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(シンポジウム 痛みの基礎と臨床)胸痛症候群

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シンポジウム

痛みの基礎と臨床

胸痛症候群

〔東女医大誌 第58巻 第11号頁1157∼1164昭和63年11月〕 東京女子医科大学 クスモト

楠元

タナカ 田中 ミヤ

雅子・滝本

トオル カサヌキ

徹・笠貫

付属日本心臓血圧研究所 循環器内科学教室 コ タキモト ヒロトシ コバヤシ ヒデキ

浩俊・小林 秀樹

ヒロシ ホンダ サイチ

宏・細田 瑳一

(受付 昭和63年7月28日)

Chest Pain Syndrome

Miyako KUSUMOTO, Hirotoshi TAKIMOTO, Hideki KOBAYASHI,

Tohru TANAKA, Hiroshi KASANUKI and Saichi HOSODA

Department of Cardiology, The Heart Institute of Japan,

Tokyo Women’s Medical College

The patients with anginal pain who have normal coronary arteriogram is a frequent clinical

occurrence. It is recognized as a clinical entity, chest pain syndrome(including syndrome X difined as anginal chest pain with ST segment depression on exertion). Although the etiology of this syndrome has not yet demonstrated, one or several factors, such as dynamic abnormality of the small coronary

arteries, arrhythmias, autonomic nervous disturbance or psychsomatic disorder may be related.

緒 言 胸痛を主訴とする症例は循環器科領域では頻度 が高く,原因も重症度も種々である.生命の危険 を伴うものから,器質的障害を伴わない軽症のも のまで広範囲であり,臨床医には迅速かつ的確な 鑑別診断と治療が要求される.今回は胸痛のなか でもいわゆる狭心痛を訴え,狭心症との鑑別を要 する狭義の胸痛症候群について,当教室で得られ た若干の知見と,さらに最近話題になっているエ ンドルフィンと狭心痛,無症候性心筋虚血につい てふれた. 1.狭心症と胸痛症候群(図1) 胸痛を有するものはすべて広義での胸痛症候群 にはいり,多くの疾患が含まれることになる.1772 年Heberden1)は自覚症として胸痛,いわゆる狭心 痛を有する症例に対して,初めてangina pectoris という診断名を用いた.典型例は労作性狭心症で あり,これは労作時の心筋酸素需要の増加に酸素 供給が応じられないことにより起きる心筋虚血で 説明され,剖検例より冠動脈の動脈硬化による器 狭心症 一一・・一胸痛症候群(狭義) [ Syndro吼e X \N

一神経循環無力症 一心臓神経症

1 僧帽弁逸脱症候群

冠動脈狭窄あるいは攣縮(,p、s。) \自律神経調鞭害 図1 胸痛症候群(広義) 不安神経症

(2)

質的狭窄が病因と考えられるようになった.胸痛 発作時に心電図上心筋虚血と考えられている一過 性のST低下を証明できれぽ,狭心症と診断が確 定される.労作時以外に,安静時や夜間睡眠中に 狭心発作を起こす症例もあり,この場合には心電 図で一過性のST上昇がみられることが多く,安 静時狭心症,異型狭心症と呼ばれている2). 1960年代にはいり,多くの症例で冠動脈造影が 施行されるにつれ,冠動脈に器質的な狭窄がなく ても,狭心痛や心筋虚血と考えられている心電図 変化を示す例が存在することが明らかになった. その一部は冠動脈攣縮(spasm)による冠動脈血流 量の絶対的低下で説明され,冠動脈造影時にエル ゴノビンや過呼吸などの誘発試験で証明される, 冠動脈攣縮性狭心症(vasospastic angina)といわ

