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きまりを見つけて,図,表,式を使って考える

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Academic year: 2021

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聴覚障害児の学習言語習得を促すための指導の在り方 ~自分の考えを論理的に説明する力を育むために~ 小学部 算数科 学習指導案 広島南特別支援学校呉分校 指導者 教諭 成松 晴菜 1 日 時 平成○○年○月○日(○曜日) 13:30~14:15 2 学 年 小学部第6学年 (1名) 3 場 所 管理棟 小学部5・6年 個別指導教室 4 単元名 きまりを見つけて 図,表,式を使って考える 5 単元設定の理由 (1)単元観 本単元は,「正三角形の板を下に並べていき,21段目には正三角形の板が何枚並ぶか。」という問題に対 して,「段数と正三角形の板の枚数の増え方のきまりに着目して,板の枚数を計算で求める。」という学習活 動を設定している。学習指導要領に示された本単元に関わる目標,内容は以下のとおりである。 二つの数量関係を読み解く問題は第4学年から学習している。第4学年では,具体的な場面において伴っ て変わる二つの数量があることに着目し,それらの関係を表やグラフを用いて表す学習を行っている。第5 学年では,伴って変わる二つの数量関係を考察し,簡単な比例関係を知る学習,第6学年では,伴って変わ る二つの数量の中から特に比例の関係について知り,関数の考えを育てる単元が設定されている。 また,数量関係を式に表す問題についても第4学年から学習している。第4学年,5学年では,□や△な どの記号を用いて式に表し,数を当てはめて調べる学習を行い,第6学年では記号の代わりにxやyなどの 文字を用いて式に表す学習を行った。 これらの学習を受け,本単元では,伴って変わる2つの数量を表に表す活動を通して,数量の関係を整理 する。そしてその中から規則性を見つけ出して関係を式に表すという関数の考え方を育成することをねらい としている。 本校小学部の児童の課題として,次のことが挙げられる。第一に,児童の発達段階が生活言語の習得に留 まっているため,質問の意図をくみ取ることが難しく,質問と解答が一致しない。第二に,問題を解く際に は感覚的に考えることが多く,理由を尋ねられても明確な根拠を示すことができない。また,示せたとして も単語レベルでの応答(あいまいな応答)であり,答えを導き出した過程を帰納法や演繹法等を用いて論理 的に説明することができない。これまでは知識や技能の習得,文章題の意味理解に重点を置いて指導を行っ てきた。そのため授業内で児童の思考の過程を整理し言語化するところまで至っていなかった。 本単元では規則性を見出すための帰納的な考え方を理解させることで,問題解決の過程を筋道を立てて考 えることができ,論理的思考力を育てる上で適した教材とも言える。問題解決に取り組ませる際,「きまり を見つけることができれば,実際に板を並べなくても解決できる」ということに気付かせることで,児童が 課題意識をもって問題解決に取り組む姿勢を培うことができる。また,図や表,式それぞれの機能とよさに 気付かせることで,今後の課題解決場面で活用する力を育てたりすることにもつながる単元であるといえる。 算数科の目標: 「日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え,表現する能力を育てる」 「算数的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付く」 第6学年の目標: 比や比例について理解し,数量の関係の考察に関数の考えを用いることができるようにするととも に,文字を用いて式に表すことができるようにする。 内容:第6学年 [D 数量関係] (2)伴って変わる二つの数量の関係を考察することができるようにする。 (3)数量の関係を表す式についての理解を深め,式を用いることができるようにする。

