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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2016 年 2 月 10 日

食事誘導性肥満モデルラットにおける

難消化性デキストリンの GLP-1 産生増加作用の検討

応用生物科学専攻 食資源科学講座 食品栄養学 須藤 僚也

1.方法

Glucagon-like peptide-1(GLP-1)は下部消化管に多く分布する L 細胞で産生される消化管 ホルモンで、三大栄養素の刺激により分泌が促進される。また、一部の難消化性成分が GLP-1 分泌を促進することも知られている。GLP-1 の生理作用として、インスリン分泌促進や食欲抑 制、脂肪蓄積抑制などが知られている。これら生理作用は肥満症や耐糖能障害の予防・改善に 有効と考えられ、GLP-1 の作用増強に関する栄養学・薬理学的研究が進められている。

これまでの研究において、水溶性難消化性糖質の一種である難消化性デキストリンが、GLP-1 産生細胞株および正常ラットにおいて GLP-1 分泌を促進する事が明らかにされた。本研究では、

難消化性デキストリンを添加した肥満誘導食をラットに連日摂取させ、GLP-1 分泌・産生およ び耐糖能、食欲、内臓脂肪への影響を検討した。

2.方法

難消化性デキストリンを添加した肥満誘導食での飼育試験(①長期飼育、②短期飼育)

① SD 系ラット(5 週齢、雄)を 1 週間馴化させた後、難消化性デキストリン(RMD)あるいは フラクトオリゴ糖(FOS)を 5%添加した高脂肪高ショ糖食(HFS)で 8 週間飼育した(*)。4 週目 に絶食下で経口糖負荷試験(OGTT)を行い、8 週目に解剖を行った。

② ①における早期の変化を詳細に調べるために、上記と同様の飼料を用いて 9 日間の短期 飼育試験を行った。

(*)試験群はコントロール(CT)群(AIN-93G 摂取)・HFS 群・HFS+RMD 群・HFS+FOS 群の 4 群 3.結果と考察

① 長期飼育試験) 4 週目の OGTT では、CT 群に比べて HFS 群の血糖応答が上昇した。HFS+RMD 群と HFS+FOS 群ではその上昇が抑えられる傾向にあり、インスリン濃度も同様の傾向を示し た。また、血中 GLP-1 濃度は HFS+RMD 群と HFS+FOS 群で、CT 群と HFS 群よりも高値を示し た。この結果から、RMD と FOS の継続摂取により GLP-1 分泌が増加し、HFS 食によって生じ る耐糖能異常が改善されることが示唆された。絶食時の門脈血中 GLP-1 濃度と結腸組織中 GLP-1 含量は、HFS+RMD 群と HFS+FOS 群で高値を示した。解剖時の内臓脂肪重量は、HFS 群 が CT 群に比べて増加し、HFS+RMD 群と HFS+FOS 群ではその増加が軽減した。

② 短期飼育試験) 8 日間の試験飼料の摂取により、絶食時の門脈血中 GLP-1 濃度と結腸組 織での GLP-1 含量が、HFS+RMD 群と HFS+FOS 群で高値を示した。解剖時の内臓脂肪重量は、

HFS+RMD 群と HFS+FOS 群が HFS 群に比べて有意に低下した。摂取エネルギーは 5 日目以降か ら HFS+RMD 群が HFS 群よりも低い値を示し始め、総摂取エネルギーは HFS 群に対して有意に 低値を示した。

4.まとめ

肥満誘導食に難消化性デキストリンを添加する事で、過食が一定期間抑制されるとともに、

GLP-1 の産生やグルコース刺激に対する GLP-1 分泌を高め、耐糖能異常や内臓脂肪蓄積を軽減 することが明らかとなった。この研究により、新たな食品成分の継続摂取による内因性 GLP-1 の増進と、その有用性が示された。

参照

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