〔原 著〕 (東京女医大物第26巻第ユ2号頁627一一684昭和31年12月)
骨関箭結核の関笛切除術後のレ線学的観察
東京慈恵会医科大学整形外科学教室(主任片山良亮教授)相 澤 千
アイ ザワ チ代 子
H コ(受付 昭和31年10月10日)
緒 言
骨関節結核に化学療法を施した際のレ学的観察 の報告例は甚だ少い。殊に化学療法下に観血的手 術を施した際のものは皆無とも言う可きである。 Tuberculesis・ Study Secti on of the Divirc,ienof ReLseuarch Grants of the National ln・s−titu+.es・
of Healthi)の報告によるとSM投与開始後,3カ 月,6カ月,12ヵ月,15カ月にレ線検査を行うに SM投与群も非化学療法群も共に改善像を示し, 両群の間に本質的な差異を認めなかったと言う。 またR.1.Harris2)は骨関節結核のレ二三の変化 は肺結核のように速やかでなく,一定の変化をみ るには数カ月から年余を要すると述べている。片
山5)はSM投与開始後3年6カ月に亘って93例を
観察しているが,初期例では4∼6カ月で恢復の
徴を示し,7∼9ヵ月で骨硬化をみるが急性二二
では病勢の抑制に2∼3ヵ月,4∼6カ月で骨硬
化,7∼9カ月で骨新生をみると言う。また陳旧
例に於ては化学療法を施さないものとの聞に明かな区別は付け難いが1年以上も経過すると骨新生
の状況が稽著明になると言う。その他有泉4)はモ ルモットの人工関節結核についてレ線学的検査を 行っている。次に片山5)は骨関節結核の関節切除 術を行ったものにつき然らざるものと比較して骨硬化の発現は1∼2カ月,骨新生は3∼5カ月早
く起ると言う。さて以上の如くこの方面の研究は 今日の殺階では甚だi蓼々たるものと思われるので 著者は化学療法下に関節切除を行ったもの初期2 例,急性期7例,慢性期82例につきその経過を,最短4カ月∼最長6一年に亘り,夫々3カ月毎に
レ線検査を行い観察した。1 陳旧慢性期(24例)或は治癒期(2例)
の定型的関節切除例 (1)手術創の癒合状況 全例一期癒合。1例は術後3ヵ月で痩孔形成,術後2年2カ月で再発。
(2)合併症 術後2日結核性髄膜炎を併発した もの1例,術後35カ月で腎結核の併発ユ例あり。 何れも治癒し其後の経過良好。 β〉レ線所見 26例につき高高に要した日数の 平均値をみるに骨萎縮の恢復には3.5カ月,骨硬化に3.2カ月,骨新生に6カ月を要した。但し陳
旧な混合感染例では骨硬化等のレ線学的改善像が 早期に現われる傾向があるが,26例中の混合感染 例ユ6例と非混合感染例10例との聞には有意の差は 認められない。また,骨性癒合を来したものユユ例 についてみるに,癒合完了期の平均月数は23.2カ 月である。 症 例・ 症{列第1 姓名 新○井0 20才 ♂ 左股関節結核 既往歴,家族歴に特記すべきものなし。(以下特記す べきもののない場合は省略する。) 術前経過と症状 昭和25年4月頃から左下肢に,はじ めに膝,次いで左腰部,次第に左股関節に慈痛を訴え 同年8月受診。直ちに補助器装用。9月26日PAS* 開始。翌26年5月膿瘍形成。穿刺とPAS, TBi*, *PAS=パラァミノサリチ;レ酸, TBi=チビオン,Chiyoko AIZAWA (The orthopedic Depar’tment, Tokyo Jikei−kai .q,chool of Medicine) : Roentgeno]ogic observatio:qs on tuberculous bones and jeints after joint resection.
PC*洗面を行うに同年7月痩孔形成。葡自国感を証 明す。同年11月入院。PAS終了,12月3日からSM 投与,16 Hの後手術。凄孔は手術直前に閉鎖。大腿骨 々頭部に軽度の圧痛。肢色差なし。肢位は強度の外旋 位。屈曲外転白鳥限,内外旋は略正常。赤沈値1時聞 6,2時間8。(以下赤沈6と8と略記)レ線所見: (以下レ線:と略記)骨盤から大腿骨にかけて中等度 の骨萎縮を認む。骨頭及び頸部は著しく破壊し,蓋組 曲と大転子尖端をもつて相接し,体重を支えていると 思われる。同臭には軽度の督新生をみる。 手術時病期 陳旧慢性期 手術月日 昭和26年12月18日 手術民謡定型的切除術 手術所見 Ollier皮切。大転子の前後より骨幹の一部 に亘り,肉芽組織存在,関節窩に通ず。関節嚢は菲薄 で暗紫色を呈す。之を開くに乾酪様物を含む膿汁を誹 出。骨頭を出すに関節腔は肉芽組織と乾酪様物を以て 充満。関節軟骨は殆ど消失し,円靱帯は弛緩性肉芽組 織となって存在。骨頭は圧平され頸部を取巻いて肉芽 組織と乾酪様物を認む。骨頭下に骨頭を切除するに全 く骨疎霧。骨頭の前表面と関節窩に骨潰瘍。肉芽,乾 酪様物を除去し,骨頭を整復。 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合,術後24日でSM終了。次でT Bi再投与。術後1ヵ月補助器装用。術前から多少微 熱あり,術後この傾向著明となる。肺浸潤合併の疑い あり。赤沈10と20。レ線:骨頭が切除され,辺縁の輪 廓明瞭。 術後2∼3ヵ月 経過良好。術後1ヵ月半で退院。 赤沈2と6。レ線:切除部辺縁は硬化様。大転子の頂 点と寛骨愚書鍔は互に相接し,その部に骨硬化を認 む。 術後4∼6ヵ月 経過良好。術後6ヵ月で患肢起立可 .能。レ線;術後4ヵ月で萎縮の恢復と辺縁の硬化。術 後6ヵ月で硬化の増加と軽度の骨新生を認む。 術後7∼9ヵ月 経過良好。レ線;切除部の硬化著明 で骨新生も叉著しい。 術後10∼12ヵ月 経過良好。ン線:前垂。 術後13∼15ヵ月 経過良好。術後13ヵ月INAH投与開 始。術後14ヵ月で補助器除去。レ線:骨頭並に大転子 に骨性癒合取回。 術後16∼18ヵ月 経過良好。レ線:骨性癒合の増加。 術後19∼24カ月 経過亀鑑で全く苦痛なし。赤沈2と 11。レ線:骨性癒合完了。骨新生著明。 剃寸感25∼30ヵ月 経過良好。 術後31∼36ヵ月 経過良好で全く苦痛なし。屈曲10。 *PC・=ペニシリンQ 位で強直,3cmの肢長差があるが歩行時には何も感じ ない。坂道を上る時に少し不自由である。しかし最近 は階段へ足を交互に運ぶ事が出来る。赤沈2と4。v 線:前面。 症例第2 姓名 上○条0 38才 ♂ 左股関節結核 既往歴 22才の一樹湿性肋膜炎。 術前経過と症状 11年前左大転子結核。1年前より同 君股関節結核。昭和26年6月入院。股関節内側に膿 瘍,痩孔あり,葡菌濁感を認む。牽引施行,7月23日 よりTBi開始。膿瘍に穿刺数回後痩孔形成。8月29 日よりTBi中止してSM開始,1日0。5gを15日聞投 与の後手術。赤沈84と110。ン線:転子下部から骨頭 にかけて,広範な骨萎縮。殊に大腿骨頭と寛骨臼が著 明。輪廓は不鮮明。関節裂隙は殆ど見当らない。大転 子部に増殖性の骨病変を認む。 手術時病期 陳旧慢性期の再発 手術月日 昭和26年9月13日 手術術式 定型的切除術 手術所見 関節腔内には肉芽組織が充満。骨頭は全く 疎籟化し,所々に肉芽組織と少量の乾酪様物質を認 む。大転子部に肉芽及び小腐骨を認む。 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。術後25日でSM終了。次でT B1再投与。 術後2∼3ヵ月術後2ヵ月で小痩子L形成。レ線:大 腿骨頭は骨頭下で切除され,頸部で寛骨臼を支える。 輪廓は明瞭化し硬化様。萎縮稽恢復,寛骨臼蓋蝿部に 骨新生像を認む。 術後4∼6ヵ月 痩孔爾存在。排膿ごく少量。レ線: 大腿骨指頭の輪廓並に寛骨臼は何れも明瞭化し,前回 に於ける寛骨臼蓋蟷に於ける骨新生像は益々明瞭化 す。 術後7∼9ヵ月 術後7ヵ月鐙除去。術後9ヵ月疲孔 閉鎖,レ線:切除部辺縁精硬化様。僅かに骨新生。寛 骨臼の輪廓明瞭。骨萎縮の恢復も梢見られる。 術後10∼12ヵ月 術後10ヵ月補助器短縮。赤沈10と 22。レ線:全体に輪廓明瞭となり骨頭部骨新生も明ら かとなる。 術後13∼18ヵ月 股関節20。の運動性あり。腰筋痛発 現するも臨床的に特別の変化なし。術後15ヵ月で股関 節の補助器除去。レ線;骨硬化増加,萎縮恢復,骨新 生も著明,骨頭の接する部に新らしい関節窩が出来て 来た。 術後19・)24ヵ月 経過良好,大転子周囲筋肉も力強く なり自動運動も強力となる。赤沈12と25。レ線:周辺 の骨萎縮も恢復。 一 628 一
術後25∼30ヵ月 経過良好Qレ線:骨硬化並に骨新生 が著明となり関節窩の新生をみる。運動は屈伸内外転 及び内外旋何れも軽度可能。 術後31∼36ヵ月 経過良好。レ線:前同。関節の新生 像が著明となる。 術後37∼42カ月 全く障害なく経過良好。赤沈20と 40。レ線:大腿骨頭部の切除部辺縁は骨硬化と骨新生 が著明となり,臼蓋部も新関節形成の形を完了する。 症例第3 姓名 !J・○室0 17才 ♀ 右肘関節結核 術前経過と症状 昭和25年4月肋膜炎。次いで7月頃 より右肘関節に腫脹痙痛。昭和26年に1ヵ月,同27年
