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Vol.48 , No.2(2000)089石上 和敬「一音説法の諸相 (部派史料編)」

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Academic year: 2021

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一 音説 法 の諸相(部 派史料編)

【問 題 の 所 在 】Karunapundarika中 の 釈 迦 如 来 の 五 百 願 に 見 ら れ る 「一 音 説 法 (ekapadavyaharenadharmamdesayati)」 の 内 容 が,「___.音1)説 法 」 に 言 及 す る イ ン ド の 数 々 の 仏典 の 中 で,ど の よ うな 文 献 と関 連 が 深 い の か を 明 らか に す るた め に,本 稿 で は,そ の 準 備 作 業 と して,イ ン ド成 立 の 仏 典,な か で も部 派 に 属 す る仏 典 に 絞 っ て 「一 音 説 法 」 の 諸 相 を概 観 す る2).大 乗 仏 典 に見 られ る一 音 説 法 に つ い て は,別 の機 会 に譲 る.ま た,中 国 に お け る教 判 と して の,い わ ゆ る一 音 教 の 問 題 に は,こ こで は,立 ち 入 らな い. さ て,次 に,順 序 が 逆 に な るが,そ も そ も 「一 音 説 法 」 とは何 か,と い う定 義 が成 さ れ な けれ ぼ な る ま い.し か しな が ら,こ の点 に つ い て は どの 事 例 に も普 遍 化 で き る定 義 を求 め る こ とは容 易 で はな い.し たが っ て,今 は 暫 定 的 に,仏,菩 薩 が 「一 音 に よ って 説 法 す る」 と表 現 され て い る事 例 を検 討 し,そ の 内容 を明 ら か に した い. 【『異 部 宗 輪 論 』・Mahavastuの 言 及 】 『異 部 宗 輪 論 』 に は,大 衆 部,一 説 部,説 出 世 部,そ して鶏 胤 部 とが共 通 に考 え て い た仏 の 特 性 の一 つ に,「 佛 以 一 音,説 一 切 法 」 とい う項 目が あ る3).こ の部 分 は これ だ けの 言 及 で あ るた め,ま た,同 論 の チ ベ ッ ト語 訳 に は一 音 説 法 へ の 言及 が 見 られ な い た め,イ ン ド語 原 語 の想 定 を も含 め た詳 細 は不 明 で あ る.一 方,同 論 の説 一 切 有 部 の教 理 を説 明 す る部 分 に は,「 非 佛 一 音,能 説 一 切 法 」4)とあ り,有 部 で は,― ・音 説 法 を認 め て い な い こ とが 知 られ る. さて,次 に 『異 部 宗 輪 論 』 に 示 唆 され た大 衆 部 系 の部 派 の 典籍 の 中で, .一音説 法 に 言及 す る事 例 は見 出せ るだ ろ うか.わ れ わ れ は,説 出世 部 の 律 蔵 と関 連 の深 い 仏 伝Mahavastuの 次 の 部 分 に 注 目 し た い.

sarvam evanucarati parisam yadi lokadhatunayutani/ vijiiapayate sarvam parisam sumadhura vaca dasabalanam// sakayavanacinaramathapalhavadaradesu dasyuparisayam/ ekavidham ucyamana sarvavisayacarini bhavati (Mv l ,171,12-15 ) (紙幅 の関 係 で原 文 の み)

