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小豆島の翼手類5種の報告-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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(1)

香川生物(Kagawa Seibutsu)掴:23−26,1983・

小豆島の巽手類5種の報告

森 井 隆 三

〒762 坂出市文京町2−1−5 香川県立坂出高等学校

Notes on Five Bats from Sh6doshimaIsland,Kagawa Prefecture

Ryaz6MoRII,Sakaide SeniorHighSchool,Bunky6−C吼Sakaide762,Japm

Abstract:The following fourIbats ar’e COllected fr.om theIs・Of Sh石doshima,

Kagawa Pr・ef・,Japan:Rhinolophus comutus Temminck”1835,R。fbrmequinum

(Schreber,1774),Myolis macrodactylus(Temminck,1840),and Miniopterus

juiginosw(Hodgson,1835)・By theinformation obtained byinquir・y,itis clear

that Pipistrellus abramus(Temminck,1840)inhabits at7 among19localities of

theisland.M.macrodactylus and Plabramus ar・e the fir・St r・eCOrId appear・edin

the faunalliter・atureS Of theislaI〕d.

大きな小豆島(面積152kⅡP)である(図1)。 小豆■島は周囲約140kmで,島の東方に最高峰の 屋ケ城山(標高8167m)がある。その南側中 腹に寒霞渓があり,昔金鉱が出るということで 掘った廃坑がある(図2−D)。この廃坑は上 下2つの穴からなっており,下は長さが短かく (約50m),上は長い(約300m)。この廃坑 の最深部は行きどまりで,水たまりとなっている。 は じめに 小豆島の巽事績についての断片的な報告には, 岡田(1955)および森井(1967)がある。岡田 (1955)は,内海町の寒霞渓の廃坑で,コキク ガシラコウモリ月.coγ花%孟髄8 とユビナガコウ モリ〟.カ止柑れ0紬βを観察し記録している。 森井(1967)は,岡場所でキクガシラコウ、モリ 凡ノ’¢γγ%刑β曾‰古雅耽仇を追加している。 筆者は1982年8月15日と11月23日の二度にわ たり寒霞渓の1つの廃坑を調査し,同時に聞き 込み調査もおこなった。その結果,小豆島とし ては新しく2種を加えることができたので,今 後の資料のために報告する。 稿をはじめるに先だち,現地での案内と調査 に協力いただいた香川県立小豆島高等学校の生 物部貞,香川県立坂出高等学校の福岡幹己君, 伊藤彰君,聞き込み調査に御協力いただいた香 川県立土庄高等学校の山下昌穂先生,香川県立 小豆島高等学校の九富昭久先生および片本毅先 生に感謝致します。また,稿閲と有益な助言を いただいた香川大学教育学部生物学教室の金子 之史先生に謝意を表します。 調査地域および方法 今回の調査地は瀬戸内海では淡路島についで 134●t5,亡 図1小豆島における調査地点.、○寒霞渓の廃坑 口聞き込みによってアブラコウモリの生息が 確認できた地点.×聞き込みによってアブラ コウモリの生息が確認できなかった地点.. −23 −

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(2)

図2 A:冬眠中のコキクガ■シラコウモリ.B:冬眠中のキクガシラコウモリ・C:冬眠集団中の コキクガシラコウモリに混接して冬眠しているモモジロコウモリ(中央の3頭).D:寒霞渓 の廃坑の入口. 体が約120頭観察された(図2−A)。 岡田 (1955)は11月6日に約30頭を観察している。 今回のような多くの個体数および冬眠状態のコ キクガシラコウモリが観察されたのは香川県内 では初めてである。今までの香川県内における 分布と個体数の観察払 高松市の屋島の洞窟で, 1964年,1968年,1969年,1970年および1974年 にそれぞれ数頚,綾歌郡国分寺町の廃坑で1974 年2頭と1981年に1頭である。 採集されたコキクガシラコウモリ9頭の個体 別外部形態の測定値を表1に示した。 キクガシラコウモリ Rhinolophus fermquinu7n(Schreber, 1774) 1982年8月15日の調査時には約50頭が観察さ れた。同年11月23日の調査時には冬眠中(図2 コウモリの採集は捕虫網でおこなった。採集 された個体の体重は上皿天秤で0.1gまで,外部 形態は物さしで0.1mmまで測定した。聞き込み 調査はアンケートに答えてもらう方法(24人) と,直接住民に確かめる方法(12人)でおこな った。 結果と考察 今回の調査で以下の5種のコウモリが確認で きた。そのうち,新しい記録としてはモモジロ コウそリ凡才。竹∽Cγ0血c孟yヱ≠Sとアブラコウモリ β。αゐγα仇祝βである。 コキクガシラコウモリ βん五乃OgOpん祝β COγ花≠孟祝8Temmi11Cl{,1835 1982年8月15日の調査では1頭もみつけられ なかった。同年11月23日の調査では冬眠中の個 【24 一−

