奈良教育大学学術リポジトリNEAR
へき地児童の知能構造の発達的研究
著者 藤田 正, 杉村 健
雑誌名 奈良教育大学教育研究所紀要
巻 17
ページ 161‑168
発行年 1981‑03‑23
その他のタイトル A Developmental Study of Children's
Intelligence Structure in Remote Mountain Villiage
URL http://hdl.handle.net/10105/6497
へき地児童の知能構造の発達的研究^
藤田 正 杉村 健
(心理学教室)
わが国における知能の地域差に関する研究は、へき地と都市、または農村と都市に住む児童・
生徒に集団知能検査を実施し、その結果を比較したものが多い。中島(1954)は、宮城、青森、
福島、岩手の4県のへき地に住む小学4,5,6年生と中学1,2,3年生に、新制田中A式第 1形式(言語性)と新制田中B式第1形式(非言語性)の知能検査を実施した。その結果、へき 地の児童・生徒の知能偏差値は全国平均(50)、および仙台市に住む児童・生徒に比べて低いが、
非言語性検査の成績が言語性検査の成績よりもすぐれている傾向があった。これ以後も、知能の 地域差に関する研究は幾つかなされている(江川,1956;大平,1962;東江と大西,1964)。
これらの研究結果から明らかにされたことは、へき地および農・漁村における児童・生徒は、非 言語性知能が言語性知能よりもすぐれているが、全体としてみると、全国の標準値や都市の児童
・生徒に比べて劣っているということであった。
最近、杉村(1978)は奈良県下のへき地の幼児にマッカーシー認知能力診断検査を実施した。
その結果、へき地の幼児は知覚一遂行能力と運動能力に比べて、言語能力、数量能力、一般認知 能力および記憶能力が低いことが見い出されている。さらに、杉村(1980)が同じ検査をべき地 と都市の幼児に実施した結果からは、へき地保育所児は都市幼稚園児に比べて言語能力、数量能 力および一般認知能力が低かったが、へき地保育所児と都市保育園児の間には統計的に有意な差 はみられないことが明らかにされている。このように幼児の場合も、児童・生徒の場合とほぼ同 様な結果が得られている。
ところで、知能の地域差を扱ったこれまでの研究には以下の3点について再検討される必要が あると思われる。第1に、これまでの学齢児童を対象にした研究は、小学4年生以上のものが多
く、低学年児童についての様子がわからないので、発達的な傾向が把握できない。第2に、へき 地においても最近では、交通事情の改善、生活様式の変化、テレビ・ラジオ等のマス・コミュニ ケーションの発達など、子どもを取り囲む環境も大きく変貌していることから考えると、これま でになされた多くの研究は時期的に古いものとなっている。第3に、従来の研究では言語性知能 検沓と非言語性知能検査の2つを実施し、その比較をしたものが大部分であり、1つの検査でも
って知能構造を測定していない。
以上のような理由から、本研究では小学2年、4年、6年生を対象に、言語因子、空間因子、
数因子が同時に測定できる京大N X知能検査を実施し、へき地児童の知能構造における発達的な
} A DevelopmentaI Study of Chi1dren s Inte11igence Stmcture in Remote
Momtain Villiage
Tadashi Fujita and Takeshi Sugimura(Department of Psychology,
Nara Uni ver si ty of E ducati on,Nara)
一I61一
変化を検討することを目的とした。
方 法
調査対念 調査対象は奈良県下の小学2年生、4年生、6年生合計391名であった。へき他 校は、奈良県吉野郡十津川村内の小学校3校(いずれも2級へき他校)の児童170名であり、平 担校は、奈良県磯城郡川西町内の小学校(1校)の児童221名であった。表1は調査対象の内訳 けを示したものである。