に2ヵ月PAS服用。27年6月榔診。右肘関節は約
160。の屈曲位。軽度の腫脹と熱感。肘頭に圧痛。自動 運動は160Q∼90。まで可能。前腕回旋は懸度に障害。 赤沈59と89。同年8月入院。肘頭部の骨髄穿刺を同年 6月,8月及び9月の3回施行し結核菌陰性。9月9 目骨髄炎の診断下に手術。肘頭部3個の骨髄穿刺癩痕 部に乾酪様物質を認め,結核の疑を以って術後4日か らINAH投与。術後10日に擁:孔形成。術後24日で退院 するも爾後二七は閉鎖せず,かつレ線では広範な骨萎 縮の増加を呈し,細菌学的,組織学的にも結核を証明 し得たので再手術の目的で入院。28年3月INAH投与 6ヵ月で手術。レ線:上腕骨前腕骨は何れも骨萎縮著 明。尺骨は肩骨から半月状切痕に亘り病的骨破壊と透 明巣を認む。上腕骨滑車も僅かに破壊を呈す。関節腔 は殆ど認めず。 手術時病期 陳旧慢性期 手術月日 昭和28年3月10日 手術々式 定型的関節切除術 手術経過 Lange氏皮切。痩孔は前回の骨切除部に達 し,乾酪様物,結核性肉芽を充満。之を別出し肘頭を 冠状突起下に切除。周囲組織を廓清し肘関節を直角, 前腕は廻旋中吊位に,肩より中手指関節に及ぶギプス 包帯。 術後経過 術後1ヵ月一期癒合。赤沈値13と26。経過良好。手 術後21日退院。INAHを継続。レ線:肘頭は根部から 切除され,関節面は明瞭化す。 術後2・v3ヵ月 局所の経過良好。自発痛,圧痛共に なし,屈曲110。位で僅かに可動性。赤沈17と30。レ 線:切除面に中等度の骨硬化を見るも部分的には尚な お骨萎縮著明。 術後4・v6ヵ月,経過臭好,1100位で運動範囲は稚増 加。赤沈25と52。術後4ヵ月でINAH*中止。現在の *INAH=イソニコチン酸ヒドラチド 補助器ではやや鈍角位を呈するので直角位の補助器に 作り換えかつ之を短縮する。レ線:切除縁の硬化を増 加Qまた関節腔がやや広くなる。 術後7∼9ヵ月 経過臭好。再発傾向なし。赤沈14と 30。術後8ヵ月からINAHを再投与。レ線:切除面は 硬化を増すと共に軽度骨新生をみる。 術後10∼12ヵ月 経過良好。赤沈22と30。レ線:関節 裂隙の輪廓は明瞭にかつ広くなり骨款生をみる。骨萎 縮も著しく恢復。 術後13・一15ヵ月 局所の経過良好。術後14ヵ月頃より 右頸部淋巴腺結核を発生。赤沈12と27。 術後16∼18ヵ月 局所の経過良好。赤沈36と59。術後 16ヵ月補助器を全く除去。術後17カ月頸部淋巴腺結核 思出術を施行。創は一期癒合す。骨萎縮の恢復は更に 著明。 症例第4 姓名 小○林0 22才 ♀ 宏足関節結核 術前経過と症状 昭和23年10月左外躁部に腫脹出現。 24年5月内躁に波及。25年1月歩行した為腫脹増強。 年月2同入院。穿刺数回の後痩孔形成。同年3月膿瘍 別出術を行うも不成功に終り其後も乾酪様物多量を含 む排膿中等量あり。同年5月26ElよりSM開始,1日 1gを14目間投与して手術。術前,痩孔は多少縮小し 分泌物減少す。レ線:下腿及び足には高度の骨萎縮あ り。各関節面は不鮮明となるも特に著明な骨破壊な し。 手術時病期 陳1日慢性期 手術月日 昭和25年6月8日 手術々式定型的無期術 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。術後26目でSM終了。次でT Bi開始。赤沈22と51。レ線:距骨,脛骨の内躁及び 外躁関節面は切除さる。 術後2∼3ヵ月 異常なし。レ線:切除部辺縁に軽度 の骨硬化を認め骨萎縮は相当に縮小される。但し脛骨 甲唄穎の底部及び滑車の表面に小豆大又は米粒大の辺 縁稽明瞭な病巣あり。 術後4∼6ヵ月 経過良好。レ線:脛骨脛側穎の底部 における骨破壊と振われる部は消失し脛骨の関節面, 距骨関節面に骨新生。切除面に沿う骨硬化著明。 術後7(・9ヵ月 術後9カ月半でTBi中止。 レ線: 切除面の辺縁は前回よりも稽明瞭化。 術後10∼12カ月 経過良好。レ線:切除面の辺縁は更 に明瞭化を来す。 術後13∼12カ月 経過良好。僅かに可動性あり。赤沈 6と20。術後15ヵ月で補助器を短縮。y線:骨梁はよ ほど太く明僚化して骨端中節における骨の萎縮は余程 一 629 一恢復している。骨新生としは明らかなものなし。 術後19∼24ヵ月 経過奥好。赤沈5と10。レ線:関節 面の骨性癒合著明。骨萎縮は余程恢復す。 術後25∼30ヵ月 経過良好。レ線:骨性癒合,骨萎縮 の恢復は更に著明となる。 術後31∼36ヵ月 経過良好。レ線:切除部辺縁は硬 化,新生,萎縮の恢復著明。関節裂隙は殆んど認めら れない。 術後37∼42ヵ月 経過良好。赤沈8と18。補助器を除 去し始む。レ線:前同。 術後43∼48ヵ月 経過良好。 術後49∼54カ月 経過良好。術後4年半で補助器を完 全に除去Q足関節は全く不動。但し足根骨或は中足骨 面の運動で代償され自動運動稽可能。赤沈25と39。レ 線:前同。 症例第5 姓名 斎○藤0 24才 ♂ 右肘関節結核 術前経過と症状昭和24年4月右肘を打って以来,同 関節部に腫脹痙痛あり,25年2月受診,入院。右尺骨 頭両側に腫脹あり,波動を認む。右肘関節は屈曲15e。 以上不能。’廻旋殊に外旋障害著明。3月3日よりSM 投与,1回0・259を週2回設与し3週の後手術。レ線: 尺骨頭に比較的限局している梅実大の病的透明の部を 認む。一部は半月状切痕の軟骨と,一部は尺骨頭を破 壊する。病的透明部の周辺部に骨硬化。上腕骨及び擁 骨の関節面は異常なし。 手術時病期 嘉日慢性期 手術月日 昭和25年3月22日 手術々式定型的切除術 術後経過 術後1カ月 一期癒合。術後1週聞でSM終了。術後 1ヵ月で退院。赤沈36と76。 術後2∼3カ月 経過良好。レ線虫は切除部辺縁が比 較的不明瞭。但し術前に比し病巣の拡大と認められる ものはない。 術後4∼6ヵ月 肢位90。運動は僅かに可能。赤沈18 と40。レ線:手術部の輪廓は明瞭となり,周辺の硬化 増加。 術後7∼9ヵ月 手術創良好。運動範囲増加。赤沈18 と34。レ線:骨萎縮軽度恢復。 ・ 術後10∼12ヵ月 異常なし。赤沈44と59。レ線:切除 病巣は縮小し,辺縁硬化増加。 術後19∼24ヵ月 異常なし。 術後25∼30ヵ月 異常なし。INAHを1カ月服用。 術後31∼36ヵ月 異常なし。 術後37∼42ヵ月 創良好。尺骨頭部に圧痛あり。頸部 淋巴腺炎あり。自動運動軽度可能。赤沈26と50。レ 線:切除部の修復は著明ではあるが上腕骨の関節面に 破壊と思われる像を認む。骨萎縮の恢復は悪い。 術後43∼60ヵ月 経過良好。 術後61∼66ヵ月 経過良好。運動範囲増加す。補助器 は筒装用中。レ線:上腕骨関節面に軽度の骨破壊を有 するも,全体的に骨硬化を呈す。 症例第6 姓名 鈴○義0 48才 ♂ 右手関節結核 既往歴 約9年前肺結核。 術前経過と症状 昭和25年より右手関節に疹痛。27年 3月擁骨側に痩孔形成。前腕の廻外制限著明。同年6月 23日よりSMO.59,28日越投与して手術。 y線:擁骨 及び尺骨下端は部分的に破壊を呈す。殊に擁尺関節に 離解が生じ,その間に腐骨を認む。舟状骨の中枢例に 骨破壊。骨萎縮は手関節部と手指骨部に比較的限局す る。 手術時病期 陳旧慢性期 手術月日 昭和27年7月22日 手術々式 定型的切除術 手術所見 関節嚢を開くに,擁尺関節部に乾酪様物を 有する病巣あり。又手関節の絨毛膜は結核性病変を有 し,肉芽組織で蔽わる。尺骨の擁骨側,擁骨の尺骨側 と擁骨面,舟状骨並に有頭骨に骨破壊を有す。依って 擁骨尺骨遠側端の病巣部を含み切除し,同時に舟状骨 有頭骨を切除す。 術後経過
術後1ヵ月 一期癒合。術後12目SM終了。次で
