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はじめに 日頃より 県の保健医療施策の推進に御尽力を賜り 厚くお礼申し上げます 国民のワクチンに対する関心は変化してきており その期待は年々高まりをみせています こうしたことを背景として 平成 25 年度は 国 県において予防接種に関する新たな施策を開始しました 国においては いわゆる ワクチン ギ

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(1)

岐阜県予防接種センター相談窓口

Q&A 集

<平成 25 年度>

平成 26(2014)年 3 月 31 日

岐阜県健康福祉部保健医療課

岐阜大学医学部附属病院生体支援センター(NST/ICT)

(2)

はじめに 日頃より、県の保健医療施策の推進に御尽力を賜り、厚くお礼申し上げます。 国民のワクチンに対する関心は変化してきており、その期待は年々高まりをみせています。 こうしたことを背景として、平成25年度は、国、県において予防接種に関する新たな施策 を開始しました。 国においては、いわゆる「ワクチン・ギャップ」の解消に向け、4月から定期接種にHi b感染症、小児肺炎球菌感染症、ヒトパピローマウイルス感染症のワクチンを追加しました。 本県においては、市町村や一般社団法人岐阜県医師会と協議を重ね「岐阜県広域化予防接 種事業実施要領」を定め、県内すべての市町村とすべての地域医師会の参加を得て、4月か ら広域化予防接種事業を開始いたしました。 また、7月には、全国的な風しんの流行を踏まえ、先天性風しん症候群への緊急対策とし て、風しんワクチンの助成制度を設け、市町村と一体となった対策を講じました。 このように予防接種施策については、過渡期ともいえるような状況となっており、今後も 定期接種の対象疾病の拡大は続くことが想定され、予防接種のスケジュールは増々複雑化し、 医療関係者や市町村担当者の知識の向上は一層重要になるものと考えられます。 岐阜大学医学部附属病院に設置された岐阜県予防接種センターにおいて作成されたこのQ &A集は、平成25年度に市町村及び医療機関から寄せられた相談事例をまとめたものです。 定期予防接種のみならず、任意接種も含め、現場で生じた様々な疑義等に対して、医学上の 見地から、非常にわかりやすく適切な対応が示されており、全国に誇れるものとなっており ます。是非、これまで発行されたQ&A集と併せて御活用いただくことで、予防接種事業が 円滑に行われるよう期待しております。 最後に、本書作成にあたって全面的に御協力いただきました岐阜大学医学部附属病院生 体支援センター長の村上啓雄教授ほか、関係の皆様方に深く感謝申し上げ、巻頭のごあい さつといたします。 平成26年3月 岐阜県健康福祉部保健医療課長 有賀玲子

(3)

目次1

★目次

1. MR

Q1 風疹罹患直後の MR 接種の是非 ・・・・・・・・・・・・・・ 2

Q2 麻疹風疹罹患後の MR ワクチンの要否 ・・・・・・・・

3

Q3 MR2 期の接種間隔の乱れ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

2. DPT&DT

Q4 DT 未接種の 18 歳 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

Q5 成人の破傷風トキソイド接種の要否 ① ・・・・・・・ 10

Q6 成人(企業社員)の破傷風トキソイド接種法 ② ・ 12

Q7 DPT1 回未接種で 2 期をすぎた中学生 ・・・・・・・・ 13

Q8 DT 液漏れ接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14

Q9 DT 液漏れ接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15

Q10 外傷後破傷風予防 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

16

Q11 DPT1 期追加に DT0.5ml 接種 ・・・・・・・・・・・・・・・ 23

Q12 DPT0 回からの 2 回のみの DT2 期 ・・・・・・・・・・・ 24

Q13 DPT 不規則接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26

(4)

目次2

3. 日本脳炎

Q14 日本脳炎不規則接種(海外渡航前後) ・・・・・・・・ 28

Q15 日本脳炎不規則接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29

Q16 日本脳炎 18 歳接種さまざまなケース ・・・・・・・・・ 30

Q17 日本脳炎接種歴不明の事例 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 32

4. BCG

Q18 BCG 後接種皮膚無反応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34

Q19 BCG 後腋高リンパ節腫大 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35

5. 肺炎球菌

Q20 小児用肺炎球菌複数回接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 37

Q21 PCV13 補助的追加接種の是非 ・・・・・・・・・・・・・・ 38

Q22 PCV 不規則接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43

Q23 PCV 不規則種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45

6. ポリオ

Q24 不活化ポリオ副反応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 47

(5)

目次3

Q25 ポリオ抗体価の評価と IPV の要否 ・・・・・・・・・・・ 48

Q26 IPV 不規則接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

49

Q27 OPV1 回後の接種計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50

Q28 IPV 不規則接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

51

Q29 ポリオ追加接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

52

Q30 海外留学時の OPV 追加接種の要否 ・・・・・・・・・ 53

7. HPV

Q31 HPV 接種間隔の乱れ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55

Q32 サーバリックス副反応による歩行障害? ・・・・・・・ 56

Q33 HPV1 回目直後の蕁麻疹 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57

Q34 任意子宮頸がんワクチン接種者副反応 ・・・・・・・

58

8. Hib

Q35 間隔不十分での Hib2 回目接種 ・・・・・・・・・・・・・・ 60

Q36 Hib 接種間隔 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61

Q37 Hib 不規則接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 63

Q38 Hib 不規則接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 64

(6)

目次4

9. その他

Q39 ドイツ渡航前の 0 歳児接種計画 ・・・・・・・・・・・・・・ 66

Q40 B 型肝炎ワクチンの対象者 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67

Q41 Hib,PCV-7 不規則接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 68

Q42 定期接種期間を外れた児童における

ワクチン接種(DPT-ポリオ) ・・・・・・・・・・・・・・ 70

Q43 輸血後の予防接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

71

Q44 ロタテック接種後 10 日目で DPT-IPV 接種 ・・・・・ 73

Q45 おたふくかぜワクチン 2 回目 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 74

Q46 74 歳の風疹ワクチン接種の要否 ・・・・・・・・・・・・・ 75

Q47 MR 接種後 26 日で IPV ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 77

Q48 Hib 接種後 4 日で PCV-7 ① ・・・・・・・・・・・・・・・・ 78

Q49 Hib 接種後 4 日で PCV-7 の副反応 ② ・・・・・・・・ 79

Q50 DPT-IPV2 ケ月児に接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

80

Q51 タイから帰国後の接種計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・

81

Q52 DPT-IPV 不規則接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

83

Q53 B 型肝炎不規則接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 84

Q54 DPT-IPV 不規則接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 85

(7)

目次5

Q55 成人の MR か風疹単独か ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 86

Q56 IPV を DPT-IPV で接種 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 88

Q57 フィリピンからの帰国後の接種計画 ・・・・・・・・・・・ 89

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1

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2

Q1 風疹罹患直後の MR 接種 2 期の是非

平成18 年 12 月 22 日生まれ男子(6 歳 2 カ月) MR 2 期の対象者ですが、1 週間前に風疹に罹患しました。 この場合、MR は接種すべきか、もし接種すれば間隔はどの位あけたらよいか教え てください。3 月 31 日で年齢が接種学年を超えてしまいます。

