当工業会の事業報告並びに事業計画について
平成28年度事業報告書
自 平成28年4月 1日
至 平成29年3月31日
世界経済は、年前半には、中国経済の減速に加えて、原油価格の下落、英国のEU圏離脱の動き等を背景に弱めの動 きが広がったが、後半には持ち直し、全体として穏やかな回復を続けた。こうした中、世界の航空旅客数(有償旅客 キロ、IATA調査)は対前年比6.3%増となり、旺盛な旅客需要が認められた。長期的な旅客機需要も年率約5%の伸び が予測されているが、短期的には、ボーイング社やエアバス社の受注機数の減少が見られ、減産の動きも出てきている。 これを受けて、ここ数年増加を続けてきた我が国の暦年航空機生産額は平成28年には前年比7.8%減の1.68兆円となり、 航空機生産は踊り場にさしかかった感がある。 このような環境の中、平成28年度には航空・宇宙ともに各種のプロジェクトが進展した。 民間機分野では、MRJの試験機が9月以降順次ワシントン州の拠点空港へ移され、型式証明取得に向けた飛行試験が 始まった。また、ホンダジェットは一昨年12月のFAAに続いて5月にEASA(欧州航空安全局)の型式証明を取得した。 国際共同開発事業では、日本メーカーが約21%の割合で参画するボーイング777Xプログラムは、2019年の初飛行に向 けて開発作業が着実に進んだ。エンジン分野では、PW1400G-JMが5月にFAAの型式承認を取得した。また、GE9Xも、 2018年の型式承認に向けて開発作業が本格化した。 防衛機分野では、8月に防衛省より、防衛技術戦略、中長期技術見積り、将来無人装備に関する研究開発ビジョンが 公表されるなど、防衛装備品の技術に関する一連の政策が打ち出された。新規の事業では、航空自衛隊向けF-35A初 号機が9月の米国におけるロールアウト式典で初公開された。一方、4月にはX-2先進技術実証機が初飛行に成功した。 既存機では、本年3月にC-2輸送機が部隊配備されたほか、P-1哨戒機の量産が長期契約により進められている。また、 US-2救難飛行艇の海外輸出の検討が続けられている。 宇宙分野では、12月にH-ⅡBロケットで打ち上げられた「こうのとり」6号機が、一昨年に引続き国際宇宙ステーショ ンへの物資補給に成功した。続くH-ⅡAロケット32号機による防衛通信衛星「きらめき2号」(1月)、同33号機による 情報収集衛星レーダ5号機打上げ(3月)が成功し、H-ⅡA連続打ち上げ成功は27回となった(成功率97.0%)。また、 イプシロンロケットの強化型である2号機によるジオスペース探査衛星の打ち上げも12月に成功した。政策面では11月 に「宇宙活動法」と「衛星リモートセンシング法」が成立し、12月には宇宙基本計画の工程表が改定された。 こうした状況下、当工業会では、各般にわたる事業について、推進母体となる委員会を設けるなど体制を整備し、 政府に対する提言・要望、航空宇宙産業に関する調査研究、政府等からの受託事業、(公財)JKAからの補助事業等を 実施した。また、各国の工業会等との情報交換・交流、世界に向けた発信などを積極的に行なった。これら事業は、 全般的にほぼ期待された成果を収め、航空宇宙工業の健全な発展に寄与することができた。 1.政府の諸施策に対応する諸活動 関係官庁等における航空宇宙政策の検討、推進に対し、以下のとおり参画、協力等を実施した。 (1)経済産業省主催の航空機産業戦略研究会(5∼7月、4回開催)にオブザーバ出席し、第3回(6月)において、装備 品分野における会員企業の取組状況等を発表した。 (2)防衛省主催「将来戦闘機官民合同研究会」(6月、1月)に出席し、生産・技術基盤、ミッション・システム開発の 見通し等について官民で情報共有を行った。 (3)平成28年度防衛省契約に関して、防衛装備庁調達事業部へ早期契約の要望を提出するとともに意見交換を行った(5月)。また、平成27年度に官民合同ワーキンググループで取纏められた契約改善検討結果について、調達管理部と 意見交換を行った(7月)。 (4)防衛装備庁長官と防衛団体との意見交換会(9月)、防衛装備庁審議官以下と会員企業との意見交換会(11月)に 出席し、防衛産業政策、防衛装備移転に関する意見・要望を述べた。 (5)財務省・防衛装備庁主催の防衛装備品の「経費率研究会」に関し、財務省から提示された諸課題(初度費、利益 率等)について、会員企業から意見等を述べた。 (6)内閣府宇宙開発戦略推進事務局に対して、「『宇宙産業ビジョン中間とりまとめ』にむけたSJAC提言」を提出した。 (6月) (7)「関税暫定措置法」の期間延長(平成29年度から3年間)について会員企業の数値を取り纏め、延長要望を経産省 に提出した。同法は3月末に延長法案が可決された。 (8)平成29年度税制改正要望を取り纏め、経済産業省、自由民主党、公明党に提出した(10月)。 (9)自由民主党宇宙政策懇談会において、宇宙産業振興に関する業界の意見を述べた(1月)。 2.航空宇宙産業に関する基礎的調査及び情報の収集並びに提供 (1)航空宇宙産業の実態調査及び各種統計データの整理を行い、ホームページに掲載した。 ①航空宇宙産業データベース ②日本の航空機工業資料集 ③航空機の生産・輸出・受注見通し(日機連依頼) ④航空機の月別・年別・年度別生産実績 (2)平成29年版「日本の航空宇宙工業」、「世界の航空宇宙工業」を、編集委員会を開催して(5回)、発行した。 3.