• 検索結果がありません。

教師における対人関係性に困難を有する児童への認識とその支援についての研究 [ PDF

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "教師における対人関係性に困難を有する児童への認識とその支援についての研究 [ PDF"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)教師における対人関係性に困難を有する児童への認識とその支援についての研究 Keywords:教師,対人関係性に困難を有する児童,教師の認識,経験的背景,個人内資源(持ち味). 人間共生システム専攻 財津. Ⅰ.問題と目的 1.対人関係性に困難を有する児童 特別支援教育時代にあって,すでに多くの教師が発達障 害を有する児童の担任を経験し,その「対人関係上」の指 導・援助の困難さを感じ,その対応に苦慮していることが. 康輔. 助の経験や,研修を受けた経験の有無なども含む教職にま つわる客観的な事実を指すと考えられる。したがって,研 修の経験も含めた経験的背景と子どもへの認識の関連につ いて検討の余地がある。 また,異なる個人内資源(持ち味)が特定の個性を持つ. 明らかとなっている (永井, 2003;櫻井, 2007;遠矢, 2007) 。. 子どもたちとの関わりの得意・不得意と関連する(遠矢. それは,対象となる児童の発達面の困難さから生じている. (2006) )との指摘から,教師の個人内資源により,対人関. 場合もあれば,発達障害が「気がつかれにくい」障害であ. 係性に困難を有する児童に対する指導・援助の困難さが異. る(宮本,2000)ことからや,その児童を取り巻く様々な. なると考えられる。藤澤(2003)の指摘からは,教師の生. 教育環境から生じている場合もある。本研究では「対人関. 涯発達の各段階で,発揮しうる個人内資源が異なると考え. 係性に困難を有する児童」 (以下,A 児)を「発達障害を背. られ,検討の必要がある。. 景にもち,その他の何らかの要因により,対人関係性に困. 4.本研究の目的. 難が生じている児童」と定義し検討を行う。また,近藤. 以上より,本研究では,教師の A 児認識を経験的背景・. (1984)や大川(1995)の「小学校中学年は発達的問題が. 個人内資源(持ち味)の視点からあわせて明らかにし,教. 潜在的に現れる時期」との指摘から,本研究における A 児. 師の A 児認識が「対人関係性に困難を有する児童が学級内. 及びその周辺児の学年を,小学校中学年と設定し検討する。. で良好な友人関係を構築するために行われる指導・援助」. 2.教師の子どもへの認識と支援行動への影響. を行う際の困難さにどのような影響を及ぼすか検討する。. 教師が発達障害の子どもたちの問題行動を激しくする要. また,教師のA児認識がどのような影響により形成され,. 因をどのように考えるかについて,教師の障害に対する理. 変化していくかを検討することにより,教師に対するアセ. 解度や校内・外で研修を受けた経験が関連することが明ら. スメント,介入の視点について考察することを目的とする。. かになっている(竹林ら(2004) ) 。また,教師の障害児へ. Ⅱ.研究 1・2. の指導可能性への期待や,知識がその後の指導・援助に何. 1.目的. らかの影響を与える(遠矢(2007) ) 。以上のように,教師. 教師の経験的背景と個人内資源(持ち味) ,教師の A 児認. の子どもへの認識がその後の指導・援助に影響を及ぼすこ. 識との関連について明らかにする。教師の A 児認識と「対. とが示唆されているものの,どのように指導・援助を困難. 人関係性に困難を有する児童が学級内で良好な友人関係を. にするかについて検討の余地があると考えられる。. 構築するために行われる指導・援助」 (以下, 「つなぐ支援」 ). 3.教師の経験的背景・個人内資源(持ち味)と子どもへ. を行う際の困難さの関連を明らかにする。. の認識 教師の子どもへの認識と,教師の経験的背景との関連が. 2.方法 1)対象:B 県内の小学校教師 117 名(男性 32 名,女性 78. 明らかにされている(大川,1995) 。その中で経験年数によ. 名,不明 7 名) ,平均年齢 40.2±10.1 歳,平均教職暦. る子どもへの認識の違いを明らかにした研究は多数見られ. 15.4±10.4 年. るが,経験的背景といった場合に,それは必ずしも経験年. 2)手続き:質問紙調査. 数のみをさすものではなく,発達障害の子どもの指導・援. ①調査時期:2008 年 11 月.

