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はじめに(pdf)

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Academic year: 2021

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main : 2016/7/27(13:18)

はじめに

本書は『クロスセクショナル統計学シリーズ』の 1 冊で,社会調査データを 用いた計量研究を行うための統計手法についての入門書である.本書の特徴は, 1 ⃝ 実際の社会調査データを用いて,分析手法だけでなく,結果の解釈の仕方に ついても説明している点, 2⃝ 各分析手法について,無料のソフトウェアである R を用いた分析の方法を解説している点, 3⃝ 練習問題や参考文献によって,自 分で知識を身につけることができるようにした点にある.15 章立ての構成は, 大学での半期の授業で扱う内容,特に,社会調査士資格認定の E 科目で扱う内 容を念頭においている.しかし,各章を読み,実際に R を使って自分自身で勉 強を進めても,社会調査データを用いた分析を行うための一通りの知識を身に つけることができるように構成されている. 本書では行動科学や社会学における題材を用いて,社会調査データの分析法 を説明する.このため,分析モデルや分析結果の解釈もこれらの学問分野を背 景としている.一方で本書では,データの基本的な見方や,平均・分散といった 記述統計量からマルチレベル分析といった最新の分析手法まで,さまざまな学 問分野で用いることのできる手法を網羅的に扱う.よって,行動科学や社会学 を専門としない方にも,社会調査データ分析の入門書としてご活用いただける. 近年では,東京大学の SSJ データアーカイブや立教大学の社会調査データアー カイブ RUDA,海外ではドイツの GESIS など,データアーカイブを通じた社会 調査データの収集・保管・公開が進められている.また,本書で使用した R を はじめ,無料で使用できる統計分析のツールもある.大規模な社会調査データ を用いた分析を行う可能性は,格段に広がっているといえるだろう. 他方で,心理学や政治学,経済学と比べると,社会調査のデータを用いた統 計分析について書いた網羅的な入門書は必ずしも多くはない.本書を通じ,無

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main : 2016/7/27(13:18) vi はじめに 料のソフトウェアによる社会調査データの分析方法を学ぶことで,この可能性 を多くの方に生かしていただければと思う. 本書が想定する第一の読者は,卒業論文で社会調査データの統計分析を行い たい大学生や,これから統計を用いた社会調査データの分析を行ってみたいと 思っている研究者である.一方で各章では,基本的な分析手法の知識がある人 にとっても活用できるよう,平均の検定における等分散性をめぐる議論(第 6 章),回帰分析における媒介効果の検定や頑健標準誤差の考え方(第 11 章),マ ルチレベル分析(第 15 章)など,発展的な知識にも触れている.ただし,初学 者向けに,網羅的に分析手法の解説を行うことを重視したため,各分析手法に ついての詳しい内容が知りたい場合は,各章に挙げた参考文献を参照してほし い. 最後に,東北学院大学の神林博史先生と東北大学文学研究科博士後期課程(日 本学術振興会)の毛塚和宏さんには,執筆当初から本書の内容について,多岐 にわたるコメントをいただいた.特に毛塚さんには,細かい数式や書式,わか りやすい図の作成から,数学的な解説の部分まで,多大な貢献をいただいてい る.お二人がいなければ,本書は完成しなかっただろう.深い感謝の意を表し たい.また,査読を引き受けていただき,内容の改善に向けた指摘をしていた だいた東京大学の藤原 翔さんに,心から感謝申し上げる.最後に,『クロスセ クショナル統計シリーズ』編集委員の皆様と共立出版の山内千尋さんは,執筆 が遅れただけでなく,当初の企画の内容から外れてしまった本書を許容してい ただき,改善に向けた方向づけを行ってくださった.記して感謝したい.なお, いただいた指摘に十分に対応できていない点もあり,そのために至らない箇所 があるのはすべて筆者の能力不足によるものである.本書が統計分析をやって みたいと思う方の助けになれば筆者にとっての何よりの喜びである.本書を通 じて,多くの方が公開された社会調査データを活用した分析を行い,社会につ いての理解を深めるような研究が広がっていくことを願っている. 2016 年 7 月 著 者

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