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高被圧水を有する砂礫層における場所打ち杭の試験施工

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Academic year: 2022

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(1)

高被圧水を有する砂礫層における場所打ち杭の試験施工 

(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構 鉄道建設本部 北陸新幹線第二建設局  正会員  ○佐藤  和正  (独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構 鉄道建設本部 北陸新幹線第二建設局  正会員    井浦  智実 

1.はじめに 

北陸新幹線松倉高架橋は、富山県魚津市に位置 し、高崎起点 264Km031m〜264Km864m、全長 833m の桁式高架橋で計画されている。 

当該区間では、既往の地質調査により被圧地下 水(GL+0.85m〜GL+2.60m)が観測されており、中 間層には玉石・転石(φ1200)が確認されている。

このような被圧水を有した砂礫層における基礎形 式選定にあたり、経済的な基礎形式である場所打 ち杭の施工の可能性を検証するために試験施工を 行ってものである。 

本稿では、場所打ち杭の試験施工、今後の課題 について報告するものである。 

2. 地質状況 

  松倉高架橋は、標高30〜35m前後の沖積低 地を通過する計画となっている。沖積低地の南西 側に更新世に形成された標高 50〜150m前後の台地、

北東側に丘陵地が構成されており、開析扇状地と なっている。 

  沖積低地の地質構成は、深度15〜25mに分 布する更新世の呉羽山礫層(Ks)が基盤を構成し ており、この上をシルト質砂、玉石混じり砂礫、

粘土混じり砂礫、シルト、粘土からなる沖積層が 厚く覆って分布している。支持層としては、更新 世の呉羽山礫層(Ks)のN値50以上の砂礫層が 良好な支持層となる。また、ボーリング調査を8 箇所で行っており、そのうち起点側の4箇所で基 盤 の 室 田 累 層 (Ms) 及 び 呉 羽 山 累 層 (Ks) 中 に 、 GL+0.85m〜GL+2.60mの被圧水頭を有する被圧地 下水が確認されている。 

3.基礎形式の選定 

鉄道構造物等設計標準によると被圧地下水位2 m以上、礫・玉石30cm 以上の地質ではニューマ チックケーソンが最も施工に適していると判断で きる。しかし、基礎の工事費が高価となり経済的 ではない。また、鋼管杭は礫径30cm 以上では施 工不可となっている。 

  一方、場所打ち杭(オールケーシング杭)は、礫 径30cm 以上の層においてもスーパートップ工法 等に代表される全旋回式掘削機を用いることで施 工可能であるが、問題点として被圧地下水が挙げ ら れ る 。 し か し 、 当 該 区 間 の 最 大 被 圧 地 点

(GL+2.60m)においても補助工法(被圧水頭差分 以上の盛土をすること等)を用いることで施工でき る可能性はある。 

  以上より、松倉高架橋における基礎形式として、

場所打ち杭(オールケーシング)が経済性に優れる が、施工性に問題があることから場所打ち杭の試 験施工によりその可能性を検証した。 

4.試験施工概要

  今回の試験施工は、本構造物で計画される構造 形式を元に次の試験体とした(図1)。 

・杭径:φ=1500(無筋) 

・杭長:L=25.0m 

*施工基盤から L=4.0m残し、支持層に1m貫入 

・コンクリート強度:30-18-25BB   

                   

図1  試験体概要図 

また、試験施工に先立ち、試験杭から 10m 程度 離して観測孔ボーリング(φ86mm、L=30m)を行 い、土質確認、流向・流速試験等を行った。 

5.試験施工結果

試験施工に当って、以下の4項目について検討 を行い以下の結果を得た。 

現地盤高(GL) 標高35.6m

ライナープレート 根固めコンクリート

ライナープレート 根固めコンクリート

ライナープレート 根固めコンクリート

ライナープレート 根固めコンクリート

被圧水位 GL+0.85

1m 被圧水位

GL+0.85

1m 被圧水位

GL+0.85

1m

1m

25m

支持層 1m

25m

支持層 1m

25m

1m

25m

1m

25m 25m

支持層

4.0m

21.0m

4.0m

21.0m 4.0m

21.0m 4.0m

21.0m 4.0m

21.0m

玉石混り砂礫 GL-18.5〜GL-22.0

玉石混り砂礫 GL-5.0〜GL-11.5

玉石混り砂礫 GL-12.7〜GL-14.5

シルト、細砂 シルト、細砂 シルト、細砂

玉石混り砂礫 GL-18.5〜GL-22.0

玉石混り砂礫 GL-18.5〜GL-22.0

玉石混り砂礫 GL-5.0〜GL-11.5

玉石混り砂礫 GL-5.0〜GL-11.5

玉石混り砂礫 GL-12.7〜GL-14.5

玉石混り砂礫 GL-12.7〜GL-14.5

シルト、細砂 シルト、細砂 シルト、細砂 シルト、細砂 シルト、細砂 シルト、細砂

土木学会中部支部研究発表会 (2008.3)

