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Ⅰ 受け入れのジレンマ

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(1)

日本型「移民政策」の萌芽

佐 藤 忍

はじめに

Ⅰ 受け入れのジレンマ

.グローバルな正義

.「受け入れのパラドックス」

Ⅱ 受け入れのデザイン

.受け入れプログラム

.「数と権利のトレードオフ」

Ⅲ 日本における労働移民の受け入れ

.技能実習制度

.グローカル人材育成

.能力開発指向型 むすび

は じ め に

日本における外国人労働者の受け入れが新しい時代に入った。

年「日本再興戦略改訂」が発端であった。外国人技能実習制度の抜本的 な見直しが提起され,かつ中長期的な外国人材の受け入れのあり方についても

「移民政策と誤解されないように」検討を進めることとされた。その流れは 年技能実習法の成立,同年および 年入管法改正へと結実した

。これら一連 の重要な政治的決定はきわめて短期間のうちになされた。それゆえ政治的な混 乱をともない,社会的にも誤解されている点もあるように思われる。なにより も重要な点は,日本における外国人労働者の受け入れが,労働力輸入の時代か

( ) 森下之博「外国人技能実習法の成立と労働法政策」『季刊労働法』 号, 年夏 季,

頁,参照。

第 巻 第 ・ 号 年 月 −

(2)

ら労働移民としての受け入れの時代へとシフトしたということである。入国時 点での移民ではなく,将来の移民を受け入れるのである。一時的な労働移民の 中から競争的な労働市場を生き抜くような有能な人材を育成し,選抜し,やが て定住・永住してもらうという能力開発指向型の受け入れシステムがいま構築 されようとしているのである。いわば日本型「移民政策」の萌芽といってよい。

日本は人口減少と少子高齢化の中で労働生産性の向上を至上命題としてい る。働き方改革がそれである。 AI 等の技術革新や女性・高齢者等の有効活用は 当然の前提である。そのうえで労働市場の効率化と高機能化が追求されなけれ ばならない。外国人労働者の受け入れが「能力開発指向」であるとすれば,そ れは労働生産性の向上という方向性と両立しているといえる。さらにまた外国 人への依存に対して日本社会の警戒心は根強い

。警戒心の強さは差別の温床で もあるのだが可能なかぎり自前で解決しようとする勤勉さにも由来しており,

それ自体,外国人労働者の受け入れに対して抑制的な作用をもたらしている。

つまり日本型「移民政策」は外国人労働者の受け入れに対してきわめて抑制的 であって,むしろ慎重な態度をとることを特徴としているというべきである。

なお,外国人労働者というとき,とりわけ論議の的になるのは低熟練ないし 中技能(ミドルスキル)の外国人労働者である。彼らのような労働者は国内賃 金や治安といった受け入れ社会へのネガティブな影響をもたらしやすいと懸念 されているからである。こうした労働者はそれゆえ「単純労働者」と分類され てきた。そしてその受け入れを原則拒否してきたのがこれまでの日本の受け入 れ方針であった

。本稿では,外国人労働者あるいは労働移民というとき,とく に断らない限り,低熟練ないし中技能の外国人労働者を念頭に置いている。外 国人労働者の受け入れの新しい時代を象徴するのは,なによりも彼らである。

( ) たとえば

NHK

オンライン・シリーズの「外国人 依存 ニッポン」という現場ルポ は,外国人への依存の広がりと深まりに対して日本社会の警戒心を呼び起こす働きをし ているように思われる。

( ) 単純労働概念の「無効化」が進行している点については,倉田良樹「 年代におけ る日本の外国人労働者政策の急変〜 年体制はなぜ崩れたのか〜」『計画行政』,

( ), 年, − 頁,参照。

香川大学経済論叢

(3)

Ⅰ 受け入れのジレンマ

.グローバルな正義

外国人労働者の受け入れはグローバルな富の再分配をもたらす

国際経済学の単純な経済モデルは労働者の国際移動によるグローバルな富の 再分配を次のように描く。世界は北の豊かな国と南の貧しい国の 国からなる とする。国境が開放されると,世界は完全に一つになるとする。移動のコスト も無視する。南の人々は豊かな北を目指す。両国の賃金水準が等しくなるとこ ろで,労働者の流れは止まる。そのとき北の住民には犠牲を伴うが,世界は格 差のない平等でより豊かな社会に生まれ変わる。労働者の国際移住がもたらす 富の再分配を,ジョージ・ボージャス(George J. Borjas)は 年の世界を 仮定して試算している。北には 億人の人口と 億人の労働者が働いている。

南には 億人の人口と 億人の労働者がいる。北と南の賃金格差は 倍であ る。国境開放前の世界の GDP はおよそ 兆ドルである。国境開放はこの世界 をどのように変えるのだろうか。ボージャスはその結果を表 に示した。

年の世界の GDP は 兆ドルだが,入国制限の撤廃によって 兆ドル

( )

P. R.

クルグマン/M. オブズフェルト共著(石井菜穂子/浦田秀次郎/竹中平蔵/千田亮

吉/松井均共訳)『国際経済 理論と政策 第 版 Ⅰ国際貿易』新世社, 年,

頁,参照。

世界の

GDP

の増加 .兆ドル

移民労働者の数 億人

家族を含めた移住者の変化 億人

北の地域の賃金の変化 − .%

南の地域の賃金の変化 .%

資産家の所得の変化 .%

移住コストを勘案した世界の

GDP

の増加 .兆ドル

国境開放の影響 ( 年)

出典:ジョージ・ボージャス(岩本正明訳)『移民の政治経済学』

白水社, 年, 頁。

日本型「移民政策」の萌芽

(4)

が新たに生み出される。南の労働者は北のより高い生産性のもとでより効率的 に働くことでより大きな価値を生産することになるからである。したがって南 の労働者の収入はおよそ . 倍になる。富の再配分にはメダルの裏がある。北 へ移住する労働者は 億人に達する。つまり南のほぼ全員が北へ移住する。

もともと賃金の高い北の労働者の収入は, 割近くも低下する。国境の開放に よって世界は明らかに豊かになるが,北の労働者にとっては単純に得にはなら ない。これは単純モデルのストーリーであるが,外国人労働者の受け入れがも たらす影響の二面性を如実に物語っている

外国人労働者の受け入れは世界の不平等の是正に寄与しうる積極的な側面を 持つと同時に,受け入れに伴うマイナス面も同時にあわせ持っているのであ る。それゆえ外国人労働者の受け入れに伴う悪影響をできるだけ小さくし,他 方でそのメリットをできるだけ大きくすることが受け入れ政策の鉄則となる。

出入国管理,在留管理,統合政策などの諸政策が必然となる。

受け入れる先進各国は,それぞれの政治経済体制を所与として,その中での 様々な制約要因に規制されつつ,一定の政策目標(たとえば経済成長,労働力 不足の解消など)を達成するために,外国人労働者の受け入れを選択している。

したがって外国人労働者の受け入れ政策は各国が置かれている政治的,経済 的,社会的な制約条件のなかで選択され,短期的にはその制約の中で修正を重 ねている。つまり過去の受け入れ経験に照らしながら,それに制約されなが ら,選択されると考えてよい

外国人労働者の受け入れは,送り出す側にとっても重要である。受け入れ国 と送り出し国とを対比するとき,受け入れ側のほうがたいてい政治的にも経済 的にも主導権をもっていることが多い。労働者の国際移動はそれゆえ受け入れ 側の視点で語られやすい。プラス・マイナスの比較考量は受け入れ側にとって も単純ではないが,送り出し国にとってはさらに困難であることが多い。労働

( ) ジョージ・ボージャス(岩本正明訳)『移民の政治経済学』白水社, 年,とりわけ

「第 章 ジョン・レノンがうたった理想郷」 − 頁,参照。

( )

Cf. Martin Ruhs, The rights of migrant workers : Economics, politics and ethics, in : International Labour Review, Vol. No. , , pp. − .

