イ 子・
Itセンターだより第号
平成17年10月 1日 発行 編集発行 奈良教育大学保健管理 セ ンター
カウ ンセ リング と箱庭療法
学生相談室 を一度で も覗 いて くだ さった方 には、 その コーナーにあ る砂箱 に気づかれた ことで しょう。
どうして こんなところに砂箱かかあるのだろ うと思 われ る方 もあるか もしれません。多 くの方 は「ああ―
これが箱庭療法の箱Jと思 われ るので しょう。 そ うです。箱庭療法 は、1965年河 合隼雄教授 (現文化庁 長官)によ って、我が国にもた らされ、飛躍的な速 さで、受 け入れ られ、 日本箱庭療法学会 も設立 され、
今年度 は第19国人会を迎 え るほどに成長 して いるのです。世 界箱庭療法学会 もあ り、世 界のた くさんの 人たちか、 この箱庭療法 に興味 を持 っています。
カウンセ リングと箱庭療法
前回 (第45号)では、 カウ ンセ リング場而 で、 自分で思 った こと 。考えた ことなどを話 して もらうの ですが、 自分 の気持 ちにぴ った めの言葉 を捜 しているうちに、 その話 を自分 もしっか りと聴 いていて、
自己を省み るとい う操 作 もして い るとい うことを述 べ ま した。
今回 は、 カウンセ リング場面 にお ける箱庭療法 につ いてお話 してみ ま しょう。 カウ ンセ リング場面 で、
自分の気持 ちを話 して もいるが、言葉 を見つ けるよ り、 自分の気持 ちを イ メー ジで表現 し、箱庭 の アイ テムに自分 の気持 ちを託 しなが ら、砂箱 にまるでキ ャンバスに絵 を描 くよ うに置 いていきます。す ると そ こにひ とつの作品が出来上が って きます。 自分の思 いどお りの ものか出来 上が る場 合と、 自分で は思 い も しない ものが出来上が って くる場 合があ ります。箱庭療法ではこの作品を シ リー ズでみてい くとい うもので、それ ら一連 を私 たちは箱庭療法過程 とよんでいます。
筆者 は以 前か ら、 なせか、 この箱庭療法が どのよ うな経過 を経て生 まれて きたのか に とて も興 味が あ りま した。 それで今回 は、 その ことについて もう少 し詳 しく話 してみ ま しょう。
箱庭療法 はどこか らきたので しょうか。
1965年 スイスのユング研究所から分析家の資格を取得 し、帰国された河合先生は、オリジナルSand Spiol:
Salld Play『 砂遊 び』 というのを、『 箱 庭療法』 と名づけ、それは日本 人にぴったりと思われたそうです。
Sand Plavの創始者、 ドラ・ カル フは、偶然、 自分の子 どもとユ ングの孫か親 しくな り、孫 の母親 (ユ 保 健管理 セ ンター
学生相談室 カウ ンセ ラー 酒 井 敦 了
― ‑1‑―
ングの娘)にお茶 に招 かれた ことによ り、 ユ ングと知 り合 い、ユ ングに子 ど もの心 の治療家 と しての素 質を見出 され、 ユ ング研究所 で学ぶ よ うにな ります。 1954年 小児精神家医 ローエ ンフェル トが、 スイ ス ユ ング研究所で行 った『 ワー ル ドテ クニーク:世界技法』 の講演 に、感銘 を うけ、 ロ ン ドンにい るロー エ ンフェル トの もとに行 きます。 ロン ドンには、ユ ングの考 えをベースに した初めての子どもの,と、の治 療者 であ るマ イケル・ フ ォーダムに会 い、 この人の紹 介で、 ウ ィニ コ ッ トに も学ぶ ことがで き、 これ ら の経験か、後に、Sand Play Thel・apyを発展 させてい くの に役立 った とい うことで あ ります。
一 方、 イギ リスの ローエ ンフェル トは、彼女 の ク リニ 、ンクに訪 れ る子 ど も達 のい うに言 われない、 口 で は言 い表せ ない (‖lnexpressible")よ うな気持 ちの表現 を どのよ うな方法ですればいいかを考 えて い て、彼女 は20年も前 に読 んだ、『 タイムマ シー ン』 や『 世界戦争』 を書 いた英 国の作家HGウ エル ズの
『床遊 び』(日Flool・ Ganles‖)の ことを思 い出 します。 それ は2ノ、の息子 が、床の上 で ミニチ ュアの玩具 で遊 んで いると、子 ど も自身 の問題 や家族 の問題 まで も解決 して い った ことを描 いて いる もので した。
