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トンネル坑口部発破掘削による周辺環境保全対策の施工実績報告

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Academic year: 2022

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(1)

トンネル坑口部発破掘削による周辺環境保全対策の施工実績報告

鹿島建設㈱ 正 会 員 ○佐久間 啓吾 鹿島建設㈱ 非 会 員 花輪 守 鹿島建設㈱ 正 会 員 西川 幸一 鹿島建設㈱ 正 会 員 乙竹 俊彦 東日本高速道路㈱ 東北支社 鶴岡工事事務所 正 会 員 芳賀 伯文

1.はじめに

温海トンネルは、日本海沿岸東北自動車道における 山岳トンネルであり、当工事は南側を坑口とし、坑口 付近から硬質な粗粒玄武岩が存在している。坑口部に おいて発破工法で掘削する際、坑口周辺にある小学校 及びアパート等に与える騒音・発破振動・低周波音の 影響が懸念された。

そこで、発破掘削による周辺環境の影響を推定し、

騒音・発破振動・低周波音の推定値が管理値を超えな いための低減対策が必要となった。本講では対策の施 工実績を報告する。

2.工事概要

工事名 :日本海東北自動車道温海トンネル南工事 工事場所:山形県鶴岡市大岩川~山形県鶴岡市温海

(全長6.022kmのうち1.6km)

3.発破による影響予測

(1)発破音と発破振動の管理値の設定

騒音レベルは、道路に面する地域のうち『2 車線以 上の車線を有する道路に面する地域』の基準値を管理 値とした。なお、管理点 A は小学校であることから、

昼間の管理値のみ対象とし、管理点 B のアパートにつ ては夜間の管理値を対象として検討した。(図-1)

低周波音レベルは、人が不快感を感じないとされる 90dB を管理値とした。振動の変位速度は、発破掘削工 法に関する研究報告文献で、振動の規制値例として最 も多い 0.2cm/secを管理値とした。設定管理値を表-1 に示す。

(2)発破掘削による影響予測

着工前に起点側坑口部に近接する小学校(管理点 A、

離隔距離 67.4m),アパート(管理点 B、離隔距離 195.5m)

について、発破掘削による影響予測を検討した結果、

最低限必要なものとして遮音塀(h=3m)、防音扉 2 基に て掘削を進めることとした。

トンネル発破による発破音(騒音レベル、低周波音 レベル)の推定には、船津氏より提言されている推定 式、振動速度については、日本化薬の推定式、振動レ ベルについては、振動速度:V と振動レベル:VL の関 係式(VL=20logV+83)を用いた。

4.周辺環境への対策

影響予測の結果から、2 基の防音扉を設置できるト ンネル坑口部からTD=40mまでは、大型ブレーカーを 使用した機械掘削、TD=40m以降は制御発破掘削とし、

最終的に、当トンネルの CⅠパターンの標準発破(全 断面発破1.5m進行:108.8kg(0.8kg/m3))で管理値に おさまったSTEP5のTD=149.5mまでの109.5m区間実 施した。

表-1 騒音・振動・低周波音の管理値

図-1 管理点と坑口との位置関係

時間区分 昼 夜

騒音 60dB 55dB 振動レベル 69dB 69dB

振動速度 0.2cm/sec 0.2cm/sec 低周波音 90dB 90dB

適用 管理点A 管理点B

VII-67

土木学会東北支部技術研究発表会(平成19年度)

(2)

STEP1:多段発破

『上下半分割 1.0m進行:53.2kg / 1発破(0.8kg/m3)』 音源対策として斉発薬量の調整を行った多段発破

(DS・MS雷管を使用しての22段発)は、1発破の段 数を多くすることは、斉発薬量を減少させることにな り、若干の低減効果が見られたが、86dBの推定値を超 えたため、進行長1.0mの上下半分割発破から全断面発 破へ移行出来なかった。