航空宇宙産業の産業基盤の整備 (1)航空機関連国際標準規格の整備 ISO及びIECのTC(委員会)及びSC(分科会)に参加して以下の活動を実施した。 〈ISO/TC20(航空機および宇宙機)〉 委員会総会(10月、モスクワ/ロシア)に出席した。下記の分科会について国内審議を経て投票を実施し(新規36件、 定期見直し31件、その他10件)、また、国際会議に出席した。 SC1 (航空宇宙電気系統の要求事項)国際会議(11月ウエリントン/ニュージーランド) SC9 (航空貨物および地上機材)国際会議の開催なし SC10 (航空宇宙流体系統)国際会議(10月キングスポート/米国) SC16 (無人航空機システム)国際会議(6月北京/中国、3月マドリード/スペイン) 〈IEC/TC107(航空電子部品のプロセスマネジメント)〉 国内審議を経て、新規国際規格案4件について投票を実施した。 〈ISO/TC184/SC4(産業データ)〉 国内審議団体(製造科学技術センター)の推進するデータの同一性検証等に関する国際標準化の活動を、SC4推 進協議会に参加して支援した。また、SJAC講演会で活動内容を紹介し、この分野の国際標準化活動の方向性につ いて会員の意見を収集した。 日本提案案件の推進は以下のとおりである。 〈ISO/TC20/SC1(航空宇宙電気系統)〉
LED Taxi Lightに関する国際標準化:一般的要求事項の規格提案が最終段階のDIS投票に入った。また、設計ガイ ドラインの規格を新規提案し、NP投票に入った。
〈IEC/TC107(航空電子部品のプロセスマネジメント)〉
高集積度半導体への2次放射線影響評価:提出したTR(技術文書)案を最終的に修正した。 注)DIS:Draft International Standard, NP:New Work Item Proposal, TR:Technical Report (2)宇宙機関連国際標準規格の整備
ISO/TC20(航空機及び宇宙機)のSC(分科会)に参加して以下の活動を実施した。 〈ISO/TC20/SC14(宇宙システム・運用)〉
審議を経て投票を実施した(新規30件、定期見直し28件)。 ・ 世界各地でのワーキンググループ国際会議に出席した。WG1及びWG6については東京での会議を主催した (10月)。 ・SC14委員会(9月)及びSC13・SC14合同委員会(2月)に各分科会の状況を報告した。 〈ISO/TC20/SC13(宇宙データ・情報伝送システム)分科会〉 ・DIS委員会を1回開催し、国内審議を経て投票を実施した(新規13件、定期見直し7件)。 日本提案案件の推進は以下のとおりである。 〈ISO/TC20/SC14〉 ・ 超小型衛星の耐宇宙環境性評価:超小型衛星を定義する上位規格についてCDVを通過した。また、耐宇宙環境 性評価基準についてDIS投票を通過し、DIS最終案を提出した。 ・ 宇宙機帯電電位見積りに関する標準化 : DIS投票を通過して12月にDIS最終案を提出し、3月にDIS最終案に対す る投票が開始された。 ・宇宙機用デブリ対策設計・運用マニュアル:DTR投票を通過し、中央事務局にて出版準備に入った。 ・ 射場におけるコンバインドオペレーションプランの標準化:11月にCDVを通過し、12月にDISを提出し、3月に DIS投票が開始された。 ・商用衛星用製品保証の標準化:9月にCDVを通過し、1月にDIS投票が開始された。 ・民生用部品の宇宙放射線試験に関する国際標準化:9月にNP投票を通過しWD作成に入った。 ・衛星搭載用受動系電波センサ間の校正要求事項に関する国際標準化:12月にCDCを終了し、CDVへ移行した。 ・宇宙材料開発分野の耐原子状酸素コーティング技術に関する国際標準化:規格準備を進めた。 ・衛星利用除雪支援システムの国際標準化:秋期国際会議にて規格の内容を説明し、3月にNP投票が開始された。 注) WD:Working Draft, CD:Committee Draft, CDC:Committee Draft Comment, CDV:Committee Draft Voting,
DTR:Draft Technical Report
(3)航空宇宙産業の品質向上・コストダウン活動の推進 「航空宇宙品質センター(JAQG)」が中心となり、以下を重点に活動を推進した。 ①IAQG 9100規格改正(2016年)に対応して以下の作業を実施した。 ・国内規格JIS Q 9100を9月に発行し、10月以降、9100シリーズSJAC規格を発行した。 ・普及促進のため、説明会(10月東京、名古屋、神戸)を開催し、解説書を発行した。 ② 9100規格に準拠したJAXA新品質管理要求(JMR-013、2015年末発行)のプロジェクト適用や、JIS Q 9100 2016 年版への対応などについてJAXAを支援した。
③IAQG SCMH(Supply Chain Management Handbook) の和訳を、JAQGウェブに7件掲載した。
④ 「強固なQMS構築」について、日本起案ガイダンス文書3件をIAQG SCMH文書として発行した(全6文書中、5件 を発行)。併せて、国内規格SJAC 9068を改定/発行した(12月)。
⑤ JAQGメンバーのNadcap認証取得・維持活動への支援として、監査チェックリスト日英対訳版の JAQGウェブ公開 を推進した。また、Nadcap運営組織の日本向け活動を支援した。