A1

1 週間前ですので、風疹はほぼ治癒に近い状況と思います。麻疹罹患の場合治癒 後 4 週程度、風疹、おたふくかぜ、水痘の場合は治癒後 2~4 週程度、その他(突発 性発疹、手足口病、伝染性紅斑等)の場合は治癒後 1~2 週程度の間隔を空ければ 接種可能とされています。したがって、このお子さんの場合は 3 月下旬には接種可能 となり、3 月 31 日に間に合うと思います。 ワクチンの種類ですが、風疹の診断が確実であればMR でなく麻しん単身でも構い ませんが、風疹を罹患した者にMR ワクチンを接種して全く問題はありませんので、規 定通りの2 期 MR で結構だと思います。

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3

Q2 麻疹風疹罹患直後の MR ワクチンの要否

麻疹と風疹を両方罹患した方は、MR ワクチンを接種してもよろしいでしょうか。

A2

麻疹、風疹の罹患が確実であれば、MR ワクチンの接種は必要ありません。 ただし、現実的には、麻疹、風疹とも罹患情報が確実ではないことが問題です。保 護者の方の勘違いであったり、また主治医の診断も100%確実でなかったりするため、 難しいと思います。 一つの方法としては麻疹、風疹抗体価を測定して判断する方法があります。麻疹は PA 法(128 倍以下が接種対象)、風疹は HI 法(8 倍以下が接種対象、妊娠希望の女 性は16 倍以下が接種対象)で検査するのもよろしいと思います。 一方、本当に麻疹、風疹に罹患した既往があって、MR ワクチン接種を複数回行っ ても、何も問題はありませんので、定期接種の権利があるタイミングなら、抗体検査を 実施するまでもなく MR ワクチン接種をしてしまうというのも一つの考え方です。これが 最も経費がかからず、しかも難しいことを考えなくても済む、大変シンプルで楽な考え 方だと思います。

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4

Q3 MR2 期接種間隔の乱れ

被接種者は、平成21 年 9 月 13 日生まれの現在 3 歳 8 カ月の方で、平成 22 年 11 月2 日に MR 1 期を接種されています。 そして本日、2 度目の MR を接種してしまいました。 MR の 1 期から 2 回目までの接種期間が定期の 1 期と 2 期のように空いていないこ とで、何か身体に影響はありますか。 また、本来の2 期の接種時期にもう一度 MR を接種した方が良いでしょうか。接種し ても差し支えはないでしょうか。

A3

もともと、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘の生ワクチンは 2 ケ月以上の間 隔を空けて2 回接種すべきものです。定期接種の枠組みでは、1 期が小学校入学前 の、2 期が小学校入学後の免疫を想定していますが、今回のような間隔で 2 回接種し たことは医学的には全く問題なく、副反応のリスクは高まることはありません。通常通り の1 ケ月の観察で結構です。 ただし、いずれにせよ今回のケースはわが国の定期予防接種制度上インシデントで あることは間違いありません。今後同様のミスが生じないように、保健センターおよび接 種担当医療機関の職員のみなさんと話し合ったうえで、善後策を反映したマニュアル を確認いただければ幸いです。 ワクチンの再接種は、今回がインシデントと考え、ノーカウントとしていただき、2 期の 接種時期に正しく追加していただくことをお勧めします。稀ではありますが、2 回接種 でも発病した報告もありますので、是非2 期は 2 期で接種してあげてください。3 回目 の接種になりますが、副反応のリスクは高まりません。免疫が強くなるのみです。

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5

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Q4 DT 未接種の 18 歳

18 歳 男性 MR4 期接種予定を組みました。 2 混が未接種でした。春から就職で自衛隊入隊の予定です。 2 混の接種漏れなのですが、2 混には、百日咳が入っていませんので、3 混を(MR と同時接種で、)接種しようと思うのですがいかがでしょうか。 そもそもなぜ、小6 の 2 混には百日咳が入っていないのでしょうか

A4

先生のご提案通り、DT より DPT での接種をおすすめします。量は 0.2mL でお願い いたします。自衛隊であればこの時期にBooster がかかることは非常に重要です。 百日咳ワクチン接種の考え方として、幼児期には重症になりやすいためしっかり接 種すべきですが、年長になれば罹患しても重症になりにくいため、外されてくるのだと 思います。また、成人ではこれまで症例数が非常に少なかったこともあろうかと思いま す。 ただし、ご承知のように最近の百日咳症例は成人が多く、成人から幼児に感染させ る機会を増やすことにもつながることから、わが国の DPT 接種の考え方を欧米並みに すべきという議論が出てきています。CDC でも成人時期に DPT で 1 回 Booster をかけ ると記載されているところです。この場合はTdap という、ジフテリアの抗原量を減らして、 副反応を出にくくするワクチンを使用するのですが、わが国では市販されていない(一 部医療機関では輸入製品使用可能)ため、DPT を 0.2mL 接種します。その後のフォロ ーとしてはDT を用いて成人でも原則 10 年に 1 回は接種すべきと記載されています。 わが国で予防接種を長年専門に実施しておられます名鉄病院の推奨でも、成人で は5~10 年毎に DPT 0.2mL で繰り返し追加するべき(職業、スポーツ、海外渡航、環 境などを勘案して)としています。20 年以上間隔が開けば DPT 0.5mL も可能です。 参考までに CDC の成人スケジュールと名鉄病院が公開しているスケジュールにつ いて添付資料としてお付けします。参考になさってください。

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10

Q5 成人の破傷風トキソイド接種の要否 ①

ある企業より、成人(いづれも20 代男性)に対する、破傷風の予防接種の依頼を受 けました。ごみ処理施設やリサイクル処理施設を持つ企業で、新入社員への予防接種 だと思われます。どのような方法で接種すれば良いか、教えてください。 当院で採用している、武田薬品の破傷風トキソイドを既定に則って、初回免疫 0.5mL を 2 回おこない、6 か月以上あけて 0.5mL を追加免疫としておこなえば良いで しょうか。年齢的にも、幼児期にDPT などおこなっていると思われますが、抗体価を調 べることは必要ですか。

A5

20 歳代ですので、抗体検査をするまでもなく、まずご本人達の母子手帳を確認し、 ① DPT-DT シリーズの接種が確認できれば DPT で 0.2mL×1 回接種。 ② 母子手帳で接種記録がない、あるいは不十分であれば DPT で 0.5mL×3 回(1 ヶ月間隔で2 回+6~12 ヶ月後に 3 回目)。 ③ 母子手帳がない場合で過去の DPT-DT 接種歴が確認できない場合であっても、 ②の方法で問題はありません。 破傷風トキソイドは本来治療ワクチンであること、DPT-DT シリーズを接種しているの であれば破傷風トキソイド 0.5mL の抗原量は過量であること、最近成人の百日咳が増 えており(本当は百日咳も10 年毎に接種すべきもので、成人期に抗体価が低下するこ とも原因です。)、成人自身は重症化が少ないものの、成人から乳幼児に感染するリス クを低くするためにも、DPT で、0.2mL×1 回接種するべきです。また、DPT-DT シリー ズを接種していない方は、D と P の免疫をしっかり付けるためにも 3 回の DPT 0.5mL を推奨します。 なお、この回答は名鉄病院の宮津光伸予防接種センター長のアドバイスをいただき 作成しています。ご参考までに、宮津先生から提供いただいた資料を添付いたしま す。

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11

資料

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Q6 成人(企業社員)の破傷風トキソイド接種方法 ②

ある企業より、成人に対する、破傷風の予防接種の依頼を受けました。ごみ処理施 設やリサイクル処理施設を持つ企業で、新入社員への予防接種です。以前回答を頂 きました通り、母子手帳を確認して頂くよう企業にお願いしました。すると30 代の方で 二種混合ワクチン(DT)を接種したと言われる方がいました。また、過去の経緯はわか りませんが、5 年に 1 度破傷風トキソイドを追加しているとおっしゃる方もみえます。この 方々への対応はどのようにすれば良いでしょうか?

