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充填型大口径鋼管コンクリート柱及び架構の力学的 性状に関する研究

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

充填型大口径鋼管コンクリート柱及び架構の力学的 性状に関する研究

中村, 敏治

九州大学人間環境学研究科空間システム専攻

https://doi.org/10.11501/3154719

出版情報:Kyushu University, 1999, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)
(3)

充填型大口径鋼管コンクリー卜柱及び架構の 力学的性状に関する研究

平成 11 年 4 月

中 村 敏 治

(4)

目 次

目 次

1

章 序

1.

本 研 究 の 背景と目的 1.

本 論 文 の 構 成

一ーーーーーーー 1‑1 

一 一 一 一 ー ー ー ‑ 1‑4 

2

章 充 填 型 大 口 径 鋼 管 コ ン ク リ ー ト 柱 を 用 い た 架 構

2 . 1  

大 口 径

C

打 架 構 の 提 案 一 一 一 一 一 一 ‑

2 ‑ 1  ( 1 )   現状

CFT構 造 の 疑 問 点 一 一 一 ー ー 一 ‑

2 ‑ 1  ( 2 )  

大 口 径 CFT架 構 の 基 本 概 念 一ーー一一一一

2 ‑ 2  2 . 2  

大 口 径

C

打 架 構 の 試 設 計 一 一 一 一 ー ー ー ‑

2 ‑ 4 

( 1 )  

設 計 の 目 的 一ー一 一 一 ー 一 ‑

2 ‑ 4 

( 2 )  

設 計 モ デ ル ーー一一一一一

2 ‑ 4 

( 3 )  

設 計 条 件 一ー一一一一一一

2 ‑4 

( 4 )  

設 計 規 範 ー ー ー ー ー 一 ‑

2 ‑ 9 

( 5 )  

設 計 結 果 及 び 考 察 一一ー一一一一一

2 ‑ 1 0 

(a)  二次 設 計 一 一 一 一 一 一 一 ‑

2 ‑ 1 0  

(b)  弾 塑 性 振 動 解 析 一 ー ー ー ー ー 一 ‑

2 ‑ 2 4  

(c)  経 済 性 ーーーーーー一一

2 ‑ 3 2  

2 . 3  

大 口 径 CFT柱 の 解 決 す べ き 問 題 点 ー ー ー ー ー ‑‑ ‑

2 ‑ 3 4  

2

.4  まとめ ー 一 一 一 一 一 ‑

2 ‑ 3 5  

< 参 考 文 献 >

3

章 コ ン ク リ ー ト の 寸 法 効 果 に 関 す る 圧 縮 載 荷 実 験

3 . 1  

既 往 の 研 究 と 実 験 の 目 的

3 . 2  

実 験 計 画

( 1 )  

試 験 体

(2)  加 力 装 置 と 加 力 方 法

3 . 3  

実験 結 果 及 び 考 察

( 1 )  

ヤ ン グ 係 数 ・ ポ ア ソ ン 比 に 対 す る 寸法効果

イ パ

M 3 4 6 6

3.

nJ

JJ

司 コ

(5)

(2)  圧縮強度の対するす法効果

( 3 )  

既往の研究との比較

( 4 )  

圧縮強度時のひずみに対する寸法効果

3 . 4  

まとめ

<参考文献>

U ζ J 0 0

/

t i t i

今 ︐

h

3

1

3

4 3

4

大口径 CFT 柱の等曲げ載荷実験 4 . 1   既往の研究と実験の目的 4 . 2   実験計画

(1) 

試験体

( 2 )   加力装置と加力方法

4 . 3   実験結果及び考察

(1) 

実験値の補正方法

(a) 

P ムモーメントの補正

(b) 

吊り支持に伴う補正

ーーー一ー‑‑‑4‑

‑‑ーーーー一ー4‑

2

一一一ーーーーー4‑

2

一一ーーー一一ー4‑

7

‑ーー一一ー一一

4 ‑ 1 2

‑‑‑‑‑‑‑‑ 4 ‑ 1 2  

‑ーーーーーーー 4 ‑ 1 2

‑ー一一ーー一‑ 4 ‑ 1 5  

( c )   滑り支承の摩擦抵抗と油圧ジャッキの内部抵抗による補正一一一一‑ 4 ‑ 1 8   ( d )   各種補正モーメントと補正後の最大曲げ耐力

一一一一一一‑‑

4 ‑ 2 0   ( 2 ) 試験体の弾性剛性

一ー一一一一‑‑

4 ‑ 2 0  

( 3 )   曲げモーメント ( M ) ‑無次元化曲率(併 D )

( 4 )   平均軸ひずみ性状 ( 5 )   最大曲げ耐力 ( 6 )   鋼管のひずみ性状 4 . 4  

まとめ

<参考文献>

AA

du

f o n Y 1 d

J

4 4 4 4 4  

第5章

大口径

CFT

柱の曲げ耐力評価式

5 . 1   既往の研究と本研究の目的

‑‑‑ーーーー‑

5 ‑1 

5 . 2   大径厚比を有する大口径 C Ff柱のコンファインド効果の有無

一ーーーーーー‑

5 ‑2 

5 . 3 鋼管応力の評価

ーーーーーーー‑

5 ‑ 1 1  

5 .4充填コンクリート強度の評価

ーーー一一ー一‑

5 ‑ 1 6  

(6)

5 . 5 

曲 げ 耐 力 評 価 式 の 提 案

5 . 6  

提 案 式 と 既 往 実 験 と の 比 較

5 . 7  

まとめ

<参考文 献 >

00

U 1 1 11

dJ

戸 ︑

d

6

章 大 口 径

CFT

柱 の 変 形 能 力

6 . 1  

既 往 の 研 究 と 本 研 究 の目的 ーーーー一一ー‑

6 ‑1 

6 . 2  

曲げモーメント ‑曲率関係 ーーーーーーー‑6‑

2

( 1 )  

解 析 仮 定 と 解 析 方 法 ーーーーー一一‑6‑

2

(a)  鋼管 一ーー一一ーー‑6‑

2

( b )  

充填コンクリート ーーーーーーー‑6‑

( 2 )  

解 析 結 果 と 等 曲 げ 実 験 結 果 と の 比 較 ーーーーー‑‑‑

6 ‑5  6 . 3  

一 定 軸 力 と 曲 げ せ ん 断 を 受 け る 柱 の 解 析 ー一一一ーーー‑6‑7

( 1 )  

解 析 モ デ ル と 解 析 方 法 ーー一一一ーー‑6‑7  (a)  最 大 曲 げ 耐 力 以 前 一ーー一一ー一 ‑

t

8 ( b )  

最 大 曲 げ 耐 力 以 降 ーーー一一ーー‑ 6‑

(c)  塑 性 ヒ ン ジ 領 域 の 長 さ 一ーーーーーー‑6‑

9 ( 2 )  

解 析 結 果 と 既 往 の 研 究 と の 比 較 ーーーーーーー‑

6 ‑ 1 0  

6

.4  変形能力 ーーーーーー‑‑

6 ‑ 1 2 

( 1 )  

既 往 の 提 案 式 と 本 解 析 と の 比 較 ーーーーーーー‑

6 ‑ 1 2  ( 2 )  

