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アスファルト舗装のわだち掘れに関する研究 学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 近 藤    崇

学 位 論 文 題 名

アスファルト舗装のわだち掘れに関する研究 学位論文内容の要旨

  現在 我 が 国 で行 わ れ て いる ア ス フ ァル ト 混 合 物の 配 合 設 計は , 主 に マー シ ャ ル試験 法に 基 づ ぃて お り , これ で 骨 材 粒度 , 密 度 ,空 隙 率 な どの 検 討 を 行う が , 高 温時 の カ学性 状に 関 す る試 験 は 静 的な 安 定 度 試験 の み で ある た め , 施工 後 の 移 動荷 重 に 伴 うわ だ ち掘れ に対 し て の 検 討 が 十 分 で あ る と は 言 い 難 い . そ こで , ア メ リカ 合 衆 国 ではSHRP計 画 に お ける SUPERPAVE配 合 設 計 の 際 に , ア ス フ ァ ル ト の わ だ ち 掘 れ を 防 止 す る ため ア ス フ ァル ト の せん断試験結果をアスファルト混合物の配合設計に採り入れている,

  アス フ ァ ル ト混 合 物 の わだ ち 掘 れ 対策 に 関 す る研 究 , 開 発は , 高 粘 度バ イ ン ダの開 発,

骨 材 の形 状 お よ び配 合 粒 度 の検 討 , 繊 維を 混 入 し たア ス フ ァ ルト 混 合 物 の作 製 栓どが 行わ れ て おり , こ れ らは 施 工 実 績, 供 用 後 の調 査 に お いて も 顕 著 な成 果 が 上 げら れ ている .ま た , 流動 特 性 の 検討 は ホ イ ール ト ラ ッ キン グ 試 験 によ り 行 わ れて お り , 試験 結 果より 得ら れ た 変形 一 時 間 曲線 か ら , 動的 安 定 度 ,変 形 率 , 圧密 変 形 量 を求 め , ア スフ ァ ルト混 合物 の わ だち 掘 れ 特 性の 指 標 と して 用 い ら れる . そ し て, 動 的 安 定度 と 現 場 のわ だ ち掘れ 量の 間 に は相 関 性 が 認め ら れ て いる た め , 流動 特 性 の 検討 や ア ス ファ ル ト 舗 装の 供 用性を 予測 す る 場合 に こ の 手法 が 取 り 入れ ら れ て いる . し か し, 重 要 視 され て い る のが 動 的安定 度な ど の 時間 当 た り の変 形 量 で ある た め , これ は 走 行 荷重 に よ る 表面 の 変 形 を捉 え ている に過 ぎ ず ,舗 装 全 体 とし て わ だ ち掘 れ が ど の深 さ に 起 因し て い る かな ど を 把 握す る ことは でき な ぃ .よ っ て , わだ ち 掘 れ の検 討 を 行 う上 で は 不 十分 で あ り ,原 因 の 解 明, 進 行過程 を考 慮した対策を行うことは困難であると考えられる.

  近年 の ア ス ファ ル ト 混 合物 に 対 す る耐 流 動 や 耐摩 耗 対 策 のた め に 使 用さ れ る 排水性 アス ファル ト混合物などは,アスファル′トバインダが高粘度であり,アスファル′トモル′タノレを 形 成 する 細 骨 材 量が 少 な く ポー ラ ス で ある . こ の ため 車 両 走 行に よ り 骨 材の か み合わ せに 変 化 が生 じ た 場 合, 内 部 の 骨材 が 移 動 する こ と に より そ の 箇 所で 亀 裂 が 発生 し ,これ が次 第に舗装表面へと進展し破壊に至る可能性があると考えられる,

  以上 の こ と から , ア ス ファ ル ト 混 合物 ま た は アス フ ァ ル ト舗 装 に 関 する 実 験 ,研究 にお い て ,高 温 時 の 車両 走 行 下 にお け る 内 部の 骨 材 の 動き に 着 目 した 研 究 を 行う こ とは, アス ファルト舗装に生じる損傷の解明を行う上で重要であると考えられる.

  本 論 文 は , 全8章 か ら 構 成 さ れ , 第1章 は 序 論 と し本 研 究 の 目的 お よ び 本研 究 の 構 成に ついて述べている,

  第2章 で は , 既 往 の研 究 を 基 にア ス フ ァ ルト 舗 装 に 生じ る 損 傷 およ び わ だ ち掘 れ に 関 す る研究を明らかにし,問題点および検討課題について整理した.

