からは音楽学校設立の動き. 育の現状と問題点について考察する。そして各教. が始まった。一般家庭に普及するのは1950年以. L358一.

(2) 降ピアノ生産が増大してからである。. あろう。将来古典のソナチネやソナタを弾くため.  日本と中国はヒ7ノが導入された時期には類. にはバイエルのような楽曲のほうが近いのであ. 似点がある。違うところは、同本はアメリカ人に. る。フランス音楽に馴染むためにはメトード・ロ. よってピアノ教育がもたらされ、その後ドイツの. ーズも欠かせない教材である。. 音楽家を招璃したこと、そして戦後フランス音楽.  このように教師は生徒の発達段階、興味、持っ. を導入している。中国はイギリスの統治を受けて. ている音楽性などに配慮しつつ、導入教材を複数. いたのでイギリス人によってピアノがもたらさ. 使用し研究する必要があると結論づけた。. れ、その後ロシアから音楽家を招聰している点で.  第3章では中国で盛況を続けているピアノ能. ある。いずれにしても両者に共通することは、戦. 力等級試験と全日本ピアノ指導者協会(PTNA)の. 後の社会においてはピアノ教育の発展はピアノ. 主催しているピアノステップの課題曲とその状. 製造の発展と切り離せないものだということが. 況を比較しながら、中日の子どもたちが日頃との. わかった。. ような曲をあたえられどのように練習している.  第2章では中日のピアノ導入教材について比. かを分析した。また日本には数多くのピアノコン. 較した。中目両国で出版された2種類のrバイエ. クールがあるため、それらの課題曲も視野に入れ. ル」、「メトード・ローズ」、「トンプソ!」、そし. ながら、両国のピアノ教育において子どもたちが. て中国で編纂され筆者も使った『幼丸鋼琴教程』. どのような課題をあたえられ、またどのようなモ. のそれぞれの課程を表にし、導入にどのような配. チベーションで学習しているかを考察した。中国. 慮がされているかを分析した。そのうえで、各教. のピアノ等級試験に参加するための準備時間が. 材にはどのような特徴や類似点があり、それらを. あまりにも長くなっている。また一部の子供は等. どのように取り入れるのが望ましいかを考察し. 級試験の課題曲に夢中になって、ほかの曲は何も. た。. できなくなっているのが子供の総合的な発展に.  各教材にはそれぞれの特徴があるが、どちらが. 影響していることがわかった。ピアノ等級試験に. よい、ということではなく、その子どもにあった. してもコンクールにしても子どもの音楽的な発. 教材の選択が必要、ということである。たとえば. 達を妨げない程度にこれらを利用することはよ. 導入方法に関しては、トンプソンのような両手交. いだろう。ここでも教師の、それぞれの子どもを. 互奏は講読みや運指の遅い子ども、また小さい子. みきわめた長期的な指導計画が必要であると考. どもでも楽しく学習を始められる。しかし指があ. える。. る程度発達し、音符に関する認識力も備わった年 長の子どもなどには、オーソドックスに片手練習. 4.今検の課題. から始め両手に進むバイエルなどは、メロディを.   本研究では以上のように中目両国のピアノ. きれいにつないで歌わせるピアノ本来の技巧を. 教育の変遷、ピアノ初歩教材、ピアノ等級試験の. 早くから身につけさせることができる。早くから. 内容について研究し両国の特徴が整理できたが、. 両手でメロディと伴奏を良いバランスで処理し、. ピアノ指導法については実際のレッスンでの指. しかも4小節フレーズの楽曲構造を捕らえさせる. 導のあり方を採りあげることができなかったた. ためには、バイエルはただ古めかしい教材、と片. め、これを今後の課題とし、理想的なピアノ教育. 付けてしまえない内容を備えている。. の在り方についてさらに研究を深めたい。.  また楽曲に関しては、併用教材を教師が適宜選 択し与えていくことができれば、バイエルやメト ード・ローズの平明な楽曲は教育効果を上げるで. 一359一. 主任指導教員 木下千代.

(3)

参照

関連したドキュメント

大学は職能人の育成と知の創成を責務とし ている。即ち,教育と研究が大学の両輪であ

インドの宗教に関して、合理主義的・人間中心主義的宗教理解がどちらかと言えば中

現実感のもてる問題場面からスタートし,問題 場面を自らの考えや表現を用いて表し,教師の

「職業指導(キャリアガイダンス)」を適切に大学の教育活動に位置づける

一貫教育ならではの ビッグブラ ザーシステム 。大学生が学生 コーチとして高等部や中学部の

 英語の関学の伝統を継承するのが「子どもと英 語」です。初等教育における英語教育に対応でき

● 生徒のキリスト教に関する理解の向上を目的とした活動を今年度も引き続き

● 生徒のキリスト教に関する理解の向上を目的とした活動を今年度も引き続き