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(108) 一 音説 法 の諸 相(部 派 史料編)(石 上) こ れ は,一 切 の 正 等 覚 者 の 音 声(vaca)に 備 わ る と さ れ る,六 十 種 の 徳(guna) の 各 々 を詳 説 す る部 分 で あ る.こ の 部 分 の趣 意 は,一 つ の 言 語 で語 っ て も,異 国 語 を母 国 とす る聴 衆 に も理 解 させ る こ とが で き る,と い うこ とで あ ろ う.こ れ が 『異部 宗 輪 論 』が 示 唆 す る一 音 説 法 の 内容 で あ るか否 か は,こ れ だ けで は判 別 で き な い が,密 接 に関 係 す る一 つ の事 例 と して,記 憶 に留 め て お きた い. 【『大 毘 婆 沙 論 』 に お け る 議 論 】 次 に 玄   訳 『大 毘 婆 沙 論 』(新 訳)巻 第 七 十 九 に も,「 伽 他 」 の所 説 と して,一 音 説 法 に 言及 す る次 の 偶 が 引用 さ れ る. 「佛以一音演説法 衆生随類各得解 皆謂世尊:同其語 濁為 我説 種種 義」(T27,410a,16―17) 『大 毘婆 沙 論 』 で は この一 音 説 法 の偶 を め ぐっ て,種 々 に 議 論 が 展 開 され て い る の で,順 を追 っ て見 て い くこ とに す る.尚,こ の 部 分,異 訳 の 『阿 毘曇 毘婆 沙 論 』 (古訳),並 び に,部 分 的 で は あ るが,や は、り 『発 智 論 』 と関連 の深 い 『韓 婆 沙論 』 に も ほ ぼ 同様 の議 論 が 見 られ る の で,適 宜,参 照 して い く5). まず 最 初 に,毘 奈 耶 の所 説 と して次 の エ ピ ソー ドが 紹 介 され る6). 「毘奈耶説.世 尊有時為四天王先以聖語説 四聖諦.四 天王中,二 能領 解,二 不領解.世 尊 憐患饒益彼故,以 南印度邊國俗語,説 四聖諦.(続 けて未 解読 の音写語).二 天 王中,一 能 領解,一 不領 解.世 尊:憐懸饒 益彼故,復 以一種 蔑戻車語,説 四聖諦.(続 けて未解読 の音 写語).時,四 天 王皆得領 解 」 次 に,こ の律 の 記 事 の 内容 に つ い て,次 の よ うな問 い が発 せ られ 「問,佛 以聖 語 説 四聖 諦,能 令 所 化 皆 得 解 不.」,い ず れ に答 え た と して も,次 の よ うな不 都 合 が生 じ る こ とに な る と,論 難 され る. A.「 若言能者,後 二天 王聞聖語説,何 故不解 」 B.「 若不能者,伽 他所 説 當云何通 如有頌 云,佛 以―・音演説法 衆生 随類各得解 皆謂 世尊同其語 濁為我説種種義 一音者,謂 梵音 若至那人来 在會坐,謂 佛為説至那 音義 (中略)又,貧 行者来在會坐,聞 佛為説 不浄観義.若 瞑行者来 在會坐,聞 佛為説 慈悲観義. (中略)此 伽他中既作是説.如 何可説,佛 以聖語説 四聖諦,不 令 一切 所化 有情皆得領解.」 こ こで,Bの 内容 を 少 し見 て み た い.ま ず,最 初 に 「一 音 」 は 「梵 音 」 で あ る と押 さ え られ る.こ こで の 「梵 音 」 が 具体 的 に何 を意 味 す る か は不 明 で あ るが7), 「一 音 」 に つ い て 言 えば,後 続 の説 明 内容 か ら判 断 す る限 り,言 語 の 種 類 の一 っ と い う見 方 と,説 法 の 内容 の一 つ とい う見 方 の双 方 が想 定 で き る. さ て,話 を 『大 毘 婆 沙 論 』 の議 論 に戻 せ ぼ,ま ず 始 め に,仏 が聖 語 で 四 聖 諦 を 説 き,聞 く者 す べ て に理 解 させ る こ とが で き る とい うAの 立 場 にっ い て 議 論 さ れ る.「 有 作 是 説,佛 以 聖 語 説 四 聖 諦 能令 一切 所 化 有 情 皆 得 領 解 」 「問,若 爾,何