⑥ JIS Q 9100 2016認証移行(2017年6月∼2018年9月)に伴う認証データ登録システム更新(OASIS NEXT GENERATION)に関し、IAQGのテストを支援し、2017年春からの本格運用に向けたJAQGメンバー向け啓蒙活動 や操作マニュアル32件の和訳版作成を行った。 (4)プロダクトサポートに関する調査検討 ①プロダクトサポートに関する調査と国内適用の検討 技術データ国際規格の調査として、MRJの整備マニュアル及び教育用資料へのS1000D採用の経緯や導入状況を調 査し、また、2016 S1000D User Forum(9月セビリア/スペイン)に参加してS1000Dを含むSシリーズの動向を調査 した。 ②航空機個品情報管理システム 防衛省への導入のための動向調査の一環として、いくつかのPBL契約について調査した。 ③航空機業界の受発注業務の効率化推進 EDIシステム安定動作確保のため、ソフトウェアの動作確認や操作性改善を実施し、また、平成29年度に実行す べき改善項目を確定した。 国際標準への適合の検討を継続することとして、ATA-Spec2000の調査に着手した。
(5)相互認証の推進 相互認証委員会において、BASA締結に向けて国土交通省が提示したサーキュラー(事業場認定に関する一般方針) の改定案に関する意見を収集して同省に報告した(9月、2月)。また、BASAに関する他国航空局との協議の状況に ついて同省から説明を受けた(3月)。 整備・修理の分野を検討する整備小委員会を設け、国土交通省の規定についてFAA規定と対比するなどの検討を 行い、要望を同省に提出し(7月)、意見交換を行った(9月)。
注) BASA:Bilateral Aviation Safety Agreement (航空の安全に関する相互認証協定) (6)必要な人材の確保 ①IAQG要員能力関連活動 IAQGの要員能力関連活動が休止しており、業務はなかった。 ②製造技術者人材育成 ・ 平成27年度製造技術者ワーキンググループで検討継続項目とされた3テーマについて、検討分科会で以下の活動 を実施し、航空機整備士・製造技術者養成連絡協議会に報告した。(関東経済産業局委託「地域中核企業創出・ 支援事業」の一部として実施) 1) 非 破 壊 試 験 技 術 者 育 成 に か か る 検 討 分 科 会(8 月、12 月、1 月、2 月): NAS410(米 国 規 格)を 採 用 し、 NANDTB(英国非破壊検査協会)の運営ルールを参考にし、運営母体となる組織の整備に関する検討を行った。 2) 生産管理・品質保証等の人材育成検討分科会(7月、9月、3月):委員が推奨する既存の教材や講座のリスト、及 び中核企業が二次下請けの生産管理や品質保証をするためのチェックリストおよびガイドブックを作成した。 3) 技能認定制度検討分科会(7月、3月):中部地域で運営されている新規採用者向け講座「構造組立初級」の受講 状況と収支実績を参考に、技能認定制度の検討を行った。 ・ 航空関連職種を志願する若年層を掘り起こす裾野拡大活動として、日本航空機操縦士協会、日本航空技術協会、 全日本航空事業連合会と協力して、航空職種紹介WEBサイトskyworksにイベント等の情報掲載を行い、また、 昨年度に引き続いて女性を対象とした職業紹介イベント「航空教室」を開催した。 (7)防衛装備品取得に関する調査検討 ①調達効率化に関する調査検討 ・ 防衛装備庁が平成27年度に実施した調査結果(企業のサプライチェーン、可動率向上等)の説明を受け、意見 交換を行った(7月)。 ・ NATOカタログシステム(政府調達のグローバル標準)(8月)、及び欧米のサイバーセキュリティ動向と防衛調 達への適用動向(2月)に関し、有識者講演会を行い、防衛省、経産省、会員企業と情報共有した。 ②防衛装備庁が実施する施策についての検討 ・ 防衛装備品のプロジェクトマネジメント及びリスクシェアリング契約に関し調達管理部等と意見交換を行った (4回)。 ・ 防衛装備庁が民間委託した「防衛装備・技術協力を踏まえた知的財産管理に関する調査研究」作業委員会に出 席し、知財有識者と意見交換を行った(4回)。 4.航空機産業に関する調査研究 (1)航空機の技術動向等に関する調査・検討 ①装備品開発力の強化に関する調査・検討 関東経済産業局委託「地域中核企業創出・支援事業」の中で、以下の調査・検討を実施した。 1)ソフトウェア支援アクションプランの検討 米国の企業・機関、及び国内自動車産業の先行事例調査結果を踏まえて、認証取得活動、ソフトウェアの品質 向上及び開発効率化への対応策や支援体制を検討し、工程表に纏めた。 2)装備品開発に不可欠な環境試験等に係る課題検討 装備品メーカーが国内設置を要望している6項目のDO-160環境試験対応設備の整備に向けて、仕様、コスト、 スケジュールを整理した。 ⅰ)防爆性試験、 ⅱ)砂塵試験、 ⅲ)カビ抵抗性試験、 ⅳ)直撃雷の影響試験、 ⅴ)着氷試験、 ⅵ)燃焼・耐火性試験 また、米国の試験実施会社における運用状況調査を踏まえて、環境試験設備群を整備する際の運用体制、サービ