  第3章 で は , 使 用 した ア ス フ ァル ト 混 合 物の 種 類 お よび 道 路 舗 装に 使 用 さ れる 場 合 の 特     ―214−

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徴および解説,使用した材料の特性,室内外での転圧方法および転圧機械の仕様を述べた.

  第4章では,車両走行試験の方法および解析対象断面の写真撮影の方法を述べた.また,

試験後の体積変化,密度変化の解析方法,画像解析による骨材の動き,回転および骨材間 に生じているひずみの検討方法を述べた.

  第5章で は,密粒 度アスフ ァルト混合物(13F)および排水性アスファルト混合物による 車両走行試験を行い,表面および深さごとの変形特性の関係を重回帰分析により明らかに した.その後,走行荷重の側面および直角方向の画像解析により,内部の骨材の移動特性 を明らかにし,試験時の荷重直角方向の体積の変化および試験前後での密度変化の検討,

内部でひび割れが発生する可能性の検討を行った.

  第6章では,ストーンマスチックアスファルト混合物による車両走行試験を行い,表面 の変形特性および内部の骨材の移動特性の検討を行った.また,トラバース走行を行い前 後での表面の変形特性の検討を行った.更に,車両走行試験を行い供試体全面に圧密変形 を 生 じさ せ た 後に , 表 面の 変 形 特 性お よ び 内部 の 骨 材の移動 特性の 検討を行 った.

  第7章で は,細粒 度ギャッ プアスファルト混合物55(13F)の往復走行,一方向走行およ ぴ一方向走行ブレーキ走行による車両走行試験を行い,走行方法の違いによる内部の骨材 の移動特性の比較検討を行った.そして,一方向走行による車両走行試験の有効性を明ら かにした.

  第8章で は,第5章〜第7章 までの結 論をとり まとめ ,アスファルト舗装の耐わだち掘 れ対策について新しい考えを提案している.

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学位論文審査の要旨 主 査    教授    森吉昭博 副 査    教授    佐藤馨一 副 査    教授    三浦清一 副査   教授   加賀屋誠一

学 位 論 文 題 名

アスファルト舗装のわだち掘れに関する研究

  現 在 我 が 国 で 行 わ れ て い る ア ス フ ァ ル ト 混合 物の 配 合設 計は ,主 に マー シヤ ル試 験法 に 基づ ぃて お り, こ れで 骨 材粒 度, 密度 ,空 隙 率な どの 検討 を行 う が, 高温 時の カ 学性状に 関 す る 試 験 は 静 的 な 安 定 度 試 験 の み で あ る ため ,施 工 後の 移動 荷重 に 伴う わだ ち掘 れに 対 し て の 検 討 が 十 分 で あ る と は 言 い 難 い . そ こで ,. ア メリ カ合 衆国 で はSHRP計 画に おけ る SUPERPAVE配 合 設 計 の 際 に , ア ス フ ァ ル ト の わ だ ち 掘 れ を 防 止 す る た め ア ス フ ァ ル ト の せん断試験結果をア スファルト混合物の配合設計 に取り入れている.

  ア ス フ ァ ル ト 混 合 物 の わ だ ち 掘 れ 対 策 に 関す る研 究 ,開 発は ,高 粘 度バ イン ダの 開発 , 骨 材 の 形 状 お よ び 配 合 粒 度 の 検 討 , 繊 維 を 混入 した ア スフ ァル ト混 合 物の 作製 など が行 わ れ て お り , こ れ ら は 施 工 実 績 , 供 用 後 の 調 査に おい て も顕 著な 成果 が 上げ られ てい る. ま た, 流動 特 性の 検討 はホ イ ール トラ ッ キン グ 試験 によ り行 われ て おり ,試 験結 果 より得ら れ た 変 形 ― 時 間 曲 線 か ら , 動 的 安 定 度 , 変 形率 ,圧 密 変形 量を 求め , アス ファ ルト 混合 物 の わ だ ち 掘 れ 特 性 の 指 標 と し て 用 い ら れ る .そ して , 動的 安定 度と 現 場の わだ ち掘 れ量 の 問 に は 相 関 性 が 認 め ら れ て い る た め , 流 動 特性 の検 討 やア スフ ァル ト 舗装 の供 用性 を予 測 す る 場 合 に こ の 手 法 が 取 り 入 れ ら れ て い る .し かし , 重要 視さ れて い るの が動 的安 定度 な ど の 時 間 当 た り の 変 形 量 で あ る た め , こ れ は走 行荷 重 によ る表 面の 変 形を 捉え てい るに 過 ぎ ず , 舗 装 全 体 と し て わ だ ち 掘 れ が ど の 深 さに 起因 し てい るか など を 把握 する こと はで き ず , わ だ ち 掘 れ の 検 討 を 行 う 上 で は 不 十 分 であ り, 原 因の 解明 ,進 行 過程 を考 慮し た対 策 を行うことは困難で あると考えられる.