この ことに ヒン トを得た ローエ ンフェル トは、 自分の診療所のプ レイルームの棚 に ミニチュアのお もちゃ を並 べてお きます。 す ると、子 ど もか来 て、棚 か らお もち ゃを取 り出 し、砂箱 の中に置 き遊 びだ し、そ の子 どもの世 界を作 ってい くのです。子 どもか ミニチュアのお もちゃで、自分の内的な世 界を シンボ リッ クに表現 し、 セ ラ ビス トに語 って くることに気がつ きま した。 これ は作 ることそれ 自身 も面 白い し、一 人一 人の子 ど もが語 るその世 界 も興味深 い こともわか りま した。 この ことか ら彼女 は、子 ど もが 自発的 に作 る子 ど もの世 界そ してそれ につ いての物語か ら、『世 界技法』 とい う方法を導 いていったのです。
ドラ0カ ルフは、 ローエ ンフェル トか ら学んだ ものをよ り深 め、子 どもの恐怖 や怒 りの表現 を認 め る だ けでな く、その子 どもを勇 気付 け、変容 や個性 化 (その子 らしく生 きる道)まで提供す るもの と して、
箱庭療法 を深 めて いきま した。 カルフの考 え に共鳴す る人 々が、L界のいろいろな国 々か らスイスの彼 女 の ところに集 ま って きま した。河合が、 ス イスで カルフに出会 った ことは、我 が国 において も世 界の 人 々にと って も、幸 せな ことだ った と思 われ ます。河 合か カルフに教 えを請 うたか も しれ ないか、 カル フは河合によってその運 命をよ1)深め発展 させていったといえます。
1962年 河 合が 初めて作 った箱 庭 を見て、 カル フは、河 合に「『西洋 と東洋 をつ な ぐ橋』 の役割 をす る だろ うJといわれ たそ うです。箱庭療法 は西洋で生 まれま したが、東洋 の知恵 も大 いにあるそ うです。
西洋 で生 まれた意識・ 無意識 とい う概念 の間を も行 き来 す るのです。
東洋 と西洋の架 け橋 ―世界 をつな ぐもの一
箱庭療法 を このよ うにみて くると、洋 の東西 を問わず、 人間の心・ 魂 の底 に流れて い るものには共通 の ものが あ ります。 それぞれの固有 な文化の中に生 きなが らも、そのよ うな世 界の人々の底 に流れ る普 遍的 な ものを発 見 した とき、 人々は、安堵 し、平穏で、幸せ な気持 ちになれ ることで しょう。世 界各国 の人 々の様 々な箱庭の事″1は、 人間の、 人類 の普遍的 な ものにつ いて 多 くの/1N唆を与 えて くれ ます。
カウ ンセ リングルーム (学生相談室)で作 る箱庭 は、私 たちをそん な世 界へ も誘 って くれ るのです。
参考文献 山中康ネ谷、S・ レーウェン・ サ イフェル ト、K。 フラッドウエ イ編、『世 界の箱睫療法』 対i曜社2000 R R λlltchell&H S Flledrllan『Sand Plav、Past Pl esellt&Flltul c』 Routlodge 199・1
① O① ④ ①
メタポ リックシン ドローム
保健管理センター 所長 辻 井 啓 は じめ に
いわゆる生活習慣病に関 して本コラムでは時々とりあげ、前号では糖尿病について述べましたか、今回 は、最近マスコミでよく使われるようになった、「 メタボ リックシンドロームJと いう病態について解説を してみたいと思います。
高lm圧、高I旨血lni、 糖 尿病、肥r吉 (特に内臓脂肪型)の 4つ の病態が重 なることを、「死の四重奏Jと いっ て、動脈硬 化が急速 に進 行する危険な状態であることを、私 は講義や講演で も強調 して述べてまいりまし た。「 タビの│′J重奏Jという言葉 は ‑11に イメーシとしてわか りやす く、私 は好んで用いて きま したが、他に
もこういった病態か重 なることにつ いては、 1980年 台 後`
「 か ら、「 シンドロームXJ「マルテ ィプル リスク ファク ターl■侯群J「 インスリン抵抗性l.L候群J「 内臓]旨肪症 候群Jなど様 々な概念が次 々と提口昌され、
その危険性か指摘 されて きたところです.