(2) ②調査内容:A 児像(中井・宇野(2005)を参考に作成) を示し,以下の尺度を実施。ⅰ)A 児認識尺度(4 件法)竹 村(2008) ・遠矢(2007)を参考に作成。12 項目。ⅱ)教 師の個人内資源(持ち味)尺度(4 件法)遠矢(2006)よ り項目を抽出し作成。20 項目。ⅲ) 「つなぐ支援」困難さ 尺度(4 件法)筆者の卒論より項目を抽出し作成。25 項目。 ⅳ)フェイスシート:年齢,性別,経験年数,A 児指導経 験の有無,A 児に関する研修経験の有無を尋ねた。 3.結果と考察 1)教師の経験的背景・個人内資源(持ち味)と A 児認識 ①教師の経験的背景と個人内資源(持ち味)の関連. 景が,A 児認識と関連がないことが明らかとなった。 Table1 A児 認 識 尺 度 (主 因 子 法 ,プ ロ マ ックス 回 転 後 の 因 子 パ ター ン ). 項目 Ⅰ  対 処 可 能 性 評 価 (α = .851) a7 ど うす れ ば よ い か ,わ か って い る と思 う a6 解 決 す る た め の 方 法 が わ か って い る と思 う a8 原 因 が 何 か ,わ か って い る と思 う a9 何 とか で き る と思 う Ⅱ  成 長 性 評 価 (α = .828) a12 や りが い を 感 じる と思 う a11 自 分 を 成 長 させ る ことだ と思 う a10 興 味 ・関 心 を 持 つ ことだ と思 う Ⅲ  問 題 性 評 価 (α = .758) a3 仕 事 に 影 響 が あ る と思 う a4 困 った ことだ と思 う a1 自 分 の 仕 事 を お び や か す と思 う a2 大 変 な ことだ と思 う 因子間相関. Ⅰ. Ⅱ.  Ⅲ. .93 .90 .72 .47. - .05 .02 - .07 .00 .02 - .02 .31 - .02. .01 .09 - .11. .88 .77 .74. - .01 .05 .00. .00 .04 .86 - .03 - .13 .71 .07 - .08 .63 - .05 .20 .53 .44 - .06 - .12. ③教師の A 児認識と個人内資源(持ち味)の相互関係. 因子分析(主因子法,プロマックス回転)の結果,教師. 教師の A 児認識尺度の下位尺度を基準変数,個人内資源. の個人内資源(持ち味)尺度は【教務遂行力】 ( 「子どもた. (持ち味)尺度の下位尺度を説明変数とする重回帰分析を. ちに善悪をしっかりと教えることができる」など 7 項目,. 行った結果, 【対処可能性評価】において,回帰式が 5%水. α=.875) , 【対応の柔軟さ】 ( 「反抗的な子どもとうまく関わ. 準で有意であった(F(4,105)=2.95,p<.05) 。標準偏回帰係. ることができる」など 4 項目,α=.805) , 【同僚との良好な. 数の有意性を見ると, 【対応の柔軟さ】は有意水準 5%で有. 関係】 ( 「他の教師に自分の学級の困ったことを開示し,お. 意な正の係数を示し, 【教務遂行力】は有意水準 10%で有. 