九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
q超幾何方程式の変異版とqホイン方程式
波多野, 修也
中央大学大学院理工学研究科
松縄, 竜弥
中央大学大学院理工学研究科
佐藤, 智輝
中央大学大学院理工学研究科
竹村, 剛一
お茶の水女子大学基幹研究院
https://doi.org/10.15017/2924851
出版情報:応用力学研究所研究集会報告. 2019AO-S2, pp.39-44, 2020-03. 九州大学応用力学研究所 バージョン:
権利関係:
応用力学研究所研究集会報告No.2019AO-S2
「非線形波動研究の多様性」(研究代表者 永井 敦)
Reports of RIAM Symposium No.2019AO-S2 Diversity in the research of nonlinear waves
Proceedings of a symposium held at Chikushi Campus, Kyushu University, Kasuga, Fukuoka, Japan, October 31 - November 2, 2019
Research Institute for Applied Mechanics Kyushu University
March, 2020 Article No. 08 (pp. 39 - 44)
q 超幾何方程式の変異版と q ホイン方程式
波多野 修也( Hatano Naoya ),松縄 竜弥( Matsunawa Ryuya ),佐藤 智輝( Sato Tomoki ),竹村 剛一( Takemura
Kouichi )
q超幾何方程式の変異版とqホイン方程式
中央大学大学院理工学研究科 波多野修也 (HATANO Naoya) 中央大学大学院理工学研究科 松縄竜弥 (MATSUNAWA Ryuya) 中央大学大学院理工学研究科 佐藤智輝 (SATO Tomoki)
お茶の水女子大学基幹研究院 竹村剛一 (TAKEMURA Kouichi)
概 要 ホインの微分方程式のq差分版としてqホイン方程式を導入する。そして、qホイン方 程式の特別な場合として、q超幾何方程式の変異版を導入する。変異版q超幾何方程式の超幾何的な 解をいくつか得たので、これの表示式を与える。
1 導入
超幾何級数は、
2F1(α,β;γ;z) =1+αβ
γ z+α(α+1)β(β+1)
2!γ(γ+1) z2+. . .+(α)n(β)n
n!(γ)n zn+. . . .
で与えられる収束べき級数である。ここで、(λ)n=λ(λ+1). . .(λ+n−1)である。超幾何級数は、
次の超幾何微分方程式の解となることが知られており、項別微分を行うことで確認できる。
z(1−z)d2y
dz2+ (γ−(α+β+1)z)dy
dz−αβy=0.
これは、リーマン球面C∪ {∞}において3点{0,1,∞}に確定特異点をもつ2階線形常微分方程式 の標準形となっている。
超幾何関数のq-変形として、q超幾何級数(basis hypergeometric series)は
2ϕ1(a,b;c;x) =
∑
∞ n=0(a;q)n(b;q)n
(q;q)n(c;q)nxn, (λ;q)n=
n−1
∏
i=0(1−λqi). (1)
により与えられ、19世紀前半のHeineの論文[4]に出現している。これは、次のq超幾何方程式 の解となっている。
(x−q)f(x/q)−((a+b)x−q−c)f(x) + (abx−c)f(qx) =0. (2) q→1の極限において、これらは通常の超幾何級数および超幾何微分方程式に移行する。なお、q 超幾何方程式(2)は(1)とは異なる表示の解ももっており、[1]などで論じられている。
ところで、超幾何微分方程式の一般化を考える際に、確定特異点を増やすという方向がある。ホ インの微分方程式は、γ+δ+ε=α+β+1という条件のもとで
d2y dz2+
(γ z+ δ
z−1+ ε z−t
)dy
dz+ αβz−B
z(z−1)(z−t)y=0,
として定められ、4点{0,1,t,∞}に確定特異点をもつ2階線形常微分方程式の標準形として知ら れている。
ホインの微分方程式と超幾何微分方程式の大きな違いとして、アクセサリーパラメーターの有 無が挙げられる。アクセサリーパラメーターは、局所構造(各特異点の特性指数)に依存しない
1
パラメーターのことであり、ホインの微分方程式ではBがアクセサリーパラメーターとなってい る。一方、超幾何微分方程式にはアクセサリーパラメーターは含まれない。