ス体制、利用頻度向上策、及び試験要員育成構想を検討、整理した。 ②技術委員会における将来課題検討 SJAC/JAXA研究会を設置、開催した(2回)。産業界ニーズとJAXAシーズの情報を交換し、航空機産業の将来展 望を共有し、研究開発から産業化までの連携について、意見交換を実施した。 (2)産学連携の推進 宇宙航空研究開発機構(JAXA)による公募型研究説明会(6月)に協力し、応募促進を図った。公募型研究で2件、 イノベーションチャレンジで1件の会員企業からの提案が採択された。 (3)航空防衛技術に関する調査研究 第5期航空防衛技術フォーラムの開始が決定された。これを受けて航空幕僚監部装備計画部による会員企業への事 前説明会を開催し(2月)、意見交換を行った。 (4)航空機部品・素材に関する調査研究 航空機部品・素材・装備品(航空電子システムを含む)に関する先端技術動向について、4つの分科会・専門委員 会にて下記の事項の調査・検討と意見交換を行った。 ①海外市場参入検討分科会(6月、9月、11月、1月) 日米間BASAの動向、日本航空機産業のファイナンス状況、米国の製造承認の状況、MRO動向。 ② 装備品技術検討分科会(6月、9月、11月、1月) 系統毎の電動化メリット・デメリット、機体システムとしての最適化、ネットワーク技術の適用事例、及び将来 航空機に必要となる技術要素の自動車業界における動向。 ③先進アビオ検討分科会(6月、9月、11月、1月) ICAOの航空システムについての将来計画、自動運航技術等のアビオニクス技術。 ④素材専門委員会(2月)
CMC (Ceramic Matrix Composites)に関する研修会を宇部興産及び超高温材料研究センターにて、大型放射光設備 に関する研修会を理化学研究所にて実施した。
(5)民間航空運輸に関する調査検討
国際民間航空機関(ICAO)及び国土交通省等と連携し、以下の分野の委員会活動等に参加して情報の収集と展開 を行った。
①航空環境保全
ATAG Global Sustainable Aviation Forum 2016 及び ICAO High Level Meeting on a Global Market-Based Measure Scheme (5月)、CAEP Working Group(9月)、ICAO 総会(10月)、CAEP Steering Group Meeting (12月)に参加し、 航空環境保全に関する最新状況と動向の情報を入手した。また「CAEP委員会」、「航空機 CO2削減検討委員会」、 及びCO2排出削減基準と市場メカニズムを活用した温室ガス排出削減制度に関するSJAC講演会を開催して情報展 開した(1月)。 ②耐空性 FAA-EASA 航空安全会議に参加して(6月)、耐空性はじめ相互承認に関する欧米当局の動向について情報入手し た。 ③新航空管制システム 航空管制(ATM) 、性能準拠型航法(PBN) 、小型機広域航法(RNAV) 及び全地球衛星測位システム(GNSS) に 関する検討会、並びに研究開発推進分科会に参加し情報収集した。研究開発推進分科会ではヘリコプターのGNSS 関連アビオニクスの技術動向について発表した。 ④無人航空機 新設した「無人航空機システム検討委員会」において無人航空機と有人機の衝突回避を課題に設定し、法令・規 制やセンサ関連技術を調査するとともに、さらに分科会を発足して細部の分析・検討を行った。国際標準整備に ついては、ISO/TC20/SC16(無人航空機システム)の国内審議団体となり、国際会議に出席して日本の無人航空 機産業の商業運航に向けた現状の紹介等を行った。また、「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」(内 閣官房主催)に国際会議の状況を報告した。 (6)有害化学物質等の規制に関する調査検討 調査を行うべき規制の新設や改定は行われなかった。
5.宇宙産業に関する調査研究 (1)宇宙産業実態調査の実施 産業活動や製品について実態を調査して、以下の資料を発行し、会員等に配布した。 ・ 宇宙産業データブック:我が国の宇宙機器産業について売上高、輸出入、従業員数等を企業から収集、集計し、 宇宙利用サービス産業、宇宙関連民生機器産業、ユーザー産業及び日米欧宇宙産業比較に関する調査結果と合わ せて取り纏めた。
・ 「Directory of Japanese Space Products & Services 2016-2017」(宇宙関連製品カタログ2016-2017年版):4社増の37社 分を掲載した。 ・ 「世界の宇宙インフラデータブック2017」:世界のロケット、衛星、宇宙船等の宇宙関連施設を含むデータを最新 化した。 (2)宇宙政策に関する調査の実施 宇宙産業の競争力強化、信頼性向上等に向け、以下の活動を実施した。 ① 内閣府宇宙開発戦略推進事務局に対して「『宇宙産業ビジョン中間とりまとめ』にむけたSJAC提言」を提出した(6 月)。さらにスペースポリシー委員会では宇宙産業基盤発展のため、宇宙機器の海外展開に関する検討を実施した。 ② 国連COPUOS(宇宙空間平和利用委員会)におけるスペースデブリに関する国連のドラフトガイドラインの検討 に協力した。 (3)宇宙機器産業基盤に関する調査研究の実施 ① 経済産業省主催「部品・コンポーネントに関する技術戦略に関する研究会」に委員として参加し、情報収集を行 うとともに、意見交換を行った(5回)。 ② JAXA主催「JAXA推奨部品リスト技術審査委員会」にオブザーバ参加し、情報収集を行った(4回)。 (4)次世代宇宙プロジェクトに関する調査研究の実施 「HTS向け地上局及び携帯端末に関する調査」をテーマとしての委員会を開催し(5回)、結論を報告書として取り 纏めて関係先に配布した。 6.国際産業動向調査及び国際産業交流・広報事業 (1)国際産業交流・広報事業 ① ファンボローエアショー(7月) ・ 会員企業9社と共にブース出展し、前回を上回る1,649名を集客した。三菱航空機がシャレー出展し、欧州企業に 対するMRJ販売の基本合意について発表した。 ・ 以下の工業会との交流を行った。 米国航空宇宙工業会(AIA) 欧州航空宇宙工業会(ASD) 及び 英国航空宇宙防衛セキュリティ工業会(ADS) カナダ航空宇宙工業会(AIAC) ・ モデルロケット国際大会(米・英・仏・日)への日本の高校生チーム(秋田北鷹高校)の参加を支援した。 ② JA2016の開催(10月) および フランス航空宇宙工業会(GIFAS)の来日(11月)に伴い、工業会トップ間での交 流を行った。 (2)国際産業動向調査 ① ケープタウン条約検討委員会を開催し(3月)、航空機ファイナンスの世界的な動向と日本における状況に関して 理解を深めた。 ② 経済産業省主催の海外貿易会議(宇宙(6月フランス)、航空機(2月中国、香港、フィリピン、マレーシア))の 実施を支援した。 ③ 企業倫理国際フォーラム第7回年次大会に参加した(11月英国)。 (3)海外企業との企業間マッチング ① フランス航空局と経済産業省の主催で日仏民間航空機産業協力に関するワークショップが開催された際(11月)、 日仏企業間の対話を支援した。 ② フランス航空宇宙工業会(GIFAS)が来日した際(11月)、SJAC会員企業を中心とした日本企業とフランス企業 との間でBtoBミーティングを実施した。 ③ 仏ADS(エアバス・ディフェンス&スペース)社が来日した際(10月)、日本の宇宙関連企業とのワークショップ
及びBtoBミーティングを設定した。 ④ 国際航空宇宙展(10月)におけるBtoBミーティングに、24か国、316社の参加を得た。 (4)防衛装備品 防衛生産・技術基盤検討委員会(基盤分科会)の活動として、以下を実施した。 ・ 第1回日米防衛産業カンファレンス開催(5月ワシントンDC) ・ 第3回日英防衛産業間対話開催(10月東京) ・ 日米技術フォーラム(5月ナッシュビル)、日独防衛・セキュリティ産業官民ラウンドテーブル会議(5月東京)へ の出席 ・ 欧州防衛市場参入をテーマとするSJACセミナー開催(9月東京) また、以下の会議・セミナーで情報収集、意見交換を行い、基盤委員会等に報告した。 ・ 日独防衛・セキュリティ産業フォーラム(9月東京) ・ 日仏防衛産業ワークショップ(5月東京) ・ 日豪産業フォーラム(5月東京、3月メルボルン、アデレード) ・ スウェーデン:ディフェンスセミナー(11月東京) (5)国際航空宇宙工業会協議会(ICCAIA) 総会(5月、10月、3月 モントリオール)に参加した。 (6)欧州との研究協力(SUNJET II) ・ ベルリンエアショー(6月)の期間中にプロジェクトの進捗を確認する会議を行うと共に、欧州事務局が開催した フォーラムを支援した。 ・ 国際航空宇宙展(10月)にて欧州プロジェクトリーダーによる講演、及び進捗確認会議を実施した。 ・ 一次提案書を見直した二次提案書を欧州委員会と経済産業省へ提出した(3月) 7.広報活動の推進 内外の報道関係者・航空宇宙関係者に対し適切な対応を行うとともに、航空宇宙産業全般について、次のような活 動を実施した。 ① 会報「航空と宇宙」を毎月発行。「組織と活動」2016-2017年版、「はばたく日本の航空宇宙工業」およびその英語 版「Japanese Aerospace Industries」の2016年版を発行した。
② SJACホームページ維持改訂を定期(毎月)、非定期に実施した。若年層向けサイトskyworksを会報で紹介し周知 を図った。 ③ 「空の日」「空の旬間」事業に協力した。SJACの推薦により会員企業から「航空亀齢賞」を1名、「航空功績賞」 を2名が受章した。(9月) ④ SJAC講演会を実施した(7回)。 8.国際航空宇宙展の開催 2016年国際航空宇宙展(JA2016)を、(株)東京ビッグサイトとの共催により以下のとおり開催した。また、成果 や反省点等を報告書に取り纏めた。 会 期:平成28年10月12日(水)∼15日(土) (12∼14日はトレード、15日は主にパブリック) 会 場:東京ビッグサイト(西展示棟全館、屋外・屋上展示場、会議棟の一部) 出展者数:812社・団体(過去最大、前回636社・団体) 出展面積:11,339㎡(過去最大、前回8,680㎡) 参加国数:31か国・地域 来場者数:トレード 30,789人/3日間(前回21,753人/4日間) パブリック 13,627人/1日間(前回20,454人/3日間) 主な内容:ブース展示、実機等展示、ビジネスマッチング、講演、パブリックイベント、 主催者行事(開会式、オープニング・レセプション、招待者プレビュー)など 特別協力:東京都 後援機関:経済産業省、防衛省をはじめ各省庁、大使館、報道機関など(計23機関)
