いじめ被害体験と援助が自己認知・他者認知に与える影響
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(2) 去の加害体験》《最近のいじめ報道》につい. 研究1Iでは、人の言葉の裏の意味を考えて. て、約25分間の半構造化インタビューを実施. しまうなどの回答が見られたことから、他者. した。(2)いじめの影響尺度(香取,1999)6下. への不信感は、体験後もなお対人関係の構築. 位尺度、42項目で構成され、4件法で回答を. を阻害し続けていると考えられる。しかし、. 求めた。(3)いじめ被害経験後認知尺度(永浦,. 自分を理解し、支えてくれる周囲の存在や環. 2009)4下位尺度、39項目で構成され、7件法. 境の変化などが信頼感の回復につながること. で回答を求めた。. が明らかになった。また、いじめ被害体験を. 着尺と考察. 乗り越えていくために、周囲からの援助が重. 研究Iでは、大学生・大学院生は、信頼感. 要な位置を示しており、一書声をかけてもら. と不信感とが分化していたが、専門学校生は、. えることや、話を聴いてもらえることは、被. いじめ被害体験の有の人は、無の人よりも自. 害者にとって孤独感を共有してもらえて安心. 己や他者への信頼感が低く、不信感が高く、. 感を与えてくれるものであると考えられる。. 信頼感と不信感が密接に関連していた。また、. しかし、これは、本研究の結果から、クラス. 当時の苦痛度が高かった人はネガティブな影. メイトといった友人のみに限られ、教師を信. 響が持続しやすく、現在もネガティブな影響. 用・信頼しておらず、拒否をしている人がほ. が持続している人は自己や他者への信頼感が. とんどであった。このことから、積極的な介. 低く、不信感が高かった。これらのことから、. 入ではなくても、寄り添うということが信頼. いじめ被害体験は、自己や他者への信頼感に. 感の回復につながっていくということを、ま. 大きな影響を及ぼし、一度低下した自尊感情. ずは教師や保護者といった大人達が認識し、. や信頼感は、被害体験後の環境の変化や自己. 早急に生徒と教師の信頼関係をもっと強固な. 開示、内省などを通して、回復しうる可能性. ものにするためのコミュニケーションが必要. はあるが、ネガティブな影響は長期的に続き、. であると考えられる。. 心の傷として残り続ける可能性が考えられる。. 最後に、今回の研究において、いじめ被害. 今回、大学生・大学院生の信頼感は、いじ. 体験からの回復プロセスとトラウマからの回. め被害体験有の人と無の人との間に差が見ら. 復プロセスが類似していることが考えられ、. れなかった。これは、今回の対象者が教育・. いじめ被害体験者への周囲の援助がどのよう. 心理を専攻しており、いじめ被害体験を“忘. な影響を及ぼすかについても明らかにするこ. れ去りたい過去”と捉えるのではなく、乗り. とができた。しかし、今回は調査対象者の所. 越え、糧にしてプラスに生かそうと考えてい. 属に偏りが見られた上、所属による比較が大. ることが窺える。このことは、Harvey(1999). 半であったが、今後は所属の幅を広げ、所属. のトラウマからの回復・レジリエンスの8次. などの要因を含めずにいじめ被害体験の有無. 元の基準の一つである「意味づけ」の段階を. のみで分析を行い、いじめ被害体験の及ぼす. 乗り越えていると考えられ、その結果、自ら. 影響を明らかにする必要があると考えられる。. が他者を援助する立場を目指していたことが. 主任指導教員 市井雅哉. 要因の一つであるのではないかと考えられる。. 指導教員 市井雅哉.
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