香川大学経済論叢

(5)

者の送り出しは送り出し国の経済発展にもつながることが望ましい。そのさい には つの「R」が戦略的なポイントだといわれている。「リクルート」(募集 のプロセス),「レミッタンス」(送金の使途),そして「リターン」(帰国後の 進路)である。 つの「R」に関する調査研究も,とりわけ国際機関によって 盛んに実施されている

。送り出し側にもたらされる利益および損失に誠実に向 き合う姿勢がなければ,外国人労働者の受け入れは受け入れ側の身勝手な振る 舞いとのそしりを免れない。受け入れ国が外国人労働者の受け入れからメリッ トを享受したければ,送り出し国に応分の利益を還元することが不可欠であ る。それが公正な取引のルールである。それは外国人労働者の受け入れがシス テムとして持続可能であるための拠り所でもある。

このように考えてくると,外国人労働者を受け入れるというとき,グローバ ルな分配的正義論の観点が重要なひとつの判断基準となる

。たんなる受け入れ 国にとっての損得勘定だけでは視野が狭すぎる。外国人労働者の受入れが送り 出し側にも適切な利益をもたらすようにするためには,外国人労働者の受け入 れはどうあるべきなのか。グローバルな正義(global justice)に叶う制度設計 はどのようなものだろうか。絶えず問い続けることから逃れることはできない のである。

外国人労働者を受け入れるということは,それがもたらす送り出し側への 様々な影響についても関心を寄せざるを得なくなることを意味している。グロ ーバルな正義に照らしつつ,送り出し側に対して一定の責任をも負うというこ とになる。それは受け入れ国にとって,外国人労働者の受け入れにともない,

背負い込まなければならない責任であり,ジレンマであるといってよい。

( ) たとえば

ILO, Bilateral Agreements and memoranda of Understanding on Migration of Low Skilled Workers : A review, ; Lant Pritchett, Let their people come in. Breaking the Gridlock on International Labor Mobility, Center for Global Development,

,拙稿「一 時的労働力輸入にかんする考察」 『香川大学経済論叢』第 巻第 号, 年をみよ。

( ) 浦山聖子「グローバルな平等主義と移民・外国人の受け入れ( ) ( )」『国家學會雑誌』

巻 − 号( − 頁), − 号(

頁), 年;浦山聖子「グローバルな分 配正義と労働者の国際的移動」『創文』 . , − 頁,参照。

日本型「移民政策」の萌芽

(6)

.「受け入れのパラドックス」

受け入れ側にはもうひとつのジレンマがある。受け入れた外国人労働者の処 遇についてである。どのような労働環境のもとで働き,どのように生活してい るかという外国人労働者の受け入れ後の処遇と暮らしの実態である。あまりに 劣悪な労働条件や悲惨な住環境の中で暮らしていることが発覚したとき,受け 入れている社会は衝撃と驚きをもって現実と向き合うことになる。さまざまな ルポルタージュや調査報告がそうした役割を演じてきた。旧西イツのギュンタ ー・ヴァルラフ『最底辺』(岩波書店, 年)は著者自らが不法就労の外国 人労働者に扮して労働現場を描き,現実を世間に知らしめた告発の書だった。

日本でもこの種の告発はずっと早くからなされていた。代表的な作品は落合英 秋『アジア人労働力輸入』(現代評論社, 年)であろう。戦後高度成長の 末期,オイルショック直前の激しい労働力不足のなか,日本における外国人労 働者受け入れの先駆け的事象ともいうべき当時の状況を「現代の 人買い 」,

「労働力輸入」という表現を用いて告発した書物である。その後もこの種の文 献やメディアに触発されつつ,受け入れ社会は外国人労働者の置かれた現実に 触れることになる。

外国人労働者の受け入れ社会はたいてい豊かな先進国であり,民主主義の国 である。そうした民主主義国は民主主義国であればこそのジレンマと向き合う ことになる。発展途上国からの外国人労働者の受け入れが事実上の「二級市民」

を生み出しているとすれば,そうした現実はそもそも公平・平等を基本的価値 とする民主主義と両立しうるのかという当然の疑念を抱かせる。民主主義とは 相容れないとすれば,外国人労働者の受け入れは民主的社会では許されないこ とになる

すべての人間の平等・公平な処遇を社会秩序のあるべき正義としよう。前項 で触れたのは,グローバルな正義の観点であった。世の中には残念ながら正義 に反する現実は多々ある。外国人労働者の受け入れもその一つであると割り切

( )

Cf. Mathew Lister, Justice and Temporary Labor Migration, in : Georgetown Immigration Law Journal Vol. : , , pp. − .

香川大学経済論叢

(7)

ることは難しい。そうした外国人労働者を受け入れるということは正義への明 白な離反行為,民主主義の意図的な掘り崩しにほかならないと受け取られるか らである。民主主義,平等,公平の原理に照らすとき,そのような外国人労働 者の受け入れは民主主義に反する,あるいは民主主義を損ねるような行為とし て見られやすい。外国人労働者の受け入れ=民主主義の危機である。外国人労 働者の受け入れを危険視するような論調もそれゆえ生まれてきやすい

。感情的 な議論が起こりやすいゆえんである。

外国人労働者の受け入れを民主主義の理念と整合させようとすれば,その制 度設計は慎重になされなければならない。労働力不足を解消し,効率的な生産 に寄与してくれるという利点を生かすためにも受け入れのための制度設計をど のように描くかということがきわめて重要となる

マーチン・ルース(Martin Ruhs)によれば,外国人労働者の受け入れの制 度設計(デザイン)には, つの要素がある。すなわち開放性(openness),

選別(selection),権利(rights)である。

開放性:受け入れる外国人労働者の数をどのような方法で,どの程度,規 制するか。(たとえば上限設定やポイント制)

選 別:どのようなタイプの外国人労働者を選別して受け入れるか。

(たとえば技能水準や国籍)

権 利:受け入れ後にどの権利をどの程度に外国人労働者に付与するか。

(たとえば自由な転職,福祉給付の受給,短期滞在もしくは永住,

市民権の取得)

これらの 要素の組み合わせによって,外国人労働者の受け入れにはきわめて 多様なバリエーションが生まれてくる。受け入れ国は,それぞれの歴史的,政

( ) 代表的な論客を一人挙げるとすれば,三橋貴明であろう。『日本人のための日本国が 消える!移民亡国論』徳間書店, 年;『今や世界 位「移民受け入れ大国」日本の 末路「移民政策のトリレンマ」が自由と安全を破壊する』徳間書店, 年,参照。

( )

Martin Ruhs, The Price of Rights, regulating international labor migration, Princeton University Press, .

