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AnanalystsOffactorstoinfluencehelper'Scognitionof●helpfulnessforwithdrawalfromhelping 援助手控えの援助性認知に関わる要因に関する研究

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(1)

長崎大学教育学部教育科学研 究報告

5 4

7 5 ‑8 5( 1 9 9 8

3

月)

援助手控 えの援助性認知 に関わ る要 因に関す る研究

1)

原 田 純 治

Ana na l ys t ● sO ff a c t o r st oi nf l ue nc ehe l pe r ' Sc o gni t i o no f he l pf ul ne s sf o rwi t hdr a wa lf r o m he l pi ng

J unj i HARADA

本研究 は,援助 を手控 えるこ との援助性認知 に関わ る要 困を検討す るこ とを 目的 とす る。

従来 ,困窮他者 に手 を貸 す行動 ,援助行動

( he l pi ng behavi or )

に関 しては さまざまな 視点か ら研究 がな されて きている。 この援助行動研究の分野 においては,援助 は愛他性 ・ 利他性

( a l t r ui s m)

の反映 であ り,非援助 は愛他性 ・利他性 の欠如 あ るいは表 出の失敗で あ る との考 え方が前提 とな ってい るように思われ る。 しか し,われわれは他者 に対 す る長 期的 ・間接的効果 を期待 す るがゆ えに,あ えて 「今 ここで」の援助 を手控 えることがあ る。

例 えば,親 が子 どもの宿題 を手伝 わない動機の一つ として, 自立的な学習態度の育成の効 果 を期待 す るこ とが考 え られ る。 この ように,非援助 には愛他性の欠如 に よる もの と援助 の手控 え動棟 に よる もの とい うま った く性質の異な る

2

つが含 まれ るだ ろう

援助行動 は被援助者 が抱 える問題 の解決 とい う短期的なプ ラスの効果 を もた らす。 しか し,長期的 な視点 に立 てば援助 は必 ず しもプ ラスの効果 を もた らす とは限 らない。 「角 を 矯 めて牛 を殺 す」 の こ とばの ように,特 に成長過程 にあ る子 どもに対 す る援助 の場合,揺 助 はプ ラス よ りもむ しろマイナスの効果 を もた らす こ とがあ る。援助 に よって,発達途上 にあ る子 どもの 自立心 , 自助能力,忍耐 力な どの育成が妨げ られ る場合があ るだろ う。親 や教師の ように教育的 な立場 にあ る者 は,子 どもの発達段階 を見極 めつつ,闇雲 に手 を出 さず,子 どもの発達 を促す よう忍耐強 く見つめてい くとい う姿勢 も必要 と言 えるか も しれ ない。

被験者

大学

4

年生

11 3

名 (男性3

6

名 ,女性77名)0 調査実施 日

1 995

年 (平成

7

年)

1 2

月5日〜1

2

月20

手続 き

柴 田 ・谷 口 ・前 田

( 1 993)は,援助手控 えをクラス ター分析 を用 いて ,

「代行 ・助力」,

「具体的ア ドバ イス ・指導」,「金品の譲渡 ・貸与」

,

「養護 ・世話」

,

学習態度 についての 1)本研究 は,長崎大学教育学部生川 口あつ子 ,滝野洋, 中川 内充 ,長 山美穂 ,向井勢子諸 氏の

1 9 9 5

年度 (平成

7

年度)卒業論文の一部 を加筆修正 した ものである。

(2)

7 6

長崎大学教育学部教育科学研究報告 54

ア ドバ イス ・指導」の

5

つの型 に分類 してい る

( Ta b l e 1)

。これ を参考 に,代行型 として

Tabl e l

援助行動 の手控 えに関す るクラス ター分析結果 (柴 田 ・谷 口 ・前 田

,1 993)

代行 ・助力型」

1.子 どもか ら数冊 の本 を図書室 に返 して きては しい と頼 まれ るが断 る

2.

こ とばの意味 をたずね られ るが辞書 をひいてあげない

3.

絵 ・工作な どの作業 を手伝 わない

4.

転 んだ子 どもを助 け起 こさない

5.

子 どもが落 と した鉛筆 を拾 うの を手伝 わない

6.

黒板消 し係 がふいていなか ったが,代わ りにふ こう としない

具体的ア ドバイス ・指導型」

7.

意見 を うま くま とめ るこ とので きない子 どもに代わ って発言 をま とめてあげない

8.

ことばの意味 をたずね られて も教 えない

9.

算数の問題 が解 けな くて考 え込 んでい る子 どもを見 て もどこがまちが っているか教 えない

「金品の譲渡 ・貸与型」

1 0.

ノー トを買 うために必要だ と頼 む子 どもにお金 を貸 さない ll.子 どもが筆記用具 をは しが ったが与 えない

1 2 .