表1 調査対象の内訳
学 年 合計 2 4 6
へき地
男児数22 25 35 82 女児数22 33 33 88
合計 44 58 68 170 平 担
男児数 39 36 41 116
女児数35 35 35 105合計 74 71 76 221
調査内容 2年生に用いたのは、京大N X7−g知能検査(梅本ら,1971)で、次の8つの下 位検査から成り、言語因子(①、②、⑤、⑧)、空間因子(③、⑥)および数因子(④、⑦)の
3つにまとめられている。
① 反 対 語:反対語を見つける問題で、語い関係の理解力が調べられる。
② 日常記憶:文の内容を記憶する問題で、日常生活に必要な記憶力や注意力が調べられ乱 ③ 同図形発見:見本と同じ図形を見つける問題で、知覚的弁別能力が調べられる。
④ 数 計 算 簡単な加減の計算問題で、計算能力や計算速度といった理数科の基礎学習能 力が調べられる。
⑤異質発見:異なる概念に属するものを見つける問題で、類概念能力が調べられる。
⑥図形構成:分割された図形の部分を組み合わせて手本と同じ図形を作る問題で、空間的 直観力や視覚的注意力が調べられる。
⑦数系列:一定の法則をもつ数系列の空所に適当な数を入れる問題で、数関係の理解力 や応用力が調べられる。
⑧単語完成:空所に1つの文字を入れて単語を作る問題であり、ことばの豊富さや流暢さ が調べられる。
4年生と6年生に用いたのは京大N X8−12知能検査(苧阪ら,1972)で、次の9つの下位検査 から成り、言語因子(①、②、④、⑦、⑨)、空間因子(③、⑤)および数因子(⑥、⑧)の3 っにまとめられている。
① 反 対 語:反対語を見つける問題で、語い関係の理解力が調べられる。
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②日常記憶:文の内容を記憶する問題で、日常生活に必要な記憶力や注意力が調べられる。
③ 同図形発見:見本と同じ図形を見つける問題で、知覚的弁別能力が調べられる。
④異質発見:異なる概念に属するものを見つける問題で、類概念能力が調べられる。
⑤点図形:点と点を結んで手本と同じ図形を描く問題で、空間的直観力や視覚的注意力 が調べられる。
⑥数交換:約束に従って数の交換を行う問題で、数関係の理解力や応用力が調べられる。
⑦単語完成:空所に1つの文字を入れて単語を作る問題であり、ことばの豊富さや流暢さ が調べられる。
⑧数計算:簡単な加減の計算問題で、計算能力や計算速度といった理数科の基礎学習能 力が調べられる。
⑨単語マトりックス:単語間の適切な関係について判断する問題で、論理的な推理力が調べ られる。
手籠き 知能検査は、へき他校では昭和55年10月20,21日、平担校ではlO月13,14 日に著者らと心理学専攻学生によって実施された。
桔 黒
表2〜4は、学年別にへき他校と平担校の知能偏差値の平均と標準偏差、およびε検定の結果 をまとめたものである。
表2 2年生の知能偏差値の平均(S D)
因子
下位検査 へき地 平担 差 t(d=l16)反対語 53.1( 9.8) 56.6( 8.7) 上315 1.99集
日常記憶
50.7( 9.2) 51.2( 9.9) 一0.5…… …E[コ ロ回
異質発見
50.9( 8.9) 53.3( 8.8) 一2.4単語完成
50.7(10.0) 55.2( 7.9) 一4.5 2.70州平均 51.6( 7.3) 5412( 6.9) 一2.6 1.90+
同図形発見 53,6( 8.6) 52.7(10.4) O.9
空聞
図形構成
55.O( 7.5) 52.8( 7.6) 2.2平均 54.4( 5.9) 5310( 7.O) 1.4
数計算 47.9( 7.8) 48.2( 9.9) 一0.3
数 数系列 48.9( 9.4) 52.4( 8.7) 一3.5 2.06.
