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論文内容要旨

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名

がん化学療法の有害事象に対する新たなエビデンスの構築

専攻科目名 氏名

昭和大学大学院薬学研究科 薬学専攻(薬物動態学)博士課程 青山 剛

内容要旨 背景

がん化学療法における有害反応のうち、悪心・嘔吐および肝機能障害は、

ほぼすべての抗がん剤に共通する有害反応であり、その制御は quality of life (QOL)の維持、がん化学療法の継続のため重要である。QOL 改善を目 的として、制吐療法など支持療法の分野でガイドラインが発行されている。

各ガイドラインには、エビデンスが確立していない領域が存在し、新たに 臨床への知見となる研究が待たれている。がん研究会有明病院はがん診療 連携拠点病院として認可されており、エビデンスが確立していない領域の 化学療法や支持療法も多い。そこで本研究では、稀少がんのがん化学療法 におけるエビデンスの構築を目指し、小細胞肺癌におけるアムルビシン (AMR)単剤療法に対する新たな制吐療法の評価、および、悪性軟部肉腫・

腎細胞癌におけるパゾパニブ療法に対する肝機能障害の薬物動態学的検

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討を行った。

方法

AMR の制吐療法の評価では、グラニセトロン(GRA)あるいはメトクロプ ラミド(MET)単剤による制吐効果について評価した。当院で AMR 単独療法 を受けた小細胞肺癌患者の診療録より情報を収集し、悪心・嘔吐の出現 率・重篤度および完全嘔吐抑制率を GRA 群と MET 群で比較評価した。

また、パゾパニブに関する検討では、当院でパゾパニブ療法を受けた悪 性軟部肉腫・腎細胞癌患者におけるパゾパニブ血中トラフ濃度を測定し、

毒性との関連性について検討した。

結果

AMR に対する制吐療法として、33 名に GRA 3 mg が、30 名に MET 20 mg が投与されていた。悪心・嘔吐は、GRA 群の 30.3%および MET 群の 30.0%

に観察された。完全嘔吐抑制率は、それぞれ 78.7%、73.3%であった。

両群間で、悪心・嘔吐の発現率および重篤度、完全嘔吐抑制率に有意差は 認めなかった。

パゾパニブに関しては、悪性軟部肉腫に比較して腎細胞癌で有害反応に

よる減量や中止が多く、パゾパニブのトラフ値も高い傾向であった。さら

にトラフ値が影響を及ぼす因子について検討したところ、トラフ値と肝機

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能値が相関していた。

考察

AMR の悪心・嘔吐は、MET で制御可能であり、GRA と効果が同等である ことが示唆された。MET は GRA と比較して安価であり、経済的にも優れて おり推奨される。

また、パゾパニブ療法では、悪性軟部肉腫より腎細胞癌でパゾパニブの トラフ値が高いことが明らかとなった。いずれの疾患においても、ほぼ全 例でパゾパニブトラフ値は有効血中濃度以上を示しており、有害反応によ る中止・減量が多い腎細胞癌では、パゾパニブを減量して開始できること が示唆された。

総括

本研究によって、小細胞肺癌や悪性軟部肉腫、腎細胞癌などの稀少ながん

の治療法および支持療法の一助となる、有害反応に対する新たなエビデン

スを構築することができた。

参照

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