ここで、本稿の章立てを述べる。第2章で、ホインの微分方程式のq変形としてqホイン方程 式を導入する。そして、qホイン方程式がRuijsenaars-van Diejen作用素の退化から得られること から、自然とqホイン方程式の変異版が現れることを見る。第3章では、qホイン方程式の変異 版の、特異点が見かけであることを用いた特徴付けについて述べる。第4章で、q超幾何方程式の 変異版を、その1種類についてはqホイン方程式の特殊化から導出する。q超幾何方程式(2)にお いてはq超幾何級数(1)に代表される明示的な解が知られているが、第5章にてq超幾何方程式 の変異版についても明示的な解をいくつか構成する。
2 qホイン方程式と変異版qホイン方程式
qホイン方程式は、次の形のq差分方程式でa2̸=0,a0̸=0,c2̸=0,c0̸=0をみたすものである。
{a2x2+a1x+a0}g(x/q)− {b2x2+b1x+b0}g(x) +{c2x2+c1x+c0}g(xq) =0. (3) q超幾何方程式(2)と比べると、q超幾何方程式の場合ではg(x/q)などの係数はすべて1次式と なっているが、qホイン方程式においては係数はすべて2次式である。また、極限q→1によって qホイン方程式からホインの微分方程式が復元される([2, 8])。qホイン方程式は1971年にHahn により導入されたが([2])、長い間引用されることはなかった。
ところで、正の整数 N に対して N 粒子 Ruijsenaars-van Diejen 系というものがある([10, 7],
van Diejen 系、BCN Ruijsenaars系と呼ばれることもある)。これはテータ関数を用いて定められ
る差分系であり、一次元 N 粒子量子リウビル可積分系の差分版の、ある意味で最も一般的な模 型である。Ruijsenaars-van Diejen系の退化によってさまざまな系が得られることが知られている ([10, 8])。[8]において、1粒子の場合のRuijsenaars-van Diejen系のハミルトニアンに対応する作
用素(Ruijsenaars-van Diejen作用素)を4回退化させることにより、ホインの微分方程式のq変
形にあたるものが現れることが発見されたが、これはHahnにより導入されたqホイン方程式と 本質的に同一なものであった。一方でqパンルヴェ第六方程式は 線形q差分方程式によるLax対 の両立条件から導出されるが([5])、このLax対の片方の方程式において特殊化を考えることでも qホイン方程式が現れる([8])。いわゆるCalogero系の差分版が(退化版も含む)Ruijsenaars-van
Diejen系であることから、qホイン方程式がCalogero系とパンルヴェ系に関連することになって
おり、Painlev´e-Calogero対応やPainlev´e-Heun対応という標語が用いられることもある。
qパンルヴェ第六方程式(q-P(D(1)5 )型)の場合に加え、q-P(E6(1))型,q-P(E7(1))型の差分パンル ヴェ方程式と、Ruijsenaars-van Diejen系の3回退化版, 2回退化版の間にも、同様な対応が[8]で 得られている。差分パンルヴェ方程式の最上部にあたる楕円パンルヴェ方程式(e-P(E8(1))型)に 関する対応は[8]では得られていなかったが、野海, Ruijsenaars,山田([6])により、楕円パンルヴェ
方程式とRuijsenaars-van Diejen系そのものに関する対応が得られた。
さて、1変数のRuijsenaars-van Diejen作用素を4回退化させることで得られる作用素は、次の
ものである([8])。
A⟨4⟩=x−1(x−qh1+1/2t1)(x−qh2+1/2t2)Tq−1+qα1+α2x−1(x−ql1−1/2t1)(x−ql2−1/2t2)Tq
− {(qα1+qα2)x+q(h1+h2+l1+l2+α1+α2)/2(qβ/2+q−β/2)t1t2x−1}
ここで、Tq−1g(x) =g(x/q),Tqg(x) =g(qx)である。作用素A⟨4⟩に関する固有値E∈Cの固有関数 g(x)のみたす式は
A⟨4⟩g(x) =Eg(x)
であるが、この式は次の形にも書ける。
(x−qh1+1/2t1)(x−qh2+1/2t2)g(x/q) +qα1+α2(x−ql1−1/2t1)(x−ql2−1/2t2)g(qx) (4)
− {(qα1+qα2)x2+Ex+q(h1+h2+l1+l2+α1+α2)/2(qβ/2+q−β/2)t1t2}g(x) =0.
