Title
Postinfarction Gene Therapy Against Transforming Growth
Factor-β Signal Modulates Infarct Tissue Dynamics and
Attenuates Left Ventricular Remodeling and Heart Failure( 内容
の要旨(Summary) )
Author(s)
岡田, 英志
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第611号
Issue Date
2005-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14514
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氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 岡 田 英 志(岡山県) 博 士(再生医科学) 甲第 611 号 平成17 年 3 月 25 日 学位規則第4条第1項該当
Postinfarction Gene Therapy Against Transforming Growth Factor-β
SignalModuIateslnfarct Tissue Dynamics and Attenuates Left VentricuIar Remode=ng and Heart Failure
(主査)教授 藤 原 久 義 (副査)教授 中 島 茂 教授 竹 村 博 文 論文内容の要旨 大型心筋梗塞は左室リモデリングを引き起こし,心機能を低下させるため,梗塞の急性期に死を免れた患者は 慢性期の心不全を引き起こす危険性がある。事実,心臓移植候補者の約半数が梗塞後JL、不全の患者である。 Transforminggrowthfactor-β(TGF-β)は線維化の進行に重要な役割を果たしていると報告されている サイトカインであり,梗塞後の治癒過程において重要な役割を果たしていると同時に,慢性期の左室リモデリン グや心不全に関与していることが示唆されている。 今回我々は,TGF-βを抑制するsoluble TGF-βtypeIIreceptor(sTβRII)を用いた遺伝子治療により左 室リモデリングの過程を抑制し,慢性期心不全を改善するという仮説を立てた。 [対象と方法] 75匹の10週齢のC57BL/6J雄マウスの左冠動脈を結繁し,心筋梗塞を作製,3日後に生き残った55匹のマウス のうち,27匹にsTβRIIを,28匹にLacZをエンコードしたアデノウイルスをそれぞれ大腿四頭筋に筋肉注射し, 4週間後に屠殺。生存率,血行動態を調べ,組織学的検索等を行った。また,別の10匹のマウスに心筋梗塞を作 製,3日後に生き残ったマウスのうち4匹にsTβRIIを3匹にLacZを同様に筋肉注射し,梗塞後10日目に屠殺し, 組織学的検索を行った。 次に,未治療の心筋梗塞後10日目のマウスを屠殺し,梗塞巣から筋線維芽細胞を取り出して,それぞれsTβR IIとLacZで治療したマウスの血清を5%加えた培地で培養し,FasとアクチノマイシンDを加え,アポトーシスを 誘導した。 最後に,33匹のマウスに}L、筋梗塞を作製し,4週間後に生き残った25匹のうち14匹にsTβRIIを11匹にLacZを 同様に筋肉注射し,8週間後に屠殺。血行動態を調べ,組織学的検索を行った。 [結果] 心筋梗塞後4週間の時点で,治療群ではコントロール群に比べ生存率の改善を認め,左室リモデリング,左室 機能障害が改善していた。治療群では梗塞巣,非梗塞巣ともに線維化が減少していた。心筋梗塞巣のサイズは両 群間に有意差を認めなかったが,治療群で心筋梗塞巣の壁厚は増大し,梗塞区域の長さは減少していた。また, 梗塞巣において非心筋細胞の密度の増加に加え,梗塞巣の壁運動に影響を与える可能性のあるa-SmOOth muscle actin陽性細胞の集束を認めた。10日目に屠殺した群では,治療群の梗塞巣において筋線維芽細胞のアポ
トーシスの減少が認められ,4週後の梗塞巣に認められたa-SmOOth muscle actin陽性細胞はアポトーシスを免
一45-れた筋線維芽細胞がその起源であると考えられた。培養した筋線維芽細胞において,STβRIIによるTGF-βの 抑制が,Fasによるアポトーシスを直接抑制することが証明された。また,筋線維芽細胞がはぼ消失した梗塞4 週間後からsTβRIIによる治療をおこなっても効果はなかった。 [考察] 本研究は,心筋梗塞後3日目に開始したsTβRII遺伝子治療によるTGトβの抑制が慢性期の左室リモデリング と左室機能障害を減少させることを明らかにした。 TGF-βは線維化を引き起こすサイトカインとして知られており,それをsTβRIIにて抑制することで梗塞巣, 非梗塞巣の線維化が軽減することを本研究で確認した。 本研究で最も特筆すべきことは,STβRIIによる遺伝子治療により,Fasによる筋線維芽細胞のアポトーシス を抑制したことで梗塞巣の壁厚の増大し梗塞区域長の短縮を認めたことである。Laplaceの法則によれば,左室 拡大を促進する壁応力(wallstress)は,壁が薄くなるとより増大することから,梗塞後の左室リモデリング の悪循環を防ぐためのメカニズムとしてsTβRII治療群の心筋梗塞層の壁厚の増大が重要であると考えられた。 [結論] 心筋梗塞後のsTβRII遺伝子治療によるTGF-βの抑制は,抗線維化作用と,'アポトーシス抑制による梗塞巣 壁厚の増大により,左室リモデリングと機能障害を改善させた。これらの知見は,心筋梗塞の亜急性期に適用で きる心筋梗塞後JL、不全の新しい治療法を示唆する。 論文書査の結果の要旨 申請者 岡田英志は,SOluble TGF-βtypeIIreceptorによる遺伝子治療が大型心筋梗塞後の左室リモデリ ングを抑制し,慢性期心不全を軽減することを証明した。この知見は,臨床応用可能な新しい心不全治療の開発
につながるものであり,循痍器病学の進歩に少なからず寄与するものと認める。
[主論文公表誌]Postinfarction Gene Therapy Against Transforming Growth Factor-β SignalModulatesInfarct Tissue Dynamics and Attenuates Left Ventricular Remodeling and Heart Failure