日本型「移民政策」の萌芽

(8)

治的,文化的な諸事情を背景として,自国にふさわしいと判断する組み合わせ

(プログラム)を選択することになる。

とりわけ難しいのが,外国人労働者の受け入れにあたって,どの権利を付与 し,どの権利については制限するかという判断である。外国人労働者のタイプ によって異なるのであるが,低熟練や中技能と位置づけられるような外国人労 働者についていえば,たとえば自由に転職する権利を最初から付与すること は,雇用企業の行動に当然ながらネガティブな影響を与える。企業はおそらく 受け入れを停止もしくは抑制する。場合によっては不法就労を助長する。ある いは現地の労働者との競合関係も心配されやすい。福祉的給付の受給も認める とすると,受け入れ社会にとって財政負担に対する懸念がでてくる。熟練度の 低い外国人労働者を受け入れるときに生じる悩ましさである。民主主義の社会 に受け入れる以上,彼らにも平等に権利を付与しようとすれば,受け入れ自体 が停滞する可能性が出てくる。送り出す途上国にも利益をもたらしつつ,受け 入れ社会の直面する諸問題の解決のために外国人労働者を受け入れようと企図 しても,権利の問題が立ちはだかることになる。外国人労働者にその社会で一 般的に認められている諸権利を受け入れた時点で最初から平等に与えること は,外国人労働者の受け入れ促進には必ずしも合理的であるとは限らないので ある。それによって受け入れる数が市場の論理にしたがって抑制されることに なれば,追加的な外国人労働者の受け入れによって生み出されたはずの価値を 失うことになる。受け入れられたはずの外国人労働者がチャンスから排除され ることにもなる。公平・平等を優先すると,受け入れ自体が停滞してしまいか ねない。これは,いわゆる「受け入れのパラドックス」(immigration paradox)

といわれている

。後でも触れることだが,とりわけ低熟練の外国人労働者の受 け入れは,受け入れの数を増やそうとすれば,彼らに付与する権利はその分だ けより多く制限される傾向にある。「数と権利のトレードオフ」(Numbers vs.

( )

Howard F. Chang, The Immigration Paradox : Alien Workers and Distributive Justice

( )

: in : Faculty Scholarship, Paper , pp. − .

(http://scholarship. law.upenn.edu/

faculty_scholarship/ .)

香川大学経済論叢

(9)

Rights : Trade-Offs)ともいわれ,とりわけ熟練度の低い外国人労働者を受け 入れるさいには,この点を十分に理解しておかなければならない

。低熟練ある いは中技能の外国人労働者の受け入れは不平等と不可分離であるといわざるを 得ないのである。不平等の程度と種類は受け入れ社会の格差と平等性に対する 態度によって相違するであろう。付与する権利と制限する権利には「受け入れ 社会に特有の組み合わせ」(state-specific package)があるからである

ここからがジレンマである。外国人労働者に対する権利の制限および不平等 の現実を受け入れ社会は民主主義に照らして許容しうるだろうか。断固として 許容しないとすれば,外国人労働者の受け入れはしないと覚悟を決める必要が ある。「単純労働者」は受け入れないとした建前は,その現実性はいま置くと して,ここに係わっている。外国人労働者の受け入れが必要だとすれば,どこ までの不平等であれば許容しうるか,その妥協点を探らなければならない。そ れが難問である。妥協するとすれば,外国人労働者の受け入れは民主主義の理 念からいえば理想的ではないが,外国人労働者を受け入れざるを得ない現実に 照らしながら,せめてセカンド・ベストといえる状態に近づくように努力しな ければならない

セカンド・ベストに近づくための努力にはなにがあるだろうか。たとえば外 国人労働者が経験している労働や生活上の諸問題をとってみよう。それらはす べて権利の制限に起因し,権利が制限されている限り解決できないものなのだ ろうか。解決に役立つ手法・工夫があるのであれば,それらを動員し改善と解 決に向けて実践するプロセスがなによりも肝要である。あるいは権利を一定期 間だけ制限する代償として,当事者の納得と了解を得ながら,グローバルな分 配的正義に向けて働きかけることも必要となる。 つの「R」の効率的な仕組

( )

Martin Ruhs, Philip Martin, Numbers vs. Rights : Trade-Offs and Guest Worker Programs, in : International Migration ReviewVol. No. , , pp. − .

( )

Martin Ruhs, Labor immigration policies in high-income countries : Variations across political regimes and varieties of capitalism, in :Journal of Legal Studies, , pp. − .

( )

Howard F. Chang, Guest Workers and Justice in a Second-Best World

( )

, Faculty Scholarship, Paper , pp. − .

(http://scholarship. law.upenn.edu/faculty_scholarship/ )

日本型「移民政策」の萌芽

(10)

みづくりがそこに関係してくるだろう

しかしながら権利を永続的に制限しつづけることは許されない。それは外国 人労働者ではなく,奴隷そのものである。外国人労働者として受け入れるとき,

在留期間が限定されているのはそのためでもある。短期的な受け入れが外国人 労働者の通例である。そしてまた在留期間が更新できる場合には,一定期間後 の定住権,さらには市民権の付与をも視野に収めることができるように制度設 計されていることも大切なポイントである。労働の期間の長さに応じて行使し うる権利も拡大すると考えるのである。つまり外国人労働者の雇用の「一時性」

(temporariness)は二重の意味である。いずれは出身の送り出し国へ戻るとい う滞在の一時性であり,もうひとつは受け入れ社会において一時的な非市民の 地位を脱出し,現地の市民となりうる可能性をもっているという意味である。

「受け入れのパラドックス」に正面から立ち向かう制度設計をしようとすれば,

受け入れる外国人労働者はやがて定住の可能性をもった労働移民としての性格 を強めることにならざるをえないのである

Ⅱ 受け入れのデザイン

.受け入れプログラム

外国人労働者の受け入れプログラムを概観しよう。まず,「選別」,すなわち 技能水準から確認しよう。

( ) 労働者が送り出し国から受け入れ国へと移動するプロセス,受け入れ国から送金する プロセス,そして獲得した経験・技能を送り出し国へ移転し再就職するプロセス,これ らの つの「R」に関連するプロセスはベールに包まれた状態である。そこにも多くの 不正・搾取が潜んでいる。これらのプロセスにおける安全性と信頼性を高めるための創 意工夫が求められているところである。OECD 編ブライアン・キーリー著(濱田久美子 訳)『よくわかる国際移民 グローバル化の人間的側面』明石書店, 年;Jan Willem

Holtslag, Monique Kremer, Erik Schrijvers

(ed.)

Making Migration Work, Amsterdam University Press ; Jacqueline Irving, Sanker Mohapatra, Dilip Ratha,Migrant Remittance Flows. Findings from a global Survey of Central Banks, The World Bank .

( )

Patti Tamara Lenard, Christine Straehle, Temporary labour migration, global redistribution, and democratic justice, in :Politics, Philosophy & Economics,

( )

, , pp. − .