大 口 径 C打 柱 の 変 形 能 力 一ーーー一ーー‑

6 ‑ 1 3 

6 . 5  

まとめ ーーー‑ー一一‑

6 ‑ 1 5 

<参考文献>

第7章 結 び

7 . 1  

総 括

7 . 2  

今 後 の 研 究 課 題

一一一一一ーー‑

7 ‑ 1 

‑ー一一ーーーー

7 ‑4 

<謝辞>

(7)

1章 序

1

章 序

1 . 1  

本 研 究 の 背 景 と 目 的

1 . 2  

本 論 文 の 構 成

(8)

l章 序

1

章 序

1 . 1  

本研究の背景と目的

充 填 型 鋼 管 コ ン ク リ ー ト 構 造 ( 以 後 、

CFT

構 造 と 呼 ぶ ) は 、 近 年 急 速 に 発 展 し 実 際 の 建 物 に 採 用 さ れ 始 め て い る 。 こ の 背 景 に は 、 古 く か ら

CFT部 材 の 力 学 的 特 性 に 関 し

て 研 究 が 続 け ら れ て 研 究 成 果 の 蓄 積 が あ っ た こ と や 、 バ ブ ル 経 済 時 に 型 枠 大工や鉄筋 工 な ど の 職 人 が 不 足 し 、 早 急 に 省 力 化 構 法 へ の 対 応 が 求 め ら れ た こ と が 指 摘 で き る。 さらに、

1985

年 に 建 設 省 が 企 画 し た

21

世 紀 の 都 市 型 集 合 住 宅 に 関 す る 設 計 競 技 で 、 構 造 形 式 と し て

CFT構造が選ばれ、 CFT

構 造 に 関 す る 官 民 共 同 の 研 究 会 が 設 置 さ れ 、 実 用 に 向 け て 組 織 的 に 研 究 が 行 わ れ た こ と も 、 こ の 構 造 の 普 及 に 大 き く 影 響 し て い る

と思われる。

こ れ ら の 研 究 に 加 え 、 日 米 耐 震 共 同 研 究 の テ ー マ と し て

1993

年から

5ヶ年計画でハ

イ ブ リ ッ ド 構 造 が 選 ば れ 、 そ の 中 の テ ー マ の

l

つ と し て

CFT

構造の研究が行われた。

このような状況の中で、

1997

年 に 日 本 建 築 学 会 か ら こ れ ま で の

CFT構 造 に 関 す る 研

究 を ま と め た 「 コ ン ク リ ー ト 充 填 鋼 管 構 造 設 計 施 工 指 針 」 が 発 行 さ れ 、 現 段 階 に お い て

CFT

構 造 は 実 用 段 階 に 入 っ て い る と 言 え る 。 日 本 国 内 に お い て は 、 中 層 か ら 超 高 層 ま で の 主 に 事 務 所 建 築 や 集 合 住 宅 に

CFT柱が使用され、その数は 200

棟 を 越 え る ま で になっている。

こ れ ま で の 研 究 で 明 ら か に さ れ た

CFT

柱 の 主 な 利 点 は 、 充 填 コ ン ク リ ー ト に 対 す る 鋼 管 の コ ン フ ァ イ ン ド 効 果 に よ る 軸 方 向 耐 力 と 曲 げ 耐 力 及 び 塑 性 変 形 能 力 の 向 上 、 耐 火 性 能 の 向 上 、 そ れ に 構 法 と し て 省 人 化 ・ 省 力 化 が 可 能 な こ と で あ る 。 こ の う ち 、 無 耐 火 被 覆 に よ る 設 計 は ま だ 一 般 的 で な い こ と 、 使 用 さ れ て い る

CFT

柱 の 形 状 は一般に 角形が多く、角形

CFT

柱 の 耐 力 に 対 す る コ ン フ ァ イ ン ド 効 果 は 小 さ い と さ れ て い る こ とを考え合わせると、

CFT柱 は 塑 性 変 形 能 力 の 向 上 を 期 待 し て 実 際 の 建 物 に 採 用 さ れ

て い る と 考 え ら れ る 。 し か し 、 現 状 の 設 計 で は 、 激 震 時 に お け る 建 物 の 崩 壊 機 構 を 骨 組 の 全 体 崩 壊 機 構 と す る た め 、 梁 材 を 降 伏 さ せ て 柱 材 は 降 伏 さ せ な い 梁 降 伏 型 の 崩 壊 機構とするのが一般的である。従って、

CFT柱 に は 塑 性 変 形 能 力 を 期 待 し な い 設 計 と

な っ て お り 、 期 待 さ れ た は ず の

CFT

柱 の 利 点 が 活 か さ れ て い な い の が 現 状 で あ る 。 著者は、本研究に於いて、

CFT

部材の利点を活かすため、激震時に

CFT

柱 の 降 伏 を 許 容 し 、 そ の 塑 性 変 形 能 力 と エ ネ ル ギ ー 吸 収 能 力 を 期 待 す る 架 構 の

l

っとして、

CFT

柱を 数 本 集 約 し た 規 模 の 降 伏 さ せ な い 大 口 径

CFT柱 と 降 伏 を 許 容 す る

一般の

CFT柱 と で

(9)

l章 序

構 成 さ れ る

CFT架構を提案するが、大口径 CFT

柱には、大口径なるが故の問題点を持って

いる。それは、大口径

CFT

柱の曲げ耐力評価に於いて、充填コンクリートに対する寸法効果 の影響と、大径厚比(大口径とした場合、通常の板厚の鋼材を用いると径厚比が大きくなる) の鋼管を使用した場合のコンファインド効果の有無である。

本研究は、大口径

CFT

架構を実用可能にすることを目的として、大口径

CFT

架構の力学的 性状を試設計により把握するとともに、コンクリートの寸法効果、大径厚比の鋼管を用いた 場合のコンファインド効果の有無等を実験的に検討して大口径

CFT

柱の曲げ耐力を評価し、

また大口径

CFT

柱の変形能力についても解析的に検討するものである。

1 . 2  

本論文の構成

本論文は、本章の第 1章「序

J

を含め、 7つの章により構成されている。これらの内容を以 下に示す。なお、各章の内容に関連する既往の研究については、各章のはじめに目的と共に 記述している。

第l章 序

2

章 充填型大口径鋼管コンクリート柱を用いた架構 第

3

章 コンクリートの寸法効果に関する圧縮載荷実験 第

4

章 大口径

CFT

柱の等曲げ載荷実験

5

章 大口径

CFT

柱の曲げ耐力評価式 第

6

章 大 口 径

CFT

柱の変形能力

7

章 結 び

以下に、各章の概要を示す。

l

章「序

J

で は 、 大 口 径

CFT柱 及 び 大 口 径 CFT架 構 の 力 学 的 性 状 に 関 す る 研 究 を

行 う 背 景 ・ 目 的 ・ 意 義 と 本 論 文 の 構 成 を 示 し た 。

2章「充填型大口径鋼管コンクリート柱を用いた架構」では、現状の CFT構 造 の 問 題

点 を 指 摘 し 、 こ れ を 解 決 或 い は 改 善 す る 架 構 方 式 と し て 大 口 径

CFT架 構 を 提 案 し た

こ の 架 構 は 、 数 本 の

CFT柱 を 集 約 し た 規 模 の 激 震 時 に 降 伏 さ せ な い 大 口 径 CFT柱と

大 型 の 鉄 骨 梁 で 建 物 を 全 体 的 に 保 持 し 、 そ の 他 の

CFT

柱 や

H

形 鋼 梁 を 降 伏 さ せ て 地震

(10)