INAH。レ線:面骨尺骨の下蝿,手根骨の中枢側が部 分的に切除されている。骨萎縮著明。 術後2∼3ヵ月 術後2ヵ月半INAH終了。レ線:切 除部の輪廓明瞭となり骨萎縮も稽恢復。軽度の骨新生 を認む。 術後4∼6ヵ月 経過潮嵐。レ線:切除部辺縁に軽度 の骨新生。 術iXt 7 ・V 9ヵ月 経過良好。レ線:骨萎縮の恢復。骨 新生増加。 術後10∼12ヵ月 術後12ヵ月補助器除去。レ線:手根 骨,擁骨の切除雨間に骨性癒合を来し始む。 術後13∼18ヵ月 術後13ヵ月補助器除去。次第に手を 動かし易くなる。赤沈85と108。レ線:骨性癒合更に 著明となる。 術後19∼24ヵ月 日常動作に殆ど障害なし。殊に回旋 運動良好。赤沈50と80。ン線:骨萎縮恢復著明。面骨 と手根骨との骨性癒合益々著明となる。 術後25∼30ヵ月全く普通の仕事に従事す。「赤沈25と 63。レ線:前同。但し尺骨は尺側に脱臼位を呈す。前 腕骨は骨硬化著明だが手部には未だ骨萎縮を残す。 一 680 一症例第7 姓名 関○根0 26才 ♂ 左股関節結核 既往歴 昭和17年強乾性肋膜炎。 術前経過と症状 昭和24年8月頃より股関節痛発現。 歩行不能,股関節結核の診断を避く。半年懐妊孔形 成。1年後自然閉鎖。26年10月入院。牽引施行,10月 27日SM開始。1日0.5g,19日投与後手術。右股関節 は45。屈曲位固定。自発痛等幾分軽減。赤沈10と30。 レ線:骨頭は一般に硬化様で寛骨臼藍騰の部には骨新 生像を認む。 手術時病期 陳旧働生期 手術月H 昭和26年11月15日 手術々式 定型的切除術 手術所見 OIIier皮切。関節腔に入るに大転子はi萎縮 性で容易に墜切さる。大啓筋,小啓筋,中啓筋共癒着 あり,剣離困難。股関節部は骨頭外側に関節嚢の遺残 せるを認む。関節裂隙には乾酪様物,腐骨,肉芽を認 む。寛骨臼蓋には所々に穴を有し,中に乾酪様物,肉 芽,腐骨を認む。大腿骨頭を切除す。断面は脂肪髄と なるも相当に硬い。頸部内側のものは肉芽組織の相当 に線維化したものであった。関節裂隙を清拭,寛骨臼 蓋を可及的に掻爬,骨頭は鐘磨を施す。 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。術後21日SM終了。次でTBi 7El間投与。赤沈110∼129。レ線:骨頭は頸部の一部 を残して切除され,遺残頸部が整復されている。輪廓 は一般に明瞭。 術後2∼3ヵ月 創の経過良好。赤沈50と80。ソ線: 切除部辺縁益々明瞭化,萎縮稽恢復。 術後4∼6ヵ月 経過臭好。術後6ヵ月補助器短縮。 レ線:切除部辺縁骨硬化像。全体の骨萎縮も稽恢復 す。 術後7∼9ヵ月 術後9ヵ月補助器を勝手に除去。レ 線.骨新生が切除辺縁に出現。 術後36ヵ月 経過良好で術後1年以来就職し,以前よ り激しく謡いた。肢位屈曲30Q,軽度の運動性あり。 便所でしゃがめないのが不自由。赤沈10と30。 症例第8 姓名高○橋0 20才 ♂ 右股関節結核 家族歴 姉,肋膜炎,妹,胸椎カリエスで療養中。 術前経過と症状 昭和24年右股関節を打撲後就寝時牽 引痛を覚えた。其後疹痛は一蒔緩解したが,26年1月 頃より長時間の歩行,起立時に落痛あるに気付く。某 医により股関節結核と診断されギプス固是。同年7月 当科受診。右大転子部に軽度の自発痛と圧痛あり。骨 頭は落痛なし。運動制限軽度。股関節穿刺液の結核菌 陰性(培養法)。化膿性股関節炎として入院。Pcとサ ルファ剤投与2週間。次で穿刺液に乾酪様物少量を認 め,SMO.25gの関節内注入を数回行う。同年10月29
日よりTBiを4ヵ月間投与。11月14日TBi中止し
SM開始。1日O. 5gを34日間投与し中止。27年2月6 日よりSM再投与,11日聞投与して手術。レ線:骨萎 縮は相当著明。殊に骨頭,頸部,転子部に見られ,寛 骨臼蓋には梅実大の辺縁稽明瞭な病的晦冥巣をみる。 手術時病期 陳旧慢性期 手術月日 昭和27年2月16日 手術々式 定型的切除術 手術所見 Ollier皮切。関節嚢を開くに,関節軟骨は 全く消失。関節腔は殆ど肉芽組織で満され,乾酪様物 を殆ど認めず。骨頭の表面には骨潰瘍と分界線の不充 分な腐骨,之に対応する臼蓋には肉芽を充す骨凹窩あ り。その周辺は一般に骨硬化様像を呈す。次で骨頭下 で骨頭を切除するに骨疎霧を呈す。臼蓋の一部を墜卜 して病巣部を掻爬。叉骨頭部切除面と大転子切除面の 聞に新しい骨創を作製し,上記の臼蓋の骨創に接着せ しめ,此所を体重支祷点とせんとす。 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。術後1C日SM終了。レ線:大 腿骨頸部の中央から切除され,辺縁明瞭。前記寛骨臼 内の病巣も掻爬され,辺縁硬化増加。 術後2∼3ヵ月 経過良好。赤沈2と6。術後3ヵ月 よりTBi再投与。レ線:切除部辺縁が稿丸味を帯び 輪廓明瞭。寛骨臼蓋には骨硬化増加。萎縮稻恢復。 術後4∼6ヵ月 経過良好。赤沈2と4。レ線:軽度 の骨新生。切除部辺縁の骨硬化は増加。 術後7∼9ヵ月 経過良好。術後7ヵ月患肢起立−可 能。軽度の運動1生あり。術後7ヵ月INAH開始。赤沈 2と4。レ線:頸部の切除縁は硬化様で骨新生ありと 思われる。臼蓋の輪廓も明瞭。 術後10∼12ヵ月 経過良好。赤沈2と5。レ線:骨新 生が更に明瞭となる。 術後13∼18ヵ月 経過良好。術後15ヵ月でINAH中 止。術後18ヵ月補助器除去。赤沈4と8。レ線:前 年。 術後19∼24ヵ月 経過良好。全く障害なし。赤沈3と 19。レ線:一同。 術後25(・30ヵ月 経過良好で普通入の歩く範囲は平気 である。 術後31∼36ヵ月 僅かに可動性を有し,膝関節さえ完 全に屈曲が出来たならば正座が可能と思われる。半日 位歩き廻っても支障が無い。赤沈20と28。レ線:切除 部辺縁並に寛骨臼の骨硬化の増加 症例第9 姓名 立○川0 7才 ♀ 右股関節結核 一 681 一術前経過と症状 昭和21年発病。23年補助器を装用す るも25年5月塵孔形成。其後自然閉鎖,同年8月当科 需診。12月入院。右股関節は90。屈曲位。右大腿上外 側部に多数の耳孔漂痕あり。2.5kgの持続牽引施行。 同月7目PAS投与開姶。20日で手術,赤沈73と92。 レ線:大腿骨頭部,頸部の一部分並に寛骨臼底から臼 蓋にかけて骨破壊を認む。輪廓甚だ不鮮明。殊に大腿 骨は大腿骨頸部から転子下部にかけて著しく骨疎霧。 但し,大腿骨頸部の下縁が稽硬化様。 手術時病期 陳旧慢性期 弓…制守月日 昭和25年12月16日 手術手録定型的切除術 手術所見 骨頭は寛骨臼と線維魁癒着をなす。膿,肉 芽,乾酪様物を全く認めず。骨頭の大部分は結合織性 膜で蔽わる。但し,大腿骨頸部上縁に魏豆大の腐骨と 之を囲吊する極微量の乾酪様物,肉芽組織を認む。骨 頭の上縁は凹凸不平で関節軟骨を全く有せず,棍棒状 をなす。 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。手術直後からSM, PAS併 用,3遁の後SM, TBi併用。赤沈52と73。レ線:大 腿骨頸部は下半分が残され一般に硬化性,輪廓明瞭。 寛骨臼底から臼蓋にかけての骨破壊部も輪廓明瞭化し ている。頸部,転子下部にかけての骨疎憲の像は前回 よりも著しく恢復。寛骨臼蓋雌蝶に大豆大,辺縁明瞭 な透明像を認む。 術後2∼3ヵ月 経過良好。術後40日SM終了。 TBi 単独投与。補助器を装用,術後1ヵ月半で退院。赤沈 46と55。 術後7∼9ヵ月 経過良好。軽度の屈曲位にあり運動 性なし。赤沈54と86。レ線:手術により取残された大 腿骨頸部の一部は相当小さくなって,硬化が著明。頸 部の小さくなったのは吸収されたものと思われる。寛 骨臼蓋,臼底にかけての破壊部辺縁も明瞭となる。大 転子と寛骨臼蓋の部に骨性癒合。 術後10∼12ヵ月 経過良好。レ線:寛骨臼底の輪廓は 更に明瞭化し,大腿骨頭は太さを増し,骨萎縮は全体 に恢復,骨性癒合を認む。 術後!3∼18カ月 経過良好。運動il生僅力〉に存す。蹴 15と33。レ線:頸部の切除縁並に頸部全体は硬化性。 大転子尖端と寛骨臼朝粥は正に骨性癒合を営んだ感あ り。骨新生をみる。 術後19∼24ヵ月 経過良好。軽度の運動性あり。レ 線:股関節全体の硬化増加,寛骨臼蓋騰と大転子との 骨1肚癒合は著明となる。 術後25∼30ヵ月 経過良好。 術後31∼36ヵ月 経過良好。患肢起立可倉旨。軽度屈曲 位で運動性は稻増加す。レ線:切除縁は輪廓明瞭硬化 様。骨新生を認む。 術後37∼42ヵ月 経過良好σ運動性稽増加し正座歩行 殆んど不自由なし。術後37カ月補助器を除去。赤沈8 と24。レ線:骨新生増加。 術後43∼48ヵ月 軽度屈曲位で運動性は中等度。殆ん ど普通の活動をする。レ線:前仏。 症例第10 姓名 多○田0 49才 ♀ 右手関節結核兼右膝関節 結核及び1∼IV腰椎カリエス。 既往歴 17才と27才の時腹膜炎。 術前経過と症状 昭和24年2月手関節腫脹し機能障害 を来す。同年6月号診。結核性腱鞘炎の診断下に補助 器装用。同年9月右膝関節結該及び1∼W腰椎カリエ ス発病。25年2月右膝関節結核でSM投与下に関節切 除術。同年6月右手関節部に膿瘍形成。穿刺するに濃 厚膿少量,TB菌陽性。同年7月亀背に気付き間もな く右腸骨窩に膿瘍形成を見るも1ヵ月余で消失。同年 12月前腕外側及び屈側に痩孔各1個。ついで26年2月 右手関節尺骨側に耳孔1個。多量の乾酪様物を排出。 脇寺なし。手関節部腫脹,殊に屈側に著明。圧痛なし。 n中指の屈曲不能。肺結核,腰椎カリエスと右膝関節 結核あり。同年3月15日入院,TB圭投与1ヵ月半。次 でSM1日G.59,27日の後手術。レ線=手根骨, IV, V中手骨底,尺骨の全関節面,擁骨の茎状突起部を除い た全関節面及び末梢擁尺関節に高度の骨破壌を有す。 又中手骨前腕骨には高度の骨萎縮を認む。 手術時病期 陳旧慢性期 手術月日 昭和26年5月30日 置隙々昏乱型的切除術 手術所見 擁尺関節には腐骨2個。手根骨部は肉芽で 埋めらる。擁尺関節面の下端掌骨中枢側に難を加えて 破壊部を切除,凡ての手根骨を算出。H皿掌骨底と調 車下端とを銀線縫合し軽度背屈位に固定。この際切除 した骨の短縮分だけ伸展腱の弛緩を見た。此部には今 後自家骨片を植えて長さの調節をする必要あり。 術後経過
