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対人援助職を志望する大学生の被援助志向性に関する研究 -自尊感情と内的作業モデルとの関連-

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(1)平成19年度. 学位論文. 対人援助職を志望する大学生の被援助志向性に関する研究 一自尊感情と内的作業モデルとの関連一. 兵庫教育大学大学院 学校教育研究科 学校教育専攻 学校心理こコース. MO5086H 赤木 邦成. 主任指導教員 古川 雅文 指導教員 古川 雅文.

(2) 目 次 ページ. 第1章 問題・目的. 1. 第2章 方法. 6. 第3章 結果. 9. 第4章 考察. 24. ■ 引用文献. 29. 凹 資料. 31. ■ 要旨. 36. ■ 謝辞. 38.

(3) 第1章 問題・目的. 専門職業人として養成された対人領域の従事者はまじめであ ればあるほどに精神的,身体的に消耗し,仕事への意欲を失って 燃え尽きてしまう傾向がある。また,周りの先輩も自分のことで 精一杯であり,互いに干渉を避けようとするのか,冷ややかな傍 観はあっても温かく相談にのってくれる雰囲気が少ない(土居,. 1988)。さらに初任者に対する指摘として相談せずに一人で悩ん でいる者も多い(八尾坂,2006)という報告もある。. これらのことから,他者への援助を求めることは対人領域の従. 事者にとって重要であるが必ずしも十分になされていないこと. がうかがわれる。他者に援助を求めることは,被援助志向性 (help−seek:ing preference)として研究されてきた。. 本研究では被援助志向性を「個人が情緒的,行動的問題および 現実生活における中心的な問題で,カウンセリングやメンタルヘ ルスサービスの専門家,教師などの職業的な援助者および友人・. 家族などのインフォーマルな援助者に援助を求めるかどうかに ついての認知的枠組み」(水野・石隈,1999,p531)と定義する。 被援助志向性については,自尊:感情との関連についていくつか の研究がある(水野・石門,2001,2002;白:石,2004;大坊他,. 1989)。大坊他(1989)によれば,人に助けを求められない理由の. 一つに自尊感情の脅威モデルが紹介されている。このモデルには. 2つの仮説があり,自尊感情が低い人は援助をもとめないと考え る「傷つきやすさ仮説」(Tessler&Schwartz,1972)と自尊:感情. が高い人は援助を求めないと考える「認知的一貫性仮説」 (Brarmal,1968)である。前者では,自尊感情が低い人は自分に. ついて肯定的認知をほとんど持っていないために自力で課題を. 解決できないという自分が傷つく情報に対してよりいっそう敏 1.

(4) 感に反応し防衛的になる。そのため,自尊感情が高い人に比べて,. あまり援助を求めないとする仮説である。後者は,逆に,自尊感 情が高い人は援助者を否定的に捉えて,援助を求めない傾向があ るとする。. 田村・石町(2002)は,教師の自尊感情と被援助志向性の関連に 性差を報告している。男性教師は自:尊感情高群が低群に比べ「援. 助関係に対する抵抗感の低さ」が高いことを示し「傷つきやすさ 仮説」があてはまる。逆に女性教師では,自尊感情高群は平群に 比べて「援助の欲求と態度」の得点が低く 「認知的一貫性仮説」 があてはまった。. また教職と福祉援助職で比較調査を行なった白石(2004)によ れば,男性教師の場合は,自尊感清高群が平群に比べ「援助関係 に対する抵抗感の低さ」が高い「傷つきやすさ仮説」の説明があ てはまり,女性教師に有意差は見られず,福祉職の男性・女性と もに「傷つきやすさ仮説」が適合したと報告している。. ところで,これらの傾向は対人領域の職業での経験によって培 われたものなのか,それとも学生のうちから彼らの内的特性とし てあるものなのかという疑問がある。. そこで本研究の目的は,福祉職・教育職という対人援助職を志 望する大学生の被援助志向性について検討し,上記の問題を明ら かにすることである。大学生の時にすでに,志望職種によりその 特徴が表れているとするならば,先行研究から考えて,福祉職で は男女ともに「傷つきやすさ仮説」を,教育職を志望する男性で は「傷つきやすさ仮説」,女性では「認知一貫性仮説」が支持さ. れるかまたはどちらの仮説もあてはまらないであろうと仮定さ れる。しかし,職業経験により,自尊感情の脅威モデルの傾向が 形成されるならば,学生の問は違いが見られないだろうと考えら れる。. また,本研究では,被援助志向性における自尊感情の脅威モデ. ルが職種や性別によってなぜ異なるのかを検討するために媒介 2.

(5) 変数として内的作業モデルの型を取り上げる。内的作業モデルの ような対人関係のイメージにより,被援助志向性と自尊:感情の関. 連を説明する対立する2つの仮説のどちらかが当てはまるとい ったことがみられないだろうか。以下,愛着理論から,被援助志 向性について考えてみる。. Bowlby(1977)は,人が愛着人物に対してどのように援助を求 め,接近し応答するかを予想する概念を提唱し,内的作業モデル (lntemal workillg model)と名づけた。愛着の型は未成熟な時期. に形成され,愛着対象への期待が保持されるが,内的作業モデル は,この個人特有の心的ルールのことである(詫摩・戸田,1988)。. 遠藤i(1997)によると,Ainsworth(1978)はBowlbyの親とのア. タッチメント経験の歴史が内在化されるという仮説に基づき SS:P(Strange situation Procedure)を開発し乳幼児のアタッチメ. ント関係をとらえる方法を確立した。また,それを受けて,質問. 紙による愛着スタイルの測定法も開発された。わが国では,詫 摩・戸田(1988)が,Hazan&Shaver(1987)の成人用の愛着スタ. イルを測定する尺度から多項目式の3カテゴリー尺度を構成し ている。. 愛着理論では,安全感が保障されて始めて,未知の対象との問 で相互作用を行うことができるとする。安全感を得ることは,人 間の最も基本的な動機であるとしながら,安全感には個人差があ り,すぐに脅かされる人もいれば,比較的安定している人もいる (堀,2001a;2001b)。このような個人差は,その人が他者と自己の. 関係をどのようなものとして捉えているかによって決まる。. 安定型は,他者に対して安心感があり,他者は応答的で自己は 援助される価値のある存在という表象を持ち(詫摩・戸田1988),. 対人関係スキルがうまく相手との関係に対する信頼感が特徴で ある(数井・遠藤,2005)。他者を信頼し,他者は応答的であると. いう表象から,他者からの援助を有効に活用する事でネガティブ な情動を適切に制御できるとする(詫摩・戸田1988)。次に回避. 3.

(6) 型の特徴に注目すると,他者は拒否的で援助が期待できないから. これを補完するためにきわめて自己充足的な存在としての自己 を捉える表象を持つ(詫摩・戸田1988)。このことは回避型の人 は他者に対して不安感を持つことを意味しており,人嫌いと自尊 感情の高さと親密さを不快に思う(数井・遠藤,2005)ことが特徴. である。最後にアンビバレント型の特徴では,他者に対して信頼. と不信のアンビバレントな表象を持ち,自己不全感が強い(詫 摩・戸田1988)。そこでアンビバレント型の人は他者に対して安 心感と同時に不安感を持ち,過度の親和性と相手との関係に対す る不安感を抱き,親密でないことを怖がることが特徴としてあげ られている(数井・遠藤,2005)。以上のように,内的作業モデル. は対人関係に影響を与える要因であると考えられる。 本研究では,内的作業モデルの型により,被援助志向性の自:尊. 感情の脅威モデルにおける異なる仮説が当てはまるのではない かと考え,次のような作業仮説を設定した。. 安定型の人は他者を恐れる必要はないので,自尊感情の低い人 でも,一般に他者の援助を求めやすいと考えられる。そのために, 自尊:感情の低い安定型の人では,自尊感情の高い人よりも自分で. 解決できる自信が低く,より他者への援助を期待するため,助け を求めやすいだろうと考えられるからである。つまり,安定型の 人では「認知一貫性仮説」があてはまるであろう。. 回避型の人は他者を恐れてしまうので,自尊感情の高い人でな いと,一般に他者の援助が求めにくいと考えられる。そのため, 自尊感情の高い回避型の人では,自:尊感情の低い人よりも自分で. 解決できる自信が高く,他者からの援助を期待できるため,助け を求めやすいだろうと考えられるからである。つまり回避型の人 では「傷つきやすさ仮説」があてはまるであろう。. アンビバレント型では他者への信頼と不信がアンビバレント であり「傷つきやすさ仮説」と「認知的一貫性仮説」のどちらの 仮説があてはまるか,不明である。しかし,他者への不信感とい. 4.