成績 が上がればお小遣 いが上 が る と知 っていたが特別 にその子 どもの成績 が上 が るような指導 は しない

委譲 ・世話型」

1 3.

子 どもが友 だち同士 で動物 園 に行 くとき,その子 どものつ きそいを しない

1 4.

放課後下校 したばか りの子 どもを追 いかけて まで忘 れ物 を渡 さない

1 5.

はずれたボ タンを縫 いつけてあげない

1 6.

子 どものけんかを仲裁 しない

学習態度についてのア ドバイス ・指導型」

1 7.

勉強せずに遊 んでばか りいて も何の忠告 も しない

1 8.

子 どもに勉強 しろ と言わない

1 9.

宿題 を して こない子 どもに催促 を しない

「子 どもか ら数冊 の本 を図書室 に返 して きては しい と頼 まれ るが断 る」 を

,

「助 力型」 と して 「絵 ・工作 の作業 を手伝 わない」 を,「具体的ア ドバ イス ・指導型 」 として 「意見 を うま くま とめ る こ とがで きない子 どもに代 わ って発言 をま とめてあげない」 を

,

「金品の 譲渡型 と して 「ノー トを買 うため に必要 だ と頼 む子 どもにお金 を貸 さない」 を,「金品 の貸与型 として 「子 どもが筆記用具 をほ しが ったが与 えない」 を,「養護 ・世話型

して 「はずれたボ タンを縫 いつけてあげないを,そ して 「学習態度 についてのア ドバ イ ス ・指導型」 として 「子 どもに勉強 しろ と言 わない」 をそれぞれ採用 した。

被調査者 は, これ ら

7

つの型 の援助手控 えを,

Ta b l e2

に示す

1 6

の要 因 に関 し評定 を行 った

(

「そ う思 う

「どち らか といえばそ う思 う

「どち らか といえばそ う思わない

「そ う 思 わない」 の

4

段階尺度)。 その際 ,被験者 が教育実習時 に配 当 された学年 の男子児童 あ るいは女子児童 のいずれかを手控 えの対象児童 として回答 す る ように求めた。次 いで,各 援助 手控 えを 「援助 の手控 え」 と見 なす か どうか, さ らに被調 査者 が過 去 に親 あ るいは

(3)

原 田 :援助手控 えの援助性認知 に関わ る要因に関す る研究 77

教 師 か ら 「援 助 の 手 控 え」 を 受 け た 経 験 が あ る か に 関 し, そ れ ぞ れ4段 階 尺 度 で 評 定 す る よ う に 求 め た

