アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による 外国人の規制 : アリゾナ州法S.B.1070と連邦法の 専占を中心として
著者 宮川 成雄
雑誌名 同志社法學
巻 64
号 7
ページ 2277‑2298
発行年 2013‑03‑31
権利 同志社法學會
URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000014488
( )アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制同志社法学 六四巻七号二五一
ア メ リ カ 合 衆 国 憲 法 に お け る 移 民 権 限 と 州 法 に よ る 外 国 人 の 規 制
― ― ア リ ゾ ナ 州 法 S.B . 10 70 と 連 邦 法 の 専 占 を 中 心 と し て ― ―
宮 川 成 雄
Ⅰ はじめに
アメリカ合衆国の統治機構の根幹である連邦制度は、連邦政府と州政府の二重主権構造をとっている。この構造は、単純に連邦政府が州政府の上位に立つ構造ではなく、両政府は並立し競合しており、両政府の権限が抵触する場合にのみ連邦法が優位する )1
(。しかも、合衆国憲法の基本構造として連邦政府に委任されている権限は、憲法に列挙された事項にのみ及ぶこととされており、連邦政府に委任されていない権限は州および人民に留保されている )2
(。 このようなアメリカ合衆国の統治機構の構造は、重要な国内問題でありかつ対外問題でもある外国人の規律に関する法制である移民法の分野で、連邦政府と州政府の深刻な対立を引き起こしている。二〇一〇年の調査によるとアメリカ
二二七七
( )同志社法学 六四巻七号二五二アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制
合衆国には、推定一、一二〇万人の不法在留外国人が存在するといわれている
)3
(。彼ら彼女らの圧倒的大多数は、連邦政府の直轄地であるワシントン特別区を除いて、いずれかの州に居住するわけであり、外国人の規律については州政府が重大な関わりを持っている。しかし、外国人の出入国および在留を規律する権限、すなわち移民権限(immigration power)は、合衆国憲法上、連邦政府の権限とされており、州政府は当該州の領域内に居住する外国人について、州の一般的統治権であるポリス・パワーに基づく規律ができるに過ぎない。さらに、アメリカ合衆国の五〇州は不法在留外国人の規律について、一律に同様な関心と利害をもっているわけではなく、州によって不法在留外国人に対する関心と利害は大きく異なる。すなわち、不法在留外国人問題については、メキシコとの国境を接するアリゾナ州、テキサス州、ニューメキシコ州、およびカリフォルニア州といった不法在留外国人が多数存在する諸州と、不法在留外国人があまり多く居住しない諸州とでは、それぞれの州政府が取り組むべき課題が大きく異なる。 このように連邦政府と州政府が競合する連邦制の統治構造と、不法在留外国人問題への州によって異なる問題関心のゆえに、不法在留外国人を多数抱える州は連邦の移民法による規制に加えて独自の外国人規制法を制定することになる。近時の州政府による不法在留外国人を規制する象徴的な法律がアリゾナ州によって制定されたS.B.1070 )4
(である。同州法は、①連邦の外国人登録法違反を州の軽罪として処罰すること、②外国人が連邦法上の就労資格なく州内で働くことを軽罪として処罰すること、③連邦法で強制送還事由となる犯罪を疑う相当な理由のある外国人を令状なく逮捕すること、④連邦移民法で在留資格がないと合理的に疑われる外国人に対し州の法執行官が在留資格を確認すべきこと等を規定している。アリゾナ州の他にも、アラバマ州やサウス・キャロライナ州等でも同様の不法在留外国人に対する規制立法が定められている。 アリゾナ州法S.B.1070に対しては、下級審で暫定的な法執行の差止命令が出されていたが、合衆国最高裁判所は、 二二七八
( )アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制同志社法学 六四巻七号二五三 二〇一二年六月、連邦法による専占の観点から、前記①、②、および③の規定については違憲、④については合憲の判断を下した。この判決は、連邦政府が州法の差止を求めるという形で訴訟が提起されたので、同州法の実施における人種差別問題は、直接の争点とはなっていない。しかし、同州法が社会的な関心を呼んだ最大の規定は④であり、これが合憲で有効であると判断されたことは、今後の不法在留外国人への州法の規制の観点では、ヒスパニック系住民への法の平等保護の問題や、アメリカ合衆国も締約国である人種差別撤廃条約の問題が検討課題として残っている。また、同判決の反対意見の中には、二〇一二年六月一五日にオバマ大統領が発表した、親に連れられてアメリカ合衆国に不法入国した子供の強制送還の留保と合法化の問題への言及などがあり、同判決は今後のアメリカ移民法の分野で重要な意味を持つと考えられる。 本稿では、移民権限についての合衆国憲法上での位置づけ(Ⅱ)、連邦法による専占の法理(Ⅲ)、アリゾナ州法S.B.1070 への最高裁判決の分析(Ⅳ)、および同判決が残した今後の課題(Ⅴ)について検討する。
