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地下空洞型処分施設性能確証試験における

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Academic year: 2022

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地下空洞型処分施設性能確証試験における

底部・側部埋戻し材施工確認試験に関する検討(その1)-施工確認試験の概要-

(財)原子力環境整備促進・資金管理センター 正会員 ○窪田 茂(現大成建設) 石橋 勝彦 寺田 賢二 鹿島建設(株) 正会員 福田 勝美 広中 良和 大成建設(株) 正会員 根木 政広 清水建設(株) 正会員 杉橋 直行 東電設計(株) 正会員 鈴木 康正 新井 慶将

1.はじめに

地下空洞型処分施設は,発電所廃棄物の余裕深度処分などを対象として具体的な検討が行われているところ である.低レベル放射性廃棄物のうち放射能レベルの比較的高い廃棄物の処分を対象としていることや,地下 50m以深の地下空洞に建設する処分施設であるために,これまでの地表からの処分施設の建設とは異なる設計 や施工技術等が必要とされている1).人工バリアについては,目標性能に基づき材料選定及び施工方法の検討 が行われているが,構築されたバリアが所定の性能を確保されること並びに実際の施工でも安全かつ確実に施 工が可能であることを確認する必要がある2).そこで,地下空洞型処分施設のうちの底部及び側部埋戻し材を 空洞内において実規模大での施工を行い,施工性の評価や施工時の品質確認等を行った.本項では,底部・側 部埋戻し材施工確認試験の概要を紹介する.

2.底部・側部埋戻し材の構造概要,使用材料

埋戻し材は,人工バリアと空洞の隙間を埋め戻す材料(図-1参照)であり,セメント系材料,土質系材料 などの選択肢がある.本試験では,人工バリアを構築する前に予め側部の空間を埋め戻す計画としたため,

自立性のあるセメント系材料を使用することとした.また,構造安定性を確保する必要性から鉄筋コンクリ ート構造とし,側部を底部及び奥部の鉄筋コンクリートと剛結させる構造とした.内空寸法は,幅 13.55m,

高さ10.89m,奥行き16.1mである.

実際の処分施設においては,処分空洞の 奥行き延長が相応に長くなると考えられる ため,例えば移動式型枠を用いてアーチ部 にもコンクリート構造物を施して,閉合し た構造形式が採用されることも考えられる.

本試験では,奥行き延長が短いため,移動 式型枠を用いないこととし,アーチ部を閉 合させない構造形式を採用した.また,埋 戻し材の後に施工される緩衝材への滴水対 策のために防水シ―トを空洞全周に予め設

置した.このような構造形式を採用したことによって,コンクリート打設中の型枠の変形を抑えるための型 枠の反力は,型枠の内側に埋め込んだ鋼材から取ることとした.また側部・奥部の埋戻し材については打設 リフトをそれぞれ4分割,及び3分割して施工を行った.

使用したコンクリートの配合条件を表-1に示す。基本的には有スランプコンクリートを採用したが,側部 埋戻し材の最上部リフトについては,空洞形状の制約から締固め作業が困難になることが予想されたため自 キーワード 放射性廃棄物,セメント系材料,品質管理,地下空洞型処分

連絡先 〒104-0052 東京都中央区月島 1-15-7 TEL 03-3534-4511 FAX 03-3534-4567 図-1 人工バリア構成要素 CS05-24 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

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己充填性のある高流動コンクリートを採用した.

表-1 コンクリート配合条件

目標性状 配合条件 単位量 (kg/m3)

粉体 P 結合材 B スランプ

or スランプ フロー(cm)

空気量 (%)

W/B (%)

W/P (%)

W LPC FA 膨張材

石灰石 微粉末

粗骨材 細骨材 混和剤

(%) スランプ型 18±2.5 2.5±1.5 45 32.5 175 272 117 150 812 819 P×0.9 高流動 65±5 2.5±1.5 45 26.4 160 229 107 20 249 824 780 P×0.8 LPC:低熱ポルトランドセメント,FA:フライアッシュ

3.試験概要

本試験では,施工性確認,初期性能確認,施設挙動計測を実施した.

施工性確認として,コンクリートのフレッシュ性状,鉄筋加工・組立等の施工性,型枠に作用する荷重,

出来型精度などの確認を行った.側部埋戻し材のコンクリートの打設作業状況,埋戻し材の完成状況を,そ れぞれ写真-1及び写真-2に示す.

初期性能確認として,強度・変形特性,ひび割れ特性,化学的安定性等の確認を行った.先に述べたよう に側部埋戻し材には構造安定性が求められ,設計で考慮した必要な強度(30N/mm2以上)を確保することを 主たる要求機能として設定した.強度特性については,必要とされる強度を十分に上回ることを確認すると ともに,材料が経験した積算温度と強度とは相関が高いことを確認した.

施設挙動計測として,底部・側部・奥部にそれぞれ3測線を設定し,温度,応力(コンクリート,鉄筋),

ひずみ等の計測を実施し,引き続き計測を実施中である.

4.まとめ

地下空洞型処分施設における底部及び側部埋戻し材を対象に,施工性確認及び構築された施設の品質確認 等の諸試験を実施し,所要の品質の埋戻し材を確実に施工できることが確認された.個々の試験の詳細内容 についてはそれぞれの論文を参照して頂きたい.また,底部・側部埋戻し材構築完了後に,引き続き人工バ リアの施工確認試験を継続中である.なお,本報告は経済産業省からの委託による「管理型処分技術調査等 委託費(地下空洞型処分施設性能確証試験)」の成果の一部である.

参考文献

1) 坪谷隆夫,寺田賢二,松村勝秀,大沼和弘,窪田茂:地下空洞型処分施設性能確証試験-計画概要-,

土木学会第62回年次講演会,CS5-073,2007

2) 堀江正人,広中良和,中越章雄,山本卓也,西川洋二:余裕深度処分における人工バリアの現場施工性 確認試験の全体計画

写真-2 底部・側部埋戻し材完成写真 写真-1 底部・側部埋戻し材施工状況

CS05-24 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

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参照

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