STEP2:多段発破+土のう積み

『上下半分割 1.0m進行:53.2kg / 1発破(0.8kg/m3)』 伝搬経路対策として防音扉の面密度(kg/m2)増やす ことにより、減衰量の増加を狙い防音扉の背面に高さ 4.0m、幅2.5m、奥行き1.0m(砂10m3)を開閉扉の 両側に土のう積みを設置したが、0.5dB 程度と効果は 小さかった。

STEP3:超多段発破

『全断面 1.0m進行:72.2kg / 1発破(0.8kg/m3)』 非電気式雷管を使用した超多段発破(116段発)は、

多段発と考え方は同様であるが、より斉発薬量を減少 させたことで、低減効果は低周波音で3dB程度の中程 度の効果が得られた

STEP4:防音扉の追加と低周波音周波数の制御

『全断面 1.5m進行:108.8kg / 1発破(0.8kg/m3)』 最終段階として、CI等級の地山を標準発破で掘削す るには騒音で3dB、低周波音6dB以上の低減量が必要 なことから、防音扉(3基目)を追加することとした。

合わせて防音扉間隔による透過低周波音周波数を 制御することで低減できる方法を検討した。

防音扉を透過しやすい周波数は、防音扉の間隔を

L(m)、音速を C(≒340m/sec)とすると、f(Hz)=

C/2L で表され、1 基目と 2 基目の設置間隔は10mであ

ることから、透過しやすい周波数は17(Hz)でこの整数 倍が透過しやすい周波数となる。低減効果を高める為 に設置間隔10mで比較的透過しにくい周波数帯に、追 加する3基目の防音扉の位置を透過しやすい周波数帯 となるように設置間隔を25mとした。

防音扉3基は、施工例は少なく、騒音42dB・低周波 音40dB程度の低減効果があったことからSTEP5の標 準発破に移行した。

(dB) 差 (dB) 差

1基設置 - -10 - -14 -

2基設置 10m -25 -15 -24 -10

3基設置 25m -42 -17 -40 -16

防音扉 設置 間隔

騒音 低周波音

5.おわりに

様々な発破音に対する対策を実施してきたが、発破 音に効果を発揮するのは現時点では防音扉が特に有効 的である。これらの対策を実施したことで、周辺住民 や小学校から苦情が出ることもなく工事を進めること が出来た。

防音扉はコスト面では不利な対策となるが、扉の設 置間隔や、移設を伴う防音扉の構造に工夫をし、周辺 環境、工事工程、コスト等のバランスがとれれば、非 常に効果的な対策となる。

参考文献

1) 日本火薬工業会:あんな発破こんな発破 発破 事例集、平成 14 年 3 月

STEP1 STEP2 STEP4 STEP5

全断 面発 破 全断 面発 破 全断 面発 破 全断 面発 破 1.0mm 進行進行進行進行 多 段発 破

多 段発 破 多 段発 破

多 段発 破 超多 段発 破超多 段発 破超多 段発 破超多 段発 破 標準 発破標準 発破標準 発破標準 発破

土 の うの うの うの う 積積 み 防 音扉

防 音扉 防 音扉

防 音扉 22 基 防音 扉防音 扉 3防音 扉防音 扉3 基

上 ・・ 下半 分 割発 破下半 分 割発 破下半 分 割発 破下半 分 割発 破 1.0mm 進行進行進行進行

全 断面 発破 全 断面 発破 全 断面 発破 全 断面 発破 1.5mm 進行進行進行進行 STEP3

対策 対策対策 対策

90 dB 89 dB 88 dB 87 dB

85 dB

83 dB 84 dB 86 dB

82 dB

多段発破 推定値

標準 推定値

多段発破

推定値 写真-1 防音扉(3基)

表-2 防音扉3基設置による低減効果の実績値 図-2 防音扉坑内配置図

グラフ-1 周辺環境対策の推移(低周波音)

土木学会東北支部技術研究発表会(平成19年度)

参照

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