(7) う点から言えば,どちらかといえば「傷つきやすさ仮説」があて はまるかもしれない。. 5.

(8) 第2章 方法. 【調査対象】大学生451名を調査対象とした。内訳は,A大学の. 社会福祉学部の学生148・名(男性41名,女性107名,年齢の最 頻値19歳)。B大学の社会福祉学部の学生163名(男性58名,女 性105名,年齢の最頻値20歳),C大学の教育学部および修士課. 程の学生140名,(男性53名,女性87名,年齢の最頻値19歳). {調査内容】質問紙はフェイスシート,内的作業モデル,自尊感 情,被援助志向性の4つで構成した(巻末資料参照)。 回答は全. て無記名の個別記入形式の質問紙であり,フェイスシートを含め 全4ページから構成されていた。 (1)フェイスシート. フェイスシートは性別,大学,学部,学年,年齢,希望進路(教. 育職・福祉職・その他)の記入を求めた。希望進路は教育職か福 祉職,その他の選択肢でその他の場合は記入を求めた。 (2)自尊:感情の尺度. 山本・松井・山骨(1982)で邦訳された:Rose肋erg(1965)の自. 尊感情尺度を用いた。この尺度は,自分に対してこれでよい(good. enough)と感じるような自分自身に対する肯定的感情の程度を 測定するとされている。項目については,結果のTable 1を参照。. 各項目について,「あてはまる:5」「ややあてはまる:4」どちら. ともいえない:3j「ややあてはまらない:2」「あてはまらない:. 1」の5件法で回答を求めた。. 6.

(9) (3)内的作業モデル(IWM)測定尺度. 詫摩・戸田(1988)がHazan&Shaverを参考に作成した尺 度を使用した。内的作業モデル尺度は詫摩・戸田(1988)を使用し,. 下位尺度は安定尺度,アンビバレント尺度,回避尺度であり,各. 6項目であった。ただし,下記の自尊感情尺度及び被援助志向性 尺度との関係を考えると重複するだろうとされた表現,安定尺度 中「人に頼ること」を含む表現は被援助志向性の尺度と重なると し,『気軽に頼ったり頼られたりすることができる。』の1項目を. 削除した。また,アンビバレント尺度中「自分に対しての自信」 を含む表現は自尊感情尺度と重なるとして,『あまり自分に自信 が持てない方だ。』『ちょっとしたことで,すぐに自信をなくして. しまう。』の2項目を削除した。また,回避尺度中「人に頼るこ と」を含む表現は被援助志向性尺度と重なるとして『人に頼るの は好きでない。』『私は人に頼らなくても,自分一人で十分にうま. くやって行けると思う。』の2項目を削除した。実施時には尺度 名を取り除き,また項目の配列をランダムに並べ替えた。3つの 下位尺度(安定,アンビバレント,回避)から構成されている。 項目については,巻末の資料を参照。各項目に対して,「あては まる:5」「ややあてはまる:4」どちらともいえない:3」「やや. あてはまらない:2」「あてはまらない:1」の5件法で回答を求 めた。. 4)被援助志向性の尺度 田村・石隈(2001)が作成した尺度を使用した。この尺度は社会 心理学の援助要請行動の研究(相川,1987)や援助要請者・被援助 者の心理に関する研究(相川,1984)を参考に田村ら(2001)が作成. したものを使用した。項目については,結果のTable 2を参照。 「あてはまる:5」「ややあてはまる:4」どちらともいえない:3」. 「ややあてはまらない:2」「あてはまらない:1」の5件法で回 答を求めた。. 7.

(10) 【調査手続き】各大学の授業時間を利用して集団で行い,授業時. 間中に配布し回答を求め回収した。調査時間は15分程度であっ た。. 【調査時期】2006年11月・12月初旬. 8.

(11) 第3章 結果. (1)「自尊感情」の因子分析. 自尊感情の尺度に関して主因子法による因子分析を行った。固 有値の状況と田村・石隈(2001,2002)の分析結果から1因子解を 採用した(Table 1参照)。因子:負荷量が著しく低かった「もっと. 自分自身を尊敬できるようになりたい。」を尺度から削除し残り. の9項昌で尺度を構成した。9項目のCτonbachのα係数は.84 であり信頼性が確認された。自尊感情の平均点は26.9であった。. そこで,自尊感情高群を27点以上,自尊:感情低群を26点以下 とした。. Table 1自尊感情の因子分析結果 項目. 因手負薙量. 10何かにつけて、自分は役に立たない人間だと思ご※. 。74. 1少なくとも人並みには、価値のある人間である。. .71. 2色々な良い資質を持っている。. .68. 9自分は全くだめな人間だと思うことがある。. ※. .61. 5自分には、自慢できるところがあまりない。. ※. .61. 7だいたいにおいて、自分に満足している。. .59. 6自分に対して肯定的である。. 。58. 4物事を人並みには、うまくやれる。. .56. 3敗北者だと思うことがよくある。. ※. .52. 8もっと自分自身を尊敬できるようになりたい。. ※. .03. ※は逆転項目. 9.

(12) (2)被援助志向性尺度の因子分析. 被援助志向性の尺度に関して主因子法バリマックス回転によ る因子分析を行った。固有値の減衰状況と解釈可能性を考慮し, 2因子解を採用した。被援助志向性の因子負荷量が±.4にみたな. かった第8項目を分析からはずし,残りの10項目に対して再度 因子分析を行った。 2因子によって説明できる割合は44.0%で. あった。第1因子のCronbachのα係数は.79,第2因子のα係 数は.73であり信頼性が確認された。. 第1因子には,「困っていることを解決するために他人からの 助言や援助がほしい。」「困っていることを解決するために,自分 と一緒に対処してくれる人がほしい。」などがあり,先行研究(田. 村・石隈,2001)に従って【援助の欲求と態度】と命名した。第. 2因子には「自分は,人に相談したり援助を求める時いつも心苦 しさを感じる。(逆転項目)」「他人からの助言や援助を受けるこ とに抵抗がある。(逆転項目)」などがあり,先行研究(田村・石隈,. 2001)を参考に【援助関係に対する抵抗感のなさ】と命名した (Table 2参照)。. 10.

