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動作法課題における援助者の援助のあり方と動作者の動作体験との関連 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)動作法課題における援助者の援助のあり方と動作者の動作体験との関連 キーワード:動作法. 腕上げ課題. 援助. 動作体験 人間共生システム専攻 池永. 問題と目的. 恵美. という視点に加え、動作者自身の主体的・能動的な活動を. 動作法とは、動作課題を通して動作者が自己処理・自己. 捉える視点が必要と考え、「課題への取り組み方」(定義:. 選択を通して自己治療を進める過程とされる (成瀬、2000) 。. 動作者の動作課題への取り組み方)という視点を取り入れ. 鶴(1991)は動作法での治療効果について、自体感の確実. た。. 化、及び、動作活動における自己の活動の仕方の能動的変. また本研究では、動作課題として主に動作コントロール. 化・客観化・現実化とそれに伴う実生活における合理的な. の課題として用いられる腕上げ課題を用いた。これまでの. 行動、社会性の高まりと位置づけており、成瀬(2000)も、. 動作体験に関する実証的研究ではリラクセイション課題、. 動作体験に伴うリラクセイション、自己コントロールなど. タテ系課題について検討されているものの、腕上げ課題の. の体験が重要であると述べている。このように心理療法と. ような動作コントロールの課題での動作体験の内容は検討. しての動作法では動作に基づいた体験が重要とされる。. されておらず、この点についてもリラクセイション課題(肩. このように動作法の中ではさまざまな動作体験が得られ、 それが治療体験となるとされるが、それらは動作法におい. 上げ下げ課題)との動作体験の比較を通して腕上げ課題の 特性を検討していく。. て援助者が動作者を動作を通して援助するという点を考慮 すると、援助者がクライエントを見立て、設定したねらい. 【研究1】腕上げ課題と肩上げ下げ課題における動作者の. とそれに基づいた援助によるところが大きいと考えられる。. 動作体験の比較. しかしながら援助者の援助と動作者の動作体験との関連は. <目的>. これまでの研究では明らかでない。よって本研究では 1.援. 腕上げ課題における動作者の動作体験と肩上げ課題にお. 助の有無、2.援助の仕方の違いという2つの面から援助. ける動作者の動作体験との比較を行い、腕上げ課題の特性. 者の援助のあり方と動作者の動作体験との関連について検. について検討する。. 討していくことを目的とする。特に援助の仕方の違いにつ. <方法>. いては、クライエントに応じて、またセラピーの局面に応. 対象者 腕上げ課題群−ほぼ動作法未経験の大学生・大学. じてねらいを設定し、目指す体験につながるような援助を. 院生 123名(うち男性 13名、 女性 110名)、 平均年齢は 21.65. 行うと考えられるが、そのようなねらいを持った援助が果. 歳、SDは 2.91 であった。. たして動作者の目指す動作体験につながるのかどうかにつ. 肩上げ課題群−ほぼ動作法未経験大学生 140 名(うち男性. いてはこれまで検討されておらず、検討する必要があると. 5 名、女性 135 名) 、平均年齢 20.06 歳、SD0.85 であった。. 考えた。そこで本研究では①動作や自分の努力に意識が向. 手続き 集団で数回に分けて実施。両課題群ともに一人で. く体験、②動作の感じよりも情動面の変化の体験という対. の課題を体験したのち、ペアを作って動作者・援助者役割. 照的な2つのねらいをもち、これを目指す援助の仕方とし. を交代しながら行った。課題終了後、動作体験尺度(動作. て、それぞれ①動作者に寄り添う援助の仕方、②動作者を. 感、情動体験感、課題への取り組み方、対援助者体験感). リードする援助の仕方の2つの援助の仕方を取り上げ、動. に記入してもらった。. 作体験との関連について検討する。この対照的な2つのね. 質問紙 本田(2000)、須藤ら(2000)、井上(2002)、池. らいは動作法場面においても、時には自分が動作や努力す. 永(2004)を参考に「動作感」 (22 項目) 「情動体験感」 (17. る感じに意識を向けることが必要な場面と、時には動作よ. 項目) 「課題への取り組み方」 (23 項目) 「対援助者体験感」. りも情動面で変化する体験が必要な場面があり、どちらも. (32 項目)を作成した。4つの質問紙についてそれぞれ 7. 動作法でねらうことができる目的としては重要であると考. 件法(まったくあてはまらない∼非常にそう思う)でたず. えたためである。. ねた。. 本研究では、動作者の動作体験を捉える視点として、井 上(2002)の「動作感」 、 「情動体験感」 、 「対援助者体験感」. <結果と考察> 1.腕上げ課題群、肩上げ下げ課題群込み全群での動作体.