日本ノ、の死亡 原因の1位はかんですが、 2位の′心臓疾患 、 3位の脳 血管障害をll」脈硬 化性 の疾患 と し て合計 して考えると、 1位のがんを抜 くパーセ ンテージになります.日本では、高血圧の人が約3900万 人、
高1旨血症か約2500万 ノ、、糖 尿病か 予備軍 を含めて約 1620万 人いると推計 されています。 確かに 日本は世 界に冠 たる長 寿国ではあ ι)ますが、 この生活習慣病の有病者の数を考えます と、 命をとりとめ得たとして もその後遺症のため著 しく/1活に支障を生 じる′亡、筋梗塞 や脳卒中 といった重大 な動 脈硬 化性 の疾患 を予 防 することは、超 高齢化社会において高齢者が寝 たきりやそれにi丘い状態 にならず、良 い生活の質Quality
of Life)を保つために人変重要 な問題であると思 います。
メタボ リックシンドロームとは、動脈硬化の進 行を促進す るような様 々な病態の重 なりをひとつの川の 流れに擬 し、その最上流 に内臓脂肪型 肥満があるとす る考え方です。一般 には、「lri尿病J「高血 圧J「高
]旨血症Jな どは独 立 した病 気と して 考え られていることが 多いのではないで しょうか.内科において も、
各々の検査 値を改 善す ることを主眼 とした治療が されて きたように思 いますr
しか し、様 々な生活習慣 に起因する病態か、実 はひとつの根本的な成因に収 束すると考えれは、患 者さ ん側にもわか りやす く、動脈硬化予防に大 きく寄 与できるのではないかと考え られます。
以下、詳述 いた しま しょう。
メタボ リックシン ドローム とは
メ タボ リズム(λ4etab01isnl)と は、和訳す ると「 代謝Jですか ら、メ タボ リックシン ドロームは直訳 す る と、「 代謝症 候群Jと なります。また、「異常Jをつけて「代謝異常症候群」とされることもありますが、一il には「 代謝Jとい う言葉そのもの もな じみか薄 く、おおさっばす ぎて意味か伝わ りませんっつまりは、1旨肪 組織 、特 に内臓]旨肪かいろいろな生I里活性物 質を分泌 し、非常 に大 切なホルモ ンである インス リンの働 き にも影響 を与 え、糖、]旨質、血 圧調節 に関係す る諸物質の代謝 に種 々の異常か もた らされて、糖 尿病 、高l旨
血症 、高血 圧の発症 に関与 して動 脈硬化を引 き起 こす ということなのですが、本質 を衝いた和訳 か難 しい 以 L他の多 くの病 気と1司様に、メタボ リックシンドロームというカタカナ訳で我慢す るほかないようです。
メタボ リックシン ドロームについては、 アメリカ高脂血症 ガ イドラインやWHOの 診 断基準がすでに示 されています。 前者 は肥満を重 視 し、後者 は インスリン抵抗性 を重視 しています。 しか しなか ら両者 とも、
之
日本人にそのままあてはめるといろいろ問題があ りま した。特 に肥満 を考える場 合、 グローバルスタンダー ドであるBNII(Body Mass lndex)30以 上 の人は、 日本 においてわずか2〜 30/0であ って、欧米 の基準 を 使 うことはで きません。
そ こで、 関 係8学会(日本動脈 便化学会、 日本糖尿病学 会、 日本肥満学 会、 日本高血 圧学 会、 日本循 環器学 会、 日本 腎臓学 会、 日本血栓止血学 会、 日本内科学 会)が合同で メタボ リックシンドローム診 断基 準検討委 員会を構成 し、2005年 4月 にわが国における診断基準 を設定 しま した。 その診断基準 においては、
やはり前述 のよ うな和訳 は用 いず、「 メタボ リックシン ドロームJというカタカナで統一するということに なっています。以下、その診断基準をお示 しします。
メタボリックシンドローム診断基準
腹腔 内脂肪蓄積 ウエズF周囲径¬勇性菫^面話 ……………――‑1
女 性 ≧90cm
「 百
臓脂肪面積 1勇西[礎 1洸面高西百粕≦
上記に加え以下のうち2 項 目以上
1 高トリグリセライド血症 かつ/または 低HDLコレステロール血症
収縮期血圧 かつ/または
拡張期血圧
≧150mg/di
<40mg/dl
≧130mmHg
≧85mmHg
空腹時高血糖 ≧110mg/dl
*C丁スキャンなどで内臓脂肪量測定を行うことが望ましい。
*ウエスト径 は立位、軽呼気時、1齊レベルで測定する。脂肪蓄積 が著明で1齊が下方 に偏位 している場合は月力骨下縁 と前上腸骨棘の中点の高さで計測する。
*メタボリックシンドロームと診断された場合、糖負荷試験が薦められるが診断には 必 須ではない。