(13) Table 2被援助志向性の因子負荷量行列(主因子法・バリマックス 回転). 項目. 1因子 五因子. 6困っていることを解決するために、他者からの助言や援助がほしい。. .79. .16. 7困っていることを解決するために、自分と一緒に対処してくれる人が欲しい。. .78. .06. 4自分が困っているときには、話を聞いてくれる人カミほしい。. .68. 22. .49. .28. 科今後も自分の周りの人に助られながら、うまくやっていきたい。 5自分が困っているとき、周りの人には、そっとしておいて欲しい。. ※. .43. .29. 9自分は、人に相談したり援助を求める時、いつも心苦しさを感じる。. ※. .03. .77. ※. .25. .62. 3何事も他人に頼らず、自分で解決したい。. ※. .31. .58. 1回分はよほどのことがない限り、人に相談することがない。. ※. .32. .49. 2人は誰でも、相談や援助を求められたら、わずらわしく感じると思う。. ※. .08. 40. 10他人からの助言や援助を受けることに抵抗がある。. 因子寄与 寄与率. 11. Z42. 1.98. 24」9. 19.83.

(14) (3)内的作業モデル尺度の分析. ①内的作業モデル尺度の因子分析. 全13項目に対して主因子法バリマックス回転による因子分析 を行った(Table 3参照)。当尺度の信頼性として内的i整合性を検. 討するため,Cronめachα係数を算出したところ,第1因子「安 定」は.81,第2因子「回避」は.71,第3因子「アンビバレント」. は.64であった。これより,第1因子と第2因子は充分な内的整 合性を持つと判断した。第3因子に関してはα係数があまり高く なかったが,先行研究も参考にして,3つの因子を下位尺度とし て採用することとした。 Table 3 内的作業モデル尺度(主因子法・バリマックス回転) 項目. 1因子. 皿因子 皿因子. 1私は知り合いができやすい方だ。. .83. 一.07. 一〇1. 4私はすぐに人と親しくなる方だ。. ,82. 一.08. 。05. .74. 一〇6. 一〇6. .62. 一.07. 汽24. .41. 一」3. 一.28. 一.o唱. .69. 。07. .05. .66. .08. 6あまり人と親しくなるのは好きではない。. 一.28. 58. .07. 9人は全面的には儒用できないと思う。. 一.で1. .55. 」0. ・会漉諜㍑濾縫鎌講照してくれてい. 一」3. 」7. .79. 時々友達が、本当は私を好いてくれていないのでは 5ないかとか、私と一緒にいたくないのではと心配に. −」4. .08. .71. .02. ,0コ. .38. .28. .32. ・3禦てあった人とでもうまくやってい‘ナ翻信があ 7私は人に静かれやすい性質だと思う。. 10ないていの人は私のことを好いてくれていると思 つ。. あまりにも親しくされたり、こちらが望む以上に親 3しくなることを求められたりすると、イライラして しまう。. 12旛麓讐総騨灘遠忌鶴2なれなれし. なることがある。. ”灘㌶忌日ぢ郵にいたがるので・ときどき人か 8自分を信用できないことが良くある。. 一.曝0. 因子寄与. 259 1.70 L54. 寄与率 19.95 13.05 1t81. 12.

(15) ②内的作業モデルのタイプ分け. 内的作業モデルの3つの因子の得点から,被験者の内的作業モ デルの型を探るためクラスター分析を行った。「内的作業モデル. 尺度」で得られた3つの因子ごとに因子を構成する項目の合計点 を算出し,それをz得点に換算し各因子の得点とした。クラスタ ー分析(ウォード法)によって回答者を分類しデンドグラムの結. 果から4つのグループに分けることを決定した。これに基づき,. 非階層的方法のクラスター分析(SPSSの大規模ファイルのクラ スター分析)によって分析対象者を4群に分けた。それぞれのタ イプの内的作業モデル尺度の平均値を:Fig.1に示した。. この値に基づき,タイプごとに下位尺度得点間の差を検討する ため分散分析を行ったところ,すべてのタイプで有意差が検出さ れた。タイプ2(F(3,439)=41.83,p<.01)について多重比較. (:Boaferro面による;以下同様)をおこなったところ,アンビ. バレント尺度得点が安定尺度得点や回避尺度得点よりも高かっ た。そこでタイプ2を「アンビバレント型」とした(N=94)。タ. イプ3は多重比較をおこなったところ,安定尺度得点がアンビバ レント尺度得点や回避尺度得点よりも高かった。そこでタイプ3 を「安定型」とした(N=114)。タイプ4は多重比較をおこなった. ところ,回避尺度得点が安定尺度得点やアンビバレント尺度得点 よりも高かった。そこでタイプ4を「回避型」とした(N=125)。. 最後に,タイプ1について多重比較をおこなったところ,安定尺. 度得点がアンビバレント尺度得点や回避尺度得点より高いこと が特徴的ではあるが,タイプ3の「安定型」ほど高くなく,全体 的に見ると平均的であるので「平均型」とした(N=110)。. 13.

(16) 5 「 ▲ 4 3 標2 準1. 化0 得一1. 一●職タイプ2. ψ▲・一・’一、. 点一2. −3 −4 −5. +タイプ1. 、. ・・一. 」・・タイプ3. 十タイプ4. /. ♂ 安定. アンビバレント 回避. Fig。1各タイプでの因子得点の比較 ③各希望進路の内的作業モデルの特徴. 希望進路で内的作業モデルの型に偏りがあるかどうかについ. て検討するためにz2検定を行ったところ有意でなかった(z 2嘉4.08,af=3, p=撫s.)。すなわち, Table 4に示したように,希. 望進路によって,内的作業モデルのタイプの割合に偏りは見られ なかった。. Table 4 内的作業モデルと各希望進路の人数 モァル アンビ. 希望進路. 福祉職. 合計. 0内は%. 44(26 34 20) 人数 56(27) 50(24). 人10026.5)84(22.2. 14. 合計. 口. 50(29. 42(20) 92(24.3. 44(25). 58(29) 102 27). 172(100). 206(100) 378 100).

(17) (4)希望職種による自尊感情の脅威モデルと内的作業モデルの 検討. ①内的作業モデル・希望進路・自尊感情による被援助志向性の差 異. 内的作業モデル,希望進路,自尊感情,で被援助志向性の違い を検討した。「被助志向性」の2つの下位尺度(ギ第1因子:援助. の欲求と態度」ゼ第2因子:援助関係に対する抵抗感のなさ」) のそれぞれの合計得点を従属変数とし,内的作業モデル(4群)× 希望進路(2群)×自尊感情(2群)の3要因分散分析を行った。希望. 進路に関しては,福祉職を志望する者(205名)と教育職を志望 する者(168名)だけで統計処理を行い,それ以外の志望者(68 名)は分析から除外した。以下の希望進路ごとの分析は全て同様 にした。. Table 5は自尊感情の高低群ごとに,各希望進路群における内. 的作業モデル群それぞれの「第1因子:援助の欲求と態度」の平 均値:と標準偏差を示したものである。3要因分散分析の結果,内. 的作業モデルの主効果が有意であった(F(3,357)=・ 10。18,p<。oo1)。 Tukey法(5%水準)による多重比較を行った結果. 平均型・アンビバレント型・安定型は回避型よりも「援助の欲求 と態度」の平均値が高かった。希望進路および自尊感情について は,主効果,交互作用ともに有意でなかった。. 15.

(18) TaUe5希望進路,自尊感情,内的作業モデル別「第1因子:援助の欲求と態度」の平均台・標準偏差 希望進路. ,. アンビバレン. 回’. 総. 教育職19」4(2.90)N=2918」9(3.23)N=1620,41(3.15)N=3917.70(4.70). N=20. 19.19(3.56)N=:104. N=27. 19.31(3.52)N=99. 総和19.86(2.69)N=651&59(3.22)N=2219.94(3.42)N=6917.70(4、33). N=47. 19.25(3.53)N==203. 教育職20.00〈2,77)N=1320.29(2.44)N=172t10(4.04)N=1016.7で(4.71). N=24. 19.01(4、10) N==64. 福祉職20.65(2,91)N=20で9・77(344)N=4320・08(3・53)N=1218・65(3・28). N=31. 19.64(3.34)N=106. 総和20.39(2、83)N=3319.92(3.17)N=6020.55(3,71)N=22薯7,80(4、05). N=55. 19.41(3,64)N=170. 自. 尊 感 福祉職2α44(2.40)N鵠3619.67(3。20)N=619。33(3.71)N=3017.70(413) 情 高 群. お. 自. 尊 出 置 措 置. 総和 ()内は *P<,05 **P〈.01 ***Pく.◎◎1. 20.04(2.73)N=98 19.56(3.22)N=8220.08(3.48)N==9117.75(4.16) N調02 19.32(3.58)N=373. 差 **.