(2) 験尺度の因子分析(Table1). b)情動体験感 「快活感」 (t(258)=4.29, p<.001) 、 「新奇感」 (t(256)=2.81,. a ) 動作感の因子分析 最尤法、プロマックス回転の結果、「動作制御困難感」「変. p<.01)で腕上げ課題群が有意に得点が高く、「不安感」. 容感」 「コントロール感」 「弛緩感」の 4 因子が抽出された。. (t(258)=−3.28, p<.001)においては肩上げ課題群の方が. b ) 情動体験感の因子分析. 有意に得点が高かった(Figure1)。つまり、腕上げ課題群. 最尤法、プロマックス回転の結果、 「快活感」 、 「不安感」、. は意欲的な気持ちや前向きな気持ち・不思議な感じを強く. 「新奇感」の 3 因子が抽出された。. 持ち、肩上げ下げ課題群は落ち着かない感じを強く持った. c ) 課題への取り組み方の因子分析. といえる。. 重み付けのない最小二乗法、プロマックス回転の結果、. c)課題への取り組み方 「安定した取り組み」 (t(256)=2.20, p<.05) 、 「課題への. 「安定した取り組み」 「課題へのとまどい」 「課題への工夫」 の 3 因子が抽出された。. 工夫」(t(259)=2.03, p<.05)。において腕上げ課題群のほ. d ) 対援助者体験感の因子分析. うが有意に得点が高かった(Figure2)。つまり、腕上げ課題. 重み付けのない最小二乗法、プロマックス回転の結果、. 群は安心感を持って取り組める・自分のからだに注意を向. 「信頼感」「自由感」 「共体験感」 「一致感」 「緊張感」の 5. けるといった安定した取り組みや自分なりに工夫してみる. 因子が抽出された。. といったような工夫・努力を体験しやすかったと言える。 d)対援助者体験感. Table1動作体験各尺度の因子分析 の結果(腕上げ・肩上げ下げ両群込み) 抽出された因子 含まれる代表的な項目例 <動作感> 自分にはからだをどうにも動かせない感じがした・動かしているからだの 動作制御困難感 部分に違和感を覚えた・ からだの感じがあいまいな気がした. 「共体験感」 (t(260)=2.18, p<.05) 、 「緊張感」 (t(259)=2.34,. p<.05)において腕上げ課題群のほうが有意に得点が高く、 「自由感」 (t(260)=−2.59, p<.05) 、 「一致感」 (t(260)=−. からだの感じが変わったように 感じた・からだの姿勢や状態が変わった 気がした. 2.90, p<.01)において肩上げ課題群のほうが有意に得点が. からだを自分で動かしている感じがした・自分のからだをコントロールで きた感じがした 自分で力を抜くことができていた・他の部分の余分な力を抜くことができ た. 高かった(Figure3)。つまり腕上げ課題群は援助者との一体. 変容感 コントロール感 弛緩感 <情動体験感>. 意欲的な気持ちになった・ 前向きな気持ちになった・ すっきりした感じが した 落ち着かない感じがした・ 変な感じが残った・ 不安な感じがした. 快活感 不安感. 