*高 TG血症、低HDL C血症、高血圧、糖尿病に対する薬剤治療を受けている場合 は、それぞれの項 目に含める。
*糖尿病、高コレステロール血症の存在 はメタボリックシンドロームの診断から除外され ない。
日本内科学会雑誌 94(4),188,2005 メ タボ リック シ ン ドローム の診 断 基 準
この診断基準でまず71日 されるのは、肥満の評価に体重やBMIを採用せず、専 らウエスト周囲径に限 っ たことです。 メタボ リックシンドロームにおいて重視 されているものは、内蔵脂肪の増加です。肥満には 上半身肥満(リ ンゴ型肥満)、 下半身肥満(洋梨型肥満)な どと詩われるタイプがありますが、内臓脂肪蓄
積型 の肥満 は前者であ り、 その評 価 にはウエス ト径か一番簡 便な方法 と考え られたわけです。過栄養、運 動不 足 という環境 の もと、乗1余エネルギーの脂肪細胞への蓄積、 さらにその1旨肪細胞の分布 の部位的な偏 りが メタボ リックシン ドロームの構成 には最 も重要 な因子 であると考 え られています。 従来脂肪細 胞 は、
単 に剰 余 エネルギーの蓄積 とい う役割 をはた しているものと思われて きま したが、実 は様 々な生理活性物 質(アデ ィポサイ トカイン)を分泌す る内分泌臓器 と考えるべ きであることがわか って きま した。 そ して、
内臓脂肪 においてのアデ ィポサ イ トカインの分泌が、 あるものは克進 し、 あるものは低下 し、 そのバ ラン スの乱れかメタボ リックシンドロームの病態形成の最上流 に位置するものと考え られているわけです。 そ れか ら、 もともと内臓脂肪 は腸 間膜 という部分か ら発生 し、腸管か ら吸収 された栄養の通 り道 にあること が重要 であろうと推沢1されています。 同 じ肥満 であ って も、人によって内臓脂肪型 と皮下脂肪型 の違 いが 現れて くるわけですか、なぜそうなるかについては、 またはっきりしたことはわか っていません。性差 ははっ
きりしていて、男性 に内臓:旨肪型肥満が圧優1的に多いのです。 ただ女性 において も閉経後 は増えて きます ので、性 ホルモ ンとの関係の可能性 は考え られています。
この診断基準 においては、女性 はウエス ト90cln以上 とされていますので、外観上 もかなりの肥満が予想 されますが、男性 はウエス ト85cm以上ですか ら、体重やBMIの面か らは肥満 にあた らない人 も多いと考え られます。 内臓脂肪肥満か「隠れ肥満」 と言 われる所以です。 自分の穿 いているスラックスのウエス トサ イズはいかがで しょうか。85cm以上 であれば即 この診断基準 に当てはまって しまいます□ あとは、下 の3
項 目の うち2つが当てはまれば メタボ リックシン ドロームとい うことにな ります。(きつめのサイ ズを穿 い ている方 は、 立位で軽 く息 を吐 き、 おへその高 さで測 ってみま しょう。 また、 おへそが下 を向 くほどおな かが出ていれば85cm以下 ということはまずないで しょうか、 そ ういう場 合は前 の腰骨 と一番下 の肋骨 の中 間で浸1って ください。)
健診・ ドックなどで採血 された結果 はいかがで したか。 トリグ リセ リド(TG=中性:旨肪)値、HDL―コレ ステロール(HDL C=善玉 コレステロール)、 空腹時血糖 値 に異常があれば要注意です。 また血 圧 はいかが で しょうか。 健診では、140/901nmHgを 基準 に していますが、 メタボ リックシンドロームの診断基準では、
130/80nllnHgと かなり厳 しくなっています。
もちろん、腹部CTや糖 負荷試験 について付記 されてはいますが、 この診断基準 を用いれば、 ウエス トサ イズと健診 の結果 によって、 簡 便にメタボ リックシン ドロームを ご自身で診 断す ることがで きます。 メタ ボ リックシン ドロームに当てはまる人は、現在成 人男性では4人に1人くらいと推定 されています。 中高 年 に限れば、40〜50%にのぼるか もしれません。
もし当てはまるような ら、 内科医にご相談 されることをお勧 め します。
高 コ レ ス テ ロー ル 血 症 に つ い て
動 脈硬 化 と言 えばコレステロールという言葉 を思 い浮かべ る方か多いのではないで しょうか。
メ タボ リックシン ドロームの診 断基準 に、総 コレステロール値やLDLコ レステロール(いわゆる悪玉 コレ ステロール)値 がないことを不思議 に思われるか もしれません。事実、高 コレステロール血症、特 に高LD Lコ レステロール血症が動脈硬化の独立 した リスクファクターの一つであることは、世 界的にコンセ ンサ スを得てお り、LDLコ レステロール高値に起因する動脈硬 化発症の しくみ もほぼ解明 され、治療方針 も