9.政府等からの受託を実施した業務 関係官庁、関係機関等から以下の委託を受け調査研究等を実施した。 ①ISO国際標準の整備等に係る検討作業(宇宙航空研究開発機構) ②民生部品の宇宙放射線試験に関する国際標準化(経済産業省−三菱総研経由) ③衛星搭載用受動系電波センサ間の校正要求に関する国際標準化(経済産業省−三菱総研経由) ④宇宙材料開発分野の耐原子状酸素コーティング技術に関する国際標準化(経済産業省−三菱総研経由) ⑤衛星利用除雪支援システムの国際標準化(経済産業省−三菱総研経由) ⑥Taxi Lightに関する国際標準化(経済産業省−野村総研経由) ⑦海外衛星開発動向に係るモニタリング調査等(内閣府) ⑧地域中核企業創出・支援事業(関東経済産業局) ⑨戦闘機開発に係る波及効果等に関する調査支援(防衛装備庁−三菱総研経由) ⑩実機飛行を通した航空実践教育の展開(文部科学省−名古屋大学経由) ⑪通信・放送衛星の国際競争力強化及び技術開発のあり方に関する調査研究(総務省) ⑫防衛仕様書(品質管理等共通仕様書)改正原案の作成役務(防衛装備庁) 10.その他 ①火薬類取締法適用除外指定に係る活動 航空機搭載消火ボトル用カートリッジの通常点火試験結果を提出したところ、適用除外は困難との経産省の判断 を受けたが、輸入申請の簡素化について検討することとなった。 ②電子証明サービス 電子証明サービス検討委員会で業務内容を具体化し、それに沿って(一財)日本情報経済社会推進協会(JIPDEC) の認証局認定を受け、1月から会員向け電子証明サービスを開始した。 ③航空宇宙産業労働組合協議会との懇談会を実施した(11月)。
基本方針
航空宇宙産業は、経済発展を牽引する先端技術産業であり、他産業への技術波及が大きく、広範な関連産業が存在 するなどの特質を有している。また、国の安全保障基盤を構成する重要な戦略産業であり、国民生活においても利便 性の向上に大きく貢献しており、引き続き確固たる産業・技術基盤の構築を図ることが重要である。 当工業会は、日本の航空宇宙産業の更なる発展を目指し、各種事業の円滑な推進を図るため、関係方面への提言・ 要望活動をより強化する一方、それぞれの推進母体となる各種委員会活動をより充実し、長期的展望に立ち、世界の 航空宇宙工業会などとの情報交換・交流、国際規格・標準の整備、調査研究、将来技術の研究開発、航空宇宙産業の 振興に関する事業等に着実に取り組む。事業内容
1.政府の諸施策に対応する諸活動 国会、政府等における航空宇宙政策の推進に積極的に対応、協力する。 ①関係官庁等の審議会、検討会、説明会等への積極的な参画・協力 ②関係官庁との意見交換会等の開催 ③施策、予算等に関する提言・要望の提出等 2.航空宇宙産業に関する基礎的調査及び情報の収集並びに提供 (1)航空宇宙産業の実態調査及び各種統計データを整理しホームページに掲載する。 ①航空宇宙産業データベース(航空宇宙全般を整理した資料、日本語・英語) ②日本の航空機工業資料集(日本の航空機工業の生産額/輸出額等を整理した資料) ③航空機の生産・輸出・受注見通し ④航空機の月別・年別・年度別生産実績 (2)平成30年版「日本の航空宇宙工業」、「世界の航空宇宙工業」を発行する。 3.航空宇宙産業の産業基盤の整備 (1)航空機関連国際標準規格の整備 ISO、IEC委員会に参加して、国内審議団体として、航空関連標準規格の整備を推進する。 ・ISO/TC20(航空機および宇宙機) ISO/TC20/SC1(航空宇宙電気系統の要求事項) ISO/TC20/SC9(航空貨物および地上機材) ISO/TC20/SC10(航空宇宙流体系統) ISO/TC20/SC16(無人航空機システム) ・IEC/TC107(航空電子部品のプロセスマネジメント) なお、ISO/TC20/SC1の本年度国際会議は伊勢市での開催となる。 また、以下の日本提案案件について推進を図る。 〈ISO/TC20/SC1〉・「LED Taxi Lightに関する国際標準化」規格
・ハイパワー半導体パワーコントローラーの規格、新規提案活動
平成29年度事業計画書
自 平成29年4月 1日
至 平成30年3月31日
〈IEC/TC107〉 ・「高集積度半導体への2次放射線影響評価」TR(技術報告) 〈ISO/TC184/SC4(産業データ)〉 国内審議団体であるMSTC(製造科学技術センター)の運営するSC4推進協議会に参加し、データの同一性検証 等の要素技術に関する国際標準化を推進する。 (2)宇宙機関連国際標準規格の整備 ISO委員会に参加し、国内審議団体として、宇宙関連標準規格の整備を推進する。 ・ ISO/TC20/SC14(宇宙システム・運用)分科会活動 ・ ISO/TC20/SC13(宇宙データ・情報伝送システム)分科会活動 また、以下の日本提案案件について推進を図る。 ・ 超小型衛星の耐宇宙環境性評価 ・ 宇宙機帯電電位見積りに関する標準化 ・ 射場におけるコンバインドオペレーションプランの標準化 ・ 商用衛星用製品保証規格 ・ 民生用部品の宇宙放射線試験に関する国際標準化 ・ 衛星搭載用受動系電波センサ間の校正要求事項に関する国際標準化 ・ 宇宙材料開発分野の耐原子状酸素コーティング技術に関する国際標準化 ・ 除雪支援システムの国際標準化 ・ 宇宙光通信の国際標準化(新規) (3)航空宇宙産業の品質向上・コストダウン活動の推進 「航空宇宙品質センター(JAQG)」が中心となり、以下を重点に活動を推進する。 ①IAQG関連活動 ・ 日本の意見をIAQGに提言する一方、APAQGをリードする。認証スキームの立ち上げを計画している韓国を支 援し、日本・韓国による認証制度監視チームAPAQG-OPMTの立ち上げ準備を開始する。 ②JAQG関連活動 ・ IAQG 9100規格2016改正に対応して、国内規格を制定/改正し、規格の展開支援文書(FAQ等)の日本語版を作成・ 維持する。 ・ 9100規格に準拠したJAXA新品質管理要求(JMR-013)のプロジェクト適用を支援し、宇宙分野への規格活用の 拡大を推進する。