不思議な感じがした・言葉で表現できない感じをもった・ いつもと違う感 新奇感 じがした・新鮮な感じがした <課題への取り組み方>. 感を感じやすく、 同時. 課題へのとまどい. 思うように 自分のからだを動かせなくて 戸惑った・からだを動かそうとして 焦った. 者の援助との一致感. 自分なりに力を抜いたり動かそうと工夫してみた・ どこが固いのか、どこ の力を抜けばよいか色々考えた <対援助者体験感> 信頼感. 援助者は頼りになる存在だったように 感じた・援助者はゆるがない感じ した・ 援助者がいて安心した. 自由感. 援助者の存在が気にならなかった・援助者の前で自由にからだを動か せる感じがした. 共体験感. 援助者に自分の気持ちや心の状態をわかってもらえている感じがした・ 援助者は私の感じているものをともに感じていたと思う・援助者との一体 感を感じた. 一致感 緊張感 *反転項目. 援助者に対していらだちを感じた(*)・ 援助者に不安を感じた( *) 援助者に対して緊張した・援助者に対して気を使った. 3 2 快活感. 不安感. 新奇感. Figure 1 腕上げ課題と肩上げ課題における情動体験感 の各下位尺度得点の比較. **. を持つことがわかった。 7 腕上げ 肩上げ下げ 6. *. 肩上げ 下げ. ***. 4. は、 援助者の前で自由 に動ける感じや援助. 腕上 げ. 5. 肩上げ下げ課題群で. 安心感をもって動作にのぞめた・自分のからだの感じに注意を向けた・ 余裕を持って動作にのぞめた. ***. 6. 強く感じるのに対し、. 安定した取り組み. 課題への工夫. **. に援助者への緊張も. * 6 5 4 3 2. *. 腕上げ 肩上げ下げ. *. *. 5 4 3 2 信頼感. 安定. とまどい. 自由感. 共体験感. 一致感. 緊張感. 工夫. Figure2 腕上げ課題と肩上げ課題における課題へ の取り組み方の各下位尺度得点の比較. Figure3 腕上 げ課題と肩上げ課題における対援助者体験感の各下 位尺度得点の比較. ? 本研究の結果より、腕上げ課題の特性として、肩上げ下げ 課題に比べて意欲的な気持ち、不思議な感じなど快情動を感. 2.腕上げ課題群と肩上げ下げ課題群との間における動作. じやすく、また動作課題に対して注意を向けたり、安心して取り. 者の動作体験の比較. 組める課題であり、自分なりに動かし方を工夫したりと、努力し. 腕上げ課題、肩上げ下げ課題両群において1.の結果得. たり工夫する感じがつかみやすい課題であるといえよう。. られた各尺度の各因子について、それぞれ下位尺度得点(各 因子を構成する項目の合計得点の平均値)を求め、腕上げ. 研究2】:援助者の有無・援助の仕方と動作体験との関連. 課題、肩上げ課題両群の間で t 検定を行った。. <目的>. a ) 動作感 「動作困難感」 「変容感」 「コントロール感」 「弛緩感」の. 援助の有無によって動作者の動作体験の比較を通じて検 討する。また援助の仕方(寄り添う援助・リードする援助). 全ての下位尺度得点において両群の間に有意差は認められ. でどのように動作者の動作体験が異なるのかについても検. なかった。. 討する。 <方法>.