1章 序

エ ネ ル ギ ー の 吸 収 を 期 待 す る 架 構 で あ る。 大 口 径

CFT柱 を 降 伏 さ

せないことにより、

一 般 の

CFT

柱 を 降 伏 さ せ て も 特 定 層 へ の 損 傷 集 中 を 生 じ な い こ と 、

CFT柱の

降 伏 を 許 容 す る こ と に よ り 、 梁 降 伏 を 保 証 す る た め の 柱 の 付 加 耐 力 を 削 減 で き る こ と を 特 徴 と

し て い る 。 大 口 径

CFT架構を 20 , 40 ,  60

階建の事 務 所 ピ ル に 適 用 し て 試 設 計 を 行 い 、 大 口 径

CFT

柱 の 断 面 寸 法 は一般 の

CFT柱の 2 . 3 ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ 2 . 9倍 、 鋼 管 径

厚 比 は

6 0 ‑ ‑ ‑ ‑ ‑150とな

る こ と 、 骨 組 の 保 有 水 平 耐 力 時 に お け る 各 柱 の 応 力 状 態 を 検討 す る こ と に よ り 、 引 張 力 を 受 け る 大 口 径

CFT柱 を 除 け ば一 般

CFT柱 の 降 伏 を 先 行 さ せ る こ と が

で き 、 大 口径

CFT架 構 が 実 現 可 能 で あ る こ と を 明 ら か に し た 。 ま た 、 既 存 鉄 骨 造

事 務 所 ピ ル と の 躯 体 数 量 の 比 較 に よ り 、 大 口 径

CFT架 構 は 鉄 骨 造 以 上 の 経 済 性 を 有 し 、 そ の 傾 向 は

高 層 に な る 程 大 き く な る こ と を 明 ら か に し た 。

3

章「コンクリートの寸法効果に関する圧縮載荷実験」では、比較的大きな断面を有

す る 円 筒 状 の プ レ ー ン コ ン ク リ ー ト 柱 の 中 心 圧 縮 実 験 を 行 い 、 コ ン ク リ ー ト の 圧 縮 特 性 に 対 す る 試 験 体 の 寸 法 効 果 を 調 べ た 。 実 験 変 数 は 柱 断 面 の 直 径 と コ ン ク リ ー ト の 圧 縮 強 度 で 、 前 者 は

300

,600, 

900mmの 3

種 類 、 後 者 は

33

,60MPaの

2

種 類 で あ る。 実 験 結 果 か ら 、 コ ン ク リ ー ト の ヤ ン グ 係 数 及 び ポ ア ソ ン 比 に 対 す る 試 験 体 の寸 法 効 果 は ほ と ん ど 無 い こ と 、 断 面 径 が 増 大 す る ほ ど 圧 縮 強 度 は 低 下 し 、 実 際の 建 物に使用さ れ る 断 面 径 で は 米 国 開 拓 局 の 寸 法 効 果 を 考 慮 し た 圧 縮 強 度 低 下 曲 線 で ほ ぼ評 価 で き る こ と 、 コ ン ク リ ー ト 強 度 が

60MPa

の 時 の 圧 縮 強 度 低 下 率 は

33MPa

の場合の

90%

程 度 で あ る こ と 、 圧 縮 強 度 時 の ひ ず み も 断 面 径 の 増 大 に 伴 い 低 下 す る こ と 、 を 明 ら か に

した。

4章「大口径 CFT

柱 の 等 曲 げ 載 荷 実 験 」 で は 、 大 径 厚 比 を 有 す る 大 口 径

CFT

柱 を 想 定 し て 、 軸 力 比

0 . 3の 一 定 軸 力 下 で の 等 曲 げ 載 荷 実 験 を 行 い 、 大 口 径 CFT柱の力

学的 特 性 を 検 討 し た 。 実 験 変 数 は 断 面 径 と 鋼 管 の 径 厚 比 で 、 前 者 は

300

,600, 

900mm

3

種 類 、 後 者 は

75

,100,150の

3種 類 で あ る 。 実 験 結 果 か ら 、 径 厚 比 が 150の試 験 体

に お い て も 安 定 し た 復 元 力 特 性 を 示 し 、 全 試 験 体 と も 無 次 元 化 曲 率

0.01近傍

で最大曲 げ 耐 力 に 達 す る こ と 、 ま た 、 最 大 平 均 軸 ひ ず み は 、 断 面 径 の 増 大 に 伴 い や や大きくな る 傾 向 を 示 す も の の 平 均 的 に は

0.25%

程 度 で あ る こ と を 明 ら か に し た。コンクリート 強 度 の 評 価 に 米 国 開 拓 局 の 圧 縮 強 度 低 下 曲 線 を 用 い て も 、 一般 化 累 加 強 度 で評価した

(11)

1

CFT

柱 の 計 算 曲 げ 耐 力 は 、 実 験 耐 力 に 対 し て 最 大 で

1 0 %

程 度の危 険 側 の 評 価 と な る ことを明らかにした。

5

章「大口径

CFT

柱の曲げ耐力評価式」では、大口径

CFT

柱 の 終 局 曲 げ 耐 力評価 式 を 提 案 し た 。 第

4章 で 行 っ た 実 験 結 果 を も と に 、 大 径 厚 比 の 鋼 管 を 用 い た 場 合 の コ ン

フ ァ イ ン ド 効 果 の 有 無 、 鋼 管 の 応 力 状 態 、 曲 げ を 受 け る 場 合 の 充 填 コ ン ク リ ー ト の 強 度 に つ い て 分 析 し 、 径 厚 比

1 5 0

CFT

柱 に お い て も コ ン フ ァ イ ン ド 効 果 が 期 待 で き る こ と 、 最 大 曲 げ 耐 力 時 の 鋼 管 の 周 方 向 応 力 は 引 張 側 の 方 が 大 き く 、 圧 縮 側 の

2

倍 程 度 と な る こ と 、 曲 げ モ ー メ ン ト を 受 け る コ ン ク リ ー ト の す 法 効 果 は 日 本 建 築 学 会 「 鉄 骨 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 構 造 計 算 規 準

J

で 用 い て い る 圧 縮 強 度 の 低 減 係 数

0 . 8 5

で は 不 十 分 で あ る こ と を 明 ら か に し た 。 こ れ ら を 基 に 径 厚 比 を 考 慮 し た 鋼 管 の 降 伏 応 力 度 、 寸 法 効 果 を 考 慮 し た 充 填 コ ン ク リ ー ト の 圧 縮 強 度 の 提 案 式 を 示 し 、 こ れ ら を 用 い て 大 口 径