Ta bl e2

援助 の手控 え との関連 を検討 した

1 6

の要因 お よび質問内容

① 児童 に よる自己能 力の把握

子 ども自身 は,その こ とを一 人ではで きない こ とと捉 えている と思いますか

②指導者 に よる児童能 力の把握

あなた 自身 は,その こ とを子 どもが一人 ではで きない こ とと思 いますか

③ 自尊心 への影響

援助 す る と子 どもの 自尊心 が傷つ くと思 いますか

④援助 コス ト

この種 の援助 はあなたに とって手間 がかか るこ とだ と思い ますか (亘原困帰属

子 どもが困 っている状態 の原 因は,本人 自身 にあ る と思い ますか

⑥援助 をす るこ との プラス効果

この場合,援助 を し,困 っている状態 を切 り抜け させ るこ とが重要だ と思 いますか

⑦援助 をす るこ とのマイナ ス効果

この場合,援助 す るこ とは 自立心 ・自助能 力を阻害 す るこ とにな る と思 いますか (釘援助 を しない こ とのプ ラス効果

この場合,援助 しない こ とは 自立心 ・自助能 力を育成 す る ことにつながる と思 いますか (9援助 を しない こ とのマ イナス効果

この場合,援助 しない こ とは困難 な状態 を継続 した りさ らに悪化す る と思いますか

⑲ 問題 の緊急性

この子 どもが直面 してい る事態 は,緊急性の高い ものだ と思い ますか

⑪ 問題 の重大性

この子 どもが直面 してい る事態 は,重大 な ものだ と思 いますか

⑫ 児童 の性格

この子 どもは 自立心 が高 い子 どもだ と推 測 されますか

⑬ 児童 と指導者 間の親密性

この子 どもとあなたの対人関係は親密 な ものだ と思い ますか

⑲指導者 の義務認知

この種 の援助は指導者 としてす るべ きことだ と思 いますか

⑮非援助 の リスク

援助 しない と子 どもに嫌悪 感 を もたれ る と思 いますか

⑲ 児童 の援助手控 えの認識

援助 しない こ とを,子 どもは 「援助 の手控 え」 と受け止めて くれ る と思 いますか

結 果 お よ び 考 察

援 助 手 控 え と関 連 す る要 田 を 明 らか に す る た め に ,

7

つ の 援 助 手 控 え型 の そ れ ぞ れ に お い て , そ れ を 「援 助 の 手 控 え」 と認 知 す る程 度 を 目的 変 数 に

, 1 6

の 援 助 手 控 え要 田 と手 控 え の 対 象 で あ る児 童 の 学 年 ・性 別 , 被 調 査 者 の 出 生 順 位 ・援 助 手 控 え を受 け た 経 験 を説 明 変 数 とす る変 数 増 減 法 に よ る重 回 帰 分 析 を 行 っ た 。 結 果 は そ れ ぞ れ の 型 の 考 察 に 際 して 示

(4)

7 8

長 崎大学教育学部教育科学 研究報告

5 4

すが,全体的把握 のために

Ta b l e3

7

つの援助手控 え全体 におけ る援助の手控 え認知 と 諸要因 との間の関連の方向性 と有意水準 を示 した。

Ta bl e3

援助の手控 え と諸要 因 との関連 (重回帰分析結果)

代行 助力 ア ドバイス 金品譲渡 金品貸与 養護世話 学 習 (∋児童 による自己能力の把握

(参指導者 による児童能 力の把握 (彰自尊心 への影響

(彰援助 コス ト

① 原 因帰 属

(む援助のプラス効果 (∋援助のマイナス効果 (む非援助 のプ ラス効果 (9非援助のマイナス効果

⑲問題の緊急性

⑪問題の重大性

⑫児童の性格

⑬児童 と指導者間の親密性

⑲指導者 の義務認知

⑮非援助の リスク

⑲児童の援助的控 え認識 児童の学年

児童の性別 出生 順位 経験 の有無

● ● ●

●● ●●

●● ●●

●●

(二X⊃ ○○

○○ (ユニ) ⊂X⊃ (=×⊃ (ニス二)

○○

● ●

○○:正の関連

♪<. 01

0:正の関連

♪<. 0 5

●● :負の関連

♪<. 01

● :負の関連

♪<. 0 5 1 .

「代行型」

Ta b l e 4

に示す ように,「代行型

の援助手控 えは,⑧援助 しない ことのプ ラス効果 ,

⑲ 児童の援助的手控 えの認識 ,(参自尊心への影響,(9援助 しない ことのマイナス効果,( 援助 コス ト,の

5

つの要因 と関連 す るこ とが見 出された。

Tabl e 4

「代行型」援助 の手控 えにおけ る重回帰分析結果

質 問項 目 (要 因 ) 標準偏回帰係数 F

(㊧援助 しない ことのプラス効果

⑮ 児童 の援助的手控 えの認識 (丑自尊心への影響

⑨援助 しない ことのマイナス効果 (彰援助 コス ト

. 2 7 5 9. 41 2**

. 2 7 4 9. 4 0 2**

‑. 2 4 2 6. 7 7 5 **

. 1 8 6 4. 2 21 **

‑. 1 4 5 2. 4 4 6*

**

:♪<. 0

1,

*:♪<. 0 5

(5)

原 田 :援助手控 えの援助性認知 に関わ る要 田に関す る研究

7 9

⑧援助 しない こ とのプ ラス効果 と⑲ 児童の援助的手控 えの認識 が正 に関連 す る ことが見 出された。 この

2

つの要 因が正 に関連 す る こ とは,「代行型」の援助手控 えのケー スに限 らず,他のすべての援助手控 えの タイプに共通 す る結果 であ った。 これは,援助の手控 え は,先 ず何 よ りも援助 しない ことのプ ラス効果の期待 に裏づけ られている こと,そ して相 手が手控 えの真の意図 を認識 して くれ る との期待 に よって裏づけ られた ものであ るこ とを 示 している。逆 に,手控 えを援助的な もの と認識 しない相手 に対 しては効果的でない と捉

えてい る と言 えるだろ う。

「代行型」援助 の手控 えを援助的 と見なす者は,(釘援助 しない こ とのプ ラス効果 と同時 に(郭援助 しない こ とのマイナス効果 を高 く評定す る とい う矛盾 した結果が得 られた。 この こ とか ら, 自分で解決で きる問題 は,他者 に頼 ることな く自ら解決 す る, とい う姿勢 を育 成す るには,児童 に とって指導者の援助 がない と困難な状況が続 いた り,場合 に よっては さ らに状況 が悪化 す るような問題 であ るほ ど,手控 えの効果が高い とい う認識 が援助 を手 控 える側 にあ る こ とが考 え られ る。援助者 は

,

「代行型」援助 を手控 える場 合,児童 に何 らかの不利益が伴 うこ とを認識 しなが らも, 自己解決能力を育 て るために援助 を手控 える 姿勢 を とってい る と考 え られ る。

その他 ,(釘自尊心への影響 と@)援助 コス トを低 く見積 もる老 ほ ど援助手控 えの援助性 を 高 く評定 してい る.逆 に言 えば, 自尊心への影響 が大 であ るほ ど, また コス トが大であ る ほ どその援助の手控 えは単 な る非援助 とな って しまう と考 えてい ることを示 してい る と言 えるだろ う

しか し, コス トとの関連性 が見出 されたのは この 「代行型」 においてのみで あ り,考察 が困難 な ところであ る。

2.