・ SCMH(Supply Chain Management Handbook)の整備を推進する。
・ 「強固なQMS構築」について、日本起案ガイダンス文書の普及活動を継続する。(JAQG提案残り1文書を発行予定) ・ 特殊工程の国際認証制度(Nadcap)の日本国内への有益な展開を図るため、JAQGメンバーの認証取得及び維
持活動を支援する。
③JIS Q 9100認証制度の運営・管理
・ JIS Q 9100 2016認証移行(平成29年6月~30年9月)に伴う認証データ登録の新システム(OASIS NEXT GENERATION)への移行に対応する。 (4)プロダクトサポートに関する調査検討 ①プロダクトサポートに関する調査と国内適用の検討 海外におけるプロダクトサポートの取り組み等を調査し、国内航空機産業への適用を検討する。 ②航空機業界の受発注業務の効率化推進 EDI運営にあたり、システム安定動作確保のための維持・改善を継続する。 また、現行システムの国際標準への適合について、ATA-Spec2000に関する調査検討を継続する。 (5)相互認証の推進 BASA締結に向けて行われる国土交通省規定(サーキュラー)の改定について、相互認証委員会での意見収集、 報告を継続し、BASA締結を支援していく。 昨年設立された整備小委員会の活動として、整備・修理分野の規定に関し国土交通省と意見交換を継続する。 注)BASA: Bilateral Aviation Safety Agreement : 航空の安全に関する相互認証協定
(6)必要な人材の確保 ①IAQG要員能力関連活動参画 IAQGのヒューマンファクターに関するガイダンス文書(改訂版)の制定に参加する。 ②製造技術者人材育成 ・ 経済産業省と協力して、航空機整備士・製造技術者養成連絡協議会と製造技術者WGを運営し、非破壊検査員 育成スキーム確立に関する課題の検討を継続する。 ・ 将来人材を掘り起す裾野拡大のため、日本航空機操縦士協会、日本航空技術協会、全日本航空事業連合会と協 力して、航空職種紹介WEBサイトskyworksやイベントを運営する。 (7)防衛装備品取得に関する調査検討 ①調達効率化に関する調査検討 平成28年度に実施された防衛装備庁と防衛団体との意見交換から引き出された調達効率化の課題について、防衛 装備庁と会員企業との意見交換会を行っていく。 ②防衛装備庁が実施する施策についての検討 見直しが予定されている、予定価格訓令、及び知的財産制度の訓令に関し、防衛装備庁と会員企業との意見交換 を行っていく。 4.航空機産業に関する調査研究 (1)航空機の技術動向等に関する調査・検討 ①環境試験設備拠点運用に関する課題検討 我が国で環境試験設備を整備する際の運用体制、サービス体制、利用頻度向上に向けた対策案を引き続き検討する。 また、長野県飯田地域に計画されている、着氷試験設備、及び防爆試験設備の導入に伴う運用体制の具体化を図る。 ②技術委員会における将来課題検討 航空機産業の将来展望を描いて、その実現に必要となる革新技術の動向を把握し、研究開発から産業化に至る過 程での課題を抽出し、解決策を提言すべく検討を進める。 革新技術の動向調査については革新技術開発センターの知見を活用する連携を図る。 また、SJAC/JAXA研究会を開催し、産業界とJAXAとで将来展望を共有し、研究開発から産業化まで連携する上 での課題と解決策について議論を進める。 ③革新航空機技術開発センターにおける技術調査 技術委員会と連携し、将来課題に対して必要とされる革新技術の動向を調査する。 (2)産学連携の推進 革新航空機技術開発センターが中心となり、産学連携を目指した企業/大学間のマッチングの場の提供、宇宙航空 研究開発機構や日本航空宇宙学会等との連携及び航空機技術者の育成に資する講演会等の諸活動を実施する。 (3)航空防衛技術に関する調査研究 空幕・装備計画部主催による第5期航空防衛技術フォーラムの全体会議後、個別会議を開始する。 (4)航空機部品・素材に関する調査研究 航空機部品・素材・装備品(航空電子システムを含む)に関する先端技術動向調査のために以下に示す4つの分科 会・専門委員会にて下記の事項の調査・検討を行う。 ・ 海外市場参入検討分科会 ・ 装備品技術検討分科会 ・ 先進アビオ検討分科会 ・ 素材専門委員会 (5)民間航空運輸に関する調査検討 国際民間航空機関(ICAO)及び国土交通省等と連携し、以下の委員会活動に参加し情報の収集と展開を行う。 ICAOとの連携に当ってはICCAIA(航空宇宙工業協議会)を活用し情報収集と調整を実施する。 ・ 航空環境保全 ・ 耐空性 ・ 新航空管制システム