CFT

柱 の 終 局 曲 げ 耐 力 評 価 式 を 提 案 し 、 既 往 の 実 験 結 果 と の 比 較 に よ り そ の 妥 当 性 を 示した。

6

章「大口径

CFT

柱の変形能力」では、第

3 , 4 ,  5

章 で 得 ら れ た 知 見 を 用 い て 大 口 径

CFT

柱 の 変 形 能 力 を 解 析 的 に 検 討 し た 。 ま ず 、 鋼 管 の 圧 縮 側 及 び 引 張 側 の 降 伏 応 力 度 を 第

5章 で 示 し た 提 案 式 で 評 価 し 、 充 填 コ ン ク リ ー ト の 応 力 一 ひ ず み 関 係 と し て 、

崎 野 ・ 孫 モ デ ル に 第

3章 及 び 第 5章 で 示 し た コ ン ク リ ー ト 強 度 の 寸 法 効 果 と 圧 縮 強 度

時 の ひ ず み の 提 案 式 を 適 用 し て 曲 げ モ ー メ ン ト ‑ 曲 率 関 係 を 求 め 、 実 験 結 果 と 比 較 し て そ の 妥 当 性 を 示 し た 。 こ の 曲 げ モ ー メ ン ト ‑ 曲 率 関 係 を 塑 性 ヒ ン ジ 領 域 の 長 さ を 仮 定 し た 線 材 の 片 持 柱 モ デ ル に 用 い て 、 せ ん 断 力 一 部 材 角 関 係 を 計 算 し 、 大 口 径

CFT

柱 の 変 形 能 力 の 評 価 と し て 限 界 部 材 角 に つ い て 考 察 し た 。 こ れ よ り 大 口 径

CFT

柱 の 軸 力 比 を

0 . 3

以 下 に す る こ と に よ り 最 大 耐 力 時 の 部 材 角 を

0 . 0 1r a d

以上確保でき、また、

最 大 耐 力 時 の 部 材 角 か ら 限 界 部 材 角 ま で の 余 裕 を 1 .

5

倍 程 度 確 保 で き る こ と を 明 ら か にした。

7

章 「 結 び

J

で は 、 本 研 究 で 得 ら れ た 結 果 を 総 括 す る と と も に 、 今 後 の 研 究 課 題 についてまとめた。

(12)

2 .

充填型大口径鋼管コンクリート柱を用いた架構

2

章 充 填 型 大 口 径 鋼 管 コ ン ク リ ー ト 柱 を 用 いた架 構

2 . 1  

大 口 径

CFT

架 構 の 提 案

( 1  

) 現 状

CFT

構 造 の 疑 問 点

( 2 )

大 口 径

CFT

架 矯 の 基 本 概 念

2 . 2  

大 口 径

CFT

架 情 の 試 設 計

( 1  

) 設 計 の 目 的

( 2 )

設 計 モ デ ル

( 3 )

設 計 条 件

( 4 )

設 計 規 範

( 5 )

設 計 結 果 友 ぴ 考 察

( a )

二 次 設 計

( b )

弾 塑 性 振 動 解 析

( c )

経 済 性

2 . 3  

大 口 径

CFT

柱 の 解 決 す べ き 問 題 点

2

.4  まとめ

< 参 考 文 献 >

(13)

2 .

充填型大口径鋼管コンクリート柱を用いた架構

2

章 充填型大口径鋼管コンクリート柱を用いた架構

2 . 1  

大口径

CFT

架構の提案

( 1  

)現状

CFT

構造の疑問点

充填型鋼管コンクリート構造

(CFT

構造)は、近年急速に発展し実際の建物に採用され始 めている。この背景には、下記に示すような

3

つの技術的および社会的背景があった。

)古くから

CFT部材の力学的特性に関して研究され続け、多くの実験データの蓄積

があった。

2 )

バブル経済時に型枠大工や鉄筋工などの職人が不足し、早急に省人化・省力化工法 への対応が求められた。

3 )

建設省が主催する

2 1世紀の都市型高層集合住宅に関する設計競技で構造形式とし

CFT

構造が選ばれ、

CFT構造に関する官民共同の研究会が設置されて実用に向

けての研究が組織的に行われた。

これら多くの研究から

CFT

部材の力学的性能(耐力と変形能力)が明らかにされ、 実施設 計への適用に関する研究(例えば、コンクリートの充填性など)の成果も得られ、以下のよ

うな利点を期待して採用されていると考えられる。

(力学的利点)

1 )   CFT

を柱に使用することにより柱軸方向問JI性および曲げ剛性の向上が期待できる。

2 )

コンファインド効果による軸方向耐力及び曲げ耐力の向上が期待できる。

3 )

部材がせん断破壊する危険性がない。

4 )

高軸力を受ける柱の塑性変形能力の向上が期待できる。

(省力化工法としての利点)

1 )型枠大工および鉄筋工が不要である。

2 )

コンクリートを圧入することによりコンクリート打設の手間が軽減できる。

3 )

無耐火被覆とすることが期待できる。

これらの中でも、近年の建物が異種用途の混在した複合建築の傾向をもっており、建物が 高層化・大型化する傾向にあるため、高軸力下で大きな変形能力に期待して採用をする場合 が多い。

しかしながら、実際に設計された

CFT

構造の建物を見ると、必ずしも上記の利点が反映さ れた設計になっているとは思われない。すなわち、建物の崩壊機構を全体崩壊形とするため、

鉄骨梁を曲げ降伏させ

CFT

柱は曲げ降伏させない梁降伏型の崩壊機構とし、

CFT

柱には塑性

(14)

2 .

充填型大口径鋼管コンクリート柱を用いた架構

変形能力を期待する必要がない設計となっている。鉄骨梁の先行降伏を保証するため

CFT

柱 には必要以上の耐力を付加しなくてはならず、コンファインド効果による曲げ耐力の向上の

利点も希薄なものとなってしまう。従って、

CFT

構造の採用は、 実質的には、経済的な利点 のみを期待した省人化・省力化工法としての選択であると言える。この矛盾は、構造設計思 想に基づくものであり、大きな問題である。

CFT

部材を柱材として使う場合、

CFT

部材の能力を発揮させるためには、 梁降伏型ではな く柱降伏型の崩壊機構を持つ架構としなければならない。しかし、柱降伏型の架構は特定層 での層崩壊になりやすく、梁降伏型の架構のような全体崩壊形に比べると危険性が高く、ま た、不経済になりやすい。このような架構の危険性は、先の阪神・淡路大震災の神戸市役所 第2庁舎などに見るとおりである。

従って、

CFT

部材を有効に使用するには、柱先行降伏を許すなど構造設計思想、を柔軟にす るとともに、従来の構造種別の部材を単に

CFT

部材に置換するのではなく、全体架構として 計画配置する必要がある。

(2)大口径 CFT架構のコンセプト

CFT

部材の力学的特徴を充分に発揮させ、建物の構造安全性を確保すると共に経済的な利 点をも考慮した架構方式を提案する。

CFT部材は、圧縮軸力を受ける場合にその性能を発揮することから、柱に適用することを

原則とする。

CFT

柱の性能を発揮させるために柱降伏を許容する設計思想とする。しかし、

柱降伏に伴う特定層への損傷集中を避けるため、

CFT

柱の降伏を許容する柱(降伏柱)と降 伏させない柱(非降伏柱)に明確に分ける必要がある。これは、降伏しない部材が最下階か ら最上階まで連続して存在する場合、地震エネルギーがこの部材を通して上下階に伝達され、

特定層への損傷集中を避けることができることによる 1)。ここで、降伏柱と非降伏柱を明確 に分ける目的で、前者を通常の

CFT柱、後者を通常の CFT柱を数本集約してできる規模の CFT

柱、すなわち大口径

CFT

柱とすることを提案する。また、建物全体の変形を制御する目 的で、大口径

CFT

柱聞を一層分の背を有する大型のトラス梁(以下、メガ梁と記述する)で つなぎ、全体として大口径

CFT

柱とメガ梁による大架構を考える。図

2 . 1

に本提案架構の摸 式図を示す。

上記コンセプトに基づいた架構(大口径

CFT

架構)に与えるべき特徴を下記に示す。

)数本の柱を集約した規模の大口径

CFT

柱で建物重量の大部分を支え得るものする。

(15)

2 .