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(3)

表1小豆島産コキクガシラコウモリf弘よ乃0勧めぴぶCO川“f以ぶ(R・C),キクガシラコウモリ 局./er川me騨よ脇m(R・・f)およびユビナガコウモリ腑九両胸相打舟板血鍾S(M・f) の外部形態の測定値(Ⅲm).

種名誓書 性 欝 郡長尾長前腕長耳介長後足長脛骨長掌骨孟掌骨孟笠骨長

OT 塁T ︿0 ︵0 ︵0 小○ ︵0 ︵0 5098991680219980225089130105929001509 17 1818 18 16 17 1717 1726 25 24 24 23 25 25 24 25 25 24 23 怒 24 23 2425 25 24 24 25 23 23 26 24 ほ 18 ほ 0 6 5 4 0 9 0 0 1 9 0 5 5 8 7 8 9 1 5 5 0 5 5 5 9 0 6 7 8 6 2 0 9 0 8 2 2 9 8 8 8 8 8 9 8 8 11 9 9 9 1 5 1 0 9 1 ︵0 5 0 1 5 8 1 5 9 0 1 0 1 9 6 2 0 0 0 9 1 1 5 5 3 0 5 8 1 0 9 9 7 7 7 7 7 7 6 8 7 7 7 7 6 5 8 7 7 5 6 5 6 6 6 6 4 6 5 6 5 7 6 6 7 7 2 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1

9 〇2 0 〇

一〇1 82 0 0 8 52 0 8 5〇 〇 3 1 51 月 8 Ⅷ Ⅷ 9 5 9 て〇59 ﹂

0 0 0 9 7 0 0 0 0 2 0 9 8 0 9 9 0 7 7 8 0 5 5 7 7 8 8 8 6 8 7 9 8 6 5 5 0150001906106600010009091510802588906 25 24 22 24 22 21 22 19 20 41 40 40 41 40 38 39 35 38 40 37 40 39 37 34 39 40 37 41 3 0590101809206001412510021191555122915 4643 4145賂 43 46 44457372 72 71 6670 刀 67 69 紛 70 6865 67 64687268 72 676863 60 68 67 60 57 57

8506722872︵︾7535894662223322・432264nO709

8 8 7 6 66 6 6 6 27 24 26 28 17 26 26 21 23 24 26 24 25 ㌶ 19 23 26 24 謂 24 21 20 21 23 24 15 18 14 2 0 1 0 0 2 1 9 6 7 2 0 3 3 3 3 3 3 1 5 5 5 0 9 ∩∠ 0 1▲ 0 0 1⊥ 3 3 3 3 3 3 0 2 9 8 8 9 1 9 0 9 8 0 3 2 3 2 2 3 R.c M2779 R.c M2780 R.c M2781 R.c R.c R.c R.c R.c 2 2 2 2 M M M M 7 7 00 ︵×U 2 3 4 5 ︵1.〇 8 7 7

一5 0 9 5〇 1 5 2 0 0 0 3 5 1〇 Ⅷ 9 7 β〇9 1 ﹂〇 〇 う 17 11

31 32 46 47 47 魂 44 47 46 46 46 45 45 亜 46 44 彪 43 亜 44 亜 44 45 46 46 47 46 36 37 36

、29 j 92 牒5 9 8O j l2 牒 5〇 1 0 0 1 ﹂ 6 牒 5 〇〇 う ぅ9 ﹂

31 30 44 45 45 43 彪 43 45 44 44 44 43 43 44 42 吸 42 43 44 46 42 亜 44 44 45 44 40 40 謂

一8 1 5 j l づ 0 1 9〇5 1 0 6 β51 Ⅷ 1 81 0 9 5 2 5 8 月 2 2

30 29 39 40 朝 粥 38 40 40 40 39 39 39 39 39 37 36 37 40 39 40 39 お 38 37 40 39 41 41 40 6 8 7 M ♀ ♀ ♀ 立T ♀ QT OT ♀ ♀ ︿0 R.c M2787 R.f M2744 R.f M2745 R.f M2746 R.f M2747 R.f M2748