この差分方程式ではg(x/q)などの係数はすべて2次式となっており、Eやh1などのパラメーター の個数も十分にあることから、(3)でのqホイン方程式と等価になっている。固有値にあたるEは、
ホインの微分方程式におけるアクセサリーパラメーターに対応するものである。また、qホイン方 程式自体を(4)の形で表示しておくと研究がしやすい。
qホイン方程式への4回の退化の途中で、2回退化された作用素A⟨2⟩と3回退化された作用素 A⟨3⟩が[8]で得られており、次の形をしている。
A⟨3⟩=x−1
∏
3 n=1(x−qhn+1/2tn)Tq−1+x−1
∏
3 n=1(x−qln−1/2tn)Tq
−(q1/2+q−1/2)x2+
∑
3 n=1(qhn+qln)tnx+q(l1+l2+l3+h1+h2+h3)/2(qβ/2+q−β/2)t1t2t3x−1,
A⟨2⟩=x−2
∏
4 n=1(x−qhn+1/2tn)Tq−1+x−2
∏
4 n=1(x−qln−1/2tn)Tq−(q1/2+q−1/2)x2 +
∑
4 n=1(qhn+qln)tnx+
∏
4 n=1q(hn+ln)/2tn·[
−(q1/2+q−1/2)x−2+
∑
4 n=1( 1 qhntn
+ 1 qlntn
) x−1
] .
そして、各E∈Cに対して差分方程式A⟨3⟩g(x) =Eg(x),A⟨2⟩g(x) =Eg(x)をそれぞれ変異版qホイ ン方程式と呼ぶ。
3 確定特異点での解析とq差分方程式
線形微分方程式の確定特異点での解析を、q差分方程式にも適用してみる。ここでは、(4)での qホイン方程式の解について考察する。線形微分方程式の確定特異点x=0のそばでの解を調べる 際、次の形の解を考えることがある。
g(x) =xλ
∑
∞ ℓ=0cℓxℓ, c0̸=0. (5)
この形の解を、qホイン方程式に対して考えてみる。式(4)に代入してxλの係数を比較すること により、c0̸=0からλ に関する次の関係式が要請される。
qh1+h2+1q−λ−q(h1+h2+l1+l2+α1+α2)/2(qβ/2+q−β/2) +ql1+l2+α1+α2−1qλ=0.
よって、λ は次の
λ1= (h1+h2−l1−l2−α1−α2−β+2)/2, λ2= (h1+h2−l1−l2−α1−α2+β+2)/2 のいずれかと一致する。このλ1,λ2をx=0での特性指数と呼ぶ。ここでλ =λ1とする。λ2−λ1̸∈
Z>0ならばxλ1+nの係数からcnの値がc0, . . . ,cn−1の値から決定される式が得られ、g(x)の係数cn
(n=1,2, . . .)が順次決定される。また、λ2−λ1∈Z>0のときは、n=λ2−λ1とおくとxλ1+nの係 数から得られる式においてcnを含む項が消えてしまうことから、一般には矛盾した式がでてきて しまって(5)の形の解が存在しない。しかし、λ2−λ1∈Z>0の場合にも(5)の形の解が存在する こともあり、このときx=0は見かけの特異点と呼ばれる。詳しくは[9]を参照のこと。
3
また、x=∞のそばでの解を調べるために、次の形の解を考える。
g(x) = (1/x)λ
∑
∞ ℓ=0˜
cℓ(1/x)ℓ, c˜0̸=0.