互いに相談できる関係を築いている」など 3 項目,α=.833) ,. 意な負の係数を示した。. 【公平さと親近さ】 ( 「学校の配布物に子どもたちの様子や. ①∼③の結果から,教師は経験年数が高くなるほど,何. 情報を公平に載せることができる」など 6 項目,α=.743). か困難に直面した際に,その困難を柔軟に切り抜けること. の 4 因子からなることが明らかとなった。. ができるようになり,A 児に対し対処可能であると認識し. 教師の経験的背景と個人内資源(持ち味)の下位尺度と. やすいことが示された。. の相関係数を算出した結果,経験年数と【教務遂行力】 (r. 2)教師の A 児認識と「つなぐ支援」の困難さ. =.50,p<.01) ,経験年数と【対応の柔軟さ】 (r=.23,p<.01) ,. ①「つなぐ支援」の困難さについて. A 児に関する研修経験の有無と【教務遂行力】 (ρ=.24,. 因子分析(主因子法,プロマックス回転)の結果, 「つな. p<.05)が有意な正の相関を示し,他の変数間で相関を示さ. ぐ支援」困難さ尺度は【周辺児支援困難さ】 ( 「周辺児に A. なかった。以上より,経験年数が多く,A 児に関する研修. 児への対応の仕方を伝える」など 8 項目,α=.858) , 【学級. の経験がある教師ほど,担当する学級の子どもたちに対し. 支援困難さ】 ( 「学級全体で昼休みなどに遊ぶ機会を設ける」. 教師としての本分を積極的に,かつ規律の重視と個性の尊. など 6 項目,α=.796) , 【A 児支援困難さ】 ( 「A 児に行動の. 重の双方をバランスよく遂行でき,経験年数が多い教師ほ. 振り返りをさせる」など 8 項目,α=.791)の 3 因子からな. ど,何か困難に面した際に,その困難を柔軟に切り抜けら. ることが明らかとなった。. れると考えていることが明らかとなった。. ②A 児認識による教師の分類. ②教師の A 児認識と経験的背景の関連. A 児認識尺度の下位尺度を変数とし,ward 法によるクラ. 因子分析の結果(主因子法,プロマックス回転) ,A 児認. スタ分析を行い,3 つのクラスタを得た。クラスタを独立変. 識尺度は【対処可能性評価】 【成長性評価】 【問題性評価】. 数,A 児認識の下位尺度を従属変数とした分散分析を行っ. の 3 因子からなることが明らかとなった(Table1) 。. た(Figure1) 。その結果,下位尺度すべてに有意な群間差. また,教師の A 児認識の下位尺度と経験的背景の相関係. がみられた(対処可能性評価:F(2,103)=43.53,成長性評. 数を算出した結果,いずれの変数間においても相関を示さ. 価:F(2,103)=32.74,問題性評価:F(2,103)=51.22,すべて. なかった。以上より,経験年数・A 児の指導経験の有無お. p<.01) 。多重比較の結果,第 1 クラスタは, 【問題性評価】. よび A 児に関する研修経験の有無といった教師の経験的背. が低く,A 児との関わりに対し,問題意識をあまり感じて.