(19) Table6は自尊感情の高低群ごとに,各希望進路群における内 的作業モデル群それぞれの「第2因子:援助関係に対する抵抗感 のなさ」の平均値と標準偏差を示したものである。3要因分散分 析を行ったところ,次のような結果であった。 内的作業モデルの主効果(F(3,367)雛13.18,p<.01)が有意であ. った。また,自尊感情(2群)×内的作業モデル(4群)の交互作用(F (3,367)=4.76,p<.01)が有意であった。単純主効果の検定の結果,. 内的作業モデルの安定型では,自尊感情の平群が高群より平均値 が有意に高かった(F(1,367)=4.80,p<.05;Table 7参照)。また. 回避型では,自尊感情の高群のほうが低群より平均値が有意に高 かった(:F(1,367)=7.30,p<.01;Table 7参照)。また,自尊:感情. 高群(F(3,367)=2.44,p<.10)では単純主効果の有意傾向があっ た。自尊感情低群(F(3,367)=15.50,p<.01)では単純主効果が有. 意であった。そこでそれぞれに多重比較(LSD法,5%水準;以 下同様)を行ったところ,自尊感情の低回では回避型が他の3群 より「援助関係に対する抵抗感のなさ」が低く,アンビバレント 型が安定型より低かった(Table 7参照)。また自尊感情の高群で. は回避型がアンビバレント型より「援助関係に対する抵抗感のな さ」が低かった。(Table 7参照). 次に,志望進路(2群)×内的作業モデル(4群)の交互作用(F (3,367)=2.90,p<。05)が有意であった。単純効果の検定の結果,. 教育即下二者(:F(3,367)=6.26,p<.01)においても,福祉職志望 者(:F(3,367)=9.82,p<.01)においても有意であった。そこで多. 重比較を行った結果,Tahle 8からわかるように教育職の志望者 では安定型が平均型より,またアンビバレント型と安定型が回避. 型より「援助関係に対する抵抗感のなさ」が高かった。福祉職・ の志望者では平均型,アンビバレント型,安定型が回避型よりも 「援助関係に対する抵抗感のなさ」が高かった。. 17.

(20) さらに,単純効果の検定の結果,平均型の福祉職の志望者は. 平均型の教育職の志望者よりも平均値が高かった (F(1,367)=4.54,p<.05)。(Taわ1e 8参照). 18.

(21) Table6希望進路,自尊感情,内的作業モデル別「第2因子:援助関係に対する抵抗感のなさ」の平均値・標準偏差 希望進路. 平均. アンビバレント. 安定. 回避. 自. 尊 感 情. 教育職16、76(2.36)N=29嘱8。75(4。64)N=1617、00(2.96)N=39 17、20(4.97)N=20. = 愚. 群. 福祉職18.91(2,76)N=3618.17(t21)N=6 18.23(3.76)N=3015.25(3.24)N=27. 一 自 δ. 尊 感 情. 教育職17.43(3.87)N=1417.63(3.43)N=272t30(1.10)N=10 14.08(5.31)N=24. 低 面. 福祉職18.90(2、79)N=2016.40(3、08)N==4217.67(5.14)N=1213.77(3.76)N=31. 一 0内は標準偏差 *P〈.05 **P〈,01 ***P〈.001.

(22) Table 7. 「第2因子:援助関係に対する抵抗感のなさ」について 自尊感情×自尊:感情の平均値. 自尊感† 内的作業モァル 平均型. 17.84 18.46 17.62. アンビバレント型. 高群 安定型 回避型 平均型. 16.23. 18」6 17つ2. アンビバレント型. 低群 安定型 回避型. 19.48 13.93. *P〈.05 **P〈.01. ***Pくρ0噛. Table 8. 「第2因子:援助関係に対する抵抗感のなさ」につい て志望進路×自尊感情の平均値:. 平均型. 17.09. 教育畷譲レソト型 回避型 平均型. 18。19. 19」5 15.64 18.9. 福祉畷遡くレソト型 回避型. 17.29. 18 14.51. *P<.05. **Pぐ01 ***P〈.00壌. 20. }*.

(23) ③各希望進路の男女の被援助志向性の差 各希望進路(教育職と福祉職)の男女差で被援助志向性の. 違いを検討するため「被援助志向性」の2因子(「援助の欲 求と態度」「援助関係に対する抵抗のなさ」)のそれぞれの 合計得点を従属変数とし,性別(2群)X自尊感情(2群)の2 要因分散分析を行った。 その結果福祉職では,「第1因子:援助の欲求と態度」「第. 2因子:援助関係に対する抵抗感のなさ」ともに性別,自 尊感情の主効果および交互作用は有意でなかった。平均値 をTable 9とTable10に示した。. 21.

(24) Table 9 福祉職志望者男女の自尊1感情高低群iの被援助志向性「第1. 因子援助の欲求と態度」の平均値 18.5(4.0) 19.6(3.3) 193(3。5). 高群 N=:28. 自尊感情. Nニ72. N=100. 19♂4(3.5) 19.7(3.2) 19.6(3.3). 低群 N瓢37 総和. N=71. N=108. 19ρ(3.7) 19.7(3.2) 19.5(3.4). N=65. N=143. N=208. *Pぐ05 **P〈,01. ***P〈.001. 有意差なし. Table 10 福祉職志望者男女の自尊感情高低群:の被i援助志向性「第. 2因子援助関係に対する抵抗感のなさ」の平均値. 一三無::1:灘::灘:1: 16!暮(3.6) 17.3(4.0) 17.0(3.9). 総和. N=65. N=確42. N=207. *Pぐ05 **P〈.01. ***P〈.001. 有意差なし. 22.

(25) 教育職では,「第1因子:援助の欲求と態度」については 性別の主効果(F(1,165)=7.02,P<.01)が有意であった。. Table 11からわかるように,女性は男性よりも「援助の欲 求と態度」が高かった。自尊感情の主効果や交互作用は見ら れなかった。「第2因子:援助関係に対する抵抗感のなさ」 についても性別に有意な傾向がみられた(F(1,166)=5.81,. p<.05)。Table 12からわかるように,女性は男性より「援. 助関係に対する抵抗感のなさ」が高い傾向があることが示さ れた。自尊感情の主効果や交互作用は見られなかった。 Taわ1e 11. 教育職志望者の男女の自尊感情高低群の被援助志. 向性. ギ第1因子:援助の欲求と態度」の平均値 18.3(3.6) 19.7(3.5) 19、2(3.6). 高群 N=36. 自尊感情. N自68. N=で04. 鰭謬145)暇1歌6)礫40) 18.1(4,0) 19.7(3.5) 19。1(3.8). 総和. N==61. N=108. N==169. *P〈.05 **P<.01. ***Pぐ001. Table 12 教育職志望者の男女の自尊感情高低群の被援助志向 性. 「第2因子:援助関係に対する抵抗感のなさ」の平均値. 高群. 自尊感情 二二 総和. 16.6(3.6) 17。8(3.8) 17ノ審(3.7). N=36. N==68. N=104. 15.0(4.3) 17」0(4.6) 16.2(46). N=26. N=40. N=66. 16」(4.0) 18.0(4」. 層=62. *pく.05 **P〈.01. ***P〈.001. 23. N=108. 16.9(4.1). N=170.