Ⅱ 合 衆 国 憲 法 上 の 移 民 権 限
外国人の出入国および合衆国国内での在留に関する法制、すなわち移民法は、国家の主権に関わる重要な制度である。どのような人に合衆国の入国を認め、在留中にどのような活動を認め、またどのような場合に永住を認め、あるいは退去を求め、それが応じられない場合は強制送還を実施するかは、一国の国家の人口構成に関わり、人種的文化的にどのような国家形成を目指すのか、国家の経済をどのように維持発展させていくのか、外交的にどのような諸国と人的交流を強めようとするのか、国家との絆を失った個人(難民、無国籍者)に国際人権法の観点からアメリカ合衆国がどのよ
二二七九
( )同志社法学 六四巻七号二五四アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制
うな責任を果たそうとするのか等々、国家の国内の統治および国際関係の処理において、移民法は重要性を持つ法制度である。 しかし、合衆国憲法には明文で、移民権限が連邦政府の権限であることを規定する条項はない。すなわち、合衆国憲法が連邦政府に委任する明文の列挙権限の中には含まれていないのである。したがって、連邦政府が行使する移民権限は、合衆国憲法の明文規定の解釈から導かれる黙示権限として理解されている。移民権限が連邦政府の権限であるとの解釈を導く合衆国憲法の条項は複数ある。以下に連邦政府の権限としての移民権限が導かれる憲法上の条項について検討する
)5
(。
1 帰化規則条項 合衆国憲法第一条第八節第四項は、連邦議会の立法権が及ぶ事項として﹁合衆国を通して統一的な帰化の規則﹂を明示的に列挙している )6
(。この帰化規則条項が、合衆国憲法の明文規定の中で移民権限を連邦政府の権限として根拠付ける最も有力なものといえる。しかし、帰化条項は、個人が出生後に合衆国の構成員として認められるためにはどのような要件を満たさねばならないかを定める権限が連邦政府にあることを規定するものであって、上述のように、移民権限が対象とする外国人の出入国、在留、および国際関係に関わる広範囲な事項を規律する権限を定めるものではない。 帰化規則を定める権限が連邦政府にあることを合衆国憲法が規定することは、また逆に、外国人の入国(入州)を決定する権限が州政府にあることを前提としているとの指摘もある。すなわち、外国人の入国(入州)を州の権限として決定すると、異なった要件で入国(入州)を認めることとなり、その者達が当該州の州民となった場合、その者達の権利義務について他州が尊重しなければならなくなるゆえに、合衆国市民となるための帰化の要件は、﹁合衆国を通して 二二八〇
( )アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制同志社法学 六四巻七号二五五 統一的な規則﹂が必要となると説明されるのである )7
(。 帰化という権力作用は政治共同体のメンバーを決定するものであり、その権力作用は必ずしも外国人の出入国や在留に関わる事項を決定する広範な権力作用を含む概念ではない。しかし、外国人が合衆国市民となる要件を定める帰化に関する立法権が連邦政府のものと規定されていることは、帰化規則条項が連邦権限としての移民権限の中核を支える条項であることを明確に示している。
2 移民輸入条項 合衆国憲法が一七八八年に成立したときのオリジナル憲法に、移民に関する立法権が明文で定められた規定がある。第一条第九節第一項の移民輸入条項である。同条項は、﹁移民﹂(migration)という語を用いて次のように規定する。﹁一八〇八年までは、現に存在する州が入国を適当と認める人物の移民または輸入は、連邦議会によって禁止されてはならない。ただし、その輸入に対しては、一人当たり一〇ドルを越えなければ、租税ないし負担金を課すことはできる )8
(。﹂ しかし、この規定は現在では死文化している。条文には奴隷(slavery )という文言は憚られて用いられていないが、この規定は合衆国での奴隷売買を連邦政府が一八〇八年になるまでは禁止することができないことを定めたものである。そのことはこの条項の反対解釈により、連邦議会が一八〇八年以後は奴隷売買を連邦の法律で禁止しうることを意味していた。すなわち、この条項は合衆国憲法の制定過程でなされた南部の諸州(奴隷州)と北部の諸州(自由州)の妥協の産物の一つなのである。そして、現実に連邦議会は一八〇八年一月一日以後の州際の奴隷売買を禁止する法律を、一八〇八年一月を迎える前の一八〇七年三月に制定した )9
(。また、南北戦争後の一八六五年に成立した合衆国憲法修正第一三条 )₁₀
(は、奴隷制度を断固として禁止したのであり、アメリカ合衆国はこの移民輸入条項が意味をもつ奴隷制度と決別
二二八一
( )同志社法学 六四巻七号二五六アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制
した。
3 外国および州際通商条項 移民権限が連邦政府の権限であることの憲法上の根拠とされる最も重要な規定が、合衆国憲法第一条第八節第三項の外国および州際通商条項である。同条項は、連邦議会の立法権限の一つとして、﹁諸外国との通商、および各州間の⋮⋮通商を規律すること﹂(“To regulate commerce with foreign nations, and among several States . .