「助 力型」

Ta bl e 5

に示 す ように,「助力型」の援助手控 えは,⑲ 児童の援助的手控 えの認識 ,( 援助 しない こ とのプ ラス効果 ,⑯ 指導者 の義務認識 ,お よび児童の学年 (低 ・中 ・高学年),

4

つの要 因 と関連 す るこ とが見 出された。

Ta bl e5

助 力型」援助の手控 えにおけ る重回帰分析結果 質問項 目 (要因) 標準偏 回帰係数

F

⑮ 児童の援助的手控 えの認識

. 4 9 8 41 . 8 6 5 **

(釘援助 しない こ とに よるプラス効果

. 1 6 8 4. 1 8 7 **

⑲指導者の義務認識

‑. 1 6 8 3. 5 6 3 **

児童の学年

‑. 1 3 9 3. 3 3 2 **

*

*:♪<. 01

助 力型」 において援助手控 えの援助性認知 が もっ とも高か ったのは,他のすべての型 で も見 るこ とので きる⑲児童の援助的手控 えの認識 であ った.(釘援助 しない こ との プラス 効果 も他 の型 の手控 えにおけ る と同様 に関連性 が高 かった。絵 ・工作 な どの作業 において は,作業 をす るこ とに よって児童 の個性 や創造性 を高め るこ とが 目的であ るので,指導者 が手 を貸 す ことで,それ らの育成の機会 を奪 って しまう恐 れがあ るこ とや創作 の喜 びを半

(6)

8 0

長崎大学教育学部 教育科学研 究報 告

5 4

減 させて しま う恐 れがあ るこ とを指導者 は認識 してお り, また児童 もその ような指導者 の 意 図を理解 してい る と指導者 は捉 えている と考 え られ る。

⑲指導者 の義務認識 では負の関連 が見 られた。絵 ・工作な どの作業 を手伝 うこ とは指導 者 としてや るべ きこ とではない との考 え方 に即 して援助 を手控 え,それが援助的 であ る と 認識 しているこ とを示 してい る と言 えるだ ろ う。

児童の学年 の要 因では,負の関連 が見 出 された。 この結果 は,対象児童 の学年 が下 が る ほ ど彼 らに対 す る援助 の手控 えが援助的であ る と捉 える傾 向を示 す。低学年 の児童 では 自 分 自身の能 力やその限界 を把握 す るこ とがむずか しいため, 自力で解決可能 な もので も指 導者 に対 して容易 に依存 す る。 いわば無差別 な依存 に対 す るけ じめ としての非援助 と捉 え られてい るのか も しれない。他方 ,高学年 の児童 であ るほ ど自身の問題解決能 力を把捉 し てお り,本 当の限界が きた ときに援助 を要請 す る と指導者は考 えているため に,非援助 を 援助 の手控 え とは認識 しがたいのではないか と推察 され る。

3.

「具体的 ア ドバ イス ・精華型

Tabl e 6

に示 す ように,「具体的 ア ドバ イス ・指導型

の援助手控 えは,被調査者 の出 生順位 ,⑯ 児童の援助的手控 えの認識 ,⑲ 問題 の緊急性 ,(争援助 す るこ とのマイナス効果 , 児童 の性別 ,⑧援助 しない こ とのプ ラス効果 ,(彰自尊心 への影響 ,⑫ 子 どもの性格 ,の

8

つの要 因 と関連 す るこ とが見 出された。下位検定の結果 ,児童 の性別 においては有意差 が 見 出 されなか ったが,被調査者 の出生順位 につ いては長 子 と末子 問 (i(2

,660)‑2. 682

,

9

<. 0

1),中間子 と末子 間

( i ( 2, 704)‑3. 224 ,

9

<. 0

1) にそれぞれ有意差 が見 出され,長 子 よ りも末子 が, また中間子 よ りも末子 が, この種 の援助 の手控 えを援助的であ る と認知 す るこ とが見 出された

( Ta bl e 7)