(26) 第4章 考察 被援助志向性には自:尊感情の脅威モデル(大坊門,1989)によ. り,自尊:感情が低い人は援助をもとめないと考える「傷つきや すさ仮説」(Tessleτ&Schwaτtz,1972)と自尊感情が高い人は援. 助を求めないと考える「認知的一貫性仮説」(Brafmal,1968)が. あった。そこで本研究において「傷つきやすさ仮説」「認知一貫. 性仮説」が職種や性別によってなぜ異なるのかを検討するため に媒介変数として,「個人が持つ対人関係の枠組み,自己や他者の あり方に関する表象」という狭い意味(山岸,1997)での内的作業 モデルを媒介変数にした。. そこで内的作業モデルの型を取り上げ,被援助志向性が実際 の対人関係のなかで他者に対して安全感を持つかどうかに焦点 をあて,内的作業モデルのタイプによってどのように異なるの かを調べた。内的作業モデルは信念や期待に基づいて,自分にと ってなじみやすい対人世界を作り上げ(遠藤,2005),他者との関 係性の性質を反映している可能性が高く(遠藤,2005),自:尊感情. と被援助志向性の2つの仮説を生み出す起源であろうと考えた ためであった。. すなわち,本研究では,内的作業モデルのタイプ(安定型,回 避型,アンビバレント型,どれにも属さない平均型)と,自尊感 情の高低によって被援助志向性が異なるのかを検討した。 大学生の時にすでに,志望職種によりその特徴が表れていると するならば,先行研究(田村・石弓2002:白石2004)から福祉職 では男女ともに「傷つきやすさ仮説」を,教育職を志望する男性 では「傷つきやすさ仮説」,女性では「認知的一貫性仮説」が支. 持されるかまたはどちらの仮説もあてはまらないであろうと仮 定した。しかし,職業経験により,自尊感情の脅威モデルの傾向 が形成されるならば,学生の間は違いが見られないだろうと考え 24.

(27) た。. 本研究の結果から,教育職と福祉職を志望する大学生は学生時 代においては,自尊感情の脅威モデルに特に違いは見られなかっ. た。被援助志向性尺度の第2因子「援助に対する抵抗感のなさ」 で,内的作業モデルの群問の多重比較で有意差の出方に若干の違 いはあったものの,安定型や平均型の得点が高く,回避型が最も 志向性が低いことは共通していた。. ただ,教育職志望者では第1因子「援助の欲求と態度」でも, 第2因子「援助に対する抵抗感のなさ」でも,女子学生のほうが 男子学生よりも被援助志向性が高いことが示されたのに対し,福 祉職志望者では性差が見られなかった。はっきりとしたことは言 えないが,これらの学生が希望の職種に就いた後,職業経験を積 むうちに,女子教員のみが「傷つきやすさ仮説」に当てはまらず,. ときに「認知的一貫性仮説」を示すといった現象へと進んでいく 萌芽が示されているのかもしれない。. 次に,内的作業モデルごとの自尊感情の脅威モデルに関する仮 説について検討する。内的作業モデルの安定型では,自尊感情の 低群が高群より「援助関係に対する抵抗感のなさ」が高かった。 これは,自尊感情の脅威モデルにおける「認知的一貫性仮説」に 相当し,作業仮説を支持する結果であった。すなわち,安定型の 人は他者を恐れる必要はないため,自尊感情の低い人でも,一般 に他者の援助を求めやすいのであろうと考えられる。. 一方,回避型では,自尊感情の高群が低群より「援助関係に対 する抵抗感のなさjが高かった。これは,自尊感情の脅威モデル における「傷つきやすさ仮説」に相当し,作業仮説を支持する結 果であった。これは,回避型の人は他者を恐れてしまうので,自 尊感情の高い人でないと,一般に他者の援助が求めにくいと考え られる。. このように被援助志向性の対立する2つの仮説について,内的 25.

(28) 作業モデルを介して考えると,なぜ2つの仮説が表れるかをより 良く説明できることが示された。これについて,もう少し詳しく 考察してみる。すなわち,安定型においては,他者に対し安心感 を持った対人関係(石谷,1994)を築いていると推測される。他者. への信頼感がある場合,自尊感情の低い群は,自分で何とかでき るという自信の程度が低いために,自分に能力があると認知して. いる自尊感情の高い群よりも被援助志向性が高くなるものと考 えられる。. 逆に,回避型においては,他者に安心感が持てず,信頼できる 人間関係を築けていないことが推測される。そのため,自尊感情 が低ければ,他者に援助を乞うことで,さらに自尊感情が傷つい てしまうが,ある程度自尊感情が高ければ,たとえ他者から援助 を受けても,自己を防衛することができるので,より援助志向が 高くなるものと考えられる。. 以上より,安定型では自尊感情が高い人は援助者を否定的に捉 え援助を求めない「認知的一貫性仮説」,回避型において自尊感 情の低い人は自分に傷つく情報に対して機敏に反応し,援助を求 められないとする「傷つきやすさ仮説」がそれぞれ支持されたも のと考えることができる。. 次に,被援助志向性と内的作業モデルの関係について考察する。. 被援助志向性のうち,「援助の欲求と態度」については,内的作 業モデル間の差のみ示され,回避型の被援助志向が低かった。ま た,「援助関係に対する抵抗感のなさ」については,自尊感情の 高低によって,若干の違いは見られたものの,どちらでも上記と 同様,回避型が最も被援助志向が低かった。この結果から,他者 への安心感や信頼感が被援助志向性に結びつき,逆に他者への不 信感が被援助志向性を低めることが示唆される。. したがって,対人援助職において被援助性を高めるには,個々 26.

(29) 人の他者への信頼性を高めるように,また,職場の人間関係を信. 頼感と安心感の持てるようなものにしていくことが効果的では ないかと考えられる。. 27.

(30) 今後の課題. 本研究の問題点として,質問紙法で行われたということがあげ られる。質問紙法では回答は表面的なレベルにとどまりやすいし. 時間を充分にかけられる面接法よりも情報量や深さにおいて劣 る場合が多いと考えられる。また,データは紙面での自己報告に 限られるために,被験者の自己報告の一貫性,回答する際に防衛 が入る可能性もある。また,臼常生活における実際の行動でどの ように振る舞っているかは,行動観察法によらなければ見ること はできない。したがって,質問紙法のみならず,多様な研究方法 でのアプローチが望まれる。. また,求める援助の内容によって,被援助欲求が異なることは 十分に考えられる。ちょっとした,頼みやすいことと,相手の多 大な労力をかけるような場面では,援助を求めるかどうかに違い がでるであろう。このことと,本研究で検討した,自尊感情,他. 者への信頼感などがどのように関わっているのかについても興 味深い検討点と思われる。. さらに,志望進路に就職した後,自尊感情と被援助志向性の関 連がいかに変容していくかについても,本研究では検討できなか った。これについて,縦断的に研究することによって,教育職・. 福祉職従事者への援助のあり方についてのさらなる示唆が得ら れるものと思われる。. :最後に,本研究において内的作業モデルが被援助志向性に対し. て関連があることが示されたが,その関連が発生するメカニズム については,推測の域を出ていない。実験研究や縦断研究によっ てそのメカニズムを究明できれば,内的作業モデルのそれぞれの タイプの人に対し,いかに介入していくかが見出せるのではない かと思われる。. 28.