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故 後 二 天 王 聞聖 語 説 而 不 能 解 」 この 論 難 に対 して,三 つ の 回 答 が 与 え られ る. それ を要 約 す れ ぼ,仏 は,原 則 的 に は,聖 語 の み に よ って 全 員 に 四聖 諦 を理 解 さ せ る こ とが で き る とい う こ とを認 めつ つ,敢 えて い くつ か の理 由 か ら,三 種 の 言 語 を用 い た とす る.第 一 に は,天 王 た ち の各 々 の 意 向 に従 っ て三 種 の言 語 で説 い た まで で あ る と し,第 二 に は,仏 は聖 語 だ け で はな く,他 の様 々 な言 語 を も 自由 にi操れ る こ とを示 す た め に,三 種 の言 語 で説 い た の で あ る と し,第 三 に は,聞 く 者 は,仏 の 「不 変 形 言 」 と 「転 変 形 言 」8)との,い ず れ か 一 方 で しか 理 解 で きな い た め,双 方 で説 い た の だ とす る.以 下 の通 り. ①答.彼 四天王意樂有異,為 渦彼 意 故佛 異説 謂二天王作如是念 若佛為 我以聖語説四 聖諦者,我 能受行,第 三天王作如是念,若 佛為 我以南印度邊國俗語,説 四諦者,我 能受 行.(中 略)是 故世尊 随彼意説. ②復次,世 尊欲顯於諸言音,皆 能善解,故 作是説.謂 有生疑 佛唯能作聖語説法,於 蝕言 音,未 必 自在.為 決彼 疑,佛 以種種言音説法,顯 於諸方言 自在,所 説法要聞皆受行. ③復次,有 所化者,依 佛不攣形言,而 得受化.有 所化者,依 佛轄 攣形 言,而 得受化,依 佛 不攣形 言,得 受化者,若 攣形 言,而 為説法,彼 不能解(中 略)依 佛韓 攣形言,得 受化 者,若 不攣形言,市 為説法,彼 不能解.是 故,世 尊作三種語,為 四天王説 四聖諦 次 に,仏 が 一 音 に よっ て 四聖 諦 を説 いて も,聞 き 手 す べ て に理 解 させ る こ とは で きな い とい う,B.の 立 場 につ いて 議 論 され る.「 復 有 説 者,佛 以 一 音 説 四 聖 諦, 不令 一切 所 化 有情 皆 能領 解.」 「問.若 爾,前 頌,當 云 何 通.」 この論 難 に四 つ の 回 答 が 与 え られ る.第 一 の回 答 は次 の通 り. ①答.不 必須 通,非 三蔵故.諸 讃佛頌,言 多過實.如 分別論者,讃 説世 尊心常在定,善 安 住念及正知故.又 讃説佛恒不睡眠 離 諸蓋故.如 彼讃佛,實 不及言,前 頌亦然,故 不須 繹. こ の部 分 を整 理 す る と,第 一 の ポ イ ン トは,一 音 説 法 の 偶 は三 蔵 に は含 ま れ な い 「讃 仏 頌 」9)と い う もの に説 か れ る とされ る こ と.第 二 の ポ イ ン トは,「 一 音 」 とい う表 現 自体 は現 実 を忠 実 に反 映 した もの で はな く,一 種 の過 剰 表 現 と見 な し て い る こ とで あ る。 また,過 剰 表 現 で あ る点 を説 明 す る際 に,例 と して,『 大 毘 婆 沙 論 』 が し ぼ し ば 批 判 の 対 象 と す る 「分 別 論 者(Vibhajyavadin)」 の 主 張 を 引 き 合 い に 出 して い る点 も,有 部 の立 場 に 立 っ 『大 毘 婆 沙 論 』 が 「一 音 説 法 」 とい う表 現 を あ ま り好 意 的 に 捉 えて い な い 一 つ の 証 左 に な るで あ ろ う.こ の 点,『 異 部 宗 輪 論 』 で,有 部 は一 音 説 法 を 認 め て い な い と され る,先 に 見 た記 述 を 想 起 させ る. 第 二 の 回答 は次 の 通 り. 1044