HV

TNG

V一一AP YM 51m

217774 図2 冠動脈攣縮性狭心症 HV:過呼吸により誘発された冠動脈攣縮, TNG:ニ トログリセリン舌下後,冠動脈は拡張している. れるものである(図2).異型狭心症はこの型が多 い. しかしながら,狭心痛を訴えていても,冠動脈 には狭窄がなく,誘発による冠動脈のspasmも証 明されない症例がある.これらの症例を狭義の胸 痛症候群,chest pain syndrome(以下CPS)と 呼んでいるが,これらの本態はいまだ明らかにさ れていない. 一方,1871年にはDaCosta3)が軍人の間でみら れた,息切れ,動悸,左胸部痛,活量を自覚症状 とする症候群を報告しており,irritable heart, DaCosta’s syndromeなどと呼ばれている.これ はその後neurocirculartory asthenia(神経循環 無力症,NCA),自律神経の機能異常が関与してい ると考えるものと,心臓神経症として不安神経症 に属するとするものに分かれるが,上記のCPS も含め,それらの境界は明らかではない. 近年,心エコー図による検査が頻繁に行われる ようになり,僧帽弁逸脱症候群と診断される症例 が多くなった.僧帽弁逸脱症候群の症例には胸痛, 動悸,不整脈を訴えるものが多く,今までNCAと されていた症例の症状や所見との共通点から, NCAを僧帽弁逸脱症候群で説明しようとする人 達もいる4)5). 2.胸痛症候群(狭義)の自験例の検討 労作性狭心症の胸痛の性質として,Riseman& Brown6)はSAVESといわれている特徴をあげて いる(表1).狭心痛は痛みとしてはっきり表現で きるものではなく,内田7)は狭心症や心筋梗塞の 際に知覚される感覚の内容は,必ずしも痛みでは なく,多様な訴え,いずれにしても体性感覚にな ぞらえた訴えをし,狭心症や心筋梗塞における感 覚の多様性も,知覚繊維レベルの問題ではなく, 中枢レベルにおける問題かもしれないと述べてい る. 表1 労作性狭心症の胸痛 Sudden onset 五・t・・i・rchest p・i・ Vague pain(discomfort) 蚤erti。na1 P・i・ Short duration

(3)

いずれにしても胸痛という言葉でまとめて表現 するが,その中身は複雑で前述のような症状を訴 える症例と,全く表現の異なる,のどが詰まる, 特定の前胸壁特に左側が多いが針で刺されるよう な感じ,ちくちくする,ピリピリ痛いなどと表現 される場合もある.胸痛の性状や持続時間,関連 痛の存在,ニトログリセリンの有効性などから, われわれは外来で経験的に狭心症と他の疾患を鑑 別をしているが,なかには判断のつかない症例も 多い.動悸やのどの詰まる感じを訴えていた症例 が冠動脈に狭窄を有する狭心症であったり,胸痛 を訴えていたものが本態は不整脈であったりする こともある. 教室の滝本ら8)はCPS,すなわち胸痛を主訴と し正常冠動脈所見を呈し,spasm誘発試験が陰性 であった症例について,臨床的な検討を加えた. 対象となったのは男性36例,女性25例の61例,年 齢35∼69歳(平均53歳)であった.胸痛の性質よ り3群に分け,A群(典型的な狭心症様の胸痛を 有するもの)23例,B群(狭心症様胸痛に加えて 動悸を訴えるもの)9例,C群(A,C群以外のも の)29例であった.3群書での症状発現の比較で はA群とC群では,安静(rest)と日常生活での 動作(ordinary activity)により胸痛が発現して いることが多く,B群では日常生活での動作と労 作性(effort)により,胸痛が発現していることが 多かった(図3).これらのうち49例はニトログリ セリンを使用しているが,有効と医師が判定した のは5例(10%)で,いずれもA群であり,また rest rest 十 〇rdinary activity “課㎜ 糊 ordinary activity Qrdinary 十 activity effort effort