香川大学経済論叢

(11)

年時点における世界 ヶ国の状況は,表 のとおりである。 ヶ国の うち圧倒的に多い ヶ国は,一人当たり国民所得 万ドル以上の上位の高所 得国である。豊かな先進国が受け入れ国である。 ヶ国の全体で総数 件の プログラムがある。外国人労働者の受け入れ計画全体の 割弱を占める。上位 の高所得国はどのような技能水準の外国人労働者を受け入れているのだろう か。技能水準はおおまかに「低技能」,「中技能」,「高技能」,「最高技能」の つに区分されている。技能水準を限定した受け入れ計画と技能水準をやや広め に設定している受け入れ計画とがあり,全体として つの種類に分けられてい る。大学院の修士号もしくは博士号の取得者を「最高技能」としているが,こ のトップレベルのスキルに限定した受け入れ計画は 件である。このトップ レベルのみではなく,大学卒の学士号取得者相当(「高技能」)も含むプログラ ムとなると, 件に拡大する。主として「高技能」をターゲットとしつつ,

低技能 のみ

低技能 など

中技能 など

高技能 など

最高技能 など

最高技能

のみ 計画件数 シェア

上位高所得国( ヶ国) .%

下位高所得国( ヶ国) .%

上位中所得国( ヶ国) .%

下位中所得国( ヶ国) .%

ヨーロッパ( ヶ国) .%

東ヨーロッパ( ヶ国) .%

北アメリカ( ヶ国) .%

ラテン・アメリカ

( ヶ国) .%

東アジア( ヶ国) .%

東南アジア( ヶ国) .%

西アジア( ヶ国) .%

オーストラリア・

ニュージーランド .%

合計( ヶ国)

外国人労働者受け入れ計画の技能水準 (受け入れ国の所得階層別,地域別, 年)

出典:Martin Ruhs,

The Price of Right. Regulating international labor Migration, Princeton University Press , p. .

注)上位高所得国:一人当たり国民所得 万ドル以上の国。

下位高所得国:一人当たり国民所得 万ドル未満の国。

日本型「移民政策」の萌芽

(12)

それ以外も含むようなプログラムも 件ほどみられる。上位の高所得国の受 け入れ計画の過半数は,大卒以上のいわゆる高度人材をターゲットとしている といってよい。

他方,高卒相当の技能水準(「中技能」)あるいは高卒未満の技能水準(「低 技能」)を主として受け入れるプログラムもそれぞれ 件程度ある。「低技能」

に限定したプログラムは 件に達する。先進国は高度の人材だけでなく,中・

低技能の人材にも独自のプログラムを用意して受け入れているのである。

いくつかの先進国で確認しておこう。

アメリカ合衆国には つの外国人労働者受け入れプログラムがある。うち つが高度人材向けである。残りの つが低・中度の人材のためのプログラムで ある。カナダは つの外国人労働者受け入れプログラムを用意している。高度 人材向けが つ,低・中度人材向けが つである。日本には専門技術職の高度 人材向けと技能実習生という低・中度の人材向け,それぞれ つずつ,合わせ て つのプログラムがある。韓国,台湾もターゲットとしている技能水準でみ れば,日本と似ている。

.受け入れに数量上限(クオータ制,年間受け入れ総量の設定等)はあるか。( 〜 )

.受け入れ先の雇用は受け入れ許可の前提条件か。( 〜 )

.労働市場テストは受け入れ許可の前提条件か。( 〜 )

.受け入れ先の産業・職種は特定されているか。( 〜 )

.雇主は雇用許可の手数料以外の料金を賦課されているか。( 〜 )

.賃金・雇用条件について雇主に遵守すべき基準はあるか。( 〜 )

.労働組合は受け入れに関与するか。( 〜 )

.受け入れ許可に国籍や年齢は影響するか。( 〜 )

.受け入れ許可に性別や婚姻関係は影響するか。( 〜 )

.受け入れ許可に特定の専門的技能や資格は影響するか。( 〜 )

.受け入れ許可に受け入れ国の言語能力は影響するか。( 〜 )

.受け入れ許可にさいして経済的自立の証明は必要か。( 〜 ) 開放度指数

出典:Martin Ruhs,

The Price of Right. op. cit., pp.

より作成。

香川大学経済論叢

(13)

外国人労働者の受け入れを特徴づける 要素のひとつである「開放性」

(openness)はどのように計測しているのだろうか

。「開放性」の度合いを測る ための指標には 項目ある。たとえば「受け入れに数量制限(クォータ制,

年間受け入れ総数の設定等)はあるか」という項目については 点から 点の あいだで開放度が評価される。一切の数量制限が設定されていなければ, 点 である。上限設定が厳しければ 点である。各項目の得点を標準化し, から のあいだに収める。そのようにして表 に示されている 項目すべてにつ いて,標準化された点数を合計する。そのうえで再び,総得点を標準化する。

こうして得られた得点が,当該受け入れプログラムもしくは当該受け入れ国の

「開放度指数」である。

ヶ国の の受け入れプログラムの「開放度指数」は表 のとおりであ る。開放度の高い順に並べている。最も開放度の高い受け入れプログラムは,

アルゼンチンの受け入れ計画である。開放度指数は数量制限のほとんどない

. である。逆に最も開放度の低いプログラムは,開放度指数 . と評価 されているドイツの受け入れ計画である。アルゼンチン,コロンビア,ベネズ エラといった中南米諸国の受け入れプログラムは数量制限していないようであ る。東アジア諸国のなかでも台湾やシンガポールも開放度の高いプログラムと いえる。 . を超える得点を獲得している。日本についていえば, つの受け 入れプログラムが調査の対象となっている。 年の調査であるが,「専門 的・技術的分野」には就労ビザに相当する多様な在留資格を用意している。こ れが表中の Working visa である。「開放度指数」にすると, . である。い まひとつの受け入れプログラムは技能実習制度である。 年には後述する ように制度改正により「技能実習」の在留資格が創設されたが,調査時点は新 制度の施行前であるから,まだ研修制度の名残りが濃厚な時期である。表中で は開放度の低いほうから 番目に位置している。Trainee visa と表示されてい る。「開放度指数」 . である。

( )

Martin Ruhs, The Price of Rights, op. cit., pp. − .

日本型「移民政策」の萌芽

(14)

国 名 プ ロ グ ラ ム 開放度指数

アルゼンチン Employed workers .

アルゼンチン Scientific and specialized personnel . コロンビア Visa TT : General program . ベネズエラ Labor transient visa(VT-L) .

台湾 Work permit(white-collar workers) .

ブラジル Program NR / .

合衆国 EB priority workers .

合衆国 O .

ポーランド Work permit .

シンガポール Employment pass .

メキシコ Professional immigrant program .

トルコ Work permit .

アラブ首長国連合 Residence permit for employment issued for an employee . ポーランド Short-term(seasonal)work permit .

デンマーク The pay limit scheme .

スペイン High skill .

中国 Work visa .

チェコ共和国 Short-term seasonal work permit . ハンガリー Seadonal employment visa . ハンガリー A long-term visa for the purpose of gainful employment . スロバキア共和国 Short-term(seasonal)work permit .

スロバキア共和国 Work permit .

ポルトガル Residency visa for research/highly qualified assignment(visa typeII) . 連合王国 Tier general highly skilled workers(general)(points-based system) . アルゼンチン Temporary migrant workers .