(3) 教師に対するアセスメント,介入の視点について考察する。. スタは, 【対処可能性評価】 【成長性評価】がともに低く,. 2.方法. 問題意識は感じつつもどうすればよいか困っている群と考. 1)対象:研究 1.2 を行った際に協力を得られた小学校教. えられるため, 「困惑群」 (N=38) ,第 3 クラスタは, 【対処. 師 6 名(男性 1 名,女性 5 名) ,年齢 20∼40 代,教職. 可能性評価】 【成長性評価】 【問題性評価】のすべてが高く,. 暦 1 年未満∼17 年. A 児との関わりに対し,高い問題意識と自己成長意識を持. 2)手続き:インタビュー. って接しようとし,またある程度対処できると自覚してい. ①調査期間:2008 年 12 月初旬. る群と考えられるため, 「自信群」 (N=43)とした。. ②調査内容:1 人 10∼20 分程度の半構造化面接。A 児指導・. 平均値. いない群と考えられるため, 「楽観群」 (N=25) ,第 2 クラ. 援助について, 「指導・援助を行った A 児の行動特徴」 「指. 11 10 9 8 7 6 5 4 3. 導・援助で難しかったこと」 「指導・援助の工夫」 「指導・ 対処可能性 評価 成長性評価 問題性評価. 第1クラスタ. 第2クラスタ. 第3クラスタ. 援助に役立った個人内資源」を尋ねた。 3)結果の処理について インタビュー項目に沿って,逐語録を作成,考察を加え て結果とした。また,臨床心理学を専攻する大学院生 2 名. Figure1 各クラスタのA児認識下位尺度得点. ③教師の A 児認識の持ち方と「つなぐ支援」困難さの関連 A 児認識の持ち方の 3 群( 「楽観群」 「困惑群」 「自信群」 ). により,A 児への指導・援助経験の前後における,各教師 の A 児認識について, 【対処可能性評価】 【成長性評価】 【問. で「つなぐ支援」の困難さの下位因子の得点が異なるかを. 題性評価】の高低を印象評定してもらった。その結果,評. 検討するために,1 要因の分散分析を行った。その結果, 【周. 定者間の一致率が高く,A 児への指導・援助の経験により. 辺児支援困難さ】 (F(2,102)=4.70,p<.05) , 【学級支援困難. 教師の A 児認識が変化したと考えられる 2 事例(C・D)を. さ】において群間の得点差が有意であった(F(2,102)=11.88,. 取り上げ,A 児認識が変化していく過程を考察する。. p<.01)。多重比較を行なったところ, 【周辺児支援困難さ】. 3.結果と考察. 【学級支援困難さ】ともに, 「困惑群」=「自信群」>「楽. 1)A 児指導・援助の実際 指導・援助を行ったことがある A 児の行動特徴として,. 平均値. 観群」という結果が得られた(Figure2) 。. 「こだわり」や「感情のコントロール」 , 「友人関係」を挙. 0.6 0.4 0.2 0 - 0.2 - 0.4 - 0.6 - 0.8. 周辺児支援困難さ 学級支援困難さ A児支援困難さ. げていた。櫻井(2007)は,担任が対象児のことで困る行 動として, 「学習場面」 「こだわり」 「感情のコントロール」 をあげ,次点として「友人関係」をあげていることを明ら. 楽観群. 困惑群. 自信群. Figure2 A児認識の持ち方と「 つなぐ」 支援の困難さ. 以上より,A 児との関わりに対し,問題意識は感じつつ. かにしている。本研究では,A 児の設定のために, 「学習場 面」の回答は得られなかったが, 「こだわり」や「感情のコ ントロール」 , 「友人関係」については,複数名の教師が挙. もどうすればよいか困っている群,高い問題意識と自己成. げ,やはり教師が目につきやすい特徴であると考えられる。. 長意識を持って接しようとし,またある程度対処できると. 指導・援助で難しかったこととして, A 児への声かけの. 自覚している群は,問題意識をあまり感じていない群より. 難しさ,A 児の心理状態に合わせた対応の難しさ,A 児に. 周辺児および学級に対し「つなぐ支援」を行うことにおい. 間接的に関わることの難しさなどが挙げられた。特に A 児. て,困難さを感じていることが明らかになった。. と他児の関係をつなぐ上で難しかったこととして, A 児理. Ⅲ.研究 3 1.目的. 解の難しさから発生する難しさ,教師自身が介入できない 場合についての指導・援助の難しさなどが挙げられた。一. A 児指導・援助の実際を,指導・援助における困難さ,. 方で, A 児と他児の関係をつなぐ上で難しかったことが語. 工夫した点から明らかにする。また,教師のA児認識がど. られない場合もあった。これは,周辺児の A 児理解,ある. のような影響により形成され,変化していくかを検討し,. いは教師の周辺児への理解が関連していると考えられる。.

