状切痕は新生骨と結合織で蔽われ軟骨を見ず。上記の 癒着を剥離して関節腔に入るに,滑車の部に小豆大の 骨病巣あり,少量の肉芽組織を有す。腐骨なし。上腕 骨小頭部に肉芽組織が散在性にみられる。病巣を充分 に掻爬し,滑車部の欠損部に蝋腺を挿入し,鑛磨を施
す。
術後経過
術後1ヵ月 一期癒合。経過良好。術後22日でSM終 了。レ線:骨萎縮は術前より増加。部分的切除術が行 われ,上腕骨滑:車の部に子骨をみる。
術ff 2・V 3ヵ月 経過良好。
術後4厘6ヵ月 経過良好。レ線;既に牛車が吸収さ れ,痕跡を認めず。骨萎縮は僅かに恢復し,切除部辺 縁に骨硬化を認む。
術後7・V9ヵ月 経過良好。レ線:骨萎縮は軽度1こ恢 復し,上腕骨と尺骨の部分的骨性癒合をみる。
術後10〃/2ヵ月 経過良好。v線:骨萎縮の恢復と骨 性癒合は更に進行。
術後13〜18ヵ月 骨萎縮は衙部分的に存在。但し切除 部の輪廓明瞭。
術後19〜24ヵ月 経過臭好。術後22ヵ月補助器を除
去。
術後26〜30カ月 経過良好。
術後31〜36ヵ月 肢位80Qで強直。但し経過は良好。
レ線:骨萎縮は完全に恢復し,切除面の修復も全く完 了する。何れも病的所見なし。
症例第65
姓名 根○本0 6才 ♂ 左膝関節結核兼V〜XU胸 推,1腰椎カリエス○
術前経過と症状 2才の時1米の高所より墜落,尾部 を強打して以来脊椎ヵり三スとなる。3才の時左膝関 節の腫脹を来し,関節水腫として治療を受けて軽快。
約4年越経℃再び膝関節腫脹と歩行時痛疹あり。昭和 26年6月階段より落ち,患部を強打して以来歩行不能 となり受診。胸腰椎部亀背著明。左膝関節中等度腫 脹。goo屈曲位をとり運動は全く不能。圧痛,軸圧痛 軽度。膝藍骨下部に小豆大の痩孔1個あり,少量の漿 液性膿を新田。赤沈20と57。同年8月26日入院し,持 続牽引で疹痛消失,屈曲位もやや矯正される。10月22
日よりSMI日0.259投与,3週め後手術。レ線:骨 萎縮著明。大腿骨の両顯と脛骨骨端核に高度の骨破壊 あり。破壊部辺縁の輪廓は不明瞭で,脛骨願に腐骨を 右す。0脚を形成,且つ90。屈曲位をとる。
手術時病期 陳旧慢性期 手術月日 昭和26年11月13日 手術耳掻亙非定型的切除と鎚骨。
手術所見 関節腔は全く弛緩性肉芽組織で被包され
る。但し内側関節腔は大腿骨,脛骨の関節面を蔽う増 殖せる結合織で満される。之を切除するに大腿骨,脛 骨の関節面に骨破壊を認め,肉芽組織を満す。大腿骨 腓側願の先端は壊死軟骨で被われた骨破壊部あり。之 に対応して脛骨鼠紙穎の部にも肉芽組織を屈す骨破壊 部あり。この両破壊部は肉芽組織を介して相接してい た。膝蓋骨は殆んど完全に骨破壊を来し,前記脛骨腓 回覧と相接していた。
術後経過
術後工ヵ月 一期癒合。術後3這SM終了。次でTB1。
赤沈70と81。レ線:大腿骨,脛骨の破壊部が除去さ れ,願間隆起が残されている。骨欠損部は牛骨で補屓
される。
術後2〜3ヵ月 経過良好。TB,継続中。術後3ヵ 月退院。赤沈35と65。レ線:脛骨腓側穎に移植された 牛骨の上下縁は吸収された像あり。骨新生なし。骨萎 縮むしろ増加。但し切除部辺縁は稽明瞭となる。
術後4〜6ヵ月 術後4ヵ月3.ヵ所に覆孔形成。レ 線:筐かに骨萎縮恢復をみるが,大腿骨の骨端核の外 側が著明に病的透明の像を呈す。牛骨は吸収されてい
る。
術後7〜9ヵ月 著変なし。痩孔なお存す。
術後10〜12ヵ月 痩孔は大腿骨外側下端に1個のみ。