ブラジル Program NR / .

韓国 Employment visa(special occupations, professional employment) .

スウェーデン General work permit program .

メキシコ Immigrants for scientific work .

メキシコ Immigrants for managerial positions .

ドイツ Settlement permit .

オマーン Employment visa .

サウジアラビア General program(labor and worker law related regulations) .

ブラジル Program NR / .

デンマーク The green card scheme .

クウェート General program(private sector workers) .

合衆国 H− A .

合衆国 H− B .

ベルギー Worker permit type B .

フランス Skilled and talent program .

メキシコ Immigrants for technical work .

チェコ共和国 Green card C .

ニュージーランド Skilled .

シンガポール S pass .

ギリシャ Residence permit for regular staff .

ギリシャ Residence permit for executives .

ギリシャ Seasonal work permit .

フランス Temporary permit for temporary work( − months) .

フランス Temporary permit for temporary employment(at least twelve months) .

フランス Seasonal workers .

チェコ共和国 Green card A and B .

マレーシア Visit pass(temporary employment) .

外国人労働者受け入れ計画 (開放度指数の高い順, 年)

香川大学経済論叢

(15)

ニュージーランド Essential skills visa . ノルウェー Skilled workers/specialists .

ノルウェー Seasonal worker .

オランダ Highly skilled migrants .

オーストラリア Skilled independent .

オーストラリア Skilled Australian sponsored .

アイルランド Green card permit .

連合王国 Tier skilled workers(general)(points-based system) .

合衆国 EB advanced degree holders .

合衆国 H B .

イスラエル B− visa(foreign worker) . イスラエル B− visa(migrant worker) . フィンランド Ordinary residence permit .

オランダ General labor scheme .

カナダ Low-skilled pilot project .

オーストリア Researchers and specific cases of grainful employment .

ニュージーランド Seasonal workers .

香港 Quality migrants program .

香港 Professionals program .

インドネシア Expatriate work-IKTA and stay permit . フィンランド Residence permit for an employed person .

カナダ Federal skilled worker program .

スペイン General regime .

オーストラリア Skilled regional sponsored .

ドミニカ共和国 Temporary residents .

ドミニカ共和国 Nonresidents .

ドミニカ共和国 Permanent residents .

スロベニア Residence permit(for employment and work) . シンガポール Work permit(foreign worker) .

ポルトガル Residency visa .

日本 Working visa .

タイ Work permit .

マレーシア Employment pass(EP) .

カナダ Provincial nominees .

オーストリア Seasonal migrant program .

香港 Imported workers .

アイルランド Work permit scheme .

イタリア Nonseasonal .

イタリア Seasonal .

オーストラリア Employer nomination scheme . オーストリア Settlement permit key worker migrant program . スロベニア Residence permit(seasonal work) .

スイス Work permits “B” .

台湾 Work permit(blue-collar workers) .

デンマーク Positiver list .

韓国 Employment visa(nonprofessional employment) .

日本 Trainee visa .

マレーシア Professional visit pass .

カナダ Quebec selected skilled workers .

カナダ Seasonal agricultural worker program .

スペイン Contingente .

ドイツ Residence permit(skilled) .

出典:Martin Ruhs,

The Price of Right. op. cit., pp.

より作成。

日本型「移民政策」の萌芽

(16)

0.60 0.62 0.64 0.66 0.68 0.70 0.72

1 2 3 4 5 6

上位高所得国    (17 件)

開放度指数

熟練度 全体(104 件)

熟練度と開放性をそれぞれ別個に観察してきたが,両者の間には反比例の関 係が認められている。熟練度が高ければ,受け入れはオープンであり,手続き も簡素である。ところが受け入れる労働者の熟練度が低いと,受け入れは慎重 になる。手続きは煩雑になり,閉鎖的になりやすい。図 にみられるように,

そうした傾向は上位の高所得国のほうが顕著である。つまり高所得国ほど低熟 練の外国人労働者に対する門戸は狭いのである。

熟練度の低い外国人労働者の受け入れには,上述のように,「数と権利のト レードオフ」が貫徹せざるを得ないから,民主主義国はその受け入れを制限す るのである。低熟練ないし中技能の水準の外国人労働者を受け入れようとすれ ば,付与する権利を制限せざるを得ないという倫理的なジレンマが避けられな いのである。

では,いったいどのような権利について,どの程度に制限されているのだろ うか。受け入れ国によっても,また受け入れプログラムによっても異なる。マ ーチン・ルースは,権利を付与(制限)する度合いを「権利付与指数」として 数値化している。付与(制限)される諸権利は大まかに「市民権・政治的権利」

「経済的権利」「社会的権利」「滞在の権利」そして「家族の権利」の つに分

外国人労働者受け入れの熟練度別開放度指数

出典:Martin Ruhs,

The Price of Rights, Princeton University Press , p. .

香川大学経済論叢

(17)

市民権・政治的権利

.地方選挙権はあるか。( 〜 )

.被選挙権はあるか。( 〜 )

.労働組合等の結成は可能か。( 〜 )

.身分証明書を所持する権利はあるか。( 〜 )

.裁判を平等に受ける権利はあるか。( 〜 )

経済的権利

.雇用の自由な選択はあるか。( 〜 )

.賃金は同じ仕事をする国内労働者と同じか。( 〜 )

.賃金以外の雇用条件も国内労働者と同じか。( 〜 )

.労働組合に加入できるか。( 〜 )

.雇用条件の違反を正すことができるか。( 〜 )

社会的権利

.失業給付に平等な権利をもっているか。( 〜 )

.公的年金への平等な権利をもっているか。( 〜 )

.公教育(学位課程,職業教育)への平等な権利をもっているか。

.公営住宅への平等な権利をもっているか。( 〜 )

.公共医療サービスへの平等な権利をもっているか。( 〜 )

滞在権

.滞在は一時的か,あるいは永住か。( 〜 )

.失業は滞在に影響を与えるか。( 〜 )

.犯罪は滞在に影響を与えるか。( 〜 )

.市民権は手に入るか。( 〜 )

.滞在許可撤回,強制退去命令のさいに法的対抗措置をとることができるか。 ( 〜 )

家族権

.家族再結合の権利はあるか。( 〜 )

.配偶者に働く権利はあるか。( 〜 )

.家族形成・再結合のための法的対抗措置は可能か。( 〜 ) 権利付与指数

出典:Martin Ruhs,

The Price of Right. op. cit., pp.