A6

① 現在30 歳代の方であれば、昭和 43 年以降の生まれですので、小児期に正しく 予防接種を完了された方であれば破傷風の基礎免疫はあるものと思います。 DT 接種の記憶があるということですが、定期 DT 2 期のことを記憶されておるの か、成人してから DT で追加されているかわかりませんが、いずれにせよ貴セン ターでご母子手帳を確認していただき、基礎免疫があるのであれば、最後のDT が10 年未満なら接種不要、10 年以上経過していれば、30 代前半であれば DPT で0.2mL、30 代後半以降であれば DPT で 0.5mL 接種を推奨します。もちろん 過去のDPT や DT の基礎免疫が確認できなければ、DPT で 0.5mL×3 回(1 ヶ 月間隔で2 回+6~12 ヶ月後に 3 回目)を行ってください。 ② 5 年に 1 回破傷風トキソイド接種は必要ありません。最後の接種から 10 年経過し たらBooster として DPT(30 歳代前半なら 0.2mL、30 歳代後半以降なら 0.5mL) を接種してください。その後も10 年サイクルで考えましょう。 ⇒破傷風トキソイド単独ではなく、DPT(海外では Tdap という成人用 DPT が使用でき ます。わが国でも製造販売されることを期待しています。一部の医療機関では輸入製 品を使用可能です。)で接種することは、海外の教科書でもスタンダードになっていま す。

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13

Q7 DPT1 回未接種で 2 期をすぎた中学生

平成12 年 3 月 18 日生まれのお子様です。DPT を 1 回目平成 13.1.22、2 回目平 成13.2.13、3 回目平成 13.10.6 に接種し、第 1 期追加は接種しておりません。 市からは、DPT 追加を接種してから、DT を接種するようにいわれたそうです。 岐阜県予防接種センター相談窓口Q&A(平成 23 年度)P17 において、DPT 追加を うたず、DT を接種するように指導されていらっしゃいますが、どのように対応したらよろ しいでしょうか。 また、この場合の費用については、時期をすぎていますから自費でもらうことになり ますか。

A7

指摘の前回回答は、定期接種の2 期の時期内でのご質問でしたので、社会的な意 味も含めての回答となりました。 今回は、すでに2 期の時期を過ぎており、自治体のお考えもあろうかと思いますが、 おそらく定期接種としては認められませんので、任意接種として医学的に回答いたし ます。 3 回の接種がしてありますので、基礎免疫はできていました。ただし、すでに前回接 種から10 年以上経過しており、DPT とも免疫が保たれていない状況となっています。 この年齢で百日咳に罹患しても、予後が悪くなることはないと思いますが、昨今の乳幼 児以外の発生状況を踏まえ、また欧米でのDPT の接種の考え方(原則は小児では DPT で追加、あるいは大人では Tdap で、10 年毎)を考慮すると、今回のケースでは DPT 0.5mL で追加されることをお勧めします。そうすれば少なくとも成人になるまでの DPT 免疫は保たれると予想されます。従って、成人になるまでの間で DPT 接種してか らさらにDT を接種しなくても良いと思います。 今回DPT ではなく、DT 0.1mL 接種でも構いませんが、百日咳の免疫は保証され ません。前回の回答もそのあたりも含めて、幅広く医学的にも記載すべきでした。 成人になっても、免疫は10 年を目安に追加すべきところで、我が国でも成人用の Tdap 接種の考え方が普及すべきと考えます。

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Q8 DT 液漏れ接種

医療機関より問い合わせがあり、昨日(8/19)に小学 6 年の児童に対して、DT 二種 混合(0.1ml)を受けたが、シリンジと針の接続がうまくできておらず液漏れがあった状 態で接種したため、接種量が半量ほどになっていた可能性がある。 接種し直すべきか、接種する場合の間隔はどの程度空けると良いかをご教示いただ きたい。

A8

今回の接種部位が2-3 日で腫れてくるようでしたら、追加接種は不要です。この場 合追加すれば接種部位がより腫れると思われますし、腫れるということはBooster もか かっている(効果もある)と考えられるからです。 一方、保護者の方がそれでは不安ということであれば、1 年後に DPT で 0.2mL 接種 という方法もよいでしょう。百日咳のBooster もかかり、より安全です。この場合は任意接 種ということになりますが、インシデントとして費用は市で何らかの配慮が可能なら考え てみてください。 また、今回の接種で腫れて来ない場合で、規定通りの定期接種として実施するので あれば、1 週間以上後に DT で 0.1mL 追加してもよいと思います。 なお、このケースは健康被害が生じるようなものではないものの、わが国の定期予防 接種制度上インシデントであることは間違いありません。今後同様のミスが生じないよう に、貴課および接種担当医療機関の職員のみなさんと話し合ったうえで、善後策を反 映したマニュアルを確認いただければ幸いです。

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Q9 DT 液漏れ接種

平成13 年 8 月 28 日生まれの小学 6 年生の女子です。 平成25 年 8 月 22 日に DT ワクチンを接種しました。接種に付き添った母親によると、 針を刺したときに垂れるくらい液が漏れていたので、不審に思い、接種介助していた 看護師に「ちゃんと液が入ったのか」と確認したところ、「消毒用の酒精綿の液なので 大丈夫」と言われたとのことです。母親は規定の接種量が少ないのに、かなりの量が 漏れていて残りを接種したように思うので、これできちんと免疫がつくのか心配していま す。 町としても、規定量より少ない接種量で免疫がつくようならよいが、そうでなければ 再接種も考慮する考えです。 母親の見た情報のみで具体的な接種量は不明ですが、これで免疫がついている かどうか、また今後の対応について、ご教示ください。

A9

まずは、保護者のお話について、実際の接種医療期間に経緯を確かめていただく ことをお勧めします。以下は接種液量が適切な 0.1mL ではなく、液漏れがあったと仮 定してお答えします。 今回の接種部位が2-3 日で腫れてくるようでしたら、追加接種は不要です。この場 合追加すれば接種部位がより腫れると思われますし、腫れるということはBooster もか かっている(効果もある)と考えられるからです。 一方、保護者の方がそれでは不安ということであれば、1 年後に DPT で 0.2mL 接種 という方法もよいでしょう。百日咳のBooster もかかり、より安全です。この場合は任意接 種ということになりますが、接種漏れの事実があればインシデントとして費用は市で何 らかの配慮が可能なら考えてみてください。 また、今回の接種で腫れて来ない場合で、しかも当該医療期間でワクチン液漏れが あったことが確認できた上で、規定通りの定期接種として実施するのであれば、1 週間 以上後にDT で 0.1mL 追加してもよいと思います。 なお、このケースは本当に接種漏れがあったとすれば健康被害が生じるようなもの ではないものの、わが国の定期予防接種制度上インシデントであることは間違いありま せん。そのことを認識しておられたにもかかわらず当該医療期間が報告されなかった とすれば問題ですし、この報告の件を含めて今後同様のミスが生じないように、貴課お よび接種担当医療機関の職員のみなさんと話し合ったうえで、善後策を反映したマニ ュアルを確認いただければ幸いです。

(23)