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(110) 一 音説 法 の諸 相(部 派 史料編)(石 上) ② 復 次,如 来 言 音,遍 諸 聲 境,随 所 欲 語,皆 能 作 之.謂 佛 若 作 至 那 國語,勝 在 至 那 中華 生 者,乃 至,若 作博 喝 羅 語,勝 在 彼 國 中 都 生 者.以 佛 言 音 遍 諸 聲 境,故 彼 伽 他 作 如 是 説. こ の 第 二 の 回 答 は わ か り に くい.こ の 回 答 は,「 一 音 」 自 体 の 説 明 で は な く,第 二 句 「衆 生 随 類 各 得 解 」 以 下 に 比 重 を か け た 説 明 で あ ろ う.用 例 か ら 判 断 す れ ぼ, 仏 は あ ら ゆ る 言 語 に 精 通 し て い る とい う こ とで あ り,そ れ は,聞 き 手 か らす れ ば, 常 に,聞 き 手 の 使 用 言 語 で,自 分 の た め だ け に,仏 が 説 法 し て い る よ う に 感 じ ら れ る と い う こ とで あ ろ う. 次 に,第 三 の 回 答 と し て,仏 の 説 法 は 極 め て 軽 妙 で 素 早 い の で,一 瞬 に 説 か れ た と錯 覚 す る ほ ど で あ る が,実 は 種 々 に 説 い て い る の で あ る とす る.つ ま り,厳 密 に は 「一 音 」 で は な い と い う の で あ る.尚,こ こ で も 「言 語 の 種 類 」 の 問 題 と さ れ て い る10). ③ 復 次,佛 語 輕 利 速 疾   轄.錐 種 種 語,而 謂 一 時 謂 佛 若 作 至 那 語,己 無 間 復 作 礫 迦 國 語.(中 略)如 旋 火 輪,非 輪 輪 想.前 頌 依 此 故,亦 無 違. 第 四 の 回 答 と し て,仏 は様 々 に 説 くが,有 益 で あ る とい う点 で は 同 じ な の で,一 音 と い う の で あ る と さ れ る.こ こで も,実 は 「一 音 」 で は な く,様 々 に 説 法 は な さ れ て い る と の 理 解 で あ る.以 下 の 通 り. ④ 復 次,如 来 言 音,錐 有 多種 而 同 有益 故 説 一 音 以 上,B.の 立 場 の 議 論 か ら は,「 伽 他 」 に 説 く一・音 説 法 と は,実 際 に は 文 字 ど お り 「一 音 」 で は な く,或 い は,様 々 な 言 語 で,或 い は,様 々 な 内 容 を 語 っ て い る の だ か ら,「 一 音 説 法 」 を 額 面 通 り に 受 け 取 る 必 要 は な い,と い う考 え 方 が 読 み 取 れ る.以 上 が,一 ・音 説 法 に 関 説 す る 『大 毘 婆 沙 論 』 の 議 論 の 始 終 で あ る. 【『ジ ャ ー タ カ 』 偶 の 言 及 】 次 に,『 ジ ャ ー タ カ 』 偶 の,一 音 説 法 と係 わ る事 例 を 見 て み た い.PTS本 の,No.238,Ekapadajatakaに は 次 の 偶 が 説 か れ る.

imgha ekapadam tata anekatthapadanissitam/ kinci samgahikam brusi yen' atthe sadhayemase ti. // (72,236,18-19) dakkheyyekapadam tata anekatthapadanissitam/ tan ca silena samyuttam khantiya upapaditam/ alam mitte sekhapetum amittanam dukhaya ti// (72,236,27-29)

こ こ で 一 語 を 語 る 父 親 と は,仏 の 前 生 で あ る 豪 商 の こ とで あ り,彼 が 息 子 か ら の 請 い を う け て,そ れ に 答 え る と い う設 定 で あ る.こ こで のekapadaがdakkheyya を 指 し て い る こ と は 明 白 で あ り,文 字 通 り 「一 語 」 を 意 図 し て い る わ け で あ る. そ の 点 で,こ れ ま で 見 て き た 「一 音 」 に 言 及 す る 諸 事 例 よ り も,「 一 音 」 の 内 容 が 具 体 的 で あ る11). こ の 事 例 に お い て は,仏 が 前 世 に お い て 一 語 に よ っ て 説 法 に 類 す る こ と を 行 っ

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た,と 明 言 さ れ て い る 点,並 び に,こ の 事 例 は,三 蔵 に 含 ま れ る と さ れ る 『ジ ャ ー タ カ 』 の 偶 部 分 で の 言 及 で あ る 点,と も に 注 目 に値 し よ う.(紙 幅 の 都 合 に よ り,ま とめ は省 略)

1)KP以 外 の 仏 典 に おい て,「 一 音 」 の原 語 は一 様 で は な い. svara,ghosa,ruta等.