平均 4&8( 7.7) 50.5( 8.5) 一1.7
全 体 51.7( 8,0) 53.7( 7.8) 一2.O
十P<.10, ●P<.05, .■P<.01
2年生では、表2に示されるよう1こ知能偏差値については、へき他校(51.7)よりも平担校
(53,7)の方が得点が高かったが、統計的には有意差はみられなかった。次に因子別にみてみる と、言語因子の平均では、へき他校(51.6)よりも平担校(54.2)の方が高く、有意に近い傾向 がみられた(t=1・90,〃1116,P<.lO)。また・この因子では反対語(t=1.99,ψ=
l16,P<05)と単語完成(t=270,d∫二116,P<01)の下位検査に有意差がみられ、
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平担校の方がいずれも得点が高かった。空間因子の平均では、へき他校(54.4)の方が平担校
(53.0)よりも高かったが、有意差はみられなかった。数因子の平均では、へき他校(48.8)よ りも平担校(50.5)の方が高かったが、有意差はみられなかった。しかし、下位検査の数系列(ε
=2.06,〃=l16,P<、05)には有意差がみられ、平担校の方が得点が高かった。
次に、因子ごとの平均および知能偏差値について、全国の標準値(50.O)との有意差を検定し た。へき他校では、空間因子のみが標準値よりも有意に高かった( =4.87,〃=43,P<.oOl)。
平担校では、言語因子(ε=5.17,〃=73,戸<.001)、空間因子(ト3.59, 〃=73,
P<.001)および知能偏差値( =4.Ol,d∫=73,P<.001)のいずれも標準値より有意に
高かった。
4年生では、表3に示されるように知能偏差値については、へき他校(45.9)よりも平担校
(49.3)の方が有意に高かった(ε=2.09,d∫=127,P<.05)。 因子別にみると言語因子 の平均では、へき他校(4512)よりも平担校(48.7)の方が有意に高かった( =2.33,d∫=
127,P<.05)。下位検査においても、反対語(ε=3.13,〃亡127,P<.01)、異質発見
(t巴2.08,〃=127,P<.05)、単語完成(f=1.81,ψ=127,Pく.10)、および単語 マトリックス(t=1.87,d∫=127,P<.10)において平担校の得点が高かった。空間因子の 平均では、へき他校(4912)よりも平担校(5工.5)の方が得点が高かったが、有意差はみられな かった。しかし、下位検査のうち点図形(ε=1,87,〃=127,P<.10)においては平担校の 得点が高いという傾向がみられた。数因子の平均および下位検査の得点ともに有意な差はみられ なかった。
標準値と比較した結果については、へき他校では言語因子(t=4.02,d∫=57,P<.OOl)
および知能偏差値(t=3.36,d∫=57,P<.01)が標準値よりも有意に低かった。平担校で は、いずれにおいても標準値との間に有意な差はみられなかった。
表3 4年生の知能偏差値の平均(SD)
因子
下位検査 へき地 平担 差 (ψ=127)反 対 語 44.8(10.2) 50.1 ( 9.1) 一5.3 3.13帥
日常記憶 45.6(I2.5) 45.9(10.5) 一0.3
………五[:I ロロ 異質発見 44.7( 9.7) 48.2( 9.1) 一3,5 2.08}
単語完成 46.0(12.9) 49.9(ll.9) 一3.9 1.81+
単語マトリックス 45.0(14,6) 50.0(15.5) 上5,0 1.87+
平均 45.2( 9.0) 48.7( 7,7) 一3.5 2.33ヰ
同図形発見 49.8( 9.4) 50.5( 9.8) 一0.7
空間 点 図 形 48.3( 9.8) 52.0(12.1) 一3.7 1.87+
平均 49.2( 7.4) 51.5( 9.0) 一2.3
数 計 算 48.7( 7.2) 49.5( 8.O) 一0.8
数 数 交 換 48.3(10.5) 48.0(13.2) 0.3
平均 48.7( 7.5) 49.0( 8.8) 一0.3
全 体 45.9( 9.1) 49.3( 8.8) 一3.4 2.09^
十P<二.10, ^j〕く二.05, ‡^P<二.Ol
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6年生では、表4に示されるように知能偏差値については、へき他校(46.9)よりも平担校