これについても同様の議論により、λ はα1,α2のいずれかの値と一致することがわかる([9])。こ れらの値をx=∞での特性指数と呼ぶ。
次に、変異版qホイン方程式の一つであるA⟨3⟩g(x) =Eg(x)について考察する。これは、3次式 a(x) = (x−qh1+1/2t1)(x−qh2+1/2t2)(x−qh3+1/2t3),
c(x) = (x−ql1−1/2t1)(x−ql2−1/2t2)(x−ql3−1/2t3), b(x) =−(q1/2+q−1/2)x3+
∑
3 n=1(qhn+qln)tnx2+Ex+q(l1+l2+l3+h1+h2+h3)/2(qβ/2+q−β/2)t1t2t3
を用いて
a(x)g(x/q) +b(x)g(x) +c(x)g(qx) =0,
の形で表示されるが、3つの多項式の係数において独立性が崩れている。このq差分方程式にお いて、x=∞での特性指数はλ1=−1/2,λ2=1/2であって差が整数となってしまっているが、こ のq差分方程式の場合は、見かけの特異点となっている。つまり、A⟨3⟩g(x) =Eg(x)はg(x/q)な どの係数がすべて3次のq差分方程式であるが、x=∞での特性指数の差は1であって見かけの 特異点となっている。逆に、g(x/q)などの係数がすべて3次のq差分方程式であって、x=∞で の特性指数の差は1であって見かけの特異点となっているものは、A⟨3⟩g(x) =Eg(x)という形で実 現されていることがわかる。正確で詳しい記述は[9]を参照のこと。
他の変異版qホイン方程式であるA⟨2⟩g(x) =Eg(x)についても、類似のことが成り立っている。
この場合では、x=0,x=∞の特性指数の差はそれぞれ1であり、両方とも見かけの特異点をなっ ている([9])。
4 qホイン方程式と次数2の変異版q超幾何方程式
変異版qホイン方程式は、Ruijsenaars-van Diejen系での退化においてqホイン方程式の上位に あるものとして定められ、q差分方程式としては特異点が見かけであることで特徴付けがされた。
qホイン方程式は、
a(x)g(x/q) +b(x)g(x) +c(x)g(qx) =0 (6) という形で書いたときに、各多項式a(x),b(x),c(x)は2次式であった。また、変異版qホイン方 程式の一つA⟨3⟩g(x) =Eg(x)は、(6)の形に書いたときに各多項式a(x),b(x),c(x)は3次式にとれ るが、特異点x=∞は特性指数の差は1であって見かけの特異点となっている。一方、q超幾何方 程式では、(6)の形に書いたときに各多項式a(x),b(x),c(x)は1次式である。そこで変異版q超幾 何方程式を、各多項式a(x),b(x),c(x)の次数が2であるqホイン方程式において特異点の一つが 見かけとなっていて特性指数の差が1である、ということで導入する。
qホイン方程式においてx=0は見かけの特異点となっていて特性指数の差が1であるという条 件を考えると、β=±1,E=−q(α1+α2+h1+h2+l1+l2)/2{(q−h2+q−l2)t1+ (q−h1+q−l1)t2}という条件が 得られる。そこで、この特殊化による
(z−qh1+1/2t1)(z−qh2+1/2t2)g(z/q) +qα1+α2(z−ql1−1/2t1)(z−ql2−1/2t2)g(qz) (7)
−[(qα1+qα2)z2−q(h1+h2+l1+l2+α1+α2)/2{(q−h2+q−l2)t1+ (q−h1+q−l1)t2}z +q(h1+h2+l1+l2+α1+α2)/2(q1/2+q−1/2)t1t2]g(z) =0
を次数2の変異版q 超幾何方程式と呼ぶことにする([3])。この q差分方程式に対してq→1の 極限を考えると、3点{t1,t2,∞}にのみ確定特異点をもつ2階線形微分方程式が本質的に得られる ([3])。
また、次数3の変異版q超幾何方程式を
(x−qh1+1/2t1)(x−qh2+1/2t2)(x−qh3+1/2t3)g(x/q) (8) +q2α+1(x−ql1−1/2t1)(x−ql2−1/2t2)(x−ql3−1/2t3)g(qx)