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(2)児童観 本児は小学校第1学年から補聴器の装用を開始し,第2学年から本校へ転学してきた。聴力測定の結果は 下表の通りで,聴覚を活用し,日常会話はスムーズに行うことができる。未知語は聞き間違いがあるものの, 興味を持ち,一度覚えると日常生活の中で積極的に使おうとする様子が見られる。 聴力・装用閾値 実態 ○聴力・装用閾値 平均聴力レベル 右 65dB 左 69dB 装用閾値 右 26dB 左 34dB (平成○年10月実施) ○単語了解度検査 (TY-89小児用3音節単語) ・音圧70dB 程度 指導者の声 ・聴覚のみ 正答数 23/25 正答率 92% ○読書力診断テスト中学年用 平成○年1月実施 読書力偏差値42(小学校第5学年1~2学期) 下位テスト別の評定(5段階評定) 読字力3,読解力3,語彙力2,文法力2 ○絵画語彙発達検査 平成○年5月実施 生活年齢 11歳8月 語彙年齢 10歳11月 ○全国学力・学習状況調査 算数科(第6学年)平成○年4月実施 算数A(正答数13/17問) 算数B(正答数4/13問) 数と計算 5/8問 数と計算 4/8問 量と測定 3/3問 量と測定 1/5問 図形 3/4問 図形 0/1問 数量関係 3/3問 数量関係 1/5問 ○これまでの単元末テストの結果(領域別) 領域名 知・理 技能 考え方 数と計算 A(93%) B(70%) B(81%) 量と測定 A(93%) B(82%) B(89%) 図形 A(94%) B(80%) B(81%) 数量関係 A(90%) B(74%) B(83%) ※( )内は観点到達率 ○算数説明力テスト分析結果 題意の捉え間違いが多少あるものの,ほぼ必要な情報を読み取 り,立式し,答えを導き出すことができている。しかし,答えを 導き出した過程,根拠を適切なことばで表現する力が弱い。 実態表に示したとおり,単元末テストの結果から数量関係に関する知識・理解,技能,数学的な考え方と もに大きなつまずきは見られないが,技能,数学的な考え方がやや劣る結果となっている。全国学力・学習 状況調査でも,基礎・基本の定着をみる算数Aの正答率は76%と平均的であるのに対し,活用力・応用力 をみる算数Bでは正答率が30%,本単元に関連する数量関係の領域も5問中正答が1問と非常に低いこと がうかがえた。このことから,基礎的な知識は身に付いているものの,得た知識や情報を課題解決に生かす 力が弱いと言える。 この他にも本単元を学習するにあたり,レディネステスト―第5学年で取り上げられている単元「きまり を見つけて」の類似問題(別紙)―を実施し,より詳細に実態把握をした。なお,レディネステストは,「① 問題文から2量の関係を表に表す。」②「表から変化のきまりを見つける。」「③式化する。」「④式の意味を 説明する。」の4つに分けて出題した。その結果,①の表は完成させることができたが,②変化のきまりは 表に表した数値ではなく,示してある図を手掛かりに見つけていた。続いて③は2量の関係性を式に表すこ とができず誤答であった。しかし④の説明からは,見つけたきまりを生かして式化しようと思考している様 子がうかがえた。このことから児童は問題から必要な情報を読み取り,表に表したり,きまりを見つけたり することができるものの感覚的かつ短絡的で,それらを利用して式に表す(般化する)力や,自分が立てた 式がすべての場合に当てはまるか確かめる力(演繹的思考力),自分の思考過程を筋道を立て適切なことば で表現するといった論理的思考力に課題があることが分かった。 (3)指導観 本単元は「変化する2つの数量の関係を表や式に表すことを通して,数量関係や規則性を見つける能力を 伸ばす」ことをねらいとしている。 第1次(本時)では,きまりに着目することで変化の様子や2量の関係を式に表し,その式を活用して問 題の解決を行う。上記に示した通り,児童は感覚的,短絡的に問題を解こうとするため,数量の関係を深く 追究するところにまで思考が至っていない。問題解決の際には「きまりを見つけることができれば,実際に