(31) 【引用文献】 Ainsworth, M.D.S., Blehar, M.C., Waters, E.&Wa11, S。1978. Pattems of Attach皿ent:Apsychological study of・the strange situaもion. Lawrence Erlbaum. 相川充 1984 援助者に対する被援助者の評価に及ぼす返報の効果 心 理学研究,55,8−14. ボウルビィ,」.黒田実郎他訳1977母子関係の理論H 分離不安 岩崎 学術出版社 Bral臓el, D.1968 Dissonance, expectatio駐and the self.Source book ob. cognitive consistency。 Chicago, IL:RandMc捻ally. 遠藤利彦1997愛着と発達井上健治久保ゆかり(編)子どもの社会的発 達東京大学出版会. 遠藤利彦2005アタッチメントの連続性を支えるメカニズム 数井みゆ き・遠藤利彦(編)アタッチメント ミネルヴァ書房. 遠藤辰雄・安藤延雄・冷川昭子・井上祥男, 1974Sel野Esteemの研究九 州大学教育学部心理学部紀要, 18, 53・65 Haza簸, Cり. &Shaver, P.R 1987 Ro】【駐anもic love co且ceptualized aロd. an attach皿ent process。 Jo貿1η810!Pθ1βo刀a1∫6ア∂ηゴ300f81 P3ア。ゐ0108ア1,. 52511・524. 堀門下2001a心理測定尺度集1サイエンス社29−31 堀洋道2001b心理測定尺度集Hサイエンス祉109−114 石谷真一1994男子大学生における同一性形成と対人関係性日本教 育心理学研究42,118−128. 数井みゆき・遠藤利彦2005アタッチメントー生涯にわたる三一ミネル バァ書房. 松井豊・戸田弘二1985大学生の愛着構造と異性交際,心理学研究.VoL56. 松井豊・浦光博編1998人を支える心の化学誠信書房, 116−148. 松本寛訓2006医療福祉分野における対人援助サービス従事者の精神的 健康の現状と,その維持方策について一職業性ストレス研究の枠組みか ら一川綺医療福祉学会誌Vo 1。1631一一40. 29.

(32) 西川隆蔵1994青年期におけるパーソナリティの開放性一閉鎖性に関す. る研究一自己の2面性,及び自己評価との関連について一日本教育 心理学研究42,281・290. 望月昭2007対人援助職の心理学 朝倉書店 大坊郁夫・安藤清志・池田謙一編, 1989社:会心理学パースペクティブ 1 p291−311. 小塩真司1998青年の自己愛傾向と自尊感情,友人関係のあり方との関連 日本教育心理学研究46,280−290. 佐藤学1997教師というアポリアー反省的実践へ一世織書房 島田一男1988学校の人間関係一人問関係の心理一ブレーン出版 白石大介2004対三二のhelp・seeking preferencesに関する調査研究一 教職・福祉職における比較検討臨床教育学研究,11,29−40. 中尾達馬・加藤和生2003成人愛着行動とはどのようなものか?一4カ テゴリー(強制選択式,多項目式)と3カテゴリー(多項目式)との対応性 一 九州大学心理学研究, 4, 55・65 Tessler,R.C.,&Schwartz, S. H.1972 Help seeking, self・esteem,. and achieevenen七 阻otivation ;An attributional analysis。 Journal of Personaliもy and Social Psychology, 21, 318・328. 詫摩i武俊・戸田弘二:1988愛着理論からみた青年の対人態度:成人版愛. 着スタイル尺度作成の試み東京都立大学人文学報,196,1−16 田村修一 石隈利紀2001 指導・援助サービス上の悩みにおける申学校. 教師の被援助志向性に関する研究一バーンアウトとの関連に焦点をあ てて一教育心理学研究,49,438・448. 田村修一石隈利紀2002中学校教師の被援助志向性と自尊感情の 関連教育心理学研究,50,291−300 土居健郎1988燃えつき症候群 金:剛出版. 山本眞理子・松井豊・由成由紀子1982認知された自己の諸側 面の構造教育心理学研究,30,64−68 八尾坂修2006指導教員のための初任者研修の進め方 教育開発研究所. 30.

(33) 大学生の意識調査 青年の対人関係についての意識を研究したいと者えています。今園の調査は、あなたが他の人との付き合 いをいかに考えているかを尋ねるものです。全部で質悶は34項目あります。質問紙はこの表紙も含めて計4 枚です。. なお、この調査結果ば成績には一切関係なく、あなた個人の回答が担当の先生や友人に知られることはあ りません。なお得られた結果は数量的に処理され、厳重に管理いたしますので.窩人的なデータが流出する 事はありません。ご協力お願いします。もしも何かございましたら以下のメールアドレスに御送信ください。. 調査者の赤木邦成の連絡先E−mail:shiawasedearu@yahoo.co釦. 2006年12月31日まで有効 兵庫教育大学赤木邦成 指導教員兵庫教育大学古川雅文. <お願い> 1、この調査は、大学生の意識について尋ねるものです。 2、質問紙はこの用紙を含めて4枚あります。あまり難しく考えないで、自分が思ったままにお答えください。 3、下の例のように、それぞれの質悶について、良分の考えに一番近い番号に1つ丸をつけてください。. 〈記入例〉 どちらともいえない. あてはまらない. ど. 藝鋒醸. ゙i 詮. 1. 1今、意欲的に勉強している. 2. 3. 4. 5. *性別に丸をつけてください。. 性別 =. 男. ・ 女. *大学名・学部名・および学政をご記入ください。. (. )大学 (. )学部 (. )年. *年齢をご詑入ください。. 年齢 :. 歳. *以下の希望進路のいずれかの職種にOを、その他の丁丁は記入してください。. ①教育職. ②福祉職. ③その他(. ). 31. あてはまる.

(34) *<1枚目> 1∼5のあてはまる数字の一つに0をつけてください。 あてはまる数字の一つずつ選んで数字に0をして下さい。. 1、人との付き合い方についてお尋ねします。 どちらともいえない. ど. 奪1箋醸 あてはまらない. ゙i 毒. 1. 私は知り合いができやすい方だ。. 2 人は本当はいやいやながら私と親しくしてくれているのではないか. ニ思うことがある。. 3. あまりにも親しくされたり、こちらが望む以上に親しくなることを ≠゚られたりすると、イライラしてしまう。. 4 私はすぐに人と親しくなる方だ。. あてはまる. 1. 2. 3. 4. 5. 1. 2. 3. 4. 5』. 遷. 2. 3. 4. 5. 1. 2. 3. 4. 5. 5. 時々友達が、本当は私を好いてくれていないのではないかとか、私 ニ一緒にいたくないのではと心配になることがある。. 1. 2. 3. 4. 5. 6. あまり人と親しくなるのは好きではない。. 1. 2. 3. 4. 5. 7. 私は人に好かれやすい性質だと思う。. 1. 2. 3. 4. 5. 8. 自分を信用できないことが良くある。. 雲. 2. 3. 4. 5. 9. 人は全面的には信用できないと思う。. 1. 2. 3. 4. 5. 1. 2. 3. 4. 5. 1. 2. 3. 4. 5. 12 どんなに親しい間柄であろうと、あまりなれなれしい態度をとられ. 1. 2. 3. 4. 5. 13 初めてあった人とでもうまくやっていける自信がある。. 1. 2. 3. 4. 5. 10 たいていの人は私のことを好いてくれていると思う。 弱. 私はいつも人と一緒にいたがるので、ときどき人から疎まれてしま 、。. 驍ニ嫌になってしまう。. 残りあと2枚です。. 32.