HMGCoA還元酵素阻害薬(いイメ)る スタチ ン製剤)によって確立 した観があ ります□
しか し一 方で、動脈硬化性 の疾患が、 コレステロールのみで説 明で きないことは明 らかで した。労 働省
(現厚生労 働省)が行 った1995年 か らの3年間の研究 で、高 中性:旨肪血症、耐糖能異常(糖尿病及 びその予 備軍)、 高血 圧、肥満の うち、 3個以上 合併 した場 合の動脈硬化性疾患 発症 リスクが コントロールの30倍 以上 に達す るとい う結果が得 られ、 こういった リスクの複 合が、動脈硬 化の背景 にあることが確認 され、
本稿で解説 しているメタボ リ ックシン ドロームという概念 につなが っていきま した。
そ うい うことで、高 コレステロールという状態がな くて も動脈硬 化は発症 しうること、 また合併 して存
‑5‑
在す る病態 は偶然集 まった ものではな く、 内臓脂肪肥満 という共通 の発症要因を持つ一つの疾患単 位 とし て考え ることが合理 的であるとされたのです。 ただ、診断基準の最後の付記を見ていただ くと、「糖尿病、
高 コレステロール血症 の存在 はメタボ リックシンドロームの診断か ら除 外 されない。Jとあるよ うに、高 コ レステロール血症を も合併する場 合は多 く存在すると考えていただいてよいと思います。
メタボ リックシン ドロームの治療
この疾患 の病因の最 も上流 に存在するものが内臓脂肪肥満であり、 内臓脂肪の蓄積が専 ら過栄養 と運 動不足に起因するものであるな らば、対策は自ず と決まって きます。摂取 カロ リーを減 らし、消費 カロ リー を増 やす ことです。無理 のないバ ランスのとれた ダイエ ッ トと、適 度 な有酸素運動 を継続す ること、 それ に尽 きます。 まず、 カロ リーの高 い1旨肪の摂取 を抑 えること、 また蓄積 した脂肪 は炭水 化物 よ り燃 えに く いため、 ご飯、バ ン、麺類 などの主 食 も控えめに した方がよいて しょう。 しか し、蛋 白質は減 らさないよ うに して くだ さい。 きちん と摂 っておかないと筋力がおちた りします̀)運 動 は、強度 はそんなに必要 あり ません。 少 し息が上が る程度の強 さで、20分以上 は続 けることか大 切です。特 別な運動 を意識せず とも、
日常生活 において歩行距離 をなるべ く増 やすなどを工夫す ることも大 切です.ウ エス トが l mtt Lあ るよ うな人が、いきなり85cmをめざ して も無理がでる し、 ス トレスもかか ります。 内臓脂肪 は比較的落 としや すいものです。 2〜 3kg程度の減量 で も、様 々な検査l■Lが改善することは私 ども医師 もよ く経験するとこ ろです。 合併す る病態 によっては、塩 分や コレステロールなどきめ細かい配慮か必 要になることもあ りま す。現在の食生活 を、栄養士 さんや医師に評 価 して もらうこともいいか もしれません。
ダイエ ットや運動 によって検査値の改善が十 分でない場 合は、もちろん薬剤が必要 になることもあめます̀ひ
しか し、あ くまで病因の最上流 には内臓脂肪肥満があることを忘れず、ダイエ ットと運動 を基 本にする必要 があ ります。薬 斉1のみによる治療 は、メタボ リックシンドロームについては望 ましいものではありません。
お わ りに
日本 人は欧米 の人 々に比べ、肥満度か さほどでな くて も軽度の過栄養状態て多 くの健康障害かあ らわれ ると訂われます。今回お′」てしした メタボ リックシンドロームの診断基準 を見 る限 り、若年者 にもかな り当て はまる人がいるよ うに思 います。この メタボ リックシン ドロームの概念 を、若 いうちか らよ く理 解 して生r舌
習慣 を考えることで、将来 の動脈硬 化発症 リスクを減 らす ことができれば大変良 いことだ と考えています。
また、 中高年 の方 も、 自覚症状 はな くとも動脈硬 化は深 く静かに進 行す るということを改めて認識 して いただき、り亡ヽ筋梗塞 や脳卒 中 といった重大 な病気の予防 に役立てていただければ幸 いです。