(4) 指導・援助で工夫した点として,各対象に対する「つな ぐ支援」 ,A 児と教師の関係作り,保護者との関係作りなど. A 児の指導・援助の経験による A 児認識の変化をより正確 に捉えることができると考えられる。 Ⅳ.総合考察. が挙げられた。竹村(2008)は,教師が児童との関わりに おいて生じる問題に対する対処行動について, 「問題解決志. 1.教師のアセスメント,介入の視点. 向」 「情動軽減志向」 「支援希求志向」の 3 因子からなる構. 教師の A 児認識が,その後の指導・援助を行う際の困難. 造を明らかにしている。 「つなぐ支援」や,A 児と教師の関. さに影響があることが明らかになった。したがって,教師. 係作りなどは, 「問題解決的」な対処行動,保護者との関係. のアセスメントの視点として,教師の A 児認識をアセスメ. 作りは, 「支援希求的」な対処行動であると推察される。. ントすることが有効であることが示された。また,現実場. 指導・援助に役に立った個人内資源(持ち味)として, 【公. 面で,教師の A 児認識をアセスメントする場合には,本研. 平さと親近さ】や【教務遂行力】を意識化していることが. 究で関連の見られた経験年数や教師の個人内資源(持ち味). 考えられた。. などを,資料としてアセスメントを行う必要があるだろう。. 2)A 児の指導・援助の経験による A 児認識の変化過程. 教師への介入の 1 つとして,教師の A 児認識を対象に介. A 児への指導・援助の前,もしくは A 児への指導・援助. 入を行っていく可能性が示唆された。教師の A 児認識の持. の開始時,2 名の教諭はともに,A 児に対する【問題性評価】. ち方が変化することは,指導・援助の困難さを変え,対処. は高いが, 【対処可能性評価】が低い状態であったと考えら. 行動を変えていくものと推察される。教師の A 児認識は,. れる。しかし,2 名の教師は【対応の柔軟さ】や【公平さと. 指導・援助中にも様々な要因によって変化が促される。し. 親近さ】など持ち味を活用しながら, 「つなぐ支援」を含む. たがって,専門家は,その時々の教師の A 児認識の持ち方. さまざまな対処行動を行い,その結果,実際の A 児の様子. をアセスメントし,介入することが望ましいだろう。具体. の変化を目にするなど,A 児の指導・援助が有効に働いた. 的な介入法として,教師の行った「問題解決的」な対処行. 実感を得た。そして,C 教諭においては A 児と似たような. 動に対して,結果のフィードバックを行うことが A 児認識. 子どもに対する【対処可能性評価】 【成長性評価】が高まり,. を変化させることが仮説として考えられた。また,教師は. D 教諭においては,A 児に対する【問題性評価】が低下し,. 様々な対処行動を取る際,個人内資源(持ち味)を活用し. 【対処可能性評価】 【成長性評価】が高まり,同時に周辺児. ている。そうした点へのフィードバックや気付きを促すこ. への認識なども変化したと考えられる。. とも専門家にできることかもしれない。. 2 名の教諭のように,A 児の指導・援助の経験が,その後. 2.今後の課題. の A 児との関わりに対する認識を変化させた要因は, 1 つ. 本研究では,教師の経験的背景を十分に把握しきれてい. には,教師が A 児の指導・援助において, 「つなぐ支援」を. ない。今後は,経験の量的及び質的な側面の双方から検討. はじめとした「問題解決的」な対処行動を行い,その結果. し,教師の A 児認識との関連を検討していく必要がある。. を実感したことであると考えられる。遠矢(2007)は,発. また,教師の具体的な指導・援助の実態を全体から把握. 達障害児の担任経験について, 「校内支援体制が整備されて. することができなかった。本研究では,調査の対象とした. いない状況での経験は,必ずしも,子どもに対して十分な. 指導・援助を「つなぐ支援」に絞って検討したためと考え. 指導を行えたという効力感をもたらすものではなかった」. られる。実際は,研究 3 で得られたように,教師は様々な. と述べている。教師が実際に行った対処行動への適切なフ. 指導・援助を行っている。今後は,広く教師が行う指導・. ィードバックにより効力感が得られ,その後 A 児認識を変. 援助を対象とする必要もあるだろう。以上の問題点を受け,. 化させたと推察される。もう 1 つには,2 名の教諭の A 児. 今後は質問紙調査に加え,教師を対象とした事例研究を行. 認識は,A 児への指導・援助の前,もしくは A 児への指導・. い,A 児認識の変化を縦断的に見ていく必要があるだろう。. 援助の開始時に【問題性評価】が高く, 【対処可能性評価】. 教師が子どもと関わる際,どのような要因で A 児認識が変. が低く,A 児指導・援助の経験後の A 児認識の変化がその. 化し,その後の指導・援助の困難さや対処行動を変化させ. ための特有のものであったことが考えられる。 2 名の教諭と. ていくかを検討することで,どのような専門家の介入が有. 異なる A 児認識の持ち方の教諭の事例を取り上げることで,. 効かについてより詳細な検討が可能になると考えられる。.

(5)

参照

関連したドキュメント

ヘッジ手段のキャッシュ・フロー変動の累計を半期

具体的な取組の 状況とその効果 に対する評価.

具体的な取組の 状況とその効果

添付資料 1.0.6 重大事故等対応に係る手順書の構成と概要について 添付資料 1.0.7 有効性評価における重大事故対応時の手順について 添付資料

実効性 評価 方法. ○全社員を対象としたアンケート において,下記設問に関する回答

通関業者全体の「窓口相談」に対する評価については、 「①相談までの待ち時間」を除く

「TEDx」は、「広める価値のあるアイディアを共有する場」として、情報価値に対するリテラシーの高 い市民から高い評価を得ている、米国