充填型大口径鋼管コンクリート柱を用いた架構

2 )

大口径

CFT

柱とメガ梁で構成される大架構は、 大地震時に於いてもほぼ弾性に留め る。

3 )

降伏する部材は、

CFT

柱、鉄骨梁のいずれでも良い。

これにより、大口径

CFT

架構には以下のような利点が期待できる。 1 )柱の集約により無柱空間が構成しやすい。

2 )

大口径

CFT

柱とメガ梁で構成する大架構をほぼ弾性とすることによ り、特定層への 損傷集中の危険性がない。

3 )

部材の集約効果、大口径

CFT

の大径厚比化により経済効果が期待できる。

4 )

柱の降伏を許容することにより、梁降伏を保証する為の柱の付加耐力を低減させるこ とカすできる。

2 . 1

本 提 案 架 構 の 摸 式 図

(16)

2 . 2   大口径 CFT架橋の試設計 ( 1  )設計の目的

2 .

充填型大口径鋼管コンクリート柱を用いた架構

2 . 1  ( 2 ) に示した特徴と利点を有する大口径 CFT架構の実現性を検証し、各特徴の効果と問 題点を把握する目的で試設計を行う。具体的には以下の点に注目して検討する

‑大口径 CFT 柱の断面寸法及び応力状態

‑大口径 CFT 構造の適性建物規模(建物階数)

・経済性(構造躯体数量)

( 2 ) 設計モデル

試設計の対象とした建物は建物中央部にコアを有する事務所ピルで、地上 20階建, 40階 建 , 60 階建の 3 種類である。 3 モデルとも地下階は考慮せず、 l 階柱脚固定とした

。各モデル

の平面計画については、建物規模に適合した諸設備(エレベータ,便所等)の計画を行い、

図 2 . 2に示すプランとした。大口径 CFT 柱の配置は、大別して、中央コア部に配置する方法 と建物外周部に配置する方法とがあるが、ここでは、大口径 CFT 柱が建物全体の重量を負担 しやすいように中央コア部に配置した。大口径 CFT 柱の断面形状は、コンクリート充填時の 鋼管への側圧による応力と変形(はらみ出し)を考慮し円形とした。

一般の

CFT 柱の断面形 状については、塑性変形能力確保のため比較的鋼管板厚が厚くなるので、側圧による応力と 変形は顕著にならないと判断し、角形とした。

立面計画については、 20 階毎に l層分のメガ梁(以下ではメガ梁の内、中間階のメガ梁を ベルト梁、最上階のメガ梁をハット梁と記述する)を大口径 CFT 柱聞に設け、大架構を形成

した。尚、 20 階モデルについては、建物規模から考えてハット梁を必要としないと判断し ハット梁のない架構とした。各階の階高は H =4 .100mm とした。図 2 . 3 に各モデルの大口径 CFT 柱を含む Y方向軸組図を示す。

各部材に使用する材質は、鋼管については岱1490 材、コンクリートについては Fc60を基 準とし、作用応力に応じて変更した。

( 3 ) 設計条件

試設計は、一次設計、

二次設計(保有耐力計算)により行った。その後、動的性状を把握

する目的で弾塑性振動解析を行った。

設計で考慮する荷重は、長期荷重(自重+積載)と地震荷重である

。設計に用いた床固定

(17)

大口径

CIT

事務室

i x

│ q 6 ∞ 1 

j "  1

│少

l q ω l  

~ @  @ ⑧ ⑧ ⑧  

• • . 

c )  

60

階 モ デ ル

2 . 2

試設計

モデルの

平面図

② 

Q H U

v h

n n c c N  

(18)

2 .

充填型大口径鋼管コンクリート柱を用いた架構

-νハ~v'¥ 

〆¥

ν~

¥当

V

"J'''‑

〆¥

/' 

V

"J''¥. 

の @@(9@  @ @   の @ @ @ @   @0) 

a )  20

モデル b )   4 0

階モデル

大 口 径CFf柱

/  ~

.V~ど\レ〆¥V'¥ ぱ¥v'v".. 

"'¥J

ゾ ¥

ν¥  〆¥

/'J"J~

/'J"‑V'¥ 

v¥ 

v" ぱ'VSJJ/

@ @ @ G 8 @ @

c )  60

階モデル

2 . 3

試設計モデルの軸組図

(y

方向)

ルト

一一丘 一~̲̲̲̲!2  ー~

‑ 2  

~ ー~~ ー~

̲̲̲̲̲52 

~

‑ー包 ー~

一一姐 一一証 一一必 一一益

~

A

一必

̲̲̲!1  一一姐̲̲̲3.9  一二J.s

̲̲̲.lZ 

̲̲a豆 一̲l5

̲̲l

一̲u

ー̲l2̲̲̲11 

̲̲̲̲lQ 

̲̲2.9 

̲2s 

̲2l 

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~

̲̲̲̲2̲3 

̲̲̲̲.22 

̲l1 

̲.2.Q  ー」皇 一」且墨

斗~8… 一

一̲̲̲l5寸

̲̲̲jj切

. A  也ー

二 3 2

畑 一̲llさ ー̲1Q,~

二土陸

一 ユ ー

一̲̲6̲

̲̲5̲̲ 

̲.!̲ 

̲.l̲ 

̲2̲ 

‑ーー」

(19)

‑ 、 ー 一一 ー

l

2 .

充填型大口径鋼管コンクリート柱を用いた架構

荷重を表

2 . 1

に、積載荷重を表

2 . 2

に示す。長期荷重を床面積で除すと約

930kglm

2である。

地震荷重については、固有周期

T

T=O.03H (H:

建物高さ

(m))

、ベースシア係数

C s

C s=O.36/T

、せん断力分布を

Ai

分布として求めた。表

2 . 3

にベースシア係数等を示す。短期重 量を床面積で除すと約

830kg/m

2である。

2 . 1

床固定荷重一覧

床種類 構成 計算 (kg/

m

2

OA

50 

事務室 スラブ 平均t

= 1 2 2 . 5

、比重1.

9 5 2 3 9  

機械室

QL

デッキ

1 5  

天井・ダクト

20 

3 2 4

3 2 5  

OA

50 

スラフ.

t = 1 5 0

、比重1.

9 5 2 9 3  

コア

F

デッキ

1 5  

天井・ダクト

20 

3 7 8

380 

押えコン

t = 1 0 0

、比重1.

9 5 1 9 5  

防水

1 5  

スラプ

t = 1 5 0

、比重1.