(3) 対象・手続き Table 2,3参照。援助は、SV資格を有する. d ) 対援助者体験感の因子分析. 4 名が「寄り添う援助」 「リードする援助」のどちらか一方. 「信頼感」「自由感」 「緊張感」「一致感」「被受容感」の 5. を担当して行った。 Table2実験の手続き グループ A B C D 援助有り 1 一人での 寄り添う リードす 回 腕上げ課題 援助 る援助 目 回 数. 質問紙への記入 援助有り 2 一人での 回 寄り添う リードす 腕上げ課題 目 援助 る援助. 質問紙への記入 n=40(各群10名、男性13名/女性27名) 平均年齢24.30歳、SD3.90. 重み付けのない最小二乗法、プロマックス回転の結果、. Table3 援助の特徴 援助の特徴 ・ 動作者の動きに添って援助 寄り添う・ 動かないところ、動かしづらいところ 援助 でもそこで待つ ・ 動作の方向の修正は行わない ・ 動作者より少し速いペースで援助 ・ 動かないところ、動かしづらいところ リードす では積極的に他動で援助 る援助 ・ 動作の方向はまっすぐに修正する ・ 肩部では腕をやや下方向気味に力 を加えながら援助         など. 因子が抽出された。 2.援助の有無による動作者の動作体験の比較 援助無し条件、援助有り条件(寄り添う援助群、リード する援助群の両群)において腕上げ課題の因子分析の結果 得られた各尺度の各因子について、それぞれ下位尺度得点 (各因子を構成する項目の合計得点の平均値)を求め、援 助無し・援助有り両条件の間で t 検定を行った。 a ) 動作感. <結果と考察>. 「動作制御困難感」因子では、援助無し条件のほうが得. 1.腕上げ課題における動作体験尺度の因子分析. 点が有意に高かった(t(40)=5.61, p<.001)。「変容感」因. 研究1での腕上げ課題群 123 名の動作体験尺度について因. 子(t(40)=−4.83, p<.001) 、 「弛緩感」因子(t(40)=−2.86,. 子分析を行った。(Table4). p<.01)では援助有り条件の方が有意に高かった(Figure4)。. Table4 動作体験各尺度の因子分析の結果(腕上げ課題群のみ) 抽出された因子名 項目例 <動作感> からだの感じがあいまいな気がした・ 動かしているからだの部分に違和 動作制御困難感 感を感じた・ からだが動かない感じがした からだの姿勢や状態が変わった気がした・からだの動きが変わった感じ 変容感 がした 自分のからだを思い通りに動かしている感じがした・ からだを自分で動 コントロール感 かしている感じがした・自分のからだをコントロールできた感じがした 自分で力を抜くことができていた・他の部分の余分な力を抜くことができ 弛緩感 た <情動体験感> 自発性 前向きな気持ちになった・意欲的な気持ちになった 言葉で表現できない感じを持った・ 新鮮な感じがした・ すっきりした感じ 爽快感 がした 不安感 落ち着かない感じがした・ 不安な感じがした・変な感じが残った <課題への取り組み方> 自分のからだの感じに注意を向けた・じっくりと動作に集中できた・ 安心 安定した取り組み 感を持って動作にのぞめた 思うようにからだが動かなくてももう少しやってみようと思った・ どうやって 課題への試行錯誤からだの力を抜けばよいかわからずとまどった・ からだを動かそうとして 焦った 課題への身構え おそるおそる動作に取り組んだ・動作に取り組むことに対して身構えた <対援助者体験感> 援助者は私を導いてくれる存在だったように感じた・ 援助者は頼りになる 信頼感 存在だった・援助者はゆるがない感じがした 援助者の援助は気にならない感じがした・援助者は私の感じているもの 自由感 をともに感じていたと思う・ 援助者の前で自由にからだを動かせる感じが した 緊張感 援助者に対して緊張した・援助者に対して気を使った 援助者の援助は過剰だった気がした(*)・ 援助者に対していらだちを感 一致感 じた(*) 援助者は自分が気付かなかったことも気付いていたと思う・ 私がからだ 被受容感 を動かすのを援助者が良く感じてくれていたと 思う (*)反転項目. a ) 動作感の因子分析 重み付けのない最小二乗法、プロマックス回転の結果、 「動作困難感」「変容感」「コントロール感」「弛緩感」の 4 因子が抽出された。 b ) 情動体験感の因子分析. つまり、援助がある場合には、思うように動かせない感じ が減り、からだの感じが変わった感じ、力が抜けた感じな どを感じやすくなるといえる。 