(35) *<2 > 1∼5のあてはまる数字の一つにOをつけてください。 あてはまる数字の一つずつ選んで数字にOをして下さい。. H、あなた自身についてお尋ねします。 どちらともいえない. ど. 遠野糎 えい f あてはまらない. ?ソ. あてはまる. ?え 1. 1. 少なくとも人並みには、価値のある人間である。. 1. 2. 3. 4. 5. 2. 色々な良い資質を持っている。. 1. 2. 3. 4. 5. 3 敗北者だと思うことがよくある。. 1. 2. 3. 4. 5. 4 物事を人並みには、うまくやれる。. 1. 2. 3. 4. 5. 5. 自分には、自慢できるところがあまりない。. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 自分に対して肯定的である。. 1. 2. 3. 4. 5. 7. だいたいにおいて、自分に満足している。. 1. 2. 3. 4. 5. 8. もっと自分自身を尊敬できるようになりたい。. 1. 2. 3. 4. 5. 9. 自分は全くだめな人間だと思うことがある。. 1. 2. 3. 4. 5. 1. 2. 3. 4. 5. 10 何かにつけて、自分は役に立たない人間だと思う。. 残りあと1枚です。. 33.

(36) *〈3 目〉 ㍗》5のあてはまる数字の一つにOをつけてください。 あてはまる数字の一つずつ選んで数字にOをして下さい。. m、他者からの援助についてお尋ねします。 どちらともいえない. ど. 甕騒糎 えい 1 あてはまらない. ゙i 議. あてはまる. 1. 自分は、よほどのことがない限り、人に相談することがない。. 1. 2. 3. 4. 5. 2. 人は誰でも、相談や援助を求められたら、わ らわしく感じると思. 1. 2. 3. 4. 5. 3 何事も他人にたよらず、自分で解決したい。. 1. 2. 3. 4. 5. 4 自分が困っているときには、話を聞いてくれる人が欲しい。. 1. 2. 3. 4. 5. 5. 自分が困っているとき、周りの人には、そっとしておいて欲しい。. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 困っていることを解決するために、他者からの助言や援助が欲しい。. 1. 2. 3. 4. 5. 7. 困っていることを解決するために、自分と一緒に対処してくれる人 ェ欲しい。. 1. 2. 3. 4. 5. 8 他人の援助や助言は、あまり役立たないと思っている。. 1. 2. 3. 4. 5. 9. 1. 2. 3. 4. 5. 10 他人からの助言や援助を受けることに、抵抗がある。. 1. 2. 3. 4. 5. 11. 1. 2. 3. 4. 5. 、。. 自分は、人に相談したり援助を求める時、いつも心苦しさを感じる。. 今後も、自分の周りの人に助られながら、うまくやっていきたい。. 書き間違えなどがないかを確認してください。. 質問は以上です。ご協力ありがとうございました。. 34.

(37) 〈大学生の意識調査〉結果報告 兵庫教育大学 学校心理コース 皆様に対する感謝の気持ちと共に,現在まで の調査結果を報告します。調査に協力してくだ さったのは全員で451名でした。そのうち女性 が299名で男性が152名でした。 まず,私が調査したことを簡単にお話します。 何か困ったときに,すぐに人に助けを求める人 と,助けを求めようとしない人がいます。それ は問題の困難さの程度であったり,困難な状況 を共に打開できる人がいなかったりなど,人に 助けを求められない理由は様々です。この調査 では,人に助けを求めようとする傾向(以下, 被i援助志向性とします)と個人の内的な理由を 取り上げ,その関連を明らかにしたいと考えま した。内的な理由には主に自:尊感情を取り上げ ました。つまり,「困っていることを解決するた めに,他者からの助言や援助が欲しい」という 気持ち(被援助志向性)は「自分に満足してい. 赤木邦成. まず,被援助志向性の質問項目には2つの種類があるこ とを統計分析から明らかにしました。1つ目は「困ってい. とも「自分は全くだめな人間だと思うことがあ る」(自尊感情が低い)人が持ちやすいのか,を. ることを解決するために,他者からの助言や援助が欲しい」 「困っていることを解決するために,自分と一緒に対処し てくれる人が欲しい」などに代表されました。そこでく困 難時の被援助志向性〉としました。もう一つは「自分は, 人に相談したり援助を求める時,いつも心苦しさを感じる (逆転項目)」「他人からの助言や援助を受けることに抵抗が ある(逆転項目)」などに代表されました。そこで〈被援助 への抵抗感のなさ〉としました。 自:尊感情の比較的高い人の群と,低い人の群に分け,そ れぞれの群の被援助志向性の高さ(平均値:)を下の図に示 しました。この図から,〈困難時の被援助志向性〉では高 い自尊:感情を持つ人と低い自尊感情を持つ人には差がない ことが明らかになりました。一方,〈被援助への抵抗感の なさ〉では高い自尊感情と低い自尊感情において差がある ことが明らかになりました。つまり,ここでは,自尊感情 が高い人の方が,援助を求めるときに抵抗感が少ないとい う結果になりました。自:尊感情の低い人は,人に援助を求 めることで自分の気持ちが傷つきやすいからかもしれませ. 検討しました。. ん。今後更なる分析を続けていきたいと思います。. る」(自尊感情が高い)人が持ちやすいのか,それ. 被援助志向性と自尊感情との関連 25.00. 20、QO. lilili. ロロヨコ ロ コ の ロロ. 灘. 搭.oo. 「讐. 灘i. 騰 …ili騨. 縣. 低)自奪感情(高) 自尊感情(低)自尊感情(高). 援助志向性. E被援助志向性. 調査のご協力,ありがとうございました。. 35.

(38) 対人援助職を志望する大学生の被援助志向性に関する研究 一自尊感情と内的作業モデルとの関連一 学校教育専攻 学校心理コース. MO5086H 赤木邦成. A大学の社会福祉学部の学生148名(男性41名, 女性107名),B大学の社会福祉学部の学生163 名(男性58名,女性105名),C大学の教育学部 および修士課程の学生140名(男性53名,女性. 問題・目的 被援助志向性について2っの仮説がある。自. 尊感情が低い人は援助をもとめないと考える 「傷つきやすさ仮説」(艶ssler&Schwartz, 1972)と自尊感情が高い人は援助を求めないと 考える「認知的一貫性仮説」(:Brarmal,1968) である。前者では,自尊感情が低い人は自分が. 87名). 【調査内容】質問紙はフェイスシート,内的作 業モデル,自尊:感情,被援助志向性の4つで構 成した。回答は全て無記名の個別記入形式の質 問紙で,全4ページから構成されていた。 【調査手続き】各大学の授業時間を利用して集 団で行い,授業時間中に配布し回答を求め回収. 傷つく情報に対してよりいっそう敏感に反応 し防霊的で自:尊感情の高い人に比べ,援助を求. めないとする。後者は,逆に,自尊感情の高い 人は援助者を否定的に捉え,援助を求めない傾 向があるとする。. した。. 【調査時期】2006年11月・12月初旬. そこで本研究の冒的は,福祉職・教育職とい う対人援助職を志望する大学生の被援助志向 性について検討し,上記の2っの仮説について 検討することである。大学生の時にすでに,志 望職種の職業経験に関わらず自尊感情の脅威 モデルの傾向が形成されているなら,先行研究 (田村・石隈2002:白石2004)から福祉職では 男女ともに「傷つきやすさ仮説」,教育職を志 望する男性では「傷つきやすさ仮説」,女性で は「認知的一貫性仮説」が支持されるか,また はどちらの仮説もあてはまらないであろうと 仮定する。脅威モデルが職種や性別によって異 なることを検討するために媒介変数として内 的作業モデルの型を取り上げる。対人関係のイ. 結果と考察 ①自尊感情の因子分析. 自尊感情の尺度に関して主因子法による因 子分析を行い1因子解を採用した。因子負荷量 が著しく低かった1項目を尺度から削除,残り の9項目で尺度を構成した。9項目のCronbach のα係数は.84であり信頼性が確認された。自 尊感情の平均点を基準に,自尊感情高群と低群 を設定した。. ②被援助志向性の因子分析 被援助志向性の尺度に関して主因子法バリ マックス回転による因子分析を行った。2因子 解を採用し、因子負荷量が±.4にみたなかった. メージは自尊感情に関する対立する2つの仮 説のどちらが当てはまるかの説明になるので. 第8項目を分析から削除し,残りの10項目に 対して再度因子分析を行った。2因子の累積説 明率は44.0%であった。第1因子のCronbach. はなかろうか。例えば安定型の人は他者との関 わりにおいて恐れがないので,自尊感情の低い 人でも他者の援助を求めやすいと考えられ, r認知的一貫性仮説」があてはまるのではなか ろうか。逆に回避型の人では対人関係の恐れか ら,自尊感情が高くないと他者の援助を求めら れず「傷つきやすさ仮説」があてはまるかもし れない。アンビバレント型の人ではどちらがあ てはまるか不明ではあるが、他者への不信感と いう点からどちらかといえば「傷つきやすさ仮 説」があてはまるかもしれない。. のα係数は.79,第2因子のα係数は.73であり. 信頼性が確認された。第1因子には,「困って いることを解決するために,自分と一緒に対処 してくれる人がほしい。」などが含まれ,【援助. の欲求と態度】と命名した。第2因子には「自 分は,人に相談したり援助を求める時いつも心 苦しさを感じる。(逆転項目)」などが含まれ,【援. 助関係に対する抵抗感のなさ】と命名した。因 子名は先行研究(田村・石隈,2001)に従った。. ③内的作業モデルの因子分析及びクラスタ 方法 【調査対象】大学生451名を調査対象とした。. ー分析. 内的作業モデル尺度の全13項目に対して主 36.