より作成。

日本型「移民政策」の萌芽

(18)

類されている。諸権利の付与(制限)の度合いを測るための項目が つほどあ る。「家族の権利」の項目だけは つである。

たとえば「経済的権利」の付与(制限)の度合いを測る項目の一つに,「雇 用の自由な選択はあるか」という項目がある。外国人労働者の権利について議 論になるとき,よく話題になるのがこの権利である。外国人労働者は職場の変 更を許されていないケースが多い。外国人労働者はそれゆえにこそ搾取されや すいといわれている。またそのため外国人労働者の受け入れそのものも非民主 的とみなされやすい。この職場変更の権利はその付与の度合いによって 点か ら 点の幅で点数化される

点:特定の雇用主に縛られ,かつ雇用主の変更不可。

点:特定の雇用主に縛られているが,新たに就労許可を申請すれば,雇 用主の変更可。

点:特定の業種・職種・地域のなかで雇用主の自由な変更可。

点:完全に自由に雇用を選択できる。

「滞在の権利」の指数を測る項目にも つある。そのうちの つは,「滞在は 一時的か,あるいは永住か」であるが,これも 点から 点までの幅がある。

点:永住権を獲得する見込みのない厳格な一時的滞在許可 点: 年以上で永住的地位に移行する見込みのある一時的地位 点: 年以内で永住的地位に移行する見込みのある一時的地位 点:永住権

「家族の権利」の指数を測る項目は つだが,そのなかの「家族再結合の権 利はあるか」の項目も 段階で評価される。

点:いかなる家族構成員,被扶養者とも一緒に暮らす権利はない。

点:配偶者・パートナー及び未成年の子供に限定して再結合可

点:配偶者・パートナー,未成年の子供,さらに成人した子供とも再結 合可

( ) 職場変更の権利の点数は,技能実習生は 点であるが,後述する「特定技能」は業種 内での移動を認める予定であるから 点となろう。

香川大学経済論叢

(19)

0 0.25 0.5 0.75 1

全プログラム 永住移民計画 短期移民計画

立候補 選挙 配偶者の就労 市民権 滞在の時間制限 滞在の安全性雇用 雇用の自由選択 家族の帯同 失業給付 身分証明 滞在の安全性犯罪 公共住宅 苦情家族帯同 公的年金 公教育 公的医療サービス 結社 苦情滞在 組合加入 裁判所による保護 苦情雇用 均等待遇 同一賃金

点:配偶者・パートナー,子供,さらにその他の家族構成員との再結合 可

つの権利の項目を合計すると, 項目である。それぞれの項目の得点を 足し合わせ標準化することで,各権利の指数が得られる。そして各権利の指数 を合計し,標準化することで,総合的な「権利付与指数」となる。

外国人労働者の受け入れ計画において, の項目の諸権利は,どの程度の 付与(制限)がなされているのだろうか。その点を一覧したのが図 である。

外国人労働者の受け入れプログラムを永住移民の受け入れ計画と短期移民の受 け入れ計画とに分けて図示している。労働を目的とした移民であっても,受け 入れ時点で永住(定住)が約束されている場合もある。選挙権,被選挙権が最 も付与指数が低い。永住移民の受け入れの場合ですらそれらの諸権利は制限さ れていることが多い。それ以外の諸権利については,永住移民の場合にはほと んど権利が付与されているようである。通常の一時的な短期移民の場合には権 利の種類によって付与する度合いに差がみられる。同一賃金や均等待遇は最も 権利が付与されやすいようである。それらの諸権利は,たとえ短期間の受け入 れ予定であっても,外国人労働者を受け入れるための前提条件として考えられ ているといえる。逆に,永住移民計画と対比したときの短期移民計画に特徴的

権利付与指数の概況

出典:Martin Ruhs,

The Price of Rights, op. cit., p. .

日本型「移民政策」の萌芽

(20)

0.00 0.25 0.50 0.75 1.00

1 2 3 4 5 6

権利全体 政治的権利 経済的権利 社会的権利 滞在権 家族権

熟練度

権利付与指数

な点は,同じ外国人労働者であっても短期の場合には転職や失業といった労働 市場での能動的な行動力については制限されているケースが多いことである。

家族の帯同も永住移民と異なり制限されやすい。短期の一時的な外国人労働者 の受け入れは,単身で,しかも特定の雇用主との雇用関係に限定されているこ とが多いといってよい。

受け入れる外国人労働者の技能水準の高さと付与(制限)される権利の多さ との関係を描写すると,図 のようになる。諸権利を つの種類に分けて熟練 度との関係を図示している。いずれの種類の権利も受け入れる外国人労働者の 熟練度の上昇に正比例して彼らに対する権利付与指数も上昇している。とりわ け社会的権利及び家族に係る権利において,とくに熟練度による変化が大き い。技能水準の最も低い「熟練度 」の外国人労働者に対する家族の権利の付 与指数は . と最も低いが,熟練の上昇とともに付与指数も上昇し,「熟練度

」になると家族に係る権利の付与指数は . を超えている。総じていえば,

外国人労働者受け入れの熟練度別の権利付与指数

出典:Martin Ruhs,

The Price of Rights, op. cit., p. .

香川大学経済論叢

(21)

低い技能水準の外国人労働者の権利は大きく制限されやすく,逆に高度人材に なるほど多くの権利が付与される傾向になるといえる。

.「数と権利のトレードオフ」

外国人労働者を受け入れるための制度の設計は当然ながら政府の責任であ る。しかしながら政府がいくら立派な制度を作りたいと考えたとしても,市場 の論理がそれに同調しなければ現実性はない。普遍的な人権の観点から提起さ れた望ましい制度改正であったとしても,外国人労働者の受け入れにとって大 きな支障になるようであれば,その改正は実現可能性が乏しい。デザイン 要 素のうち,「開放性」と「選別」,すなわちどのような質の外国人労働者をどの くらいの規模で受け入れるかという点については,経済社会のあり方によって デザインの仕方も異なる

。外国人労働者の社会保障上のコストが受け入れ社会 の負担に転嫁される仕組みがある場合には,政府は数量上の上限設定(キャッ プ制)や比率規制(クオータ制)といった受け入れに対する数量規制を政治的 に設定することになりやすい。社会保障の財政をもっぱら税金に依存している ような国々(いわゆる税方式)の場合には,たいてい上限設定がみられるのは そうした背景がある。他方,政治と市場の考え方に乖離が少なく,おおむね利 害の一致が見られる場合にはわざわざ数量規制をするまでもなく,市場の選択 にまかせることになりやすい。また,数量的規模については個別企業の裁量を 尊重しつつ,受け入れる人材の熟練度については政府が上から決めるというこ ともありうる。「専門的・技術的分野」については積極的に受け入れ,それ以 外の分野,いわゆる「単純労働」については原則認めないとしてきた日本政府 の立場がそれに該当する。

受け入れる外国人労働者にどのような権利を付与するか,もしくはどの程度 制限するかといった「権利」に関わる設計は政府の専権事項のようにみえる。

少なくとも政治による関与の程度は「開放性」や「選別」よりもずっと強いと

( )

Martin Ruhs, ibid., pp. − .