A

B

韮山隷二品

職羅一

頚艦…

藻羅_ 撚_ a 1 1 N 23 e+r 9 この5例中1例は心筋シンチで心筋虚血をみと め,1例は運動負荷で陽性を示した.これらのこ とよりこれら5例は臨床上は狭心症の可能性が示 唆される.一方,B群では胸痛と同時に動悸も訴 えており,胸痛の本態は不整脈である可能性があ る.教室の笠貫らの,自覚症とホルター心電図所 見による検討では,図4のごとく胸痛を訴える人 のなかにも不整脈の出現は41%にみられており, 滝本らのB群のなかには不整脈の出現を胸痛と してとらえている可能性があると考えられる.自 覚症の感じ方,表現力や閾値の違いなど個人差が 大きく影響してくると思われる. 滝本ら9)はCPSの症例に心身医学的検討とし て,矢田部一斗ルフォード性格検査,Cornell

Medical IndexやJenkins activity surveyの心理

テストを施行している.一定の傾向はみられな かったが,不安神経症と判定できる症例が4例み られた.したがって現在CPSとされている症例 は種々の病態を含んでおり,さらに心筋シンチや 他の方法による心筋虚血の有無の確認,自律神経 系の反応性や心理テストなどを加え検討する必要 〔動 悸〕 paf af wlth NSR tachy PSVT sinus

VT

arrhythmfa sinUS− tachy 自覚症状(十),EM(+) 140症例 自覚症状出現回数延べ606回 〔息切れ〕 chr af rchr af 443回 PSVC PVC

G

〔めまい〕 rchr 3f lPVC slnロs・ arrhythmia …“羅 闘三

囲一

D 10 20 50 40 50 60 了0 80 9D 工00 図3 胸痛症候群の胸痛発作 29 NSR 30回 sinUS ・tachy PSVC PvC NSR 72回 sinUS・

_.二幅

tachy 一arrhythmla 〔胸痛〕一ch, af PVC NSR 66回 PSVC l{瓢y 、1㌃、t, tachy 図4 ホルター心電図での心調律 NSR:正常洞調律, Chr af:慢性心房細動, PVC:心 室性期外収縮,PSVC:上室性期外収縮sinus tachy: 洞性頻脈,VT:心室性頻拍, af with tachy:頻脈型 心房細動。

(4)

があると思われる. Lik譲ら10)が女性で狭心痛と思おれる症状と, 運動負荷で心電図にST−Tの変化を認める例で, 冠動脈造影で狭窄の見られなかった症例を報告し VI V5 aVF」

TMET

B− 1 2 SX K162 m 109910 図5 トレッドミル運動負荷試験(TMET)での心電 図所見(Syndrome X)

B−1:Bruce法stage I, B−2:stage II,運動開始初期

からSTの下降がみられる. た.その後このような症例,すなわちCPSの症例 のなかで,運動負荷心電図所見が陽性の症例を, 特にSyndrorne X(以下SX)という症候群で呼ぶ ようになった.SXの原因としては,心因性のも の,冠動脈造影の誤判続,酸化ヘモグロビン解離 細血管病変,spasmなどがあげられている11). Kusumiら12♪は負荷により上昇した血圧による心 内膜下のhemodynamic stressが原因と考えてい る.Korholaら13)は冠動脈造影正常例の50%に心 筋シンチで異常を認め,血流減少を示しており, 細血管の病変であると考えている.したがって

CPSのなかでもSXは機能的な心筋虚血が存在

する可能性は大きい.SXあるいはCPSの予後に ついては良好とされ,Kenlpら14>は,200例のCPS の6年間の経過観察で,胸痛の改善が半数にみら れ,心筋梗塞の発生率は0であったと報告してい る. 非観血的な方法で狭心症の診断ができれぽ臨床 上非常に有用である.その一つに運動負荷試験が あり,簡便で頻繁に用いられている.階段(マス ター2階段試験),トレッドミルやエルゴメーター を用いて,ある一定量の運動を負荷し,心電図上 に心筋虚血性の変化が出現するかどうかみる方法 である.教室の小林ら15)はSXの症例では運動負 荷試験で,運動負荷早期から心電図のST低下が

TME’r

V5

鑑曲嘩座

論評.;一」1コ 一「i

苦出闇闇照#断井lI一

趨盤{・i1事1.