今回お示 ししたメタボ リックシン ドロームの概念及び診 断基準 については、発表 された内科学 会雑誌 に は、 第一 に心血管病(冠動脈疾患=心筋梗塞、 狭心症)の予防を主 眼 としている旨の記述かあ ります。 これ は、脳血管障害 に比 して、動 脈硬化 と,亡ヽ血管病 の相関がよりはっきりしているか らですが、 今後脳 血管障 害 に対 して も意義 の検討が行われ ると考え られます。 また、糖 尿病及 びその合併症 の発症予防の検討か行 われてい くで しょう。痛 風を起 こす高尿酸血症 との関連 を明 らかにする必要 もあ ります。
最後 に、俳 人横井 也有(1702〜 1783)の健康十訓 をお示 ししてお きま しょう。 貝原益軒 の養生訓 などもそ うですが、飽 食の現 代 に十 分通 用す る考えなのが不思議な気が します。
健康十訓
少 肉多菜 少塩 多酢 少糖 多果 少 食多岨 少衣 多浴 少車他 歩 少煩 多眠 少怒 多笑 少言 多行 少慾 多施
平成 16年 度保 健管理 セ ンター利 用状況 (学生)
月 │ 5 6 7 8 9 1 3 合計
内
系
呼 吸 器 系 8 5 2 3 21 12 15 7
腎 尿 路 系 2 1 1 1 2 7
消 化 器 系 1 4 6 4 ] 3 6 4 6
循 環 器 系 9 , 2 4 3 1 l ,
内 分 泌 代 謝 系
ア レ ル キ ー 疾 患 1 2 3
伝 染 性 疾 患 血 液 系 疾 患
神 経 系 疾 患 1 1 2
の 他 l 7 4 3 1 2 2 1
∫ヽ 19 7 1 11
クト
系
傷 12 1() 16 l 6 8
̀
4
へ3
F坐 8 5 6 3 う 1
ロロ
折 1 1
l腰 痛 1 5
の 他 13 15 1 1 1 7 6 2 5 2
l 言+ 27 10 r 9 6
カ ウ ン セ リ ン ク 5 ll 5 6 10 9 3 3 , 3 3
の
1也
皮 1昌 科 3 8 11 4 4 9 8 9 4 3 8
限 科 2 3 3 3 l 2 1 1
耳 鼻 FI 3 1 9 1
凶 1 1 1 1 1 9 l 8
婦 ノ、 4 4 4 3 1 3 3 1 1
健 康 相 談 15 9 8 1 3 1 2 2 1
りしヽ 1又l 2 1 J 1 8
日l[ 圧 測 定 16 1 5 1
ム央
1泉 6 1
救 急 箱 利 用 8 4 3 2 1 3 1 1 1
静 養 室 利 用 4 4 8 4 2 l 4 4 3 1
挙召 イト 11 15 8 10 4 5 5 4 8
特 別定 期 健康診 断 17
診 断 書 発 行 757
│ 言「 1113 lll 1354
総 計 154 1879
‑7‑
平成 16年 度保健管理 セ ンター利 用状況 (職員)
月 4 5 6 7 8 9 1 3 合言│
内
科
系
乎 吸 器 系
̀
3 4 7 3 6 13 17 1( 14 17
腎 尿 路 系
消 化 器 系 , 1 1 2 3 3 11 27
循 環 器 系 1 3 7 l 2 〕 1 3 5
内 分 泌 代 謝 系 ア レ ル キ ー 疾 患
伝 染 性 疾 患
血 液 系 疾 患
神 経 系 疾 患 1 1
の 他 1 1
l 計 3 9 8 4 1 16 19 19 171
外
ド│
系
外 傷 3 Э 3 8 6 , 2 1 2 , 1 1 17
l含 挫 2 2 1 3 1 16
日日
折 1 1
腰 痛 l l 2 12
の f也 1 9 2 4 l R 3 2
∫ 9 5 15 11う 4 lt) ′ 11 5 5 1
カ ウ ン セ llン ク 1 3 5 1 2 l 13
の
イ也
皮 膚 2 5 , 4 1 ]8
眼 1 1 1 1 1 5
耳 鼻 「 l 1 1 1 1 r
止因 科 1 1 1 3
婦 /、 科 1 1
健 康 相 談 l 5 1 7 10 6 3
′しヽ 十嘔 図 l 1 l 1 4
血 圧 測 定 2 2 l 1 l 1 12
検 尿 3 3
救 急 箱 利 用 1 2 1
静 養 室 利 用 2 1 3 :S 1 1 13
刀□ 介 2 1 1 3 4 2 19
特 別定期 健康診断 11 t 12
J 言十 8 15 9 9 15 9 15 7 157
総 計 27 27
平成 17年 度 学生 定期健 康診 断受検者数 及 び結果
男 1女
lo「 1面 学年別対 象者数
分
女 1 7一
四 回 生 1大 学 院
女Ttt F覇 女「 現T「要
201 1 681 78 受 検 者 1761 971 182
‖匈 1 受 検率(96) 10001 9601 98.9 955
8・1
66711000 95 11 931
̲̲̲」 ̲̲̲̲̲1̲̲̲̲̲
易1179711228
971 181
受 検率(%)1942 7621900
781 178 所 見 あ り