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板を並べなくても解決できる」ということに気付かせ,課題意識をもって問題に取り組ませたい。そのため 授業内では「きまりを見つけよう」という問いはせず,「段数が増えると三角形の数が増えていく」という 事象にじっくりと関わらせ,きまりを用いなければ解決に不都合が生じるような大きな数に拡張していく。 そうすることで「きまりを見つけるよさ」の実感につなげたい。 上述の通り,児童は感覚的に問題を捉え頭の中だけで解決しようとするため誤りが多い。きまりを見つけ る過程では,段数と三角形の数を書き込んだ表に,さらに数量の変化を書き込ませることで式化に必要とな る数値を視覚化させ,図,表,式を関連させて考えられるようにする。また,きまりを利用し,式化する際 には自力解決の時間を十分に確保する。そうすることで,正解を確認する際,誤りや不十分な部分がどこに あったか自分の思考と比較させ,再構築するという過程を通し数学的な見方・考え方を身に付けられるよう にしていく。レディネステストを行った際,表した式が何を求めているのか記述できていなかったため,今 回も自力で式化することが難しい場合が考えられる。その際は,問題文から求めたいものを一緒に確認し, イコールで結ばれた式の片側に「正三角形の板の枚数」と板書し児童の思考を整理させる。 考えを発表する際に順序立てて説明できるようにするため,ノートには表,きまり,式,理由の順で書く ように指示しておく。また,話し方を提示することで論理的な説明の仕方に慣れさせる。(「段数と三角形の 数の関係を表にすると~」「~のようなきまりがありました。」「したがってこのような式に表すことができ ます。」など)うまく言語化できない場合は,指導者が児童の発言の意図を確認しながら言語化し,模倣さ せる。 第2次では,第1次で具体的に表現した式をxやyを使って文字式にし,一般化を図る。その際,具体的 な数字の式をことばの式に表現し,その後文字式に表すという順序で学習を行う。ことばの式に表す場面で は,一つ一つの数字と表を対応させ数字の表す意味を考えさせるようにする。また,この段階で一度具体的 な数字を代入して計算する場面を設ける。そうすることでことばの式の有効性を確かめるとともに,演繹的 な考え方を身に付けさせたい。 なお,授業を行う際には今年度の研究の中間まとめである次のことに留意しながら進めていく。 ○個別の指導計画 年間目標:分数の乗法や除法の計算,図形の面積や体積,速さ,縮尺や拡大図等の図形,比と比例等につい て理解し,用いたり求めたりすることができるようにする 。 2学期の目標:拡大図や縮図の意味や性質(図形)を理解する。角柱や円柱の体積の求め方・速さの求め方を知り, 計算できるようになる。比例や反比例の関係について理解し,関数の考えができるようになる。 6 単元の目標 変化する2つの数量関係を表に表すことを通して,数量関係や規則性を見つける能力を伸ばす。 7 評価規準 関心・意欲・態度 数学的な考え方 ○2つの数量の変化の仕方について,対応する数値を表 に表すなどして問題を解決しようとしている。 ○対応する数値を表した表から,対応の規則性を式に表 し,その式の意味を説明している。 8 指導計画(全2時間) (本時)1/2 第一次(1 時間) 段数と板の枚数の増え方のきまりを見つけ,段の数が21のときの板の枚数を計算式 を立てて求める。(1時間) 第二次(1 時間) 式の意味を考え,式の機能やよさをまとめる。(1時間) 9 本時の目標 段数と板の枚数の増え方のきまりを見つけ,21段目の板の数を計算で求めることができる。 【授業の留意点】 A.児童が「問題を解いてみたい,考えてみたい,これだとおかしい」等,心が動く場面を作る。 B.言葉や絵,図,式を相互に関連付けながら,自分の考えを具体物を操作したり,紙面上に書き記したりしながら発表する 活動をとる。 C.児童がどう考えているかを評価しながら授業をすすめる。児童の考え方を受け止め,児童の認知特性に基づいて,内容理 解に必要な認知活動を促す。 D.学び方の振り返りを行う。「今日どんなことが分かったのか」「なぜきまりが分かったか」等,自分の学び方を客観視させ, 学び方を言語化する。