.” ₁₁)
()を列挙している。 合衆国最高裁判所が通商条項を、移民権限を行使する連邦政府の権限の根拠として明確に言及したのは、一八四九年のPassenger Cases判決 )₁₂
(である。この判決で合衆国最高裁は、ニューヨーク州およびマサチューセッツ州が、外国からの移民を含め、入州・入国する者に人頭税を課す州法を、連邦政府の通商権限に違反するものとして違憲判断を下した。また、最高裁は一八八四年のHead Money Cases判決において、連邦政府がアメリカ合衆国に入国する外国人一人当たり五〇セントの税金を課すことを、通商条項を根拠にして合憲と判断した。その判決の中で、最高裁は次のように述べて、移民を規制する権限が連邦政府の権限であることに言及している。﹁連邦議会はわが国と諸外国との通商の一部として移民を規制する法律を制定する権限を有する。﹂(“Congress [has ] the power to pass a law regulating immigration as apart of commerce of this country with foreign nations
v.Eiarnfoali Cdsardw 判ま高最裁は国衆合所年、一九四一たの判決 、 ₁₄) は﹂商通、﹁は等難民るめ求を護庇とあ全す。るでく者る達国入くなりわ関 アに国衆合カリメて国多、りあでのるいく数ばは人れ外るす国入で例え、子逃を害迫、国入の供や者偶配の人国外住永 cecommer.”と動)しかし、﹁通商﹂(的目の別は)、すなわち商業活 ₁₃()
(において、通商条項の解釈として、人の輸送は﹁商業﹂(commerce)に関わるか否かを問わず、合衆国憲法が連邦議会の権限として列挙する﹁通商権限﹂(commerce 二二八二
( )アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制同志社法学 六四巻七号二五七 power)に関わるものであると判示した。この事件で問題となったのは、貧困者をカリフォルニア州に連れてくることを犯罪とした州法が、連邦権限たる通商権限を侵害するかが問われ、法廷意見は同州法が通商条項に違反して違憲と判示した。しかし、Jackson裁判官の同意意見は違憲の結論は同じでも、憲法上の根拠条項として援用したのは、修正第一四条の合衆国市民の特権免除条項 )₁₅
(であった。彼は、合衆国国内を移動する自由を合衆国市民の憲法上の権利であるとし、これに財産上の要件を課すのは合衆国市民の特権免除条項に違反するとしたのである。また、彼は、商業活動に関わる財産を持たない貧困者の移動を﹁商業﹂(commerce )の語で扱うことは、言葉の濫用であると法廷意見を批判している )₁₆
(。 このように、移民権限を連邦政府の権限とする合衆国憲法上の根拠として、通商条項を挙げることは判例法上は有力ではあるが、“commerce”という語の拡大解釈であるという批判は根強いといえる。
4 戦争権限条項 移民権限の合衆国憲法上の根拠として、戦争権限条項 )₁₇
(も援用される。移民権限と戦争権限の関係は唐突という印象があるかもしれない。しかし、一旦戦争状態になれば、国内において敵国国民たる外国人と同盟国国民たる外国人を区分けして処遇することは、国内での諜報活動や利敵行為等の取り締まりのために重要である。一八世紀末に成立した合衆国憲法は、戦争を行うことを当然の国家の権利と位置づけており、それを統治機構の中でどの国家機関の決定によって開始し、誰の指揮によって遂行するのかについて、明確な条項を持っている。すなわち、戦争の開始の決定権限は、連邦議会の宣戦布告権限にあり、軍の指揮権は最高司令官としての大統領 )₁₈
(にあることが規定されている。これらの権限に基づき、連邦議会は一七九八年に敵性外国人の入国禁止および退去強制について定める法律を成立させた )₁₉
(。
二二八三
( )同志社法学 六四巻七号二五八アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制
5 外務権限 移民権限が連邦政府の権限であることの合衆国憲法上の根拠としては、外務権限(foreign affairs power)が有力に援用される。しかし、外務権限はそれ自身が、移民権限と同様に合衆国憲法に明文の根拠を持たず、合衆国憲法のいくつかの関連条項の解釈に拠って連邦政府の権限であることが導かれる黙示権限である。それらの関連条項とは、外国との通商の規律に関わる通商条項 )₂₀
(、国際法犯罪を規定する条項 )₂₁
(、戦争権限条項 )₂₂
(、条約締結条項 )₂₃
(、外交使節の接受条項 )₂₄
(である。
6 国家主権内在論 移民権限が連邦政府の権限であることの根拠とされるのは、合衆国憲法の具体的な条項だけではなく、合衆国憲法の構造、および合衆国憲法そのものが依拠するアメリカ合衆国の国家主権が根拠とされる。その代表的な見解は、合衆国最高裁のNishimura Ekiu v. United States 判決 )₂₅
(で述べられた。この判決は、日本人の入国拒否についての司法審査が否定された事件であるが、一定の事由に該当する外国人を入国拒否の対象とする権限は、国家主権に内在するものであり、その権限は合衆国憲法においては連邦政府に委ねられていると判示した。 しかし、この理由付けは、アメリカ合衆国の連邦制度が連邦と州の二重主権に基づいていること、および連邦政府が限定権限の政府(the Government of limited powers )であること、さらに連邦政府に委任されていない権限は各州および人民に留保されることを規定する合衆国憲法修正第一〇条に正面から答えるものではない。 具体的な憲法の条項に依拠することなく、国家主権に基づいて連邦政府に憲法上の重要な権限を承認する理由付けは、外務権限を連邦政府の権限であると判示した一九三六年のUnited States v. Curtis-Wright Export Corp.判決 )₂₆
(でもなされ 二二八四