Ta bl e 6

「具体的 ア ドバ イス ・指導型」援 助 の手控 えにおけ る重 回帰分析結 果

質問項 目 (要 田) 標準偏 回帰係数 F

被調査者 の出生順位

⑮ 児童の援助 的手控 えの認識

⑲ 問題 の緊急性

(∋援助 す るこ とのマ イナ ス効果 児童 の性別

(釘援助 しない こ との プ ラス効果 (彰自尊心 への影響

⑫ 子 どもの性格

. 2 5 5 1 0. 5 5 6**

. 2 8 3 1 0. 5 5 2**

‑. 2 2 3 7. 7 5 7**

. 2 2 6 5. 0 91

**

. 1 8 2 5. 2 7 0**

. 1 8 2 3. 6 5 3**

‑. 1 3 6 2. 6 3 4*

‑. 1 2 6 2. 1 92*

**:♪<. 0

1,

*: ♪<. 0 5

Ta bl e 7

被調 査者 の 出生順位 と援助手控 えの認識

長子 中間子 末子 一人 っ子

平均

2. 0 8 0 1 . 7 8 9 2. 5 9 5 2. 2 8 6

準標偏差

. 8 6 8 . 8 3 2 . 8 8 4 . 4 5 2

(7)

原 田 :援助手控 えの援助性認知 に関わ る要田に関す る研究

81

「被調査者の 出生順位の要 因の関連性 が高か った。長子 よ りも末子の万が,そ して中 間子 よ りも末子の方 が, この種 の援助 の手控 えを援助的 と認知 す る程度 が高か った。末子 は依存的 に育つ と言われ る。 したが って,末子の対人評価 に際 しわれわれは依存的 か どう かを採用す るこ とが多 くな る。依存性の基準 を用 いて評価 され る経験 が多いな らば,末子 は この依存性 について もっ とも敏感 に育 つ順位 にあ る と言 えるのではないだろ うか。 した が って,末子 が援助 の手控 えを援助的であ る と認知 す るのは,児童の依存性の克服 を期待

しての もの と推察 され る。

⑲ 問題の緊急性 に関 しては負の関連性 が見 出され,緊急性 を低 く評定す る者 は どこの型 の援助手控 えの援助性 を認識 してい る と言 える。 これは,緊急性 が低 いか らこそ援助 の手 控 えが可能 であ る と受 け止 めてい るこ とを示 す もの と言 えるだ ろう

(事自尊心 への影響 の要 因 におけ る負の関連 は,援助 す る こ とが子 どもの 自尊心 を傷 つけ ない と認識 す る者 ほ ど, この型 の援助 の手控 えを援助的 と捉 えてい ることを示 す。言 い換 えれば,援助 の手控 えが 自尊心 を傷 つけ る と認識 す る者ほ ど,手控 えを援助的 と捉 えてい る ことを示 す。 これは,マ イナスの効果 を予期 しなが ら手控 えを行 う とい う矛盾 した結果 の ように思われ る。 しか し,た とえ 自尊心 が傷 つ くこ とがわか っていて も,あ えて手控 え るこ とに よって何 らかのプ ラスの効果 を期待 しているのか も しれない0

(∋援助 す るこ とのマ イナ ス効果 の要 因 と(㊨援助 しない こ とに よるプ ラス効果の要 因は と もに正の関連 を示 した。 つ ま り,援助 す るこ とは 自立心 ・自助能 力を阻害 す る,逆 に援助 しない こ とは 自立心 ・自助能 力の育成 につなが る と考 える者 ほ ど, この型の援助 の手控 え を援助的 と認識 してい る。 さ らに,⑫ 子 どもの性格要 因 については負の関連 が得 られ, 自 立心の低 い児童 に対 しての援助の手控 えは ど援助的であ る と捉 えてい ることを示 す結果 で あ る。 これ らの結果か ら, この型 の援助 の手控 えは 自立心 の育成 を図 る ものである こ とが かな りは っ き りと意識 されてい る と言 えるだ ろ う。

児童 の性別要 田 については,男児 に対 して よ りも女児 に対 しての この種 の援助 の手控 え を援助的であ る と見なす傾 向が高 くな ってお り,女 児の万 が発言な どにおいて 自発的であ り,援助 を しな くとも自身 で解決 で きるであ ろ う と援助者側 が捉 えてい るのではないだろ うか。

4.

「金品の譲渡型」

Ta bl e 8

に示 す ように,「金品の譲渡型」 の援助手控 えは,⑲ 児童の援助的手控 えの認

Ta b l e 8

「金品の譲渡型」援助 の手控 えにおけ る重回帰分析結果

質問項 目 (要 田) 標準偏 回帰係数

F

⑲ 児童の援助的手控 えの認識

⑲ 問題 の緊急性

(釘援助 しない こ とのプ ラス効果

⑬子 どもと指導者間¢)親密性 経験 の有無

. 3 8 6 21. 31 6**

‑. 3 0 0 1 3. 4 5 0**

. 2 2 0 7. 8 7 0**

. 1 7 4 4. 1 0 4**

‑. 1 4 0 3.1 2 6**

**:

♪<.