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10 準備物 正三角形の板,めあてやまとめ・表などの掲示物 11 学習過程 時間配分 学習活動 指導上の留意点 評価規準 導 入 展 開 ま と め 15 分 20 分 10 分 1.はじめのあい さつ 2.本時の学習内 容を捉え,学習の 見通しを持つ。 3.本時の学習課 題を知る。 4.表に表し,き まりをみつける。 5.式化し,問題 を解く。 6.考えた求め方 を発表する。 7.まとめ 8.振り返りをす る。 ○音声と手話ではっきり表出させる。 ○問題場面を正確につかませるため,黒板に三角形の図形を 使ってピラミッド形を作る様子を示す。 ☆めあてを確認する際には,音声と手話で読むように促し, ノートに写す際は暗写させる。 ○数が多くなると数えることが難しいということに気付か せ,きまりを見つけることへの意識付けをする。(A) ○2つの数が何を示しているのか問い板書しておくことで 「段の数」と「板の数」に着目することをおさえる。 ○2つの数を表で表し,数量の変化を書き込ませることでき まりに気づかせる。(B) ○見つけたきまりは言語化させ,板書する。 『段数が1段増えるごとに,2枚ずつ増える』 ○正解を確認する際,自分の考えを修正したり付け加えたり しながら解決方法を見つけられるよう,まずは自力解決の 時間をしっかり確保する。 ○自力で式化が難しい場合,2つの数量の関係を式に表すこ とをおさえ,問題文から求めたいものを再度確認し,イコ ールで結ばれた式の片側に「正三角形の板の枚数」と示す。 ○児童が考える際に利用した図,表なども提示させ,順を追 って説明するよう促す。 ☆その際,話の骨組みを提示しておくことで順序立てて,論 理的な説明ができるようにする。 ○児童の考えを整理させるために,式と表を対応させながら 変化した数量に着目させ,数値が示す意味を言語化させる。 (C) ☆ノートに写す際は,暗写させる。 ○どんなきまりがあり,どのような考え方をしたことで答え が導き出せたのか,児童のことばでふり返りを行う。(D) 段数と板の枚 数の増え方の きまりを見つ け,21段目の 板の数を計算 で求めること ができる。 (ノート・発言) 【問題】 正三角形の板を並べていきます。 段を増やしていくと,正三角形の板の数はそれぞれ 何枚になりますか。 2つの数の関係を見つけ, 21段目の正三角形の数を簡単な方法で求めよう。 きまりを見つけ,式にすると,段数が多くなっても 簡単に求めることができる。

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9.おわりのあい さつ ○音声と手話ではっきり表出させる。 12 本時の評価 評価項目 評価 十分満足できる状況 ・段数と板の枚数の増え方のきまりを見つけ,21段目の板の数を計算で求 めることができる。 おおむね満足できる状況 ・求めたいものは何かを明確にし,式の一部(右辺)を示すことで21段目 の板の数を計算で求めることができる。 努力を要する 児童への手立て ・三角形の増え方のきまりを見つけられず,立式することができない場合は, 表中の変化している数値に注目させ,段数の少ない場合から順に式化し, 21段目の数を求める式に導いていく。 13 教室配置 黒 板 14 板書計画

T

児童 きまりを見つけて 【問題】 正三角形の板を並べていきます。 段を増やしていくと,正三角形の板の 数はそれぞれ何枚になりますか。 表 きまり 段数が1段増えると, 板の枚数は2枚ずつ増える。 めあて 2つの数の関係を見つけ, 21段目の正三角形の数を簡単な方法で求めよう。 …1段目 …2段目 …3段目 児童の考え 式 理由 まとめ きまりを見つけ,式に表すと 段数が多くなっても簡単に求めることが できる。 考え方の補足等 段数 板の数

参照

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