( )アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制同志社法学 六四巻七号二五九 ている。この判決で合衆国最高裁は、武器禁輸につき大統領の広範な裁量を認めた連邦法の合憲性を判示するについて、外務権限が主権に内在する連邦政府の権限であることに言及した。さらに、合衆国最高裁は、連邦政府の権限が列挙権限に限定されるのは国内事項についてであり、対外事項についてはそのような限定は妥当しないと言及した。また、アメリカ合衆国の国家主権は、イギリスからの独立に際して各State が獲得したのではなく、集合的にアメリカ合衆国が獲得したとの立場をとる。 Curtis-Wright Export Corp. 判決が、外務権限を国家主権に内在する連邦政府の権限であるとするこのような理由付けは、移民権限が連邦政府の権限であるとされるときに、同様に国家主権に内在する権限であることを強調して援用される。
Ⅲ 連 邦 法 に よ る 専 占 と 州 の ポ リ ス ・ パ ワ ー に よ る 外 国 人 規 制
1 最高法規条項とアメリカの連邦制の特徴 合衆国憲法第六条第二項は最高法規条項といわれ、連邦法と州法が対立する場合、連邦法の優越を規定する。しかし、合衆国憲法における最高法規とは、日本国憲法第九八条でいう規範序列での憲法の最高法規性を意味するのではない。合衆国憲法における最高法規条項は、二重の意味で注意して理解しなければならない。合衆国憲法第六条第二項は次のように規定する。﹁この憲法、これに準拠して制定される合衆国の法律、および合衆国の権限に基づいてすでに締結されまた将来締結されるすべての条約は、国の最高法である。各州の裁判官は、州の憲法または法律中に反対の定めがある場合でも、これらのものに拘束される )₂₇
(。﹂
二二八五
( )同志社法学 六四巻七号二六〇アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制
第一の注意点は、﹁最高法﹂とされているのは、合衆国憲法だけではなく、連邦の法律、および連邦政府が締結する条約もまた﹁最高法﹂なのである。最高といわれるものが三つ並記されているのである。また、それらが何に対して優位に位置づけられるかというと、後段に規定されているように、それは州法に対してなのである。つまり、最高法規条項が意味することは、連邦法制が州法制よりも優位であることである。合衆国憲法第六条第二項の最高法規条項は、アメリカ合衆国が連邦制をとっているがゆえに設けられた規定であって、憲法の最高性を定めた規定ではないのである。 第二の注意点は、連邦法が﹁最高法﹂とされているのであるが、連邦法がオールマイティに州法に対して優位であるわけではないことである。連邦政府は限定権限の政府であり、合衆国憲法によって委任された権限の範囲内でのみ、対立する州法に対して優位であるに過ぎないのである。連邦政府に委任されていない事項については、州政府が主権的存在としての州の統治権を行使するのである。
2 連邦法による専占 連邦法と州法が対立する場合、連邦法による専占の法理によって調整がなされる。連邦法の専占が生じるのは、大別して明示的専占と黙示的専占に分けられる。明示的専占とは、連邦の法律が明文の規定を置いて、特定の規制分野や規制事項については、連邦の法律による規律のみが許されることを明確にしている場合である。連邦の法律が明示的専占の規定を定めることは、後述の専占否定の推定則(presumption against preemption )が存在するゆえに極めて珍しい。その数少ない明示的専占の規定が、二〇一二年の最高裁判決、Arizona v. United Statesで問題となった連邦移民法の雇用主処罰規定に見られる。 明示的専占に対する黙示的専占は、連邦の法律には明文で専占の規定があるわけではないが、法文の解釈から連邦法 二二八六
( )アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制同志社法学 六四巻七号二六一 による専占が導かれるものである。黙示的専占は、さらに連邦法と州法の効力の広狭により、領域専占(fieldpreemption )、障害専占(obstacle preemption )、および非両立専占(impossibility preemption )に分類される )₂₈
(。領域専占は、一定の法的規律分野について連邦法による規律のみが認められると考えられる場合に、その分野を規律する州法が無効とされるものである。障害専占は、連邦法の政策目的とすることが州法の存在によって阻害されると考えられるときに、当該州法を無効とするものである。また、非両立専占は、連邦法と州法の具体的な条項が内容として抵触しており、一方の条項を実施しようとすれば、物理的に他方の条項の実施が不可能と考えられるときに、州法の条項が無効とされるものである。 連邦法の効力が広くみとめられる順に、領域専占、障害専占、非両立専占となる。この黙示的専占の概念分類は、研究者によるものであって、必ずしも判例でもこの概念が用いられているとは限らない、また研究者によってもこれらの黙示的専占の分類は異なった意味で使われることがあり注意を要する。
3 州のポリス・パワーによる外国人規制 州政府には州民の健康、安全、福祉、および道徳を維持増進するための権限としてポリス・パワーが存在する。この権限は州の一般的統治権の帰結であり、当該州の領域およびそこに居住する者に適用される )₂₉
(。このことは、州政府がポリス・パワーの行使によって外国人を規律することができることを意味する。連邦法による外国人の規律と競合して、州法による外国人の規律が存在することになる。両者が対立する場合は、連邦法が優越するわけであるが、合衆国憲法によって連邦政府に委任されていない権限については、憲法修正第一〇条 )₃₀
(により各州政府に留保されている。この修正第一〇条により州に留保されているポリス・パワーの分野においては、連邦議会の明確な意図が示されていない限り、
二二八七
( )同志社法学 六四巻七号二六二アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制
連邦法による専占を解釈により導き出さないとする専占否定の推定則(presumption against preemption)が適用される )₃₁