術後1ヵ月 一期癒合。術後13日でSM終了TBi開
始。再び腰椎カリエスの膿瘍形成を見る。赤沈46と 76。レ線:手根骨の全部並びにIVV申手骨底部擁骨尺 骨の関節面等の骨破壊部は殆んど完全に切除さる。而 して擁骨尺骨の切除面は稽硬化様。 術後2∼3ヵ月 手術創経過良好。手関節は僅かに運 動性を有す。赤沈31と78。術後2ヵ月TBi終了しP AS開始。レ線:切除縁の輪廓は甚しく明瞭化且つ硬 化性となる。但しV及び且中手骨底に於て小豆大の辺 縁比較的明瞭,周辺硬化様の円形病的透明部を見る。 一632一叉鋤骨下端に於ても病的透明巣を思わせる所見あり。 術後4∼6ヵ月 手術創部経過良好。赤沈27と46。レ 線:豚骨下端V中手骨下端の病変は殆んど消失す。IV 及び互中手骨の病巣は稽縮小し周辺は著しく硬化様と なる。骨萎縮稽恢復。部分的に軽度の骨新生と癒着を 認む。 術後7∼9ヵ月 手関節膝関節は経過良好。腰椎カリ エスの膿瘍あり。赤沈67と8エ。レ線:骨性癒合を認 む。辺縁は硬化,骨新生を見る。 術後10∼12ヵ月 異常なし。術後10ヵ月PAS終了。 (8ヵ月服用) 術後13∼18ヵ月 術後13ヵ月手背外側に掴指頭大の膿 瘍形成があったが1回の穿刺で消失。赤沈122と138。 術後19∼24ヵ月 完全に強直だが洗濯出来る。赤沈51 と74。レ線:骨萎縮の恢復爾充分でないが部分的には 骨硬化と骨新生を見る。 術後25∼30ヵ月 完全強直なるも近隣の関節はよく動 き日常生活に麦蛾なし。経過臭好。術後25ヵ月より INAH服用。赤沈7と18。レ線:擁骨と中手骨の切除 面に骨性癒合を認め萎縮は三章復す。 術後31∼36ヵ月 良性肢位に強直。経過良好。赤沈12 と29。レ線:骨萎縮は略恢復:し骨性癒合は完了する。 術後37∼42カ.月 経過良好。 術後43∼48ヵ月 経過良好。レ線:骨萎縮は略恢復し 骨性癒合は強固となる。 症例第11 姓名 多○田0 49才 ♀ 右膝関節結核兼右手関節 結核及び1∼IV腰椎カリエス。 既往歴 17才と27才の時腹膜炎。 術前経過と症状 昭和24年2月より右手関節結核。同 年9月より右膝関節の疹痛及び腰痛を訴う。25年2月 入院。右膝関節部腫脹疹痛あり。圧痛軽度。機能障害 なし。同月14日よりSM投与開始。1日0.5gを8日間 投与の後手術。赤沈37と61。レ線:脛骨内応に比較的 限局した長さ約3cm,幅1cmの病的透明巣あり一部 は皮質を破る。関節軟骨は病変部位に一致して剣離さ る。 手術時病期 陳旧慢性期 手術月日 昭和25年2月21目 手術々式 定型的切除術 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。術後20日でSM終了。赤沈60 と80。レ線:脛骨内穎の一部は関節軟骨と共に切除さ れ更に一月分は掻爬される。 術後2∼3ヵ月 手術創の経過良好。術後2ヵ月で退 院。赤沈73と95。レ線:手術部病巣自身の像は前同な るもその周辺に更に比較的限局した骨萎縮の病巣を認 む。 術後4∼6ヵ月 膝関節は経過良好なるも手関節結核 増悪し膿瘍を形成。術後4ヵ月よりTBiを投与。術 後5ヵ月頃亀背に気付く。聞もなく右腸骨窩に膿瘍形 成。1ヵ月余で消失。レ線:前回の切除部周辺の骨萎 縮は消失し広範囲に硬化の進行せるを認む。切除部辺 縁に軽度の骨新生あり。 術後7∼9ヵ月 経過良好。赤沈20と38。副作用のた めTBi中止。レ線:骨切除部の修復磯転は著しく進 行し何れの辺縁も:丸勝を帯び硬化様。周辺に近い骨梁 はやや著明となる。但し内顯全体にわたる骨萎縮は残 存す。 術後10∼12ヵ月 膝関節の経過臭好。手関節結核増 悪,画廊形成。赤沈56と80。レ線:骨切除部から暗闇 隆起下部に至る病的透明の像を認めるが周辺の輪廓は 明瞭。 術後13∼18ヵ月 膝関節の経過は良好。屈曲120。可 能。術後15ヵ月補助器を短縮。赤沈31と78。手関節の 痩孔から排膿多量。26年5月(術後15ヵ月)手関節切 除術。同年6月(術後16ヵ月,手関節の術後1ヵ月) 腰椎カリ=一スのため大腿外側上部に璽孔形成。この補 助器装用困難で一時勝手に除去。レ線:切除部から穎 間隆起に至る病的透明巣はその辺縁硬化様になりこの 部分にかつての病巣の拡大を確実にしているQ 術後19∼24ヵ月 手術創良好。屈曲稽可能。赤沈67と 81。レ線:心心隆起の病巣は更に拡大。但しその辺縁 は前回と同様稽硬化様。 術後25∼30ヵ月 術後28ヵ月右膝関節内側部に疲孔形 成2ヵ月の後掻爬により閉鎖。赤沈122と138。レ線: 語感隆起下部の病巣は限局す。 術後31∼36ヵ月 経過良好。レ線:硬化の増加。 術後37∼42ヵ月 膿瘍屡心なく経過良好。赤沈51と 74。術後40ヵ月よりINAH投与。レ線:脛骨関節面全 体から骨端中節にかけて不規則な骨硬化様変化を認め るが恐らく之は限局した病巣であろう。大腿骨脛骨の 骨萎縮は恢復せず骨新生を僅かに認む。 術後43∼48ヵ月 軽度の運動性あり経過良好。術後43 ヵ月で補助器を除去。赤沈7と18。レ線;骨萎縮の恢 復,病巣の限局化及び骨新生。 術後49∼54ヵ月 運動性増加し仕事に堪える。術後52 ヵ月でINAH終了。(1弱年服用)レ線:前同。 術後55∼60ヵ月 経過良好。レ線;骨新生著明。更に 治癒傾向を増す。 症例第12 姓名 中○野0 34才 ♂ 左股関節結核 術前経過と症状 昭和16年落馬し腰部打撲,4ヵ月入 院その後温泉治療。26年12月野球試合中左股関節に落 一 683 一
痛を覚え10工程安静を保つたが疹痛消遍しないので受 診。27年1月21日入院。SM1日0.5940日間,次で TBi 3ヵ月,INAH 1ヵ月投与。これより先,化学療 法施行中時々頭痛を訴えたが,ケルニッヒ徴候,項筋 強直なく股関節の痙痛激しく腰椎穿刺不能であった。 手術4日前より自発痛は軽減。大腿骨頭及び大転子部 に圧痛著明。膝蓋骨跳躍(±)。体温37∼38。C,赤沈 40と73。レ線:寛骨臼,骨頭の輪廓極めて不鮮明で関 節裂隙の境界も不鮮明。骨萎縮著明。 手術蒔病期 陳旧慢i生期の再発 手術月日 昭和27年7月24日 手術々式定型的切除術 手術所見 関節腔は肉芽組織の増生のみで乾酪様物並 に膿汁を認めず。臼と骨頭は軟骨が破壊消失,骨組織 が露出し肉芽組織で蔽わる。 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。手術第2日,42。Cの発熱と共 に激しき頭痛嘔気を以って結核性脳膜炎を併発。SM lgを皮下に,0.1gを脊髄腔に注射。16日聞毎日,』 その後隔日に腰椎穿刺排液及びSMの髄腔内注射を続 行。症状は次第に良好となる。 術後2∼3ヵ月 筒隔日の腰椎穿刺及びSMの髄腔内 注入を続行。ソ線:切除部辺縁は硬化を呈す。萎縮稽 恢復。 術後4∼6ヵ月 股関節の経過良好。術後5ヵ月補助 器短縮。頭痛耳鳴重聴等の副作用発現したので腰椎穿
刺とSM注入を週2回に減じ術後3ヵ月半以降SM注
入を中止するに上記症状消解す。以後2週目に腰椎穿 刺。 術後7∼9ヵ月 INAH 25mg(1 cc)を脊髄液1・5cc に混じ注入を隔日に18回。頭痛,難聴よほどよくなり 一点を擬視出来るようになった。患肢起立術後7ヵ月 で可能。術後8ヵ月退院。赤沈4と12。レ線:切除部 辺縁の骨硬化は著明。新関節も既に完了したと思われ る。 術後10∼12ヵ月 経過良好。僅かに可動性。赤沈5と 15。レ線:切除縁は輪廓明瞭で硬化様。部分的骨新 ・生。 術後13∼18ヵ月 盧かに可動性。特別に障害ないが患 肢短縮と膝関節運動制限が不自由。耳鳴は幾分ある。 術後14ヵ月補助器除去。レ線:寛骨臼縁,切除縁の硬 化は更に明瞭化。 術後19∼24ヵ月 運動陛中等度。落忌なく日常動作殆 んど不自由なし。耳鳴,頭痛は時々ある。レ線前盛。 術後25∼30ヵ月 運動性中等度。障害なく歩行2∼3 里平気。歩行時僅かに患側肩が下る。レ線:前壷。 症例第13 姓名 新○関0 28才 ♀ 左足関節結核 既往歴 10年前及び4年前に肋膜炎。 術前経過と症状 昭和24年12月左足関節を捻挫し以来 腫脹痙痛。翌年7月外躁に痩孔形成。同年11月受診。 足関節部腫脹。痩孔1個,運動性を有す。赤沈17と 37。同年12月補助器を装用。同月14日入院。18目より SM開始,、1日1gを30日聞投与して手術。 v線:下 腿下部以下に高度の骨萎縮。殊に足根骨部は急性萎縮 め状を呈す。骨破壊は脛骨腓骨距骨の関節面のみに限 られ滑液膜型の進んだものと思われる。 手術時病期 陳旧慢[生期 手術月日 昭和26年1月16日 手術々式定型的切除術 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。術後10日でSM終了。次でT Bi,経過良好で術後1ヵ月松葉杖で歩行開始。術後2∼3ヵ月 TBiを1ヵ月問で中止。術後2ヵ