01

(8)

82

長崎大学教育学部教育科学研究報告

5 4

識 ,⑲ 問題の緊急性 ,(夢援助 しない こ とのプ ラス効果 ,⑬子 どもと指導者 間の親密性 ,経 験 の有無 ,の

5

つの要 因 と関連 す るこ とが見 出 された。

⑧援助 しない こ とのプ ラス効果 は,⑲ 児童 の援助的手控 えの認識 と同様 にすべての型の 手控 え と一致 して正 の関連 を示 した。 これは,教育的立場 か ら持 ち物 に対 しての 自己管理 の育成 を期待 した もの と考 え られ る。

⑲ 問題 の緊急性 では負の関連 が得 られた。 この結果 は,事態 が緊急 でない と捉 える者は ど 「金品の譲渡型」援助 の手控 えを援助 的 であ る と見 なす こ とを示 す0 「具体 的 ア ドバ イ ス ・指導型におけ る と同 じように,緊急的 でないか らこそ手控 えがで き,手控 えるこ と が児童 には援助的であ る と捉 えてい るのか も しれない。逆 に, この結果 は真 に困 っていて 緊急 な ときには問題 の解決 を優先 す る と考 えてい るこ とを示 す もの と言 えるだ ろ う。

⑬子 ども と指導者間の親密性 とは正の関連 が見 出 された。 これは,両者 の間の親密 さが 高 い と捉 える老 ほ ど援助 の手控 えが援助的 であ る と認知 してい るこ とを示 す。

被調査者の援助手控 えの経験 の有無 との間 には負の関連 が見 出 された。 これは,過去 に 援助 の手控 えを受 けた経験 が少 ない者 ほ ど

,

「金 品の譲渡型」援助 の手控 えを援助的 と受 け止め るこ とを示 す。援助手控 え経験 と手控 えの援助性認識 との間 には正 の関連 を想定 し ていた。 この型 にだけ, しか も負の関連 が見 出 された こ とに関 し解釈 は困難 であ る。援助 的手控 えの経験 が少ないか らこそ,その必要性 を認 めてい るのではないか とも考 え られ る。

5.

「金品の貸与型」

Tabl e 9

に示 す ように,「金品の貸与型」 の援助手控 えは,(む援助 しない こ との プ ラス 効果 ,⑪ 問題 の重大性 ,⑲ 児童 の援助的手控 えの認識 ,被調査者 の出生順位 ,児童 の学年 , 5つの要 田 と関連 す るこ とが見 出 された。下位検定 の結果 ,児童の学年 間 には有意差 が 見 出 され なか ったが,被調査者 の 出生順位 につ いては,中間子 と一人 っ子間 (i(2,376)

‑2. 064 ,

<. 05)

に有意差 が見 出 され,中間子 よ りも一人 っ子が この種 の援助 の手控 え を援助的 であ る と認知 してい るこ とが示 された

( Tabl e 1 0)0

Ta bl e 9

金品の貸与型」援助の手控えにおける重回帰分析結果 質問項 目 (要田) 標準偏回帰係数 F (参援助 しないことのプラス効果

⑪問題の重大性

⑲児童の援助的手控えの認識 被調査者の出生順位

児童の学年

. 41 4 24. 2 94**

‑. 27 0 1 2. 6 83**

. 1 8 7 5. 3 46**

‑.1 3 5 3. 051 **

‑.1 28 2. 7 86*

**:♪<.

01,

*:♪<. 05

Ta bl e l O

出生順位 と援助手控えの認識

長子 中間子 末子 一人 っ子 平均

2. 3 40 1. 6 8 4 2. 21 6 2. 71 4

標準偏差

. 951 . 8 62 1. 01 7 . 70 0

(9)

原 田 :援助手控 えの援助性認知 に関わ る要 田に関す る研究

83

⑧援助 しない こ とのプ ラス効果 に もっ とも強 い関連性 が見 出 された。 この型 の援助 を手 控 えるこ とに よって,金品 に対 す る適切 な価値観 や金品 を大切 に扱 う態度 の育成 , 自分の お金 と他人 のお金 との区別 な ど, この型 の援助 の手控 えに よるプ ラスの効果 が認知 されや すいのか も しれない。

⑯ 児童 の援助的手控 えの認識 の要 因が関わ って くるのは,援助 の手控 えはその意 図が相 手 に伝 わ って こそ援助 の手控 え と捉 えてい るこ との現 れであろ う。