16

Q10 外傷後破傷風予防

42 歳男性。 8 月中旬、釣りに行った際、釣り針が左第 3 指にささった。釣り針には 泥とエサ(アオムシ)がついていた。傷の深さははっきりしないが、8 月末にはほぼ傷も わからなくなったとのこと。最寄りの病院(三重県)で消毒等の処置(縫合無し)とともに 破傷風のワクチンを受け、今後3 ヶ月、1 年後に接種するよう指示あった。定期健康診 断で風疹とムンプス抗体陰性のため、ワクチン接種をしようと思うが、どのようなプラン で接種するのがいいのでしょうか。」・・・上記についてどう指導すればよろしいでしょう か。 *DPT,DT の接種歴は、不明とのこと。

A10

誕生日が昭和43 年より後ですし、汚染創とまではいかない創傷ですので(テタガム ™という抗破傷風免疫グロブリンも併用不要と判断されているようです。)、DPT 接種が あれば追加接種は必要ないと思いますが、DPT 接種歴が不明であることから、もう 1 回 接種をおすすめしてください。時期は1回目接種から4~8 週後(通常 4 週後)になりま す。3 回目は不要と思います。 蛇足ですが、全く免疫がなく、汚染創で3 回接種の場合のスケジュールは 0、4W(4 -8W)、1Y(6-12M)が標準で、2 回目 3 ヶ月は標準的ではありません。 生ワクチンのおたふくと風しんについては、次のような方法があります。 (2 回接種が原則) ① 破傷風と同時接種で、8 週以上の間隔でもう一度 2 つの生ワクチンを同時接種。 ② 破傷風とどちらかの生ワクチンを同時に行い、その後4 週以上の間隔を明けもう ひとつの生ワクチンを接種します。2 回目の生ワクチンはそれぞれ 8 週以上間隔 を空けて下さい。 ③ 同時接種はどうしても不安ということであれば、破傷風トキソイド⇒1 週間以上の 間隔⇒風しん(おたふく)⇒4 週間以上の間隔⇒おたふく(風疹)⇒4 週間以上の 間隔⇒風しん(おたふく)⇒4 週間以上の間隔⇒おたふく(風しん)でも結構です。 なお、風疹とおたふくは2 回目接種後 6 週間以上あけて抗体価の再検査してくださ い。風疹はHI 法、おたふくは EIA-IgG 法です。念のためこれらの検査方法で接種適 応が正しく判定されているかご確認ください。 今回の回答にアドバイスをいただいた名鉄病院予防接種センターの宮津光伸先生 が書いておられる破傷風予防の考え方のファイル2 点、および MMRV 接種基準 2 点 も添付しますのでご参考になさってください。

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Q11 DPT1 期追加に DT0.5ml接種

平成24 年 1 月 17 日生 現在 1 歳 8 カ月、 出生直後から骨異形成症という疾患で 総合病院に入院中のお子さんです。三種混合1 期初回 1 回目平成 24 年 7 月 9 日、 2 回目平成 24 年 8 月 6 日、3 回目平成 24 年 9 月 10 日に接種しました。しかし追加 接種については平成25 年 10 月 3 日に誤って二種混合を 0.5mL 接種してしまった、 と医師より連絡が入りました。過誤として保健所には報告をしました。児の健康状態は 特に変化は無いようです。 主治医としては、今後、再度三種混合ワクチンを接種し、百日咳の成分を投与するこ とを考えていらっしゃるようです。今回の二種混合予防接種は任意接種となるので、三 種混合追加接種は履歴がない状態です。病院側からは、市側が再度三種混合追加 接種の依頼書を発行し、定期の三種混合追加接種として扱ってくれるのか、と問い合 わせがありましたが、返事は保留としてあります。三種混合をさらに接種することで過剰 に局所の副反応が出るのではないか、安全面はどうなのか、有効性はあるのかなどわ からない状態で予防接種の依頼はできません。この件について今後保護者の方へど のようにお話し対応していけばよいでしょうか。

A11

DPT で正しく 3 回接種済の状態ですので、少なくとも数年以内は百日咳の免疫も保 たれることになります。しかもDT を追加しましたので、ジフテリアと破傷風は 2 期まで有 効ということになります。 一方百日咳の場合はDPT で 1 期追加をしていないわけですから、もう少し先まで百 日咳の免疫を保つべきです。本来は成人になってからも Tdap などでさらに追加すべ きですが、わが国の定期予防接種の制度上は少なくとももう1 回は百日咳の追加免疫 が必要です。 したがって、3 年は様子を見て、4-6 歳のタイミングで正式な 1 期追加として DPT 0.5mL 接種することをお勧めします。定期接種の手続きをとってあげてください。当然 局所反応は強めかとも思いますが、正規の DPT1 期追加でも半数は局所が腫れます ので、局所反応より免疫としっかり付ける方が重要と保護者にはご説明ください。 なお、2 期 DT は通常通り DT 0.1mL で予定して下さい。 どのような経緯でこうなったかわかりませんが、医学的に深刻な問題はないものの、 わが国の定期予防接種制度上重大インシデント(接種ワクチンおよび量の二重ミス)で あることは間違いありません。今後同様のミスが生じないように、貴課および接種担当 医療機関の職員のみなさんと話し合ったうえで、善後策を反映したマニュアルを確認 いただければ幸いです。

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24

Q12 DPT0 回からの 2 回のみの DT2 期

DT2 期の定期接種接対象で、DPT の接種が完了していない場合の、DPT または DT の今後の接種スケジュールを教えていただけますでしょうか。 『岐阜県予防接種センター相談窓口 Q&A (平成 24 年度)』の Q11 には、“初回免 疫をDT で開始することをお勧めしない” “DPT を 3 回接種するよう予定を組むべき”と 記載があります。これは、百日咳の免疫を得るために、DT を勧めない(DPT を勧める) という捉え方でよいでしょうか。 『2013(平成 25 年)予防接種に関する Q&A 集』の Q12(P.63)には“10 歳以上の人 にジフテリアトキソイドを接種するときに、ときに激しい局所反応や全身反応を起こすこ とがあります” “このため、2 期の DT トキソイドは 0.1mL に減量します。”と記載がありま す。 『2013(平成 25 年)予防接種に関する Q&A 集』の Q9(P.62)には“DPT ワクチンに ついては原則として減量接種は必要ない”と記載があります。初回免疫に DPT 0.5mL を接種する場合、局所反応の問題への考慮の必要性はどうなりますか。 当市では、DT または DPT を 2 回以上接種している人を DT 2 期の定期接種の対象 者として接種勧奨しています。 DPT 2 回のみで DT 1 回接種をした場合、その後の追加接種は必要でしょうか。

A12

DPT や日本脳炎は接種間隔の乱れが生じても、まずは 3 回接種完了することで、免 疫が完成します。その後は多くの不活化ワクチンがそうであるように、一定期間は免疫 が保てますが、減衰していきます。DPT の場合は 3 回完了後 5~10 年で追加 Booster をかけていかないといけません。残念ながらわが国では海外から輸入している一部の 医療機関を除いて、成人用の DPT である Tdap が使用できませんし、ご承知のように DT2 期が終わったら、その後の定期接種はありません。このあたり、ぜひ是正されるよ うにと希望しています。 一方、成人の百日咳の発症が最近多くなっており、そのような意味からも成人での追 加接種は必要ですし、もちろん乳幼児期にDPT を完了していない者にとって、百日咳 はその年齢では乳幼児に比べ予後が悪くないとはいえ、DT2 期が来たからといって、 杓子定規に百日咳抗原が含まれていないDT で接種することは問題があります。 定期接種でカバーできるか否かは、自治体のご判断で結構ですが、この質問には、 DT2 期の年齢に差し掛かった者が、DPT を標準接種である 3 回+1 回完了していな い場合の対応法について、あくまで医学的に、すなわち感染・発症予防の観点に基