日本型「移民政策」の萌芽

(22)

思われる。外国人労働者は単なる労働力ではなく,生活する人間である以上,

その社会の人間として当たり前と考えられている権利を付与するのは当然であ り,基本的人権を尊重する政府の責任であると,考えられている。とするなら ば外国人労働者に付与する権利に「開放性」や「選別」にみられたような選択 肢(オプション)がありうるという発想がそもそもあり得ないのではないか。

人権尊重の立場からいえば,そのように主張されることが多い。「権利」をめ ぐる制度設計上の難点がここにある。

一時的に受け入れる外国人労働者にどこまでの権利を付与すべきか。政府と してはなによりその社会のもつ公平性や平等性に影響されざるを得ないだろ う。社会構成員のあいだの平等性を重視し,格差に敏感に反応する社会であれ ば,政府は外国人労働者により多くの権利を付与するだろう。逆にその社会が 格差を許容しやすければ,付与する権利を制限しやすいだろう。先述のように 税方式によって社会保障を運営している社会の場合には,権利の付与に伴う財 政負担の懸念も大きくなると受け止められやすいから,付与する権利には慎重 になるであろう。

受け入れ社会のありようと政治的なスタンスがいかなるものであっても,外 国人労働者を受け入れるのは,まずもって企業である。労働市場における需要 サイドとしての企業の行動原理が外国人労働者の受け入れを基底的に規制して いるといわなければならない。外国人労働者に付与される権利は企業の需要行 動にどのように影響するのだろうか。

たとえば自由に職場を変更する権利を与えると,企業にとっては外国人労働 者の採用に要した経費を回収することができないかもしれない。回収できない 経費はコストとして企業の負担となる。それは雇用量の抑制をもたらすであろ う。より多くの権利を与えることは企業にとってコスト高となるから需要量の 削減が想定される。スウェーデンのような平等を重視する社会は企業の行動を

( )

Alexander Reilly, The Membership of Migrant Workers and the Ethical Limits of Exclusion, in : Jonna Howe, Rosemary Owens

(ed.)

,Temporary Labour Migration in the Global Era.

The Regulatory Challenges, Hart Publishing , pp. − ; Martin Ruhs, Protecting the Rights of Temporary Migrant Workers. Ideals versus Reality, in : ibid., − .

香川大学経済論叢

(23)

権利付与指数

開放度指数 少量・多権利政策

(カナダ,スウェーデン)

多量・少権利政策

(香港・シンガポール,

湾岸諸国)

織り込んだうえで「少量・多権利政策」 ( high rights-low numbers policies)を追 求していると考えられる。またカナダの「住み込み介護者」 (Live-in Caregivers)

に関わる受け入れは,受け入れてから 年後には永住権の付与を予定してお り,その意味で高コストを前提とした受け入れ政策を採っているといえる。そ れゆえ受け入れ規模は制限されている。他方,香港やシンガポールの場合には 受け入れる家政婦(domestic helpers)には何年滞在しようとも市民権の付与を 予定していない。受け入れ側のコストは低い水準で維持されることが計算でき るので,需要量は大きくなりやすい。同様に,中東の湾岸諸国に受け入れられ る外国人労働者の規模が膨大になるのは,外国人労働者の権利の制限によって 活発な労働需要が刺激されているからであると考えることができる。これらの アジア諸国は「多量・少権利政策」( low rights-high numbers policies)を採用 しているといえる。

低熟練・中技能外国人労働者の受け入れモデル

出典:Martin Ruhs, Philip Martin, Numbers vs. Rights : Trade-Offs and Guest

Worker Programs, in :International Migration ReviewVol. No. , , pp. −

に基づき作成。

日本型「移民政策」の萌芽

(24)

外国人労働者に付与する権利の多さと受け入れる外国人労働者の規模との関 係は,図示すると,右肩下がりの曲線を描く。権利が多ければ,企業の行動原 理に基づき,需要は小さくなる。需要を大きくしたければ,付与する権利は制 限しなければならない。何度も触れているように,「数と権利のトレードオフ」

(the numbers-rights trade-off)と呼ばれているものが,これである。いいかえれ ば,「望ましさ」(desirability)と「実行可能性」(feasibility)とのあいだのバラ ンスのとり方の問題である。自国民だけですべての必要な労働を賄うことがで きれば,それが理想かもしれない。しかし外国人労働者に依存しなければなら ないのが現実であるとすれば,彼らを新たな同胞・市民として受け入れること がもうひとつの「望ましさ」であろう。この選択肢もまたハードルが高いとす れば,「望ましさ」と「実行可能性」とのバランスを社会的・政治的に探るこ とを追求しなければならない。日本的なバランスの現時点は,後述するよう に, / 年の技能実習法および入管法改正であると考えられる。

右肩下がりのトレードオフは,あくまで熟練度の低い外国人労働者の受け入 れについて描写したものである。高技能(high-skill)レベルの外国人労働者は これとは異なる。高技能の外国人労働者の国際的な獲得競争は熾烈を極めてい る。そのなかで高技能の外国人労働者に来てもらおうとすれば,魅力的な条件 を提示しなければならない。日本でも高度専門職には半年で永住権を付与する としているし,「専門・技術的分野」の外国人労働者には家族の呼び寄せも認 められている。受け入れコストに見合うだけの生産性をもっているのが,高技 能の外国人労働者であるから,数と権利の関係は,正比例の関係になる。右肩 上がりの曲線を描くといえる。右肩上がりということは,すなわち受け入れの ためには優遇措置の提供が必要だということである。こちらの制度設計は理解 しやすい。

( )

Martin Ruhs, Philip Martin, Numbers vs. Rights, op. cit., pp. − .

( ) 高度人材には様々な優遇措置を設けている。永住許可を得るために必要な在留期間は どんどん短縮化され,最短 年で認めることとなった。入国時点での移民扱いに限りな く近い。『日本経済新聞』 年 月 日,参照。

( )

Martin Ruhs, The Price of Rights,op. cit., pp. − .

香川大学経済論叢

(25)

権利付与指数

開放度指数

数と権利の右肩下がりのトレードオフは,民主主義社会においては理解が難 しい。積極的に受け入れようとすれば,社会の正義に反するようにみえる世界 に足を踏み入れなければならないからである。権利を保障しつつ量を確保する ことは不可能なのである。量をとるか,権利を与えるか,どちらかである。 「少 量・多権利政策」か「多量・少権利政策」のいずれかである。民主主義の社会 において低熟練・中技能の外国人労働者を受け入れようとすれば,とりわけ

「多量・少権利政策」を追求する場合にはなおさらであるが,不平等との折り 合いをつけなければならない。権利を制限し不平等を導入することの正当性を 説明しなければならない。この倫理的なジレンマに堪え,それを乗り越えるた めには,なにが必要なのだろうか。まず権利の制限はエビデンスに基づかなけ ればならない。一定の権利を制限しなければ,受け入れ自体が前に進まないと いうことを証拠に基づいて裏付けなければならない。一定の権利を制限するこ とによって低熟練の外国人労働者の受け入れに大きな弾みが生まれるというこ とが証明できる必要がある。そしてさらに,たとえ外国人労働者の一定の権利 を不平等に制限した状況下であっても,受け入れることが所得をつうじて外国

高度熟練外国人労働者の受け入れモデル

日本型「移民政策」の萌芽

(26)

人労働者の現在の生活を改善し,技能形成をつうじて将来の人間的な成長の可 能性を開発するものでなければならない。ひいては送り出し国の経済発展に寄 与するものであることが望ましい。外国人労働者の受け入れはそうした利益に 資するものであるという理解を広く社会的に共有し,実際にもそうした利益を もたらすように運用するように絶えず努力することがなにより重要である。そ して権利の制限はあくまで一時的であるということを明確にしておかなければ ならない。そしてなによりも,こうした認識と条件のもとでの一定の権利の制 限であることを外国人労働者本人が納得をし,送り出し国も了解をしているこ とが必要である。国内の不平等の状況をグローバルな平等の実現によっていわ ば補償する戦略である。熟練度の低い外国人労働者の受け入れに伴う倫理的な ジレンマは,このようにして国境を超えた異なる主体のもつ諸利害のあいだで 慎重にバランスを探りつづけることによってのみ乗り越えうるものである。受 け入れるということはしたがって不安定なプロセスである。

