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有孔板の引張試験におけるマルチロゼットひずみ計測

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Academic year: 2022

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(1)I‑010. 土木学会西部支部研究発表会 (2012.3). 有孔板の引張試験におけるマルチロゼットひずみ計測 長崎大学 学生会員 ○森﨑 雅俊 福岡県 非会員 内野 正和 はじめに 光学的全視野計測法の一つにデジタル画像相関法(以下 DICM)がある.DICM は,測定対象物の変形前後の画像を デジタルカメラ等で計測し,その画像を数値解析すること で,測定対象物の変位・ひずみやその方向を求めることが できる手法である.筆者らは,数年前から DICM を用いた 各種研究を行っており,撮影条件や解析条件の影響により 計測値にバラツキが生じることを確認している.さらに, そのバラツキを軽減させるため,ロゼット解析を複数回行 い,平均化することで計測精度が向上できるマルチロゼッ ト解析手法を開発している 1).ここでは、2 台のカメラを用 いたステレオ計測による 3 次元マルチロゼット解析の計測 精度検証結果について述べる. 2. マルチロゼット解析概要 DICM は測定対象物表面模様のランダム性を基にして, 測定対象物の変形前後のデジタル画像の輝度値分布から測 定対象物表面の変位量と変位方向を求める手法である. DICM によりひずみを求める方法として 2 点間の距離変化 を利用する方法がある.これは,ひずみを求める位置を中 心として,ある画素数だけ離れた 2 点の変形前後の変位量 と方向を求め,2 点間の長さの変化からひずみを求める非常 にシンプルな解析法である.任意に解析点の距離(ゲージ 長に対応)を変えることができる特徴を持つ.しかしなが らこの方法ではひずみ量が小さい場合,解析値がばらつく という傾向を示す.そのため円孔の応力集中部のような微 小領域のひずみ計測では解析誤差が大きくなり有効な方法 ではない.しかしながら応力集中の評価法として,DICM を 用いて円孔の中心点から点対称となる 2 点間の距離変化率 を利用する手法では,2 点間距離を大きくとることができ, 誤差が小さくなる.以下に解析手順を示す. ① 図 1 に示すように円孔の中心から同心円状に解析点を 配置する.例えば図 1 では 64 点(64 分割)配置して いる. ② 円孔中心から点対称になる 2 個の解析点を利用して変 形前後の距離変化率を求める.この場合,32 個の計算 結果が得られる. ③ ②で求めた距離変化率の中で,x 軸から 0°,45°,90° の角度に位置する組み合わせを用いてロゼット解析を 行い、最大と最小の距離変化率を求める. ④ ③の組み合わせ方を変えてロゼット解析を複数回行う. ⑤ 組み合わせの総数は 32 通りあり,平均化してバラツキ を少なくし,最大と最小の距離変化率を求める.. 長崎大学 正会員 出水 享 長崎大学 正会員 松田 浩. 1.. 図 1 解析点. 図 2 試験体概要. 写真 1 円孔付近拡大図. 試験体. LED ライト. LED ライト. CCD カメラ. CCD カメラ. 写真 2 計測状況. ‑19‑.

(2) I‑010. 土木学会西部支部研究発表会 (2012.3). 試験概要 試験体概要を図 2 に示す.本試験では,写真 1 のように 直径 15mm の円孔を有する板厚 2.3mm の鋼板で,引張り試 験を行った.DICM で計測のため,試験体の表面に白色の スプレーで下地を塗布し,次に下地の上から黒色のスプレ ーでランダムパターンを塗布した.また有孔板との比較の ため,試験片の寸法は同じで円孔を有しない試験片を用い て,有孔板と同じ荷重条件で引張載荷を行った. 載荷は荷重制御とし,荷重を 3.71kN,6.86kN となるよう に載荷し,その後,荷重を一定に保った.DICM の撮影に 関しては,2 台の CCD カメラを用いた.2 台のカメラの中 心から約 575mm の距離から撮影を行い,シャッター速度は 25ms とした.この条件下では,撮影解像度(mm/pixel)は約 0.032 mm/pixelとなるため、 例えば5mmゲージは、 約156pixel で構成されることになる.また,試験体表面の明るさを一 定に保つため,LED ライトを 2 つ使用した.計測状況を写 真 2 に示す. 計測は、各荷重においてカメラで 50 枚ずつ計測を行い, 各荷重の画像に加算平均処理を行った.加算平均処理を行 うことで,ひずみの計測精度が向上することが確認されて いるためである 2).加算平均後の画像を用いてマルチロゼッ ト解析によりひずみを算出した.マルチロゼット解析の結 果と比較するために FEM を行った.FEM に使用した材料 パラメ-ターは、事前に試験で求めた弾性係数 200GPa,ポ アソン比 0.3 とした. 4. 試験結果 マルチロゼット解析及び FEM により得られた結果を図 3、 図 4 に示す.図 3(a)より,最大主ひずみは円孔近傍で最大約 60μの誤差が見られ,それ以外の区間の誤差は約 20μであ った.最小主ひずみは,円孔近傍で約 40μの誤差が見られ, それ以外の区間では誤差はほとんど見られなかった.図 3(b)より,誤差は見られずほぼ 0°となった.図 4(a)より, 最大主ひずみは円孔近傍で約 50μの誤差が見られ,それ以 外の区間の誤差は約 30μであった.最小主ひずみは円孔近 傍で約 30μの誤差が見られ,それ以外の区間では誤差はほ とんど見られなかった.図 4(b)より,誤差は見られずほぼ 0°となった.また,図 3(a)と図 4(a)のどちらも,円孔近傍 の最大主ひずみは円孔を有しない場合の最大主ひずみの約 3 倍の値となった.図 3(b),図 4(b)より,均等に載荷されて いることが確認できる. 以上より,マルチロゼット解析の値と,FEM の値がほぼ 一致したことから,応力勾配のある区間や,低ひずみ域に おいてもマルチロゼット解析は精度よくひずみを計測でき ることが確認できた. 5. まとめ ・マルチロゼット解析は精度よくひずみ計測ができること が確認された. ・マルチロゼット解析は低ひずみ域においても精度よくひ ずみを計測できることが確認された. 3.. 図 3(a) 3.71kN 載荷時の最大・最小主ひずみ. 図 3(b) 3.71kN 時の最大主ひずみ方向の角度. 図 4(a) 6.86kN 時の最大・最小主ひずみ. 図 4(b) 6.86kN 時の最大主ひずみ方向の角度 6. 参考文献 1) 内野正和,岡本卓慈,伊藤幸広,松田浩,デジタル画 像相関法を用いたマルチロゼット解析法の検討,日本 実験力学会講演論文集,Vol8,pp134-137,2008 2) 出水享,板井達志,藤野義裕,山下務,松田浩,撮影・ 解析条件がデジタル画像相関法のひずみ計測精度に及 ぼす影響,長崎大学工学部研究報告,41(77), pp.45-52;2011.7. ‑20‑.

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