(39) 避型では,自尊感情の高群のほうが低群より高 かった。このことから,安定型では「認知的一 貫性仮説」の作業仮説を支持し、回避型では「傷 つきやすさ仮説」の作業仮説を支持した。 安定型の人は他者を恐れる必要はないため, 自尊感情の低い人でも,一般に他者の援助を求 めやすく,一方、回避型の人は他者を恐れてし まうので,自:尊感情の高い人でないと,一般に 他者の援助が求めにくいと考えられる。 志望進路×内的作業モデルの交互作用が有 意であり,多重比較の結果,教育職の志望者で は安定型が平均型より,アンビバレント型と安 定型が回避型より高かった。福祉職の志望者で は平均型,アンビバレント型,安定型が回避型よ. 因子法バリマックス回転による因子分析を行 った。当尺度の信頼性として内的整合性を検討 するため,Cronbachα係数を算出したところ, 第1因子「安定」は.81,第2因子「回避」は.71,. 第3因子「アンビバレント」は.64であった。「内. 的作業モデル尺度iで得られた3つの因子ごと に因子を構成する項目の合計点を算出し,z得 点を各因子の得点とした。クラスター分析によ って分析対象者を4群に分けた。クラスター分 けされた4群で下位尺度得点間の差を検討する. ため各因子得点との分散分析を行い全てのタ. イプで有意な差が見られ、多重比較 (Bon艶rroniによる;以下同様)を行った。タ. イプ2ではアンバレント尺度得点が高く「アン ビバレント型」。タイプ3では,安定尺度得点 が高く「安定型」。タイプ4では回避尺度得点 が「回避型」。タイプ1では安定尺度得点がや や高いことを特徴としながらも全体的に見る. りも高かった。. このことから回避型は若干の違いはあるも のの他の型より低く、対人関係の恐れから、被 援助志向性が低いことが考えられる。 ⑤性別(2群)×自尊感情(2群)の2要因分散分 析. と平均的だったので「平均型」とした。 ④内的作業モデル(4群)×希望進路(2群)×自 尊感情(2群)の3要因分散分析. 各希望進路の男女の被援助志向性の差を検 討するため「被援助志向性」の2つの下位尺度 の各合計得点を従属変数に2要因分散分析を 行った。福祉職では,2因子ともに性別,自尊. 「被援助志向性」の2つの下位尺度の各合計 得点を従属変数に3要因分散分析を行った。希 望進路は,福祉職を志望する者(N=205)と教. 感情の主効果および交互作用は有意ではなく, 教育職では,「第1因子」「第2因子」ともに性 別の主効果が有意であった。すなわち,女性は 男性よりも2因子ともに高かった。しかし,福 祉職志望者では有意な性差がみられなかった。 これらのことから学生時代には,自尊感情の 脅威モデルの違いはなく、希望進路に就いた後,. 育職を志望する者(N=168)で統計処理を行い, それ以外の志望者(Nニ68)は分析から除外した。 以下の希望進路ごとの分析は全て同様にした。. 「第1因子(援助の欲求と態度)」において内 的作業モデルの主効果が有意であって、多重比 較を行った結果,平均型・アンビバレント型・ 安定型は回避型よりも高かった。「第2因子(援 助関係に対する抵抗感のなさ)」においては内 的作業モデルの主効果および,自尊感情×内的 作業モデルの交互作用が有意であった。単純主 効果の検定を行い,内的作業モデルの安定型で は,自尊感情の低群が高群より高かった、逆に回. 経験を経て女子教員のみが「傷つきやすさ仮 説」に当てはまらず,ときに「認知的一貫性仮 説」を示すといった現象へと進んでいく萌芽が 示されているのかもしれない。. 主任指導教員 古川雅文 指導教員 古川雅文. 37.

(40) 謝辞 はじめに、論文の執筆にあたり、お忙しい中でも丁寧 にご指導くださいました古川雅文先生に心よりお礼申し 上げます。研究を進めるにあたり、貴重なご助言をいた だきました学校心理コースの先生方に感謝いたします。. また、坂本至さんをはじめとする学校心理コース1期 生・2期生・3期生の皆様の温かい声援の数々を有り難く 思います。調査にご協力くださいました大学生の皆様の 輝ける未来を願います。相愛大学の塩見邦雄先生、兵庫 教育大学の高田俊也先生、兵庫教育大学の渡邊満先生、 仏教大学の池本美和子先生、日本福祉大学の小泉純一先 生、社会医学技術学院の西嶋力先生のご指導とご厚意に 深く感謝しつつ、ただただ厚くお礼を申し上げます。益々 のご活躍をお祈りするとともに、心よりお礼申し上げま す。. 2007年12.月20日 赤木 邦成. 38.

(41)

Table 7 「第2因子:援助関係に対する抵抗感のなさ」について     自尊感情×自尊:感情の平均値 自尊感† 内的作業モァル     平均型     アンビバレント型 高群     安定型     回避型 17.8418.4617.6216.23     平均型     アンビバレント型 低群     安定型     回避型 18」617つ219.4813.93  *P〈.05 **P〈.01 ***Pくρ0噛 Table 8 「第2因子:援助関係に対する抵抗感のなさ」につい   て志望進路×自尊感情
Table 9 福祉職志望者男女の自尊1感情高低群iの被援助志向性「第1 因子援助の欲求と態度」の平均値        18.5(4.0) 19.6(3.3) 193(3。5)     高群        N=:28   Nニ72   N=100 自尊感情        19♂4(3.5) 19.7(3.2) 19.6(3.3)     低群        N瓢37    N=71    N=108 総和 19ρ(3.7) 19.7(3.2) 19.5(3.4) N=65    N=143   N=208

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