b)情動体験感 「自発性」因子(t(39)=−3.81, p<.001)、「爽快感」因 子(t(39)=−5.14, p<.001)においては援助有り条件のほ うが有意に得点が高かった。 「不安感」因子においては援助 無し条件のほうが有意に得点が高かった( t(39)=5. 03,. p<.001)(Figure5)。すなわち援助がある場合には、落ち着 かない感じが減り、それよりも前向きな気持ち、新鮮な感 じ・すっきりした感じなどを強く感じることが明らかにな った。 c)課題への取り組み方 「安定した取り組み」因子においては援助有り条件のほ うが有意に得点が高かった(t(39)=−3.02,. への試行錯誤」因子(t(39)=3.04, p<.01) 、 「課題への身構 え」因子(t(39)=2.94, p<.05)においては援助無し条件の ほうが有意に得点が高かった(Figure6)。つまり、援助があ る場合には、課題に対して戸惑う感じ、身構える感じが減 り、課題に対して安心して取り組める、からだに注意を向 ける、じっくり取り組むといった安定した取り組みができ るようになることが示唆された。 援助無し 6. c ) 課題への取り組み方の因子分析. ***. *** **. 4 3 2 動作制御困難感. 変容感. コントロール感. 弛緩感. 6 5 4 3 2 1. 援助無し. ***. 援助有り. 5. ***. 自発性. 援助者有り. ***. 爽快感. 不安感. Figure5  援助の有無による情動体験感の比較. Figure4 援助の有無における動作感の比較. 最尤法、プロマックス回転の結果、 「自発性」 、 「爽快感」 、 「不安感」の 3 因子が抽出された。. p<.01) 。 「課題. 援助無し. **. 援助者あり. **. 6. **. 5 4 3. 重み付けのない最小二乗法、プロマックス回転の結果、. 2 1. 「安定した取り組み」「課題への試行錯誤」「課題への身構 え」の 3 因子が抽出された。. 安定した取り組み. 試行錯誤. 身構え. Figure6 援 助の有無による課題への取り組み方の比較. ? 動作者は援助者がいること、援助があることで①動作課.

(4) 題への不安、とまどいが減り、安心して動作に取り組め、. ールする、自分で動作の仕方を工夫し試行錯誤するという. 自分のからだに注意を向けてじっくり取り組めるようにな. 体験のあり方が見られた。また動作者にとってリードされ. る②からだの感じの変化・力が抜ける感じをじっくりと体. る援助では、動作者は援助者に対しても導いてくれる、頼. 験でき、前向きな気分、新鮮な感じなどの快情動が高まる. れるという信頼感を抱き、また変容感、爽快感といったよ. のではないかと考えられた。. うな心身の変化を感じる体験のあり方であったといえる。 †. 3.援助者の援助の仕方の違いによる動作者の動作体験の. † 6. 比較. リードする群. *. リードする群. 6 5. 5. 寄り添う援助群、リードする援助群、両群において2.. 寄り添う群. 寄り添う群. 4 3. 4. 2. で求めた下位尺度得点について、寄り添う援助群、リード. 自発性. 3. 爽快感. 不安感. 2. する援助群の間で t 検定を行った。. 動作制御困難感. a ) 動作感 リードする援助群は寄り添う援助群に比べて「変容感」 得点において、得点が高い傾向が示された(t(38)=−1.86,. p<.10)。また寄り添う援助群はリードする援助群に比べ、 「コントロール感」得点において得点が有意に高かった (t(38)=2.16, p<.05)(Figure7)。すなわち、リードする援 助群では寄り添う援助群に比べ、動作者はからだの状態や. 変容感. コントロール感. 弛緩感. figure7 援助の仕方の違いにおける動作感の各尺 度得点の比較 寄り添う群 † 6 リードする群. Figure8 援助の仕方の違いによる情動体験感 の各尺度得点の比較. 寄り添う群. **. 7. 5. †. リードする群. **. 6. 4. 5. 3. 4. 2. 3. 1. 2. 安定した取り組み. 試行錯誤. 身構え. Figure9 援助の仕方の違いにおける課題への取 り組み方の各尺度得点の比較. 信頼感. 自由感. 緊張感. 一致感. 被受容感. Figure 10 援助の仕方の違いにおける対援助者体験感 の各 尺度得点の比較. 総合考察. 動きが変わった感じを感じるのに対して、寄り添う援助群. 