(。 したがって、合衆国憲法の解釈により連邦政府の黙示的権限として理解されている移民権限が、専占否定の推定則に基づき、修正第一〇条により留保されている州の権限に劣後することがありうるのである。これは、明示的専占が連邦法による専占を法律明文で定めている場合は州法の効力が否定されることのちょうど裏返しであり、連邦の法律が明文で専占を規定していない限り、州法の効力は維持されるのである。 二〇一二年六月に下された合衆国最高裁の判決、Arizona v. United Statesは、連邦の移民法が既に存在する分野やそれが規律する事項について、州政府がポリス・パワーに基づいて不法在留外国人を規律する法律を定めた事例である。
Ⅳ ア リ ゾ ナ 州 法 に よ る 不 法 在 留 外 国 人 規 制 と 合 衆 国 最 高 裁 判 決
1 Arizona v. United States判決 )₃₂
(の事実関係 メキシコと国境を接し、不法入国者や不法在留外国人の増加に対処するために、アリゾナ州は二〇一〇年に、不法在留外国人の取り締まり強化を内容とする州法Support Our Law Enforcement and Safe Neighborhoods Act(同州議会上院の法案番号S. B.1070 が一般的な呼称)を制定した。同州法は、連邦の外国人登録法の違反に州法による独自の処罰を追加したり、連邦移民法では犯罪とされていない不法就労の外国人を処罰する規定を定めた。連邦政府は、同州法が連邦法による専占に違反するとして、合衆国アリゾナ地方裁判所に提訴し、同裁判所は、同州法が連邦法による専占に違反するとして仮差止命令を下した。合衆国第九巡回区控訴裁判所は、地裁判決を支持し、アリゾナ州は合衆国最高裁判 二二八八
( )アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制同志社法学 六四巻七号二六三 所に事件移送令状による審理を求めた。
2 合衆国最高裁の法廷意見 最高裁はKennedy 裁判官による法廷意見 )₃₃
(において、まず、連邦制度の本質と連邦法による専占の法理について確認する。すなわち、連邦制度は合衆国憲法の中心構造であり、州政府は連邦政府と並んで主権的要素を保持することを述べる。ここで引用された先例はGregory v. Ashcroft 判決 )₃₄
(であり、同判決は州の裁判官に連邦雇用年齢差別禁止法(Age
Discrimination in Employment Act of 1967)が適用されないことを判示したものであった。この判決の引用は、連邦政府と州政府がそれぞれ独立した統治主体であることを確認する趣旨であるといえる。また、連邦法による専占については、Crosby v. National Foreign Trade Council判決 )₃₅
(が引用されている。Crosby判決は、連邦法によるビルマ制裁と州法によるビルマ制裁の抵触について、最高法規条項を根拠として障害専占および非両立専占が認められる限りにおいて州法の効力を否定した。ここで確認されることは、連邦法と州法が抵触しない限り両者の効力が認められることと、両者が抵触する限りにおいて連邦法が優越することである。 Kennedy法廷意見は、次にアリゾナ州法S.B.1070の四つの具体的条項について、連邦法による専占の法理に照らして検討する。まず第一に、同法Section 3 )₃₆
(が連邦の外国人登録法違反を州法での軽罪としたことについて、外国人登録の分野が連邦政府によって領域専占されていることを指摘する。それを根拠付けるために、Hines v. Davidowitz判決 )₃₇
(が引用される。Hines判決は、ペンシルバニア州が独自に外国人登録法を制定したことについて、これを連邦法による領域専占に違反するとして違憲無効とした判決である。S.B.1070のSection 3は、連邦の外国人登録法違反を州の軽罪としたに過ぎず、新たな犯罪の処罰規定を設けたわけではないので、連邦法が処罰する違法行為を州法も処罰するとした
二二八九
( )同志社法学 六四巻七号二六四アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制
だけであるがゆえに、個別の処罰規定だけに着目すれば連邦法と州法の抵触はないと解釈することも可能といえる )₃₈
(。しかし、法廷意見は個々の連邦法と州法の条項の抵触ではなく、より大きな観点で外国人登録という分野が連邦法により領域専占されているとの見解を示し、連邦法の優越性を認めたといえる。 第二に、Kennedy法廷意見は、S.B.1070のSection 5(C )₃₉
()が連邦移民法上で就労資格のない外国人の不法就労につき、これを州法での軽罪として刑事処罰することを定めたことについて、障害専占の考え方をあてはめて無効と判示した。一九八六年に連邦議会は、移民改革管理法(Immigration Reform and Control Act, IRCA)を制定した際に、不法就労については、雇用主処罰の規定を設けたが、不法就労外国人を処罰することは立法化しなかった。その理由は、不法就労外国人の処罰は、不法在留外国人の潜行化を招き外国人搾取を悪化させるだけであるとの判断であった。また、IRCAは、不法就労外国人の雇用主処罰を明文によって連邦法の専占事項と規定した。これらの理由から、不法就労を規制することと、外国人搾取を横行させないという連邦法の趣旨と目的は、Section 5(C)の不法就労外国人処罰が障害となって実現が阻まれると判示された。 第三に、S.B.1070のSection 6 )₄₀
(が、強制送還事由となる犯罪を犯したことを疑う相当な理由(probable cause)があれば、州の法執行官が令状無く逮捕する権限を与えたことについて、法廷意見は連邦法による障害専占に違反すると判示した。その理由は、連邦移民法が外国人の身柄拘束を認めているのは二つの場合に限定されているからである。その一は、外国人に逃亡の恐れがある場合であり、その二は、強制送還を執行するための身柄確保である。これら二つ以外で州の法執行官に逮捕権限を認めることは、連邦政府による強制送還権の行使の障害となると判示された。 第四に、S.B.1070 のSection 2 (B )₄₁