R.f M2749

R.f M2750 R.f M2751 f f f R R R 5 2 7 ︿0 3 5 7 ♀ GT 4 5 7 R.f M2755 ︿○ ︿0 ︿0 6 7 8 5 5 5 7 7 7 2 2 2 M M M f f f R R R OT ♀ R.f M2759 R.f M2760 ︿0 ︿0 1 7 6 7 7 7 R.f R.f ♀ ♀ ♀ 谷 ︿0 ︿○ ︿○ ︿0 ︿0 R.f M2778 R.f M2788 R.f M2792 R.f M2793 R.f M2794 R.f M.f M.f M.f 5 9 0 1 9 8 9 9 7 7 7 7 2 2 2 2 M M M M 25

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(4)

調査が待たれる。香川県内では,観音寺市や高 松市に多く生息している。 ユビナガコウモリ 腑知和両肌娼力妬頼槻闇(Hodgson,

1835)

1982年11月23日の調査では,3頭が集団をつ くらずに単独で冬眠をしていた。岡田(1955) は11月6日に約10頭観察している。香川県内で は,高松市の屋島の洞窟や満濃町の塩入り随道 に多く生息している。 採集されたエビナガコウモリ3頭の個体別外 部形態の測定値を表1に示した。 なお,この種の学名については,前腕長と脛 骨長の測定値からみてMaeda(1982)に従った。 摘 要 1982年8月15日と11月23日の二度にわたって 小豆島の寒霞渓の1つの廃坑と聞き込み調査を した。その結果,新しくモ・モジロコウモリ肱 血α¢γ0(ねc£yJ%8とアブラコウモリAαるγα棚 の2種が記録され,小豆島のコウモリとしては 5種が確認された。島の大きさから考えると, 多くの種が生息していると考えられる。 引用文献

Maeda,K.19821Studies on the classifi−

cation of Miniopterusin Eur・asia, Austr・alia and Melanesia。Mam仇aLian

β¢宜β彿Cβ(飢明両肌㈹り(1):1−176. 森井隆≡.1967.香川県産のコウモリ数種にい て.香川生物(3):21−23。 岡田康稔.1955“小豆島の哺乳類1・大阪市立自 然博物館(編),小豆一島の自然:14−15・香 川県小豆郡内海町役場,香川県小豆郡内海町。 −B)の個体が約25頭観察された。森井(1967) は8月に教頭観察している。香川県内でこの種 が多く生息しているのは,今回の小豆島と三豊 郡大野原町の随道である。他の地域では,高松 市の屋島の洞窟,仲多度郡満濃町の塩入り随道 と国分寺町の廃坑等で教頭が観察されている。 採集されたキクガシラコウモリ25頭の個体別 外部形態の測定値を衰1に示した。 モモジロコウモリ Myotis 刑aCrOdactylus(Temminck,18

40)

1982年11月23日の調査で,コキクガシラコウ モリの冬眠中の集団の中に混接して冬眠してい る3頭が観察された(図2−C)。これは小豆 島における最初の記録である。しかし,この種 を採集しなかった。香川県内では,高松市の屋 島の洞窟や満濃町の塩入り随道に多く生息して いる。 アブラコウモリ Pipislrellus abrα仇W(Temminck,

1840)

聞き込み調査によってこの種の生息が新しく 確認できた(表2)。分布が確認できた7地点 は,す・べて海洋に画しており,標高がOm∼10 mに位置していた。アブラコウモリがどのよう な地域を生息環境として好むかは今後の詳細な 表2 小豆島産アブラコウ・モリアよpよざけegJαS drαm昆ぶの聞き込み調査による生息の 右無と標高 ∴. の無 自ひ 嵐 有 銅00

の無 組有

の点 ∴

図調

図1の 調査地点 南 0−10 5 蒲 生 無 0−10 石 0−10 6 蒲 野 無 20−30 看 0−10 7 書力浦 無 0−10 毛 (卜10 9 日 方 無 0−10 有 0−10 10 神懸通り 無 10−20 有 0−10 12 木ノ庄 無 10−20 2 渕 崎 8 水 木 11 草 壁 13 安 田 14 苗 羽 18 福 田 19 吉 田 有 0−10 15 坂 手 無 0−10

1小 江無 0−10 16 吉 江 無 0−10

3 小鳥越 無 150−1601、7 橘 無 0−10 4 上 庄 無 0−10 ー26−

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