月で補助器完成して退院。赤沈5と12。v線:骨萎縮 は前回よりも稽進行。 術後4∼6ヵ月 経過良好。レ線:切除面は僅かに硬 化性となり骨萎縮も少しく恢復。 術後7∼9ヵ月 経過良好。レ線:萎縮は著明に恢 復。骨硬化と僅かに骨新生。赤沈13と33。 術後10∼12ヵ月 足関節幾分圧痛あり。赤沈8と26。 レ線切除縁に骨性癒合をみ誉める。 術後13A・18ヵ月 全く運動性なし。腫脹,疹痛はなく 補助器装用中。赤沈4と20Qレ線:骨性癒合更に顕著 となる。足根骨中足骨の骨萎縮は左程の恢復に至ら ず。 術後19∼24ヵ月 全く不動。術後2年で補助器除去。 赤沈ユ0と23。レ線:骨性癒合更に進行。足根骨中足骨 の骨i萎i縮は相当恢復した。 術後25∼30ヵ月 経過良好。レ線:骨性癒合完了。 術後30∼36ヵ月 臨床症状全く治癒す。赤沈3と11。 レ線:前回。 症例第14 姓名 新○美0 49才 ♂ 左足関節結核 術前経過と症状 昭和25年10月左足関節部を打撲し約 1年後同部に腫脹慈痛発現Q某医により骨膜骨髄炎の 診断下に手術。創閉鎖せず再手術せるも尚創の閉鎖を 見ず当科受診。27年8月同様診断下に第3回手術。其 後経過順調であったが同年10月15日発熱,38.9。C 2 日続いた後足背の腫脹増強,手術創の約%吻開排膿多 量。直ちに入院。Pc 350万投与。同年11月27日骨膜骨 髄炎の診断下に手術。術前,‘足背部に2個の痩孔。排 膿志んどなし,腫脹著明にして発赤あり。腓側躁の前 方2cmの部及び舟状骨部に圧痛あり。三関節は直角 一 684 一位に強直。運動は痙痛のため殆んど不能。葡菌陽[生。 レ線:距骨頭舟状骨に高度の骨破壊あり。全体に骨萎 縮が極めて著明。 手術時病期 陳旧慢性期 手術月日 昭和27年11月27日 手術旧式 定型的切除術 手術所見 内側部施主に破壊物多量に存在し骨髄炎よ りもTBが考えられる。この部を可及的掻爬。一方外 側皮切で皮膚を開くに肉芽組織は後方の病巣部に連絡 す。三関節を展開し距腿関節を露出し関節面を墾切後 掻爬す。痩孔内の破壊物は蛍光法培養共にTB菌陽 i陛。 術後経過 術後1カ月 一期癒合。手術当日よりINAH開始。赤 沈6と11。レ線:距骨頭,舟状骨の一部が切除さる。 骨i萎縮は前項。 術後2∼3ヵ月 経過良好。ン線:距骨舟状骨が稽全 体に硬化様となっているのは栄養障害によるものであ ろう。他の骨の硬化は前同。 術後4∼6カ月 術後6ヵ月患肢起立可能。赤沈6と ll。レ線:距骨舟状骨の栄養障害像恢復。他の骨は前 歯。骨萎縮恢復し骨硬化。 術後7∼9ヵ月 経過良好。自動運動軽度なるも力強 し。INAH 9ヵ月で終了。レ線:全体的に骨萎縮の依 復と骨硬化。舟状骨の辺縁に塵かに骨新生を見始む。 術後10∼12ヵ月 経過良好。レ線:骨萎縮恢復し舟状 骨が周囲骨と癒合し始む。 術後13∼18ヵ月 自覚的障害なし。赤沈6と11。レ 線:骨萎縮更に恢復し舟状骨と隣接骨との癒合は略完 了。 術後19∼24ヵ月 中等度の運動性。何でも出来る。赤 洗2と5。レ線:足根骨は殆んど一塊となり立方骨踵 骨に僅かに関節腔を残す。 術後25∼30ヵ月 術後25ヵ月装具除去。ソ線;更に治 癒傾向著明。距腿関節にも部分的に骨性癒合。 症例第15 姓名 原○田0 14才 ♂ 左股関節結核 術前経過と症状 5才の時左股関節結核で2力年ギプ ス固定。其後大転子部に塵孔形成,約半年で閉鎖。7 ∼8才頃補助器を除去。其後再発す。昭和26年8月入 院。直ちにSM開始,1日9.59を26日投与後手術。 術前,左股関節は屈曲,内官,内旋位に固定。左大転 子下部に痩孔癩痕あり。大転子はR−N線上4cmにあ り,肢面差6cm。レ線:骨頭は殆んど破壊消失し,寛 骨臼並に骨頭の破壊部辺縁に限局性病巣を認めるが, 全体は硬化様。 手術時病期 陳旧慢性期 手術月日 昭和26年8月28口 手術々式定型的切除術 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。術後24日SM終了。
術後2∼3ヵ月 術後2ヵ月PAS開始。赤沈15と
34。レ線:寛骨臼,骨頭の切除面は一般に輪廓明瞭, 硬化様iとなる。術後4∼6ヵ月 術後4ヵ月PAS終了。赤沈27と
42。レ線:骨頭寛骨臼の切除部に寒く軽度の硬化。寛 骨臼蓋賞と頸部の基底部に於ては骨新生を起している と思われる。 イ将後7∼9ヵ月 経過罠」好。術後9ヵ月補助器短縮。 術後10∼12ヵ月 術後11ヵ月手術創の中央に小屡孔を 形成,但し消息子の挿入殆ど不能,排膿も殆んどな し。運動1性は全くなし。術後12ヵ月よりINAH投与。 (本邸は手術の際高度の骨疎懸を呈せり。)レ線:寛骨 臼藍,大腿骨頸部の間に骨性癒合を来したと思われ る。 術後13∼18ヵ月 塵孔尚存在。患肢起立可能となる。 レ線:寛骨臼と大腿骨頸部の骨性癒合は更に著明とな るQ 術後19∼24カ月 術後19ヵ月で痩孔閉鎖。完全強直。 術後24ヵ月で補助器を除去。赤沈16と32。レ線;関節 固定は部分的に完了。寛骨臼と大腿骨i頸部開に骨梁の 恢復を見る。活動性病変を認め難いQ萎縮も恢復。 術後25∼30ヵ月 経過良好。レ線:骨頭,大転子間の 骨性癒合は更に進行。骨梁の萎縮恢復。 術後31∼36カ月 経過良好。中等度の運動1生。赤沈6 と17。レ線:骨性強直増加。骨頭と寛骨臼の骨梁の走 行完全に移行。 症例第16 姓名 半0田0 22才 ♀ 右肩関節結核 術前経過と症状 昭和23年3月頃から右肩関節の倦怠 感,次で疹痛を訴え,7月頃より運動制限。(上肢挙 上90。以上不可能となる。)同年12月受診。直に補助器 装用。経過良好であったが自覚痛緩解し,24年4月許 可なく補助器を除去,日常の生活に従事し・た処,同年 7月右上腕中央,後外側に膿瘍,次で痩孔を形成,再 び受診。8月6日入院。化学療法なしに手術。右肩甲 部は筋萎縮著明。骨頭部に圧痛中等度。運動障碍高 度。上腕中央外側部に塵孔2個日排膿多量。緑膿菌混 感あり。レ線こ上腕骨外科頸以上と肩甲骨関節窩に骨 破壊があり,骨頭は既に原形を認めない。骨萎縮著 明。骨頭から解剖i頸に及ぶ病的透明像があり,境界明 瞭,稽硬化様。大結節,骨頭の骨破壊部の輪廓も明 瞭。但し骨頭内側に小腐骨の形成をみる。 手術時病期 陳旧慢性期 一 635 一手術月日 昭和24年8月16日 手術々式定型的切除術』 手術所見 関節腔内は肉芽組織と乾酪様物の混合した 壊死組織で充満。 (之は術前レ線像で予知出来なかっ た。)関節軟骨は全く破壊消失し,或は壊死軟骨とし て遺残。骨頭は全表面が結核性病変を呈する。骨頭を 大小結節の直Fで切除する。 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。手術直合からSMを1日1.Og 宛40日間投与。赤沈20と37。 術後2∼3ヵ月 経過良好。術後40日でSM終了,術 後2ヵ月で退院。赤沈8と23。レ線:上腕骨蝿頭は外 科頸上で切除され,関節窩,外科頸の切除部辺縁は明 瞭となる。但し外科頸切除部外側に病的透明の部を認 める。 術後4∼9ヵ月 経過良好。術後7ヵ月で補助器除 去Q赤沈2と11。レ線:上腕骨切断端の骨硬化は著朗 となり,墜状の骨新生を見る。上腕骨断端外側に病的 透明部を爾お認めるが限局され,縮小する。 術後10∼24ヵ月 経過良好。赤沈37と47。 レ線:切除部外縁にあった新しい病巣は修復されてい る。 術後25∼30ヵ月・経過良好。レ線:前回とほぼ同様で あるが切除部辺縁の骨新生が更に進捗。 術後31∼54ヵ月 経過良好で相当運動性あり。 症例第17 姓名 土○方0 35才 ♂ 左足関節結核 既往歴 昭和21年湿性肋膜炎。 術後経過と症状 昭和19年発病。23年補助器装用。24 年8月痩孔形成。SM 21 g投与。痩孔は1年余で閉 鎖。26年9月入院。左足関節は180。尖足位に強直,全 く運動性なし。小旗孔1個,排膿なく肉芽で蔽わる。 痩孔特異1個。自発痛なし。レ線:脛骨の下端と距骨 の滑車部は何れも骨破壊を認めるが輪廓は明瞭で硬化 様。9月13日SM投与開始,1日0.59を8日投与の後 手術。 手術時病期 陳旧慢1生期 手術月日 昭和26年9月20日 手術々式定型的切除術 手術所見 距骨は全く骨粗霧。