9 5 2 9 3  

屋根 デッキ

1 5  

天井・ダクト

20 

設備機器・配管

270 

5 3 8

810 

2 . 2

積載荷重一覧

(kgf/m

2

‑ ‑ ‑

事務室

‑ ‑ ‑ 5

∞ 

小梁

300 

大梁・柱

1 8 0  

地 震

8 0  

機械室

500  300  1 8 0   8 0  

コア

5 ∞  300  1 8 0   8 0  

屋根

1 8 0   1 6 0   1 3 0   6 0  

2 . 3

試設計モデルの周期・ベースシア係数等

‑ ‑ 2 0

階モデル

‑ ‑ ‑

建物高さ

8 2   ( m )

周期

2

.4

( s e c )

ベースシア係数

0 . 1

40

階モデル

1 6 4   4 . 9 2   0 . 0 7 5   6 0

階モデル

246  7 . 3 8   0 . 0 5  

保有水平耐力の計算は、荷重増分法による静的弾塑性解析により行った。平面・立面が

X

Y

方向とも対材、形でありねじれの恐れはないことから、静的弾塑性解析は平面解析とし、イ吏

(20)

2 .

充填型大口径鋼管コンクリート柱を用いた架構

用プログラムは

RESP‑F

(構造計画研究所)である。作用外力は

l

次設計時の外力分布とした。

保有水平耐力は、いずれかの階が層間変形角

1 / 5 0

に達した時の層せん断力とした。梁の復元

力特性は、終局曲げ耐力を全塑性モーメントとする

B i ‑ l i n e a r

モデル、

CFT

柱の復元力特性は、

l

次設計地震時の

2

倍の軸力に対する曲げ耐力を終局曲げ耐力とし、第一折れ点を終局耐力の 1/

2

の点、剛性低下率α yを0.4とする

T r i ‑ l i n e a r

モデルとした 2)0

CFT

柱の復元力特性を図

2 . 4

に示す。大口径

CFT

柱とハット梁・ベルト梁は、塑性化させない方針から弾性(大口径

CFT

柱は剛性低下を考慮、)として解析を行い、保有水平耐力時の応力に対し終局曲げ耐力以下と

なるように断面設計を行った。大口径

CFT

柱,角形

CFT

柱の終局耐力は、 「鉄骨鉄筋コンク リート構造計算規準・同解説3)

(以下、

SRC

規準と記述する)に従った。

曲げモーメント

Mu 

~--一ーーーーーーーーーーーーーー

Mu ! 2  

Mu:

終局曲げ耐力

Ke:弾性曲げ剛性

αy .岡リ性低下率 α

y = O

.4

o  Ry  5Ry 

層間変形角 図

2

.4

CFT

柱の復元力特性

弾塑性振動解析は、保有水平耐力計算で求まった各層の荷重一変形関係(復元力特性)を

T r i ‑ l i n e a r

にモデル化した等価せん断パネと各床位置に質量を集中配置した多質点パネーマス モデルを用いて行った。復元力特性の

T r i ‑ l i n e a r

へのモデル化は、図

2 . 5

に示す方法で行った。

すなわち、第一折れ点(弾性限)は各層で塑性ヒンジが最初に生じた時点、第二折れ点は図

2 . 5に示す斜線部の面積が等しくなる点として定めた。なお、図中の最終点は保有水平耐力点

(層間変形角1/

5 0 )

とした。入力地震波は、

ELCENTRONS

,TAFT E W, 

TOKYOI0l  NS

, 

HACHINOHE NS

,日本建築センタ一波(模擬地震動) , 

1995年の兵庫県南部地震で記録さ

れた神戸海洋気象台波の

6

波である。各地震波の入力は、レベル l地震動として最大速度

25kine

, レベル

2

地震動として最大速度

50kineに規定した。尚、日本建築センタ

一波は各レ ベルに対応する地震波、神戸海洋気象台波はレベル

2

のみに観測原波を使用した。減衰は、

l

次に対し

2

0/0の振動数比例型とした。

(21)

2 .

充填型大口径鋼管コンクリート柱を用いた架構

層せん断力

第二折れ点

Qu  ~ ‑ ‑ ‑ ‑ 一 一

Qyt

ーす第一折れ点

oy 

層間変形 図

2 . 5

層の復元力特性のモデル化

(4) 設計規範

試設計に於ける規範は、応力と変形に対して以下のようにした。

(一次設計)

‑鉄骨梁の応力は、許容応力度以内とする。

‑大口径

CFT

柱 及 び

CFT

柱の応力は、許容耐力以内とする0

・各層の層間変形角は、

1 / 2 0 0

以内とする。

(二次設計)

・各層の剛性率は、 6110以上とする。

・ベルト梁及びハット梁に塑性ヒンジは生じさせない0

.大口径

CFT

柱に塑性ヒンジは生じさせない。

‑塑性ヒンジの形成を許容する

CFT

柱の軸力は、軸圧縮耐力

N

。の

70%

までとする。

N

0.7N 。 No=Ac Fc+As sσy 

‑塑性ヒンジの形成を許さない大口径

CFT

柱の軸力N は、

SRC

規準の軸力制限値以内と する。

N

AcF  c  /  3  +  2  A s  s  σ  y  /3 

‑塑性ヒンジの形成を許容する角形

CFT柱の変形能力 Ruは、新都市ハウジング協会の

4)で求め、

0 . 0 1 5 r a d

以上

(FB

ランク以上)とする

Ru={3.25‑5.0  (N  /N o )  +800 ヮ ( t /  B) 

(3300  /σy) 

I江}/ 

100  I 

ヮ= (4.0‑F

c

/390)  / 3   1 ( 2 . 1 )  

(22)

2 .

充填型大口径鋼管コンクリート柱を用いた架

(弾塑性振動解析)

振動解析については、以下の範囲を目安とする。

・レベル l地震動に対する応答層せん断力は、弾性限内とする0

・レベル

l

地震動に対する応答層間変形角は、

1 1 2 0 0

以内とする。

・レベル

2

地震動に対する応答層せん断力は、原則として、保有水平耐力以内とする0

・レベル 2地震動に対する応答層間変形角は、 1/1

0 0

以内とする。

(5)設計結果及び考察

試設計の結果は、一次設計の結果を省略して、二次設計(保有水平耐力計算)及びヲ単塑性 振動解析について示す。

(a)二次設計

試設計結果の柱及び梁(ハット梁・ベルト梁を含む)の断面リストを表

2

.4及び表

2 . 5

に示 す。なお、

20

階モデルについては、二次設計の静的解析に於いて、ハット梁を設けなくても 設計規範(特に層間変形角)を満足することが確かめられたのでハット梁は設けていない。 大口径 CFT柱の断面寸法は、

D=2 , 700mm (D:

鋼管外径)を上限とした。この値は、 トラ

ック運送の場合の道路交通法で規定されている積み荷す法の可能範囲を考慮して設けた上限 値である。表

2

.4より最下階の柱す法を見ると、大口径 CFT柱の場合、

40

60

階モデルでは 上限と決めた

0

2 . 7 0 0 x 4 0

2 0

階モデルでは

O

300x40

である。 一般の角型 CFT柱(以下、

単に角型 CFT柱と記述する)の場合、

20

階モデルで、口

‑ 8 0 0 x 4 0

40

階モデルで口

‑ 1

0 0 0 x 4 0

60

階モデルで口

‑ 1 . 2 0 0 x 4 0

である。大口径 CFT柱の断面と CFT柱の断面す法を比較すると、

鋼管径の上限値を設けたことなどから一定した値ではないが、大口径 CFT柱は CFT柱の

2 . 3

‑ ‑ ‑ 2 . 9

倍の断面径となっている。一般的な事務所ピルを対象とした場合、

4 0

階を超える規模 の建物では大口径 CFT柱の大きさは、ここで上限値と定めた

2

700mm

に達する。また、大 口径 CFT柱の径厚比に注目すると、

20

階モデルで

5 8 ‑ ‑ ‑ 1 1 3

40

階モデルで

6 8 " ' 7 8

6 0

階モ デルで

6 0 ‑ ‑ ‑ 1 0 0

である。本試設計では下層と上層で大口径 CFT柱の断面径を変えているが、

全層同一断面径で通した場合や高強度の鋼管を用いた場合、最上階近傍ではもっと径厚比を 大きくすることが可能である。例えば

2 0

階モデルの場合、断面径を全階

2

300mm

とすると 最上階近傍での径厚比は

1 4 4

に、また

6 0

キロ鍋の鋼材を用いた場合、約

2 / 3

の板厚になること から上記の約1.

5

倍になる。これらのことから、大口径 CFT柱の径厚比は、

6 0 " ' 1 5 0

程度に なると考えられる。

(23)

‑ ‑ ‑ ー 一一 一 2 .

充 填 型 大 口 径 鋼 管 コ ン ク リ ー ト 柱 を 用 い た 架 構

2

.4柱断面リスト

l階 10階 20階 30階 40階 50階 60階

Cl  0

2300x40 0

2000x25 0

1800x16

一 一

C2  SM520  SM490  SM490 

一 一

20階 C4 

口 ・

800x40

口・蜘 一 一

モデル SM520  SM490  I  SM490 

一 一 一

C5  口・800x32 口・650x32

口 ・

450x22

一 一

SM520  SM490  SM490 

一 一

Cl  0・2700x40 0‑ε25020 32

0:♂ 却22500∞似Ox糾刈4ω 0  0‑250 0‑250

l

C2  SM520  SM490  SM490  SM490  SM490 

40階 C4  口・1000x40 口‑900x40 口・800x28 口・750x22

口 ・

750x19

モデル SM520  SM490  SM490  SM490  SM490 

C5 

・900x40

剖仰仰側蜘8ω0∞似0似 附x

一 一

SM520  SM490  SM490  SM490  SM490  一

Cl  0・m 0

2500x25 0

2500x28 0

2500x25 0

2500x25

C2  SM520  SM490  SM490  SM490  SM490  SM490  SM490 

60階 C4  口‑1200x40 口‑1200x40 口‑1000x40

口 ・

900x32

‑800x22

口 ・

800x19

‑800x19

モデル SM520  SM490  SM490  SM490  SM490  SM490  SM490 

C5  口・1200x40 口・1200x36 口・1200x36 口・1000x36 口‑1000x28

口 ・

900x28

‑900x28

SM520  SM490  SM490  SM490  SM490  SM490  SM490 

特記外事項:太枠はコンクリート強度Fc80、その他は Fc60

̲̲. 

C1 

C2  C$ 

C4  G2 

柱符号 梁符号

2 . 5

梁断面リスト

2階 10階 20階 30階 40階 50階 60階

Gl  H・1300x400 H‑1400x400  H

700x400

x36x40  x32x40  x19x32 

G2  H・700x300 H・650x300 H‑600x300 

一 一

20階建 x19x28  x19x28  x19x25  一

G4  H‑1300x400  H‑1400x400  H‑700x300  一 一

x22x40  x25x40  x19x32  一 一

G6  H‑1400x500  H‑1400x500  H‑900x400  一 一 一

x22x40  x25x40  x22x40  一

Gl  H‑1050x450  H‑1200x500  H・1400x450 H‑1000x400  H‑1400x300 

x22x40  x25x40  x28x40  x22x36  x28x36  一

G2  H・950x450 X500│H‑蜘 4501件 蜘 O  H

950x300 一

40階建 x19x32  x19x40  x19x32  I  x19x40  x19x25  一

G4  H・1400x300 H・1400x400 H‑1400x500  H‑1400x350  H・1400x300

x28x28  x28x40  x28x40  x28x36  x28x36  一

G6  H‑1000x350  H‑1000x450  H‑1000x600  H‑1000x350  H‑1000x600 

x22x32  x22x36  x22x40  x22x36  x22x40 

一 一

Gl  H‑1200x500  H‑1200x600  H‑1400x500  H‑1200x600  H ‑1400x450  H‑1200x450  H‑1400x300  x28x40  x28x40  x28x40  x22x40  x28x36  x22x36  x28x36  G2  H

1000x400 X400│H・100MO│H‑1m400│H

100MO│Hm 3 0 0lH 300 60階建 x25x40  x25x40  x25x40  x22x32  x22x32  x22x28  x22x28 

G4  H・1400x450 H‑1400x450  H・1400x500 H‑1400x450  H‑1400x400  H・1200x400 H‑1400x300  x25x40  x25x40  x28x40  x25x36  x28x36  x25x32  x28x36  G6  H・1000x400 H‑1000x400  H‑1000x600  H‑1000x400  H‑1400x600  H‑900x300  H‑1000x600 

x22x36  x22x36  x25x40  x22x32  x25x36  x19x25  x22x40  特記外事項:材質はSM490

太枠はベルト・ハット梁

(24)

‑‑‑‑‑ー一一←

2 .

充填型大口径鋼管コンクリート柱を用いた架構

荷重増分により得られた各モデルの保有水平耐力を

Ds

値に換算して表

2 . 6に示す。保有水

平耐力の

Ds

値への換算は式

2 . 2による。なお、本試設計に於ける保有水平耐力は、前述した

ように、最大層間変形角が

1 1 5 0に達したとき

の水平耐力である。

D s= Qu/Qud 

‑一一一一一ーー一一一一ーーーー

( 2 . 2 )  

ここに、

Qu

:得られた保有水平耐力

Qud:

標準せん断力係数

c

。を1.

0

とした時の地震時水平力

同表より、各モデルの

Ds

換算値は

0

.4以上あり、法規上必要とされる

D s

値をかな り上回って いる。これより、本試設計モデルは地震力に対し充分な水平耐力を有している事がわかる。

2 . 6

保有水平耐力の

Ds

換算値 試 設 計 法 規 上

D s 1

モデル 必要な

D s

X

方向加力時

Y

方向加力時

2 0

階モデル

0 . 3 ∞  0

.4

00  0 . 5 6 0  

40

階モデル

0 . 3 ∞  0

.4

2 4   0

.4

1 6  

60

階モデル

0 . 3 ∞  0

.4

1 2   0

.4

1 6  

2 . 6

に保有水平耐力時に於ける層間変形角の高さ方向の分布を示す。最大層間変形角

0 . 0 2 ( 1 / 5 0 )   r a d

は、全モデルとも

10

階近傍で達しており、設計モデルによって変化していない。

これは大口径

CFT

柱とベルト梁及びハット梁で大架構を構成しているため、大架構の最下階 の中間で最大層間変形が生じたためである。

2 . 7

及び図

2 . 8

に保有水平耐力時の塑性ヒンジの発生状況を示す。同図からわかるよ うに、

大口径

CFT

柱及びメガ梁(ベルト梁・ハット梁)には塑性ヒンジは生じていない。本架構モ デルは角形

CFT

柱に塑性ヒンジの発生を許容する思想、で構成された架構モデルであるが、 荷 重増分解析による結果では、

20

階モデルの場合、多くの角形

CFT

柱に塑性ヒンジが生じてい るが、

40

階モデルではほとんど生じず、

60

階モデルでは全く生じていない。全体として梁降 伏先行型の崩壊機構に近い。この要因として以下のことが考えられる。(

)鉄骨梁の復元力特 性 が

B i ‑ l i n e a r

型であるのに対し、角形

CFT

柱の復元力特性は

T r i ‑ l i n e a r

型であり、その為 比較的早期に剛性低下を生じ、終局曲げ耐力に達する変形が大きくなること、(

2 )