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25 づいて、以下のように回答いたします。名鉄病院の推奨を参考にしておりますので、 HP に発表されている表を添付します。 ① DPT 0 および 1 回の場合 DPT 0.5mL 3 回(1 回目と 2 回目は約 1-2 カ月間隔、2 回目と 3 回目は 6~18 カ月間隔) +5~10 年後に DT 0.1mL 追加 ② DPT 2 回の場合 DPT 0.5mL 2 回(6~18 カ月間隔) ③ DPT 3 回の場合 ① DPT 0.5mL 1 回 ② DT 0.1mL 1 回 DPT 3 回目を比較的遅く(1 期追加のタイミングなど)接種した 場合など ③ DT 0.1mL 1 回の後、1 月~1 年で DPT 0.5mL 追加 ⇒②、③の場合のDT は定期接種扱い可能ですね。 なお、局所反応はもともと一定の割合で生じるものです。DT は 0.1mL ですが、DPT はいずれも0.5mL で結構だと思います。局所反応は若干強くなる可能性はありますが、 その発生を恐れてしっかり接種しないより、いずれも免疫をつけることが大切であると いうことが勝ると考えています。十分な説明をしてご納得いただいたうえで、接種するこ とが重要です。 資料

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Q13 DPT 不規則接種

三種混合の接種が規定の間隔を超えてしまったケースについて。 H19 年 1 月 25 日生まれの 7 歳 0 カ月のお子さんです。 三種混合の接種歴 初回接種 1 回目 H20.5.27(1 歳 4 か月) 2 回目 H25.10.21(6 歳 8 か月) 3 回目 H25.12.9(6 歳 10 か月) 1 回目接種から 5 年以上の間隔で 2 回目、3 回目の接種をされました。保護者の方 が医療機関に今後のスケジュールを相談したところ、2 回目を 4 回目としてみなし、接 種のやり直しをした方がよいと助言を受けたそうです。 保護者の方はやり直しを検討していますが、やり直し(任意で 4 回目を今月中に、5 回目をその1 年後)をした場合、1 回分接種が多くなりますが、抗体の維持や、副作用 の出現はどのようになるでしょうか。 また、予防接種に関する Q&A には、「規定の間隔を超えた場合、原則としてはじめ からやり直すことはせず、トータルとして規定の回数で行う」とありますが、保護者の方 にはやり直しではなく、規定通りの回数で接種する(4 回目を 3 回目から 6 か月以上空 けて接種を受ける)ことを勧めた方がよいでしょうか。その場合、抗体の保持状況は標 準的な接種をされた場合と変わりはないでしょうか。

A13

結論から言うと、90 か月の定期接種ギリギリのところで 1 期追加に相当する 4 回目接 種して完了でよいと思います。 そもそもDPT は他のほとんどの不活化ワクチン同様、一生免疫が持続するものでは ありません。したがって、推奨の 2 歳前後での 1 期追加(4 回目)完了していても、10 年程度は免疫が保たれますが、さらに免疫維持するために DT2 期があり、また 10 年 程度は大丈夫になります。 今回のケースでは、現時点でDPT に対するよい免疫状態に達していると想像され、 このまま追加しなくても数年以上持続すると思いますが、定期接種の期限である 90 カ 月までにもう 1 回の権利がありますので、追加されればそこからさらに 10 年程度は免 疫が持続するはずで、最近多い高い年齢での百日咳予防にはメリットがあると思いま す。すなわち、推奨スケジュールより今後の免疫持続という意味ではむしろよい状態だ と言えます。なお、4 回目の接種で大きな副反応増強はないと思いますが、局所反応 はやや大きく出る可能性はあります。ただし、局所反応は織り込み済みのワクチンです から、過剰に心配する必要はありません。なお、DT2 期は規定接種時期のやや遅めの タイミングでの実施をお願いいたします。

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Q14 日本脳炎不規則接種(海外渡航前後)

町内に住むH22 年 10 月出生(現在 2 歳 6 ヶ月)の男児が父の海外赴任(フィリピン) のために、日本脳炎予防接種を、1 歳 6 ヶ月の時に、会社の負担金で 2 回(0.25ml)接 種しました。 H25 年 4 月に帰国し、現在 2 歳 6 ヶ月です。今のところ日本にいる予定で、海外に 行く予定はないそうです。 初回追加で2 歳半または 3 歳ころに 1 回接種した後、2 期を 9~10 歳ころに接種す るという指導でよろしいでしょうか。

A14

ご提案の通りもう1 回接種すれば不規則接種にもならず合計 3 回となりますので基 礎免疫が獲得され適切なスケジュールだと思います。ただし3 歳未満の時期に接種す るのであれば、0.25mL を、3 歳以降であれば 0.5mL で接種いただくことは言うまでもあ りません。 1 期が早めに完了しますので、2 期の時期になったらこれも一番早めに接種してあ げてください。すなわち9 歳になったらなるべく早く接種しましょう。 なお、もう海外に行かれないとのことですが、日本脳炎の免疫は最後の接種から 5 ~10 年で落ちてきますので、今後侵淫地域に居住されるようなことになったとして、免 疫がすでに落ちている時期に行かれることになれば Booster 接種が必要なってきま す。

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Q15 日本脳炎不規則接種

4 歳男児です。1 回目を H24.9 月中旬に接種。2 回目を本日 H25.5.30 に接種。1 回 目と2 回目が 8 ヵ月空いた場合、追加は 2 回目から 1 年後がいいか、それとも 2 回目 と3 回目を 6~28 日の間隔で接種する方がいいでしょうか。

A15

結論から言うと、どちらでも結構です。合計3 回を確保することが重要です。ただし、 最短の間隔は個々の同一ワクチンに対する生体の免疫反応にかかる時間を配慮する と、6 日ではなく、少なくとも 28 日あけて頂ければと思います。 なお、3 回目から 5 年以上空けて定期 2 期の接種は適切に実施願います。

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Q16 日本脳炎 18 歳接種さまざまなケース

今年度の接種勧奨対象となっている、今年度18 歳になる方(平成 7 年 4 月 2 日~ 平成8 年 4 月 1 日生まれ)へ接種のご案内を予定しております。 予防接種ガイドライン(2013 年度版)P50 によりますと、残り 1~3 回の接種を行う場 合の2 期の接種については、 “9 歳以上の者に対して、1 期終了後 6 日以上の間隔を おいて接種を行う” とされていますが、第 1 期の接種を 3 回受けた人は、最後の接種 からおおむね5 年~10 年ごとに接種することで脳炎の発症を予防することが可能なレ ベルの抗体が維持されることが期待されると言われています。当市では今まで 2 期の 接種は 1 期接種終了後 5 年後に接種のご案内をしておりましたが、特例対象年齢の 上限に近い今年度 18 歳の方で、下記①~③のケースのような場合、今回の接種、今 後の接種スケジュールについてどのようにご案内すると最も望ましいでしょうか。 ①これまでに接種歴がなく平成24 年度に 1 回接種した方 今回2 回(6 日以上の間隔)の接種案内後、4 回目の接種案内は?4 回目を案内す る場合、3 回目から何日あけて接種するのが望ましいか? ②これまでに2 回接種したことがある方 今後の接種スケジュール(接種回数・時期)は? これまでの2 回の接種時期によって、今回の接種回数や時期は異なるか? (例1)1 回目と 2 回目の接種間隔がとても空いている場合 (例 2)近年 6~28 日間 隔で2 回接種した方 ③第1 期の接種(3 回)を標準的な接種間隔で実施し、近年 3 回目を終了した方 4 回目の接種のご案内時期は?