・ 無人航空機 ・ サイバーセキュリティ対応 無人航空機については、内閣府主催の「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」及び分科会に対応する ため、SJAC「無人航空機システム検討委員会」において、安全な運航のための技術開発、実証等について、産業界 の知見や意見を取りまとめる。また同委員会は、ISOの無人機システムに関する国際規格整備に国内審議団体の一 部として参加し、無人機・有人機衝突回避システム等についての規格提案に向けた機能検討等を行う。 5.宇宙産業に関する調査研究 (1)宇宙産業実態調査の実施 ①宇宙産業データブックの作成 我が国の宇宙機器産業について実態調査を行うとともに、我が国宇宙関連産業(宇宙利用サービス産業/宇宙関連 民生機器産業/ユーザー産業群)のデータ、米欧の宇宙産業に関するデータ等を収集・整備する。
② 「Directory of Japanese Space Products & Services 2016-17」(宇宙関連製品カタログ2016年版)の増刷を実施する。 ③ 世界のロケット、衛星、宇宙船等の宇宙関連施設を含むデータを「世界の宇宙インフラデータブック2018」とし て作成、配布する。 (2)宇宙政策に関する調査の実施 宇宙産業の競争力強化、信頼性向上等に向け、以下の活動を実施する。 ①スペースポリシー委員会で宇宙産業基盤発展のための検討を引き続き実施する。 ② 国連COPUOS(宇宙空間平和利用委員会)におけるスペースデブリに関する国連のドラフトガイドラインの検討 に協力する。 (3)宇宙機器産業基盤に関する調査研究の実施 関係機関(経済産業省、宇宙航空研究開発機構、関連メーカー)と連携し、コンポーネント・部品に関する産業 基盤の維持強化を図る。 (4)次世代宇宙プロジェクトに関する調査研究の実施 各国の宇宙利用計画、宇宙開発動向等の調査を行い、我が国が目指すべき次世代宇宙プロジェクトについて調査 検討を行う。 6.国際産業動向調査及び国際産業交流・広報事業 (1)国際産業交流・広報事業 ①パリエアショー(6月): ・会員企業12社と共にブース出展する。 ・以下の工業会と交流を行う。 - 米国航空宇宙工業会(AIA) - 欧州航空宇宙工業会(ASD) - フランス航空宇宙工業会(GIFAS) ・モデルロケット国際大会(米・英・仏・日)に参加する予定の日本の高校生チームに対して支援を行う。 ②カナダ航空宇宙工業会(AIAC)のミッションが来日する際に(9月)、工業会の交流を行う。 ③海外企業と日本企業の企業間マッチング 以下の機会等を活用して、マッチングを支援する。 ・パリエアショー(6月)(平成28年11月GFASミッション来日時のマッチング参加企業等を参集) ・日仏ワークショップ(秋・日本) ・カナダ航空宇宙工業会(AIAC)のミッション来日(9月) (2)国際産業動向調査 ①ケープタウン条約検討委員会を開催し、航空機ファイナンス利用促進に関して海外動向など情報交換を行う。 ②経済産業省主催の海外貿易会議(航空機、宇宙)を支援する。 ③企業倫理国際フォーラム(第8回年次大会:秋)に参加する。
(3)防衛装備品 各種会議・セミナー等での情報収集と意見交換を実施するとともに、米国及び英国のカウンターパート工業会と 防衛産業間対話を継続開催する。 (4)国際航空宇宙工業会協議会(ICCAIA) モントリオールでの開催が計画されている総会に参加する。(秋) (5)欧州との研究協力(SUNJET II) パリエアショー(6月)の期間中に計画されているプロジェクトミーティングに参加すると共に、欧州事務局によ るフォーラム開催を支援する。 7.広報活動の推進 内外の報道関係者・航空宇宙関係者に対し適切な対応を行うとともに、航空宇宙産業全般について、次のような活 動を積極的に実施する。
① 会報「航空と宇宙」毎月発行。「はばたく日本の航空宇宙工業」、およびその英語版「Japanese Aerospace Industry」 の改訂版を発行する。 ② 工業会ホームページを定期(毎月)及び非定期に維持・改定し、適切な情報を提供する。 当工業会がリンクしている若年層向けサイトskyworksの内容の充実を図る。 ③国土交通省が主催する「空の日」「空の旬間」事業に協力する(9月)。 ④SJAC講演会を実施する。 8.国際航空宇宙展の開催 次回国際航空宇宙展に向けて以下の活動を行う。 (1)次回国際航空宇宙展を2021年に東京ビッグサイトにて開催することを前提に、関係機関との検討・調整に入る。 (2)JA2016から5年空くことによる、JA認知度の低下や運営ノウハウの散逸等の弊害を緩和し、また市場変化にも対 応するべく、中間年の2018年に東京ビッグサイトにて小規模な展示会を開催することとし、準備に入る。 9.政府等からの受託を計画している業務 政府等が実施している委託事業については、積極的に対応し調査研究等を実施する。当会として受託を計画してい るものは次のとおり。 ①ISO国際標準の整備等に係る検討作業 ②宇宙材料開発分野の耐原子状酸素コーティング技術に関する国際標準化 ③除雪支援システムの国際規格化 ④宇宙光通信の国際標準化 ⑤地域中核企業創出・支援事業 上記のほか、 関係官庁、関係団体等からの委託事業のうち当会の設立目的に合致するものについては、積極的に受 託して調査研究を実施する。 10.その他 (1)会員企業、関係機関等との密接な連絡、情報提供等の推進 (2)その他航空宇宙工業の健全な発展を図るために必要な事業の実施 ①火薬類取締法規制緩和に係る活動 航空機搭載火工品に対する火薬類取締法の規制緩和を推進すべく活動する。 ②電子証明サービス 会員向け電子証明発行サービスの通常業務を行いつつ、電子証明書の普及活動を継続する。