関節腔には肉芽組織と 少量の乾酪様物が濃縮状となり筆軸は腓骨躁に交通す る。距骨滑車,脛骨脛時勢及腓骨躁の関節面を完全に 切除し,切除面に鑛磨を加え術を終る。 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。術後32日SM終了。赤沈52と 87。レ線;脛骨の関節面,腓骨の関節面は何れも広く 切除さる。骨萎縮はむしろ増加。 術後2(ノ3ヵ月 経過良好。蹴48と80。レ線:骨萎 縮稽恢復。 術後4∼6ヵ月 経過良好。術後6ヵ月で杖なし歩行 可能。レ線:全体に骨萎縮の恢復,切除部辺縁の硬 化。僅かに骨新生。 術後7・S・9ヵ月 術後9カ月で患肢起立可能。レ線: 切除部辺縁の硬化の増加。距骨の切除部辺縁の前方に 骨新生。 術後10∼12ヵ月 経過良好。v線:骨萎縮の恢復と骨 新生。 術後13∼18ヵ月 経過良好。患肢短縮の感じなし。術 後14ヵ月よりINAH開道。術後15ヵ月で補助器短縮。 赤沈34と71。レ線:骨i萎縮の恢復著明。骨新生も増加 し部分的に骨性癒合を呈す。 術後19∼24ヵ月 経過良好。筋力強く大抵の仕事が出 来る。薄墨殆んど正常。術後19ヵ月で補助器除去。レ 線:骨性強直が完了しつつあり。 術後25∼30ヵ月 軽度の運動性を有し,歩塵隠んど正 常で大抵の仕事が出来る。シ線:前同。 術後31∼42ヵ月 普通の仕事には何等の支障がない。 歩く事もどれほどでも可能。かけ足も可能。赤沈25と 60。レ線:前同。 症例第18 姓名 平○山0 20才 ♀ 左股関節結核 既往歴 昭和19年肺結核。 術前経過と症状 昭和21年10月転んで左股関節部をう つ。その後痛みがとれず,22年1月置膿瘍を形成し切 開を受け約2ヵ月で閉鎖。脱臼位をとり歩行困難とな り25年1月初診。25年3月31日入院。左股関節は伸展 位,90。外旋位。僅:かに可動性あり。肢長差2cm。持 続牽引を行い化学療法なしに手術。レ線:骨萎縮著 明。病的後方脱臼。骨破壊は比較的少なく蓋嚇部に筐 かな破壊をみるのみoi 手術時病期 陳旧慢性期 ,手術月日 昭和25年5月2日 手術々式観血的整復と定型的除術 術後経過 術後1ヵ月’一一期癒合。術後SM1日1gを20日間投 与。赤沈35と77。レ線では骨頭は整復される。
術後2∼3ヵ月 術後2ヵ月でTBi開始,2ヵ月半
で発疹の為中止。マッサt一ジ及び自動運動器による運 動開始。赤沈28と55。レ線:骨頭の輪廓は明瞭とな り,骨萎縮稽恢復。 術後4∼6ヵ月 異常なし。‘赤沈21と51。レ線:骨頭 から大腿骨頸部にかけ骨硬化著明。骨頭の輪廓明瞭。 狭い乍らも関節裂隙を形成する。 術後35ヵ月 腎臓結核併発,SM隔臼に19を30日聞。 一 636 一股関節の経過は良好で圧痛,軸圧痛なく,運動も軽度 可能。(返信に依る) 術後56ヵ月 (術後4ヵ月退院以来全く来院せず),経 過臭好。軽度の運動性あり。レ線:殆んど完全に膏性 癒合を呈す。 症例第19 姓名 堀○内0 12才 ♂ 右股関節結核 術前経過と症状 9年前(患者才の時)より右股関節 結核で補助器装用。2年の後許可なく之を除去するに 6年を経て昭和26年10月右鼠膜部に痩孔を形成。同年 11月初i診。12月よりTBi 4ヵ月聞投与。 f苛穿孔閉鎖 の目的でTuberflavlnの局注を2ヵ月間行う。27年 1月19日入院。葡菌類感を認め,Pc 350万投与するに 1月25日以降培養陰性となる。2月25日よりS Mes与 開始。3週の後手術。赤沈2と6。レ線:寛骨臼,大 腿骨の萎縮著明。寛骨臼は上方移動。大腿骨々頭並に 頸部の大部分は既に破壊消失。但し輪廓比較的明瞭。 手術蒔病期 陳旧漫性期 手術月日 昭和27年4月17日 手術々式定型的切除術 手術所見 0ユ玉ier皮切。大転子は寛骨臼蓋に接し頸部 並に骨頭は殆んど破壊消失す。寛骨臼内に乾酪様物を 混ずる肉芽組織を充す。上記の頸部,骨頭の破壊部辺 縁も肉芽組織中に存在する。寛骨臼蓋賞都は肉芽組織 で満される。小転子の下縁から鼠聡部に至る職蜂があ り,多量の乾酪様物質を満す。此等;の病的組織を除去 し大転子の尖端を寛骨臼蓋に衝突せしめ此所で骨性癒 合を来す様に試みた。 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。術後3週でSM終了。次でT Bi開始。赤沈8と20。レ線:大腿骨頸部の遺残部は 殆んど切除され,その辺縁は比較的明瞭。骨萎縮稽恢 復。 術後2∼3ヵ月 塵力〉に可動性Q 大転子部に圧痛あり。軸圧痛なし。術後2ヵ月退院。 赤沈2と6。術後3ヵ月手術創部に痩孔形成。レ線: 辺除部辺縁に骨硬化。大転子と寛骨臼蓋賞の部間に骨 1陞癒合をみる。 術後4∼6ヵ月 痩孔小豆大。肉芽良好で浸出液な し。赤沈1と5。術後3ヵ月でTBi終了。次でINAH 開始。術後3.5ヵ月に痩孔別出術。創は閉鎖す。v線: 骨性癒合は更に顕著となり,大転子部の骨新生は著明 になって来た。 術後7∼9ヵ月 創の経過良好。術後9ヵ月補助器を 短縮。赤沈1と3。y線:ほぼ前回。 術後10∼12カ月 経過良好。術後壮年でINAH終了。 赤沈2と8。レ線:切除部辺縁に軽度の骨新生。骨萎 縮稽恢復。 術後13∼18ヵ月 術後13ヵ月手術創の略中央に小痩孔 形成。痩孔別当術を行う。以後創は閉鎖し経過良好。 患肢起立可能。術後16ヵ月補勘器除去。中等度の可動 性。y尊像は前同。 術後19∼24ヵ月 創の経過良好。次第に内転位をとる が可動性は増加。赤沈2と4。レ線:骨新生骨硬化極 めて著明で且つ関節腔の形成をみる。 術後25∼30ヵ月 術後2年2ヵ月神経痛様落痛あり。 約2ヵ月間マイシリン投与するも術後2年4ヵ月で鼠膜 部に年賦形成。運動不能。同月Epiphysen klamerung を行う。レ線:一部に骨性癒合を認め,切除辺縁の骨 硬化は顕著。 術後2年5ヵ月で再手術。 症例第20 姓名 松○木0 17才 ♂ 右膝関節結核 術前経過と症状 昭和22年右膝関節挫傷。其後マッサ ージを受けたが恢復せず。25年2月右膝関節結核の診 断下に補助器装用。同年5月当科受診。右膝関節部は 紡錘形腫脹。伸展位強直。腓側上顯に庄痛著明。膝蓋 骨跳躍なし。同年10月よりTB1。26年4月入院,5 月4日よりTB1中止しSMI日0.5gを23日投与後手 術。術前,右大腿部に膿瘍あり,赤沈35と68。レ線; 脛骨,大腿骨の関節面は破壊されているが輪廓は比較 的明瞭。全体には骨萎縮が中等度。 手術時病期 陳旧慢性期の再発 手術月H 昭和26年5月26日 手術々式定型的切除術 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。術後17目SM終了。 TBi再 投与。 術後2∼3ヵ月 経過良好。レ・線:関節裂隙は筐かに 線状に認められ,その辺縁は一般に硬化様。その他の 破壊部も輪廓は一般に明瞭化す。しかし骨全体として の萎縮は前回よりも稽進む。 術後4∼6ヵ月 患肢起立術後4ヵ月可能。レ線:骨 萎縮稽恢復。 術後7∼9ヵ月 経過艮婦。術後7ヵ月TBi中止。 ソ線:部分的に骨性癒合を営むと思われる。硬化の増 加。骨萎縮の恢復明瞭。 術後10∼12ヵ月 術後1年補助器除去。レ線:完全に 骨性癒合。部分的には骨新生。骨萎縮の恢復著明。 術後13∼18ヵ月 経過良好。レ線:骨萎縮は全く恢 復。骨性癒合完了。 術後19∼24ヵ月経過良好。レ線:骨新生,骨性癒 合,骨萎縮恢復益々著明。 術後25∼30ヵ月 経過非常に良好。殆んど総ての動作 一一@637 一