⑪ 問題 の重要性 では負の関連性 が見 出された。事態 の重大性 の認知 が低 い老ほ ど援助手 控 えを援助 的であ る と捉 えてい る。重大でない場合 には,先 ずは手控 えて様子 を見守 るよ

うであ る。逆 に,重大 であ る場合 には援助 す る姿勢 を もってい るこ とを示 す。

被調査者 の出生順位 においては,中間子 に比 べ一人 っ子 の方 が この型 の手控 えを援助的 と認知 す るこ とが見 出された。一人 っ子は,兄弟間でお金 の貸 し借 りをす るこ とな く一人 で金銭 を管理 す る経験 が多 い。そ こで児童 に対 して も金銭 の管理 に関 しては厳格 な教育 を 通 じて金銭の管理能 力を育成す るこ とを期待 してい るのか も しれない。 このデー タだけか

らの解釈 は困難 であ る。

児童 の学年要 田で も,負の関連 が見 出された。低学年 の児童 が まだ 自分 自身 のお金 と他 人のお金の区別 がついてお らず,金銭感覚が未熟 なために,金品 を大切 に扱 う態度 を養 わ せ よう と考 え,中 ・高学年 の児童 よ りも援助の手控 え と見 なす傾 向があ るのではないか と 考 え られ る。

6.

「養護 ・世話型」

Ta bl el

lに示 す ように,「養護 ・世話型」の援助手控 えは,⑲ 児童 の援助的手控 えの認 請 ,⑬子 どもと指導者 間の親密性 ,⑪ 問題の重大性 ,(彰指導者 に よる児童能 力の把握 ,( 援助 をす るこ との プ ラス効果 ,⑲指導者 の義務認識 ,(釘援助 しない こ とのプ ラス効果 ,③

自尊心 への影響 ,⑮非援助 の リス ク,(∋援助 す るこ とのマイナス効果 ,の

1 0

の要 因 と関連 す るこ とが見 出された。

⑭指導者 の義務認識 の要 因が負 に関連 す るのは, この型 の援助 は指導者 がすべ きこ とで

Ta bl el l

養護 ・世話型」援助の手控 えにおけ る重回帰分析結果

質問項 目 (要 田) 標準偏 回帰係数

F

⑯ 児童 の援助 的手控 えの認識

⑬子 どもと指導者 間の親密性

⑪ 問題 の重大性

(参指導者 に よる児童能 力の把握 (む援助 をす るこ との プラス効果

⑲ 指導者の義務認識

(む援助 しない こ とのプ ラス効果 (彰自尊心への影響

⑮非援助の リス ク

(∋援助 す るこ とのマイナ ス効果

. 3 69 1 8. 65 2**

. 2 05 6. 9 93**

‑. 2 27 6. 8 8 8**

‑. 2 27 6. 5 07**

. 23 9 5. 6 3 9**

‑. 2 28 5. 2 3 0**

. 1 84 4. 2 8 9**

. 1 45 3. 2 7 0**

‑. 1 37 2. 8 5 7**

‑. 1 5 0 2. 3 8 8*

**:♪<. 0

1,

*: ♪<. 05

(10)

8 4

長崎大学教育学部教育科学研究報 告

5 4

はない と考 える者 は ど援助の手控 えが援助的であ る と捉 えてい るこ とを示 す。家庭 での 自 己管理 を重視 してい る と考 え られ る。

⑬ 児童 と指導者 間の親密性 の要 因が正 に関連 す るのは,親密 さが強 くな るほ ど児童 が こ の種 の型の援助 を要請 す る傾 向が増 す と考 え られ る。 その依存 的な態度 を克服 し,児童 の 成長 ・自立 を促そ う とす る指導者側 の意 図が推測 され る。

⑪ 問題 の重要性 では負の関連 が得 られた。 この型 の援助 は援助 を行 わな くとも重大な影 響 を与 える ものではない と捉 え られてい る。

(夢指導者 に よる児童能 力の把握 では,負の関連 が得 られた. これは,児童 にその間題 を 解決す る能 力がない と判断すれば援助 の手 を差 し伸 べ るが,能 力があ る場合 には援助 を差

し控 え 自立 を促すのが よい と捉 えているこ とが推測 され る。

(む援助 をす るこ とのプ ラス効果 と(夢援助 しない こ とのプ ラス効果 が正 に関連 し,⑦援助 す るこ とのマイナ ス効果 が負の関連 を示 した。 これ ら

2

つの結果は整合す る. しか し,( 援助 をす る こ とのプ ラス効果 におけ る正の関連 は,それ 自身 この型 の援助手控 えを援助的

と捉 えるこ ととさ らに(む援助 しない こ との プ ラス効果 の正 の関連 と矛盾 す る. この結果 の パ ター ンは この型の援助手控 えにおいてのみ見 出 された。少 な くとも,「養護 ・世話型」