()は、連邦法による専占には違反しないと判示された。同条項は、州の法執行官が外国人らしき者で不法に在留するとの合理的疑い(reasonable suspicion)のある者について、連邦移民法上の在留資 二二九〇
( )アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制同志社法学 六四巻七号二六五 格を調べることを職務上の義務とする。しかし、州の法執行官が連邦政府の管理する在留外国人のデータベースを利用することは、州政府による連邦政府の行政に介入することにはならず、むしろ奨励されるべきことであると判示された。また、この在留資格の確認については、外国人への差別的法執行が懸念されるところから、三つの限定がついていることが連邦政府の政策の障害とならないと判断された。限定の一つは、アリゾナ州の自動車運転免許証またはそれと同等の身分証明証があれば、合法的な在留が推定されることである。限定の二は、州の法執行官が﹁合衆国憲法またはアリゾナ州憲法が許容する場合を除いて、人種、肌の色、または出身国を考慮してはならない﹂とされていることである。限定の三は、在留資格の確認が﹁連邦法の移民規制に合致して、またすべての者の市民的権利および合衆国市民の特権免除を尊重して﹂実施されねばならないとされていることである。
3 法廷意見における専占の法理 Kennedy裁判官の法廷意見における専占の法理は、Section 3については黙示的専占のうち領域専占が適用され、Section 5 (C )およびSection 6 については障害専占が適用された。この判示は、専占の法理の適用において、連邦法と州法の効力関係のスペクトラムについて、連邦法により幅の広い効力を認めるものと特徴付けることができる。つまり、連邦法の規定と州法の規定をピンポイントに対応させて、連邦法の優越性を限定的に認める非両立専占の考え方をとるのではなく、外国人登録という分野での包括的な優越性を連邦法に認める領域専占と、一定の分野における連邦法の政策実現を阻害する州法を否定する障害専占が認められている。このような連邦法により幅の広い効力を認める形での専占の法理の適用については、Thomas裁判官が一部同意一部反対意見において異論を述べている。すなわち、
Thomas裁判官の考えでは、領域専占が認められるためには、連邦議会の立法意思が明確であることが必要であると理
二二九一
( )同志社法学 六四巻七号二六六アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制
解することが近時の判例の方向であるとされる。また、連邦移民法の規定である不法就労外国人の雇用主処罰規定について明示的専占を判示しているところにも、連邦法により幅の広い効力を認める特徴を見出すことができる。 しかし、このような本判決の法廷意見の特徴が、専占の法理の適用についての一般的な判例の傾向に合致しているとは必ずしもいえない。その理由は、まず、専占の法理による連邦権限と州権限の調整は、法分野によって異なるといえるからである )₄₂
(。また、移民法の分野においても、専占の法理の観点からのみで、連邦権限を重視しているか、あるいは州権限を重視しているかは論じられないからである。例えば、本件で問題となった同じアリゾナ州法S.B.1070について、合衆国最高裁は二〇一一年のChamber of Commerce v. Whiting判決 )₄₃
(において、連邦法の専占を否定している。この判決では、就労資格なき外国人を雇用した企業の州内での事業許可を取り消すことを規定した条項が、連邦政府の移民法分野での専占に違反するものではないと判示された。この判決で合衆国最高裁は、当該条項が雇用主に対して制裁を課すという連邦政府の政策と合致するがゆえに、連邦法の専占に違反しないと判示したと考えることができる。
Ⅴ A riz on a 判 決 後 に 残 さ れ た 問 題
1 少数人種の容貌による差別(racial profiling) アリゾナ州法S.B.1070 への最高裁判決後に、不法在留外国人への連邦法および州法による規律について残された問題を若干検討しておきたい。まず第一に、S.B.1070の人種的少数者に対する差別的実施である。最高裁はArizona判決によって、S.B.1070 の条項の中でマス・メディアなどに最も批判された条項であるSection 2 (B )に合憲判断を下した。同条項は、不法在留であることにつき合理的疑いのある人物に対する、連邦法上の在留資格の確認義務を州の法執行官 二二九二
( )アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制同志社法学 六四巻七号二六七 に課すものである。この条項はその運用如何によっては、ヒスパニックらしき容貌の人物に対する人種差別を起こすことが、大きく懸念される )₄₄
(。しかし、Arizona 判決ではS.B.1070 の合憲性について、連邦政府が専占の観点から争点を提起したに過ぎず、同法が適用された場合の人種差別は争点とされなかった。 少数人種の容貌による差別については、一九七五年のUnited States v. Brignoni-Ponce 判決 )₄₅
(によって合衆国最高裁は、移民法の執行において連邦移民法上の資格を質問するだけの合理的疑い(reasonable suspicion)があるかどうかの判断で、容貌を考慮要素とすることを許容する判決を下している。しかし、Brignoni-Ponce 判決の先例価値は、近年疑問視されている。例えば、二〇〇〇年の合衆国第九巡回区控訴裁判所のUnited States v. Camargo判決 )₄₆
(では、合衆国市民権を有するヒスパニック系人口の急激な増加によって、ヒスパニック系らしき容貌と外国人であること、いわんや不法在留外国人であることとは高い蓋然性では結び付かなくなっており、人種的容貌を移民法上の資格の合理的疑いの考慮要素としてはならないと判示されている。 Section 2(B)の有効性が、専占の観点から認められ、同条項は今後実施されることになる。その過程で、平等保護の観点から同条項の合憲性が争われることは必至である。