A16

① これまでに接種歴がなく平成24 年度に 1 回接種した方 今回2 回(6 日以上の間隔)の接種案内後、4 回目の接種案内は? 4 回目を案内する場合、3 回目から何日あけて接種するのが望ましいか? ⇒3 回目まで完了したら、少なくとも 5 年間は免疫が維持されますので、今年度 4 回 目を接種する必要はありません。今後侵淫地域に居住されるのでしたら、23 歳以降 の時点で追加を考慮すべきとご指導ください。 ② これまでに2 回接種したことがある方 今後の接種スケジュール(接種回数・時期)は?

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31 これまでの2 回の接種時期によって、今回の接種回数や時期は異なるか? (例1)1 回目と 2 回目の接種間隔がとても空いている場合 (例2)近年 6~28 日間隔で 2 回接種した方 ⇒いずれのケースでも 1 回接種して、合計 3 回になった時点で少なくとも 5 年は免 疫が維持出来るという考え方で問題ありません。 ③ 第1 期の接種(3 回)を標準的な接種間隔で実施し、近年 3 回目を終了した方 4 回目の接種のご案内時期は? ⇒3 回目接種してから少なくとも 5 年は接種する必要はありません。①のケースと同 様に、今後侵淫地域に居住されるのでしたら、3 回目を接種してから 5 年以上経過した ら4 回目の接種追加を考慮すべきとご指導ください。

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Q17 日本脳炎接種歴不明の事例

現在、平成7 年 4 月 2 日~平成 8 年 4 月 1 日生まれ(今年度 18 歳になる者)の方 に、第2 期接種案内をしております。 日本脳炎ワクチンの 1 期・2 期ともに、母子手帳に接種記録がなく、また本人・保護 者の記憶もないため、接種をしたかどうか確認が取れない方がいます。 過去の予防接種状況の確認が取れない人についても、もし1 期・2 期が接種済みで あるにもかかわらず、今回第 2 期の予防接種を行っても医学的に問題はありません か? 平成 25 年度の受診勧奨対象年齢ですが、どのような対応したらよろしいでしょう か?

A17

このケースでは、今後何か調査すれば接種歴が明らかになるものではないと思われ ますので、今まで全く接種していないと判断して対応すればよろしいと思います。 すなわち、1 回接種後 6~28 日の間隔を空けて 2 回目接種、その概ね 1 年後に 3 回目接種して免疫を完了して下さい。日本脳炎はある程度不規則接種でも3 回を確 保すればその後少なくとも5 年は免疫が維持できます。成人になってからも本当は 5 ~10 年間隔で追加接種すべきものであり、特に侵淫地域に居住される場合は必須と なります。 もしこの対象者がすでに実際は日本脳炎ワクチンを接種していたとしても、上記のよ うに接種していなかったとして3 回完了することのデメリットは全くありません。医学的効 果の面では非常に高い免疫が得られるでしょうし、また副反応の面でも通常接種の場 合と全く同じです。 なお、積極的勧奨が差し控えられていたわけですからやむを得なかったのですが、 この機会に予防接種全般に関する母子手帳の記載(これは今時漏れはないとは思い ますが)および保管について適切に行って頂くよう、今一度地域で周知徹底されること をお勧めします。

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Q18 BCG 接種後皮膚無反応

H25.5.16 に接種しています。接種後、8 週間たちましたが全く反応がありません。小 児科医に接種部位を見ていただきましたが、反応は認められないとの事でした。 Q&A(平成 23 年度版)には「無反応であれば 3 か月後にはツ反判定を」とありました が、今回も同様のケースも同様の対応で問題ないでしょうか?ご教示よろしくお願いい たします。

A18

基本的には以前の回答と同様です。再掲載+αします。 BCG はもともと毒性が強く、皮下あるいは皮内注射で、1 か所に接種すると局所の 副反応が非常に強く出るために、わが国では現在の 18 か所に少量ずつ接種する管 針方法がとられるようになっています。また BCG は他の予防接種と違って、血液中の 抗体価を上昇させるのではなく、BCG の菌株に対するリンパ球の反応性(次に本当の 結核菌が体内侵入しようとしたら、リンパ球の記憶により菌を排除するように働くという 意味)=細胞性免疫を獲得させるための予防接種です。すなわち、発赤や瘢痕の数 や、体内に入ったBCG 株の菌量でなく、菌が皮内に侵入して反応が起こっていれば、 自分自身のリンパ球は十分免疫メモリを獲得していると言えます。 教科書的には少なくとも9 か所の発赤あるいは瘢痕があれば免疫が十分できるとい う記載があるものもありますが、9 か所以下なら免疫が落ちるとか、18 か所に比べて 9 か所は半分の免疫しかつかないかという検討はなされていませんので、9 か所の科学 的根拠も怪しいものです。 ただし、今回のケースでは2 ヶ月経過して全く発赤や瘢痕がないとなると、心配では あります。まず 3 カ月後である 8 月中旬にツベルクリン反応を実施して判定してくださ い。ツ反が陽性であれば問題ありません。 もし結果的にツ反応陰性であれば、稀なケースですが原発性免疫不全症(特に T 細胞機能の異常を伴うもの、MSMD、慢性肉芽種症等)が潜んでいて、BCG に対する 応答性が低下している可能性は否定できませんので、一度岐阜大学医学部附属病院 小児科(寺本貴英DR、大西秀典 DR)に受診いただくことをお勧めください。場合によ ってはツ反を実施する前にご紹介いただいても構いません。

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Q19 BCG 後腋窩リンパ節腫大

現在9 カ月の方で、平成 25 年 6 月 15 日に BCG を接種されている方についての 質問です。 接種後2 か月で左腋下にしこりができたため病院を受診したところ、BCG 接種後の しこりだろうと診断され、様子をみるよう指示されているそうです。しこりについては経過 観察となり、次回10 月下旬に受診する予定となっています。 BCG 後のリンパ節腫大かと思われますが、リンパ節腫大がなくなるまで予防接種を 控えた方が良いかと母よりと質問がありました。 他の予防接種を差し控える必要があるかどうかお伺いしたいと思います。

A19

おそらくBCG 接種側の腋窩リンパ節腫大と思われます(頻度は約 1%)。大きさがわ かりませんが一般には2cm 以下なら経過観察。2~3cm の場合は症例毎の判断、3cm 以上は抗結核薬(INH)内服を考慮するとされています。今回経過観察ということのよう ですので、おそらく2cm 以下と想像され、6 ヶ月以内に改善すると思われますが、今回 腫大したリンパ節が BCG 接種側なのか、またリンパ節の大きさもご確認されると良いと 思います。補足ですが、稀に化膿性の経過をとり、皮膚に穿孔し排膿することもありま すが、清潔に保てば治癒します。副反応と思われますので、接種医からは適切にご報 告いただくよう、ご指導ください。すでにご報告いただいているのであれば結構です。 さて、経過観察で良い状態であれば、他の予防接種は通常通りで結構です。治療 しなければならないリンパ節炎、化膿したような場合は治癒するまで予防接種を控えた ほうが良いと思います。なかなか治癒しない場合、リンパ節腫脹が他の部位にも出現 する、あるいはさらに関節炎や骨髄炎の病変を伴うようであれば、原発性免疫不全症 を考慮する必要がありますので、岐阜大学医学部附属病院小児科にご紹介ください。 この場合も、当然予防接種は見合わせてください。