140。で強直。TB1服用中。赤沈23と57。レ線:牛骨 吸収され骨萎縮稽恢復の徴を呈し部分的に骨硬化をみ
る。
術後13(・18ヵ月 著変なしQ
術後19〜24ヵ月 腓側上身に痩孔。患肢起立不能。赤 沈36と55。術後21ヵ月で牛骨言出。
術後25〜30ヵ月 淫痛はない。:補助器による褥創あ
り。
術後31〜36ヵ月 術後36ヵ月瞳孔閉鎖。
術後37〜42ヵ月 120。で強直。患肢起立不能。補助器 装用中。赤沈16と39。レ線:関節面は骨性癒合し始め 著明な骨萎縮の恢復をみる。
P(陳旧慢性期と治癒期の定型的切除にOMS 膜の応用例(4例)一定型的切除を行い関飾 形成術の意味を加え中間捜二二としてOMS膜
を用いた症例。,
(1)創の癒合状況 一期癒合3例,但しその中
1例は関節腔に潴溜液の浸出あり,穿刺3回に及 ぶ。化膿したもの1例でOMS膜の排出をみた 後,剣の閉鎖をみる。何れもOMS膜の刺戟性に
よるものと思われる。
(2)合併症 術後1年6カ月で肺結核の併発1
一 659 一
例あり。
㈲ レ線所見 骨萎縮の恢復3,5カ月。骨硬化 3.8ヵ月,骨新生5.3カ月。骨性癒合を殆ど全例 に認め,(1例は術後5カ月で死亡(自殺)し,当 時未だ骨性癒合を見ない。)癒合の完了は12.3カ 月で関節固定術の揚合よりも早期に強固な骨性癒 合を来している。
症 例
症例第66
姓名 恩○田0 25才 ♂ 右膝関節結核(滑液膜型)
既往歴 昭和23年6月肋膜炎。
術前経過と症状 昭和21年11月頃膝関節を打撲後腫 脹。昭和23年6月右膝関節結核の診断下にギプス包 帯。26年3月25日初診。右下肢の筋萎縮軽度。膝関節
に著明な腫脹と圧痛。運動全く不能。キプス包帯を施
し4月13日よりTB1投与,5月26口中止。次でSM
(1日0.5g其後1肩0.25gとし54日間総量15g)QSM 投与38日で手術。赤沈28と50。レ線:骨萎縮は左程著 明でないが関節面の輪廓は不明瞭で関節裂隙は狭小。
殊に大腿骨と脛骨の関節辺縁部に蚕喰性の骨破壌を有
す。
手術時病期 陳旧慢性期。
手術月日 昭和26年7月3日。
手術々式 定型的切除術に自家移植とOMS膜。
手術所見 Payer皮切。関節嚢は著しく肥厚。膝関節 上野部に膿を充溝。病的組織網に交叉靱帯を切除して 関節腔を開くに膿,肉芽,乾酪様物に充つ。之を完全 に貸出するに,大腿骨内側願に1×2cmの腐骨を認 め,大腿骨腓側顯も相当深く侵さる。大腿骨と脛骨の 関節面を1×1.5cmの厚さに切除するに大腿骨には病 巣なし。脛骨は片側穎になお病巣あり。1.5×1.5cm の広さに重出し,大腿骨願より採取せる骨片で補填。
大腿骨下端をOMS膜で被う。
術後経過
術後1ヵ月 手術創は術後3日で葡菌感染による化膿 を来し,術後2週でOMS膜を排出。依って丁丁せる 創面にSM及びPcの局所注入を行い腫脹減退するも 濃厚血性膿を中等量持続排出する。術後13日でSM終
了。
術後2〜3ヵ月 全身状態は良好となる。移開創は術 後2ヵ月で自然閉鎖。赤沈5と10。術後1ヵ月よりP AS投与(期聞50日)。
術後4・)6ヵ月 全身状態並に局所の経過良好。膝関 節は完全に強直。赤洗3と7。術後4ヵ月よりTB,
の投与開始。レ線:切除面は硬化様。脛骨,大腿骨聞 に既に繊網生強直が存在すると思われる。脛骨の軸は
稽外方に移動(硬化の食いのは術後2ヵ月間の三三感 染の影響に依るものか)。
術後7〜9ヵ月 経過良好。膝関節は骨性強直を来
す。