2 人種差別撤廃条約の適用可能性 同じ平等保護の観点から検討すべき問題は、国内法の観点からだけでなく、国際法の観点からも残っている。アメリカ合衆国は、一九九四年に人種差別撤廃条約を批准しており )₄₇
(、締約国として同条約の遵守義務を負っている。連邦議会上院は、条約の承認に際して同条約がそのままの形では裁判所による適用が出来ない非自動執行条約であるとの理解を表明した。条約の自動執行性についての現在の合衆国最高裁の判例は、議会の表明する意思を重要視する解釈をとって
二二九三
( )同志社法学 六四巻七号二六八アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制
いるが )₄₈
(、裁判所は独立した法の解釈機関として具体的訴訟の中で同条約の該当条項について自動執行性の結論を導き出すことも考えうる。 人種差別撤廃条約の自動執行性の判断が得られれば、同条約は文面上中立的な法規定に対して、文面上差別的な法規定と同様に厳しい平等性を要求するゆえに、合衆国憲法修正第一四条の平等保護条項の解釈よりも厳しい基準が適用される余地があると指摘される )₄₉
(。
3 親に連れられて不法入国した子に対する強制送還の留保 合衆国最高裁がArizona判決を下した一〇日前である二〇一二年六月一五日に、Obama大統領は、親に連れられて不法入国した子に対する強制送還を留保する行政指針を表明した )₅₀
(。Scalia 裁判官は、Arizona 判決において係属事件と全く関係がないにもかかわらず、極めて異例にその一部同意一部反対意見において、大統領のこの行政指針に厳しい批判を展開している。 この大統領の決定は強制送還を留保するだけであり、不法在留者の合法化ではなく合衆国市民権の取得につながるものでもないが、要件に該当する者は七〇万人に上ると推計されており、連邦移民法の執行、特に不法在留外国人の処遇について大きな影響を与えるものであることは否定できない。また、Arizona判決によって有効性が確認されたアリゾナ州法の下での、州法執行官による在留資格の確認にも混乱を招くことが考えられる。 二〇一二年一一月には大統領選挙を控え、Obama大統領の行政指針の表明はヒスパニック系市民の票を獲得する選挙目当ての決定であると批判されている。現在の不法在留外国人の多くを占めるヒスパニック系移民は、農業労働者でもある。不法在留外国人の問題は、連邦政府による規制と不法在留者を多く抱える州政府による規制の抵触という連邦 二二九四
( )アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制同志社法学 六四巻七号二六九 法による専占という法的問題の次元を超えて、ヒスパニック系市民の投票をいかに囲い込むかという極めて政治的な色彩を帯びてきている。また、不法在留外国人の問題は、伝統的に親移民の民主党に対して、既成秩序における富裕層を支持基盤とする共和党という図式的な二大政党の対立を超えて、農業労働者に依存する農場主が支持する共和党にとっても外国人労働者の確保のあり方に関わる重要な政策課題である。 合衆国最高裁のArizona判決後も、連邦移民法に加重した州法による外国人規制の多くは未だ司法判断が下されていない。Arizona 判決によって合憲性が維持された外国人の在留資格確認の制度が差別的に運用されないか、人種差別撤廃条約の適用可能性はないのか、親に連れられて不法入国した子の在留資格の調整の問題等、今後とも移民法の分野における司法判決や、連邦レベルと州レベルの立法の動向、さらには大統領選挙の結果がどのような変化をアメリカ合衆国の移民政策にもたらすのかが注目される。
(
( U.S. CONST, art. VI, cl. 2.1)
( U.S. CONST. amend. X.2)
( l.tmx.hdein e/ts/spictoesimefencrejep/r/toomubmcts/i/imesigration-and-emigration/.cim.Y., , Nyt, Sep. 12 T20, http://topics.n12digaration antio EmigranImIMESm3)
( .7010S.B及へわ行で称呼ののは言てに的般一れお同こ。るい用をりれもていおに稿本、法 7010.S.B4修出、がるあで号番案法たれさ提リに院上の会議州ナゾリア、はアゾ正立を受けて、上) 両院を通過成しナている。ので院下はで会議州下 &T M, H. M A, D A AAOOIKINELHMFASRLEXEFADIARUMOTOSHVOIRINTRAIDN5限いの合衆国憲法上連の根拠に邦つて) 献移民、照参を文はのの次、府政権 MARYELLEN FULLERTON, IMMIGRATIONAND CITIZENSHIP: PROCESSAND POLICY, 7THED. 188-194(2012).(
U.S. CONST. art. I, 6)
( §8, cl. 4. .linmes MadisonCto-n Rossiter ed. 1961Ja710ATHE FEDERLIST No. 42, at 277) )(()
二二九五
( )同志社法学 六四巻七号二七〇アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制
(
h un oax T aut, bhtig end aeddr huthtig endsaou thner oea Yheo tr dy mionoac eors faroll deng tdineexct en, aytiortapomh Iucn sd osepome i br tpr eers nteta Shef t onys a anssoh Ps ucf sn otiortapomr In otioraig Mowxisheotesgron Chey td bitehibroe p b ntinallshit, dmo ar tperok phinll thag s“T8)
Perso
n.” U.S. CONST. art. I,
( §9, cl. 1.