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Q20 小児用肺炎球菌複数回接種

現在2 歳 1 カ月の児で、誤って 5 回目の接種をしてしまいました。この場合の、人体への影 響について教えてください。 接種歴は、下記の通りです。 1 回目 24.1.31、2 回目 24.3.12、3 回目 24.5.24、4 回目 24.12.21、5 回目 25.10.2

A20

結論から言うと、抗体価が上がるのみで、医学的なデメリットはありません。日常生活 の中で肺炎球菌に曝露されることもあるのですから、それと同じように考えたら比較的 わかりやすいでしょう。念のため通常の接種の場合と同じように、数日間は副反応に注 意してください。規定通りの接種の場合よりリスクが高いから注意するということではな いので誤解のないようにお願いいたします。 どのような経緯でこうなったかわかりませんが、医学的に問題ではないものの、わが 国の定期予防接種制度上インシデントであることは間違いありません。今後同様のミス が生じないように、貴センターおよび接種担当医療機関の職員のみなさんと話し合っ たうえで、善後策を反映したマニュアルを確認いただければ幸いです。費用について も負担がかからないように考慮してあげてください。 なお、11 月以降 PCV-7 から PCV-13 に全面的に切り替わりますが、この場合海外で 推奨されているPCV-7 の接種完了者に対する PCV-13 での Supplemental dose(=補 助的追加接種;健常児では24 カ月~59 ヶ月まで、基礎疾患を持つ児では 24 カ月~ 71 ヶ月までに 1 回接種)は、わが国では定期接種にはなりませんが、医学的には有効 性があると考えられているので、任意接種で実施することは意味があると思います。接 種医がそのあたりの情報を誤解されている可能性があるかもしれません。11 月以降は メーカーのファイザー㈱が責任を持って PCV-7 の在庫を引き取ると言っていますので、 任意接種希望者で PCV-7 を用いて補助的追加接種を実施することはなくなるはずで すが、接種担当医へは貴センター、保健医療課から注意喚起していただくとよいかも しれません。補助的追加接種のみならず、規定通り接種していない児の対応はどうす るかも含め、再度ご確認、徹底願います。

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Q21 PCV13 補助的追加接種の是非

平成19 年 11 月 27 日生まれの児です。小児肺炎球菌追加まですべて接種済です。 保護者からの相談で、「13 価を(任意で)接種したほうがよいか、接種しなくてもよいか」 という内容です。

A21

接種した方がよいと思います。ご承知のように日本では、定期接種として実施するこ とについては、費用対効果の点で社会全体に対する利益は限定的である(別添 「PCV-13 導入についての検討資料」、とのよくわからない理由で、定期接種からは外 されましたので、任意接種になりますが、米国では、下図のように PCV-7 で接種完了 者もPCV-13 で「補助的追加接種」を 1 回(14~59 か月、最後の接種から 8 週以上間 隔を空ける)行うべきと推奨しています。 理由は、以下の研究結果によります。  PCV7 接種完了者(12 か月齢以上の乳幼児)に対し、PCV13 の 1 回接種により追 加6(=13-7)血清型に対する抗体産生を誘導することができる。  PCV7 接種完了者(12 か月齢以上の乳幼児)に対する PCV13 接種により、肺炎球 菌の感染伝搬が減少し、潜在的な PCV13 血清型の鼻咽頭保菌率が低下すると いう間接的な効果が期待される。  IPD だけでなく肺炎・中耳炎のような粘膜感染が多く、PCV13 接種によりこれら疾 患の減少が期待される。  PCV13 接種により、インフルエンザの二次感染の抑制効果が期待される。

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39 資料

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Q22 PCV 不規則接種

現在、接種間隔が不規則になった場合、実施要領では (1)生後2~6 か月の間に接種開始の場合で、2 回目・3 回目を生後 12 か月までに実 施できなかった場合、それを接種しないで追加接種を実施(接種回数は、計2~3 回)。 (2)生後7~11 か月の間に接種開始の場合で、2 回目を生後 13 か月までに実施でき なかった場合、それを接種しないで追加接種を実施とあります(接種回数は、計 2 回)。 しかし、貴センターの平成24 年度 Q&A 集(Q29 38 ページ)では、「不規則になった 時点で、それまでの接種はなかったことと考えて対応することは・・・」とあります。 Q&A 集の Q29 のケースの場合、現在の実施要領に従って、定期接種をすると 3 回 目を飛ばして追加接種を受け、計3 回接種で完了となります。しかし、貴センターの見 解を参考にし、「3 回目(任意)+追加接種(定期)」で接種(計 4 回接種)という考え方 は、可能でしょうか。 また、ワクチンの効果としては、どのような接種方法が良いでしょうか。

A22

PCV-13 は標準スケジュールで 2~6 か月で開始した場合は合計 4 回、7~11 か月 の場合は合計3 回。12 か月から 24 か月の場合は合計 2 回、24 か月以降の場合は 1 回のみとなることはご承知の通りです。侵襲性肺炎球菌感染症(髄膜炎、菌血症、肺 炎)の好発年齢のこと、すでに社会環境で肺炎球菌に少なからず曝露されていること、 成長とともに少ない回数でも免疫を獲得しやすくなれることなどが要因で、医学的には 他のワクチンと若干考え方が違って開始時期により接種総回数が異なるのです。

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44 一方、H24 年度の A29 で回答したように、不規則接種の場合は様々なケースがあり ますので、初回接種の時期により上記のように接種総回数が異なってくることも勘案し て、シンプルに考えていただける方法として示しました。この方法で接種計画を立てて も、初回接種の時期による予定総回数が増えることはないと思われます。 ① のケース ⇒接種開始が12~24 か月と同じと考え、60 日以上の間隔で 2 回接種、合計 3 回接種。 ② のケース ⇒同様に接種開始が12~24 か月と同じと考え、60 日以上の間隔で 2 回接種、 合計3 回接種となります。 なお、補助的追加接種(任意)については、いずれも上記に上乗せ1 回となります。 今回のご回答のような接種方法においては、いずれも定期接種として取扱いいただ くことも、問題ないように思われますがいかがでしょうか?なるべく保護者に負担がかか らないようにご配慮いただくと幸いです。

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Q23 PCV 不規則接種

H24 年 12 月 9 日生まれのお子さんです。 小児肺炎球菌予防接種の接種歴 初回接種 1 回目 H25.9.7(生後 8 か月) 2 回目 H25.10.5(生後 9 か月) 3 回目 H25.11.2(生後 10 か月) 初回接種2 回で終了のところ、3 回目の接種をされました。現在のところ体調の変化 はありません。今後の抗体の維持について。また、追加接種は必要でしょうか。必要の 場合どのタイミングでしょうか。また、追加接種が可能な場合、副反応の出現について はいかがでしょうか。

