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化学物質の内分泌かく乱作用(いわゆる環境ホルモン)に関する対策の現状と今後

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Academic year: 2021

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J. Natl. Inst. Public Health, 54(1):2005

化学物質の内分泌かく乱作用(いわゆる環境ホルモン)に関する対策の現状と今後

鈴木継美

東京大学名誉教授

A Prefatory Note

Tsuguyoshi S

UZUKI

Professor Emeritus, University of Tokyo

<巻頭言>

この数年の間に「内分泌かく乱作用を介しての環境化学物質の影響」についての我々の理解は急速に進みつつある.しかし, それにもかかわらずあるいはそれ故に,分かったことより分からないことの増え方のほうが大きいともいえる.本特集はその あたりの事情を実質的に報告する論文がいくつか含まれている. ところで,周知のことであろうが,生物の組織水準は個,個体群,群集というように整理され,最終的に無生物をも含んだ 系として生態系という概念が提示される.細かくは述べないがこの組織水準から眺めたときこれまでの研究は個,または個体 群水準までのことが多く,群集,さらに生態系に対する環境化学物質の内分泌かく乱作用を介しての影響にはほとんど手がつ いていない.生態毒性学と自然保護活動との連携がぜひとも必要である. これまた周知のことであろうが上述の課題に対する取り組みの遅れは単に技術的な困難によるだけでなく,現在の科学・技 術の認識論とも関連している.一定の,安定した生態学的状況のもとで,一種類の化学物質のしかるべき量を投与または曝露 するという条件下で得られた成績に拘束された思考をいつの間にか身に着けているという批判は,まさにそのとおりであろう. 微量・複合曝露という面倒な課題と生態系影響とが組み合わさったものが現実の状況で,実験科学と野外科学の協力なくして は問題はとけない.いずれにしても,環境化学物質の内分泌かく乱作用を介しての環境影響という課題は一見狭そうであるが 実は広く複雑で内分泌かく乱作用を媒介しない影響および両者の共時的影響を明らかにしなければ解けない大テーマであるこ とを見落としてはならない.今回の特集がこれまでの努力とそれに伴って顕在化してきた問題の一部を紹介できるものと期待 している. 1

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