(49.6)の方が得点が高いという傾向が示された(ト1,65,ψ=142,・P<.10)。因子別に みると言語因子の平均では、へき他校(46.8)よりも平担校(49.9)の方が有意に得点が高かっ た(ト2.27,d∫=142,P<.05)。日常記憶(ε=2.27,〃=142,P<.Ol)、単語完 成(ト2.86,〃=142,P<.01)の下位検査においても平担校の得点が有意に高かった。
空間因子の平均ではほとんど差はなく、下位検査においても有意な差はみられなかった。数因子 の平均については、へき他校(46.1)よりも平担校(47.3)の方が得点が高かったが、有意差は みられなかった。下位検査においても有意差はみられなかった。
標準値と比較した結果については、へき他校では言語因子(ε=3.32,〃=67,P<.01)、
数因子(ε=3159,〃=67,P<.001)および知能偏差値(ε=2.84,〃=67,P<.O1)
のいずれも標準値よりも有意1こ低かった。平担校では数因子( =2.19,〃=75,P<.05)
が標準値よりも有意に低かった。
表4 6年生の知能偏差値の平均(S D)
因子
下位検査 へき地 平担 差 ε(ψ三142)反 対 語 50.0(10.1) 52.1(10,8) 一2.1
日 寀L憶 42.8(13.2) 48.3(10.4) 一5.5 2,77
………直1コ ロロ 異質発見 44.2( 8.O) 46.4( 8,2) 一2.2
単語完成 45.3(12.0) 51.4(13.3) 一6.1 2.86帥
単語マトリックス 51.8( 9.5) 50.3(14.6) 1.5
平均 46.8( 7.9) 49.9( 8.3) 一3.1 2.27.
同図形発見 51.1 (10.7) 52.6(l l.3) 一1.5
空間 点 図 形 50.9(12.3) 49.9(13.3) 1.O
平均 51.2( 9.6) 51.5(10.6) 一0.3
数 計 算 45.7( 9.8) 47.5(l1.5) 一1.8
数 数 交 換 46.0(lO.0) 46.6(13.1) 一0.6
平均 46.1( 8.9) 47,3(10.9) 一1.2
全 体 46.9( 9.O) 49.6(1016) 一2.7 1.65+
十」P<.10, ^P<.05, ■P〈=.01
考 素
本研究での主な結果は、次のようにまとめることができる。全体的な傾向を示す知能偏差値に ついては、2年生では地域拳がみられなかったが、4年生、6年生となるにつれて平担校の方が へき他校よりも得点が高くなっている。また、4年生、6年生のへき他校の得点は全国の標準値 よりも低いものであった。
我々の主な関心である知能因子における特徴をみると、言語因子では2年生、4年生、6年生 のいずれにおいても、平担校の方がへき他校よりも得点が高かった。また、4年生、6年生のへ き他校の得点は全国の標準値よりも低いものであった。しかしながら、空間因子ではどの学年に
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おいても地域差はみられなかった。これらの得点は2年生では、へき他校、平担校の両方で標準 値よりも有意に高いものであった。他の学年では有意差はみられなかった。また、数因子でもと
の学年においても地域差はみられなかったが、6年生では両校とも標準値よりも有意に低い得点 であった。
ところで、へき他校と平担校のそれぞれにおいて、これら3つの因子にはどのような特徴が示 されているだろう。へき他校の2年生では、空間因子(54.4)、言語因子(51.6)、数因子(48.8)
の順、4年生では空間因子(49.2)、数因子(48.7)、言語因子(45.2)の順、6年生では空間 因子(51.2)、言語因子(46.8)、数因子(46.1)の順であった。一方、平担校の2年生では 言語因子(54.2)、空間因子(53.0)、数因子(50,5)の順、4年生では空間因子(51.5)、数 因子(490)、言語因子(487)のl11貢、6年生では空間因子(515)、言語因子(499)、数 因子(47.3)の1順であった。
統計的処理は行わなかったが、へき他校ではいずれの学年においても空間因子が言語因子より も得点が高いという結果が共通してみられた。この結果は、幼児についても知覚一遂行能力に比 べて言語能力が低かったといの結果(杉村,1978)に一致するものであった。他方、平担校では 空間因子と言語因子の間にはほとんど差はなかった。この点はへき他校の場合とは異っていた。