に際し惨痛なし。赤沈6と15。レ線:骨性癒合更に進 行。 症例第21 姓名 本○山0 28才 ♀ 右肘関節結核 既往歴 昭和22年肋膜炎,翌23年肺浸潤。 術前経過と症状 前記肺浸潤に引続き24年4月頃右肘 淋巴腺の腫脹落痛と運動障碍発現。補助器をすすめら れたが肘淋巴腺の捌出術を受け疹痛運動障碍とも軽減 した為放置。25年11月打撲後慈痛再現し屈伸不能とな る。其後自宅療法施行後幾分軽快した。27年6月頃初 診。塗骨上端外側に軽度の圧痛。膿瘍なし。肘関節の 屈曲110。迄。伸展は正常。官倉制限。直に固定纐帯。 同年7月17日入院。20 HよりINAH投与,24日の後手 術。赤沈13と33。レ線:上腕骨尺骨撹骨の関節面は広 範に破壊され輪廓は不鮮明となる。骨萎縮は甚だ著明 で上腕骨から前腕に至る。 手術時病期 陳旧慢性期 手術月H 昭和27年8月12日 手術々式 定型的切除術 手術所見 関節腔の大部分は肉芽組織で消され,少量 の乾酪様物質を混ず。華甲関節は肉芽組織を満す。全 般的に骨の破壊は広範ではあるが浅く,絨毛の増殖著 明。 術後経過 術後工ヵ月 一期癒合。経過良好。術後2週間で退 院。レ線:上腕骨は両穎の下部,甲骨は頸部,尺骨は 半月切痕が切除さる。切除部辺縁の輪廓は比較的明 瞭。萎縮稻恢復。 術後2∼3ヵ月 経過良好。術後2ヵ月でギプス短 縮。 術後4∼6ヵ月 経過良好。術後4ヵ月補助器装着。 レ線:切除部辺縁は塵かに硬化様。骨萎縮依復。 術後7∼9ヵ月経過良好。レ線:切除辺縁に骨新生 を認、む。 術後10∼12ヵ月 病的所見なし。大口の仕事が出来 る。赤沈19と41。術後1年目NAH終了。 v線:切除部 辺縁は境界鮮明で硬化様。部分的に骨新生。萎縮恢復 す。 術後13∼18ヵ月 経過良好。術後14ヵ月;補助器を除≡聰 し,Quengelを3ヵ月間。その結果幾分屈曲度を増 す。赤沈17と40。レ線:更に改善。 術後19∼24ヵ月 経過良好。運動性を増加しているが 廻旋不能の為,食事が不自由。赤沈10と22。レ線:切 除部辺縁の骨硬化は甚だ著明となり,骨新生も増加す るQ 術後25∼30ヵ月 経過良好。運動性を増し,日常生活 に殆んど困難はないが回外不能の為食事が不自由。V 線:骨萎縮は完全に恢復し,切除辺縁の骨硬化並びに 骨新生は著明。関節裂隙も保たれ曲る程度の運動性の 獲i得を患わせる。 症例第22 姓名 八○田0 22才 ♂ 右股関節結核 家族歴 父,肺結核にて死’亡。 術前経過と症状 昭和21年頃から右股関節に粗糠。次 で痩孔形成。26年3月より390Cの高熱1ヵ月。其の 後腫脹野花著明となり需診。同年4月よりTBi。11 月入院。股関節は屈曲,内転位に強直。大転子部2 個,大転子後方に1個,右腸骨窩及び大腿外側部に各 1個,計5個日旧劇あり。葡菌動感を証明,27年1月 27日からPc 200万とサルファ剤投与,排膿減少,痩孔 縮小,培養陰性となる。赤沈102と106。同年2月3日 SM開始,25日間投与の後手術。 y線:骨頭,頸部が 破壌消失し,寛骨臼の破壊によって上方に病的脱臼。 破壊部辺縁は稽硬化様。 手術時病期 陳旧慢性期 羽末f月日 昭…和27年:2月27日 手術々式定型的切除術 手術所見 OIIier皮切。大転子下部の痩孔を切除しつ つ深部に向う。同痩孔は大転子の後下方より寛骨臼に 続く。鼠膜部の塵孔は前腸骨棘の下部で腸腰筋の下を 通り関節腔に続く。寛骨臼の周辺は全く骨硬化を呈 す。 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。術後15目SM終了。術後1カ 月で歩行開眼。レ線:切除縁比較的明瞭。 術後2∼3ヵ月 経過良好。赤沈8と12。レ・線:切除 部辺縁は寛骨臼と骨性癒合をしたと思われる。切除部 と寛骨臼の骨硬化著明。 術後4∼6ヵ月 創の経過良好。患肢馬立術後6ヵ月 で可能,股関節の運動ll生殆んどなし。赤沈9と24。レ 線:骨性癒合完了。 術後7∼9ヵ月 創の経過良好。術後7ヵ月INAH開 始。赤沈7と20。ン線:前同。 術後10∼12ヵ月 経過良好。赤沈8と19。 術後13∼18ヵ月 関節全く強直す。術後13ヵ月INAH 終了。術後18ヵ月で補助器除去。赤沈13と30。レ線二 切除部辺縁全く硬化様。骨萎縮の恢復。周囲組織との 癒着を見る。 術後19∼24ヵ月全く不動なるも障碍全くなし。赤沈 6と1㌔レ線:骨性癒合の完了。 術後25∼30ヵ月 経過良、好。赤沈1と6。 術後31∼36ヵ月 全く不動なるも毎日1里の歩行に支 障なし。赤沈25と41。レ線:骨性癒合の完了。 症例第25 一 638 一
姓名 山○井0 37才 ♂ 左股関節結核 既往歴 13才位より痔核あり。昭和24年腎結核で呈出 術を幽く。 術前経過と症状 昭和25年2月,左脚重くなり,微熱 あり。同年5月突然激痛を訴え,菓病院に入院。当時 坐骨神経痛といわれ次で同年10月股関節結核との診断 を受く。26年3月SMI日1g,20目聞投与。同年5月 当院受診。穿刺し濃厚膿45cc,乾酪様物質を混ず。以 後4回穿賭しするに痩孔形成。同年7月入院。左股関 節は軽度外転外旋位に拘縮。激痛あり。キブス固定。
PAS洗源を行う。9月3日SM開始,1目0.5gを30
日投与後手術。赤沈18と47。レ線:骨萎縮著明。寛骨 臼蓋部に数個の辺縁硬化様なる病巣を有す。骨頭は臼 内に深く入り輪廓は甚だ不鮮明。 手術時病期 陳旧慢性期 手術月日 昭和26年10月2日 手術々式 定型的切除術 手術所見 OlIier変法皮切。皮下膿瘍は大転子の直下 を前,外,後に廻り,外側より股関節に入る。この部 の不臭肉芽を掻爬。関節嚢を開くと,骨頭及び寛骨臼 は大部分破壊され,関節腔には不良肉芽を充満。之を 掻爬し骨頭の尖端を切断する。 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。術後20目SM終了。次でPA S。術後1ヵ月補助器を装用し退院。赤沈6と17。レ 線;骨頭下に切除されその辺縁は幾分硬化様。寛骨臼 蓋の像も明瞭となる。 術後2∼3ヵ月 経過良好。赤沈4と7。レ線:切除 部辺縁及び寛骨臼蓋の輪廓は明瞭となり,萎縮梢恢 復。但し骨頭の切除辺縁に病的透明と愚われる部あ り。 術後4∼6ヵ月 経過良好。ン線:前記病約透明の部 は更に明瞭化し辺除縁に骨硬化をみる。 術後7∼9ヵ月経過臭好。レ線:臼底並びに切除部 辺縁に骨新生と思われる像をみる。但し大腿頸部の切 除部に近く円形の病的透明巣あり。 術後10∼12ヵ月 補助器装用,松葉杖も使用。経過は 良好。レ線:前記の病的透明巣は全体的に硬化像を増 す。 術後3年4ヵ月 術後1年以来全く来院せず,補助器 と松葉杖を未だ使用していたが30年1月(術後3年4 カ月)転んで左転関節を強打,左足関節を捻挫したの で来院す。中等度の可動性。歩行は不完全であるが之 は手術後看護が悪い為と思われる。経過は良好。レ 線:寛骨臼及び大腿帽頸部の切除縁の輪廓は明瞭とな り,また,関節裂隙も有して或る程度の運動性の獲得 を思わせる。 症例第24 姓名 吉○井0 22才半♂ 左股関節結核 術後経過と症状 発病は昭和20年12月目21年12月以来 固定包帯。23年8月痩孔形成。同年9月入院。葡菌混 感。同月23日目らSM1日19を14目問投与。24年2 月痩孔巡廻術。同年4月退院。25年3月痩孔別出手術 墨痕部周囲に膿瘍再形成。爾後穿刺排膿し,2ヵ月後 の5月9日穿刺部lc 2個の獲孔を形成。同年7月17日 更に1個の塵孔を形成。蛍光法により結核菌を証明。 同月31日TBi開始。 TBi 7日目頃から排膿著減し, 銀線も縮小の傾向。同年9月14日手術の為再入院。股 関節は伸展位強直。赤沈23と50。レ線:寛骨臼,骨頭 の破壊部辺縁は明瞭。但し寛骨臼蓋に近く病的透明巣 をみる。無調底に近く小豆温め腐骨あり。 手術時病期 陳旧慢性期 手術月日 昭和25年10月13日 手術々式定型的切除術 手術所見 関節嚢は肥厚。嚢内は肉芽組織で,乾酪様 物質は稽硬く乾燥状。小豆大腐骨1個。之等を掻爬除 宍。高度に破壊した骨頭の一部を墜切。乾酪様物質と 肉芽に結核菌陽i生。 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。弩過良好で術後1ヵ月退院。 TBi継続。赤沈14と3C。 v線:骨頭の一部が切除さ れ,骨萎縮を増加。 術後2∼3ヵ月 経過良好。赤沈15と20。レ線:骨頭 と寛骨臼の輪廓明瞭化。 術後4∼6ヵ月 経過良好。赤沈4と11。レ線:骨頭 並に臼縁に骨硬化。 術後7∼9ヵ月 経過良好。赤沈4と11。術後6ヵ月 半でTBユ中止。レ線:骨頭に骨新生。 術後10∼12ヵ月 縫過臭好。患肢起立可能。塵かに可 動性。赤沈20と41。ン線:骨萎縮の恢復著明。寛骨臼 と骨頭の輪廓は更に明瞭。骨新生増加。 術後13∼15ヵ月 経過良好。赤沈5と12。レ線:不変。 術後16∼18ヵ月 経過良好。赤沈4と18。補助器を膝 上目に短縮。レ線;不変。 術後19∼24ヵ月経過良好。運動範囲次第に拡大。赤 沈4と9。レ線:骨新生更に著明。 術後25∼30ヵ月 経過臭好。レ線:寛骨臼。頸部の切 除縁輪廓明瞭。萎縮恢復と骨新生著明。 術後31∼36ヵ月 運動範囲は更に増加。経過良好。レ 線:前同。 術後37∼42ヵ月 肢長野5cm。経過良好e術後3年 3ヵ月で補助器除去。赤沈2と6。レ線:再発傾向な し。 症例篤25 一 689 一姓名 末○長0 35才 ♀ 右足関節結核 既往歴 昭和18年輪湿性肋膜炎。 術前経過と症状 昭和20年1月右足関節に腫脹,痙痛 発現,歩行不能となる。穿刺するに血性膿排出。其後 痩孔を形成。同年5月キブス固定。同年8月右膝関節 腫脹。穿刺するに血性膿を排出したが其後自然治癒。 同年9月肺浸潤となる。21年12月漢孔は閉鎖。22年10 月胸廓整形術の受入院し当科受診。初診時右外躁に獲 孔指導1個。月足位強直。歩行すると腫脹疹痛あり。 足関節周囲だけのキブス固定を行う。25年8月21日S M投与開始Q1日lgを19日投与の後手術。術前腫脹 落盤なし。レ線:下腿下%,足部にかけ骨萎縮。脛骨 距骨関節面に骨破壊あれど周囲は硬化様。