一般に柱の 材長が梁の材長よりも短いため、梁よりも柱のせん断力の方が大きく 、危険断面位置での曲 げモーメント(フェイスモーメント)が梁よりも小さくなる傾向にあること。

( 3

)角形

CFT

(25)

ー. . . . .  

ーー一~

2 .

充填型大口径鋼管コンクリート柱を用いた架構

21  41 

36 

H ‑32 1

3 1  

1 3H= J 認 t ; ̲  ̲  ̲  ̲  ̲    ̲  ¥  ̲ ' ̲ ̲  ̲  ̲  / 

11 ーーー一・一ーーーーーー,ーーーー

26 

21

16 トーーーーー ーーーーーー:ーーーー

5

: : : : 二 万 イ 1 1  

0.005  0.01  0.015  層間変形角 (rad)

a )  

20階モデル

61 

51 

41 

3 1

21 

11 

1‑ーーーーーーー

0.02 

0.005  0.01  0.015 

層間変形角 (rad)

b )  40

階モデル

r ..̲.̲.....̲ II 

"  '1  X方 向

i

¥ : 1 一一一一 Y

方向

i

¥

‑ ‑ ‑ ,  ‑

‑‑ーーーー「ー

: ¥ 

0.005  0.01  0.015  0.02  層間変形角 (rad)

c )   60

階 モ デ ル

図2 . 6 保有水平耐力

の層間 変 形角

0.02 

(26)

2 .

充填型大口径鋼管コンクリート柱を用いた架構

一 一

v " . .  

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1

11‑

I t ( "   v

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同 ,

1

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a )   20 階 モ デ ル b )  40 階 モ デ ル c )  60 階

モデル

図2 . 7 X 方向加力時塑性ヒンジ発生状況(

最大層

間変形

1 / 5 0 )

tznun

ro c J a

J

ヲ ・ ' t n u 00zoεJn

JZ

U n y o o f z o ε J

J

L '

U n y o E FzogJau

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6 U A a a A

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(27)

2 .

充填型大口径鋼管コンクリート柱を用いた架構

  4 

1. 

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a )  20

階 モ デル

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階モ デ ル

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, 

占 占 占 占 占 占 占 占

c) 

6 0

階 モ デ ル

2 . 8 Y

向加力

時塑性

ヒン

ジ発生状況(最大層間変形角

1 / 5 0 )

1 0 9 8 7 6 5 4 1

2

1 0 9 8 7 6

.

︐︑

4 2J UR ζU ζJ ζJ εJ

Jε Jε Jζ Jε JC Jζ J

444

44

21

0 9 0 0 7 6 5

4

3 2

1a098

7 6 5 4 2 J 2 1 0 9 8

7

6 5

4

3 2 1 }

・ 吋

・ 吋 AJJ1dJJJJJJJ4正ヲ毎

44&411

' '

BB

・ ﹄

'

'a

'l

'

Ed

(28)

2 .

充填型大口径鋼管コンクリート柱を用いた架構

の変形能力を確保するために、耐力とは関係なく鋼管の径厚比を調整した柱があること、で ある。同図より、角形

CFT

柱に生じる塑性ヒンジの割合は、建物階数が多いほど少なくなる 傾向にあり、上記の影響は高層建物ほど大きくなると思われる。

2 . 9 ‑ ‑

2 . 1 1に保有水平耐力時の大口径 CFT

柱を含む構面(大口径

CFT

構面)と含まな い構面(角形

CFT

構面)のせん断力負担率を示す。同図によると、

20

階モデルの場合、

X方

向加力時、

Y方向加力時ともに大口径 CFT

構面で

80%

程度のせん断力を負担しており、最上 階付近で

60‑‑70%

程度の負担率に低下するものの、ほぽ全層向ーの負担率になっている。

40

階モデルの場合、大口径

CFT

構面のせん断力負担率は、 X方向加力時でお

‑ ‑ 70%

程度、 Y方 向加力時で

70‑‑85%

程度になっており、 X方向加力時と Y方向加力時で負担率が異なってい る。

60

階モデルの場合も

40

階モデルの場合と同様の傾向を示し、大口径

CFT

構面のせん断 力負担率は、 X方向加力時で

65‑‑80%

程度、 Y方向加力時で

80‑‑85%

程度である。

20

階モデ ルでは大口径

CFT

構面のせん断力負担率に加力方向による違いがなく、

40

階,

60

階モデル では違いが生じたのは、架構形式の違いによるものである。すなわち、

20

階モデルで、はハッ

ト梁を設けていないので、大口径

CFT

柱は片持ち柱の状態に近く、加力方向による負担せん 断力に差が生じにくくなったためと考えられる。また、

20

階モデルの負担率と

40

階,

60

階 モデルの

Y方向加力時の負担率がほぼ等しいのは、 Y方向構面数 7

面の内、

4

面が大口径

CFT

構面であり、残り

3

面の角形

CFT

構面もロングスパンのフレームであることから、大口径

CFT

構面の負担率が一様に大きくなったものと考えられる。なお、

40

60

階モデルで、大口径

CFT

構面のせん断力負担率が非常に大きくなっている階はメガ梁(

1

層分の梁せい)となっ ている階であり、一般階に比べ大きな水平剛性を有しているためである。本架構を建物に適 用する場合、大口径

CFT

構面は、建物層せん断力の

60‑‑80%

を負担すると考えて計画するこ

とが現実的であると思われる。

2.12

‑‑図

2 . 1 5に保有水平耐力時の大口径 CFT

柱及び角形

CFT

柱の応力と終局耐力曲線 との関係を示す。図

2.12

,図

2 . 1 3

が大口径

CFT

柱について、図

2.14

2 . 1 5

が角形

CFT

柱 についてである。なお、図中には長期応力(縦軸近傍のプロット)もあわせて示している。 同図には応力の最大となる

l

階と最大層間変形角を生じる

10

階について示した。図

2 . 1 2

及び 図

2 . 1 3より、大口径 CFT

柱の応力と耐力曲線とを比較すると、

Cl. C2

柱とも引張軸力を生 じる場合で断面が決定されている。その為、圧縮軸力を受ける場合には余力を残している。 図

2.14

及び図

2 . 1 5より、角形 CFT

柱について同様に比較すると、ほとんどの場合、圧縮軸 力を受ける場合で断面が決まっており、 高軸力となる傾向にある。

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