  近 年 の ア ス フ ァ ル ト 混 合 物 に 対 す る 耐 流 動や 耐摩 耗 対策 のた めに 使 用さ れる 排水 性ア ス ファノレト混合物な どは,アスファノレトバインダが高粘度であり,アスファルトモ′レタノレを 形 成 す る 細 骨 材 量 が 少 な く ポ ー ラ ス で あ る .こ のた め 車両 走行 によ り 骨材 のか み合 わせ に 変 化 が 生 じ た 場 合 , 単 に 表 面 が 変 形 す る だ けで なく , 内部 の骨 材が 移 動す るこ とに より そ の 箇 所 で 亀 裂 が 発 生 し , こ れ が 次 第 に 舗 装 表面 へと 進 展し 破壊 に至 る 可能 性が ある と考 え られる.

  以 上 の こ と か ら , ア ス フ ァ ル ト 混 合 物 ま たは アス フ ァル ト舗 装に 関 する 実験 ,研 究に お い て , 高 温 時 の 車 両 走 行 下 に お け る 内 部 の 骨材 の動 き に着 目し た研 究 を行 うこ とは ,ア ス

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フ ァ ル ト 舗 装 に 生 じ る 損 傷 の 解 明 を 行 う 上 で 重 要 で あ る と 考 え ら れ る .   本論文 は,全8章か ら構成さ れ,第1章は 序論とし 本研究の目的および本研究の構成に ついて述べている.

  第2章では, 既往の 研究を基にアスファルト舗装に生じる損傷およびわだち掘れに関す る研究を明らかにし,問題点および検討課題について整理した.

  第3章では, 使用し たアスファルト混合物の種類および道路舗装に使用される場合の特 徴および解説,使用した材料の特性,室内外での転圧方法および転圧機械の仕様を述べた.

  第4章では,車両走行試験の方法および解析対象断面の写真撮影の方法を述べた.また,

試験後の体積変化,密度変化の解析方法,画像解析による骨材の動き,回転および骨材間 に生じているひずみの検討方法を述べた.

  第5章では, 密粒度 アスファ ルト混 合物(13F)および 排水性アスファルト混合物による 車両走行試験を行い,表面および深さごとの変形特性の関係を重回帰分析により明らかに した.その後,走行荷重の側面および直角方向の画像解析により,内部の骨材の移動特性 を明らかにし,試験時の荷重直角方向の体積の変化および試験前後での密度変化の検討,

内部でひび割れが発生する可能性の検討を行った.

  第6章では, ストー ンマスチックアスファルト混合物による車両走行試験を行い,表面 の変形特性および内部の骨材の移動特性の検討を行った.また,トラバース走行を行い前 後での表面の変形特性の検討を行った,更に,車両走行試験を行い供試体全面に圧密変形 を 生じ さ せ た後 に , 表面 の 変 形特 性 お よび 内 部 の 骨材 の 移 動特 性 の 検討 を 行った.

  第7章では, 細粒度 ギャップ アスフ ァルト混 合物55(13F)の往復走行,一方向走行およ び一方向走行ブレーキ走行による車両走行試験を行い,走行方法の違いによる内部の骨材 の移動特性の比較検討を行った.そして,一方向走行による車両走行試験の有効性を明ら かにした.

  第8章では, 第5章〜第7章まで の結諭 をとりま とめ, アスファ ル卜舗 装の耐わ だち掘 れ対策について新しい考えを提案している.

これを要するに、著者はアスファルト混合物のわだち掘れ現象の解析法と評価法を開発し、

その実用性を明らかにするとともに、アスファルト舗装で損傷が一番大きいといわれるわ だち掘れ現象の解明やその対策についての新知見を得ており、土木工学特に道路工学に貢 献すること大なるものがある。よって、著者は、北海道大学博士(工学)の学位を授与さ れる資格あるものと認める。

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