術後10〜12ヵ月 経過良好。他所見は前同。術後10ヵ 月歩行用鐙除去。レ線;関節の外%部は完全な骨性癒 合を来し,骨新生は切除面の辺縁に著明。
術後13・)18ヵ月 経過良好。レ線:全関節面に亘り骨 性癒合を来し切除面の骨硬化著明。骨性癒合は外側と 後部に著賜。骨萎縮は著しく恢復。
術後19〜24ヵ月 経過良好。圧痛軸圧痛なし。肺結核 にて入院中。機能等の調査が出来ないが術後14ヵ月ま での所見に照し完全強直を呈していると思われる。
症例第67
姓名 高Oた0 25才 ♀ 右膝関節結核兼第8,9,
10胸椎カリエス。
術前経過と症状 7年前より第8〜10胸椎ヵリェス。
ギプスベヅト。次でコルセット装用。昭和21年より右 膝関節の腫脹疹痛。24年7月補助器を装用,経過良好 であったが約半年で之を除去し,マッサージを行って 増悪。26年7月当院入院。膝関節は腫脹著明。約50の 屈曲位をとり自他動運動不能。膝藍骨の約工Ocm下方 に示指頭大の瞳孔あり漿液性分泌物少量。レ線:骨萎 縮は比較的軽度。関節嚢は大腿骨,脛骨共に破壊され るが比較的軽度に止まり且つ内関節裂隙は線維性強直 或は部分的な骨性強直を呈していると思われる。穎聞 窩に円形の輪廓比較的明瞭な病巣をみる。
手術時病期 陳旧慢性期。
手術月日 昭和26年7月26日。
手術々式定型的切除とOMS膜。
手術所見 Puti氏変形三法。上方窩には乾酪様物,
結核性肉芽を多量に有す。関節を開くに,脛側穎}こは 骨性癒合,腓側顯には繊維性癒着を有す。十字靱帯は 殆んど消失。関節軟骨は全く消失。腓側穎の後方に小 膿瘍あり,濃厚膿を画す。次に大腿骨下端と脛骨上端 を厚さ1cmに切除するに,穎間曲,穎聞隆起直下,
腓側顯の部に夫々径約1cmの円形の病巣あり。
術後経過
術後工ヵ月 一期癒合。手術直後よりSM投与,20日 間で終了。次でPAS。
術後2〜3ヵ月 創の経過良好。術後3ヵ月PAS終
了。レ線:切除縁の輪廓は比較的明瞭化。特に認むべき変化なし。骨萎縮著明。
術後4〜6ヵ月 創の経過良好。術後4ヵ月右鼠険部 に胸椎カリエスの膿瘍形成。赤沈85と105。レ線:切 除辺縁更に硬化様となり骨萎縮稽々恢復。
昭和26年12月(術後5ヵ月)死亡。
一 660 一
症例第68
姓名 檜○森0 16才 ♂ 左膝関節結核
術前経過と症状 4年前跳箱で左膝関節を打撲夢幻痛 を訴え,膝関節結核の診断を導く。2ヵ月前転倶して 落痛を増大。26年3月初診。同月31日入院。3kgの持 続牽引を行い,4月2日SM投与開始,1日19宛8日 間投与して中止。同月15日再び開姶。再投与後3日に 手術(術前投与11日間)膝関節部は紡錘形に腫脹し,
激痛あり。杖歩行。膿瘍なし。約130。屈曲位に硬直。
赤沈7と15。レ線:膝関節は広汎に骨萎縮Q脛骨の内 外穎殊に内頴は強く圧平され,関節裂隙は狭く且つ輪 廓は不明瞭,横径撮影では大腿骨関節面に骨破壊を認 め,脛骨内軍部に輪廓不明瞭な梅笑大病巣をみる。
手術時病期 陳旧慢性期或は急性期。
≡耳目日月H 昭和26年4月17目。
手術々式 定型的切除術と自家骨移植とOMS膜。
手術所見 大腿骨願聞窩と関節面に少量の乾酪様物と 肉芽組織を認む。内側関節腔には部分的骨性癒合,外 側にはなし。軟骨下病巣が広範に拡がり関節軟骨は剥 離壊死に陥る。脛骨と大腿骨下端を約1 cmの厚さに 切除。大腿骨の切除面には病巣を認めないが脛骨には なお病巣の浸潤を認めたので刎出し大腿骨願間窩をつ
くる時に採取した骨片を嵌入し釘でとめる。次でよく 鑛黒し,OMS膜で大腿骨下端を覆う。