2)管 見 に よ れ ば,一 音 説 法 関 連 の 情 報 を 収 集 し た も の と し て,E.Lamotteの 『維 摩 経 』

訳 注 は最 も有 益 で あ る.E. Lamotte, L'Enseignement de Vimalakirti, (English translation S. Boin, The Teaching of Vimalakirti, PTS, 1976, pp. 12-13. note)

3)(T49,15b,28).異 訳 の 『部 執 異 論 』 に も,「 如 来-・ 音,能 説 一 切 法 」(T49,20b,28)と あ る.し か し,も う 一 つ の 異 訳 『十 八 部 論 』(T49,18b,13)並 び に チ ベ ッ ト語 訳(P:vol. 127,250,3,5)に は 一 音 説 法 へ の 言 及 な し. 4)(T49,16c,7).『 部 執 異 論 』 に も,「 一 音 不 具 説 一 切 法 」(T49,21c,13)と あ る が,『 十 八 部 論 』,(T49,19a,26)並 び に チ ベ ッ ト語 訳(P:vol.127,252,1,4)に は 一 音 説 法 へ の 言 及 な し. 5)『 大 毘 婆 沙 論 』(T.27,410a,5-410c,9);『 阿 毘 曇 毘 婆 沙 論 』(T28,306c,16-307b,1);『 稗 婆 沙 論 』(T28,482c,12-483b,1). 6)私 見 で は,『 十 諦 律 』 巻 第 二 十 六 に 見 ら れ る 内 容 と 思 わ れ る.(T23,193a,9-20) 7)こ の 部 分 の 「梵 音 」 に つ い て,定 方 晟 先 生 は,「 イ ン ド語 」 と説 明 さ れ る.(定 方 『異 端 の イ ン ド』 東 海 大 学 出 版 会,1998,p.245f) 8)こ の 部 分 わ か り に くい が,「 翻 訳 を 経 な い 言 語 」 と,「 翻 訳 を 経 た 言 語 」 ほ ど の 意 味 か.『 阿 毘 曇 毘 婆 沙 論 』 は 「不 変 形 言 」 「変 異 形 言 」 等,『 稗 婆 沙 論 』 で は 「変 身 口 」 「不 変 身 口 」. 9)同 論 に よ れ ば,こ の 「讃 仏 頌 」(旧 訳 で は 「歎 説 如 来 之 言 」)は 次 の よ う な も の と 言 え る.1.三 蔵 の 枠 外 に 存 在 す る偶 で あ る こ と.2.三 蔵 の 枠 外 に 位 置 し な が ら も,部 派 の 立 場 か ら全 く無 視 す る こ とが で き な い も の.3.事 実 を 忠 実 に 表 現 し よ う と す る よ り も,む し ろ,仏 へ の 思 慕 が 昂 ず る あ ま り,一 種 の 誇 張 的,装 飾 的 な 表 現 を も 厭 わ な い も の. 10)『 韓 婆 沙 論 』 で は,「 為 一 説 己,復 為 一 説,如 似 一 時 」 と あ り,必 ず し も 言 語 の 種 類 と は 限 定 さ れ て い な い. ll)仏 典 に お い て,padaが 「句,言 説 」 以 上 の 意 味 に 解 さ れ る 場 合 も あ る こ と は,以 下 の 論 考 を 参 照.(山 口 益 「ア ー ラ ヤ の 轄 依 と し て の 清 浄 句 」 『大 谷 学 報 』#40-2,1960.; 松 田 和 信 「無 量 寿 経 論 に お け る 「一 法 句 」 と 「清 浄 句 」」 『佛 教 大 学 総 合 研 究 所 紀 要 別 冊 浄 土 教 の 総 合 的 研 究 』1999.) <キ ー ワ ー ド>一 音 説 法,『 異部 宗輪 論 』,『大 毘 婆 沙 論 』, Ekapadajataka (武蔵野 女子大 学仏教文化研 究所研 究員) 1042

参照

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