上述のような民主主義国家における低熟練ないし中技能の外国人労働者の受 け入れを「数と権利のトレードオフ」のモデルに従って図示すると,図 のよ うになる。同じ民主主義国家であっても政治経済の運営の仕方によって外国人 労働者に対する受け入れ方式は異なりうる。小さな政府を追求し,物事を市場 経済のメカニズムによって処理する傾向が強い英米諸国のような「リベラルな 市場経済」の国々では,受け入れる外国人労働者に権利を付与することを拒否 し,その代わりとしてボリュームを確保することを選択しやすい。それゆえ図 上において「リベラルな市場経済」の国々は右下に位置している。これに対し て大陸ヨーロッパの「調整型市場経済」では,可能な限りの平等な社会と福祉 国家を志向するため,外国人労働者に対してもある程度の権利の付与を前提と せざるを得ない。それゆえ受け入れる規模は制限されやすく,開放度指数は小 さくなりやすい。右下がりの受け入れ曲線は,社会の平等性が強くなると,上 方にシフトする。外国人労働者の仕事が受け入れ社会から隔離され,受け入れ

( )

Patti Tamara Lenard, Christine Straehle, Temporary labour migration, op. cit..

香川大学経済論叢

(27)

権利付与指数

開放度指数 保険方式の

社会保障 調整型市場経済

リベラルな市場経済 労働市場の分断

税方式の 社会保障 平等な社会

社会の労働者と外国人労働者との間で労働市場における競争関係が小さい時に は,すなわち労働市場が分断されている場合には,受け入れる規模は大きくな りやすい。つまり受け入れ曲線は右へシフトする。社会保障の財政方式の違い も前述のように外国人労働者の受け入れに影響を及ぼす。税方式によって財政 を賄う国々では,外国人労働者が社会保障上の権利を獲得するのは容易であ る。生活と労働の事実が普遍主義の原則にしたがって権利を発生させるからで ある。それゆえ税方式の国々は外国人労働者の受け入れに対する政治的な警戒 心が強い。他方,保険方式で財政を賄う国々では,一定の期間の保険料の拠出 実績がなければ権利は発生しない。つまり保険方式を採用する国は「外国人労 働者の受け入れに強い」(immigration-proof)といえる。

( )

Martin Ruhs, Labor immigration policies in high-income countries, op. cit., p. .

民主主義国家における外国人労働者の受け入れモデル

出典:Martin Ruhs, Labor immigration policies in high-income countries :

Variations across political regimes and varieties of capitalism, in : Journal of Legal Studies, , pp. −

に基づき作成。

日本型「移民政策」の萌芽

(28)

Ⅲ 日本における労働移民の受け入れ

.技能実習制度

外国人労働者の受け入れに関する以上のような考察を踏まえるとき,日本の 外国人労働者の受け入れはどのように理解することができるのだろうか。

外国人技能実習制度は 年の制度開始から数えて 年,制度成立のきっ かけとなった 年の入管法改正に遡ると,まる 年に及ぶ歴史を経て今日 に至っている。そのあいだ 年の入管法改正によって「技能実習」という 在留資格が新設された。技能実習生が正式に労働者として認定されたのである。

そして 年 月,技能実習法が成立した。上林によれば,技能実習制度は 年改正によって「外国人労働者受け入れのためのサイド・ドア政策とい う日陰の存在から,堂々と正面から技能実習生として外国人労働者受け入れ可 能となる正統的な受け入れ制度に変貌した」のである。日本における,とりわ け熟練度の低い外国人労働者の受け入れは技能実習制度が担ってきたといって よい。

技能実習法は,雇用許可制度導入の頓挫( 年)にはじまる外国人労働 者受け入れの歴史の今日における到達点であり,今後の受け入れの出発点であ るといってよい。そこでまず技能実習法の要点を押さえておこう。

⑴ 技能実習制度の「司令塔」として外国人技能実習機構を認可法人として 新設した。外国人技能実習制度における人権侵害等の不正の根絶・適正化が期 待されている。監理団体の許可,技能実習計画の認定等をつうじて,技能実習 生の保護を強化することが期待されている。

⑵ 他方,「優良」と評価される実習実施者(受け入れ企業)には受け入れ 期間の 年から 年への延長(技能実習 号)とともに,受け入れ枠の拡大も

( ) 上林千恵子「外国人技能実習制度の第 の転換点− 年の技能実習法を中心に」

『DIO 連合総研レポート』 年 月号,No. , 頁。

( ) 旗手明「転換期を迎えた技能実習制度−技能実習法の成立とその限界」『月刊自治研』

( ), 年, − 頁;指宿昭一「技能実習制度」をめぐる最新動向解説」『労働 法学研究会報』 ( ), 年, − 頁,参照。

香川大学経済論叢

(29)

認めた。技能実習制度に対する規制強化を「鞭」とすれば,こちらは「飴」で ある。

⑶ 国会審議での付帯決議を踏まえて,送り出し国での募集・斡旋のプロセ スに対しても二国間の取り決めによって規制される可能性が拓かれた。

年 月におけるベトナム政府との間の協力覚書の締結が最初のケースである。

技能実習制度は紆余曲折を経て技能実習法という法律に結実したのである が,しかしながらこの制度に対する日本社会の理解は定まっていない,あるい は揺れている。ひとつの代表的な見方は,いわば欺瞞説とでもいうべきもので ある。海外からの労働力の確保が本当の目的にもかかわらず,「真の目的を隠 して,『技能等の適正な修得,習熟又は熟達』が目的であるかのように装って いる」と批判する。建前と本音の乖離を問題とするのである。これは技能実習 制度がその発足から背負ってきた問題である。技能実習制度が引き起こしてき た人権侵害等の様々な事件や問題はここに起因していると考えられており,し たがって制度の「廃止」が要求され,たとえば韓国の雇用管理制度に倣って正 面からの労働者としての受け入れが求められている。

技能実習制度にかかわる諸問題は新しい受け入れ制度に変えれば直ちに解消 すると考えるほど単純ではない。たとえば失踪問題。 年の失踪者数( , 人)が国会審議にも取り上げられ,技能実習生の「低賃金」と劣悪な労働条件 が改めてクローズアップされた。それでも技能実習生の %程度である。韓国 の雇用管理制度の下での失踪率は「 .%」に達するといわれているから,失 踪問題等の諸問題は正面からの労働者の受け入れに切り替えれば自動的に解決 されるわけではない。労働環境,生活環境,相談体制等を含む,多面的な視野 で検討しなければならない問題である。あるいは実習期間中において職場の変

( ) 外国人技能実習生問題弁護士連絡会編『外国人技能実習生法的支援マニュアル』明石 書店, 年, 頁。

( ) 同上, 頁。

( ) たとえば「実習生失踪『低賃金で』 %」『日本経済新聞』 年 月 日。

( ) 早川智津子「外国人労働政策の動向と課題」『季刊労働法』 号( 年秋季),

頁。

日本型「移民政策」の萌芽

図 低熟練・中技能外国人労働者の受け入れモデル

参照

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