果 1未受 検者
1811 49 4221 77411196 85.91918
而丁 96176
3 1 1 1 5
8941957193.4
節所 瓦100.0 jT扁96.0 971 182面98.90
・再 検 結 果
101 71 17 101 51 13
1871 541 65 93.017941833 91 221 4
受検率(%)
検 結 果
‑9‑
対 象 者 数
胸 部 X線 撮 影 尿 検 査 血 圧
受 検 者
異 常 な し
所 見 あ り
精 密 検 査 受 検 者
里喜 甲 な し
所 見 あ り
再 検 結 果 受 検 者
異 常 な し
所 見 あ り
再 検 結 果 異
常 な し
経 過 観 察
要 治 療
未 受 検 者
異 常 な し
経 過 観 察
要 精 検
未 受 検 者
異 常 な し
経 過 観 察
要 精 検
未 受 検 者
教 官
︵ υ
04 56 53 3 1 1 1 25 14 14
事 務 64
(39)
30
(32)
29
(32) 1
1
18 (22)
17 22
1 1 23
(21) 23 (21)
付 属 64
(20) 15 (10)
15 (10)
12
(6)
12
(6)
5 (1)
5 (1)
計 248
(59) 101 (42)
97
(42)
4 1 1 2 55
(28)
54
(28)
1 1 42
(22)
42
(22)
平成 17年 度職 員定期健康診 断受検 状況
)は非常勤 で外数
保健管理 セ ンターの利用 について
●000000000● 00000000
応 急 処 置
けが、病気の応急処置を行ないます。
状態により適切な病院を紹介 します。
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2.健康 相 談
相談内容については秘密厳守 します。
相談は随時、医師 0看護師が応 じます。
利用時間 は月〜金曜 日までの8時30分 か ら17時 15分です。
医療機関 を受診す る場合、保険証 が必要 です。
いつ も手元 に用意 してお くよ うに心が けて くだ さい。
健 康 診 断 証 明 書 の 発 行
管理棟 1階 教務課前の 【証明書 自動発行機】 にて 自動発行 しますが、
健康診断全項 目が「異常な し」でないと発行で きません。
自動発行で きない場合 は保健管理 セ ンターにお越 しください。
そ の 他
◆ 健康、医療 に関す る図書・ ビデオの閲覧、貸 し出 しがで きます。
◆ 合宿 などで救急箱が必要 な場合 は、貸 し出 しを行な っていますので 事前 に申 し込 んで くだ さい。
◆ ホール に は体 内脂肪計・ 血圧計・ 自動視力計・ 全身 マ ッサ ー ボデ ィソニ ック・ エル ゴメー ターな どが あ ります。
健康の自己管理、 リラクゼーション、 フィッ トネスにご利用 ください。
◆
◆
3.
保健 セ ンターか らのお知 らせ
〜事讐墨暮│)三I与;;じ裏じだi°L拿
体 の不調 な どで休養 を とりたい場合 のために、男女別 の静養 室 を設 けて います。
学生 の方 だ けでな く、職員 のみな さまに もご利用 して いただ けます。
昔 なが らのパ イプベ ッ ドか ら
最新式 の木 目調電動 ギ ャッジベ ッ ドを新設 ! 寝具類 も新調 !
冷暖房・ 網戸完備 ですので快適 に静養 していただけます。
‑11‑
学園祭 に向けて
もう一度考えてみ よ う
アルハ ラにつ いて :
アル コールの作 用で大脳新 皮質71・マ ヒ、
理性 の抑制 が はず れ る。 また一 方 で、
気分 が ほ ぐれ 、 リラ ック スで き る とい う効 用 も。 酒 を「 百薬 の長Jにす るに は、 この段 階でつ きあ うことだ。
大lχ辺 縁 系 に マ ヒが及 び、「 酔 っぱ らいJ状態 に。 同 じ話 を繰 り返 す。
とな りの人 にか らむ。 ロ レツが あや しい。 足元があ、らつ く―― こん な兆 候が出 た ら飲 む の は即 ス ントプ。
マ ヒは、 大脳 全 体 に広 が り、 脳幹 や 脊髄 に も及 び始 め る。「酔 いつぶ れ 」 状態。 吐 い た もの をつ ま らせ て窒息 の危険 もあ るため、 絶対 に一 人 に し ない。 誰 かが付 き添 って病院 へ。
マ ヒは脳 幹 、 脊髄 か ら、 呼 吸 中枢 の あ る延髄 へ。 ここがや られて しま った ら、
あ とは死 だ。 た た いて も、 つね って も 反 応 が なか った ら、 一 刻 を争 う。 とに か くす ぐに救急 車 を!