羅顯懲

aVF

羅馬鞘≒難騨鐸灘

ST

V5 ゴー. 引一一 =一 一難 1‘ =苛一 ヨ=一蝿一 網一韮誤叢卦「彗一 ヨ=・ 一一「陛亜秦嵩 [一1「一一一1ゴ ー曇一§一斗P「一 一壱1一= 「一

AP

1.1孟非、 ・V・一難 1−P一 _一 Pご≡≡ 」一一 HS 65F 165369 図6 トレッドミル運動負荷試験(TMET)での心電図所見(狭心症)

B−!:Bruce法stage I, B−2:stage II, B・3:stage III,運動開始後6分からSTの下 降が始まっている,

(5)

出現することに着目した.図5に実例を示したが, トレッドミル運動負荷(Bruce法)で運動開始直 後から,V5とaVFのSTが低下しはじめ, stage 2でSTの著明な低下のため負荷を中止している. この症例は冠動脈造影では有意な狭窄は認められ ていない.一方,冠動脈造影で狭窄が認められた 症例での運動負荷試験では負荷の途中(図6),あ るいは胸痛が出現して運動を中止してからSTの 低下が認められた(図7). 小林らは15症例のSXについて,運動負荷中期 レ コ ユしヨ

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V津一押ま ÷糞蝿、モ汁 ‡1士i三Ll# V2一 一L4 「 一ト Ll = ,「「 v3一

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一…一r−v5 1u 嘘 1 り コ コ 覧1肝胴11 1し 、I11 1m》=16m

AP

NJ 70 m 221712 A:冠動脈造影では前下行枝の狭窄を認める.安静時心電図ではSTの低下はない. V5

TMET

8Vド B●醜 B− 1 2 3 鳥●0. 1, CP(7)

8T

己Vト 3, 6・ ムP

NJ 70m

3817皇8 B:トレッドミル運動負荷試験.胸痛(CP)が出現し運動負荷は中止している.負荷 後も長時間STの下降は続いている. 図7 狭心症の70歳男性の症例

(6)

0

−1

ST

−2 −3

A

ST Trend

B

←ガ ←一『

図8 トレッドミル運動負荷試験(TMET)での心電 図所見 運動負荷中期ST低下度の計測法:a(運動負荷中 期ST低下度)およびb(最大ST低下度)を測定し a/b×100で表わす. ST低下度を算出した.すなわち運動負荷時間の 丁度中間の時点でのST低下度を計測し,最大 ST低下度に対する比率で表した(図8). SXでは 運動負荷中期ST低下度は48+19%と,冠動脈に 1枝,2枝あるいは3枝狭窄病変のみられる狭心 症群に比べ高値を示し,両者の問に有意差を認め た.したがって運動負荷の初期より,STが徐々に 下降し始めるタイプの症例では冠動脈に病変を認 めない確率はかなり高いことが推測できる.また 負荷後のSTの戻り方にも差異があり,現在狭心 症とSXの症例に運動負荷心筋シンチなどを加え 運動負荷試験時のSTの変化と心筋虚血との関係 について検討中である. 3,胸痛とエンドルフィン 内因性のエンドルフィンが癒痛の調整に関係し ていることは明らかにされている.狭心痛におけ るエンドルフィンの関与についても論文がみられ る.Shepsら16)は虚血性心疾患が確認された25症 例に運動負荷を施行し,負荷前後で1血漿エンドル フィンを測定した.狭心痛の出現しない患者では, 狭心痛の出現する患者に比し,運動後の血漿エン ドルフィンは約40%高く(8.64対5.07pmol/1, p=

case 卜1。K 67y,male,01d 南yocardial infarction・anglna Pectoris

H[GH臼ES団_Uτ1㎝ST丁RE閥D +5 ChameU 躍 ・5 2四 臼 +5 +5㎜ 9㎜ 1 z 墨 2 3 4 5 6 一5㎜ 7 灘 。 一5 20Z σ Channe口 臼bpm +5m P㎜ 7 8 9 lz 11 12 13 14 ・5㎜m5 初z .い} 10:20 M..生.o.;身8.. 臼bpm 20148弓 図9 ホルター心電図によるSTトレンド AM 10:48にはSTの下降がみられるが,自覚はない(無症候性心筋虚血).