I-016

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① 中間巨礫層における施工性 

地質調査により最大礫径が 1200mm と想定されて いることから、全旋回式掘削機およびハンマーグ ラブによる施工の検証を行った。 

深度 24m付近において、2.2m級の転石をケ ーシングで切断後、BKF ハンマーで掘削した。これ より全旋回式掘削機を用いることで中間巨礫層に おける施工は可能であることを確認した。 

② 被圧地下水層における施工性 

GL+0.85m〜GL+2.60mの被圧が想定されること から、今回の試験杭では、盛土による水頭差確解 消による施工の検証を行った。 

(1)被圧地下水位 

観測ボーリング孔の掘削時に各深度において孔 内水位の変化を観察することで計測を行った。施 工期間中の最高水位は、ケーシング孔底深度20.3m  の時点でG.L.+0.83m(標高36.40m) となった。ま た、試験杭施工箇所では、被圧地下水は最大でGL- 0.5m(標高35.1m)までしか上昇しなかった。ただ し、年間を通しての地下水変動に関するデータが 得られていないので、今後の観測が必要と思われ る。 

(2)ボイリングの影響 

不均質な玉石混じり砂礫のために砂が多かった と思われる上流側でボイリングが一部発生した可 能性があるが、施工に支障がない程度であった。

また、水位は急激な上昇ではなく、ゆっくりと上 昇してきた事が観測されたことからも、地質的に ボイリングの影響はなく施工できると考えられる。 

③  地下水流の影響 

地下水流が3m/分程度以上になると、コンクリ ートが流され杭体の形成ができず、場所打ち杭は 不適合となる。観測孔において流向・流速試験を 行った結果、GL-26.5m付近では、流速が13.3cm/

分となり、杭体の形成に問題がないことが確認で きた。 

④ 試験体の確認 

杭体の健全度の確認のためにコアボーリングを 行った。直径1500mm の杭のセンターから水の 流向方向に上流側、下流側、中心、NW45°の4 箇所でボーリング採取を行い出来形を確認した。 

下流側の GL-4.5m付近ではモルタル成分のみコ アが採取され、GL-13.0m付近では地山の礫を含ん だコアが採取された。 

次に、NW45°でコア供試体を6箇所採取し、強度試 験(材齢31日)を行った。標準養生を行った供試体 では、39.8 N/mm2となっているのに対して、杭上 部(GL-5.0m付近)では、圧縮強度が約10N/mm2前後 と強度の弱い箇所があることを確認した。 

6.今後の課題

試験施工結果より、コンクリートの品質確保の 点において次の2点が問題点として挙げられる。

現段階においては、確定はしていないが次の原因 が考えられる。 

(1) 礫を巻き込んだコア 

原因:地山の礫を含んだコアが採取された GL-13.0 m付近は、被圧水が確認された砂礫層となってい る。施工記録よりケーシング引抜時に設計上より も大きくコンクリート天端が下がっていることが 分かっている。このことから、GL-13.0m付近では 被圧水帯層の影響もあり孔壁が崩壊し、土砂が混 入したと思われる。 

 (2) モルタル成分のみのコア(杭の強度不足)  原因:強度が小さくなっているのは打設開始時の コンクリートが材料分離を起こしつつ表層付近に あがってきたためと想定される。 

7.まとめ

コンクリートの品質管理に問題が残ったが、こ の問題について解決すれば、場所打ち杭の施工は 十分可能であることが今回の試験施工により検証 された。孔壁崩壊防止のためにコンクリートを早 期充填するような対策やコンクリートの材料分離 防止に有効な対策について、今後検討し設計・施 工に反映していきたいと考えている。 

また、より確実性の高い施工とするために、本 施工前に改めて各橋脚付近でボーリング調査を行 うことが望まれる。被圧地下水が確認されている のは当該区間起点側のみであることから、大幅な コスト増とならないと考えられる。

土木学会中部支部研究発表会 (2008.3)

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参照

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