A23

 3 回目接種後 1 か月以上経過しておりますので、今回の接種による副反応は問 題ありませんし、今後の追加接種でも特別な心配はないと思います。  3 回接種してありますが、最後の接種が 10 か月齢になりましたので、このまま生 後7~11 か月齢での接種開始の場合のように合計 3 回で完了と言うわけにはい かないと思います。3 回目の接種から 60 日以上の間隔を空けて 15 か月までの 間に1 回接種してください。すなわち標準接種スケジュールの第 1 回目が遅め に開始したというイメージで見ていただくとわかりやすいと思います。今回の3 回 目はインシデントですので、ノーカウントにしていただき、1 回の追加は定期接 種とみなしてあげてください。  なお、これとは別に、任意接種で補助的追加接種は 1 回(14~59 か月、最後の 接種から8 週以上間隔を空ける)お勧めしたいと思います。 ただし、今回の事案は医学的に大きな問題ではないものの、わが国の定期予防接 種制度上インシデントであることは間違いありません。今後同様のミスが生じないように、 貴町および接種担当医療機関の職員のみなさんと話し合ったうえで、善後策を反映し たマニュアルを確認いただければ幸いです。

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Q24 不活化ポリオ副反応

1 歳 2 カ月(H24.2.6 生)の女児が 3 回目の不活化ポリオの予防接種を 4 月 17 日に 保健センターで受け、接種 1~2 分後に膨診が腹部に出現し、腹部・背部と広がって いきました。接種5 分後の診察では、肺音正常、意識清明で、元気に遊んでいる状態 でした。接種20 分後には、背部の湿疹は消え、腹部は半減しており、2 時間後にはす べて消失しました。翌朝、38.3℃の発熱があり、かかりつけ医で診察を受け、喉の赤み があったため風邪と診断とされています。 1 回目は、H24.12.11 2 回目は、H25.1.10 に接種していますが、とくに目立った症状 はなかったとのことです。予診表で気になった項目としては、卵アレルギーがあった程 度でした。 1 年後の追加接種は、通常どおり接種をしていいものなのか教えて頂きたいです。

A24

このケースの当日の症状(蕁麻疹)は IPV 接種の副反応と考えられます。すでに副 反応として当該医療機関から副反応としての報告が上がっているということでよろしい ですね。翌朝の発熱は感冒ということですが、接種 48 時間以内の症状ですので、副 反応は否定できません。 4 回目の接種は禁忌ではありませんが、接種されるのであれば二次、あるいは三次 予防接種医療機関で慎重に接種されることをお勧めします。製薬メーカーとも相談の 上、接種前に皮膚テストを行った上で実施してください。

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Q25 ポリオ抗体価の評価と IPV の要否

当院の 32 歳の女性です。(海外旅行の予定はありません)乳児の頃、2 回生ワクチ ンを服用するが、その内の1 回は服用後嘔吐して服用できていないが、当時の保健所 の方は1 回服用できているので大丈夫だと言われたそうです。 平成25 年 4 月 10 日 採血の結果 ポリオ1 型 NT 32 倍 ポリオ2 型 NT 32 倍 ポリオ3 型 NT 4 倍 でした。 ポリオ3 型の抗体が低いので不活化ポリオワクチンを接種した方が宜しいでしょう か? もし、接種される場合は何回必要でしょうか?

A25

ポリオ抗体検査(NT 法)では、1、2、3 型とも、4 倍以上が陽性ですので、このケース ではいずれも陽性と判定でき、またOPV を 2 回接種されておられますので、今後のワ クチン接種(IPV)は不要です。安心していただくようご説明頂ければと思います。 なお、成人で3 型のみ陰性のケースがあったとしても、追加はどちらでも良いと言わ れていますので申し添えます。 また、成人で追加接種する対象であった場合、侵淫地に住まれる場合は OPV が接 種してある場合IPV を 1 回接種、幼児期の OPV 接種が不明、あるいは不完全の場合 は4 週間毎に 3 回接種を推奨することになります。

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Q26 IPV 不規則接種

H23 年 12 月 1 日生まれのお子さんです。 不活化ポリオ接種歴 1 期 1 回目 H24. 9.10 2 回目 H24.10.10 3 回目 H24.12. 4 追加接種 H25. 4.12 追加接種を、1 期 3 回目から 4 か月で接種されました。現在のところ体調の変化はあ りません。 今後の副反応、抗体の維持について。また、再度追加接種が必要でしょうか? 必要ならどのタイミングでしょうか?

A26

① IPV3 回目と 4 回目の間隔が規定の 6 ヶ月以内であったインシデントだと思いま す。そのようなスケジュールで接種した場合の抗体価の変化の検討はないと思い ますが、少なくとも現在は極めてよい免疫が獲得できていると思います。副反応は 不活化ワクチンですから4 回目接種数日以内に何も生じていませんので問題なく、 今後長期的な副反応もありません。ただし通常のスケジュールで接種した場合に 比べ、免疫の長期的持続が若干ですが短くなる可能性があります。 ②もともと IPV は OPV と違って一生免疫が持続するものではありません。最終接種 から 5 年は持続するというのが一般的な考えで、それ以降も免疫持続を狙うなら ば追加接種が必要です。米国など多くの国で、我が国と同じスケジュールの 4 回 接種のあと、5 回目を 4~6 歳で接種するスケジュールになっており、また成人して からも侵淫地域に居住される場合などはさらに追加接種も検討しなければなりま せん。 ③今回はインシデントですのでカウントせず、今回の 5 年後、すなわち定期接種範 囲内の 72~90 ヶ月くらいに正式な 4 回目として接種するなどの配慮はしてもよろ しいと思います。 ④なお、今回の事例では医学的にほとんど問題なく、また結果的に健康被害が生じ る可能性はありませんが、インシデントであることに違いありません。したがってな ぜこのような事例が発生したのかを当事者と一緒に十分検討して、今後2 度とこの ようなことが発生しないように対策を講じ、またその対策を担当地域で共有される ように、貴役場として取り組まれることをアドバイスいたします。

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Q27 OPV1 回後の接種計画

平成23 年 8 月 25 日生 現在 1 歳 9 ヶ月児 3 種混合ワクチン 3 回 平成24 年 2 月 17 日(5 ヶ月) 平成24 年 3 月 16 日(6 ヶ月) 平成24 年 5 月 18 日(8 ヶ月) 生ポリオワクチン1 回接種しています。 平成24 年 4 月 13 日(7 ケ月) 生ポリオワクチン初回接種後から以降本日まで予防接種なく過ごされました。 国の定める定期接種期間を大幅に過ぎていますが、接種可能年齢は7 歳 6 カ月ま でとありますので、今後の方針として7 歳までに、2 回目、3 回目の不活化ポリオを注射 したのち、追加接種を行うということで問題はないでしょうか?またこのような場合定期 接種ではなく任意接種という扱いで良いのでしょうか?ご家族の方はここまで遅れてし まったため接種しないということも考えるが、接種しないことで起こりうる感染のリスクも 知りたいとのことでした。

A27

1. DPT をあと 1 回、IPV を 3 回接種が必要です。タイミング的には今すぐに DPT と IPV のできれば同時接種(すでに DPT 接種してありますので、DPT-IPV ではなく、 DPT と IPV をそれぞれ接種してください。)をしていただき、その後 20~56 日まで の間隔で、IPV をあと 2 回追加して完了です。 2. 国の定める定期接種期間は過ぎていません。90 ヶ月までに 3 回完了していれば、 定期接種でよろしいと思います。推奨タイミングと定期接種可能な期間は異なりま すので、ご注意願います。 3. ご家族には、必ず接種すべきだし、定期接種期間を逸脱していないし、抗体獲得 も問題なく可能である旨、すなわち通常の接種と何ら変わりないことを、しっかり説 明し、安心していただいてください。医療従事者側が不規則接種であることを強 調されると、無用な不安を与えますので、ご注意ください。接種しなければ OPV1 回のみでは当然感染リスクはあります。

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