腕上げ課題と肩上げ下げ課題において動作者の動作体験. では動作者は自分のからだを思い通りに動かし、コントロ. を比較検討した結果、腕上げ課題は、肩上げ下げ課題に比. ールする感じが高まることがわかった。. べて、前向きな気分、いつもと違う感じなどの快情動を体. b)情動体験感. 験しやすく、動作に注意を向ける、自分なりに動かし方を. リードする援助群が寄り添う援助群に比べて「爽快感」 において得点が高い傾向が示された ( t(38)=−1.92,. p. <.10)(Figure8)。つまり、リードする援助群では寄り添う. 工夫するなど安定した取り組みや動作者の工夫・努力がさ れやすい課題であるといえる。 本研究の結果より、動作課題の中で援助者がいることで、. 援助群よりも新鮮な感じ、すっきりした感じを強く持つこ. 動作者は動作へのとまどいが減り、じっくり取り組む、か. とが示唆された。. らだに注意を向けるといった安定した取り組みができるよ. c)課題への取り組み方. うになり、また不安感や動かない、動かせない感じが低減. 寄り添う援助群がリードする援助群に比べ「課題への試. し、からだの感じが変化したという変容感や前向きな気持. 行錯誤」得点において得点が高い傾向が示された. ち、すっきりした気持ちなどの快情動が高まることが示唆. (t(38)=1.75, p<.10)(Figure9)。すなわち寄り添う援助群. された。つまり、動作法は自己処理、自己選択のプロセス. は、課題に対してとまどいながら、自分なりに力を抜いた. (成瀬、2000)と言われるが、援助者がいて援助があるか. り動かしたりしてみるなどの工夫が行われやすいことが示. らこそ、そのような自己活動が可能になるのではないかと. 唆された。. 考えられた。. d ) 対援助者体験感. また援助者の援助の仕方の違いとして、動作者に寄り添. リードする援助群が寄り添う援助群よりも「信頼感」尺. う援助と動作者をリードする援助の2つを設定し、それぞ. 度得点において有意に得点が高かった( t(38)=− 2.76,. れの動作体験を比較したところ、動作者に寄り添う援助の. p<.01)。また寄り添う援助群はリードする援助群よりも「自. 仕方では動作者は動作課題に対して自己努力が促され、動. 由感」尺度得点において有意に得点が高かった(t(38)=3.33,. 作者は主体的な取り組みが求められる援助だったと考えら. p<.01) 。 「一致感」尺度得点においては寄り添う援助群が有. れた。一方、動作者にとってリードされるような援助の仕. 意に得点が高い傾向が示された( t(38)=1.91,. p<.10). 方では、自分のからだの感じの変化やいつもと違う感じ、. (Figure10)。つまり寄り添う援助群では、動作者は援助者の. すっきりしたなどの爽快感など心身両面にわたって肯定的. 前で自由に動ける、援助との一致感を感じるのに対して、. な感じの変化が体験されやすかったと考えられた。以上の. リードする援助群は援助者が頼りになる感じ、援助者が自. 点から、本研究の仮説はほぼ支持されたといえるが、この. 分を導いてくれるといった信頼感を体験することがわかっ. 結果から、援助者が持つねらいとその援助の仕方によって、. た。. 動作者の動作体験が大きく影響を受けることが示唆され、. →以上の点より、動作者にとって寄り添われるような援助. 援助者はこの援助の仕方という面において十分考慮した上. では、援助者に対して自由に動ける感じや援助との一致感. で援助を行うことが求められるといえよう。. を感じつつ、特に自分で動かす中で自分で動作をコントロ.

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Figure 1 腕上げ課題と肩上げ課題における情動体験感 の各下位尺度得点の比較23456快活感不安感 新奇感 腕上 げ 肩上げ 下げ* ** * ** * * Figure2 腕上げ課題と肩上げ課題における課題へ の取り組み方の各下位尺度得点の比較23456安定とまどい工夫 腕上げ 肩上げ下げ** Figure3  腕上 げ課題と肩上げ課題における対援助者体験感の各下位尺度得点の比較234567信頼感自由感共体験感一致感 緊張感 腕上げ 肩上げ下げ*** **験尺度の因子分析(Table1) a )

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