( n J6, effective oant. . 1, 1808.42ta, A2, 33h. , C0718 S2charf M oct9)
( 10U.S. CONST. amend. XIII.) 11U.S. CONST. art. I, )
( §8, cl. 3.
( 1248 U.S. 2831849.) ()
( 13112 U.S. 5806001884., ) ()
( 14314 U.S. 1601941.) ()
( 15U.S. C. amend. XIV.ONST)
( 1631so.ginrrcuon cJ.,n, ck4218, 016. .S UJa) () 17U.S. Const. art. I, )
( §8, cl. 11. 18U.S. Const. art II,)
( §2, cl. 1.
( 19A, tat. 570; Act of July617, I98, Ch. 66, I Stat. 577. S58lie17n and Sedition Acts of 98, Act of June 25, 1798, Ch. ) 20U.S. CONST. art. I, )
( §8, cl. 3. 21U.S. CONST. art. I, )
( §8, cl. 10. 22U.S. CONST. art. I, )
( §8, cl. 11. 23U.S. CONST. art. II, )
( §2, cl. 2. 24U.S. CONST. art. II, )
( §3.
( 25142 U.S. 6511892.) ()
( 26299 U.S. 3041936.) ()
r ts, oawe Lmreup shee t ballshteheta Sednit Uhef ty orithoutundef t Lhe sg hiny Tany, eber thndoue bll bhateantay Serevn s igeude Jthd and; A 27adhell bhah shics wteta Sednit Uf te, s oaw Lhed tann, tioituston Ce me ihisieade mll bhah shic wore, ads matn Prell Td aanf; eoer thceansuur“T) 二二九六
( )アメリカ合衆国憲法における移民権限と州法による外国人の規制同志社法学 六四巻七号二七一 in the Constitution or Laws of any State to the Contrary notwithstandin
( g.” U.S. CONST. art. VI, cl. 2.
( 28. TT, AMERICAN CONSTITUIOIBNAL LAW11773d ed. 2000.ER HRe.g., LAU1ENCE意類)別は論者に(よってこ味が異なる) とに注意、のこ 29HEWO PEICLO PE, TDNUER FSTNRER)
( §3, at 31904.() 30U.S. Const. amend. )
( Ⅹ.
( 31E.g., R.4719821. .S U133p.,r Ctovalee E Ftaan. Se vicor) ()
( 32132 S. Ct. 24922012.) ()
( anagK参提部同意一部反対意見を示不。れ。加裁判官は審理一 33yelitThourastsAoarGinreBsbermaliScSotomayorgobR席よ法、はびお裁に、官首廷意見判官、) 、各裁判官が同調。、ぞおよび各裁判が、それ、
( 34501 U.S. 4521991.) ()
( 3553en1. .S U22, gd24 O v.ns0boib18G00 U.S. 36320. も。るるいてれさ(用引)例あの()ここでは連邦法と州法関で係についての歴史的) 判決先 36Ariz. Rev. Stat. Ann.)
( §13-1509AWest 2011.()()
( 37312 U.S. 521941.) ()
( 38ScSealiioct3n a反邦法の専占違はてないと指摘する。連の一意部同意一部反対見つは、官判裁) にい 39Ariz. Rev. Stat. Ann.)
( §13-2928CWest 2011.()() 40Ariz. Rev. Stat. Ann.)
( §-3883A513West 2011.()())(
41Ariz. Rev. Stat. Ann.)
( §-1051B11West 2012.())(
( 晶製カリメア﹃智物藤佐、ていつに造責展一。照参)年一〇任二、堂文弘﹄(法開 42208520. . .J. L G88, 00h, in. Dt Die, Vthe Law Reassessing PreemptionEOgenerallySee of 野(法の連邦法に) る専占の理での分の法任責物造製)よ
( 43131 S. Ct. 19682011.) () 44, tina M. CampbellrisKArizona 1070: the Road to S.B. 1070: How Arizona S.B. became いのヒスパニック系の者へ人) 種差別の問題につ、はて Ground Zero for the Immigrants’ Rights Movement and the Continuing Struggle for Latino Civil Rights in America,14 HARV. LATINO L. REV. 1(2011).(
45422 U.S. 8731975.) ()
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