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飲酒 の強要
上下関係・ 部 の伝統・ 集団 によるはや したて 。罰 ゲームなどとい った形で心理 的な圧力をか け、飲 まざ るをえな い状況 に追 い込 む こと 。
イ ッキ飲 ませ
場 を盛 り上 げ るため に、 イ ッキ飲 みや早 飲 み競争 な どを させ る こと。「 イ ッキ飲 み」 とは一息 で飲 み千 す こと。早飲み も「 イ ッキ」 と同 じ。
酔 いつぶす ことを意図 して に飲 み会 を行 な うことで、傷害行為 に もあた る。 ひ どいケースで は吐 くため の袋やバ ケツ、「 つぶれ部屋Jを用意 して い ること もあ る。
飲 めない人へ の配慮 を欠 くこと
本人 の体質 や意 向 を無視 して飲酒 をすす め る、宴会 に酒類以外 の飲 み物 を用意 しない、飲 めない ことを か らか った り侮辱す る、 など。
酔 つた うえでの迷惑行為
酔 ってか らむ こと、悪 遮ゝざ け、暴力 0暴言 、 セ クハ ラ、 その他 のひん じゅく行為。
主催者・ 幹事 には、 アルハ ラのない飲み会を行な う責任がある。飲 めない人 のため にノンアル コール飲 料 を用意す る こと。
「 吐かせれ ば よい」 とい う考 え方 は非 常 に危 険。 主催 者・ 幹事 は、「 吐 く人 の出 な い飲 み会」 にす るよ う心 しな けれ ばな らない。
酔 いつぶれ た人が 出 た場合 には、主催者・ 幹事 に保護責任が生 じる。絶対 に一人 にせず、意識が な い場 合 は救急 医療 につなげるな ど、最後 まで責任 を もたな ければな らな い。
未成年者 の飲酒 は法律 で禁 じられて いる。20歳 未満 は身体が未発達 なため、飲酒 によ って悪影響 を受 け る。未成年者 に飲 ませてはな らない。
イ ッキ飲み防止連絡協議会資料より
平成 17年 度
カ ウ ンセ リングのお知 らせ
※一 人で悩 まないで カウンセ ラーに相談 してみ ませんか。
勉強の こと、進路 の こと、対 人関係の こと、性格 の ことなど大学 生活 の中で出会 ういろいろな問題 につ いて相談 に応 じます。
相談 とい うほどで はないけれ どち ょっと気 にな ること、 その他 どのよ うな事 で も相談 にの ります。
個人のブ ラ イバ シーは固 く守 られ ます。
平成 17年 度 の カ ウ ンセ リングの 日程 は下記 の とお りです。 │
t,……… … …… … .―・
― …… ― .¨―.……… … .¨―,一…… … …… … .¨―,一.″
※ 相談希望者 は、保健管理 セ ンターヘ直接 中 し込 んで くだ さい。
電言舌OFAXて も受 け付 けます。
また、学生会館 とセ ン ター玄関前 に相談 用紙 と相談箱 を設置 して います。
場 所 :保健管 理 セ ンター 利 用 時 間 :14:00〜 17:00
カ ウ ンセ ラー :酒井 敦 子 先生 (学外 の先生 です)
TEL :0742‑27‑9138 FAX :0742‑27‑9280
20日(和 1 27日1/1
i7日 困 1 24日閑 10月 6日 lbl
12月 1 1日休)1 8日 休)
2006+18 128ffi 26E(^)
2月 1 2日内
3月 1 2日lkl 1 9日(カ
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秋季健康 診 断 の実施 につ いて (お知 らせ)
下記 の 日程 によ り実施 いた しますか ら全員必ず受検 して下 さい。
一 回生 の皆 さんヘ
※ 日程 0時間・ 対象者
平成17年10月 5日 (水) 学校教育教員養成課程 の男女 平成17年10月 12日 (水) 総合教育課程 の男女
※検査時間 は、10時〜13時です。
※検査項 目
〈血液検査〉
貧血・ 血液化学 (肝機能・B型肝炎・C型肝炎 を含 む)、 空腹 時血糖
※実施場所 保健管理 セ ンター
[注意事項]
1.血液検査前 日は、 アル コール飲料・ 油濃 い食事 を控 えて ください。
2.血液検査 当 日の朝食、昼食 は絶食 です !また、服薬 も しないで くだ さい。
3.該当 日に都合の悪 い場合 は、事前 に保健管理 セ ンターヘ連絡 して くだ さい。
全学生 の皆 さんヘ
保健管理 セ ンター
実 施 日 内 容 対 象 者 実施場所
教職 員 の皆 さんへ
平成17年10月 12日 (水)14時〜16時
健康相談 希望者
保健管理 セ ンター
9月28日 (水)に血液検査 を受検 で きなか った方 は、学生 の検査 日に受検 して くだ さい。