+qα[−(q+1)x3+q1/2{(qh1+ql1)t1+ (qh2+ql2)t2+ (qh3+ql3)t3}x2
−q(h1+h2+h3+l1+l2+l3+1)/2{(q−h1+q−l1)t2t3+ (q−h2+q−l2)t1t3+ (q−h3+q−l3)t1t2}x +q(h1+h2+h3+l1+l2+l3)/2(q+1)t1t2t3]g(x) =0,
で導入する([3])。このq差分方程式において、x=0,∞はともに特性指数の差が1の見かけの特 異点となっている。
5 変異版q超幾何方程式の解
超幾何微分方程式は、各特異点のそばで明示的な解の基底がとれることが知られており、q超幾 何方程式についても同様な解がとれることが知られている。q超幾何方程式の変異形においても、
明示的な解がとれることで「超幾何」という呼称がふさわしいものと考えられる。ここで、次数 2の変異版q超幾何方程式(7)に対して、[3]にて得られた3種類の明示的な解を記述する。
Theorem 1 ([3]) λ = (h1+h2−l1−l2−α1−α2+1)/2とおく。以下のg1(x), g2(x), g3(x)はそ れぞれ次数2の変異版q超幾何方程式(7)の解となっている。
g1(x) =x−α1
∑
∞ n=0(q1/2x−1)n (qλ+α1;q)n (qα1−α2+1;q)n
∑
n k=0(qλ+α1−h2+l2;q)k(qλ+α1−h1+l1;q)n−k
(q;q)k(q;q)n−k (ql1t1)k(ql2t2)n−k,
g2(x) =xλ
∑
∞ n=0(x/(ql1−1/2t1);q)nqn (qλ+α1;q)n(qλ+α2;q)n
(qh1−l1+1;q)n(qh2−l1+1t2/t1;q)n(q;q)n, g3(x) =x−α1
[ ∞ n=0
∑
(qh1+1/2t1/x;q)n
qn(qλ+α1;q)n
(qh1−l2+1t1/t2;q)n
∑
n k=0(qλ+α1−h2+l2;q)kqk(k+1)/2(−qh1−l2t1/t2)k (qh1−l1+1;q)k(q;q)k(q;q)n−k
] .
関数g1(x)はx=∞における級数解となっており、q-Appell関数
Φ(1)(a;b,b′;c;q;y,z) =
∑
ℓ,k≥0
(a;q)ℓ+k(b;q)ℓ(b′;q)k (q;q)ℓ(q;q)k(c;q)ℓ+kyℓzk
の特殊化により表示可能である。一方でq-Appell関数がみたすq差分方程式を特殊化することに よってq超幾何方程式の変異形(7)を得ることもできる([3])。また、g2(x)は3ϕ2を用いて表示可 能であり、和が有限で止まる場合はbigq-Jacobi多項式となっている。g2(x)はq→1で
g2(x)→xλ
∑
∞ n=0(λ+α1)n(λ+α2)n
(h1−l1+1)nn!
(x−t1
t2−t1 )n
となり、x=t1における級数解に対応している。
次数3の変異版q超幾何方程式に対しては、[3]にて解の予想式を提示した。
5
最後に、次数2の変異版q超幾何方程式から通常のq超幾何方程式への極限を考える。変異版 q超幾何方程式(7)から極限t2→0をとることにより、次のq差分方程式が得られる([3])。
(x−qh1+1/2t1)g(x/q) +qα1+α2(x−ql1−1/2t1)g(qx)
−[(qα1+qα2)x−q(h1+h2+l1+l2+α1+α2)/2(q−h2+q−l2)t1]g(x) =0.
この差分方程式のg(x/q)などの各係数は1次式であり、パラメーターを適切に置き換えることに よりq超幾何方程式(2)が復元される([3])。解についても、Theorem 1での関数や類似の解におい て極限t2→0をとることにより、q超幾何方程式の解が復元される。g2(x)において(t1,h1,l1)と (t2,h2,l2)を入れ替えたものに対してt2→0とすると本質的にq超幾何級数(1)が現れるが、例え ばg2(x)そのものに対してt2→0とすると別の解が得られる([3])。
謝辞
本研究はJSPS科研費JP18K03378の助成を受けたものです。
参考文献
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