においては,援助 ・援助手控 えの いずれが適切 かに閲 し人 び との間で一貫 した見方 はで き ていない と言 えるだ ろ う

(彰自尊心 への影響 は正 に関連 した. これは,援助 をす る と子 どもの 自尊心 が傷 つ くと捉 える者 は ど援助 を手控 えるこ との援助性 を認識 してい るこ とを示 す。

⑮非援助 の リス クは負 に関連 した。 これは,援助 しない と子 どもに嫌悪感 を もたれ る と 思わない老 ほ ど援助 の手控 えの援助性認知 が強 い こ とを示す。

7.

「学 習態度 についての ア ドバ イス ・指導型」

Tabl e 12

に示 す ように,「学 習態度 についてのア ドバ イス ・指導型」 の援助手控 えは,

⑲ 児童 の援助的手控 えの認識 ,②指導者 に よる児童能 力の把握 ,⑧援助 しない こ とのプ ラ ス効果 ,⑤ 原因帰属 ,の4つの要因 と関連 す るこ とが見 出 された。

Tabl e1 2

学 習態 度 につ いてのア ドバ イス ・指導型」援助 の手控 えにお け る重 回帰分析結果

質問項 目 (要 因) 標 準偏 回帰 係数 F

⑲ 児童 の援助 的手控 えの認識

. 3 4 0 1 5. 967**

(む指導者 に よる児童能 力の把握

‑. 2 91 1 2. 781 **

⑧援 助 しない こ との プ ラス効果

. 2 8 0 11 . 602**

(9原田帰属

. 1 5 2 3. 53 0**

**

:p<・ 01

⑲ 児童の援助的手控 えの認識 と(㊧援助 しない こ とのプ ラス効果 は, この型 に限 らずすべ ての領域 の援助 と関連 す る ものであ るが,特 に ここでは他者 か らの強制 ではな く自ら学習 に取 り組 む意志 を育 て るこ とを指導者 の側 は十分理解 し,児童 に もその意 図が伝 わ ってい る と指導者側 が認識 してい るこ とが うかがわれ る。

(11)

原 田 :援助 手控 えの援助性認知 に関わ る要 因 に関す る研 究

85

(む指導者 に よる児童 の能 力の把握 では負の関連 が得 られた。 これは,児童 が学習 を一人 でで きる と捉 えてい る者 ほ ど,この型の援助手控 えの援助性認知 が高い こ とを示 す。逆 に, 学 習態 度 が備 わ っていない児童 にア ドバ イス ・指導 を しな い こ とは単 な る放任 につなが

る。学習態度 が備 わ ってい る児童 の場合 には,援助 をす る こ とが指導 の強要 にな る恐 れが あ るため援助 は差 し控 え られ るのだ ろ う

(∋原因帰属 に正 の関連 が得 られたのは,学習面 で本人が困 ってい るのは,努 力を しなか った こ とあ るいは能 力が低 い こ との結果 であ る と認識 す る者 は どこの型 の手控 えを援助的

と捉 えるこ とを示 す。手控 えに よ り本人の 自覚 を促す姿勢 が読 み とれ る。

以上 ,各 タイプ ごとに結果の考察 を行 った。全体 として,指導者 の側 が援助 の手控 えの 立場 を とる際 には,児童 の 自立心 や 自助能 力の育成 が望め,かつ児童 に もその意 図が十分 伝 わ ってい る と推測で きるこ とが前提 にな ってい るこ とが明 らか とな った。

また,児童 に よる自己能 力の把握 は今回の調査 ではいずれの型の援助手控 え とも関連 を 示 さなか った。指導者 が援助 の手控 えの援助性 を認知 す る とき,児童 が 自分 自身 でその問 題 を解決で きる と捉 えてい るか捉 えていないかの認知 は考慮 されない ようであ る。

本研究 では,被調査者 に大学生 を採用 した。彼 らは,教育実習生 とい う特異 な立場 にあ った。 1カ月 とい う限 られた期間の関係 しか とれなか った実習生 とそれ以上 の期間対人関 係 を築 いてい る教師 との間では相違 があ るか も しれない。 今後 は教師の援助手控 えの認知 に関す る研究が必要 であ ろ う。 また,援助 の手控 えの型 としてそれぞれ 1場面 ずつ を用 い た。結果の一般化のためには少な くとも2つ以上 の場面 を用 い る必要 があ るだ ろ う。

引用文献

柴 田心 ・谷 口哲也 ・前 田美紀

1 993

非援助の援助 に関する一考察 長崎大学 教育学 部

1 9 93

年度 (平 成

5

度)卒業論文

参照

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