術後経過
術後1ヵ月 関節腔に尊勝液の潴溜あり,穿刺3回に 及ぶ。一期癒合。術後24日置M終了。次でPAS。ン 線:法の如き切除の跡をみるが関節裂隙が甚だ狭い憾 がある。
術後2〜3ヵ月 経過艮好。特別の運鋤練習を行わ ず。術後2ヵ月に補助器装着。歩行練習を行い術後3
ヵ月でPAS終了,退院。レ線:切除面に骨硬化を見 始め関節潮回は甚だ狭く,部分的に骨性癒合が起り始 めていると思われる。
術後4〜6ヵ月 経過奥好。運動練習を行わず。レ 線:大腿骨脛骨内外顯部に骨膜肥厚。全体に骨萎縮は 未だ著明であるが,切除面は軽度に骨硬化。移植骨は 既に器質化し辺縁は騒々硬化様。骨性強直の像が明瞭 となる。脛骨軸は大腿軸に対し稽々内方に変位する。
術後7〜9ヵ月 経過良好。運動練習を行わず。赤沈 28と47。レ線:骨萎縮は恢復し切除面に骨硬化を増 加。骨性強直が著明となる。殊に内通部に明瞭。
術後10〜12ヵ月 経過良好。運動練習を行わず。術後 10ヵ月補助器を短縮(大腿中央より下腿中央まで)。
術後13・)18ヵ月 経過良好。全く不動,1700屈曲位に 完全な骨性強直。
術後19〜24ヵ月経過良好。レ線:完全な骨性強直を
営み,大腿骨と脛骨の骨梁の移行をみる。
術後25〜30ヵ月 経過良好Q術後2年4ヵ月補助器を
除去。
術後31〜42ヵ月 著しく活動能力を候復し歩行距離は 普通人と変りないと言う。赤沈7と15。レ線:骨性癒 合を更に増加。
術後43〜48ヵ月 経過良好。患側の筋もよく発育。自 覚的に殆ど何等障害を覚えず。但し肢骨の短縮を少し・
感ずる(肢長差8cm)。歩速は少し遅れるが歩行量は 普通入と同じ。右脚を前に出して坐す。山登り,テニ
ス,鉄棒も可能。階段は一段つつ昇降。赤沈4と6。
レ線:関節強直を完了したと思われる。
症例第69
姓名 長○島0 21才 ♂ 右膝関節結核
術前経過と症状 2才の時右膝関節結核で補助器装用。
昭和28年4月入院。右膝関節部軽度の腫脹。約170。強 直位にあり,圧痛及び膝蓋骨跳躍なし。痩孔なく筋萎
縮は中等度。5月3日SM開姶,1日1gを24日聞投
与し手術。赤沈2と3。レ線:増殖性骨萎縮著明。病 巣と思われるものなし。結合織性癒合を認む。手術時病期 治癒期。
手術月日 昭和28年5月26口。
手術壁式 定型的切除とOMS膜使用。
手術所見 全ての関節面は結合織で満され,脛骨腓側 顎に軽度の骨性癒合,脛骨脛側穎に結合織で被包され た病巣を認む。大腿骨脛側穎及び脛骨腓側願を切って 大腿骨及び脛骨の関節面を作り,大腿骨にOMS膜を 使用する。
術後経過
術後1ヵ月 一期癒合。術後16日SM終了。次で
INAH。術後1ヵ月運動開始◎赤沈7と18。術後2〜3ヵ月 術後1ヵ月半ギプス除去。運動器を つけ,1日3回運動練習。術後2ヵ月屈曲90。。術後
3ヵ月200に減ず。赤沈3と8。レ線:大腿骨脛骨の 関節面は完全に切除さる。骨萎縮稽恢復。切除部辺縁 に軽度の骨硬化。関節製隙せまし。
術後4〜6ヵ月 運動練習を行うも術後4ヵ月殆んど 強直す。患肢起立術後5ヵ月で可能。術後5ヵ月で退 院。赤洗2と7。レ線:切除面相互の骨性癒合と骨硬 化を見,骨萎縮恢復。
術後7〜9ヵ月 殆んど運動性なし。苦痛なし。赤沈 1と3。y線:骨匹癒合は略完了。骨萎縮の恢復著
明。
術後10〜12ヵ月 運動性なし。歩行のはじめ幾分慈痛 を感ず。赤沈2と3。経過良好。
術後ユ3〜18ヵ月 殆んど不動。レ線:骨性癒合略完
了。
一661一