(7)

0.03),心電図の虚血性変化は,平均持続時間・平 均発現時間ともに両群問で差はなく,エソドル フィンの高いものは狭心痛が起こりにくいことを 示唆していると報告している.また,Falconeら17) も運動負荷前の血漿エンドルフィンは狭心痛のあ る症例では22.5+19pg/ln1,無症候群の症例では 43.7+28pg/mlと有意差を認めた(p<0.001).こ れは血漿エンドルフィンの基礎値が高いことが, 無症候性虚!血患者での痛みに対する感受性を低下 させる役割を果たしている可能性があると報告し ている. 一方,Hellerら18)は症候性,無症候性の虚血性 心疾患の患者と正常者の運動負荷前後の血漿エン ドルフィンを測定したが,運動中には血漿エソド ルフィンは上昇せず,負荷10分後に著明に上昇し ていたが,前記3群間では有意差はなかった.し たがって血中のエソドルフィン値は運動により生 じる心筋虚血による痛みの有無には関係していな いと結論づけている.胸痛閾値とエンドルフィン との関連が認められれぽ,SXや無症候性心筋虚 血の説明に好都合であり,今後の研究が待たれる 分野である.

4.無症候性心筋虚血(Sile皿t myocardial is・ chemia) 狭心発作の把握にホルター心電図が利用される ことが多くなるにつれ,心電図でSTの変化がみ られるにもかかわらず,自覚症として狭心痛を感 じない場合が非常に多いことが明らかになってき た,いわゆる無症候性心筋虚血と呼ばれているも のである.また運動負荷試験でも虚血性と考えら れるSTの低下を認めても,狭心痛のない症例も ある。図9は陳旧性心筋梗塞・狭心症の67歳男性 の症例のホルター心電図である.STトレンドで 明らかなように一過性のST低下を認めたが,胸 痛を自覚していない.この心電図変化は胸痛を自 覚した時のSTの低下と全く同じ波形であった. 同じ心電図変化でも心筋虚血の程度が異なるの か,その時により癖痛に対する閾値に差が出現す るのか,まだ未解決の部分が多い.糖尿病の症例 では無痛性の心筋梗塞が多いことはよく知られて いる.その理由として,痛みの認知の障害,糖尿 病性自律神経障害によるものと推定されてい る19).Chiarielloら20)はホルター心電図や運動負 荷でみられた一過性の心筋虚血発症率は糖尿病症 例に多く,そのなかで無痛性のものが糖尿病症例 では19例中10例,糖尿病のない症例では25例中5 例であり,糖尿病例に有意に多かったと報告して いる. カテコラミンや交感神経の刺激などでもST・T の変化がみられ,ST−Tの変化をすべて心筋虚血 で説明はできず,またストレスにより冠動脈の攣 縮も誘発される.したがって心電図のST−Tの変 化と心筋虚血,あるいは狭心痛の有無との関連に は種々の因子が複雑に関与しており,体液性変化, 自律神経や心因性反応なども含め,今後の研究課 題である. ま と め 狭義の胸痛症候群の中には,現在の冠動脈造影 では証明されないような,末梢循環の障害などに よる心筋虚血である場合,不整脈発作の場合,自 律神経機能異常や心因性反応の関与する神経循環 無力症あるいは心臓神経症など多様な病態を含ん でいると考えられる.従ってその鑑別診断は治療 や予後を含めて重要であり,種々の診断方法を組 み合わせる必要がある. 文 献

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参照

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