なお、数因子はへき他校では学年によって一定した結果は示されていない。平担校では2年生を 除いて言語因子の成績とあまり大きな差はなかった。
以上の結果は、へき地児童の知能が全国の標準値や都市の児童に比べて低く、言語性知能が非 言語性知能に比べて低いという従来の結果(中島,1954;江川,1956;大平,1962;杉村,
1978;1980)とほぼ一致するものであった。
ところで、興味がもたれるのは、へき地児童において2年生では全国の標準値との差が小さい のに対して、4年生と6年生において大きく表われていること。さらに言語因子においても、2 年生よりも、4年生、6年生で平担校との差が大きくなるという点である。
京大N X知能検査で測定される言語能力は、記憶力、類概念能力、語い・理解力、一般的知識 力などを含み、空聞能力は、知覚的弁別力、空間的直観力、注意力を含み、数知能は、数関係の 理解力、応用力、計算能力を含んでいる。これらのうち、言語知能と数知能は学習によって獲得
されるものであり、空間知能は素質面が強いものであるとされている(苧阪と梅本,1956)。こ のような考えに従った場合、へき地児童にみられる言語知能が低いという特徴は、学年が上にな るほど日常の学習面に問題があることの可能性を示すものと解釈できる。この点については、我 々が同じ児童を対象として家庭学習時間とテレビ視聴時間を調べた調査の結果(杉村と藤田,1981)
が参考になる。
平日の1日あたりの平均家庭学習時間は、へき他校の2年生では80.5分、4年生72,9分、6年 生10工.5分であり、平担校の2年生では71.7分、4年生87.5分、6年生137.0分であった。ま た、平日の平均テレビ視聴時間は、へき他校の2年生では178.0分、4年生154.7分、6年生127.0 分であり、平担校の2年生では165,O分、4年生118.3分、6年生98,6分であった。このように 学習時間については、2年生ではへき地児童の学習時間が約9分ほど長いのに対し、4年生と6
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年生では、逆に平担の児童の方が約15分、約36分とそれぞれ長くなっている。テレビ視聴時間 については、いずれの学年でもへき地児童の方が長く視聴しているが、2年生では約13分であっ た差が、4年生的36分、6年生的28分と、その差が大きくなっている。
溝口(1979)は、知能発達の地域差を生じる原因について、生活行動空間の狭さ、文化的配置 構造の貧困さと単調さ、人間関係の固定的単調さなどの条件をあげている。また、杉村(1978)
は、幼児に個別検査を実施した結果から、言語性検査では子ども自身が言語的反応をする必要が あり、へき地の子どもは初対面の検査者に対して言語的応答がうまくできなかったのではないか という指摘を行っている。しかしながら、いずれが決定的な要因であるのかを見い出すのは今の ところむずかしい。
宴 約
奈良県下のへき地と平担部の小学2年、4年、6年生391名に京大NX知能検査を実施し、へ き地児童の知能構造の特徴を発達的に検討した。主な結果は次のとおりである。①知能偏差値は、
2年生では地域差がみられなかったが、4年生、6年生ではへき他校の得点が低かった。②言語 因子では、どの学年でもへき他校の得点が低かったが、空間因子と数因子ではどの学年でも地域 差はみられなかった。③へき他校では、どの学年でも空間因子が言語因子よりも得点が高かった。
これらの結果は、従来の研究結果とほぼ一致するものであった。へき地児童の言語知能が低い ことの原因として日常の学習面に問題があることの可能性が示唆された
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(付記) 本研究を行うにあたり、奈良県吉野郡十津川村立上野地小学校、三村小学校、平谷 小学校、磯城郡川西町立結崎小学校の校長先生はじめ担任諸先生方、児童の皆さんの御協力を得
ました。また、資料の蒐集と分析に際しては心理学専攻生上羽潤子さん、佐藤元治君、安井靖子 さん、石山東津君、その他の心理学専攻生の御協力を得ました。記して厚く感謝致します。
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