且つ同関節 面に不完全な骨性癒合を認む。 手術時病期 治癒機転の進行せるもの。 手術月日 昭和25年9月8日 手術々式 定型的切除術 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。術後21日SM終了。レ線=脛 膏関節面,距骨滑車の一一部が切除さる。 術後2∼3ヵ月 経過良好。レ線:骨萎縮は恢復,骨 硬化著明。関節は骨恒癒合と思われる。 術後4∼6カ月 術後7∼9ヵ月 縮。 イ冠後10∼12ヵ月 経過良好。患肢起立可能。 経過良好。術後9ヵ月で補助器短 僅かに可動性。補助器を着用して歩 行可能。赤沈3と5。レ線:足関節は略骨性強直を完 了。骨萎縮恢復し骨梁も交通し現在は病変と思われる ものは無い。 術後13∼18ヵ月 筐かに可動性。就2と3。レ線: 骨性癒合完了。 術後19∼24ヵ月 運動性は消失したが普通の仕事に従 事出来る。補助器は術後24ヵ月で完全除去。経過奥 好。赤沈3と7。レ線:骨萎縮著しく恢復し,骨匹癒 合著明。 術後25∼30ヵ月 足関節は完全強直を呈しているが足 根骨聞の運動に依り,潮型は良い。赤沈3と10。レ 線:完全強直:。硬化,骨新生良好。恢復の頂点に達す るか。 術後31∼36ヵ月 経テ邑夢F常に良好。赤沈2と12。 レ 線:脛骨,距骨は完全な骨廿癒合を呈し骨梁は著明に なる。 術後37∼42ヵ月 不自由は感じない。足を横に出して 坐る事も可能。赤沈2と6。ン線;前同。 術後43・v48ヵ月 次第に足関節の運動性を増加。日本 式正座も可能。爪先立も可能。赤沈3と8。 術後49∼54ヵ月 経過良好。歩行には不自由が無い。 臼本式正座が少し困難。但し,足を重ねると可能。レ 線:前同。 症例第26 姓名 館○:文0 30才 ♀ 左足関節結核 術前経過と症状 昭和17年2月より左足関節に慈痛を 覚え,18年1月は馳足が不能となる。同年3月キブス 固定。同年10月痩孔形成,約2年で閉鎖。19年分り補 助器を装用。現在補助器を除去すると,長歩きのあと 慈痛を覚える。28年8月入院。筋萎縮軽度。三関節部 腫脹軽度。足関節周囲に痩孔疲痕6個。肢位105ρ,運 動性約10。,その騒動関節の前面に疹痛あり。両躁部 と足関節前面に圧痛。赤沈20と50。レ線:足関節は部 分的に骨性癒合。周縁は一般に硬化様。但し,足関節 を離れるに従い中等度の骨萎縮をみる。8月12日より SM開始。0.5g宛3週間投与して手術。 手術時病期 治癒脂 手術月日 昭和28年9月1日 手術々式 定型的切除術 手術所見 関節嚢を開くと盤渉関節は全く骨恒癒合を 営む。関節の運動は全く不能。而して足は多少乱足位 に強直せるを以って,距三関節,距腓,距脛関節の癒 着を約0.5cm巾に墜切,之を過背屈位に矯正す。本症 酬に於ては,結核病巣は全く治癒状態を呈し,結核性 肉芽,乾酪様物質の存在を認め得ず。骨髄も殆んど正 常であった。 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。術後3週SM終了。次でINAH 赤沈44と68。レ線匿距骨は完全捌出され,手術に依る 骨萎縮を認めず。 術後2∼3ヵ月 経過良好。術後1ヵ月半退院。術後 2ヵ月患肢起立可能。術後2ヵ月半でINAH中止。赤 沈35と71。 術後4∼6ヵ月 多少の可動性あり。歩行のはじめ2 分程疹痛あり。変形性関節症と思われる。経過を観察 する。爾長時間の歩行で足紋測に直訴あり。赤沈59と 66。切除都辺縁に軽度の骨硬化。骨新生あり。 術後7∼13ヵ月 異常なし。レ線:骨款生著明。部分 的骨性癒合を認む。 術後13∼18カ月 経過良好。術後:ユ6ヵ月補助器・除去。 ン線:骨性癒合の増加。著明な扁平足を呈し襖舟関節 面にOsteophytenをみる。 術後19(・24ヵ月 90。位強直。経過は具好。レ線:足 関節は完全に骨性癒合し骨梁は移行する。但し前足部 各関節面に変形性関節症を認む。
H 陳旧慢性期の定型的関節切除と自家骨移植
例(4例);病巣の定型的切除術を行い,骨
一 640 一欠損部を自家骨で補議したもの。 (1>創の癒合状況 全例一期癒合,一期癒合を 営みその後痩孔形成をみたもの1例。 (2〕合併症なし。 (3)レ線所見 骨萎縮の族復3.3カ月,骨硬化 4ヵ月,骨新生5.7カ月。骨性癒合を営んだもの 1例で癒合完了に19ヵ月を要した。 症 例 症例第27 姓名 石○橋0 23オ ♂ 珊珊関節結該 術前経過と症状 昭和26年頃より時々左肘関節に痙痛 と屈伸障碍あり。28年6月転倒して左肘関節を釘ち腫 脹落丁三助障碍を来し受診。左肘関節部の腫脹著明。 前面に波勲。軽度熱感。野州なし。圧痛軸圧痛申第二。 同年8月14日入院。肘関節部を穿刺するに血性膿5cc。 その後門孔を形成。同月19日よりSM投与。三二二二 を証明したのでPc 700万を投与。菌は陰性化し諸症 状軽快。SM投与21目で手術。赤沈37と63。レ線:上 腕骨,尺骨の関節面は破壊著明。且つその輪廓は不明 瞭,但し破壊部辺縁は部分的に硬化二丁を呈す。叉上 腕骨下端に骨膜の肥厚を認むQ 手術時病期陳旧慢性期。 手術月日 昭和29年9月15日。 手術々式 定型的切除術と自家骨移植。 手術所見 関節腔内及びその周辺には著朗な骨破壊と 乾酪様物質及び濃厚膿を認む。上腕骨は内,外上願の 直下で切除。擁骨は小頭下部で切除,半月切痕は関節 面の三曲に沿って切除し,大門の原型を残す。但し半 月切痕の底部に病巣を認めたので門出。腸骨からの海 綿骨を上腕骨の内,野上穎,擁骨小骨及び半月切痕部 と肘頭部にチタンにまぶして嵌入。 術後経過 術後1ヵ月 一期癒合。術後関節め腫脹が著明でPc 800万,とスプラーゼ5CO単位つつを9回局注するに 著明に減退。赤沈40と70。術後27巨iSM終了。次で INAH。術後1ヵ月で退学。レ線’上腕骨は穎部,擁 骨は小頭部で切除さる。尺骨関節面は原形を残す。所 々に骨膜肥厚あり。 術後2∼3ヵ月 経過良好。術後2ヵ月補助器装着。 レ線:切除部辺縁に未だ骨硬化は認められないが,骨 萎縮は全体として稻々恢復。 術後4∼6ヵ月 経過良好。謹かに可動性。赤沈10と 30。レ線:切除部辺縁は軽度骨硬化を呈し,輪廓は明 瞭化する。一部に骨新生を認む。 術後7∼9ヵ月 経過良好。赤沈7と15。 術後11ヵ月 INAH終了。レ線:切除部辺縁は軽度の 硬化像を呈し,輪廓明瞭。一部に発生した骨新生は益 々著明。 術後10∼11ヵ月 経過良好。レ線:切除部辺縁は益々 輪廓が明瞭となり骨新生も著明。 術後13∼18ヵ月 経過良好。術後1年2ヵ月補助器を 完全除去。運動性中等度。レ線:切除辺縁豫の明瞭化 に伴い関節裂隙も著明に形成される。骨萎縮は殆んど 恢復。 症例第28 姓名 内○田0 26才 ♀ 左足関節結核 家族歴 長兄と次兄,肺結核と腸結核で死亡。 術前経過と症状 昭和26年11月,左足関節に腫脹,蓉 痛を来し,同時に発熱(38。C)。次いで歩行は全く不 能となる。Pc療法で解熱。結核の診断下にキブス固 定。SM単独0.5940日巴投興Q PAS,SM併用3カ 月間。28年4月4日入院。左下腿部の筋萎縮著明。足 関節部圧痛なしQ運動障碍高度。4月9日よりSM1 日0.59を20日間投与後手術。レ線;下腿骨の下雍から 足根骨にかけて骨萎縮著明。脛骨と距骨の関節面は著 しく破壊され,関節裂隙の狭小と腓骨関節面の塵かな 骨破壊をみる。距腓問の関節裂隙も狭い。部分的には 骨硬化を認む。 1 手術時病期 陳旧慢性期。 手術々式 定型的切除術と自家骨移植。 術後経過 術後1ヵ月一期癒合。赤沈33と53。術後20日でSM 終了。INAH投与開始。術後1カ月で補助器を装用し 歩行練習を開姶。レ線:脛骨,勝骨,距骨の関節面は 何れも切除され,脛骨下端に2∼3個の自家骨移植を 認めるが,母床との癒合は未だ完全で無い。骨萎縮は 不変。 術後2∼3ヵ月 腫脹と落痛とは全く消失。患肢起立 は未だ不能。僅かに可動性。術後35日で退院。術後 2.5ヵ月でINAHを中止。赤沈20と43。レ線:略前野。 術後4∼6ヵ月 経過良好。患肢起立が可能となる。 術後6ヵ月で補助器を全く除去。レ線:切除部辺縁は 謹かに骨硬化を示し,且つ骨萎縮の恢復を見る。 術後7∼9ヵ月 経過良好。可動匹稽増加し,日常生 活に不自由なし。赤沈29と40。切除部辺縁は硬化像を 呈するも,未だ骨性癒合をみず。萎縮も恢復。 術後10∼12ヵ月 経過臭好。歩態よし。赤沈8と30。 可動性を滅ず。レ線:切除面に線維性或は骨殴癒合が 起りはじめたと思われる。骨萎縮恢復。 術後13∼18ヵ月 経過臭好。日常生活に特別な不自由 なし。赤沈37と55。レ線:骨陛癒合が進行し,切除面 の硬化や骨萎縮の恢復も著明。 術後19∼24ヵ月 経過良好。足関節は殆んど不動であ るが足根骨の協同運動は良好。レ線:部分的な骨性癒 一 641 一